JP2007223835A - 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法および塩基性ナトリウムミョウバン - Google Patents

塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法および塩基性ナトリウムミョウバン Download PDF

Info

Publication number
JP2007223835A
JP2007223835A JP2006045574A JP2006045574A JP2007223835A JP 2007223835 A JP2007223835 A JP 2007223835A JP 2006045574 A JP2006045574 A JP 2006045574A JP 2006045574 A JP2006045574 A JP 2006045574A JP 2007223835 A JP2007223835 A JP 2007223835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
basic sodium
sodium alum
particle size
alum
heating step
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006045574A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5099804B2 (ja
Inventor
Tokio Kamiyanagi
登紀夫 上柳
Takayuki Fujita
隆之 藤田
Atsushi Odaka
篤志 小高
Yuta Karaki
雄太 唐木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taimei Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Taimei Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taimei Chemicals Co Ltd filed Critical Taimei Chemicals Co Ltd
Priority to JP2006045574A priority Critical patent/JP5099804B2/ja
Publication of JP2007223835A publication Critical patent/JP2007223835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5099804B2 publication Critical patent/JP5099804B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Abstract

【課題】形状や比表面積などの面でこれまでに無い優れた特性を備えた新たな塩基性ナトリウムミョウバンを提供可能な製造方法、および塩基性ナトリウムミョウバンを実現すること。
【解決手段】硫酸アルミニウム水溶液に炭酸ナトリウム水溶液を添加した後、60℃で1時間、保持し、次に、85℃あるいは95℃で30分間保持する。次に、反応液に対する冷却、濾過、洗浄の後、120℃で乾燥させて塩基性ナトリウムミョウバンの粉体を得る。得た塩基性ナトリウムミョウバンは、短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有し、比表面積が200m2/g以上であって、動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれる単分散粒子であり、50%粒子径は、1.5μm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法、および塩基性ナトリウムミョウバンに関するものである。
塩基性ミョウバンの製造方法としては、水酸化アルカリを添加した水性媒体において硫酸アルミニウムと硫酸アルカリとを、pHが3.8を下回らないように加熱反応させ、比表面積の大きなアルナイト型結晶(Na型、K型、NH4型の塩基性ミョウバン)を製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、紡錘形状あるいは球形状の塩基性ミョウバンを製造する方法として、硫酸アルミニウムと硫酸アルカリと水酸化アルミニウムを水熱処理して粒子径が0.5〜15μmの塩基性ミョウバンを得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−11637号公報 特開2000−7326号公報
近年、塩基性ミョウバンに対しては、ガス吸着剤、液中色素の吸着剤、吸湿剤、樹脂添加剤、紙用填料としての用途が検討されており、かかる用途においては、塩基性ミョウバンに対し、真球により近いことや、比表面積が大であること、単分散であることなどが求められている。
しかしながら、上記の特許文献に開示の方法では、かかる要求に対応可能な塩基性ミョウバンを提供できないという問題点がある。すなわち、特許文献1に開示の方法のように、水酸化ナトリウムなどの水酸化アルカリを添加すると、非晶質のアルミナ水和物が混入してしまい、球形状の塩基性ミョウバンを製造できない。また、特許文献2に開示の方法では、球形状の塩基性ミョウバンを製造できても、真球度が著しく低いとともに、比表面積が30m2/gで小であり、さらに、粒子径が大きく、粒子径のばらつきも大きいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、形状や比表面積などの面でこれまでに無い優れた特性を備えた新たな塩基性ナトリウムミョウバンを提供可能な製造方法、および塩基性ナトリウムミョウバンを実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)の製造方法では、硫酸アルミニウムと炭酸ナトリウムとを含む水溶液に対して所定の温度条件下での加熱処理を行い、加熱処理した液から塩基性ナトリウムミョウバンを得ることを特徴とする。
本発明に係る塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法では、硫酸アルミニウムとの中和反応に炭酸ナトリウムを用いて塩基性ナトリウムミョウバンを製造するため、短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有し、比表面積が200m2/g以上の結晶性の塩基性ナトリウムミョウバン粒子を製造できる。また、本発明によれば、動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれる単分散粒子の塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができる。すなわち、粒子径の揃った塩基性ナトリウムミョウバン粒子を製造することができる。さらに、本発明によれば、反応温度として60℃以上が必要であるが、反応温度により粒子径を制御でき、反応温度を低くするほど粒子径の小さな塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができる。それ故、本発明によれば、50%粒子径が1.5μm以下、さらには0.5μm以下の微細な塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができるなど、50%粒子径を例えば、0.1〜1.5μmの範囲で制御することができる。
粒度分布データは粒子径スケールに対する累積%や頻度%として表わすことができるが、「50%粒子径」とは、累積%のスケールに対する粒子径として表わしたとき、累積%の分布曲線が50%の目盛り軸と交差するポイントにおける粒子径のこといい、「50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれる」とは、累積%の分布曲線が50%の横軸と交差するポイント(50%粒子径)に対して、±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれることを意味する。
本発明において、前記加熱処理は、前記水溶液を第1の温度で保持する第1の加熱工程と、該第1の加熱工程の後、前記水溶液を前記第1の温度より高い第2の温度で保持する第2の加熱工程とを行うことが好ましい。
この場合、前記第1の加熱工程で前記水溶液に対して塩基性ナトリウムミョウバンの種粒子を添加することが好ましい。このような方法を採用すると、塩基性ナトリウムミョウバンの収率を向上することができる。種粒子を添加するにあたって、添加する種粒子は小さい方が好ましく、添加する種粒子を小さくすることにより、反応によって得られる塩基性ナトリウムミョウバンの粒子径を小さくすることができる。また、種粒子を添加するにあたっては、本発明に係る方法で製造した塩基性ナトリウムミョウバンの粒子を添加する方法、あるいは、本発明に係る方法で製造した塩基性ナトリウムミョウバンまたは本発明に係る以外の方法で製造した塩基性ナトリウムミョウバンの粒子をボールミルなどにより粉砕処理したものを添加する方法がある。後者の場合には、粉砕処理により種粒子を得ることで、より小さい50%径をもつ種粒子を簡便に製造することができる。
本発明において、前記種粒子の添加は、前記第1の加熱工程の終盤で行うことが好ましい。このようなタイミングで種粒子を添加すると、粒子径をより揃えることができる。
本発明に係る塩基性ナトリウムミョウバンは、短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有することを特徴とする。すなわち、本発明に係るナトリウムミョウバン粒子は略真球であることを特徴とする。
また、本発明に係る塩基性ナトリウムミョウバンは、球形状を有し、比表面積が200m2/g以上であることを特徴とする。このような比表面積は、例えば、塩基性ナトリウムミョウバンにおいて、孔径が4nm以下の細孔が多数、表面で開口していることにより達成することができる。
本発明では、動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれる単分散粒子として塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができる。
本発明では、動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径が1.5μm以下、さらには0.5μm以下の微細な塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができる。
本発明に係る塩基性ミョウバンは、ガス吸着剤、液中色素の吸着剤、吸湿剤、樹脂添加剤、紙用填料、複写機などに用いるトナーの芯材、化粧品への添加剤などとして用いることができる。
これらの用途のうち、ガス吸着剤、液中色素の吸着剤、吸湿剤に対して本発明に係る塩基性ミョウバンを用いると、多孔性であって、比表面積が200m2/g以上であるため、ガス、色素、水分の吸着能が高いなどの利点がある。
樹脂添加剤、紙用填料に本発明に係る塩基性ミョウバンを用いると、略真球であるため、アンチブロッキング性が優れ、かつ、単分散した粒子であるため、マトリックス中への分散性が高いなどの利点がある。
複写機などに用いるトナーの芯材として本発明に係る塩基性ミョウバンを用いると、粒子径が小さく、かつ、単分散した粒子であるため、画像を忠実に現像でき、転写率の高い転写を行うことができるなどの利点がある。
化粧品への添加剤として本発明に係る塩基性ミョウバンを用いると、略真球であるため、アンチブロッキング性が優れ、かつ、単分散した粒子であるため、マトリックス中への分散性が高いという利点などがある。しかも、粒子径が小さく、かつ、多孔性であるため、紫外線に対する隠蔽率が高いなどの利点がある。
本発明に係る塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法では、硫酸アルミニウムとの中和反応に炭酸ナトリウムを用いて塩基性ナトリウムミョウバンを製造するため、短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有し、比表面積が200m2/g以上の塩基性ナトリウムミョウバンを製造できる。また、動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれる単分散粒子であって、50%粒子径が1.5μm以下、さらには0.5μm以下の微細な塩基性ナトリウムミョウバンを製造することができる。
以下に説明する実施例1〜5の方法で、塩基性ナトリウムミョウバンを製造し、結晶型同定、粒度分布・50%粒子径測定、形状観察、比表面積測定、細孔径分布・細孔径測定を行った。これらの評価のうち、結晶型同定には、理学株式会社製のX線回折装置RINT2000を用いた。粒度分布・50%粒子径測定は、試料を水に分散させた後、マイクロトラック社製の粒度分布測定装置ナノトラックUPA150EXを用いて動的散乱法により行った。形状観察では、株式会社日立製作所製の走査型電子顕微鏡S−3100Hを用いて撮影した写真像を用いて、画像上の塩基性ナトリウムミョウバン粒子の短軸・長軸の寸法を計測した。比表面積測定および細孔径分布・細孔径測定では、150℃で乾燥させた試料について、マイクロメリティクス社製の比表面積測定装置トライスター3000を用いてガス吸着法により行った。
以下の実施例1〜5を説明するが、図1には各実施例における反応スケジュールを示し、実施例1で得られた塩基性ナトリウムミョウバンの電子顕微鏡での撮像結果を図2に示す。
(実施例1)
1000mlのセパラブルビーカーに硫酸アルミニウム水溶液(Al23換算濃度=8wt%)を750g取り、これを攪拌しながら、32wt%の炭酸ナトリウム水溶液293gを30分間で滴下した。
次に、図1に実線L1で示すように、第1の昇温工程において、この溶液を30分かけて60℃まで加熱した後、第1の加熱工程において、60℃で1時間、保持した。
次に、第2の昇温工程において、30分かけて85℃まで昇温した後、第2の加熱工程において、85℃で30分間保持した。なお、反応中および反応後のpHは、3.4〜3.7の範囲であった。
次に、冷却し、濾紙を用いて濾過、洗浄し、120℃で乾燥させて、102gの粉体を得た。なお、収率が100%の場合には、156gであり、本例における収率は65.4%であった。
粉体についてX線回折により結晶型同定を行った結果、結晶性の塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)であることが確認できた。
また、得られた粉体を電子顕微鏡で観察したところ、図2に示す写真像が得られた。また、写真像から、各粒体の短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比を計測したところ、0.7〜1:1の球形状を有することが確認でき、略真球状の塩基性ナトリウムミョウバンであることが確認できた。
本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンの細孔径分布を図3に示す。図3に示すように、本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンは、孔径が4nm以下の細孔が多数、開口する多孔性であることが確認でき、かつ、細孔サイズが揃っていた。また、粉体の比表面積を測定したところ、細孔による表面積拡大効果により、約300m2/g以上、330m2/gであった。
さらに、得られた塩基性ナトリウムミョウバンに対して熱処理を行うと、細孔の径が拡大することが認められ、例えば、250℃、300℃、350℃で加熱した後の細孔径分布の測定結果を図4に示すように、熱処理温度に応じて細孔の孔径を任意に制御できることも確認できている。
さらに、本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンの動的光散乱法による粒子径分布(累積%分布、頻度%分布)の測定結果を図5に示す。図5に示すように、本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンは、50%粒子径が0.39μmであり、かつ、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の89%が含まれる単分散粒子であることが確認できた。
(実施例2)
本例では、第2の加熱工程における第2の温度を95℃に変更した以外は、実施例1と同一の操作を行った。まず、1000mlのセパラブルビーカーに硫酸アルミニウム水溶液(Al23換算濃度=8wt%)を750g取り、これを攪拌しながら、32wt%の炭酸ナトリウム水溶液293gを30分間で滴下した。
次に、図1に点線L2で示すように、第1の昇温工程において、溶液を30分かけて60℃まで加熱した後、第1の加熱工程において、60℃で1時間、保持した。
次に、第2の昇温工程において、30分かけて95℃まで昇温した後、第2の加熱工程において、95℃で30分間保持した。なお、反応中および反応後のpHは、3.4〜3.7の範囲であった。
次に、冷却し、濾紙を用いて濾過、洗浄し、120℃で乾燥させて、150gの粉体を得た。本例における収率は96.2%であった。
粉体についてX線回折により結晶型同定を行った結果、実施例1と同様、塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)であることが確認できた。また、得られた粉体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様な写真像が得られ、その短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比を計測したところ、0.7〜1:1の球形状を有することが確認できた。また、粉体の表面では、孔径が4nm以下の細孔が多数、開口しており、かつ、細孔サイズが揃っていた。また、粉体の比表面積を測定したところ、細孔による表面積拡大効果により、約300m2/g以上、311m2/gであった。
また、本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンの動的光散乱法による粒子径分布(累積%分布、頻度%分布)の測定結果を図6に示す。図6に示すように、本例で得られた塩基性ナトリウムミョウバンは、50%粒子径が1.24μmであり、かつ、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の90%が含まれる単分散粒子であることが確認できた。
このように本例では、第2の加熱工程の温度を実施例1よりも高い95℃に設定したため、収率が向上する一方、50%粒子径が大きい。すなわち、本発明では、第2の加熱工程の第2の温度によって塩基性ナトリウムミョウバンの粒子径を制御できるといえる。
(実施例3)
本例では、第2の加熱工程における第2の温度を95℃に変更し、第2の加熱工程での保持時間を20分間に変更した以外は、実施例1と同一の操作を行った。まず、1000mlのセパラブルビーカーに硫酸アルミニウム水溶液(Al23換算濃度=8wt%)を750g取り、これを攪拌しながら、32wt%の炭酸ナトリウム水溶液293gを30分間で滴下した。
次に、図1に点線L2で示すように、第1の昇温工程において、溶液を30分かけて60℃まで加熱した後、第1の加熱工程において、60℃で1時間、保持した。
次に、第2の昇温工程において、30分かけて95℃まで昇温した後、第2の加熱工程において、95℃で20分間保持した。なお、反応中および反応後のpHは、3.4〜3.7の範囲であった。
次に、冷却し、濾紙を用いて濾過、洗浄し、120℃で乾燥させて、119gの粉体を得た。本例における収率は76.3%であった。
粉体についてX線回折により結晶型同定を行った結果、実施例1と同様、塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)であることが確認できた。また、得られた粉体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様な写真像が得られ、その短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比を計測したところ、0.7〜1:1の球形状を有することが確認できた。但し、細孔はほとんどなく、また、粉体の比表面積を測定したところ、24m2/gであった。
さらに、動的光散乱法による粒子径分布の測定結果において、50%粒子径が1.0μmであり、かつ、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の82%が含まれる単分散粒子であることが確認できた。
(実施例4)
本例では、第1の加熱工程において種粒子を添加する以外は、実施例1と同一の操作を行った。すなわち、まず、1000mlのセパラブルビーカーに硫酸アルミニウム水溶液(Al23換算濃度=8wt%)を750g取り、これを攪拌しながら、32wt%の炭酸ナトリウム水溶液293gを30分間で滴下した。
次に、図1に実線L1で示すように、第1の昇温工程において、溶液を30分かけて60℃まで加熱した後、第1の加熱工程において、60℃で1時間、保持した。次に、矢印Aで示す時点(第1の加熱工程の終盤)で、実施例1で製造した塩基性ナトリウムミョウバンの粒子を種粒子として0.5g添加した。
次に、第2の昇温工程において30分かけて85℃まで昇温した後、第2の加熱工程において、85℃で30分間保持した。なお、反応中および反応後のpHは、3.4〜3.7の範囲であった。
次に、冷却し、濾紙を用いて濾過、洗浄し、120℃で乾燥させて、150gの粉体を得た。本例における収率は96.2%であった。
粉体についてX線回折により結晶型同定を行った結果、実施例1と同様、塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)であることが確認できた。また、得られた粉体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様な写真像が得られ、その短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比を計測したところ、0.7〜1:1の球形状を有することが確認できた。また、粉体の表面では、孔径が4nm以下の細孔が多数、開口しており、かつ、細孔サイズが揃っていた。また、粉体の比表面積を測定したところ、細孔による表面積拡大効果により、約300m2/g以上、344m2/gであった。
さらに、動的光散乱法による粒子径分布の測定結果において、50%粒子径が0.4μmであり、かつ、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の85%が含まれる単分散粒子であることが確認できた。
このように本例では、実施例1と同様、第2の加熱工程の第2の温度を85℃に設定したため、50%粒子径が0.4μmの塩基性ナトリウムミョウバンを得ることができ、かつ、第1の加熱工程において種粒子を添加したため、収率の面では、実施例1よりも高い結果を得ることができた。
(実施例5)
本例では、第1の加熱工程において添加する種粒子の作成方法を変更した以外は、実施例4と同一の操作を行った。すなわち、まず、1000mlのセパラブルビーカーに硫酸アルミニウム水溶液(Al23換算濃度=8wt%)を750g取り、これを攪拌しながら、32wt%の炭酸ナトリウム水溶液293gを30分間で滴下した。
次に、図1に実線L1で示すように、第1の昇温工程において、溶液を30分かけて60℃まで加熱した後、第1の加熱工程において、60℃で1時間、保持した。次に、矢印Aで示す時点(第1の加熱工程の終盤)で、実施例2で製造した塩基性ナトリウムミョウバンをボールミルにより粉砕して得られた50%粒子径が0.2μmである粒子を種粒子として0.5g添加した。
次に、第2の昇温工程において30分かけて85℃まで昇温した後、第2の加熱工程において、85℃で30分間保持した。なお、反応中および反応後のpHは、3.4〜3.7の範囲であった。
次に、冷却し、濾紙を用いて濾過、洗浄し、120℃で乾燥させて、148gの粉体を得た。本例における収率は94.8%であった。
粉体についてX線回折により結晶型同定を行った結果、実施例1と同様、塩基性ナトリウムミョウバン(NaAl3(SO4)2(OH)6)であることが確認できた。また、得られた粉体を電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様な写真像が得られ、その短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比を計測したところ、0.7〜1:1の球形状を有することが確認できた。また、粉体の表面では、孔径が4nm以下の細孔が多数、開口しており、かつ、細孔サイズが揃っていた。また、粉体の比表面積を測定したところ、細孔による表面積拡大効果により、約300m2/g以上、328m2/gであった。
さらに、動的光散乱法による粒子径分布の測定結果において、50%粒子径が0.27μmであり、かつ、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の81%以上が含まれる単分散粒子であることが確認できた。
このように本例では、実施例3と同様に第1の加熱工程において種粒子を添加し、かつ添加した種粒子をボールミルで粉砕した50%粒子径が0.2μmの種粒子として小さくしたため、実施例4よりも小さい50%粒子径の塩基性ナトリウムミョウバンを得ることができ、収率の面では、実施例4と同様の結果を得ることができた。
なお、種粒子を添加するタイミングを矢印Aで示す第1の加熱工程の終盤に代えて、矢印Bで示す昇温工程、あるいは矢印Cで示す第2の加熱工程に変更した場合には、収率の向上を図ることができないという結果が得られている。また、種粒子を添加するタイミングは、第1の加熱工程であれば、略同等の収率を得ることができる。従って、種粒子を添加するタイミングについては、第1の加熱工程のいずれかの時期に設定すればよい。
さらに、種粒子を添加するタイミングを矢印Aで示す第1の加熱工程の終盤に設定すると、粒子径を揃えることができるという利点がある。
本発明の実施例1〜3に係る塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法における反応スケジュールを示す説明図である 本発明の実施例1に係る塩基性ナトリウムミョウバンの電子顕微鏡での撮像結果を示す説明図である。 本発明の実施例1に係る塩基性ナトリウムミョウバンの細孔径分布の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る塩基性ナトリウムミョウバンに対して熱処理を行った後の細孔径分布の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る塩基性ナトリウムミョウバンの動的光散乱法による粒子径分布(累積%分布、頻度%分布)の測定結果を示すグラフである。 本発明の実施例2に係る塩基性ナトリウムミョウバンの動的光散乱法による粒子径分布(累積%分布、頻度%分布)の測定結果を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 硫酸アルミニウムと炭酸ナトリウムとを含む水溶液に対して所定の温度条件下での加熱処理を行い、加熱処理した液から塩基性ナトリウムミョウバンを得ることを特徴とする塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法。
  2. 前記加熱処理は、前記水溶液を第1の温度で保持する第1の加熱工程と、該第1の加熱工程の後、前記水溶液を前記第1の温度より高い第2の温度で保持する第2の加熱工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法。
  3. 前記第1の加熱工程で前記水溶液に対して塩基性ナトリウムミョウバンの種粒子を添加することを特徴とする請求項2に記載の塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法。
  4. 前記種粒子の添加は、前記第1の加熱工程の終盤で行うことを特徴とする請求項3に記載の塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法。
  5. 短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有することを特徴とする塩基性ナトリウムミョウバン。
  6. 球形状を有し、比表面積が200m2/g以上であることを特徴とする塩基性ナトリウムミョウバン。
  7. 孔径が4nm以下の細孔が多数、表面で開口していることを特徴とする請求項6に記載の塩基性ナトリウムミョウバン。
  8. 短軸方向における寸法と長軸方向における寸法の比が0.7〜1:1の球形状を有することを特徴とする請求項6または7に記載の塩基性ナトリウムミョウバン。
  9. 動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径の±50%範囲内に全粒子の80%以上が含まれることを特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載の塩基性ナトリウムミョウバン。
  10. 動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径が1.5μm以下であることを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の塩基性ナトリウムミョウバン。
  11. 動的光散乱法で測定した粒子径分布において、50%粒子径が0.5μm以下であることを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の塩基性ナトリウムミョウバン。
JP2006045574A 2006-02-22 2006-02-22 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法 Active JP5099804B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006045574A JP5099804B2 (ja) 2006-02-22 2006-02-22 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006045574A JP5099804B2 (ja) 2006-02-22 2006-02-22 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007223835A true JP2007223835A (ja) 2007-09-06
JP5099804B2 JP5099804B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=38545988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006045574A Active JP5099804B2 (ja) 2006-02-22 2006-02-22 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5099804B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6411637A (en) * 1987-07-02 1989-01-17 Mizusawa Industrial Chem Alunite type adsorbent and production thereof
US5258168A (en) * 1989-07-19 1993-11-02 Aluminum Company Of America Production of alunites
JPH10101330A (ja) * 1996-08-27 1998-04-21 Solv Ex Corp 塩基性硫酸ナトリウム(及び/又はカリウム)アルミニウムの製法とこれを用いた製紙法
WO2006109847A1 (ja) * 2005-04-08 2006-10-19 Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. アルナイト型化合物粒子、その製造方法およびその利用
JP2007204293A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyowa Chem Ind Co Ltd 多孔質粒子およびその製造方法
JP4175700B2 (ja) * 1998-06-25 2008-11-05 水澤化学工業株式会社 紡錘状乃至球状アルカリアルミニウム硫酸塩水酸化物の製造法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6411637A (en) * 1987-07-02 1989-01-17 Mizusawa Industrial Chem Alunite type adsorbent and production thereof
US5258168A (en) * 1989-07-19 1993-11-02 Aluminum Company Of America Production of alunites
JPH10101330A (ja) * 1996-08-27 1998-04-21 Solv Ex Corp 塩基性硫酸ナトリウム(及び/又はカリウム)アルミニウムの製法とこれを用いた製紙法
JP2003113591A (ja) * 1996-08-27 2003-04-18 Solv Ex Corp 塩基性硫酸ナトリウム(及び/又はカリウム)アルミニウムを用いた製紙法
JP4175700B2 (ja) * 1998-06-25 2008-11-05 水澤化学工業株式会社 紡錘状乃至球状アルカリアルミニウム硫酸塩水酸化物の製造法
WO2006109847A1 (ja) * 2005-04-08 2006-10-19 Kyowa Chemical Industry Co., Ltd. アルナイト型化合物粒子、その製造方法およびその利用
JP2007204293A (ja) * 2006-01-31 2007-08-16 Kyowa Chem Ind Co Ltd 多孔質粒子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5099804B2 (ja) 2012-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5530672B2 (ja) ベーマイト粒子の製造方法及びアルミナ粒子の製造方法
TWI272249B (en) Crystalline ceric oxide sol and process for producing the same
CA2562502C (en) Seeded boehmite particulate material and methods for forming same
Yu et al. Monoclinic Li2TiO3 nano-particles via hydrothermal reaction: Processing and structure
Liu et al. Synthesis of SiO2/Y2O3: Eu core-shell materials and hollow spheres
JP6358899B2 (ja) 金属酸化物粒子およびその製造方法
US6602484B1 (en) Precipitated calcium carbonate and method for the production thereof
JP7131926B2 (ja) チタン酸ストロンチウム粉体及びその製造方法並びに電子写真用トナー外添剤
JP4281943B2 (ja) 板状アルミナ粒子の製造方法
JP2012011526A (ja) 研磨材およびその製造方法
US20200181037A1 (en) Anticaking agent for hygroscopic fertilizer
KR101110273B1 (ko) 티타니아 나노입자의 제조방법
JP2010105892A (ja) ジルコニア微粒子及びその製造方法
JP2013111725A (ja) 研磨材およびその製造方法
Joni et al. Dispersion of amorphous silica nanoparticles via beads milling process and their particle size analysis, hydrophobicity and anti-bacterial activity
JPH06510272A (ja) 改善された混合金属酸化物結晶粉末およびその合成方法
CN114466823A (zh) 铁系氧化物磁性粉及其制造方法
JP2009001447A (ja) シリカ多孔質体およびその製造方法、並びにその利用
JP2007061989A (ja) 研磨用複合酸化物粒子およびスラリー状研磨材
Zolfaghari et al. Influences of new synthesized active seeds and industrial seed on the aluminum hydroxide precipitation from sodium aluminate solution
JP5099804B2 (ja) 塩基性ナトリウムミョウバンの製造方法
JP2007204293A (ja) 多孔質粒子およびその製造方法
JP2008273767A (ja) 酸化亜鉛の製造方法及び酸化亜鉛
CN108996551B (zh) 一种Cr掺杂α-Fe2O3微纳米晶的制备方法
Chen et al. Solid-silica core/mesoporous-silica shell composite abrasives: synthesis, characterization, and the effect of mesoporous shell structures on CMP

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120829

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120919

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5099804

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250