JP2008020177A - 蓄熱システム - Google Patents

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Motohiro Suzuki
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Abstract

【課題】コストおよび蓄熱システムの重量の増大が抑制され、かつ蓄熱材に貯蔵された熱を効率よく利用することができる蓄熱システムを提供する。
【解決手段】潜熱蓄熱材を含む蓄熱容器を3以上有する蓄熱部と、潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材と熱交換する熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する熱交換部とを備える蓄熱システムにおいて、熱媒体を蓄熱時と放熱時とでは逆方向に流通させるとともに、蓄熱部の、放熱時における出口側の熱伝導率を、入口側の熱伝導率および出口側と入口側との間の熱伝導率よりも高くする。
【選択図】図2

Description

本発明は、蓄熱部に貯蔵された熱を高い効率で利用できる蓄熱システムに関する。
蓄熱システムは、蓄熱材を含む蓄熱部と、熱交換部とを有する。蓄熱材としては、主に、潜熱蓄熱材と、顕熱型蓄熱材とが用いられる。潜熱蓄熱材は、顕熱型蓄熱材に比べて蓄熱密度が高く、相変化温度が一定である。そのため、熱の取り出し温度が安定であるという利点を有する。この利点を活かして、種々の潜熱蓄熱材を用いる蓄熱システムが実用化されている。例えば、給湯器に用いられる蓄熱システムの場合、潜熱蓄熱材として、酢酸ナトリウム3水和物が従来検討されている。
潜熱蓄熱材は上記のように、優れた蓄熱密度と、ほぼ一定量の潜熱を安定的に放出する機能とを有する。一方、潜熱蓄熱材は熱伝導率が低いため、潜熱蓄熱材と熱媒体との間の熱通過率が低くなってしまう。そのため、蓄えた熱量を高い効率で利用できないおそれがある。
そこで、特許文献1および2は、フィンアンドチューブ式熱交換器を含む蓄熱システムを提案している。図1は、従来のフィンアンドチューブ式熱交換器の構成を概略的に示す断面図である。図1に示すように、特許文献1および2では、熱交換器3全体にフィン4を含む。これにより、潜熱蓄熱材2と熱媒体との間の熱通過率を向上させて、より多くの熱量を取り出すことを提案している。
特許文献3は、潜熱蓄熱材の組成や充填密度が、所定の方向に沿って勾配を有する蓄熱体を含む蓄熱器を提案している。これにより、蓄熱密度の高い蓄熱器が得られると記載されている。
特開2001−207163号公報 特開2003−232563号公報 特公平7−56433号公報
特許文献1および2の蓄熱システムは、熱交換器3全体にフィン4を設置するため、潜熱蓄熱材2と熱媒体との間の熱通過率は高くなる。しかし、フィン4を大量に設置するためにコストが増大し、構成が複雑化する。また、蓄熱システムの重量が大きく増加してしまう。
特許文献3の蓄熱器は、蓄熱時および放熱時において、熱媒体の流通方向が一定である。流通方向が一定である場合、潜熱蓄熱材に貯蔵された熱を効率よく利用することができないと考えられる。
そこで本発明は、コストおよび蓄熱システムの構成の複雑化、それに伴う重量の増大を抑制し、かつ蓄熱材に貯蔵された熱を効率よく利用することができる蓄熱システムを提供することを目的とする。
本発明は、潜熱蓄熱材を含む蓄熱容器を3以上有する蓄熱部と、潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材と熱交換する熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する熱交換部とを備え、熱媒体を蓄熱時と放熱時とでは逆方向に流通させるとともに、蓄熱部は、放熱時における熱媒体の出口側の熱伝導率が、入口側の熱伝導率および出口側と入口側との間の熱伝導率よりも高い、蓄熱システムに関する。
熱交換部は、潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材と熱交換する第1の熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する第1の熱交換部と、潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材と熱交換する第2の熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する第2の熱交換部とを備えることが好ましい。
第1の熱媒体と第2の熱媒体は、同じ熱媒体であってもよく、異なる熱媒体であってもよい。
出口側と入口側との間の熱伝導率は、出口側の熱伝導率および入口側の熱伝導率よりも低いことが好ましい。
蓄熱容器は、熱伝導率を高めるためのフィンを含み、出口側に配置される1以上の蓄熱容器に含まれるフィンの数は、入口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数および出口側と入口側との間に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数よりも多いことが好ましい。
出口側と入口側との間に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数は、出口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数および入口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数よりも少ないことが好ましい。
本発明によれば、コストおよび蓄熱システムの構成の複雑化、それに伴う重量の増大を抑制し、かつ蓄熱材に貯蔵された熱を効率よく利用することができる蓄熱システムを提供することができる。
本発明の蓄熱システムは、潜熱蓄熱材を含む蓄熱容器を3以上有する蓄熱部と、潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材と熱交換する熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する熱交換部とを備える。本発明の蓄熱システムにおいては、熱媒体を蓄熱時と放熱時とでは逆方向に流通させる。また、蓄熱部は、放熱時における熱媒体の出口側(以下「放熱時出口側」とする)の熱伝導率が、放熱時における熱媒体の入口側(以下「放熱時入口側」とする)の熱伝導率および放熱時出口側と放熱時入口側との間の熱伝導率よりも高い。これにより、コストおよび蓄熱システムの構成の複雑化、重量の増大などが抑制され、かつ蓄熱材に貯蔵された熱を効率よく利用することができる。
本発明者らは、従来技術の課題を解決するための研究過程において、同じ熱伝導率を有する複数の蓄熱容器が配列された蓄熱システムに着目した。このような蓄熱システムにおいて、熱の利用効率または交換効率を向上させるためには、全ての蓄熱容器内の熱伝導率を高めた構成を採用すればよいことは明らかである。しかし、前記の構成では、熱の利用効率は向上するものの、装置構成が複雑化し、ひいては、蓄熱システムの製造コストおよび重量が増大する。さらに、本発明者らは研究を重ね、このような蓄熱システムでは、特に放熱時出口側に配置される蓄熱容器の放熱効率が低下しやすく、これが熱の利用効率を低下させる一因となっていることを見出した。
そこで、本発明の蓄熱システムは、蓄熱部の放熱時出口側の熱伝導率を、放熱時入口側の熱伝導率および放熱時出口側と放熱時入口側との間の熱伝導率よりも高くしている。これにより、蓄熱部全体の熱伝導率を高くした蓄熱システムに匹敵する、優れた熱の利用効率が得られる。また、本発明では、蓄熱部に含まれる全ての蓄熱容器内の熱伝導率ではなく、一部の蓄熱容器内の熱伝導率を高くしているため、コストや蓄熱システムの構成の複雑化、それに伴う重量増加などを抑制することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。蓄熱システムは、蓄熱部6、第1の熱交換部9、第2の熱交換部10および熱源部30を備える。蓄熱システムには熱媒体が流通しており、例えば、蓄熱部6の伝熱壁11を介して熱媒体と蓄熱部6との間で熱交換が行われる。
蓄熱部6は、蓄熱容器7a、7b、7cと、潜熱蓄熱材8とを含む。蓄熱容器7a、7b、7cは、それぞれ内部に潜熱蓄熱材8を収容するほぼ直方体状の容器部材である。蓄熱容器7a、7b、7cは、例えば鉛直方向に一列に配置されて、蓄熱部6を構成している。本実施の形態では、蓄熱容器7a、7b、7cは併せて5個である。蓄熱部6では、放熱時出口側の熱伝導率を、放熱時入口側の熱伝導率および放熱時入口側と放熱時出口側との間の熱伝導率よりも高くする。これにより、装置構成の複雑化および重量増大などを伴わずに、熱の利用効率を向上させ得る。なお、蓄熱容器7a、7b、7cの共通する特徴について説明する場合は、蓄熱容器7と総称することがある。
蓄熱部6の放熱時出口側は、放熱時の熱媒体出口になる開口部に最も近接して配置される蓄熱容器7a(以下「放熱時出口蓄熱容器7a」とする)または、放熱時出口蓄熱容器7aとこれに対して直列に配置される1個以上の蓄熱容器7cとからなる。放熱時出口側の熱伝導率は、放熱時出口蓄熱容器7a単体の熱伝導率、または、放熱時出口蓄熱容器7aおよびこれに対して直列に配置される1個以上の蓄熱容器7cの全体としての熱伝導率である。
放熱時入口側は、放熱時の熱媒体入口になる開口部に最も近接して配置される蓄熱容器7b(以下「放熱時入口蓄熱容器7b」とする)または、放熱時入口蓄熱容器7bとこれに対して直列に配置される1個以上の蓄熱容器7cとからなる。放熱時入口側の熱伝導率は、放熱時入口蓄熱容器7b単体の熱伝導率、または、放熱時入口蓄熱容器7bおよびこれに対して直列に配置される1個以上の蓄熱容器7cの全体としての熱伝導率である。
放熱時出口側と放熱時入口側との間には、1個以上の蓄熱容器7cが配置される。蓄熱容器7cが1つである場合は、熱伝導率は、蓄熱容器7c単体の熱伝導率である。蓄熱容器7cが複数である場合は、熱伝導率は、複数の蓄熱容器7cの全体としての熱伝導率である。なお、1つの蓄熱容器7cが、放熱時出口側、放熱時入口側またはその間のいずれに属するかは、例えば、その蓄熱容器単体の熱伝導率によって区別するのが好ましい。放熱時出口側と放熱時入口側との間の蓄熱容器7cは、放熱時出口側または放熱時入口側に属する蓄熱容器7cよりも熱伝導率を低くするのが好ましい。
本発明において、放熱時出口側の熱伝導率を高くするには、例えば、放熱時出口蓄熱容器7aの熱伝導率を他の蓄熱容器の熱伝導率よりも高くすればよい。また、放熱時出口側が複数の蓄熱容器を含む場合、これら蓄熱容器の全体としての熱伝導率が、放熱時入口側の熱伝導率および放熱時出口側と放熱時入口側との間の熱伝導率よりも高くすればよい。更に具体的には、例えば、放熱時出口側および放熱時入口側の両方で、同じ熱伝導率を有する蓄熱容器を用い、放熱時出口側に配置される蓄熱容器の数を、放熱時入口側に配置される蓄熱容器の数よりも多くする。それとともに、ここで用いられる蓄熱容器は、放熱時出口側と放熱時入口側との間に配置される蓄熱容器よりも熱伝導率の高いものとする。これによって、上記のような熱伝導率の関係を満たすことができる。
蓄熱部6の鉛直方向側面は、伝熱壁11および11aとなり、伝熱壁11と第1の熱交換部9との間で熱交換が行われる。同様に、伝熱壁11aと第2の熱交換部10との間で熱交換が行われる。
蓄熱容器7の鉛直方向側面において、伝熱壁11、11aの対向する方向とは垂直な方向の少なくとも一方の側面には、フィン12が設けられる。フィン12は、蓄熱容器7内の熱伝導率を調整するために用いられる。フィン12の数を多くすることによって、蓄熱容器7内の熱伝導率を高めることができる。
フィン12の材質は特に限定されない。例えば、蓄熱容器7と同様の材質のものを用いることができる。例えば、銅、アルミ、ステンレス鋼等を含むフィン12を用いればよい。フィン12の耐食性を向上させるために、スズめっき、ニッケルめっき、エポキシ電着塗装等の表面処理を行ってもよい。
放熱時出口側に配置される1以上の蓄熱容器に含まれるフィンの数は、放熱時入口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数および放熱時出口側と放熱時入口側との間に配置されるフィンの数よりも多いことが好ましい。これにより、蓄熱システムの熱の利用効率が更に向上する。
具体的には、例えば以下のような構成である。
放熱時出口蓄熱容器7aに含まれるフィン12の数(充填密度)が、放熱時入口蓄熱容器7bに含まれるフィン12の数および放熱時出口側と放熱時入口側との間に配置される蓄熱容器7cに含まれるフィン12の数よりも多いことが好ましい。
または、放熱時出口蓄熱容器7aおよび1個以上の蓄熱容器7cに含まれるフィン12の数が、放熱時入口蓄熱容器7bまたは蓄熱容器7bおよび1個以上の蓄熱容器7cに含まれるフィン12の数および放熱時出口側と放熱時入口側との間に配置される1または2個以上の蓄熱容器7cに含まれるフィン12の数よりも多いことが好ましい。
放熱時出口側と放熱時入口側との間に配置される蓄熱容器7cのフィン12の数は、放熱時出口側に配置される蓄熱容器7aに含まれるフィン12の数および放熱時入口側に配置される蓄熱容器7bに含まれるフィン12の数よりも少ないことが好ましい。これにより、蓄熱システムの熱の利用効率が更に向上する。また、蓄熱システムの構成の複雑化や、それに伴う重量増加を抑制することができる。
なお、熱伝導率を向上させる手段は、フィン12を設ける方法に限定されず、例えば、潜熱蓄熱材8にカーボン等のフィラーを混合する手段その他公知の手段を用いることができる。
蓄熱容器7の材質は特に限定されないが、潜熱蓄熱材8の凝固および融解に由来する、容積変化に耐えうることが好ましい。例えば、銅、アルミ、ステンレス鋼等を用いればよい。蓄熱容器7の耐食性を向上させるために、スズめっき、ニッケルめっき、エポキシ電着塗装等の表面処理を行ってもよい。
潜熱蓄熱材8は、特に限定されない。例えば、酢酸ナトリウム3水和物、他の酢酸ナトリウム水和物、酢酸ナトリウム無水物、硫酸ナトリウム水和物、パラフィン、塩化カルシウム等を用いればよい。これらは、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、酢酸ナトリウム3水和物が好ましい。
潜熱蓄熱材8には、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば過冷却防止剤等が用いられる。過冷却防止剤には、例えば燐酸3ナトリウム12水和物、フッ化リチウム等を用いる。
第1の熱交換部9は、鉛直方向に延びるほぼ直方体状の容器部材であり、蓄熱部6の伝熱壁11に接するように設けられ、その内部を第1の熱媒体が流通する。また、第1の熱交換部9は、その鉛直方向の上面および下面に、第1の熱媒体を流通させる入口および出口になる2つの開口部を有する。これにより、第1の熱媒体が第1の熱交換部9内を矢符13の方向またはその逆の方向に流通する。すなわち、蓄熱時には、第1の熱媒体が蓄熱時の流れ方向(矢符13の方向)に流通する。一方、放熱時には、第1の熱媒体が放熱時の流れ方向(矢符14の方向)に流通する。
第2の熱交換部10は、鉛直方向に延びるほぼ直方体状の容器部材であり、蓄熱部6の伝熱壁11aに接するように設けられ、その内部を第2の熱媒体が流通する。伝熱壁11aは、第1の熱交換部9と接する伝熱壁11に対向する。また、第2の熱交換部10は、その鉛直方向の上面および下面に、第2の熱媒体を流通させる入口および出口になる2つの開口部を有する。これにより、第2の熱媒体が第2の熱交換部10内を矢符14の方向またはその逆の方向に流通する。すなわち、蓄熱時には、第2の熱媒体が蓄熱時の流れ方向(矢符13の方向)に流通する。一方、放熱時には、第2の熱媒体が放熱時の流れ方向(矢符14の方向)に流通する。
第1の熱交換部9および第2の熱交換部10は、蓄熱部6に接するとともに、蓄熱時の流れ方向および放熱時の流れ方向が、鉛直方向になるように設置されることが好ましい。これにより、蓄熱容器の温度分布を良好な状態に維持することができる。
第1の熱媒体および第2の熱媒体は、第1、第2の熱交換部9、10内を流通し、潜熱蓄熱材8に蓄熱するかまたは放熱させるために、潜熱蓄熱材8との間で熱交換を行う。
図2に示す蓄熱システムにおいては、第1の熱媒体および第2の熱媒体が、同じ熱媒体である。すなわち、蓄熱システムの蓄熱時には、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10の両方に、温度が高い蓄熱用の熱媒体が流通している。一方、蓄熱システムの放熱時には、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10の両方に、温度が低い放熱用の熱媒体が流通している。蓄熱システムを給湯器に用いる場合、蓄熱用および放熱用の熱媒体には、水を用いる。
熱源部30は、例えば、圧縮機15、放熱器16、膨張弁17および蒸発器18から構成されるヒートポンプサイクルを用いる。ヒートポンプサイクルの冷媒としては、例えば二酸化炭素を用いる。二酸化炭素は、高圧で圧縮することで、超臨界状態となる。これにより、熱媒体である水との熱交換の効率が大きくなるため、特に給湯器に蓄熱するための冷媒に適している。二酸化炭素は、蒸発器18および圧縮機15において加熱、圧縮される。放熱器16において、加熱、圧縮された二酸化炭素と、熱媒体との間で熱交換が行われ、熱媒体が加熱される。この加熱された熱媒体を、蓄熱用の熱媒体として用いる。なお、熱源部30に用いられるヒートポンプサイクルは図示のものに限定されず、例えば公知のものを利用できる。
図2に示す蓄熱システムによれば、蓄熱時には、熱媒体が蓄熱時の流れ方向(矢符13の方向)に流通する。潜熱蓄熱材8への蓄熱時には、まず、熱媒体が、熱源部30で加熱される。加熱された熱媒体は、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10へ流入し、潜熱蓄熱材8との間で熱交換が行われる。その後、熱媒体は第1の熱交換部9および第2の熱交換部10から流出する。流出した熱媒体と、加熱、圧縮された二酸化炭素との間で熱交換が行われ、熱媒体は再び加熱される。このとき熱媒体は、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10の鉛直方向上部から流入し、鉛直方向下部から流出することが好ましい。
放熱時には、熱媒体が放熱時の流れ方向(矢符14の方向)に流通する。放熱時の流れ方向は、蓄熱時の流れ方向とは逆方向である。熱媒体は、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10へ流入する。このとき、潜熱蓄熱材8と熱媒体との間で熱交換が行われて、熱媒体が加熱される。加熱された熱媒体は、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10から流出し、給湯等の用途に用いられる。このとき熱媒体は、第1の熱交換部9および第2の熱交換部10の鉛直方向下部から流入し、鉛直方向上部から流出することが好ましい。
上記のように、熱媒体は蓄熱時と放熱時とで逆方向に流通させる。すなわち、放熱時の熱媒体の入口は、蓄熱時の熱媒体の出口である。また、放熱時の熱媒体の出口は、蓄熱時の熱媒体の入口である。これにより、蓄熱システムにおける蓄熱および放熱の効率が向上する。
以下、蓄熱および放熱の効率が向上するメカニズムについて説明する。
まず、蓄熱時と放熱時とで同じ方向(例えば、矢符13の方向)に熱媒体を流通させる場合を説明する。すなわち、放熱時の熱媒体の入口は、蓄熱時の熱媒体の入口であり、放熱時の熱媒体の出口は、蓄熱時の熱媒体の出口である。
蓄熱時には、加熱された熱媒体が第1の熱交換部9および第2の熱交換部10を流通する。このとき、熱媒体の出口側に配置される蓄熱容器の蓄熱量は、他の蓄熱容器の蓄熱量よりも小さいと考えられる。
放熱時には、熱媒体は、蓄熱時の入口側、すなわち蓄熱量が大きい蓄熱容器7bを最初に通過する。その後、蓄熱時の出口側、すなわち蓄熱量が小さい蓄熱容器7aを通過する。このとき、蓄熱量が大きい潜熱蓄熱材8と熱交換をした熱媒体が、蓄熱量が小さい潜熱蓄熱材8に熱を奪われる場合がある。そのため、熱の利用効率が低下すると考えられる。
一方、蓄熱時と放熱時とで異なる方向に熱媒体を流通させる場合、放熱時の熱媒体は、まず蓄熱時の出口側、すなわち蓄熱量が小さい蓄熱容器7aを最初に通過する。その後、蓄熱時の入口側、すなわち蓄熱量が大きい蓄熱容器7bを通過する。よって、蓄熱量が小さい潜熱蓄熱材8に熱を奪われにくい。そのため、熱の利用効率が向上すると考えられる。
図3は、本発明の他の実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。なお、図2に示す蓄熱システムと同様の構成は、同じ番号を用いて説明を省略している。
図3に示す蓄熱システムにおいては、第1の熱交換部9には、第1の熱媒体のみが流通する。一方、第2の熱交換部10には、第2の熱媒体のみが流通する。すなわち、第1の熱交換部9と第2の熱交換部10に、異なる熱媒体が流通する。ここで、第1の熱媒体は蓄熱用の熱媒体であり、第2の熱媒体は放熱用の熱媒体である。蓄熱システムを給湯器に用いる場合、第1の熱媒体には、例えば水、二酸化炭素、アンモニア、フロン系冷媒、ブライン(例えば、塩化カルシウム水溶液)等を用いる。また、第2の熱媒体には水を用いる。
図3に示す蓄熱システムによれば、蓄熱時には、第1の熱媒体が蓄熱時の流れ方向(矢符13の方向)に流通する。蓄熱時には、まず、第1の熱媒体が、熱源部30で加熱される。加熱された第1の熱媒体が、第1の熱交換部9へ流入すると、潜熱蓄熱材8との間で熱交換が行われる。その後、第1の熱媒体は第1の熱交換部9から流出する。流出した第1の熱媒体と、加熱、圧縮された二酸化炭素との間で熱交換が行われ、第1の熱媒体は再び加熱される。このとき第1の熱媒体は、第1の熱交換部9の鉛直方向上部から流入し、鉛直方向下部から流出することが好ましい。
放熱時には、第2の熱媒体が放熱時の流れ方向(矢符14の方向)に流通する。放熱時の流れ方向は、蓄熱時の流れ方向とは逆方向である。第2の熱媒体が、第2の熱交換部10へ流入すると、潜熱蓄熱材8との間で熱交換が行われる。これにより、第2の熱媒体が加熱される。加熱された第2の熱媒体は、第2の熱交換部10から流出し、給湯等の用途に用いられる。このとき第2の熱媒体は、第2の熱交換部10の鉛直方向下部から流入し、鉛直方向上部から流出することが好ましい。
図4は、本発明の更に他の実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。なお、図2および図3に示す蓄熱システムと同様の構成は、同じ番号を用いて説明を省略している。
図4に示す蓄熱システムにおいては、図3の蓄熱システムと同様に、第1の熱交換部9には、第1の熱媒体のみが流通する。一方、第2の熱交換部10には、第2の熱媒体のみが流通する。第1の熱媒体は蓄熱用の熱媒体であり、第2の熱媒体は放熱用の熱媒体である。第1の熱媒体には、二酸化炭素を用いる。この蓄熱システムは、放熱器16を有さないため、冷媒である二酸化炭素が、第1の熱媒体として直接第1の熱交換部9に流入する。このとき、第1の熱交換部9は、耐圧性を有することが好ましい。また、第2の熱媒体には水を用いる。
なお、図2に示す蓄熱システムと、図3〜4に示す蓄熱システムには、対照的な特徴がある。図2に示す蓄熱システムは、第1の熱交換部9に、蓄熱用および放熱用の熱媒体の両方が流通する。また、第2の熱交換部10にも、蓄熱用および放熱用の熱媒体の両方が流通する。一方、図3および図4に示す蓄熱システムは、第1の熱交換部9に蓄熱用の熱媒体が流通し、第2の熱交換部10に放熱用の熱媒体が流通する。本発明は、いずれの蓄熱システムも適用することができる。
すなわち、本発明においては、第1の熱媒体と第2の熱媒体は、同じ熱媒体であってもよく、異なる熱媒体であってもよい。なかでも、第1の熱媒体と第2の熱媒体とが同じ熱媒体であることで、蓄熱システムの構成を複雑化することなく、システムを容易に形成することができる。例えば、蓄熱システムを給湯器として用いる場合、第1の熱媒体と第2の熱媒体とがいずれも水であることで、蓄熱システムをさらに容易に構成することができる。
なお、上記実施の形態では、蓄熱部6を5つの蓄熱容器7a、7b、7cで構成しているが、これに限定されず、3つ以上の蓄熱容器を用いれば、同等の効果が得られる。例えば3つの蓄熱容器を用いる場合、蓄熱部6は、蓄熱容器7a、7b、7cをそれぞれ1つずつ有する。
また、上記実施の形態では、熱交換部が、第1の熱交換部と、第2の熱交換部とを備える蓄熱システムについて説明しているが、これに限定されず、熱交換部は1以上であれば、同等の効果が得られる。また、上記実施の形態では、熱交換部および蓄熱部の形状が、直方体状である蓄熱システムについて説明しているが、これに限定されず、本発明は、様々な形状の熱交換部および蓄熱部を有する蓄熱システムに適用することができる。
《比較例1》
図5に示す構造を有する熱流体解析モデルの単セルを作製した。図5は熱流体解析モデルの単セルの一部を断面にした正面図である。セルは、1つの蓄熱容器20と、水流路22とから構成される。蓄熱容器20の内部には、潜熱蓄熱材19が充填される。蓄熱容器20の水流路22と接する部分が伝熱壁21であり、伝熱壁21を介して熱交換が行われる。水流路22の鉛直方向の外側面は、完全断熱境界25になっている。なお、完全断熱境界25は、例えば後述の熱流体解析ソフトで設定することができる。水流路22内では、蓄熱時には熱媒体が矢符23の方向に流通し、放熱時には熱媒体が矢符24の方向に流通する。すなわち、セルは、第2の熱交換部を有さず、第1の熱交換部のみを有する。
熱媒体には、水を用い、潜熱蓄熱材には、酢酸ナトリウム3水和物を用いた。潜熱蓄熱材19は、伝熱壁21を介して水流路22を流れる水(熱媒体)と熱交換する。潜熱蓄熱材19の寸法は10mm×200mm、蓄熱容器20および伝熱壁21の材質は厚さ3mmの銅、水流路22の流路幅は2mmとした。
上記の熱流体解析モデルの単セルを5つ鉛直方向に一列に配置して、図6に示す蓄熱システムを作製した。図6は比較例1の蓄熱システムにおける要部の一部を断面にした正面図である。図6に示す比較例1の蓄熱システムでは、セルA〜Eの熱伝導率を全てベース値とした。具体的には、以下のように設定した。潜熱蓄熱材の温度が9〜58℃の場合、潜熱蓄熱材は固体である。このときの潜熱蓄熱材の熱伝導率は0.71W/mKとした。潜熱蓄熱材の温度が58℃を超える場合、潜熱蓄熱材は液体となる。このときの潜熱蓄熱材の熱伝導率は0.47W/mKとした。また、この蓄熱システムでは、蓄熱容器20にフィンを設けていない。蓄熱システムの評価として、数値シミュレーションによる熱流体解析を行った。解析は、蓄熱システムを給湯器として用いることを想定して行った。
数値シミュレーションには、市販の熱流体解析ソフト(商品名:FLUENT、フルーエント・アジアパシフィック(株)製)を用いた。密度、比熱、粘度、熱伝導率等の物性値はそれぞれ密度計、比熱計、粘度計および熱伝導率計を用いて測定し、解析ソフトの設定を行った。熱伝導率以外の物性値は、潜熱蓄熱材の温度に依存して関数的に変動するように設定した。なお、潜熱蓄熱材が固体から液体に変化するとき(58℃)には、潜熱により大きな熱量を吸収する。そこで、このときに潜熱蓄熱材の比熱が急激に大きくなり、潜熱に相当する熱量を潜熱蓄熱材が吸収するように設定した。
熱流体解析は、以下の条件で行った。蓄熱システムにおいて、熱媒体のヒートポンプへの戻り温度が高くなると、ヒートポンプの消費電力に対する加熱能力が小さくなるため、蓄熱システムのCOP(成績係数)が低下するおそれがある。そこで、蓄熱時の出口側における熱媒体の温度が60℃に到達した時点を、熱流体解析の蓄熱終了時と設定した。また、一般家庭のシャワーやお風呂の湯温を42℃程度と想定し、放熱時の出口側における熱媒体の温度が42℃に到達した時点を、熱流体解析の放熱終了時と設定した。
蓄熱の条件は、以下のとおりに設定した。蓄熱開始時における、セルA〜Eのそれぞれの平均温度を全て9℃とした。水の入口温度は80℃とし、流速は0.002m/secとした。
また、放熱の条件は、以下のとおりに設定した。放熱開始時における、セルA〜Eのそれぞれの平均温度を全て9℃とした。水の入口温度は9℃とし、流速は0.008m/secとした。
《比較例2》
セルA〜Eの熱伝導率をそれぞれベース値の4倍の値に設定したこと以外、比較例1と同様にして、比較例2の蓄熱システムの熱流体解析モデルを作製し、比較例1と同様の評価を行った。
ベースの熱伝導率の蓄熱システム(比較例1)と、5セル全ての熱伝導率4倍にした蓄熱システム(比較例2)との、蓄熱量、放熱量ならびに蓄熱終了時および放熱終了時の各セルの平均温度を測定した。なお、平均温度は、潜熱蓄熱材の中心部の厚み方向の温度を測定した。各セルの番号は上から順(すなわち蓄熱システムの放熱時における熱媒体の出口側から順)にA、B、C、D、Eとした。結果を表1〜3に示す。
Figure 2008020177
Figure 2008020177
Figure 2008020177
表1に示すように、熱伝導率を高くした比較例2では、蓄熱システムの蓄熱量および放熱量が増加していた。しかし、各セルの熱伝導率が全て4倍になるようにフィンを設けると、全体の重量が30%以上増加してしまうと考えられる。フィンを大量に設けると、蓄熱システムのコストも増大するため、フィンを設ける数はできるだけ少ないことが好ましいと考えられる。
表2に示すように、蓄熱終了時において、比較例1と比較例2とを比較すると、比較例1では、セルEの温度が低いことが分かる。蓄熱時の流れ方向23から流入した80℃の水は順番に各セルの潜熱蓄熱材19と熱交換する。よって熱媒体(水)の温度は、蓄熱時における出口側に行くにしたがって低くなっていた。つまり、比較例1の構成では、特にセルEの潜熱蓄熱材19に対して、充分に蓄熱を行うことができないと考えられる。
表3に示すように、放熱終了時において、比較例1と比較例2とを比較すると、比較例1はセルAとセルBの温度が高いことが分かる。放熱時の流れ方向24から流入した9℃の水は、順番に各セルの潜熱蓄熱材19と熱交換し、放熱時における出口側に行くにしたがって温度が高くなる。つまり、ベースの熱伝導率のままでは、セルAおよびセルBの潜熱蓄熱材19から、温度が高くなった水に充分に放熱を行うことができない。また、放熱時は流速が早いために潜熱蓄熱材19から水への熱交換時間が短くなり、熱の移動量が蓄熱時よりも低下してしまう。
表2と表3より、セルCおよびDは、蓄熱時、放熱時とも、比較例1と比較例2との間に差がみられなかった。すなわち、セルCおよびDの熱伝導率4倍にしても、あまり効果が得られていないと考えられる。以上より、5セル全体が熱伝導率4倍になるようにフィン12を設けなくてもよい(熱伝導率を高くしなくてもよい)と考えられる。
一般に、蓄熱システムは、蓄熱時の熱媒体の流速より放熱時の熱媒体の流速が大きい。よって、放熱時の方が蓄熱材との熱交換時間が短くなるため、蓄熱部の放熱時における出口側に配置される蓄熱容器内の熱伝導率を高くすることが望ましい。
以上の結果から、セルA、BおよびEの熱伝導率を4倍にすれば、5つのセル全ての熱伝導率を4倍にしたときと同等の蓄熱量および放熱量が得られると考えられる。
《実施例1》
セルA、BおよびEの熱伝導率をベース値の4倍としたこと以外、比較例1と同様にして、蓄熱システムの熱流体解析モデルを作製し、同様の評価を行った。実施例1は、放熱時の出口側の熱伝導率を高くした蓄熱システムを想定している。
《比較例3》
セルA、DおよびEの熱伝導率をベース値の4倍としたこと以外、比較例1と同様にして、蓄熱システムの熱流体解析モデルを作製し、同様の評価を行った。比較例3は、蓄熱時の出口側(すなわち、放熱時における入口側)の熱伝導率を高くした蓄熱システムを想定している。
実施例1と比較例3の蓄熱量、放熱量および放熱終了時における、各セルの平均温度を測定した。また、蓄熱部容積を100Lとし、フィンの材質を銅とし、フィンの充填密度を5体積%として、比較例1〜3および実施例1の蓄熱部を試作した場合の重量の計算を行った。結果を表4および5に示す。
Figure 2008020177
Figure 2008020177
表4に示すように、実施例1では、比較例2とほぼ同等の蓄熱量および放熱量が得られた。また、実施例1の放熱量は、比較例3よりも優れていた。
比較例2の蓄熱システムの重量は、比較例1に対して40kg増加していた。一方、実施例1では、蓄熱システムの重量の増加は24kgであり、蓄熱システムの重量の増加を抑制することができた。
表5に示すように、比較例3より実施例1の方が放熱時の出口側のセルの温度が更に低かった。すなわち、実施例1の方が、蓄熱材と熱媒体との熱交換量がより多いことが分かる。放熱時における出口側の熱伝導率を高くすることで、水との熱交換量をより多くすることができたため、より好ましい結果が得られたと考えられる。
《比較例4》
蓄熱時の熱媒体の流れ方向と、放熱時の熱媒体の流れ方向とを同一方向としたこと以外、実施例1と同様にして、蓄熱システムの熱流体解析モデルを作製し、同様の評価を行った。図7は比較例4に係る熱流体解析モデルの単セルの一部を断面にした正面図である。
実施例1および比較例4の放熱量を測定し、上記の実施例と同様に蓄熱システムの重量の計算を行った。また、放熱開始直後および330秒後における、各セルに含まれる潜熱蓄熱材の平均温度と、各セルにおける熱媒体の平均温度を測定した。結果を表6および表7に示す。
Figure 2008020177
Figure 2008020177
比較例4は、実施例1の89%程度の放熱量しか得られなかった。すなわち、比較例4は、実施例1よりも熱効率が低下している。また、実施例1と比較例4において、放熱開始直後における各セルに含まれる潜熱蓄熱材の平均温度および各セルにおける熱媒体の平均温度の分布は、ほぼ同じであった。
実施例1および比較例4の放熱時の一番出口側における熱媒体の温度を、放熱開始直後から放熱終了まで測定した。また、比較例4において、水流路を流通する水(熱媒体)が潜熱蓄熱材に熱を奪われないと仮定した場合の、放熱時の一番出口側における熱媒体の温度(理論値)を求めた。結果を図8に示す。
図8に示すように、比較例4の放熱時出口側における熱媒体の温度は、放熱開始直後から330秒後の区間で、実施例1よりも小さくなっていた。330秒経過後の熱媒体の温度は、どちらの蓄熱システムもほぼ同じ値であった。
比較例4の放熱時出口側の熱媒体の温度は、放熱開始直後から330秒後までの区間において、理論値よりも顕著に低下していた。よって、潜熱蓄熱材が熱媒体から熱を奪ったことが、比較例4の熱効率の低下の一因であると考えられる。熱媒体を蓄熱時と放熱時とで異なる方向に流通させることで、蓄熱システムの熱の利用効率が向上することが分かる。
放熱時出口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数を多くすることで、従来の蓄熱システムのように熱交換器全体にフィンを設けなくても、同等の蓄熱、放熱特性を実現することができた。本発明によれば、蓄熱システムを簡素な構造かつ軽量にすることができるため、蓄熱システムの低コスト化に寄与する。
本発明に係る蓄熱システムは、給湯器、空調設備、工業廃熱の貯蔵等に利用することができ、特に、給湯器に好適に用いることができる。
従来のフィンアンドチューブ式熱交換器の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。 本発明の他の実施形態に係る蓄熱システムの構成を示す概略図である。 実施例に係る熱流体解析モデルの単セルの一部を断面にした正面図である。 実施例に係る蓄熱システムにおける要部の一部を断面にした正面図である。 比較例に係る熱流体解析モデルの単セルの一部を断面にした正面図である。 放熱時出口側における熱媒体の温度の時間経過による変化を示したグラフである。
符号の説明
1 蓄熱容器
2 潜熱蓄熱材
3 熱交換器
4 フィン
5 伝熱管
6 蓄熱部
7 蓄熱容器
7a 放熱時出口蓄熱容器
7b 放熱時入口蓄熱容器
7c 蓄熱容器
8 潜熱蓄熱材
9 第1の熱交換部
10 第2の熱交換部
11 伝熱壁
11a 伝熱壁
12 フィン
13 蓄熱時の流れ方向
14 放熱時の流れ方向
15 圧縮機
16 放熱器
17 膨張弁
18 蒸発器
19 潜熱蓄熱材
20 蓄熱容器
21 伝熱壁
22 水流路
23 蓄熱時の流れ方向
24 放熱時の流れ方向
25 完全断熱境界
30 熱源部

Claims (7)

  1. 潜熱蓄熱材を含む蓄熱容器を3以上有する蓄熱部と、
    前記潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、前記潜熱蓄熱材と熱交換する熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する熱交換部と、を備え、
    前記熱媒体を蓄熱時と放熱時とでは逆方向に流通させるとともに、
    前記蓄熱部は、放熱時における熱媒体の出口側の熱伝導率が、入口側の熱伝導率および前記出口側と前記入口側との間の熱伝導率よりも高い、蓄熱システム。
  2. 前記熱交換部が、前記潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、前記潜熱蓄熱材と熱交換する第1の熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する第1の熱交換部と、
    前記潜熱蓄熱材に蓄熱するかまたは放熱させるために、前記潜熱蓄熱材と熱交換する第2の熱媒体を流通させる入口および出口になる2以上の開口部を有する第2の熱交換部とを備える、請求項1記載の蓄熱システム。
  3. 前記第1の熱媒体と前記第2の熱媒体とが、同じ熱媒体である、請求項2記載の蓄熱システム。
  4. 前記第1の熱媒体と前記第2の熱媒体とが、異なる熱媒体である、請求項2記載の蓄熱システム。
  5. 前記出口側と前記入口側との間の熱伝導率が、前記出口側の熱伝導率および前記入口側の熱伝導率よりも低い、請求項1〜4のいずれか1つに記載の蓄熱システム。
  6. 前記蓄熱容器が、熱伝導率を高めるためのフィンを含み、前記出口側に配置される1以上の蓄熱容器に含まれるフィンの数が、前記入口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数および前記出口側と前記入口側との間に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数よりも多い、請求項1〜5のいずれか1つに記載の蓄熱システム。
  7. 前記出口側と前記入口側との間に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数が、前記出口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数および前記入口側に配置される蓄熱容器に含まれるフィンの数よりも少ない、請求項6記載の蓄熱システム。
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