JP2007224124A - 液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、密着性に優れ、高温多湿の条件下でも劣化せず、−65℃/150℃の温度サイクル試験において数百サイクルを超えても剥離、クラックを生じない封止材を与える。
【解決手段】 (A)1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する液状エポキシ樹脂、(B)1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂、
【化1】
(式中、R1は水素原子又はアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数、nは0〜400を満たす整数である。)及び(E)無機質充填剤を含む液状エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A)1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する液状エポキシ樹脂、(B)1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂、
【化1】
(式中、R1は水素原子又はアルキル基、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数、nは0〜400を満たす整数である。)及び(E)無機質充填剤を含む液状エポキシ樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、反りが少なく、シリコンチップの素子表面、特に感光性ポリイミドや窒化膜との密着性が非常に良好であり、かつ熱衝撃に対して優れた封止材を与える液状エポキシ樹脂組成物及びこの封止材で封止された半導体装置に関する。
半導体基板を回路基板へ表面実装する場合、半導体装置全体を半田浴に浸漬するか、又は半田が溶融する温度帯を通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、リードフレームやチップと封止樹脂との界面に剥離が生じたりする問題があった。このようなクラックや剥離は、表面実装の熱衝撃以前に半導体装置の封止樹脂層が吸湿していると更に顕著なものとなるが、実際の作業工程においては、封止樹脂層の吸湿は避けられず、このため実装後のエポキシ樹脂で封止した半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合があった。
これらの問題に対して、一般にエポキシ樹脂に可塑性のあるポリシロキサン化合物などを添加することにより成形材料の弾性率を下げ、内部応力の低減が図られている。例えば、硬化性エポキシ樹脂にオルガノポリシロキサンを添加する方法(特許文献1:特開昭56−129246号公報)、エポキシ樹脂、硬化剤、ポリエーテルオルガノシロキサンと両末端エポキシ基含有ポリシロキサンの混合物にアミノシランを反応させた変性オルガノポリシロキサンを用いる方法(特許文献2:特開平2−151621号公報)、エポキシ基含有ポリエーテル変性ポリシロキサン、両末端アミノ基含有ポリシロキサン及び/又は両末端メルカプト含有ポリシロキサンを添加する方法(特許文献3:特開平2−170819号公報)等が提案されている。
エポキシ樹脂、硬化剤及びシリコーン変性エポキシ樹脂を必須成分とする半導体装置封止用エポキシ樹脂組成物が提案されており(許文献4:特開2004−359855号公報)、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物となり得、回路基板へ表面実装した場合でも高信頼性の半導体装置を与え得る半導体封止用として好適に用いられるとされる。
一方、液状エポキシ樹脂組成物及びこの封止材で封止された半導体装置においては、電気機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、半導体の実装方法もピン挿入タイプから表面実装が主流になっている。また、半導体素子の高集積化に伴い、ダイサイズの一辺が10mmを超えるものもあり、ダイサイズの大型化が進んできている。このような大型ダイを用いた半導体装置では、半田リフロー時にダイと封止材にかかる応力が増大し、封止材とダイ及び基板の界面で剥離が生じたり、基板実装時にパッケージにクラックが入るといった問題がクローズアップされてきている。
更に、近い将来に鉛含有半田が使用できなくなることから、鉛代替半田が多数開発されている。この種の半田は、溶融温度が鉛含有の半田より高くなることから、リフローの温度も260〜270℃で検討されており、従来の液状エポキシ樹脂組成物の封止材では、より一層の不良が予想される。このようにリフローの温度が高くなると、従来においては何ら問題のなかったフリップチップ型のパッケージもリフロー時にクラックが発生したり、チップ界面、基板界面との剥離が発生したり、その後の冷熱サイクルが数百回以上経過すると樹脂又は基板、チップ、バンプ部にクラックが発生するという重大な問題が起こるようになった。
なお、本発明に関連する公知文献としては、下記のものがある。
特開昭56−129246号公報
特開平2−151621号公報
特開平2−170819号公報
特開2004−359855号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、硬化後の内部応力を下げることにより信頼性の面では、シリコーンチップの表面、特に感光性ポリイミドや窒化膜との密着性に優れ、PCT(120℃/2.1atm)等の高温多湿の条件下でも劣化せず、−65℃/150℃の温度サイクル試験において数百サイクルを超えても剥離、クラックを生じない封止材を与える液状エポキシ樹脂組成物及びこの硬化物で封止された半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、(A)1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する液状エポキシ樹脂、(B)1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール系硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)及び(E)無機質充填剤を含む液状エポキシ樹脂組成物であって、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜との密着性、更には耐熱性、耐熱衝撃性に優れた硬化物を与え、更にこの硬化物は内部応力が小さいため特に大型のダイサイズや基板サイズの半導体装置の封止材として有効であることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記に示す液状エポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提供する。
〔1〕 (A)1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する液状エポキシ樹脂
(B)1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール系硬化剤
(C)硬化促進剤
(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
〔1〕 (A)1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する液状エポキシ樹脂
(B)1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール系硬化剤
(C)硬化促進剤
(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
を含むことを特徴とする、25℃において粘度が1,000Pa・s以下の液状エポキシ樹脂組成物。
〔2〕 (D)シリコーン変性エポキシ樹脂の添加量が、(A)液状エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜50質量部であることを特徴とする〔1〕のの液状エポキシ樹脂組成物。
〔3〕 液状エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤との当量比〔(A)成分及び(D)成分中に含まれるエポキシ当量/(B)フェノール系硬化剤のフェノール性水酸基当量〕が0.7〜1.3倍モルであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕の液状エポキシ樹脂組成物。
〔4〕 (C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物又は有機リン化合物であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔5〕 (C)硬化促進剤が、内部にイミダゾール化合物又は有機リン化合物を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセルであって、マイクロカプセルが、30℃に保持したo−クレゾールとの混合液中で、15分間に内包するイミダゾール化合物又は有機リン化合物の70質量%以上を溶出するものであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の組成物。
〔6〕 更に、液状エポキシ樹脂組成物をポッティング材として使用する場合、平均粒径が2〜25μmでかつ最大粒径が75μm以下の(E)無機質充填剤を(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤と(D)シリコーン変性エポキシ樹脂の総量100質量部に対して50〜1200質量部配合してなることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔7〕 更に、液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として使用する場合には、フリップチップギャップ幅(基板と半導体チップとの隙間)に対し、平均粒径が約1/10以下、かつ最大粒径が1/2以下の(E)無機質充填剤を(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤と(D)シリコーン変性エポキシ樹脂の総量100質量部に対して50〜400質量部配合してなることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
〔9〕 〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、シリコンチップの表面、特に感光性ポリイミド樹脂や窒化膜との密着性、更には耐熱性、耐熱衝撃性に優れた硬化物を与え、更にこの硬化後は内部応力が小さいため半導体装置の反りが低減し、特に大型のダイサイズや基板サイズの半導体装置の封止材として有効である。また、この封止材を用いた半導体装置は非常に信頼性の高いものである。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
(A)液状エポキシ樹脂
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、液状エポキシ樹脂(A)は、好ましくは1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する常温で液状のエポキシ樹脂であればいかなるものでも使用可能であるが、25℃における粘度が800Pa・s以下、特に500Pa・s以下のものが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの中でも室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂を使用することが好ましい。また、本発明の液状エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により25℃における値を測定したものである。
(A)液状エポキシ樹脂
本発明の液状エポキシ樹脂組成物において、液状エポキシ樹脂(A)は、好ましくは1分子内に3官能基以下のエポキシ基を含有する常温で液状のエポキシ樹脂であればいかなるものでも使用可能であるが、25℃における粘度が800Pa・s以下、特に500Pa・s以下のものが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられ、これらの中でも室温(25℃)で液状のエポキシ樹脂を使用することが好ましい。また、本発明の液状エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、本発明において、粘度は回転粘度計により25℃における値を測定したものである。
また、本発明のエポキシ樹脂は、下記構造で示されるエポキシ樹脂を侵入性に影響を及ぼさない範囲で含有していてもよい。
ここで、R2は水素原子、又は炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜3の一価炭化水素基であり、一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基等が挙げられる。また、rは1〜4の整数、特に1又は2である。
なお、上記式(2)のエポキシ樹脂の含有量は、全エポキシ樹脂中25〜100重量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは75〜100質量%であることが推奨される。25質量%未満であると組成物の粘度が上昇したり、硬化物の耐熱性が低下したりする恐れがある。
上記一般式(2)のエポキシ樹脂の例としては、日本化薬社製MRGE等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂中の全塩素含有量は、1500ppm以下、特に1000ppm以下であることが望ましい。また、100℃で50%エポキシ樹脂濃度における20時間での抽出水塩素が10ppm以下であることが好ましい。全塩素含有量が1500ppmを超えた場合、抽出水塩素が10ppmを超えた場合には半導体素子の信頼性、特に耐湿性に悪影響を与える恐れがある。
(B)フェノール系硬化剤
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂を硬化させるために硬化剤を添加する。1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール樹脂が挙げられ、分子構造、分子量等は特に限定されず、公知のものを使用することができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、液状エポキシ樹脂を硬化させるために硬化剤を添加する。1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個有するフェノール樹脂が挙げられ、分子構造、分子量等は特に限定されず、公知のものを使用することができる。
1分子中にフェノール性水酸基を少なくとも2個以上有するフェノール樹脂としては、具体的にはフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、パラキシリレン変性ノボラック樹脂、メタキシリレン変性ノボラック樹脂、オルソキシリレン変性ノボラック樹脂等のキシリレン変性ノボラック樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ビフェニルアラルキル型樹脂、トリフェノールメタン型樹脂、トリフェノールプロパン型樹脂等のトリフェノールアルカン型樹脂及びその重合体等のフェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等のいずれのフェノール樹脂も使用可能である。
この場合、本発明の硬化剤は、下記一般式(3)で表されるフェノール系硬化剤を含有することが望ましい。
(式中、R3は二重結合を有する炭素数10以下、好ましくは2〜10の一価炭化水素基であり、特にビニル基、アリル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。R4は下記式で示される二価炭化水素基のいずれか一つである。)
(式中、R5は水素原子又は炭素数10以下、好ましくは1〜5の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基等のアルキル基等が挙げられる。)
また、フェノール系硬化剤中、上記一般式(3)で示される硬化剤の含有量が25〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは75〜100質量%であることが好ましい。25重量%未満では組成物の粘度が上昇して作業性が低下、150℃以上の弾性率の上昇、硬化後の内部応力が大きくなり反りが発生する恐れがある。
また、上記一般式(3)で表されるフェノール系硬化剤の25℃における粘度は300Pa・s以下、特に100Pa・s以下であることが望ましい。粘度が300Pa・sを超えると組成物の粘度が高くなり作業性が悪くなることがある。
このフェノール系硬化剤の例としては、アリル基含有フェノール樹脂が挙げられ、具体的には本州化学工業製DAL−BPAが挙げられる。
このフェノール系硬化剤の例としては、アリル基含有フェノール樹脂が挙げられ、具体的には本州化学工業製DAL−BPAが挙げられる。
また、本発明の特性を損なわない程度で、上記一般式(3)のR3が水素原子又は炭素数10以下、好ましくは1〜5の二重結合を有しない一価炭化水素基(特にアルキル基)であり、常温で固体のフェノール系硬化剤を併用することもできる。この硬化剤の例としては明和化成社製DLシリーズが挙げられる。この硬化剤は常温で固体であるので、予め前記一般式(3)のフェノール系硬化剤と常温で液体となる割合で混合して用いることが望ましい。混合方法としては特に限定されないが、120℃で溶融混合することが望ましい。
なお、本発明のフェノール硬化剤の総配合量は、液状エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤との当量比〔(A)成分及び(D)成分中に含まれるエポキシ当量/(B)フェノール系硬化剤のフェノール性水酸基当量〕が0.7〜1.3倍モル、特に0.8〜1.2倍モルであることが望ましい。
配合モル比が0.7未満では未反応のフェノール性水酸基が残存し、ガラス転移温度が低下、あるいは密着性が低下するおそれがある。逆に1.3を超えると硬化物が硬く脆くなり、リフロー時又は温度サイクル時にクラックが発生するおそれがある。
配合モル比が0.7未満では未反応のフェノール性水酸基が残存し、ガラス転移温度が低下、あるいは密着性が低下するおそれがある。逆に1.3を超えると硬化物が硬く脆くなり、リフロー時又は温度サイクル時にクラックが発生するおそれがある。
(C)硬化促進剤
更に、本発明の組成物には、(A)成分の液状エポキシ樹脂を硬化させるため、あるいは液状エポキシ樹脂と、(B)成分であるフェノール系硬化剤との硬化反応を促進するために、硬化促進剤を配合する。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものならば特に限定されないが、特にイミダゾール化合物、有機リン系化合物等から選ばれる1種又は2種以上の硬化促進触媒を含むものであることが好ましい。
更に、本発明の組成物には、(A)成分の液状エポキシ樹脂を硬化させるため、あるいは液状エポキシ樹脂と、(B)成分であるフェノール系硬化剤との硬化反応を促進するために、硬化促進剤を配合する。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものならば特に限定されないが、特にイミダゾール化合物、有機リン系化合物等から選ばれる1種又は2種以上の硬化促進触媒を含むものであることが好ましい。
イミダゾール化合物としては、下記一般式(4)で示されるものを使用することができる。
(式中、R6、R7は水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、フェニル基から選ばれるいずれかであり、R8はメチル基、エチル基、ペンタデシル基、ウンデシル基、フェニル基、アリル基から選ばれるいずれかであり、R9は水素原子、メチル基、エチル基、シアノエチル基、ベンジル基又は下記式(5)で示される基から選ばれるいずれかである。)
具体的には、
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。
2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1)’]−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。
一方、有機リン系化合物としては、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、ジフェニルトリルホスフィン等のトリオルガノホスフィン、トリフェニルホスフィンとトリフェニルボランとの塩等のトリオルガノホスフィンとトリオルガノボランとの塩、テトラフェニルホスホニウム等のテトラオルガノホスホニウム、テトラフェニルホスホニウムとテトラフェニルボレートとの塩等のテトラオルガノホスホニウムとテトラオルガノボレートとの塩等が挙げられる。これらの中で下記一般式(6)で示されるものが好ましい。
上記R9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられ、好ましくは水素原子又はメチル基である。
また、本発明の硬化促進剤は、内部に上述した硬化促進剤を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセル、即ちマイクロカプセル型硬化促進剤であることが好ましい。
このマイクロカプセル型硬化促進剤は、(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸エステル、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル等の炭素数1〜8のアルキルエルテルやこのアルキルエステルのアルキル基の水素原子の一部又は全部がアリル基等で置換されたもの、また、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等の単官能性単量体、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多官能単量体等の各種単量体のポリマー中に、前述のイミダゾール化合物、有機リン化合物等の硬化促進剤(硬化促進触媒)を内包するものが挙げられるが、このポリマーとしては、特に(メタ)アクリレート単量体のポリマーが好ましい。
本発明のマイクロカプセル型硬化促進剤の製造方法としては、様々な方法が挙げられ従来公知の方法で製造することができるが、生産性及び球状度が高いマイクロカプセル型硬化促進剤を製造するためには、通常懸濁重合法又は乳化重合法等が好ましく用いられる。
この場合、一般的に使用されている硬化促進触媒の分子構造から、高濃度のマイクロカプセル型硬化促進剤を得るためには、硬化促進触媒10重量部に対して使用する上記単量体の総量は、望ましくは10〜200質量部、特に望ましくは10〜100質量部、更に望ましくは20〜50質量部である。10質量部未満では、マイクロカプセルが硬化促進触媒の潜在性に十分に寄与することが困難になることがあり、200質量部を超えると触媒の比率が低くなり、十分な硬化性を得るためには多量に使用しなければならなくなり、経済的に不利となる場合がある。
このような方法で得られるマイクロカプセル型硬化触媒の平均粒径としては、0.5〜10μmのものを使用することが好ましく、特に平均粒径が0.5〜10μmかつ最大粒径が50μm以下、とりわけ平均粒径2〜5μmかつ最大粒径が20μm以下のものを使用することが好ましい。平均粒径が0.5μmより小さいと比表面積が大きくなり、混合した時の粘度が高くなる恐れがあり、10μmを超えるとレジンとの分散が不均一になり信頼性の低下を引き起こす恐れがある。
また、上記マイクロカプセルとしては、マイクロカプセル型硬化促進剤1gとo−クレゾール30gを混合し30℃に保持した混合液中で、15分間に硬化促進触媒が70質量%以上、特に75重量%以上溶出するものが好ましい。
70質量%未満では、硬化時間が長くかかる恐れがあり、生産性が低下する場合がある。溶出量の上限については、硬化状況に合わせて適宜選定されるが、マイクロカプセルが硬化促進触媒の潜在性に寄与するという効果を発揮させるためには、通常95質量%以下であることが好ましい。なお、硬化促進触媒の溶出量は、ガスクロマトグラフ等で定量できる。
硬化促進剤の配合量は、イミダゾール化合物、有機リン系化合物等をマイクロカプセル化せずそのまま使用する場合の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、特に0.5〜7質量部である。配合量が0.1質量部未満では硬化性が低下する恐れがあり、15質量部を超えると、硬化性には優れるが保存性が低下する恐れがある。
また、マイクロカプセル型硬化促進剤の配合量は、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、マイクロカプセル中に内包される硬化促進触媒の量が1〜15質量部、特に2〜10質量部となる量であることが好ましい。1質量部未満では硬化性が低下する恐れがあり、15質量部を超えると硬化性には優れるが、組成物の保存性が低下する恐れがある。
更に、マイクロカプセル型硬化促進剤と前述のマイクロカプセル化していない硬化促進剤とを併用してもよい。この場合、(A)成分の液状エポキシ樹脂100質量部に対して、マイクロカプセル中に内包される硬化促進触媒とマイクロカプセル化していない硬化促進剤との合計が、1〜15質量部、特に2〜7質量部となる量であることが好ましい。1質量部未満では硬化性が低下する恐れがあり、15質量部を超えると硬化性には優れるが、組成物の保存性が低下する恐れがある。
(D)シリコーン変性エポキシ樹脂
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、低応力剤として(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を使用するものである。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、低応力剤として(D)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を使用するものである。
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
ここで、上記式中のR1は水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、また、Rは脂肪族不飽和基を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などの炭素数1〜15、特に1〜10の一価炭化水素基が例示される。
Xは二価の有機基であり、酸素原子が介在してもよいアルキレン基、アリーレン基、酸素原子が介在してもよいアルキレン基とアリーレン基とが結合した基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、水酸基等で置換された基などが挙げられ、炭素数1〜15、特に2〜10のものが好ましい。例えば、下記に示す基を挙げることができる。
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、低応力化、耐熱衝撃性の面からより好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。nは0〜400を満たす整数であるが、より好ましい範囲は8〜100の整数である。
このようなシリコーン変性エポキシ樹脂として具体的には、下記に示すものが挙げられる。
該シリコーン変性エポキシ樹脂の製造方法は、下記平均組成式(7)
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Yは末端に二重結合を有する有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数である。)
で表されるエポキシ樹脂のYの末端二重結合と、下記一般式(8)
上記平均組成式(7)で表されるエポキシ樹脂において、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、上述したR1と同様のものを例示することができる。また、Yは末端に二重結合を有する有機基であり、末端に二重結合を有するものであれば特に限定されるものではない。該末端に二重結合を有する有機基としては、末端にビニル基、アリル基等のアルケニル基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基を含むものが例示され、上記Xの二価の有機基において、その末端が二重結合とされたものが挙げられ、例えば、下記に示す基を挙げることができる。
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、より好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。
このような式(7)で表されるエポキシ樹脂の具体的な構造としては、下記式で示されるものを挙げることができる。
上記式(7)で表されるエポキシ樹脂中のエポキシ基とYの末端に二重結合を有する有機基との比率(モル比)は、エポキシ基:Y=1:2〜100:1、特に1:1〜20:1であることが好ましい。
上記一般式(8)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、Rは脂肪族不飽和基を含有しない非置換又は置換の一価炭化水素基であり、上述したRと同様のものが例示でき、nは0≦n≦400、特に8≦n≦100の整数である。
このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記式で示されるものが挙げられる。
ここで、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物を付加反応させる場合、該エポキシ樹脂及び有機珪素化合物は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本付加反応において、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物の配合割合としては、上記エポキシ樹脂中のYの末端二重結合に対する有機珪素化合物中の珪素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比が、0.2〜1.0モル/モル、特に0.4〜0.95モル/モルとなる量で配合することが好ましい。
また、付加反応の方法としては、従来公知の付加反応法に準じて行うことができる。即ち、付加反応に際しては、従来公知の付加反応触媒、例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒などの白金族金属触媒を使用することが好ましい。なお、付加反応触媒の添加量としては触媒量とすることができ、通常溶液濃度は20〜60質量%、触媒濃度は反応物に対して白金族金属質量換算で10〜100ppmである。
また、上記付加反応は、有機溶媒中で行うことが望ましく、有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケトン等の不活性溶媒を用いることが好ましい。
付加反応条件は特に制限されないが、通常60〜120℃で30分〜10時間反応させることが好ましい。
(D)成分であるシリコーン変性エポキシ樹脂の添加量は、(A)液状エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜50質量部、特に1〜30質量部が好ましい。添加量が0.1質量部未満では耐熱衝撃性及び耐クラック性の向上が得られない場合があり、また50質量部を超えると、粘度が高くなり、作業性に支障をきたすおそれがある。
(E)無機質充填剤
本発明では、膨張係数を小さくする目的から従来より知られている各種の無機質充填剤を添加する。具体的に無機質充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミニウム、窒化珪素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウム等が使用される。なかでも真球状の溶融シリカが低粘度化が可能なために望ましい。
本発明では、膨張係数を小さくする目的から従来より知られている各種の無機質充填剤を添加する。具体的に無機質充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ボロンナイトライド、窒化アルミニウム、窒化珪素、マグネシア、マグネシウムシリケート、アルミニウム等が使用される。なかでも真球状の溶融シリカが低粘度化が可能なために望ましい。
また本発明の液状エポキシ樹脂組成物をポッティング材として使用する場合、平均粒径が2〜25μmでかつ最大粒径が75μm以下、特に50μm以下のものが望ましい。平均粒径が2μm未満では粘度が高くなり多量に充填できない恐れがあり、25μmを超えると粗い粒子が多くなり、リード線に詰まりボイドになる恐れがある。なお、この平均粒径及び粒径は、例えばレーザー光回折法による粒度分布測定により得ることができ、平均粒径は、例えば重量平均値(又はメジアン径)等として求めることができる。この場合の充填剤の量は、有機樹脂成分[即ち、(A)成分の液状エポキシ樹脂、(B)成分の硬化剤、及び(D)成分の変性シリコーン樹脂]の合計100質量部に対して100〜1200質量部、特に200〜500質量部の範囲が好ましい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として使用する場合には、侵入性の向上と低線膨張化の両立を図るため、フリップチップギャップ幅(基板と半導体チップとの隙間)に対し、平均粒径が約1/10以下、かつ最大粒径が1/2以下の無機質充填剤を有機樹脂成分[即ち、(A)成分の液状エポキシ樹脂、(B)成分の硬化剤、及び(D)成分の変性シリコーン樹脂]の合計100質量部に対して50〜400質量部、特に100〜250重量部の範囲で添加することが好ましい。50質量部未満では、膨張係数が大きく冷熱試験においてクラックの発生を誘発する恐れがあり、400質量部を超えると、粘度が高くなり薄膜侵入性の低下をもたらす恐れがある。
また、更に応力を低下させる目的でシリコーンゴム、シリコーンオイルや液状のポリブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンよりなる熱可塑性樹脂などを本発明の効果を損なわない範囲で配合してもよい。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じ、接着性向上用炭素官能性シラン、カーボンブラック等の顔料、染料、酸化防止剤、表面処理剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等)、その他の添加剤を配合することができる。
本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、例えば、液状エポキシ樹脂、フェノール系硬化剤、硬化促進剤、シリコーン変性エポキシ樹脂、無機質充填剤を必要に応じて任意成分を同時あるいは別々に、必要により加熱処理を加えながら攪拌、溶解、混合、分散させる。これらの操作に用いる装置は特に限定されないが、攪拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー等を用いることができる。また、これら装置を適宜組み合わせてもよい。
また、この組成物の成形方法、成形条件は、常法とすることができるが、好ましくは、150〜175℃、0.5時間以上の条件で熱オーブンキュアを行う。150〜175℃での加熱が0.5時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。この場合、キュアの時間は加熱温度に応じて適宜選定される。
なお、本発明において、封止材として用いる液状エポキシ樹脂組成物の粘度は、25℃において1,000Pa・s以下、特に10〜800Pa・sのものが好ましい。また、この組成物の成形方法、成形条件は、常法とすることができるが、好ましくは、先に100〜120℃、0.5時間以上、特に0.5〜2時間、その後130〜250℃、0.5時間以上、特に0.5〜5時間の条件で熱オーブンキュアを行う。100〜120℃での加熱が0.5時間未満では、硬化後にボイドが発生する場合がある。また130〜250℃での加熱が0.5時間未満では、十分な硬化物特性が得られない場合がある。
ここで、本発明に用いるフリップチップ型半導体装置としては、例えば図1に示したように、通常、有機基板1の配線パターン面に複数個のバンプ2を介して半導体チップ3が搭載されているものであり、上記有機基板1と半導体チップ3との隙間(バンプ2間の隙間)にアンダーフィル材4が充填され、その側部がフィレット材5で封止されたものとすることができるが、本発明の封止材は、特にこのようなアンダーフィル材として使用する場合に有効である。
以下に、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例において、Meはメチル基を示す。
[合成例1] 化合物Aの合成
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、及び滴下ロートを具備した2L四つ口フラスコ中にトルエン400g、下記式(9)で表されるアリル基含有エポキシ樹脂(エポキシ当量310)10gを入れ、窒素雰囲気下で2時間共沸脱水を行った。その後、系内を80℃まで冷却し、塩化白金触媒1.00gを加え、下記式(10)で表される有機珪素化合物48.5gをトルエン194.1gに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。系内を90〜100℃に保ちながら6時間攪拌し、熟成した後、室温まで冷却した。その後、減圧下にて溶媒留去することにより、目的とするシリコーン変性エポキシ樹脂(化合物A)が56.2g得られた。
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、及び滴下ロートを具備した2L四つ口フラスコ中にトルエン400g、下記式(9)で表されるアリル基含有エポキシ樹脂(エポキシ当量310)10gを入れ、窒素雰囲気下で2時間共沸脱水を行った。その後、系内を80℃まで冷却し、塩化白金触媒1.00gを加え、下記式(10)で表される有機珪素化合物48.5gをトルエン194.1gに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。系内を90〜100℃に保ちながら6時間攪拌し、熟成した後、室温まで冷却した。その後、減圧下にて溶媒留去することにより、目的とするシリコーン変性エポキシ樹脂(化合物A)が56.2g得られた。
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは−0.5−0.5,3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは1255cm-1付近にSi−Me由来のピークを示した。また、29Si−NMRにおいても9.5ppm付近にピークを示した。これにより、下記平均組成式(11)で示される化合物Aが得られたことがわかった。
(化合物A)
[実施例1〜3、比較例1〜3]
表1で示す各成分を3本ロールで均一に混練りすることにより8種の液状エポキシ樹脂組成物を得た。これらの液状エポキシ樹脂組成物を用いて、以下に示す試験を行った。その結果を表1に示す。
表1で示す各成分を3本ロールで均一に混練りすることにより8種の液状エポキシ樹脂組成物を得た。これらの液状エポキシ樹脂組成物を用いて、以下に示す試験を行った。その結果を表1に示す。
[粘度]
BH型回転粘度計を用いて4rpmの回転数で25℃における組成物の粘度を測定した。
BH型回転粘度計を用いて4rpmの回転数で25℃における組成物の粘度を測定した。
[ゲル化時間]
150℃のホットプレートに0.5ccの液状樹脂組成物を滴下し、スパチュラで撹拌して糸引きが切れるところでゲル化時間とした。 組成物のゲル化時間を150℃の熱板上で測定した。
150℃のホットプレートに0.5ccの液状樹脂組成物を滴下し、スパチュラで撹拌して糸引きが切れるところでゲル化時間とした。 組成物のゲル化時間を150℃の熱板上で測定した。
[Tg(ガラス転移温度)、CTE1(膨張係数)、CTE2(膨張係数)]
樹脂組成物を120℃/0.5時間+165℃/3時間の条件で硬化させた5mm×5mm×15mmの硬化物試験片を用いて、TMA(熱機械分析装置)により毎分5℃の速さで昇温した時のTgを測定した。また、以下の温度範囲の膨張係数を測定した。
CTE1の温度範囲は50〜80℃、CTE2の温度範囲は200〜230℃である。
樹脂組成物を120℃/0.5時間+165℃/3時間の条件で硬化させた5mm×5mm×15mmの硬化物試験片を用いて、TMA(熱機械分析装置)により毎分5℃の速さで昇温した時のTgを測定した。また、以下の温度範囲の膨張係数を測定した。
CTE1の温度範囲は50〜80℃、CTE2の温度範囲は200〜230℃である。
[PCT剥離テスト]
ポリイミドコートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に約100μm幅のスペーサーを挟んで設置し、チップと基板の間の隙間に組成物を侵入させ、150℃で4時間硬化させ、PCT(121℃、2.1atm)の環境下に置き、168時間後の剥離をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
ポリイミドコートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に約100μm幅のスペーサーを挟んで設置し、チップと基板の間の隙間に組成物を侵入させ、150℃で4時間硬化させ、PCT(121℃、2.1atm)の環境下に置き、168時間後の剥離をC−SAM(SONIX社製)で確認した。
[熱衝撃テスト]
ポリイミドコートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に約100μm幅のスペーサーを挟んで設置し、チップと基板の間の隙間に組成物を侵入させ、150℃で4時間硬化させ、−65℃/30分、150℃/30分を1サイクルとし250、500、750サイクル後の剥離、クラックを確認した。
ポリイミドコートした10mm×10mmのシリコンチップを30mm×30mmのFR−4基板に約100μm幅のスペーサーを挟んで設置し、チップと基板の間の隙間に組成物を侵入させ、150℃で4時間硬化させ、−65℃/30分、150℃/30分を1サイクルとし250、500、750サイクル後の剥離、クラックを確認した。
(A)液状エポキシ樹脂
エポキシ樹脂a 下記式で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂:RE303S−L(日本化薬(株)製)粘度(25℃)=6.0Pa・s エポキシ当量=170
エポキシ樹脂a 下記式で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂:RE303S−L(日本化薬(株)製)粘度(25℃)=6.0Pa・s エポキシ当量=170
(B)フェノール系硬化剤
硬化剤a 下記式で示されるビスフェノールA型フェーノル樹脂:DAL−BPA(本州化学工業(株)製) 粘度(25℃)=16Pa・s 水酸基当量=154
硬化剤a 下記式で示されるビスフェノールA型フェーノル樹脂:DAL−BPA(本州化学工業(株)製) 粘度(25℃)=16Pa・s 水酸基当量=154
(C)硬化促進剤
2E4MZのマイクロカプセル:2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)を20重量%内包したメタクリル酸メチルのポリマー 平均粒径は7μm 30℃のo−クレゾール混合液中、15分間の処理でマイクロカプセルから溶出する硬化促進触媒の量は87重量%
(D)シリコーン変性エポキシ樹脂
化合物A:上記合成例1で示した化合物
(E)無機充填材:平均粒径6.0μm、最大粒径24μm以下の球状シリカ(龍森(株)製)
その他添加剤
シランカップリング剤:KBM403(信越化学工業(株)製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業(株)製)
2E4MZのマイクロカプセル:2E4MZ(2−エチル−4−メチルイミダゾール)を20重量%内包したメタクリル酸メチルのポリマー 平均粒径は7μm 30℃のo−クレゾール混合液中、15分間の処理でマイクロカプセルから溶出する硬化促進触媒の量は87重量%
(D)シリコーン変性エポキシ樹脂
化合物A:上記合成例1で示した化合物
(E)無機充填材:平均粒径6.0μm、最大粒径24μm以下の球状シリカ(龍森(株)製)
その他添加剤
シランカップリング剤:KBM403(信越化学工業(株)製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業(株)製)
1 有機基板
2 バンプ
3 半導体チップ
4 アンダーフィル材
5 フィレット材
2 バンプ
3 半導体チップ
4 アンダーフィル材
5 フィレット材
Claims (9)
- (D)シリコーン変性エポキシ樹脂の添加量が、(A)液状エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜50質量部であることを特徴とする請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- 液状エポキシ樹脂とフェノール系硬化剤との当量比〔(A)成分及び(D)成分中に含まれるエポキシ当量/(B)フェノール系硬化剤のフェノール性水酸基当量〕が0.7〜1.3倍モルであることを特徴とする請求項1、2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- (C)硬化促進剤が、イミダゾール化合物又は有機リン化合物であることを特徴とする請求項1乃至3いづれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- (C)硬化促進剤が、内部にイミダゾール化合物又は有機リン化合物を内包する平均粒径0.5〜10μmのマイクロカプセルであって、マイクロカプセルが、30℃に保持したo−クレゾールとの混合液中で、15分間に内包するイミダゾール化合物又は有機リン化合物の70質量%以上を溶出するものであることを特徴とする請求項1乃至4いづれか1項に記載の組成物。
- 更に、液状エポキシ樹脂組成物をポッティング材として使用する場合、平均粒径が2〜25μmでかつ最大粒径が75μm以下の(E)無機質充填剤を(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤と(D)シリコーン変性エポキシ樹脂の総量100質量部に対して50〜1200質量部配合してなることを特徴とする請求項1乃至5いづれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- 更に、液状エポキシ樹脂組成物をアンダーフィル材として使用する場合には、フリップチップギャップ幅(基板と半導体チップとの隙間)に対し、平均粒径が約1/10以下、かつ最大粒径が1/2以下の(E)無機質充填剤を(A)エポキシ樹脂と(B)フェノール系硬化剤と(D)シリコーン変性エポキシ樹脂の総量100質量部に対して50〜400質量部配合してなることを特徴とする請求項1乃至5いづれか1項に記載の液状エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置。
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- 2006-02-22 JP JP2006045992A patent/JP2007224124A/ja active Pending
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JPWO2011070739A1 (ja) * | 2009-12-07 | 2013-04-22 | 住友ベークライト株式会社 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、その硬化体及び半導体装置 |
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