JP2007223719A - 液体噴射装置および記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
【解決手段】回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラ41と、搬送駆動ローラ41との間で被記録物19を挟んで連れ回る搬送従動ローラ43と、搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与える駆動部100であって、板状の圧電素子220および圧電素子220を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の対の電極間に周期的な電力を与えることにより、搬送駆動ローラ41の外周面に対して圧電素子220の面方向に当接および離間する振動体200、ならびに、振動体200を支持する振動体保持部400を有する駆動部100と、駆動部100が搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくするべく対の電極間に与える電力を制御する制御部600とを備える記録装置が提供される。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体噴射装置および記録装置に関する。特に本発明は、圧電素子の振動により被記録物を搬送する搬送駆動ローラに回転駆動力を与える液体噴射装置および記録装置に関する。
インクジェット式記録装置等の記録装置の被記録物を搬送するローラなどの搬送部に対して駆動力を与える駆動部として、例えば、被記録物を搬送する搬送ローラに対して複数のギアを介してモータの駆動力を伝動する形態が知られている。また、モータよりも小型の駆動源として圧電素子を利用した振動体を用いた回転型駆動装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−166479号公報
上記特許文献1に開示されている振動体を用いた回転型駆動装置は、例えばカメラのフィルムを巻き上げるフィルム巻き上げ機構などに利用される。この回転型駆動装置に用いられる振動体を記録装置の駆動部として用いると、搬送部において紙などの被記録物を搬送する搬送駆動ローラが被記録物の表面でスリップしたり、搬送駆動ローラが被記録物の表面を摩擦するなどして、被記録物が破損したり、所望の搬送量が得られない場合がある。これは、駆動部が、搬送駆動ローラが被記録物を定常的に搬送するのに必要な回転駆動力を、被記録物の搬送の開始と同時に与えることに起因する。また、駆動部が、搬送駆動ローラが被記録物を定常的に搬送するのに必要な回転駆動力を、被記録物の搬送の停止と同時に与えるのを止めることにも起因する。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、被記録物を搬送しつつ被記録物に記録する記録装置であって、回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、搬送駆動ローラとの間で被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の対の電極間に周期的な電力を与えることにより、搬送駆動ローラの外周面に対して圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくするべく対の電極間に与える電力を制御する制御部と、を備える記録装置が提供される。このような記録装置に配される駆動部は、電動モータなどと比べて小型であるので、駆動部を配する部分のスペースを小さくすることができる。また、駆動部が搬送駆動ローラに対して回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次大きくなるので、被記録物の搬送の開始時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の開始時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第1の形態において、制御部は、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、対の電極間に与える電力を時間の経過と共に小さくしてもよい。これにより、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第1の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力のデューティ比を時間の経過と共に大きくしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに対して回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次大きくなるので、被記録物の搬送の開始時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の開始時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第1の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力をチョッパ制御してもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに対して回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次大きくなるので、被記録物の搬送の開始時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の開始時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第1の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力の振幅を時間の経過と共に大きくしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに対して回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次大きくなるので、被記録物の搬送の開始時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の開始時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第1の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力の周波数を共振周波数に近づける制御をしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに対して回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次大きくなるので、被記録物の搬送の開始時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の開始時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
本発明の第2の形態においては、被記録物を搬送しつつ被記録物に記録する記録装置であって、回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、搬送駆動ローラとの間で被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の対の電極間に周期的な電力を与えることにより、搬送駆動ローラの外周面に対して圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に小さくするべく対の電極間に与える電力を制御する制御部と、を備える記録装置が提供される。このような記録装置に配される駆動部は、電動モータなどと比べて小型であるので、駆動部を配する部分のスペースを小さくすることができる。また、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第2の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力のデューティ比を時間の経過と共に小さくしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第2の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力をチョッパ制御してもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第2の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力の振幅を時間の経過と共に小さくしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
上記第2の形態において、制御部は、対の電極間に与える電力の周波数を共振周波数から遠ざける制御をしてもよい。これにより、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラの回転速度は、時間の経過と共に漸次小さくなるので、被記録物の搬送の停止時における音および振動を低減することができる。さらには、被記録物の搬送の停止時において、搬送駆動ローラが被記録物に対して滑りにくくなるので、このような滑りに伴う被記録物の擦れなどのダメージを低減することができるとともに、より確実に所望の搬送量だけ被記録物を搬送することができる。
本発明の第3の形態においては、媒体を搬送しつつ媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、搬送駆動ローラとの間で被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の対の電極間に周期的な電力を与えることにより、搬送駆動ローラの外周面に対して圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与え始める場合に、搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくするべく対の電極間に与える電力を制御する制御部と、を備える液体噴射装置が提供される。これにより、第1の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の第4の形態においては、媒体を搬送しつつ媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、搬送駆動ローラとの間で被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の対の電極間に周期的な電力を与えることにより、搬送駆動ローラの外周面に対して圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、駆動部が搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に小さくするべく対の電極間に与える電力を制御する制御部と、を備える液体噴射装置が提供される。これにより、第2の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明における液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10の概略斜視図を示す。図2は、図1のインクジェット式記録装置10を搬送部駆動ギア49の側から見た概略側面図を示す。インクジェット式記録装置10は、装置本体11と、被記録物19を載置する給紙部13と、給紙部13の被記録物19を搬送する搬送部40と、搬送部40により搬送された被記録物19を下方から支持するプラテン15と、プラテン15の上方に配されて被記録物19上に記録をする記録部20と、被記録物19を排紙口17へ排出する排出部60と、搬送部40および排出部60を駆動する駆動部100とを備える。
記録部20は、キャリッジモータ32、タイミングベルト30、キャリッジ22、記録ヘッド24、および、インクカートリッジ26を有する。タイミングベルト30は、装置本体11の幅方向に渡って架け渡されており、キャリッジモータ32から回転駆動力を受けて回転する。キャリッジ22は、タイミングベルト30を把持しており、キャリッジモータ32がタイミングベルト30を回転駆動することで、被記録物19上を往復移動する。記録ヘッド24は、キャリッジ22の下方に保持され、被記録物19へインクを吐出する。インクカートリッジ26は、内部にインクを収容し、キャリッジ22に着脱可能に保持される。
搬送部40は、搬送駆動ローラ41、搬送従動ローラ43、シャフト45、ロータ47、および搬送部駆動ギア49を有し、給紙部13と記録部20との間に配される。シャフト45は、装置本体11のフレーム80に回転自在に支持される。搬送部駆動ギア49、フレーム80、ロータ47および搬送駆動ローラ41は、図2の手前側から、シャフト45の軸方向において、この順に配される。搬送駆動ローラ41、ロータ47および搬送部駆動ギア49は、シャフト45を回転の軸として、それぞれシャフト45と固定されて接続している。搬送従動ローラ43は、装置本体11に回転自在に支持され、搬送駆動ローラ41に連れ回る。
駆動部100は、フレーム80よりも内側(図2における奥側)に配されて、ロータ47の外周面の外側において、フレーム80に固定される。駆動部100の一端である当接部230は、円板状であるロータ47の外周面と対向する位置に配される。駆動部100の詳細については、以下において別途図示して説明する。
排出部60は、排出駆動ローラ61、排出従動ローラ63、シャフト65、および排出部駆動ギア69を有し、記録部20と排紙口17との間に配される。排出駆動ローラ61および排出部駆動ギア69は、シャフト65を回転の軸として、それぞれシャフト65と固定されて接続している。シャフト65は、装置本体11のフレーム80に回転自在に支持される。排出従動ローラ63は、装置本体11に対して回転自在に支持され、排出駆動ローラ61に連れ回る。
伝動部50は、搬送部40の回転駆動力を排出部60に伝達する。この伝動部50は、シャフト55、第一伝動ギア57、および第二伝動ギア59を有する。第一伝動ギア57および第二伝動ギア59は、図2における手前側からこの順に配され、シャフト65を回転の軸として、それぞれシャフト55と固定されて接続している。シャフト55は、装置本体11のフレーム80に回転自在に支持される。
インクジェット式記録装置10の搬送部駆動ギア49、第一伝動ギア57、第二伝動ギア59および排出部駆動ギア69は、それぞれ外周部分に複数の歯が形成された歯車形状を成しており、搬送部駆動ギア49と第一伝動ギア57、および、第二伝動ギア59と排出部駆動ギア69、はそれぞれ噛み合っている。したがって、例えば、搬送部駆動ギア49が図2における時計回りに回転した場合、それに連動して第一伝動ギア57および第二伝動ギア59は図2における反時計回りに回転し、排出部駆動ギア69は図2における時計回りに回転する。以上により、搬送駆動ローラ41が図2における時計回りに回転した場合、連動して排出駆動ローラ61も時計回りに回転し、これら搬送駆動ローラ41および排出駆動ローラ61にそれぞれ連れ回る搬送従動ローラ43および排出従動ローラ63は、共に反時計回りに回転する。図2において、それぞれのギアの外周部分に形成された歯を省略して歯先円および歯底円を示した。
続いて、インクジェット式記録装置10における記録の動作について説明する。まず、印加装置700から交流、パルス波形等の周期的な電力の供給を受けて駆動部100がロータ47に対して回転駆動力を与えてロータ47を回転駆動する。これにより、ロータ47とシャフト45で接続した搬送駆動ローラ41が回転駆動し、搬送駆動ローラ41と搬送従動ローラ43と間で被記録物19を挟んで、被記録物19をプラテン15上に搬送する。この状態において、キャリッジモータ32がタイミングベルト30を回転駆動することにより、タイミングベルト30を把持するキャリッジ22が装置本体11の幅方向に往復移動する。キャリッジ22が往復移動するのに伴って、キャリッジ22に保持された記録ヘッド24が、被記録物19上を往復移動しつつ、被記録物19に対してインクカートリッジ26から供給されるインクを吐出し、被記録物19へ記録を行う。記録ヘッド24は、往復移動の両方向に移動しつつインクを吐出してもよいし、いずれか一方向に移動する場合にインクを吐出してもよい。その後、搬送駆動ローラ41および搬送従動ローラ43が被記録物19をさらに微小量だけ搬送し、さらに記録ヘッド24が被記録物19上を往復移動しつつインクを吐出する。この動作を繰り返すことにより、被記録物19の上面全体に記録が行われる。排出駆動ローラ61および排出従動ローラ63は、搬送駆動ローラ41および搬送従動ローラ43に連動して、記録が行われた被記録物19をプラテン15上から排紙口17へ排出する。
図3は、駆動部100の平面図を示す。図3に示すように、駆動部100は、振動体200と、支持体300と、振動体保持部400とを備える。振動体200は、振動体200を振動可能に固定する支持体300を介して振動体保持部400に取り付けられる。振動体保持部400には、取付穴451が複数個(本実施形態では四つ)設けられており、図2に示すように、フレーム80の駆動部100を取り付ける位置において取付穴451に対応する位置に空けられた穴に対して、ネジ450で固定して取り付けられる。
図4は、振動体200および支持体300の分解斜視図を示す。振動体200は、平板状の補強板210、および補強板210の表裏両面に設けられた平板状の圧電素子220を有する。補強板210は、例えばステンレス鋼などの材料で構成され、短辺の一端には、幅方向略中央に断面略円弧凸状の当接部230が長手方向に突出するように一体的に形成されている。補強板210の長手方向略中央には、幅方向両側に腕部240が一体的に形成されている。腕部240は、補強板210からほぼ直角に突出しており、これらの端部にはそれぞれ孔241が穿設されている。補強板210の両面の略矩形状部分には、それぞれ圧電素子220が接着される。
圧電素子220の材料は、特に限定されず、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT(登録商標))、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種材料を用いることができる。圧電素子220の両面には、ニッケルまたは金などによる電極221、222、223、224がめっき、スパッタ、蒸着等の方法で形成されている。これらの電極221、222、223、224のうち、圧電素子220の補強板210に対向する側の面には、圧電素子220の全面にわたって電極224が形成されている。また、圧電素子220の補強板210に対向しない側の面には、圧電素子220の長手方向に沿った中心線を軸として線対称に複数の電極221、222、223が形成されている。これらの電極221、222、223は、溝251、252によって互いに電気的に絶縁されており、圧電素子220を挟んで電極224とそれぞれ対を成す。
すなわち、圧電素子220を幅方向にほぼ三等分するように二本の溝251が形成され、これらの溝251で三つに分割された電極のうち両側の電極ではさらに圧電素子220の長手方向をほぼ二等分するように溝252が形成されている。これらの溝251、252により、圧電素子220の表面には、圧電素子220の幅方向略中央の電極221と、電極221の両側に対角線上両端の電極をそれぞれ対とする電極222、223とが形成される。なお、これらの電極221、222、223は、補強板210を挟んで設けられた表裏両方の圧電素子220の補強板210に対向しない側の面に同様に形成されており、例えば振動体200における電極221の裏面側には電極221が形成されている。
図3に示すように、駆動部100の振動体保持部400には、導通ピン350が振動体200の両側に二つずつ、計四つ設けられている。これら四つの導通ピン350は、周囲に介装された絶縁部材360で互いに絶縁され、また、振動体保持部400とも絶縁されている。電極221、222、223、224は、それぞれ別の導通ピン350にリード線(図示せず)で電気的に接続している。また、これら四つの導通ピン350は、圧電素子220に周期的な電圧を印加する印加装置700にも電気的に接続している。導通ピン350は、例えば金属などの導電性を有する材料で構成され、表面には、導通抵抗を小さくするために金めっきが施されていることが好ましい。
圧電素子220の寸法、厚さ、および電極の分割形態などは、圧電素子220に印加装置700から繰り返し電圧が印加された時に、圧電素子220が長手方向に伸縮する、いわゆる縦振動と、圧電素子220の平面中心に対して点対称に、縦振動に直交する方向に屈曲する、いわゆる屈曲振動とが同時に現れるように適宜設定される。この時、縦振動の共振周波数と、屈曲振動の共振周波数とは互いに近接するように設定されていることが望ましく、縦振動の共振周波数に対する屈曲振動の共振周波数はほぼ等しく、その差は3%以下であることが望ましい。また、圧電素子220の長辺と短辺との長さ比は、長辺を1とすると短辺が0.274以上であることが望ましい。なお、圧電素子220の寸法を、長辺の長さを1とした時に短辺の長さを0.274より小さくすると、縦振動の共振周波数が屈曲振動の共振周波数より大きくなり、当接部230において良好な楕円軌道を得ることができない。この時、縦振動の共振周波数に対する屈曲振動の共振周波数はほぼ等しくなる。また、両振動の共振周波数の差が3%よりも大きいと、縦振動の共振点と屈曲振動の共振点とが離れてしまい、両振動の振幅が同時に大きくなる振動周波数を設定することができない。
圧電素子220に印加される電圧の周波数は、縦振動の共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間、より好ましくは反共振周波数と屈曲振動の共振周波数との間で両方の振動が良好に現れる周波数を適宜選択する。なお、圧電素子220に印加される電圧の波形は特に限定されず、例えばサイン波、矩形波、台形波などが採用できる。
図4に示すように、支持体300は、振動体200が固定される一対の固定部310、および、これらの固定部310の間に一体的に形成され、振動体保持部400にスライド可能に支持されるスライド部320を有する。支持体300には、例えば硬質プラスチックなど、振動体200による振動に対して要求される耐久性を有する材料であれば所望の材料を用いてもよい。固定部310には、腕部240の孔241に対応する位置にネジ穴311が形成されている。このネジ穴311に孔241を貫通してネジ260が螺合されることにより振動体200が固定部310に固定されている。従って、ネジ260の螺合を外せば、振動体200を支持体300(振動体保持部400)から取り外すことができる。スライド部320は、振動体保持部400に凹状に形成されたスライド溝420(図3)に配され、幅方向略中央には、支持体300がロータ47に対して近接離間する方向に平行となるように長孔321が複数箇所(本実施形態では二箇所)形成されている。この長孔321には、ネジ421(図3)が貫通して配され、このネジ421は、振動体保持部400に形成されたネジ穴422に螺合されている。これにより、支持体300は長孔321の長手方向、すなわち、ロータ47において当接部230が当接される位置からロータ47の径方向に沿った方向だけにスライドすることができる。
また、図4に示すように、支持体300において、固定部310およびスライド部320とは段差を有して形成されている。したがって、固定部310およびスライド部320によって中央に凹状部分が形成される。これにより、振動体200が固定部310に取り付けられた時に振動体200とスライド部320との間には隙間が形成されるので、振動体200が振動してもスライド部320およびネジ421に干渉することがない。
図4に示すように、支持体300の両側の固定部310において、振動体200の当接部230から遠い側の端部側面には、円柱状に突出したバネ取付部331が形成されている。図3に示すように、このバネ取付部331は、バネ340の一端に挿入されている。また、バネ340の他端には円柱状の当接ピン431が挿入されている。この当接ピン431は、振動体保持部400に設けられた係止片430に固定されている。このように配されたバネ340は、振動体200が固定された支持体300および振動体保持部400を振動体200の長手方向に離間するようにこれらに対して弾性力を与える。
以下において、駆動部100における振動体200の動作について説明する。図5は、振動体200の動作の模式図を示す。図5(A)は振動体200の縦振動を、図5(B)は振動体200の屈曲振動を、図5(C)は当接部230の振動軌跡を、それぞれ示す。振動体200は、電極221、222、223と電極224との間に周期的な電圧を印加することで振動する。電極221と電極224との間、および電極222と電極224との間に所定周波数の周期的な電圧を印加した場合、図5(A)に示すように、主に電極221と電極224との間の圧電素子220が長手方向に伸縮することにより、圧電素子220は縦振動を励振する。さらに、図5(B)に示すように、電極221の両側の電極222と電極224との間の圧電素子220が伸縮することにより、圧電素子220は、上記の縦振動に直交する方向に、圧電素子220の平面中心に対して点対称に屈曲する屈曲振動を励振する。
これらの縦振動および屈曲振動が同時に現れることにより、振動体200の当接部230は図5(C)に示すように、略楕円軌道を描いて振動する。当接部230は、この楕円軌道の一部においてロータ47を押圧することによってロータ47を回転させる。これを繰り返すことにより、ロータ47は一方向に、この場合では図2の時計回りに、所定の回転速度で回転する。また、ロータ47を反対方向に回転させる場合には、電圧を印加する電極221、222、224を、振動体200の長手方向に沿った中心線を軸として線対称に切り替える。すなわち、圧電素子220の電極221と電極224との間、および電極223と電極224との間に所定周波数の周期的な電圧を印加すれば、当接部230は反対方向の楕円軌道を描いて振動する。これにより、ロータ47は反対方向に回転する。
図6は、駆動部100が搬送駆動ローラ41に対して、回転駆動力を与え始める場合、および、回転駆動力を与えているのを止める場合における、搬送駆動ローラ41の回転速度(または回転数)Nの経時変化を示す。図7は、搬送駆動ローラ41に対して回転駆動力が定常的に与えられている場合における、駆動部100に印加されている周期的な電圧の波形を示す。以下において、インクジェット式記録装置10の搬送駆動ローラ41が搬送従動ローラ43との間に被記録物19を挟んで搬送しているときの、搬送駆動ローラ41の定常的な回転速度をNとし、このときに圧電素子220に印加されている上記所定周波数の周期的な電圧の最大値をV、周波数をfとする。この周波数をfは圧電素子220を含む振動体200の振動振幅が最大になる周波数であり、共振周波数と呼ばれる。また、図7に示す波形を成す最大値をV、周波数をfの周期的な電圧を「定常搬送時の周期的な電圧」と称する。
インクジェット式記録装置10の駆動部100に対して、定常搬送時の周期的な電圧が印加された場合に、駆動部100の圧電素子220における応答が速いので、図6の破線Aに示すように、搬送駆動ローラ41の回転速度Nは直ちにNまで急激に上昇する。ここで、回転速度NがNまで上昇する時間は、実際には数ミリ秒程度である。搬送駆動ローラ41がこのように急激に回転し始めると、搬送駆動ローラ41が被記録物19の表面でスリップしたり、搬送駆動ローラ41が被記録物19の表面を摩擦するおそれがある。この場合に、被記録物19が破損したり、所望の搬送量が得られないことがある。また、これらの現象によりノイズ音が発生することもある。そこで、本実施形態のインクジェット式記録装置10は、印加装置700からの出力電圧を制御して振動体200において圧電素子220を挟んで対を成す電極221、222、223と電極224との間に印加する制御部600をさらに備える。制御部600は、駆動部100が搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与え始めるとき(搬送駆動ローラ41の回転開始時)には、搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくなるように周期的な電圧を制御し、駆動部100が搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与えているのを止めるとき(搬送駆動ローラ41の回転停止時)には、搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力を時間の経過と共に小さくなるように印加装置700からの入力電圧を制御する。
図8は、デューティ制御回路604の概略図を示す。上記制御部600は、図8に示すデューティ制御回路604を備えて、印加装置700からの入力電圧のデューティ比を制御する。デューティ制御回路604は、発振回路608、位相シフタ610、ANDゲート620、EXORゲート630、およびスイッチ625、635を有し、これらが図8に示すように電気的に接続されている。デューティ制御回路604において、発振回路608は、周波数fの信号を発振する。また、スイッチ625は、ANDゲート620からの出力信号を受けると、印加装置700から入力する周期的な電圧の振幅と同じ大きさの電圧を出力する。また、スイッチ635は、EXORゲート630からの出力信号を受けると、デューティ制御回路604の出力電圧を0Vとする。デューティ制御回路604は、印加装置700から入力された周期的な電圧に対してデューティ比の異なる周期的な電圧を出力することができる。すなわち、制御部600は、例えば図7に示す波形を成す最大値V、周波数fの周期的な電圧が印加装置700から入力された場合、この周期的な電圧を、0%から100%までの所定のデューティ比に変換して出力することができる。
図9は、制御部600の出力電圧の波形の一例を示す。デューティ制御回路604を備えた制御部600は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を開始する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図9に示す波形を成す電圧を出力し、時刻t以降は、図7に示す波形を成す定常搬送時の周期的な電圧を出力する。この場合、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以降における当該回転駆動力と比べて小さくなる。よって、図6の実線Bに示すように、搬送駆動ローラ41の回転速度Nは、時刻tから時刻tまでの間において、時間の経過と共に漸次大きくなり、時刻tにおいてNとなる。
また、制御部600は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を停止する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図9に示す波形を成す電圧を出力し、時刻tで印加する周期的な電圧を停止する。この場合、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以前における当該回転駆動力と比べて小さくなる。よって、図6の実線Bに示すように、搬送駆動ローラ41の回転速度Nは、時刻tから時刻tまでの間において、時間の経過と共に漸次小さくなり、時刻tにおいて回転を停止する。
本実施形態のインクジェット式記録装置10は、制御部600に代えて、電圧をチョッピング制御する制御部601を備えてもよい。制御部601は、例えばサイリスタを有し、入力された周期的な電圧に対してチョッピングされた電圧を出力する。すなわち、制御部601は、例えば図7に示す波形を成す最大値V、周波数fの周期的な電圧が印加装置700から入力された場合に、この周期的な電圧を様々にチョッパ制御して出力する。
図10は、制御部601の出力電圧の波形の一例を示す。図11は、制御部601の出力電圧の波形の他の一例を示す。図10および図11に示すように、制御部601は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を開始する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図10または図11に示す波形を成す電圧を出力し、時刻t以降は、図7に示す波形を成す定常搬送時の周期的な電圧を出力する。これにより、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以降における当該回転駆動力と比べて小さくなる。また、制御部601は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を停止する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図10または図11に示す波形を成す電圧を出力し、時刻tで印加する周期的な電圧を停止する。これにより、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以前における当該回転駆動力と比べて小さい。よって、制御部601は、搬送駆動ローラ41の回転開始時および回転停止時において、図6の実線Bに示す回転速度Nで制御することができる。
図12は、搬送駆動ローラ41に対して回転駆動力が定常的に与えられている場合における、駆動部100に印加されている交流電圧の波形を示す。インクジェット式記録装置10の駆動部100に対して、図12に示す波形を成す振幅がV、周波数がfの交流電圧が印加された場合、図7に示す波形を成す振幅がV、周波数がfの交流電圧が印加された場合と同様に、搬送駆動ローラ41は、搬送従動ローラ43との間に被記録物19を挟んで定常的な回転速度Nで回転することができる。
図13は、デューティ制御回路605の概略図を示す。本実施形態のインクジェット式記録装置10は、制御部600、601に代えて、交流電圧のデューティ比を制御する制御部602を備えてもよい。制御部602は、図13に示すデューティ制御回路605を有する。デューティ制御回路605は、発振回路608、位相シフタ610、ANDゲート620、EXORゲート630、NORゲート640、およびスイッチ625、635、645を有し、これらが図13に示すように電気的に接続されている。デューティ制御回路605において、発振回路608は、周波数fの信号を発振する。また、スイッチ625は、ANDゲート620からの出力信号を受けると、印加装置700から入力する周期的な電圧の振幅と同じ大きさの正の電圧を出力する。また、スイッチ635は、EXORゲート630からの出力信号を受けると、デューティ制御回路604の出力電圧を0Vとする。また、スイッチ645は、NORゲート640からの出力信号を受けると、印加装置700から入力する周期的な電圧の振幅と同じ大きさの負の電圧を出力する。デューティ制御回路605は、入力された交流電圧に対してデューティ比の異なる交流電圧を出力する。この場合に、制御部602は、例えば図12に示す波形を成す最大値V、周波数fの交流電圧が印加装置700から入力された場合、この交流電圧を、0%から100%までの所定のデューティ比に変換して出力する。
図14は、制御部602の出力電圧の波形の一例を示す。制御部602は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を開始する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図14に示す波形を成す電圧を出力し、時刻t以降は、図12に示す波形を成す振幅がV、周波数がfの交流電圧を出力する。したがって、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以降における当該回転駆動力と比べて小さくなる。また、制御部602は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を停止する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は図14に示す波形を成す電圧を出力し、時刻tで印加する交流電圧を停止する。したがって、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以前における当該回転駆動力と比べて小さくなる。よって、制御部602は、搬送駆動ローラ41の回転開始時および回転停止時において、図6の実線Bに示す回転速度Nで制御することができる。
本実施形態のインクジェット式記録装置10は、制御部600、601、602に代えて、コンバーターまたはインバーターなどの電圧変換器または周波数変換器を有する制御部603を備えてもよい。この場合、制御部603は、入力された周期的な電圧の振幅または周波数を変換した電圧を出力する。例えば、制御部603は、例えば図7に示す波形を成す最大値V、周波数fの周期的な電圧、または、図12に示す波形を成す振幅がV、周波数がfの交流電圧が印加装置700から入力された場合、この周期的な電圧を振幅または周波数を変換して出力する。
制御部603は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を開始する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は、図7または図12に示す波形を成す入力電圧の振幅を時間の経過と共に漸次大きくして出力し、または周波数を共振周波数に近づけて出力する。また、制御部603は、時刻t以降は、図7または図12に示す波形を成す定常搬送時の周期的な電圧を出力する。これにより、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以降における当該回転駆動力と比べて小さくなる。
制御部603は、インクジェット式記録装置10が時刻tで搬送駆動ローラ41の回転を停止する場合、時刻tから所定の時刻tまでの間は、図7または図12に示す波形を成す入力電圧の振幅を時間の経過と共に漸次小さくして出力し、または周波数を共振周波数から遠ざけて出力する。また、制御部603は、時刻tで印加する周期的な電圧を停止する。これにより、時刻tから所定の時刻tまでの間における駆動部100が搬送駆動ローラ41に与える回転駆動力は、時刻t以前における当該回転駆動力と比べて小さくなる。よって、制御部603は、搬送駆動ローラ41の回転開始時および回転停止時において、図6の実線Bに示す回転速度Nで制御することができる。
このように、本実施形態のインクジェット式記録装置10において、搬送駆動ローラ41の回転速度は、駆動部100が搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与え始める場合には、時間の経過と共に漸次大きくなり、また、駆動部100が搬送駆動ローラ41に回転駆動力を与えているのを止める場合には、時間の経過と共に漸次小さくなる。これにより、被記録物19の搬送の開始時および停止時において搬送駆動ローラ41が被記録物19に対して滑りにくくなる。故に、被記録物19の搬送の開始時または停止時において、音および振動を低減することができ、さらには、被記録物19の擦れなどのダメージを低減することができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10において、デューティ制御回路604、605の位相シフタ610は、時刻tから時刻tまでの間において、デューティ制御回路604、605に入力される周期的な電圧のデューティ比を時間の経過と共に漸次大きくしてもよく、また、時刻tから時刻tまでの間において、デューティ制御回路604、605に入力される周期的な電圧のデューティ比を時間の経過と共に漸次小さくしてもよい。これにより、被記録物19の搬送の開始時および停止時において搬送駆動ローラ41が被記録物19に対してさらに滑りにくくなる。故に、被記録物19の搬送の開始時または停止時において、音および振動を低減することができ、さらには、被記録物19の擦れなどのダメージを低減することができる。
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10において、所定の時刻tおよび所定の時刻tは、それぞれ時刻tおよび時刻tからの時間として任意に設定することができるが、例えば、時刻tから時刻tまでの時間、および、時刻tから時刻tまでの時間はおよそ数十ミリ秒である。搬送駆動ローラ41が被記録物19に対して滑ったりダメージを与えることなく適切に搬送することができるように設定されることが好ましい。
また、図1から図14に示す実施形態において、電圧を制御したが、これに代えて、電流を制御してもよい。
また、本実施形態のインクジェット式記録装置10は、液体噴射装置の一例である。また、インクジェット式記録装置10の記録ヘッド24は、液体噴射装置の液体噴射ヘッドの一例である。記録ヘッド24に設けられる吐出口は、液体噴射ヘッドの噴射口の一例である。しかしながら、実施の形態はこれらに限られない。液体噴射装置の他の例は、液晶ディスプレイのカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造装置が挙げられる。この場合、カラーフィルタ製造装置の色材噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置である。この場合、電極形成装置の電極材(電導ペースト)噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。液体噴射装置のさらに他の例は、バイオチップを製造するバイオチップ製造装置である。この場合、バイオチップ製造装置の生体有機物噴射ヘッドおよび精密ピペットとしての試料噴射ヘッドが液体噴射ヘッドの一例である。上記の液体噴射装置は、産業用途を有するその他の液体噴射装置も含む。また被記録物19とは、液体が噴射されることにより記録または印刷が行われる物であり、例えば記録用紙、ディスプレイの電極等の回路パターンが印刷される回路基板、ラベルが印刷されるCD−ROM、DNA回路が印刷されるプレパラートが含まれる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明における液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10の概略斜視図を示す。 図1のインクジェット式記録装置10を搬送部駆動ギア49の側から見た概略側面図を示す。 駆動部100の平面図を示す。 振動体200および支持体300の分解斜視図を示す。 振動体200の動作を示す模式図を示す。 駆動部100が搬送駆動ローラ41に対して、回転駆動力を与え始める場合、および、回転駆動力を与えているのを止める場合における、搬送駆動ローラ41の回転速度Nの経時変化を示す。 搬送駆動ローラ41に対して回転駆動力が定常的に与えられている場合における、駆動部100に印加されている周期的な電圧の波形を示す。 デューティ制御回路604の概略図を示す。 制御部600の出力電圧の波形の一例を示す。 制御部601の出力電圧の波形の一例を示す。 制御部601の出力電圧の波形の他の一例を示す。 搬送駆動ローラ41に対して回転駆動力が定常的に与えられている場合における、駆動部100に印加されている交流電圧の波形を示す。 デューティ制御回路605の概略図を示す。 制御部602の出力電圧の波形の一例を示す。
符号の説明
10 インクジェット式記録装置、11 装置本体、13 給紙部、15 プラテン、17 排紙口、19 被記録物、20 記録部、22 キャリッジ、24 記録ヘッド、26 インクカートリッジ、30 タイミングベルト、32 キャリッジモータ、40 搬送部、41 搬送駆動ローラ、43 搬送従動ローラ、45 シャフト、47 ロータ、49 搬送部駆動ギア、50 伝動部、55 シャフト、57 第一伝動ギア、59 第二伝動ギア、60 排出部、61 排出駆動ローラ、63 排出従動ローラ、65 シャフト、69 排出部駆動ギア、80 フレーム、100 駆動部、200 振動体、210 補強板、220 圧電素子、221 電極、222 電極、223 電極、224 電極、230 当接部、240 腕部、241 孔、251 溝、252 溝、260 ネジ、300 支持体、310 固定部、311 ネジ穴、320 スライド部、321 長孔、331 バネ取付部、340 バネ、350 導通ピン、360 絶縁部材、400 振動体保持部、420 スライド溝、421 ネジ、422 ネジ穴、430 係止片、431 当接ピン、450 ネジ、451 取付穴、600、601、602、603 制御部、604、605 デューティ制御回路、608 発振回路、610 位相シフタ、620 ANDゲート、625 スイッチ、630 EXORゲート、635 スイッチ、640 NORゲート、645 スイッチ、700 印加装置

Claims (13)

  1. 被記録物を搬送しつつ前記被記録物に記録する記録装置であって、
    回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、
    前記搬送駆動ローラとの間で前記被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、
    前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および前記圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の前記対の電極間に周期的な電力を与えることにより、前記搬送駆動ローラの外周面に対して前記圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、前記振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、
    前記駆動部が前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与え始める場合に、前記搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくするべく前記対の電極間に与える電力を制御する制御部と、
    を備える記録装置。
  2. 前記制御部は、前記駆動部が前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、前記対の電極間に与える電力を時間の経過と共に小さくする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力のデューティ比を時間の経過と共に大きくする請求項1に記載の記録装置。
  4. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力をチョッパ制御する請求項1に記載の記録装置。
  5. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力の振幅を時間の経過と共に大きくする請求項1に記載の記録装置。
  6. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力の周波数を時間の経過と共に共振周波数に近づける制御をする請求項1に記載の記録装置。
  7. 被記録物を搬送しつつ前記被記録物に記録する記録装置であって、
    回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、
    前記搬送駆動ローラとの間で前記被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、
    前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および前記圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の前記対の電極間に周期的な電力を与えることにより、前記搬送駆動ローラの外周面に対して前記圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、前記振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、
    前記駆動部が前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、前記搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に小さくするべく前記対の電極間に与える電力を制御する制御部と、
    を備える記録装置。
  8. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力のデューティ比を時間の経過と共に小さくする請求項7に記載の記録装置。
  9. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力をチョッパ制御する請求項7に記載の記録装置。
  10. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力の振幅を時間の経過と共に小さくする請求項7に記載の記録装置。
  11. 前記制御部は、前記対の電極間に与える電力の周波数を時間の経過と共に共振周波数から遠ざける制御をする請求項7に記載の記録装置。
  12. 被記録物を搬送しつつ前記媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、
    回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、
    前記搬送駆動ローラとの間で前記被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、
    前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および前記圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の前記対の電極間に周期的な電力を与えることにより、前記搬送駆動ローラの外周面に対して前記圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、前記振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、
    前記駆動部が前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与え始める場合に、前記搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に大きくするべく前記対の電極間に与える電力を制御する制御部と、
    を備える液体噴射装置。
  13. 被記録物を搬送しつつ前記媒体に液体を噴射する液体噴射装置であって、
    回転駆動力が与えられることにより回転する搬送駆動ローラと、
    前記搬送駆動ローラとの間で前記被記録物を挟んで連れ回る搬送従動ローラと、
    前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与える駆動部であって、板状の圧電素子および前記圧電素子を挟んだ対の電極を少なくとも一つ含み、各々の前記対の電極間に周期的な電力を与えることにより、前記搬送駆動ローラの外周面に対して前記圧電素子の面方向に当接および離間する振動体、ならびに、前記振動体を支持する振動体保持部を有する駆動部と、
    前記駆動部が前記搬送駆動ローラに回転駆動力を与えているのを止める場合に、前記搬送駆動ローラに与える回転駆動力を時間の経過と共に小さくするべく前記対の電極間に与える電力を制御する制御部と、
    を備える液体噴射装置。
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