JP2007224483A - 炭素繊維束の製造装置および炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維束の製造装置および炭素繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炭素繊維束の太さや処理速度、さらには機幅方向の繊維束配列密度を増加させた場合も炭素化炉出入口のシール性を常に良好に保つことで、機械的特性や品位が良好で、かつ生産安定性が良好な炭素繊維束の製造装置および製造方法を提供することにある。
【解決手段】不活性ガスが充填される熱処理室と、該熱処理室に耐炎化繊維束を出入りさせるための炭素化炉入口部および炭素化炉出口部を有し、前記炭素化炉入口部と炭素化炉出口部には前記熱処理室をシールするための不活性ガス噴射口を有するとともに、炭素化炉入口部に前記噴射された不活性ガスを熱処理室の方向に導入する不活性ガス導入部材を設けたことを特徴とする炭素繊維束の製造装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭素繊維束製造装置および炭素繊維束の製造方法に関する。
炭素繊維束は、各種マトリックス樹脂との組み合わせで複合材料とされて、一般産業、スポーツあるいは航空機などの分野において様々な成形物として利用されている。
一般に、炭素繊維束は、ポリアクリロニトリル系やレーヨン系などの原料繊維束を200℃以上の酸化雰囲気中で熱処理した後、350℃以上の不活性雰囲気中で熱処理し、さらには薬液中での通電処理や樹脂によるサイジング処理を行うことで得られる。
この炭素繊維束を製造するプロセスにおいて350℃以上の不活性雰囲気中で熱処理を行う部分を炭素化処理といい、この処理を行う設備を炭素化炉というが、通常、炭素化炉は、不活性雰囲気中で熱処理する炭素化炉本体に当たる熱処理室と、該熱処理室前後の入口部および出口部にそれぞれ具備された、前記熱処理室の不活性雰囲気を保つためのシール室からなるが、これらのシール室と熱処理室とを備えた炭素化炉によって繊維束の炭素化処理を連続的に行い、炭素繊維束の連続生産を可能にしている。
シール室の具体的役割としては、熱処理室に外部から酸素が流入して酸化性雰囲気をつくり炭素繊維束の品質、品位が低下することを防止することはもちろん、熱処理室での熱処理によって炭素繊維束から発生する反応ガスが熱処理室入口部を経由して外部へ流出することを防止することが主なものである。
このため、熱処理室の不活性雰囲気を効果的に維持し、炭素繊維束の品質、品位を良好にすることおよび前記反応ガスの流出防止を狙いとして、熱処理室の出入口部に具備するシール室について、様々な改善がなされてきた。
例えば、従来、シール室の圧力に関する改善技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、具体的には、炭素繊維束連続焼成炉の繊維束出入口に具備されたシール室内の圧力を不活性ガスによって焼成炉本体内の圧力、および、外気圧以上とすることにより、焼成炉本体への酸素の流入を避け、焼成炉本体の内部で発生する反応ガスの流出を防ぐようにしたものであり、シール室内の圧力調整は、供給する不活性ガスの流量および焼成炉本体から排出される排ガス流量とのバランス調整によってなされる。これにより、反応ガスが冷却されて生じるタール性状物と繊維束の接触を回避し、生産の安定性と炭素繊維束の機械的特性を良好にすることができるというものである。
また、シール改善技術として、ラビリンスタイプのシール方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この技術は、具体的には、シール用ガスを走行糸に対して直角に吐出してシール室の圧力を調整するようにしたものであり、また、仕切板で仕切られた5から10の数からなる膨張室によって徐々に圧力損失を生じさせるラビリンス構造を具備するようにしたものであり、さらには、シール用ガスの吐出する風速を調整することによってシール室の圧力を調整するようにしたものである。これにより、酸素などの外気が熱処理炉本体内部へ流入するのを防止し、熱処理炉本体内の不活性雰囲気を安定的に維持することができるというものである。
前記2つの技術は、シール室の圧力に着目し、該圧力を炭素化炉内よりも高くすることによって熱処理炉内への酸素の流入の防止、ならびに熱処理炉内部からの反応ガスの流出を防止することを狙いとしている。これにより炭素繊維束の機械的特性や品位、そして生産安定性を良好に維持することを狙いとしている。
さらに、別のシール改善技術として、炭素繊維製造用横型炭素化炉のフィラメント導入口または導出口のシール室において、シール用の不活性ガスを0.1m/s以上1.0m/s以下の速度で吐出させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この技術は、シール室の単なる圧力アップではシール効果が不十分で酸素の洩れ込みがあったため、シール用の不活性ガスの風速を規定することでフィラメント束内の残留酸素を除去することを狙いとしたものであり、特に太ものの炭素繊維束において、炭素化炉内部への炉外からの酸素の流入を防止することができるというものである。
しかしながら、炭素繊維束の製造技術には日々改善が加えられており、特に、昨今の炭素繊維束の製造技術は生産性アップ、コストダウンが要求され、大きく改善されている。例えば、繊維束処理速度のアップ、あるいは、同一の処理炉の機幅内により多くの繊維束を配列して処理する高配列密度化や同時処理する繊維束の配列数を増やす多段処理化、さらには繊維束自身の太もの化(高目付化)といった改善がなされている。
このような製造技術の改善、進化に伴い、主に炭素化炉の繊維束入口部の不具合に起因する機械的特性の異常や生産安定性の低下トラブルが発生するようになり、従来のシール技術では炭素繊維束の機械的特性や生産安定性を良好、かつ、安定に維持することが困難であることが分かった。
特開平7−118933号公報 特開2001−98428号公報 特開2004−19053号公報
本発明の目的は、上記問題点を解決し、炭素繊維束の太さや処理速度など炭素繊維の製造方法に関係なく、炭素化炉熱処理室出入口のシール性を常に良好に保つ、すなわち、熱処理室に外部から酸素が流入することはもちろん、熱処理室からの反応ガスが前記炭素化炉入口部付近まで流出した際に冷却されて走行する繊維束を汚染することを防止することで、炭素繊維束の機械的特性が良好で、かつ生産安定性が良好な炭素繊維束の製造装置および製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
(1)不活性ガスが充填される熱処理室と、該熱処理室に耐炎化繊維束を出入りさせるための炭素化炉入口部および炭素化炉出口部を有し、前記炭素化炉入口部と炭素化炉出口部には前記熱処理室をシールするための不活性ガス噴射口を有するとともに、炭素化炉入口部に前記噴射された不活性ガスを熱処理室の方向に導入する不活性ガス導入部材を設けたことを特徴とする炭素繊維束の製造装置。
(2)前記不活性ガス噴射口が、走行する繊維束に交差して不活性ガスを噴射するよう設置されていることを特徴とする前記(1)に記載の炭素繊維束の製造装置。
(3)前記不活性ガス導入部材が、熱処理室に入る耐炎化繊維束に対して0度以上45度以下の導入角度をもって設置されることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の炭素繊維束の製造装置。
(4)耐炎化繊維束を前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の炭素繊維束の製造装置を用いて連続的に炭素化処理することを特徴とする炭素繊維束の製造方法。
(5)不活性ガス噴射口から噴射される不活性ガスの温度が300℃以上600℃以下であることを特徴とする前記(4)に記載の炭素繊維束の製造方法。
(6)不活性ガス噴射口から導入される不活性ガスの平均風速が0.3m/秒以上1.5m/秒以下であることを特徴とする前記(4)または(5)に記載の炭素繊維束の製造方法。
(7)前記耐炎化繊維束のフィラメント数が10,000以上100,000以下であることを特徴とする前記(4)ないし(6)のいずれかに記載の炭素繊維束の製造方法。
本発明の炭素繊維束の製造装置および製造方法によると、多数本のフィラメントからなる繊維束を不活性雰囲気下で連続的に熱処理する炭素繊維束製造用炭素化炉の熱処理室入口部において、熱処理室をシールするための不活性ガス噴射口を有するとともに、前記熱処理室入口部で噴射された不活性ガスを熱処理室の方向に導入する不活性ガス導入部材を具備することで、熱処理室への酸素の流入、および熱処理室内から熱処理室入口部に向けて流出する反応ガスによる走行する繊維束の汚染をともに防止することができる。これにより、炭素繊維束の機械的特性が良好で、かつ生産安定性を良好に維持することができる。
次に、本発明について、さらに詳しく説明する。
本発明は、不活性ガスが充填される熱処理室と、該熱処理室に耐炎化繊維束を出入りさせるための炭素化炉入口部および炭素化炉出口部を有し、前記炭素化炉入口部と炭素化炉出口部には前記熱処理室をシールするための不活性ガス噴射口を有するとともに、炭素化炉入口部に前記噴射された不活性ガスを熱処理室内に向けて誘導する不活性ガス導入部材を備えた炭素繊維束の製造装置、および、これを用いて連続的に炭素化処理する炭素繊維束の製造方法である。
繊維束を構成するフィラメントは、直径が通常4〜10μm程度である。本発明で用いる繊維束は、通常1,000〜100,000本のフィラメントからなるが、特に、単位繊維束あたりのフィラメント数が多い場合に効果を発揮することから、10,000〜100,000本が好ましい。ただし、本発明の効果はフィラメント数のみで決まるものではなく、繊維束の処理速度や機幅方向の繊維束配列密度なども考慮することが重要であることから、前記フィラメント数の範囲に限定されず効果を発揮することが可能である。
炭素繊維束製造用炭素化炉は、一般的には、350℃以上2000℃以下の温度範囲の不活性雰囲気中で熱処理するもので、基本的に、繊維束が前記炉内を進行するに従って雰囲気温度を上昇させるものである。
不活性ガスとしては、窒素やアルゴンが一般的に用いられるが、熱処理室も不活性雰囲気であるため、前記炭素化炉本体の熱処理室に使用されるものと同一であることが好ましく、特に、低コストで炭素化炉に一般的に使用される窒素がより好ましい。
本発明で不活性ガス噴射口から噴射される不活性ガスは、熱処理室からの反応ガスが前記炭素化炉入口部付近まで流出した際に冷却されて走行する繊維束を汚染することを防止することを狙いとしているため、加温されて噴射されることが好ましく、このような温度範囲としては300℃以上600℃以下がよい。
不活性ガスが300℃未満の場合、不活性ガスによる熱処理炉外からの酸素の流入の防止や、熱処理炉内部からの反応ガスの流出を防止することは可能であるが、特に繊維束の熱処理速度が速い場合など、生産条件によっては走行する繊維束の予備加熱が不十分なため、繊維束自身の温度が低いまま炭素化炉入口部を通過し、熱処理室に入ることになる。このため、反応ガスが温度の低い繊維束によって冷却されてタール化し、走行する繊維束を汚染することになるため好ましくない。
一方、300℃以上であれば反応ガスによる汚染は防止できるが、温度の過剰なアップは、熱処理室に入る前に熱処理することになり、熱処理室手前での反応ガスの発生が懸念されるため600℃以下にすることが好ましい。
また、本発明の不活性ガスが繊維束へ噴射される平均風速は0.3m/秒以上1.5m/秒以下であることが好ましい。
不活性ガスの平均風速が0.3m/秒未満の場合、噴射の勢いが小さく繊維束内の酸素を含む空気が不活性ガスに置換されないため空気に含まれる酸素が一部熱処理室へ流入する。特に、炭素化炉周りの気温の影響などで低温の空気が残っている場合には、熱処理室入口部での繊維束の昇温が遅れ、熱処理室から流出した反応ガスが冷却されて繊維束を汚染してしまう。さらには、熱処理室の方向に導入される不活性ガスの風速が小さいため、熱処理室内からの反応ガスが不活性ガス噴射口近くの領域まで到達し、走行する繊維束や噴射される不活性ガスによって冷却されてタール化、繊維束を汚染するため、機械的特性が悪化してしまう。
一方、平均風速が1.5m/秒を超える場合、繊維束内の空気を含む酸素を十分に不活性ガスに置換でき、また、熱処理室内からの反応ガスの流出をより熱処理室に近い所で食い止めることができるが、高い風速によって走行する繊維束が大きく振動し、隣接繊維束と絡まったり炭素化炉入口部や炭素化炉自身の壁面などに接触して繊維束を傷めてしまうことがある。
なお、複数本の繊維束を同時処理する場合、前記不活性ガスの噴射速度は、複数の繊維束へ均一な速度で噴射されることが好ましい。すなわち、機幅方向に配列した繊維束に対して噴射される不活性ガスの速度分布が、機幅方向に均一であることが好ましい。均一性が悪い場合、繊維束によって酸素の置換効果がばらついたり、熱処理室内からの反応ガスの流出を抑制する効果が機幅方向に不均一となり、機幅方向や長手方向の炭素繊維束の機械的特性にばらつきを生じてしまうことがある。このような状況を防止するため、機幅方向の機幅方向の風速分布は平均±20%に入るようにすることが好ましい。
次に、本発明の詳細について、図1〜図8に示す実施態様に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である不活性ガス噴射口、および不活性ガス導入部材を備えた炭素化炉における炭素化炉入口部から炭素化炉本体熱処理室までを示す側面図であり、また、図2は、本発明における不活性ガス噴射口、および他の個別の不活性ガス導入部材を備えた炭素化炉の他の実施形態を示す側面図であり、図3は図1の主要部拡大図である。
図1において、本発明の横型炭素化炉である炭素繊維の製造装置は、不活性雰囲気中で熱処理する炭素化炉本体に当たる不活性ガスが充填される熱処理室5と、該熱処理室5に耐炎化繊維束3を出入りさせるための炭素化炉入口部4および炭素化炉出口部(図示せず)を有し、該炭素化炉入口部4と炭素化炉出口部には、それぞれ前記熱処理室5をシールするために、不活性ガスを該炭素化炉入口部4と炭素化炉出口部にそれぞれ噴射する不活性ガス噴射口1が設けられているとともに、不活性ガス噴射口1の出口側には前記不活性ガス噴射口1から噴射された不活性ガスを熱処理室5の方向に導入する不活性ガス導入部材2が設けられている。また、図2の例では、不活性ガスを不活性ガス噴射口1とは別個に設けられた不活性ガス導入部材6で供給する態様を示したものである。
不活性ガス噴射口1からの不活性ガスの噴射方向は、走行する繊維束3に対して交差する方向に、好ましくは垂直方向に噴射されるように配置されている。ここでいう噴射方向は、垂直であることがより好ましいが、厳密に垂直である必要はなく、90±10°の範囲であれば、安定したシール性を保つことから好ましい範囲である。また噴射位置は、走行する繊維束3に対して上、横、下いずれでもよいが、1つの方向から噴射する方が不活性ガスの流れが安定することから好ましく、特に、図1、図2のように上方に噴射口がある方が、詰まりが少ないなどメンテナンス性に優れるためより好ましい。
前記不活性ガスを熱処理室の方向に導入する不活性ガス導入部材2の不活性ガス導入角度θは、走行する繊維束3に対して0度以上45度以下であることが好ましい。ここでいう不活性ガス導入角度θは、不活性ガス導入部材2の不活性ガス出側終端部の接線方向と走行する繊維束3とのなす角とし(拡大図で示す図3を参照)、導入される不活性ガスを走行する繊維束3の走行方向とこれと直角方向の成分に分けた場合、走行方向の成分がプラスとなるように導入するものとする。すなわち、不活性ガスが熱処理室5の方向に向かうように導入するものである。
不活性ガス導入部材2の形状としては、特に限定はなく、機幅方向の風速斑が出ないように安定した流速で不活性ガスを導入できるものであれば、板状、溝状、あるいは筒状などを用いることができる。
不活性ガス導入部材2の材質としては特に限定しないが、熱処理炉入口部に設置されるため周辺温度を考慮して選定すればよい。
不活性ガス導入部材2によって導入される不活性ガスは、熱処理室の方向へ導入されることで反応ガスの流出、冷却による繊維束の汚染を防止することができるのである。不活性ガス導入部材2を有しない不活性ガス噴射口1単独では反応ガスの流出、冷却による繊維束の汚染を防止することはできない。このため、炭素化炉入口部には走行する繊維束に対して交差する方向に、好ましくは垂直方向に不活性ガスが噴射される、いわゆるシール部と熱処理室の方向へ不活性ガスを導入する部分の両方が必要である。
これを達成する方法としては、図1に示すように、同一の不活性ガス噴射口1からの不活性ガスの一部が走行する繊維束3に交差する方向に、好ましくは垂直方向に噴射されてシールとして機能し、他の不活性ガスの一部が不活性ガス噴射口1の前方に設置された不活性ガス導入部材2によって熱処理室の方向へ導入されるようにしたものである。
また、別の方法として、図2のように、シール用と反応ガス流出防止用にそれぞれ個別の不活性ガス噴射口1と不活性ガス導入部材6を有し、不活性ガス噴射口1からの不活性ガスを走行する繊維束3に交差する方向に、好ましくは垂直方向に噴射されてシールとして機能させ、他方、熱処理室の方向へ導入される不活性ガスを専用の不活性ガス導入部材6で供給するようにしてもよい。
この場合、不活性ガス導入部材6から供給される不活性ガスの温度や風速は不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの温度や風速と同じに設定することが好ましい。
なお、本発明の特徴は、反応ガスが冷却されて繊維束を汚染することを防ぐことにあることから、炉内ガスの排出口が汚染防止により効果のある位置に設置されていることが好ましい。
図4、図5は、図1と同様な装置において、炭素化炉本体熱処理室で発生したガスや導入した不活性ガスを炉外に排出する排気口を設置した場合の側面図である。なお、図4は、排気口の設置位置が不活性ガス導入部材に近い場合、図5は、排気口の設置位置が不活性ガス導入部材から遠い場合を示すものである。また、図6、図7はそれぞれ図4、図5の主要部拡大図であり、排気口の設置位置を示す側面図であり、図8は、図1と同様な装置において、排気口を設置した他の例を示す側面図である。
このような位置は、熱処理室の方向に導入される不活性ガスを炭素化炉入口部に供給する噴射口よりも川下、すなわち、より炭素化炉本体熱処理室に近い所がよく、排気口直近のガス温度や前記導入する不活性ガスによる汚染防止効果の及ぶ範囲を考慮して決定することができる。このため、前記熱処理室の方向に導入される不活性ガスを炭素化炉入口部に供給する噴射口からの走行する繊維束に沿った距離が、炭素化炉本体熱処理室方向に近過ぎても、遠すぎても良くない。この距離が小さいと、排気口の位置が導入ガスの風速が強い領域となり、排気口直近における炭素化炉入口部のガスの流れが乱れ、スムーズな排気ができない可能性があり、また、逆にこの距離が大きいと本発明の導入ガスの効果が小さくなってしまう可能性がある。このため、排気口の設置位置は、前記導入ガスの噴射口から繊維束の走行方向に0mを超え1.0m未満、さらに好ましくは、0.2m以上0.8m未満の距離であるのがよい。なお、排気口の設置位置は、図6、図7、図8に示すように、不活性ガス導入部材の炭素化炉本体熱処理室に最も近い先端と排気口の繊維束走行方向中心間の水平方向距離で示され、この距離を適正化することで炉内ガスによる繊維束の汚染防止効果を調整することができる。
また、排気口が炭素化炉入口部からガスを抜出す方向としては、特に指定はなく、上、横、下、斜方向、これらの併用が可能である。本発明では炭素化炉本体熱処理室で発生する反応ガスを不活性ガスと合わせて排気するが、排気は、図4〜8などに示すように炭素化炉入口部に設置された排気口を経由してなされるのが良い。
本発明で処理される繊維束の数は、1本でも複数本でもよいが、複数本の方がより効果を発揮する。特に、並行に並んだ繊維束3は、同一平面内を走行する複数本の繊維束群を1つの列とした場合、本発明で処理される繊維束は1列であってもよいし、2列以上であってもよいが、繊維束内の空気を含む酸素を効率的に不活性ガスに置換できるシール性が維持できること、また不活性ガス導入部材の設置枚数のアップはメンテナンス性の低下に繋がるため、1または2列が好ましい。
本発明における炭素繊維束とは、特に限定されるものではないが、アクリロニトリル、ピッチあるいはレーヨン等を原料として得られるものであり、炭素繊維、黒鉛繊維を含むものである。
本発明で処理される炭素繊維束は、前述のとおり、アクリロニトリル系、レーヨン系あるいはピッチ系等の公知の炭素繊維フィラメントが数千から数万本束になったもので、特に、高強度の炭素繊維束が得られやすいアクリル系炭素繊維束が補強効果を得る上で好ましい。また、炭素繊維束には、炭素繊維束および炭素化後さらに高温処理される黒鉛繊維束が含まれる。以下に、アクリル系炭素繊維の場合を例にして本実施例の詳細を説明する。
以下、本発明について具体的な実施例を挙げて説明する。
アクリロニトリル99モル%とイタコン酸1モル%からなる共重合体を用いて乾湿式紡糸方法により単繊維繊度1.1dtexのアクリル系繊維を得た。これを、240℃以上270℃以下の空気雰囲気中で加熱して耐炎化繊維束とし、次いで窒素雰囲気中400℃以上800℃以下の温度領域で加熱した後、同じく窒素雰囲気中の炭素化炉本体熱処理室5において1400℃まで焼成し炭素繊維束を得た。次に、硫酸水溶液の電解液によって該炭素繊維束1×10-3kg当たり3クーロンの通電処理を行った。最後に、エポキシ樹脂によるサイジング処理を行い、1.0%のサイジングを付与し炭素繊維束を得た。
本発明では、以下に示す条件を同一として炭素化を行い、炭素繊維束を得た。
繊維束数 :100
不活性ガスの種類 :炭素化炉本体熱処理室、シール部、噴射部全て窒素
炭素化炉本体熱処理室温度 :1400℃
なお、本実施例中の不活性ガスの風速、不活性ガスの導入角度、機械的特性は次の方法で測定した。
(1)不活性ガス平均風速
不活性ガス噴射口1の出口における風速をアネモマスターで測定した(図1、図4、図5)。各場所について3回測定し、その平均値をその位置の平均風速とした。なお、図2のように個別の不活性ガス導入部材6があるものは、不活性ガス導入部材の噴射口の出口における風速を前記同様アネモマスターで測定した。
機幅方向の分布は、機幅方向の繊維束走行領域の両端A点,E点と中央C点、さらにA点、C点の中間B点、およびC点、E点の中間D点の計5ヶ所の風速を測定し、これら5点の平均を算出して平均風速とした。
(2)不活性ガス導入部材と走行する繊維束の導入角度θ
不活性ガス導入部材2の終端部の接線方向と走行する繊維束とのなす角度を図面から算出した。走行する繊維束については、不活性ガス導入部材2を中心にこの前後の直近の2つのローラに懸垂なしで糸が走行したと仮定した。なお、不活性ガス導入部材2で導入される方向は熱処理室の方向となるように、導入ガスを走行する繊維束の走行方向とこれと直角方向の成分に分けた場合、走行方向の成分がプラスとなるようにした。
(3)機械的特性
機械的特性は、炭素繊維束とエポキシ樹脂エピコート828(油化シェル社製)からCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を成形し、ASTM D−2344に準じてILSS(層間せん断強度)特性を測定した。
実施例1
原料としてフィラメント数12,000のアクリル系繊維を使用した。前記方法で得られた耐炎化繊維束を600℃の不活性雰囲気下で処理した繊維束3を炭素化炉入口部4のシールエリアに連続的に導入した。炭素化炉入口部4には、繊維束3に不活性ガスを噴射する不活性ガス噴射口1があり、この不活性ガス噴射口1から繊維束3に不活性ガスを平均0.4m/秒の風速で連続的に噴射し、噴射した不活性ガスの一部を不活性ガス導入部材2によって炭素化炉5内へ向けて導入した。この時の導入角度は5度であった。その後繊維束3を炭素化炉本体熱処理室5にて1400℃の温度で熱処理した。
得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例2
不活性ガス噴射口1を用いたシールと反応ガスの流出を防止する導入用不活性ガスを図2に示す個別に供給した不活性ガス導入部材6を使用した以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例3
不活性ガスの不活性ガス導入部材による導入角度θを20度とした以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例4
不活性ガスの不活性ガス導入部材による導入角度θを45度とした以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例5
原料としてフィラメント数24,000のアクリル系繊維を使用したこと、および、不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの平均風速が1.3m/秒である以外は実施例3と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例6
原料としてフィラメント数48,000のアクリル系繊維を使用したこと、および、不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの平均風速が1.3m/秒である以外は実施例3と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS特性が良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例7
図1において、炭素化炉入口部に排気口を設け図4のように構成して炭素化炉本体熱処理室で発生する反応ガスを不活性ガスと合わせて排気口から排気し、不活性ガスの不活性ガス導入部材による導入角度θを15度とし、かつ不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの平均風速を0.8m/秒に変更した以外は、実施例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。なお、図6に示す距離d1が0.4mであった。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSSが良好で、ILSSの安定性は極めて良好であった。また、この時の生産安定性も極めて良好であった。
実施例8
排気口の設置位置を図6に示す距離d1が0.7mとなる位置に変更した以外は実施例7と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSSが良好で、ILSSの安定性は極めて良好であった。また、この時の生産安定性も極めて良好であった。
実施例9
排気口の設置位置を図6に示す距離d1が1.1mとなる位置に変更した以外は実施例7と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSSが良好で、ILSSの安定性も良好であった。また、この時の生産安定性も良好であった。
実施例10
不活性ガスの不活性ガス導入部材による導入角度θを5度とし、かつ不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの平均風速を0.4m/秒に変更した以外は、実施例7と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSSが良好で、ILSSの安定性は極めて良好であった。また、この時の生産安定性も極めて良好であった。
実施例11
不活性ガスの不活性ガス導入部材による導入角度θを5度とし、かつ不活性ガス噴射口1から供給される不活性ガスの平均風速を0.4m/秒に変更した以外は、実施例8と同じ方法で炭素繊維束を得た。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSSが良好で、ILSSの安定性は極めて良好であった。また、この時の生産安定性も極めて良好であった。
比較例1
不活性ガス噴射口1によって供給した不活性ガスを不活性ガス導入部材によって炭素化炉内方向への導入しなかった以外は実施例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。
この時、炭素化炉で糸が傷み糸切れすることがあった。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS、ILSSの安定性とも良くなかった。また、この時の生産安定性も良くなかった。
比較例2
不活性ガスの平均風速が1.5m/秒である以外は比較例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。この時、比較例1よりも頻度は低かったが、炭素化炉で糸が傷み糸切れすることがあった。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS、ILSSの安定性とも良くなかった。また、この時の生産安定性も良くなかった。
比較例3
原料としてフィラメント数48,000のアクリル系繊維を使用したこと、不活性ガスの平均風速が1.5m/秒である以外は比較例1と同じ方法で炭素繊維束を得た。
この時、炭素化炉本体熱処理室で糸が傷み糸切れすることが目立った。得られた炭素繊維束は、表1のとおり、ILSS、ILSSの安定性とも良くなかった。また、この時の生産安定性も良くなかった。
Figure 2007224483
本発明の好適な実施形態である不活性ガス噴射口、および不活性ガス導入部材を備えた炭素化炉における炭素化炉入口部から炭素化炉本体熱処理室までを示す側面図である。 本発明における不活性ガス噴射口、および他の個別の不活性ガス導入部材を備えた炭素化炉の他の実施形態を示す側面図である。 図1の主要部拡大図である。 図1において排気口が設置された実施形態を示す側面図である。 図1において排気口が設置された他の実施形態を示す側面図である。 図4の主要部拡大図である。 図5の主要部拡大図である。 図2において排気口が設置された実施形態を示す側面の主要部拡大図である。
符号の説明
1:不活性ガス噴射口
2:不活性ガス導入部材
3:繊維束
4:炭素化炉入口部
5:炭素化炉本体熱処理室
6:不活性ガス導入部材
7:排気口
θ:不活性ガス導入角度
d1:排気口設置位置
d2:排気口設置位置

Claims (7)

  1. 不活性ガスが充填される熱処理室と、該熱処理室に耐炎化繊維束を出入りさせるための炭素化炉入口部および炭素化炉出口部を有し、前記炭素化炉入口部と炭素化炉出口部には前記熱処理室をシールするための不活性ガス噴射口を有するとともに、炭素化炉入口部に前記噴射された不活性ガスを熱処理室の方向に導入する不活性ガス導入部材を設けたことを特徴とする炭素繊維束の製造装置。
  2. 前記不活性ガス噴射口が、走行する繊維束に交差して不活性ガスを噴射するよう設置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維束の製造装置。
  3. 前記不活性ガス導入部材が、熱処理室に入る耐炎化繊維束に対して0度以上45度以下の導入角度をもって設置されることを特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維束の製造装置。
  4. 耐炎化繊維束を請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素繊維束の製造装置を用いて連続的に炭素化処理することを特徴とする炭素繊維束の製造方法。
  5. 不活性ガス噴射口から噴射される不活性ガスの温度が300℃以上600℃以下であることを特徴とする請求項4に記載の炭素繊維束の製造方法。
  6. 不活性ガス噴射口から導入される不活性ガスの平均風速が0.3m/秒以上1.5m/秒以下であることを特徴とする請求項4または5に記載の炭素繊維束の製造方法。
  7. 前記耐炎化繊維束のフィラメント数が10,000以上100,000以下であることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載の炭素繊維束の製造方法。
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