JP2007223076A - バル−ン - Google Patents
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Abstract
【課題】 ヘリウム等のガスを充填し、各種絵柄等の印刷を施し、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する有用なバルーンを提供することである。
【解決手段】 少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、ヒートシール性樹脂層との2層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋してなることを特徴とするバル−ン、更には、少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、中間基材と、ヒートシール性樹脂層との3層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋してなることを特徴とするバル−ンに関するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、ヒートシール性樹脂層との2層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋してなることを特徴とするバル−ン、更には、少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とを設けたバリア性基材と、中間基材と、ヒートシール性樹脂層との3層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋してなることを特徴とするバル−ンに関するものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バルーンに関し、更に詳しくは、ヘリウム等のガスを充填し、各種絵柄等の印刷を施し、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有するバルーンに関するものである。
従来、ヘリウム等のガスを充填し、各種絵柄等の印刷を施し、空中浮遊させて、玩具、公告、宣伝用等に用いられる透明ないし不透明のバルーンとしては、種々の形態のものが開発され、提案されている。
例えば、芳香族ポリアミド重合体とポリオレフィン系重合体との混合物、脂肪族ポリアミド重合体、および上記2種類のポリアミド系重合体とポリオレフィン系重合体との混合物からなる3種類の層のうち、少なくとも2種類の層を含む構造で、厚さ10μ〜30μのポリアミド系積層二軸延伸フイルムと、厚さ10μ〜30μのヒートシール層との複合フイルムよりなるバルーン等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、例えば、ポリアミド系樹脂層、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層、ポリアミド系樹脂層、接着性樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層がこの順序で積層されてなり、かつ、トータルの厚さが30μ以下、ヒートシール強度が1kg/cm以上並びにヘリウムガスバリアー性が1000cc/m2 ・24H・23℃・atm以下であるバルーン用フィルムであり、かかるフィルムを用いてバルーンを作成することにより、長時間の空中浮遊を可能にしたバルーン等も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、透明フィルム基材の片面に透明蒸着層、水溶性高分子を含むバリア性中間層とを設け、この表裏いずれかの面、または両面に印刷層を設け、さらにシーラント層をこの順に設けた構成の積層体からなることを特徴とするバルーン用積層フィルムおよびそれを使用して製造したバルーン等も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平6−171043号公報
特開平7−290650号公報
特開2004−230696号公報
例えば、芳香族ポリアミド重合体とポリオレフィン系重合体との混合物、脂肪族ポリアミド重合体、および上記2種類のポリアミド系重合体とポリオレフィン系重合体との混合物からなる3種類の層のうち、少なくとも2種類の層を含む構造で、厚さ10μ〜30μのポリアミド系積層二軸延伸フイルムと、厚さ10μ〜30μのヒートシール層との複合フイルムよりなるバルーン等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、例えば、ポリアミド系樹脂層、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層、ポリアミド系樹脂層、接着性樹脂層及びポリオレフィン系樹脂層がこの順序で積層されてなり、かつ、トータルの厚さが30μ以下、ヒートシール強度が1kg/cm以上並びにヘリウムガスバリアー性が1000cc/m2 ・24H・23℃・atm以下であるバルーン用フィルムであり、かかるフィルムを用いてバルーンを作成することにより、長時間の空中浮遊を可能にしたバルーン等も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、透明フィルム基材の片面に透明蒸着層、水溶性高分子を含むバリア性中間層とを設け、この表裏いずれかの面、または両面に印刷層を設け、さらにシーラント層をこの順に設けた構成の積層体からなることを特徴とするバルーン用積層フィルムおよびそれを使用して製造したバルーン等も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記の特許文献1において提案されているバル−ンは、少なくとも、厚さ10μ〜30μのポリアミド系積層二軸延伸フイルムと、厚さ10μ〜30μのヒートシール層との複合フイルムを必須の要件とするものであることから、例えば、ポリアミド系積層二軸延伸フイルムが、10μm未満では、ガスバリア性、強度面等で十分でなく、また、形態保持能力に劣り、他方、30μmを超えると、バルーンの重量が、大きくなり、形態保持能力を有していても、浮遊能力に劣るという問題点があり、総じて、上記の特許文献1において提案されているバル−ンは、ガスバリア性を保持することからその膜厚が厚くなり、バルーンの重量が大きくなり、形態保持能力はあっても、浮遊能力に劣るという問題点を有するものである。
また、上記の特許文献2において提案されているバル−ンは、総厚30μm以下としており、その軽量化を図ってはいるが、反面、バリア性が劣り、長時間の浮遊能力に欠けるるという問題点を有するものである。
更に、上記の特許文献3において提案されているバル−ンは、薄い蒸着膜でバリア性が得られ、且つ、軽量化できるという効果を有するものではあるが、しかしながら、この透明蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物からなり、それが、単に、堆積したガラス質の膜からなるものであり、可撓性、柔軟性等に劣るものであるために、バルーンにヘリウム等の気体を注入して膨らませると、バルーン用積層フィルムの伸び対して、透明蒸着層が、その伸びに追随することが困難であり、例えば、透明蒸着層にクラック等が発生し、そのバリア性が劣化するという問題点を有するものである。
上記のようにいずれの場合においても、未だ十分に満足し得るものであるとは言い得ないものであるというのが実状である。
そこで、本発明は、バルーンの浮遊能力を得るためには、バルーンの軽量化とガスバリア性、更には、強度を併せ持つことという相反する要因を十分に克服し、ヘリウム等のガスを充填し、各種絵柄等の印刷を施し、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する有用なバルーンを提供することである。
また、上記の特許文献2において提案されているバル−ンは、総厚30μm以下としており、その軽量化を図ってはいるが、反面、バリア性が劣り、長時間の浮遊能力に欠けるるという問題点を有するものである。
更に、上記の特許文献3において提案されているバル−ンは、薄い蒸着膜でバリア性が得られ、且つ、軽量化できるという効果を有するものではあるが、しかしながら、この透明蒸着層が、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物からなり、それが、単に、堆積したガラス質の膜からなるものであり、可撓性、柔軟性等に劣るものであるために、バルーンにヘリウム等の気体を注入して膨らませると、バルーン用積層フィルムの伸び対して、透明蒸着層が、その伸びに追随することが困難であり、例えば、透明蒸着層にクラック等が発生し、そのバリア性が劣化するという問題点を有するものである。
上記のようにいずれの場合においても、未だ十分に満足し得るものであるとは言い得ないものであるというのが実状である。
そこで、本発明は、バルーンの浮遊能力を得るためには、バルーンの軽量化とガスバリア性、更には、強度を併せ持つことという相反する要因を十分に克服し、ヘリウム等のガスを充填し、各種絵柄等の印刷を施し、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する有用なバルーンを提供することである。
本発明者は、上記のような問題点を改良すべく種々検討の結果、まず、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性基材に着目し、まず、該バリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜の上に、必要ならば、プライマー剤層を介して、印刷模様層、溶融押出樹脂層等によるヒートシール性樹脂層を設けてバルーン用積層体を製造し、更に、要すれば、上記でヒートシール性樹脂層を積層するに際し、例えば、中間基材等を介在させて積層してバルーン用積層体を製造し、而して、それらのバルーン用積層体を用いて、そのヒートシール性樹脂層同志の面を対向させてヒートシール法によりシールして球状の袋体を製造し、更に、該袋体に、その開口部から、例えば、ヘリウム等のガスを注入し、しかる後、その開口部を密閉してバルーンを製造したところ、ガスバリア性に優れ、特に、球状に膨らましても、ガスバリア性の劣化が無く、更に、軽量化、強度も併せ持ち、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、各種の所望の絵柄等の印刷を施し、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する有用なバルーンを製造し得ることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性基材と、ヒートシール性樹脂層との2層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋した袋体からなることを特徴とするバル−ン、更には、少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性基材と、中間基材と、ヒートシール性樹脂層との3層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋した袋体からなることを特徴とするバル−ンに関するものである。
本発明に係るバルーンは、ガスバリア性に優れ、特に、球状に膨らましても、ガスバリア劣化が無く、更に、軽量化、強度も併せ持ち、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、各種の所望の絵柄等の印刷を施し、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する極めて有用なバルーンである。
特に、本発明に係るバルーンは、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜は、蒸着法の特徴から蒸着膜成分の構成が、無機成分と有機成分のハイブリット膜となっており、無機膜の持つガスバリア性を有しながら有機膜の柔軟性を併せ持っているという特性を有し、極めて可撓性、柔軟性等に優れ、そのため、無機酸化物の蒸着膜が、ヘリウムガス等を注入してバルーンを膨らましたときの基材フィルムの伸びに対応した膜特性があり、基材フィルムの伸びに追随する可撓性を有し、これにより、無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生するという現象もなく、そのバリアが劣化することがないという極めて有用な利点を有するものである。
更に、本発明に係るバルーンは、化学気相成長による蒸着法では、蒸着時での基材フィルムへの熱負荷が少なく、より薄い基材フィルムを使用することができるために、バルーン用積層体の軽量化が可能であり、ヘリウム等の気体を注入後、長期間空中浮遊することが可能であるという利点も有するものである。
また、本発明において、ガスバリア性塗布膜は、ポリビニルアルコール系樹脂又はエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが、相互に化学的に反応して、極めて強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それと無機酸化物の蒸着膜とが相乗し、極めて高いガスバリア性を安定して維持するとともに、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたバリア性基材を製造し得ることができるものである。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体とを併用する場合には、ポリビニルアルコール系樹脂と1種以上のアルコキシド、エチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシド、および、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者と1種以上のアルコキシドとが各々組み合わされて、極めて複雑なハイブリット状の強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それらと無機酸化物の蒸着膜とが相乗して、更に極めて高いガスバリア性を安定して維持し、特に、酸素ガスバリア性と共に水蒸気バリア性が著しく向上し、かつ、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたバリア性基材を製造し得ることができるものである。
特に、本発明に係るバルーンは、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜は、蒸着法の特徴から蒸着膜成分の構成が、無機成分と有機成分のハイブリット膜となっており、無機膜の持つガスバリア性を有しながら有機膜の柔軟性を併せ持っているという特性を有し、極めて可撓性、柔軟性等に優れ、そのため、無機酸化物の蒸着膜が、ヘリウムガス等を注入してバルーンを膨らましたときの基材フィルムの伸びに対応した膜特性があり、基材フィルムの伸びに追随する可撓性を有し、これにより、無機酸化物の蒸着膜にクラック等が発生するという現象もなく、そのバリアが劣化することがないという極めて有用な利点を有するものである。
更に、本発明に係るバルーンは、化学気相成長による蒸着法では、蒸着時での基材フィルムへの熱負荷が少なく、より薄い基材フィルムを使用することができるために、バルーン用積層体の軽量化が可能であり、ヘリウム等の気体を注入後、長期間空中浮遊することが可能であるという利点も有するものである。
また、本発明において、ガスバリア性塗布膜は、ポリビニルアルコール系樹脂又はエチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシドとが、相互に化学的に反応して、極めて強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それと無機酸化物の蒸着膜とが相乗し、極めて高いガスバリア性を安定して維持するとともに、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたバリア性基材を製造し得ることができるものである。
また、本発明においては、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体とを併用する場合には、ポリビニルアルコール系樹脂と1種以上のアルコキシド、エチレン・ビニルアルコール共重合体と1種以上のアルコキシド、および、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者と1種以上のアルコキシドとが各々組み合わされて、極めて複雑なハイブリット状の強固な三次元網状複合ポリマ−層を構成し、而して、それらと無機酸化物の蒸着膜とが相乗して、更に極めて高いガスバリア性を安定して維持し、特に、酸素ガスバリア性と共に水蒸気バリア性が著しく向上し、かつ、良好な透明性、および、耐衝撃性、耐熱水性等を備えたバリア性基材を製造し得ることができるものである。
上記の本発明に係るバルーンおよびそれを製造するバルーン用積層体等について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
図1および図2は、本発明に係るバルーンを製造するバルーン用積層体についてその積層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3は、図1に示す本発明に係るバルーン用積層体を使用して製袋してなる本発明に係るバルーンについてその一例を示す槻略的斜視図である。
図1および図2は、本発明に係るバルーンを製造するバルーン用積層体についてその積層構成の一二例を示す概略的断面図であり、図3は、図1に示す本発明に係るバルーン用積層体を使用して製袋してなる本発明に係るバルーンについてその一例を示す槻略的斜視図である。
まず、本発明に係るバルーンを製造する本発明に係るバルーン用積層体Aとしては、図1に示すように、基材フィルム1の一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜2を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜2の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜3を設けたバリア性基材4からなり、更に、該バリア性基材4を構成するガスバリア性塗布膜3の上に、必要ならば、プライマー剤層5を介して、印刷模様層6、溶融押出樹脂層等からなるヒートシール性樹脂層7を設けた積層構成を基本構造とするものである。
而して、本発明に係るバルーンを製造する本発明に係るバルーン用積層体について、別の例を挙げると、図2に示すように、上記の図1に示す本発明に係るバルーン用積層体Aにおいて、印刷模様層6とヒ−トシール性樹脂層7との間に、更に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルム等の中間基材8を積層した積層構成からなる本発明に係るバルーン用積層体A1 を例示することができる。
なお、上記の図2中、符号1、2、3、4、5、6、7等は、前述の図1に示す符号と同じ意味を表す。
上記の例示は、本発明に係るバルーン用積層体についてその一二例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明に係るバルーン用積層体において、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜としては、同種ないし異種からなる2層以上の化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜を重層して構成することができるものである。
而して、本発明に係るバルーンを製造する本発明に係るバルーン用積層体について、別の例を挙げると、図2に示すように、上記の図1に示す本発明に係るバルーン用積層体Aにおいて、印刷模様層6とヒ−トシール性樹脂層7との間に、更に、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルム等の中間基材8を積層した積層構成からなる本発明に係るバルーン用積層体A1 を例示することができる。
なお、上記の図2中、符号1、2、3、4、5、6、7等は、前述の図1に示す符号と同じ意味を表す。
上記の例示は、本発明に係るバルーン用積層体についてその一二例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明に係るバルーン用積層体において、化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜としては、同種ないし異種からなる2層以上の化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜を重層して構成することができるものである。
次に、本発明において、上記の本発明に係るバルーン用積層体を使用して製造する本発明に係るバルーンについて、上記の図1に示す本発明に係るバルーン用積層体Aを使用する場合を例示して説明すると、本発明に係るバルーンとしては、図3に示すように、上記の図1に示す本発明に係るバルーン用積層体Aを使用し、そのバルーン用積層体Aのヒートシール性樹脂層7、7の面を対向させて重ね合わせ、次いで、その外周周辺の端部をヒ−トシールしてシ−ル部9を形成して、例えば、球状の直径30cm位からなる本発明に係るバルーンBを構成する袋体10を製造し、次いで、該袋体9の開口部から、例えば、ヘリウムガス等を注入し、しかる後、その開口部を密閉して、空中浮遊可能な本発明に係るバルーンBを製造することができる。
上記の例示は、本発明に係るバルーンについてその一例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明に係るバルーンとしては、その形態はいずれの形態でもよく、例えば、上記のような球体の他、三角体、四角体、五角体、柱状、その他の任意の形態を採り得るものである。
勿論、上記の図2に示す本発明に係るバルーン用積層体を使用し、上記と同様にして、本発明に係るバルーンを製造し得ることができるものである。
上記の例示は、本発明に係るバルーンについてその一例を例示するものであり、本発明はこれによって限定されるものではない。
例えば、図示しないが、上記の本発明に係るバルーンとしては、その形態はいずれの形態でもよく、例えば、上記のような球体の他、三角体、四角体、五角体、柱状、その他の任意の形態を採り得るものである。
勿論、上記の図2に示す本発明に係るバルーン用積層体を使用し、上記と同様にして、本発明に係るバルーンを製造し得ることができるものである。
次に、本発明において、上記のような本発明に係るバル−ン、それを製造する本発明に係るバルーン用積層体等を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明に係るバルーン用積層体を構成するバリア性基材を形成する基材フィルムとしては、これが、本発明に係るバルーン、バルーン用積層体等を構成する基本素材となること、更に、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等を保持する基材であること等から、まず、それらの形成、加工等の条件に耐え、かつ、その特性を損なうことなくそれらを良好に保持し得ることができること、更に、バルーンの製袋に際し、加工作業性、耐熱性、滑り性、耐ピンホ−ル性、その他等の諸物性に優れ、更に、その他等の条件を充足し得る樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、具体的には、例えば、ポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン樹脂等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、または、ポリアミド系樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが好ましいものである。
本発明において、上記の各種の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレ−ション法、その他等の製膜化法を用いて、上記の各種の樹脂を単独で製膜化する方法、あるいは、2種以上の各種の樹脂を使用して多層共押し出し製膜化する方法、更には、2種以上の樹脂を使用し、製膜化する前に混合して製膜化する方法等により、各種の樹脂のフィルムないしシ−トを製造し、更に、要すれば、例えば、テンタ−方式、あるいは、チュ−ブラ−方式等を利用して1軸ないし2軸方向に延伸してなる各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、5〜25μm位、より好ましくは、5〜15μm位が望ましい。
本発明において、各種の樹脂のフィルムないしシ−トの膜厚としては、5〜25μm位、より好ましくは、5〜15μm位が望ましい。
なお、上記の各種の樹脂の1種ないしそれ以上を使用し、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等を添加することができ、その添加量としては、極く微量から数十%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
上記において、一般的な添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、顔料、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することがてきる。
また、本発明において、各種の樹脂フィルムないしシートの表面には、無機酸化物の蒸着膜等との密接着性等を向上させるために、必要に応じて、予め、所望の表面処理層を設けることができるものである。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系掛胎、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
本発明において、上記の表面処理層としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施し、例えば、コロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層、その他等を形成して設けることができる。
上記の表面前処理は、各種の樹脂のフィルムないしシートと無機酸化物の蒸着膜との密接着性等を改善するための方法として実施するものであるが、上記の密接着性を改善する方法として、その他、例えば、各種の樹脂のフィルムないしシートの表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、アンカーコート剤層、接着剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成して、表面処理層とすることもできる。
上記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、(メタ)アクリル系掛胎、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂あるいはその共重合体ないし変性樹脂、セルロース系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用することができる。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成するバリア性基材を形成する化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜について説明すると、かかる化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜としては、例えば、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を用いて無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
本発明においては、具体的には、基材フィルムの一方の面に、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスを原料とし、キャリヤ−ガスとして、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガスを使用し、更に、酸素供給ガスとして、酸素ガス等を使用し、低温プラズマ発生装置等を利用する低温プラズマ化学気相成長法を用いて酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができる。
上記において、低温プラズマ発生装置としては、例えば、高周波プラズマ、パルス波プラズマ、マイクロ波プラズマ等の発生装置を使用することがてき、而して、本発明においては、高活性の安定したプラズマを得るためには、高周波プラズマ方式による発生装置を使用することが望ましい。
具体的に、上記の低温プラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその一例を例示して説明すると、図4は、上記のプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜の形成法についてその概要を示す低温プラズマ化学気相成長装置の概略的構成図である。
本発明においては、図4に示すように、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された、基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で基材フィルム1の一方の面に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した後、その基材フィルム1を、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
本発明においては、図4に示すように、プラズマ化学気相成長装置21の真空チャンバ−22内に配置された巻き出しロ−ル23から基材フィルム1を繰り出し、更に、該基材フィルム1を、補助ロ−ル24を介して所定の速度で冷却・電極ドラム25周面上に搬送する。
而して、本発明においては、ガス供給装置26、27および、原料揮発供給装置28等から酸素ガス、不活性ガス、有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガス、その他等を供給し、それらからなる蒸着用混合ガス組成物を調整しなから原料供給ノズル29を通して真空チャンバ−22内に該蒸着用混合ガス組成物を導入し、そして、上記の冷却・電極ドラム25周面上に搬送された、基材フィルム1の上に、グロ−放電プラズマ30によってプラズマを発生させ、これを照射して、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を製膜化する。
本発明においては、その際に、冷却・電極ドラム25は、真空チャンバ−22の外に配置されている電源31から所定の電力が印加されており、また、冷却・電極ドラム25の近傍には、マグネット32を配置してプラズマの発生が促進されている。
次いで、上記で基材フィルム1の一方の面に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成した後、その基材フィルム1を、補助ロ−ル33を介して巻き取りロ−ル34に巻き取って、本発明にかかるプラズマ化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、図中、35は、真空ポンプを表す。
上記の例示は、その一例を例示するものであり、これによって本発明は限定されるものではないことは言うまでもないことである。
図示しないが、本発明においては、無機酸化物の蒸着膜としては、無機酸化物の蒸着膜の1層だけではなく、2層あるいはそれ以上を積層した多層膜の状態でもよく、また、使用する材料も1種または2種以上の混合物で使用し、また、異種の材質で混合した無機酸化物の蒸着膜を構成することもできる。
上記において、真空チャンバ−内を真空ポンプにより減圧し、真空度1×10-1〜1×10-8Torr位、好ましくは、真空度1×10-3〜1×10-7Torr位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、原料揮発供給装置においては、原料である有機珪素化合物を揮発させ、ガス供給装置から供給される酸素ガス、不活性ガス等と混合させ、この混合ガスを原料供給ノズルを介して真空チャンバ−内に導入されるものである。
この場合、混合ガス中の有機珪素化合物の含有量は、1〜40%位、酸素ガスの含有量は、10〜70%位、不活性ガスの含有量は、10〜60%位の範囲とすることができ、例えば、有機珪素化合物と酸素ガスと不活性ガスとの混合比を1:6:5〜1:17:14程度とすることができる。
一方、冷却・電極ドラムには、電源から所定の電圧が印加されているため、真空チャンバ−内の原料供給ノズルの開口部と冷却・電極ドラムとの近傍でグロ−放電プラズマが生成され、このグロ−放電プラズマは、混合ガスなかの1つ以上のガス成分から導出されるものであり、この状態において、基材フィルムを一定速度で搬送させ、グロ−放電プラブマによって、冷却・電極ドラム周面上の基材フィルムの上に、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成することができるものである。
なお、このときの真空チャンバ−内の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、真空度1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することが望ましく、また、基材フィルムの搬送速度は、10〜300m/分位、好ましくは、50〜150m/分位に調製することが望ましいものである。
また、上記のプラズマ化学気相成長装置において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜の形成は、基材フィルムの上に、、プラズマ化した原料ガスを酸素ガスで酸化しながらSiOX の形で薄膜状に形成されるので、当該形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜は、緻密で、隙間の少ない、可撓性、柔軟性に富む連続層となるものであり、従って、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜のバリア性は、従来の真空蒸着法等によって形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と比較してはるかに高いものとなり、薄い膜厚で十分なバリア性を得ることができるものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
また、本発明においては、SiOX プラズマにより基材フィルムの表面が、清浄化され、基材フィルムの表面に、極性基やフリ−ラジカル等が発生するので、形成される酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜と基材フィルムとの密接着性が高いものとなるという利点を有するものである。
更に、上記のように酸化珪素等の無機酸化物の連続膜の形成時の真空度は、1×10-1〜1×10-4Torr位、好ましくは、1×10-1〜1×10-2Torr位に調製することから、従来の真空蒸着法により酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する時の真空度、1×10-4〜1×10-5Torr位に比較して低真空度であることから、基材フィルムを原反交換時の真空状態設定時間を短くすることができ、真空度を安定しやすく、製膜プロセスが安定するものである。
本発明において、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスを使用して形成される酸化珪素の蒸着膜は、有機珪素化合物等の蒸着モノマ−ガスと酸素ガス等とが化学反応し、その反応生成物が、基材フィルムの一方の面と密接着し、緻密な、柔軟性等に富む薄膜を形成するものであり、通常、一般式SiOX (ただし、Xは、0〜2の数を表す)で表される酸化珪素を主体とする連続状の薄膜である。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
而して、上記の酸化珪素の蒸着膜としては、透明性、バリア性等の点から、一般式SiOX (ただし、Xは、1.3〜1.9の数を表す。)で表される酸化珪素の蒸着膜を主体とする薄膜であることが好ましいものである。
上記において、Xの値は、蒸着モノマ−ガスと酸素ガスのモル比、プラズマのエネルギ−等により変化するが、一般的に、Xの値が小さくなればガス透過度は小さくなるが、膜自身が黄色性を帯び、透明性が悪くなる。
また、上記の酸化珪素の蒸着膜は、酸化珪素を主体とし、これに、更に、炭素、水素、珪素または酸素の1種類、または、その2種類以上の元素からなる化合物を少なくとも1種類を化学結合等により含有する蒸着膜からなることを特徴とするものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムの面との界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
例えば、C−H結合を有する化合物、Si−H結合を有する化合物、または、炭素単位がグラファイト状、ダイヤモンド状、フラ−レン状等になっている場合、更に、原料の有機珪素化合物やそれらの誘導体を化学結合等によって含有する場合があるものである。
具体例を挙げると、CH3 部位を持つハイドロカ−ボン、SiH3 シリル、SiH2 シリレン等のハイドロシリカ、SiH2 OHシラノ−ル等の水酸基誘導体等を挙げることができる。
上記以外でも、蒸着過程の条件等を変化させることにより、酸化珪素の蒸着膜中に含有される化合物の種類、量等を変化させることができる。
而して、上記の化合物が、酸化珪素の蒸着膜中に含有する含有量としては、0.1〜50%位、好ましくは、5〜20%位が望ましいものである。
上記において、含有率が、0.1%未満であると、酸化珪素の蒸着膜の耐衝撃性、延展性、柔軟性等が不十分となり、曲げなとにより、擦り傷、クラック等が発生し易く、高いバリア性を安定して維持することが困難になり、また、50%を越えると、バリア性が低下して好ましくないものである。
更に、本発明においては、酸化珪素の蒸着膜において、上記の化合物の含有量が、酸化珪素の蒸着膜の表面から深さ方向に向かって減少させることが好ましく、これにより、酸化珪素の蒸着膜の表面においては、上記の化合物等により耐衝撃性等を高められ、他方、基材フィルムの面との界面においては、上記の化合物の含有量が少ないために、基材フィルムと酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜との密接着性が強固なものとなるという利点を有するものである。
而して、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜について、例えば、X線光電子分光装置(Xray Photoelectron Spectroscopy、XPS)、二次イオン質量分析装置(Secondary Ion Mass Spectroscopy、SIMS)等の表面分析装置を用い、深さ方向にイオンエッチングする等して分析する方法を利用して、酸化珪素の蒸着膜の元素分析を行うことより、上記のような物性を確認することができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
また、本発明において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚としては、膜厚50Å〜4000Å位であることが望ましく、具体的には、その膜厚としては、100〜1000Å位が望ましく、而して、上記において、1000Å、更には、4000Åより厚くなると、その膜にクラック等が発生し易くなるので好ましくなく、また、100Å、更には、50Å未満であると、バリア性の効果を奏することが困難になることから好ましくないものである。
上記のおいて、その膜厚は、例えば、株式会社理学製の蛍光X線分析装置(機種名、RIX2000型)を用いて、ファンダメンタルパラメ−タ−法で測定することができる。 また、上記において、上記の酸化珪素の蒸着膜の膜厚を変更する手段としては、蒸着膜の体積速度を大きくすること、すなわち、モノマ−ガスと酸素ガス量を多くする方法や蒸着する速度を遅くする方法等によって行うことができる。
次に、上記において、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成する有機珪素化合物等の蒸着用モノマ−ガスとしては、例えば、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、その他等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
本発明において、上記のような有機珪素化合物の中でも、1.1.3.3−テトラメチルジシロキサン、または、ヘキサメチルジシロキサンを原料として使用することが、その取り扱い性、形成された連続膜の特性等から、特に、好ましい原料である。
また、上記において、不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガス、ヘリウムガス等を使用することができる。
なお、本発明において、基材フィルムの面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する場合、該基材フィルムの面と無機酸化物の蒸着膜の面との密接着性等を向上させ、終局的には、その両者を強固に密着させて、その層間剥離(デラミ)等の発生を防止するために、上記の基材フィルムの表面に、予め、不活性ガスによるプラズマ処理を施してプラズマ処理面等を設けることが好ましいものである。
而して、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面について説明すると、かかるプラズマ処理面としては、基材フィルムの一方の面に、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用して、プラズマ処理面を形成することがてきる。
すなわち、本発明においては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他等の不活性ガスをプラズマガスとして使用するプラズマ表面処理法でプラズマ処理を行うことによりプラズマ処理面を形成することができる。
なお、本発明において、プラズマガスとしては、上記の不活性ガスに、更に、酸素ガスを添加した混合ガスを使用することもできる。
また、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成する場合、例えば、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する直前に、インラインでプラズマ処理を行うことにより、基材フィルムの表面の水分、塵等を除去すると共にその表面の平滑化、活性化、その他等の表面処理を可能とすることから望ましいものである。
更に、本発明において、上記のプラズマ処理としては、プラズマ出力、プラズマガスの種類、プラズマガスの供給量、処理時間、その他等の条件を考慮してプラズマ放電処理をおこなうことが好ましいものである。
また、本発明において、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロ−放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他等の装置を利用して行うことができる。
また、本発明においては、大気圧プラズマ処理法等を利用してプラズマ処理面を形成することもできる。
而して、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面について説明すると、かかるプラズマ処理面としては、基材フィルムの一方の面に、気体をア−ク放電により電離させることにより生じるプラズマガスを利用して表面改質を行うプラズマ表面処理法等を利用して、プラズマ処理面を形成することがてきる。
すなわち、本発明においては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、その他等の不活性ガスをプラズマガスとして使用するプラズマ表面処理法でプラズマ処理を行うことによりプラズマ処理面を形成することができる。
なお、本発明において、プラズマガスとしては、上記の不活性ガスに、更に、酸素ガスを添加した混合ガスを使用することもできる。
また、本発明において、不活性ガスによるプラズマ処理面を形成する場合、例えば、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を形成する直前に、インラインでプラズマ処理を行うことにより、基材フィルムの表面の水分、塵等を除去すると共にその表面の平滑化、活性化、その他等の表面処理を可能とすることから望ましいものである。
更に、本発明において、上記のプラズマ処理としては、プラズマ出力、プラズマガスの種類、プラズマガスの供給量、処理時間、その他等の条件を考慮してプラズマ放電処理をおこなうことが好ましいものである。
また、本発明において、プラズマを発生させる方法としては、例えば、直流グロ−放電、高周波放電、マイクロ波放電、その他等の装置を利用して行うことができる。
また、本発明においては、大気圧プラズマ処理法等を利用してプラズマ処理面を形成することもできる。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成するバリア性基材を形成するガスバリア性塗布膜について説明すると、かかるガスバリア性塗布膜としては、例えば、例えば、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製する工程、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、必要ならば、酸素ガスによるプラズマ処理面を介して、上記のゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設ける工程、上記の塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜200℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で10秒〜10分間加熱処理して、上記の基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、要すれば、酸素ガスによるプラズマ処理面を介して、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を形成する工程等を包含する製造工程により製造することができる。
なお、本発明において、本発明に係るバリア性基材を形成するガスバリア性塗布膜としては、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の 有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製し、これを使用し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、2層以上重層し、上記のガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を2層以上重層した複合ポリマ−層を形成して製造することもできる。
上記において、本発明に係るバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜を形成する一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解縮合物の少なくとも1種以上を使用することができ、また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、および、その混合物であってもよく更に、加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2〜6量体のものを使用される。
上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を使用することができる。
而して、本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。
また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
而して、本発明において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。
また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R1 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R2 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。
なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
また、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドにおいて、R2 で表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、その他等を挙げることができる。
なお、本発明において、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
而して、本発明において、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、例えば、MがSiであるアルコキシシランを使用することが好ましいものである。
上記のアルコキシシランとしては、一般式Si(ORa )4 (ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。
上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3 )4 、テトラエトキシシラン Si(OC2 H5 )4 、テトラプロポキシシラン Si(0C 3H7 )4 、テトラブトキシシラン Si(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシランとしては、一般式Si(ORa )4 (ただし、式中、Raは、低級アルキル基を表す。)で表されるものである。
上記において、Raとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他等が用いられる。
上記のアルコキシシランの具体例としては、例えば、テトラメトキシシラン Si(OCH3 )4 、テトラエトキシシラン Si(OC2 H5 )4 、テトラプロポキシシラン Si(0C 3H7 )4 、テトラブトキシシラン Si(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
また、本発明において、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、例えば、一般式Rbn Si(ORc)4-m (ただし、式中、nは、0以上の整数を表し、mは、1、2、3の整数を表し、Rb、Rcは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、その他を表わす。)で表されるアルキルアルコキシシランを使用することができる。
上記のアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3 Si(OCH3 )3 、メチルトリエトキシシラン CH3 Si(OC2 H5 )3 、ジメチルジメトキシシラン (CH3 )2 Si(OCH3 )2 、ジメチルジエトキシシラン (CH3 )2 Si(OC2 H5 )2 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
上記のアルキルアルコキシシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン CH3 Si(OCH3 )3 、メチルトリエトキシシラン CH3 Si(OC2 H5 )3 、ジメチルジメトキシシラン (CH3 )2 Si(OCH3 )2 、ジメチルジエトキシシラン (CH3 )2 Si(OC2 H5 )2 、その他等を使用することができる。
上記のアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン等は、単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
また、本発明において、上記のアルコキシシランの縮重合物も使用することができ、具体的には、例えば、ポリテトラメトキシシラン、ポリテトラエメトキシシラン、その他等を使用することができる。
次に、本発明において、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、例えば、Mが、Zrであるジルコニウムアルコキシドを使用することができる。 上記のジルコニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシジルコニウム Zr(OCH3 )4 、テトラエトキシジルコニウム Zr(OC2 H5 )4 、テトラiプロポキシジルコニウム Zr(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシジルコニウム Zr(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
また、本発明において、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、例えば、Mが、Tiであるチタニウムアルコキシドを使用することができる。
上記のチタニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH3 )4 、テトラエトキシチタニウム Ti(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
上記のチタニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシチタニウム Ti(OCH3 )4 、テトラエトキシチタニウム Ti(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシチタニウム Ti(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシチタニウム Ti(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
更に、本発明において、上記の一般式R1 n M(OR2 )m で表されるアルコキシドとしては、例えば、Mが、Alであるアルミニウムアルコキシドを使用することができる。 上記のアルミニウムアルコキシドの具体例としては、例えば、テトラメトキシアルミニウム Al(OCH3 )4 、テトラエトキシアルミニウム Al(OC2 H5 )4 、テトライソプロポキシアルミニウム Al(is0−0C 3H7 )4 、テトラnブトキシアルミニウム Al(OC4 H9 )4 、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなアルコキシドは、その2種以上を混合して用いてもよいものである。
而して、本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるバリア性基材の靭性、耐熱性等を向上させることができるものである。
上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものである。 上記において、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
而して、本発明において、特に、アルコキシシランとジルコニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるバリア性基材の靭性、耐熱性等を向上させることができるものである。
上記のジルコニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して10重量部以下の範囲であり、好ましくは、約5重量部位が好ましいものである。 上記において、10重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜が、ゲル化し易くなり、また、その膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
また、本発明において、特に、アルコキシシランとチタニウムアルコキシドを混合して用いることによって、得られるガスバリア性塗布膜の熱伝導率が低くなり、バリア性基材の耐熱性が著しく向上するという利点がある。
上記において、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものである。
上記において、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
上記において、チタニウムアルコキシドの使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して5重量部以下の範囲であり、好ましくは、約3重量部位が好ましいものである。
上記において、5重量部を越えると、形成されるガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜が剥離し易くなる傾向にあることから好ましくないものである。
次に、本発明に係るバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜を形成するポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体としては、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体を単独で各々使用することができ、あるいは、ポリビニルアルコ−ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを組み合わせて使用することができ、而して、本発明において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体を使用することにより、ガスバリア性塗布膜のガスバリア性、耐水性、耐候性、その他等の物性を著しく向上させることができるものである。
特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜を形成することができるものである。
特に、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用することにより、上記のガスバリア性、耐水性、および耐候性等の物性に加えて、耐熱水性および熱水処理後のガスバリア性等に著しく優れたガスバリア性塗布膜を形成することができるものである。
本発明において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂およびエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを組み合わせて使用する場合、それぞれの配合割合としては、重量比で、ポリビニルアルコ−ル系樹脂:エチレン・ビニルアルコ−ル共重合体=10:0.05〜10:6位であることが好ましく、更には、約10:1位の配合割合で使用することが更に好ましいものである。
また、本発明において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体との含有量は、上記のアルコキシドの合計量100重量部に対して5〜500重量部の範囲であり、好ましくは、約20〜200重量部位の配合割合でガスバリア性組成物を調製することが好ましいものである。
上記において、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるバリア性基材の耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、更に、5重量部を下回るとガスバリア性が低下することから好ましくないものである。
上記において、500重量部を越えると、ガスバリア性塗布膜の脆性が大きくなり、得られるバリア性基材の耐水性および耐候性等も低下する傾向にあることから好ましくなく、更に、5重量部を下回るとガスバリア性が低下することから好ましくないものである。
本発明において、ポリビニルアルコ一ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体としては、まず、ポリビニルアルコ一ル系樹脂としては、一般に、ポリ酢酸ビニルをケン化して得られるものを使用することができる。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
上記のポリビニルアルコール系樹脂としては、酢酸基が数十%残存している部分ケン化ポリビニルアルコール系樹脂でも、もしくは、酢酸基が残存しない完全ケン化ポリビニルアルコールでも、あるいは、OH基が変性された変性ポリビニルアルコール系樹脂でもよく、特に限定されるものではない。
上記ポリビニルアルコール系樹脂の具体例としては、株式会社クラレ製のRSポリマーであるRS−110(ケン化度=99%、重合度=1,000)、同社製のクラレポバールLM−20SO(ケン化度=40%、重合度=2,000)、日本合成化学工業株式会社製のゴーセノールNM−14(ケン化度=99%、重合度=1,400)等を使用することができる。
また、本発明において、エチレン・ビニルアルコール共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物、すなわち、エチレン−酢酸ビニルランダム共重合体をケン化して得られるものを使用することができる。
具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
具体的には、酢酸基が数十モル%残存している部分ケン化物から、酢酸基が数モル%しか残存していないかまたは酢酸基が残存しない完全ケン化物まで含み、特に限定されるものではないが、ガスバリア性の観点から好ましいケン化度は、80モル%以上、より好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%以上であるものを使用することが望ましいものである
また、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体中のエチレンに由来する繰り返し単位の含量(以下「エチレン含量」ともいう)は、通常、0〜50モル%、好ましくは、20〜45モル%であるものを使用することが好ましいものである。
上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体の具体例としては、株式会社クラレ製、エバールEP−F101(エチレン含量;32モル%)、日本合成化学工業株式会社製、ソアノールD2908(エチレン含量;29モル%)等を使用することができる。
次に、本発明において、本発明に係るバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜を形成するガスバリア性組成物について説明すると、かかるガスバリア性組成物としては、前述のような一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物を調製するものである。
上記のガスバリア性組成物を調製するに際し、例えば、シランカップリング剤等も添加することができるものである。
而して、上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
本発明においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。 本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができる。
上記において、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
而して、上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。
本発明においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適であり、それには、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、あるいは、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、1種ないし2種以上を混合して用いてもよい。 本発明において、上記のようなシランカップリング剤の使用量は、上記のアルコキシシラン100重量部に対して1〜20重量部位の範囲内で使用することができる。
上記において、20重量部以上を使用すると、形成されるガスバリア性塗布膜の剛性と脆性とが大きくなり、また、ガスバリア性塗布膜の絶縁性および加工性が低下する傾向にあることから好ましくないものである。
次に、上記のガスバリア性組成物において用いられる、ゾルーゲル法触媒、主として、重縮合触媒としては、水に実質的に不溶であり、かつ有機溶媒に可溶な第三アミンが用いられる。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。
本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。
その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。
また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。
上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
具体的には、例えば、N、N−ジメチルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、その他等を使用することができる。
本発明においては、特に、N、N−ジメチルべンジルアミンが好適である。
その使用量は、アルコキシド、および、シランカップリング剤の合計量100重量部当り、0.01〜1.0重量部、好ましくは、約0.03重量部位使用することが好ましいものである。
また、上記のガスバリア性組成物において用いられる、酸としては、上記ゾルーゲル法の触媒、主として、アルコキシドやシランカップリング剤などの加水分解のための触媒として用いられる。
上記の酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸、ならびに、酢酸、酒石酸な等の有機酸、その他等を使用することができる。
上記の酸の使用量は、アルコキシドおよびシランカップリング剤のアルコキシド分(例えばシリケート部分)の総モル量に対し0.001〜0.05モル位、好ましくは、約0.01モル位を使用することが好ましいものである。
更に、上記のガスバリア性組成物においては、上記のアルコキシドの合計モル量1モルに対して0.1〜100モル、好ましくは、0.8から2モルの割合の水をもちいることができる。
上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、而して、そのような多孔性のポリマーは、バリア性基材のガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものである。
また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
上記の水の量が、2モルを越えると、上記のアルコキシシランと金属アルコキシドとから得られるポリマーが球状粒子となり、更に、この球状粒子同士が3次元的に架橋し、密度の低い、多孔性のポリマーとなり、而して、そのような多孔性のポリマーは、バリア性基材のガスバリア性を改善することができなくなることから好ましくないものである。
また、上記の水の量が0.8モルを下回ると、加水分解反応が進行しにくくなる傾向にあることから好ましくないものである。
更にまた、上記のガスバリア性組成物において用いられる、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、その他等を用いることができる。
更に、上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。
本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。
上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルーゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
更に、上記のガスバリア性組成物において、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体は、上記のアルコキシドやシランカップリング剤などを含む塗工液中で溶解した状態であることが好ましく、そのため上記の有機溶媒の種類が適宜選択されるものである。
ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用する場合には、n−ブタノールを使用することが好ましい。
本発明において、溶媒中に可溶化されたエチレン・ビニルアルコール共重合体は、例えば、ソアノール(商品名)として市販されているものを使用することができる。
上記の有機溶媒の使用量は、通常、上記のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、酸およびゾルーゲル法触媒の合計量100重量部当り30〜500重量部位である。
次に、本発明においては、本発明に係るバリア性基材は、具体的には、例えば、以下のようにして製造される。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルーゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。
次に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。
而して、上記の乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。
更に、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルムを20℃〜200℃位で、かつ、基材フィルムの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜160℃位の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理して、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成して、本発明に係るバリア性基材を製造することができる。
このようにして得られた本発明に係るバリア性基材は、酸素、水蒸気、水素、その他等のガスの透過を阻止するガスバリア性に優れているものである。
まず、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、シランカップリング剤、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体、ゾルーゲル法触媒、酸、水、有機溶媒、および、必要に応じて、金属アルコキシド等を混合してガスバリア性組成物(塗工液)を調製する。
次に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)中では次第に重縮合反応が進行する。
次いで、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に、常法により、上記のガスバリア性組成物(塗工液)を通常の方法で塗布し、乾燥する。
而して、上記の乾燥により、上記のアルコキシシラン等のアルコキシド、金属アルコキシド、シランカップリング剤およびポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコール共重合体等の重縮合が進行し、塗工膜が形成される。
更に、好ましくは、上記の塗布操作を繰り返して、2層以上からなる複数の塗工膜を積層する。
最後に、上記の塗工液を塗布した基材フィルムを20℃〜200℃位で、かつ、基材フィルムの融点以下の温度、好ましくは、約50℃〜160℃位の範囲の温度で、10秒〜10分間加熱処理して、基材フィルムの一方の面に形成した無機酸化物の蒸着膜の上に、上記のガスバリア性組成物(塗工液)によるガスバリア性塗布膜を1層ないし2層以上形成して、本発明に係るバリア性基材を製造することができる。
このようにして得られた本発明に係るバリア性基材は、酸素、水蒸気、水素、その他等のガスの透過を阻止するガスバリア性に優れているものである。
なお、本発明において、ポリビニルアルコール系樹脂の代わりに、エチレン・ビニルアルコール共重合体、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂とエチレン・ビニルアルコール共重合体との両者を用いて、上記と同様に、塗工、乾燥および加熱処理を行うことにより製造される本発明に係るバリア性基材においては、ボイル処理、レトルト処理等の熱水処理後のガスバリア性が更に向上するという利点を有するものである。
更に、本発明においては、上記のようにエチレン・ビニルアルコール共重合体、あるいは、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて使用しない場合、すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂のみを使用して、本発明に係るバリア性基材を製造する場合には、熱水処理後のガスバリア性を向上させるために、例えば、予め、ポリビニルアルコール系樹脂を使用したガスバリア性組成物を塗工して第1の塗工層を形成し、次いで、その塗工層の上に、エチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物を塗工して第2の塗工層を形成し、それらの複合層を形成することにより、本発明に係るバリア性基材のガスバリア性を向上させることを可能とするものである。
更にまた、上記のエチレン・ビニルアルコール共重合体を含有するガスバリア性組成物により形成される塗工層、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とを組み合わせて含有するガスバリア性組成物により形成される塗工層を、複数層重層して形成することによっても、本発明に係るバリア性基材のガスバリア性の向上に有効な手段となるものである。
次に、本発明に係るバリア性基材の製造法について、アルコキシドとして、アルコキシシランをする場合を事例としてその作用を説明すると、まず、アルコキシシランおよび金属アルコキシドは、添加された水によって、加水分解される。
その際、酸が加水分解の触媒となる。
次いで、ゾルーゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。
このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。
加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。
生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する
上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。
このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルーゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
その際、酸が加水分解の触媒となる。
次いで、ゾルーゲル法触媒の働きによって、生じた水酸基からプロトンが奪取され、加水分解生成物同士が脱水重縮合する。
このとき、酸触媒により同時にシランカップリング剤も加水分解されて、アルコキシ基が水酸基となる。
また、塩基触媒の働きにより、エポキシ基の開環も起こり、水酸基が生じる。
加水分解されたシランカップリング剤と加水分解されたアルコキシドとの重縮合反応も進行する。
さらに、反応系にはポリビニルアルコール系樹脂、または、エチレン・ビニルアルコール共重合体、または、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体とが存在するため、ポリビニルアルコール系樹脂およびエチレン・ビニルアルコール共重合体が有する水酸基との反応も生じる。
生成する重縮合物は、例えば、Si−O−Si、Si−O−Zr、Si−O−Ti、その他等の結合からなる無機質部分と、シランカップリング剤に起因する有機部分とを含有する複合ポリマーを構成する
上記の反応においては、例えば、下記の式(III)に示される部分構造式を有し、更に、シランカップリング剤に起因する部分を有する直鎖状のポリマーがまず生成する。
このポリマーは、OR基(エトキシ基などのアルコキシ基)が、直鎖状のポリマーから分岐した形で有する。
このOR基は、存在する酸が触媒となって加水分解されてOH基となり、ゾルーゲル法触媒(塩基触媒)の働きにより、まず、OH基が、脱プロトン化し、次いで、重縮合が進行する。
すなわち、このOH基が、下記の式(I)に示されるポリビニルアルコール系樹脂、または、下記の式(II)に示されるエチレン・ビニルアルコール共重合体と重縮合反応し、Si−O−Si結合を有する、例えば、下記の式(IV)に示される複合ポリマー、あるいは、下記の式(V)及び(VI)に示される共重合した複合ポリマーが生じると考えられるものである。
上記の反応は常温で進行し、ガスバリア性組成物(塗工液)は、調製中に粘度が増加する。
このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に透明な塗工層が形成される。
上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面と、塗工層との密着性、接着性等も良好なものとなるものである。
このガスバリア性組成物(塗工液)を、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒および重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の上に透明な塗工層が形成される。
上記の塗工層を複数層積層する場合には、層間の塗工層中の複合ポリマー同士も縮合し、層と層との間が強固に結合する。
更に、シランカップリング剤の有機反応性基や、加水分解によって生じた水酸基が基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面の水酸基等と結合するため、基材フィルムの一方の面に設けた無機酸化物の蒸着膜の表面と、塗工層との密着性、接着性等も良好なものとなるものである。
本発明の方法においては、添加される水の量が、アルコキシド類1モルに対して0.8〜2モル、好ましくは、1 .5 モルに調節されているため、上記の直鎖状のポリマーが形成される。
このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。
このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
このような直鎖状ポリマーは、結晶性を有し、非晶質部分の中に多数の微小の結晶が埋包された構造をとる。
このような結晶構造は、結晶性有機ポリマー(例えば、塩化ビニリデンやポリビニルアルコール)と同様であり、さらに極性基(OH基)が部分的に分子内に存在し、分子の凝集エネルギーが高く分子鎖剛性も高いため良好なガスバリアー性を示す。
本発明に係るバリア性基材は、上記のような優れた特性を有するので、バルーンを形成する素材として有用であり、特に、ガスバリア性(O2 、N2 、H2 O、CO2 、その他等の透過を遮断、阻止する)に優れるため、バリア性基材として、好適に使用されるものである。
特に、H2 、N2 、CO2 ガス、ヘリウムガス、その他等のガス等を充填した、いわゆる、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。
更に、本発明に係るバリア性基材は、熱水処理、特に、高圧熱水処理に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
特に、H2 、N2 、CO2 ガス、ヘリウムガス、その他等のガス等を充填した、いわゆる、その優れたガスバリア性が、充填ガスの保持に極めて有効となる。
更に、本発明に係るバリア性基材は、熱水処理、特に、高圧熱水処理に優れ、極めて優れたガスバリア性特性を示すものである。
本発明においては、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜とが、例えば、加水分解・共縮合反応による化学結合、水素結合、あるいは、配位結合などを形成し、無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜との密着性が向上し、その2層の相乗効果により、より良好なガスバリア性の効果を発揮し得るものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロ−ルコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコ−ト、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明の第1または第2のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
上記の本発明のガスバリア性組成物を塗布する方法としては、例えば、グラビアロ−ルコーターなどのロールコート、スプレーコート、スピンコ−ト、デイツピング、刷毛、バーコード、アプリケータ等の塗布手段により、1回あるいは複数回の塗布で、乾燥膜厚が、0.01〜30μm、好ましくは、0.1〜10μm位の塗工膜を形成することができ、更に、通常の環境下、50〜300℃、好ましくは、70〜200℃の温度で、0.005〜60分間、好ましくは、0.01〜10分間、加熱・乾操することにより、縮合が行われ、本発明の第1または第2のガスバリア性塗布膜を形成することができる。
また、必要ならば、本発明のガスバリア性組成物を塗布する際に、予め、無機酸化物の蒸着膜の上に、プライマー剤等を塗布することもできるものであり、また、コロナ放電処理あるいはプラズマ処理、その他等の前処理を任意に施すことができるものである。
以上において説明したように、本発明に係るバリア性基材は、基材フィルムの一方の面に、必要ならば設ける不活性ガスによるプラズマ処理面、無機酸化物の蒸着膜、要すれば設ける酸素ガスによるプラズマ処理面あるいはプライマ−剤層、および、ガスバリア性塗布膜を順次に積層したことを特徴とするバリア性基材に係るものである。
而して、本発明に係るバリア性基材は、基材フィルム、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等との良好な密接着性を有し、更に、高いガスバリア性を安定して維持すると共に良好な透明性、及び、対熱水性、耐衝撃性等を備え、バルーンを形成する素材として極めて有用なものであり、これに、例えば、プライマ−剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、中間基材、その他等を任意に積層して、種々の層構成からなるバルーン用積層体を製造し、次いで、これを使用し、製袋して、種々の形態からなる本発明に係るバルーンを製造し得るものである。
而して、本発明に係るバリア性基材は、基材フィルム、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等との良好な密接着性を有し、更に、高いガスバリア性を安定して維持すると共に良好な透明性、及び、対熱水性、耐衝撃性等を備え、バルーンを形成する素材として極めて有用なものであり、これに、例えば、プライマ−剤層、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、中間基材、その他等を任意に積層して、種々の層構成からなるバルーン用積層体を製造し、次いで、これを使用し、製袋して、種々の形態からなる本発明に係るバルーンを製造し得るものである。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成するプライマ−剤層について説明すると、かかるプライマ−剤層としては、必要ならば設ける層であって、上記のバリア性基材のガスバリア性塗布層の面に設けて、該ガスバリア性塗布層と、印刷模様層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、あるいは、溶融押出樹脂層、更には、ヒ−トシ−ル性樹脂層等を積層する際に、その密接着性を高め、その積層強度等を向上させるために設けるものである。
本発明において、上記のプライマ−剤層としては、まず、ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等をビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等1〜30重量%に対し、シランカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましくは、0.1重量%〜5重量%位、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜10重量%位の割合で添加し、更に、必要ならば、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分に混合してポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を調整し、而して、該ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法等により、前述のバリア性フィルムを構成する無機酸化物の蒸着膜の面にコ−ティングし、しかる後、コ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去し、更に、要すれば、エ−ジング処理等を行って、本発明に係るプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜10.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、本発明に係るバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜と、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における本発明に係るバリア性基材を構成する無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
本発明において、上記のプライマ−剤層としては、まず、ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等をビヒクルの主成分とし、該ポリウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂等1〜30重量%に対し、シランカップリング剤0.05〜10重量%位、好ましくは、0.1重量%〜5重量%位、充填剤0.1〜20重量%位、好ましくは、1〜10重量%位の割合で添加し、更に、必要ならば、安定剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、紫外線吸収剤、その他等の添加剤を任意に添加し、溶媒、希釈剤等を加えて充分に混合してポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を調整し、而して、該ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を使用し、これを、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアコ−ト、ナイフコ−ト、デップコ−ト、スプレイコ−ト、その他のコ−ティング法等により、前述のバリア性フィルムを構成する無機酸化物の蒸着膜の面にコ−ティングし、しかる後、コ−ティング膜を乾燥させて溶媒、希釈剤等を除去し、更に、要すれば、エ−ジング処理等を行って、本発明に係るプライマ−剤層を形成することができる。
なお、本発明において、プライマ−剤層の膜厚としては、例えば、0.1g/m2 〜10.0g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
而して、本発明においては、上記のようなプライマ−剤層により、本発明に係るバリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜と、印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における本発明に係るバリア性基材を構成する無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
上記において、ポリウレタン系樹脂組成物を構成するポリウレタン系樹脂としては、例えば、多官能イソシアネ−トとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリウレタン系樹脂を使用することができる。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等と印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テルポリオ−ル、ポリエステルポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル、その他等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる一液ないし二液硬化型のポリウレタン系樹脂を使用することができる。
而して、本発明において、上記のようなポリウレタン系樹脂を使用することにより、無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜等と印刷模様層、ヒ−トシ−ル性樹脂層等との密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
また、上記において、上記のポリエステル系樹脂組成物を構成するポリエステル系樹脂としては、例えば、テレフタル酸等のベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸の一種またはそれ以上と、飽和二価アルコ−ルの一種またはそれ以上との重縮合により生成する熱可塑性のポリエステル系樹脂を使用することができる。
上記において、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−4、4−ジカルボン酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
上記において、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルエ−テル−4、4−ジカルボン酸、その他等を使用することができる。
また、上記において、飽和二価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ヘキサメチレングリコ−ル、ドデカメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、2.2−ビス(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ナフタレンジオ−ル、その他の芳香族ジオ−等を使用することができる。
本発明において、上記のポリエステル系樹脂としては、具体的には、例えば、テレフタル酸とエチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とテトラメチレングリコ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリブチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸と1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの重縮合により生成する熱可塑性ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とエチレングリコ−ルと1、4−シクロヘキサンジメタノ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコ−ルとプロピレングリコ−ルとの共重縮合により生成する熱可塑性ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂、ポリエステルポリオ−ル樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、その密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
なお、本発明においては、上記のようなベンゼン核を基本骨格とする飽和芳香族ジカルボン酸に、更に、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸の一種ないしそれ以上を添加して共重縮合することもでき、その使用量としては、ベンゼン核を基本骨格とする芳香族飽和ジカルボン酸に対し、1〜10重量%位を添加して使用することが好ましい。
而して、本発明において、上記のようなポリエステル系樹脂を使用することにより、その密接着性等を向上させると共にプライマ−剤層の伸長度を向上させ、例えば、ラミネ−ト加工、あるいは、製袋加工等の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜のクラック等の発生を防止するものである。
次にまた、上記において、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を構成するシランカップリング剤としては、二元反応性を有する有機官能性シランモノマ−類を使用することができ、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(β−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルシリコ−ンの水溶液等の1種ないしそれ以上を使用することができる。
上記のようなシランカップリング剤は、その分子の一端にある官能基、通常、クロロ、アルコキシ、または、アセトキシ基等が加水分解し、シラノ−ル基(SiOH)を形成し、これが、無機酸化物の蒸着膜を構成する金属、ガスバリア性塗布膜を構成する活性な基、あるいは、その他の膜表面上の活性な基、例えば、水酸基等の官能基と何らかの作用により、例えば、脱水縮合反応等の反応を起こして、無機酸化物の蒸着膜あるいはガスバリア性塗布膜等の膜表面上にシランカップリング剤が共有結合等で修飾され、更に、シラノ−ル基自体の無機酸化物の蒸着膜あるいはガスバリア性塗布膜等の膜表面に吸着や水素結合等により強固な結合を形成する。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、無機酸化物の蒸着膜あるいはガスバリア性塗布膜等と、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤、溶融押出樹脂層、その他の層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
他方、シランカップリング剤の他端にあるビニル、メタクリロキシ、アミノ、エポキシ、あるいは、メルカプト等の有機官能基が、そのシランカップリング剤の薄膜の上に形成される、例えば、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層、その他の層等を構成する物質と反応して強固な結合を形成し、更に、上記の印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤層、溶融押出樹脂層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層が強固に密接着して、そのラミネ−ト強度を高め、このようにして、本発明においては、ラミネ−ト強度の高い強固な積層構造を形成可能とするものである。
本発明においては、シランカップリング剤が有する無機性と有機性とを利用し、無機酸化物の蒸着膜あるいはガスバリア性塗布膜等と、印刷模様層、プライマ−剤層、ラミネ−ト用接着剤層、アンカ−コ−ト剤、溶融押出樹脂層、その他の層等を介して、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
次に、本発明において、上記のポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物を構成する充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、シリカ、タルク、ガラスフリット、樹脂粉末、その他等のものを使用することができる。
而して、上記の充填剤は、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
而して、上記の充填剤は、ポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂組成物液の粘度等を調製し、そのコ−ティング適性を向上させると共にバインダ−樹脂としてのポリウレタン系あるいはポリエステル系樹脂とシランカップリング剤を介して結合し、コ−ティング膜の凝集力を向上させるものである。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成する印刷模様層について説明すると、かかる印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸イヒ防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グテビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のプライマー剤層の上に、文字、図形、記号、模様、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明に係る印刷模様層を形成することができるものである。
上記において、インキビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シエラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルプチラール樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1 種ないし2 種以上を使用することができる。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成するヒートシール性樹脂層について説明すると、かかるヒ−トシール性樹脂層を構成するヒ−トシール性樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を用いて重合したエチレンーα・オレフィン共重合体、ポリプロピレ、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂を使用することができる。
而して、本発明においては、溶融樹脂押出積層法によりヒートシール性樹脂層を形成することができる。
また、本発明においては、例えば、ラミネート用接着剤による接着剤層の面に、上記の樹脂のフィルムないしシートをドライラミネートするドライラミネート積層法により、本発明に係るヒ一トシール性樹脂層を形成することも差し支えない。
上記の溶融樹脂押出積層法による溶融押出樹脂層、あるいは、ドライラミネ−ト積層法による樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の溶融押出樹脂層、あるいは、樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜50μm位、好ましくは、5μm〜25μm位が望ましい。
而して、本発明においては、溶融樹脂押出積層法によりヒートシール性樹脂層を形成することができる。
また、本発明においては、例えば、ラミネート用接着剤による接着剤層の面に、上記の樹脂のフィルムないしシートをドライラミネートするドライラミネート積層法により、本発明に係るヒ一トシール性樹脂層を形成することも差し支えない。
上記の溶融樹脂押出積層法による溶融押出樹脂層、あるいは、ドライラミネ−ト積層法による樹脂のフィルムないしシ−トは、単層ないし多層で使用することができ、また、上記の溶融押出樹脂層、あるいは、樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、5μm〜50μm位、好ましくは、5μm〜25μm位が望ましい。
而して、本発明において、上記のようなヒ一トシール性樹脂としては、特に、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体の樹脂ないしフィルムを使用することが好ましいものである。
上記のメタロセン触媒(シングルサイト触媒)を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートとしては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれるものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井化学工業株式会社製の商品名「エボリユー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフイニティー(AFFINITY)、商品名「エンゲージ(ENGGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、上記のようなヒートシール性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとして、メタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒートシール性が可能であるという利点を有するものである。
上記のメタロセン触媒(シングルサイト触媒)を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートとしては、例えば、二塩化ジルコノセンとメチルアルモキサンの組み合わせによる触媒等のメタロセン錯体とアルモキサンとの組み合わせによる触媒、すなわち、メタロセン触媒を使用して重合してなるエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを使用することができる。
メタロセン触媒は、現行の触媒が、活性点が不均一でマルチサイト触媒と呼ばれているのに対し、活性点が均一であることからシングルサイト触媒とも呼ばれるものである。
具体的には、三菱化学株式会社製の商品名「カーネル」、三井化学工業株式会社製の商品名「エボリユー」、米国、エクソン・ケミカル(EXXON CHEMICAL)社製の商品名「エクザクト(EXACT)」、米国、ダウ・ケミカル(DOW CHEMICAL)社製の商品名「アフイニティー(AFFINITY)、商品名「エンゲージ(ENGGE)」等のメタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシ−トを使用することができる。
本発明において、上記のようなヒートシール性を有する樹脂のフィルムないしシ−トとして、メタロセン触媒を用いて重合したエチレンーα・オレフイン共重合体のフィルムないしシートを使用する場合には、袋体を製造するときに、低温ヒートシール性が可能であるという利点を有するものである。
また、本発明において、本発明に係るバルーン用積層材を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層を溶融押出樹脂積層法により形成する場合には、予め、アンカ−コ−ト剤層等を形成することが好ましいものである。
而して、本発明において、上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系、その他等のアンカ−コ−ティング剤を使用することができる。
更に、本発明において、溶融押出樹脂積層法における溶融押出樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルポン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、積層する基材等の表面に、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を任意に施すことができる。
而して、本発明において、上記のアンカ−コ−ト剤としては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系、その他等のアンカ−コ−ティング剤を使用することができる。
更に、本発明において、溶融押出樹脂積層法における溶融押出樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、メタロセン系触媒を使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマール酸、その他等の不飽和カルポン酸で変性した酸変性ポリオレフイン系樹脂、その他等を使用することができる。
なお、本発明において、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、積層する基材等の表面に、例えば、コロナ処理、オゾン処理、フレーム処理等の前処理を任意に施すことができる。
次に、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成するヒ−トシ−ル性樹脂層をラミネ−ト積層法で形成する場合におけるラミネ−ト用接着剤層について説明すると、かかるラミネ−ト用接着剤層を構成する接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、アクリル酸のエチル、ブチル、2−エチルヘキシルエステル等のホモポリマ−、あるいは、これらとメタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン等との共重合体等からなるポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレ−ト系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマ−との共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、セルロ−ス系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノ−ル樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、シリコ−ン系接着剤、アルカリ金属シリケ−ト、低融点ガラス等からなる無機系接着剤、その他等の接着剤を使用することがてきる。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
ところで、本発明において、上記のようなアンカ−コ−ト剤層を形成するアンカ−コ−ト剤、および、ラミネ−ト用接着剤層を形成するラミネ−ト用接着剤としては、例えば、トリレンジイソシアナ−ト、ジフェニルメタンジイソシアナ−ト、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナ−ト等の芳香族ポリイソシアナ−ト、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナ−ト、キシリレンジイソシアナ−ト等の脂肪族ポリイソシアナ−ト等の多官能イソシアネ−トと、ポリエ−テル系ポリオ−ル、ポリエステル系ポリオ−ル、ポリアクリレ−トポリオ−ル等のヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリエ−テルポリウレタン系樹脂、ポリエステル系ポリウレタン系樹脂、または、ポリアクリレ−トポリウレタン系樹脂を主成分とするアンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤を使用することが望ましいものである。
而して、上記のようなアンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤を使用して形成してなるアンカ−コ−ト剤層、あるいは、ラミネ−ト用接着剤層は、柔らかく、柔軟性に富み、かつ、屈曲性に富む薄膜を形成することができ、その引っ張り伸長度を向上させ、無機酸化物の蒸着膜に対し柔軟性、屈曲性等を有する被膜として作用し、例えば、ラミネ−ト加工、印刷加工、あるいは、製袋加工等の後加工時における無機酸化物の蒸着膜の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜へのクラック等の発生等を防止するものである。
ちなみに、本発明において、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層は、JIS規格K7113に基づいて、100〜300%の範囲からなる引っ張り伸度を有するものである。
而して、本発明においては、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層の引っ張り伸度、その他により、バリア性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、無機酸化物の蒸着膜へのクラック等の発生を防止し、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
上記において、引っ張り伸度が、100%未満であると、バル−ン用積層体としての柔軟性がなくなり、無機酸化物の蒸着膜へのクラック等が発生し易くなることから好ましくなく、また、引っ張り伸度が、300%を越えると、アンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤等としての接着性の強度が十分でなく、要求されるラミネ−ト強度が発現されにくくなることから好ましくないものである。
而して、上記のようなアンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤を使用して形成してなるアンカ−コ−ト剤層、あるいは、ラミネ−ト用接着剤層は、柔らかく、柔軟性に富み、かつ、屈曲性に富む薄膜を形成することができ、その引っ張り伸長度を向上させ、無機酸化物の蒸着膜に対し柔軟性、屈曲性等を有する被膜として作用し、例えば、ラミネ−ト加工、印刷加工、あるいは、製袋加工等の後加工時における無機酸化物の蒸着膜の後加工適性を向上させ、後加工時における無機酸化物の蒸着膜へのクラック等の発生等を防止するものである。
ちなみに、本発明において、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層は、JIS規格K7113に基づいて、100〜300%の範囲からなる引っ張り伸度を有するものである。
而して、本発明においては、上記のようなアンカ−コ−ト剤によるアンカ−コ−ト剤層および/またはラミネ−ト用接着剤によるラミネ−ト用接着剤層の引っ張り伸度、その他により、バリア性基材と、ヒ−トシ−ル性樹脂層との密接着性を向上させ、これにより、無機酸化物の蒸着膜へのクラック等の発生を防止し、そのラミネ−ト強度等を高めるものである。
上記において、引っ張り伸度が、100%未満であると、バル−ン用積層体としての柔軟性がなくなり、無機酸化物の蒸着膜へのクラック等が発生し易くなることから好ましくなく、また、引っ張り伸度が、300%を越えると、アンカ−コ−ト剤、あるいは、ラミネ−ト用接着剤等としての接着性の強度が十分でなく、要求されるラミネ−ト強度が発現されにくくなることから好ましくないものである。
次にまた、本発明において、本発明に係るバルーン用積層体を構成する、中間基材としての強度を有し、耐突き刺し性等に優れた樹脂のフィルムとしては、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた強度を有し、耐突き刺し性等に優れ、その他、耐熱性、防湿性、耐ピンホール性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹胎、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムを使用し、これを、例えば、前述のラミネート用接着剤等を使用してドライラミネート法等を用いて、ラミネート用接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との層問に積層することができるものである。
上記において、上記の樹脂のフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、その他等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、重くなり浮遊を低下させるという欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、その他等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約5μmないし20μm位、好ましくは、約5μmないし12μm位が最も望ましい。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹胎、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の強靭な樹脂のフィルムを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムを使用し、これを、例えば、前述のラミネート用接着剤等を使用してドライラミネート法等を用いて、ラミネート用接着剤層とヒ−トシール性樹脂層との層問に積層することができるものである。
上記において、上記の樹脂のフィルムとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、その他等について、必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、重くなり浮遊を低下させるという欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、その他等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約5μmないし20μm位、好ましくは、約5μmないし12μm位が最も望ましい。
次に、本発明において、上記のような本発明に係るバルーン用積層体を使用して製造する本発明に係るバルーンについて説明すると、かかるバルーンとしては、上記のような本発明に係るバルーン用積層体を使用し、そのヒ−トシ−ル性樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成して、その一部に開口部を有する袋体を製袋し、次いで、該袋体の一部の開口部から、例えば、ヘリウムガス等の気体を注入し、しかる後、その開口部をヒ−トシ−ルして密閉して、本発明に係るバルーンを製造することができるものである。
而して、本発明において、本発明に係るバルーンの形状としては、いずれの形状でもよく、例えば、球状、三角状、四角状、柱状、その他等いずれの形状にも採り得るものである。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
而して、本発明において、本発明に係るバルーンの形状としては、いずれの形状でもよく、例えば、球状、三角状、四角状、柱状、その他等いずれの形状にも採り得るものである。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
本発明は、以上において説明したように、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜、ガスバリア性塗布膜を設けてバリア性基材を構成し、而して、該バリア性基材を構成するガスバリア性塗布膜の上に、種々のコーティング法もしくは印刷法、あるいは、ドライラミネート法、その他等の方法を用いて、プライマー剤層、印刷模様層、および、溶融押出樹脂層等のヒートシール性樹脂層を設け、更には、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、本発明に係るバルーン用積層体を製造し、これを製袋して、本発明に係るバルーンを製造するものである。
而して、上記のような本発明に係るバルーンは、ガスバリア性に優れ、特に、球状に膨らましても、ガスバリア劣化が無く、更に、軽量化、強度も併せ持ち、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、各種の所望の絵柄等の印刷を施し、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する極めて有用なバルーンである。
上記の本発明について以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
而して、上記のような本発明に係るバルーンは、ガスバリア性に優れ、特に、球状に膨らましても、ガスバリア劣化が無く、更に、軽量化、強度も併せ持ち、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、各種の所望の絵柄等の印刷を施し、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する極めて有用なバルーンである。
上記の本発明について以下に実施例を挙げて更に具体的に説明する。
(1).厚さ15μmの二軸延伸ナイロン6フイルムを使用し、これをプラズマ化学気相成長装置の送り出しロールに装着し、下記に示す条件で、上記の二軸延伸ナイロン6フィルムのコロナ処理面に、厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した (蒸着条件)
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;300m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度300m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表1)
a EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
H2 O 2.196
b エチルシリケート40 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
H2 O 13.752
c ポリビニルアルコール 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
H2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面の面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るバリア性基材を製造した。
(3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材のガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、アンカ−コ−ト剤層を介して、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを、押し出し法により、膜厚15μmになるように押出積層して、ヒートシール性樹脂層を形成し、本発明に係るバルーン用積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造したバルーン用積層体の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部をシールして球状に形成し、直径35cmの袋体を製造した。
更に、上記で製造した袋体に、その一部の開口部から、内部にヘリウムガスを注入し、しかる後、その開口部を密閉して、本発明に係るバルーンを製造した。
上記のバルーンは、空中に浮遊させたところ、50日以上空中浮遊が可能であり、バルーンの変形、収縮も無かった。
反応ガス混合比;ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1.2:5.0:2.5(単位:Slm)
到達圧力;5.0×10-5mbar
製膜圧力;7.0×10-2mbar
ライン速度;300m/min
パワー;35kW
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、グロー放電プラズマ発生装置を使用し、パワー9kW、酸素ガス(O2 ):アルゴンガス(Ar)=7.0:2.5(単位:Slm)からなる混合ガスを使用し、混合ガス圧6×10-2mbar、処理速度300m/minで酸素/アルゴン混合ガスプラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表1に示す組成に従って、組成a.EVOH(エチレン共重合比率29%)をイソプロピルアルコールおよびイオン交換水の混合溶媒にて溶解したEVOH溶液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコール、アセチルアセトンアルミニウム、イオン交換水からなる加水分解液を加えて攪拌、更に予め調製した組成c.のポリビニルアルコール水溶液、シランカップリング剤(エポキシシリカSH6040) 、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液を加えて攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表1)
a EVOH(エチレン共重合率29%) 0.610(wt%)
イソプロピルアルコール 3.294
H2 O 2.196
b エチルシリケート40 11.460
イソプロピルアルコール 17.662
アルミニウムアセチルアセトン 0.020
H2 O 13.752
c ポリビニルアルコール 1.520
シランカップリング剤 0.050
イソプロピルアルコール 13.844
H2 O 35.462
酢酸 0.130
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面の面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るバリア性基材を製造した。
(3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材のガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、アンカ−コ−ト剤層を介して、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を使用し、これを、押し出し法により、膜厚15μmになるように押出積層して、ヒートシール性樹脂層を形成し、本発明に係るバルーン用積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造したバルーン用積層体の2枚を用意し、その直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部をシールして球状に形成し、直径35cmの袋体を製造した。
更に、上記で製造した袋体に、その一部の開口部から、内部にヘリウムガスを注入し、しかる後、その開口部を密閉して、本発明に係るバルーンを製造した。
上記のバルーンは、空中に浮遊させたところ、50日以上空中浮遊が可能であり、バルーンの変形、収縮も無かった。
(1).基材フィルムとして、厚さ6μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、まず、上記の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをプラズマ化学蒸着装置の送り出しロールに装着し、次いで、これを繰り出し、その2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのコロナ処理面の上に、下記の蒸着条件により、膜厚200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した。
(蒸着条件)
反応ガス混合地:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
真空チヤンバー内の真空度:5.2×10-6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度:5.1×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給竜力:60W・分/m2
フィルムの搬送速度:90m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表2に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコー、アルミニウムアセチルアセトン、イオン交換水からなる加水分解液を加え、充分に攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表2)
a エチルシリケ−ト 36.589(wt%)
エタノ−ル 34.074
アルミニウムアセチルアセトン 0.02
H2 O 2.058
シランカップリング剤 3.407
b ポリビニルアルコール 2.372
H2 O 21.344
NNジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液 0.136
(32wt%)
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るバリア性基材を製造した。
(3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材のガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
更に、上記で積層した厚さ12μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、これを、アンカ−コ−ト剤層を介して、押出法により、膜厚15μmになるように溶融押出してヒートシール性樹脂層を形成し、本発明に係るバルーン用積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造したバルーン用積層体の2枚を用意し、そのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部をシールして球状に形成し、直径35cmの袋体を製造した。
更に、上記で製造した袋体に、その一部の開口部から、内部にヘリウムガスを注入し、しかる後、その開口部を密閉して、本発明に係るバルーンを製造した。
上記のバルーンは、空中に浮遊させたところ、50日以上空中浮遊が可能であり、バルーンの変形、収縮も無かった。
(蒸着条件)
反応ガス混合地:ヘキサメチルジシロキサン:酸素ガス:ヘリウム=1:11:10(単位:Slm)
真空チヤンバー内の真空度:5.2×10-6mbar
蒸着チヤンバー内の真空度:5.1×10-2mbar
冷却・電極ドラム供給竜力:60W・分/m2
フィルムの搬送速度:90m/分
蒸着面:コロナ処理面
次に、上記で厚さ200Åの酸化珪素の蒸着膜を形成した直後に、その酸化珪素の蒸着膜面に、上記の実施例1と同様にして、プラズマ処理を行って、酸化珪素の蒸着膜面の表面張力を54dyne/cm以上向上させてたプラズマ処理面を形成した。
(2).他方、下記の表2に示す組成に従って、調製した組成a.のポリビニルアルコール水溶液、酢酸、イソプロピルアルコール及びイオン交換水からなる混合液に、予め調製した組成b.のエチルシリケート40、イソプロピルアルコー、アルミニウムアセチルアセトン、イオン交換水からなる加水分解液を加え、充分に攪拌し、無色透明のバリアー塗工液を得た。
(表2)
a エチルシリケ−ト 36.589(wt%)
エタノ−ル 34.074
アルミニウムアセチルアセトン 0.02
H2 O 2.058
シランカップリング剤 3.407
b ポリビニルアルコール 2.372
H2 O 21.344
NNジメチルベンジルアミンエタノ−ル溶液 0.136
(32wt%)
合 計 100.000(wt%)
次に、上記の(1)で形成した酸化珪素の蒸着膜のプラズマ処理面に、上記で製造したガスバリア性組成物を使用し、これをグラビアロールコート法によりコーティングして、次いで、100℃で30秒間、加熱処理して、厚さ0.4g/m2 (乾操状態)のガスバリア性塗布膜を形成して、本発明に係るバリア性基材を製造した。
(3).次に、上記の(2)で形成したバリア性基材のガスバリア性塗布膜の面に、所望の印刷模様を形成した後、その印刷模様を含む全面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤をグラビアロ−ルコ−ト法を用いて厚さ4.0g/m2 (乾燥状態)にコ−ティングしてラミネ−ト用接着剤層を形成し、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ナイロン6フィルムを、そのコロナ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして積層した。
更に、上記で積層した厚さ12μmの2軸延伸ナイロン6フィルムの他方の面に、メタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体を使用し、これを、アンカ−コ−ト剤層を介して、押出法により、膜厚15μmになるように溶融押出してヒートシール性樹脂層を形成し、本発明に係るバルーン用積層体を製造した。
(4).次に、上記で製造したバルーン用積層体の2枚を用意し、そのメタロセン触媒を用いて重合したエチレン−α・オレフィン共重合体の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺の端部をシールして球状に形成し、直径35cmの袋体を製造した。
更に、上記で製造した袋体に、その一部の開口部から、内部にヘリウムガスを注入し、しかる後、その開口部を密閉して、本発明に係るバルーンを製造した。
上記のバルーンは、空中に浮遊させたところ、50日以上空中浮遊が可能であり、バルーンの変形、収縮も無かった。
(1).上記の実施例1において、上記の実施例1の(2)で形成したバリア性基材のガスバリア性塗布膜の面に、ポリウレタン系樹脂の初期縮合物に、エポキシ系のシランカップリング剤(8.0重量%)とブロッキング防止剤(1.0重量%)を添加し、十分に混練してなるプライマー剤組成物を使用し、これをグラビアロールコート法により、膜厚0.4g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングしてプライマー剤層を形成した。 それ以外は、上記の実施例1と全く同様にして、実施例1と同様に、本発明に係るバルーンを製造した。
(実験例)
上記の実施例1〜2において製造したバルーン用積層体、バルーンについて、以下の測定を行った。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3).水素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度60%RHの条件で、GTRテック株式会社製のガス透過率測定装置にて測定した。
(4).突き刺し強度の測定
これは、半径0.5mmの針先端により、50mm/分の圧縮速度でのフィルムの突き刺し強度を引っ張り試験機により測定した。
(5).浮遊日数の測定
これは、ヘリウムガスを注入したバル−ンに紐をつけ、室温環境下で浮遊させ地面に着地するまでの日数を目視で観察して測定した。
上記の測定結果について下記の表1に示す。
上記の実施例1〜2において製造したバルーン用積層体、バルーンについて、以下の測定を行った。
(1).酸素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、オクストラン(OXTRAN)〕にて測定した。
(2).水蒸気透過度の測定
これは、温度40℃、湿度90%RHの条件で、米国、モコン(MOCON)社製の測定機〔機種名、パ−マトラン(PERMATRAN)〕にて測定した。
(3).水素透過度の測定
これは、温度23℃、湿度60%RHの条件で、GTRテック株式会社製のガス透過率測定装置にて測定した。
(4).突き刺し強度の測定
これは、半径0.5mmの針先端により、50mm/分の圧縮速度でのフィルムの突き刺し強度を引っ張り試験機により測定した。
(5).浮遊日数の測定
これは、ヘリウムガスを注入したバル−ンに紐をつけ、室温環境下で浮遊させ地面に着地するまでの日数を目視で観察して測定した。
上記の測定結果について下記の表1に示す。
(表1)
┌────────────┬───────┬────────┐ │ │ 実施例1 │ 実施例2 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 酸素透過度 │ 0.5 │ 0.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 水蒸気透過度 │ 3.5 │ 0.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 水素透過度 │ 3.2 │ 3.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 突き刺し強度(N) │ 8.0 │ 8.2 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 浮遊日数 │ 50日以上 │ 50日以上 │ └────────────┴───────┴────────┘ 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 ・day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 ・day・40℃・90%RH〕であり、水素透過度の単位は、[cc/m2 ・day・23℃・60%RH]であり、突き刺し強度の単位は、[N]である。
┌────────────┬───────┬────────┐ │ │ 実施例1 │ 実施例2 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 酸素透過度 │ 0.5 │ 0.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 水蒸気透過度 │ 3.5 │ 0.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 水素透過度 │ 3.2 │ 3.5 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 突き刺し強度(N) │ 8.0 │ 8.2 │ ├────────────┼───────┼────────┤ │ 浮遊日数 │ 50日以上 │ 50日以上 │ └────────────┴───────┴────────┘ 上記の表1において、酸素透過度の単位は、〔cc/m2 ・day・23℃・90%RH〕であり、水蒸気透過度の単位は、〔g/m2 ・day・40℃・90%RH〕であり、水素透過度の単位は、[cc/m2 ・day・23℃・60%RH]であり、突き刺し強度の単位は、[N]である。
上記の表1に示す測定結果から明らかなように、実施例1〜2にかかるものは、酸素透過度、水蒸気透過度、水素透過度等において優れた性能を有するものであり、更に、突き刺し強度においても極めて優れた性能を有し、また、バルーンとしても長時間浮遊していことが確認された。
本発明は、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜とガスバリア性塗布膜を設け、次いで、該ガスバリア性塗布膜の上に、種々のコーティング法もしくは印刷法、あるいは、溶融押出樹脂積層法、ドライラミネート積層法、その他等の方法を用いて、必要ならば、プライマー剤層等を介して、印刷模様層、および、溶融押出樹脂層等のヒートシール性樹脂層を設け、更には、強度を有し、耐突き刺し性に優れた樹脂のフィルムを積層することにより、本発明に係るバルーン用積層体を製造し、これを製袋して、本発明に係るバルーンを製造するものであり、而して、上記のような本発明に係るバルーンは、ガスバリア性に優れ、特に、球状に膨らましても、ガスバリア劣化が無く、更に、軽量化、強度も併せ持ち、空中浮遊を長時間可能とし、かつ、各種の所望の絵柄等の印刷を施し、玩具、公告、宣伝用等に好適に用いられる透明性を有する極めて有用なバルーンである。
A バルーン用積層体ィルム
A1 バルーン用積層体ィルム
B バルーン
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 ガスバリア性塗布膜
4 バリア性基材
5 プライマ−剤層
6 印刷模様層
7 ヒ−トシ−ル性樹脂層
8 中間基材
9 シ−ル部
10 袋体
A1 バルーン用積層体ィルム
B バルーン
1 基材フィルム
2 無機酸化物の蒸着膜
3 ガスバリア性塗布膜
4 バリア性基材
5 プライマ−剤層
6 印刷模様層
7 ヒ−トシ−ル性樹脂層
8 中間基材
9 シ−ル部
10 袋体
Claims (16)
- 少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性基材と、ヒートシール性樹脂層との2層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋した袋体からなることを特徴とするバル−ン。
- 少なくとも、基材フィルムの一方の面に、化学気相成長法による無機酸化物の蒸着膜を設け、更に、該無機酸化物の蒸着膜の上に、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルゲル法によって重縮合して得られるガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたバリア性基材と、中間基材と、ヒートシール性樹脂層との3層の積層構成からなるバルーン用積層体からなり、更に、該バルーン用積層体を製袋した袋体からなることを特徴とするバル−ン。
- 基材フィルムが、5〜15μmの2軸延伸加工した樹脂のフィルムからなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載するバルーン。
- 化学気相成長による無機酸化物の蒸着膜が、酸化珪素の蒸着膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成する一般式R1 n M(OR2 )m 中のMが、珪素、ジルコニウム、チタニウム、または、アルミニウムからなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するアルコキシドが、アルコキシシランからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するアルコキシドが、アルコキシドの加水分解物、または、アルコキシドの加水分解縮合物からなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物が、シランカップリング剤を含むことを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物が、一般式R1 n M(OR2 )m (ただし、式中、R1 、R2 は、炭素数1〜8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコ−ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ−ル共重合体とを含有し、更に、ゾルーゲル法触媒、酸、水、および、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物からなることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜が、1層ないし2層以上重層した複合ポリマ−層からなることを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜が、ガスバリア性組成物を塗工して塗工膜を設けた基材フィルムを、20℃〜200℃で、かつ、上記の基材フィルムの融点以下の温度で30秒〜10分間加熱処理した硬化膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中のゾルゲル法触媒が、水に実質的に不溶であり、かつ、有機溶媒に可溶な第3アミンからなることを特徴とする上記の請求項1〜11のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中の第3アミンが、N,N−ジメチルベンジルアミンからなることを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載するバルーン。
- ガスバリア性塗布膜を構成するガスバリア性組成物中の水が、アルコキシド1モルに対して0.1〜100モルの割合で用いられることを特徴とする上記の請求項1〜13のいずれか1項に記載するバルーン。
- ヒートシール性樹脂層が、ポリオレフイン系樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜14のいずれか1項に記載するバルーン。
- 中間基材が、2軸延伸ポリアミド系樹脂フィルムからなることを特徴とする上記の請求項2〜15のいずれか1項に記載するバルーン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Legal Events
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