JP2007222068A - 醤油特有の香りの少ない醤油 - Google Patents

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俊文 松田
Kuniko Shiraishi
邦子 白石
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Abstract

【課題】醤油特有の香りの少ない醤油を得る。
【解決手段】通常の醤油の製造法に従って、発酵熟成し得られた醤油諸味を圧搾して生醤油(生揚げ)を得た。その際、醤油の表面に浮遊している油(脂肪油類)を「醤油油」として採取した。この醤油油を蒸留フラスコに入れ、これに水蒸気を吹込み分留管をつけて水蒸気蒸留を行い、蒸気を水で冷却して凝縮させて原液(醤油油)に対する留出量が50V/V%となったとき、蒸留を止め、フラスコ内に残留する液を「蒸留醤油油」として回収した。分液ロート内に、上記で得た蒸留醤油油と市販の濃口醤油とを入れ、温度20℃で、5分間振とう接触させ、次いで40時間静置して、下部の水相を取出し、醤油特有の香りの少ない醤油を得た。
【選択図】図1

Description

本発明は、醤油特有の香りの少ない醤油に関する。
従来、鰹節あるいは昆布などの抽出液又は柑橘果実の搾汁液等の香味物質を醤油に加えて、麺つゆ、ポン酢醤油等、香味を有する調味液を製造する方法が知られている。しかしながら、一般に醤油は特有の強い香りを有するために、添加された香味物質の風味がマスクされ、香味の強い調味液が得られない問題を有する(特許文献1)。
そこで香味物質の該香味を引き立たせるため、香味物質の高濃度の添加を余儀なくされる欠点を有する。このようなことから香味を有する調味液を製造するためには醤油特有の香りの少ない醤油の開発が強く望まれていた。
特許第2569369号公報
本発明の目的は、醤油特有の香りが少ない醤油を提供することにある。
本発明者等は、醤油特有の香りの少ない醤油について鋭意研究を重ねた結果、醤油油を水蒸気蒸留して得られる油と醤油とを接触させるときは、上記目的の醤油が得られることを知り、この知見に基いて本発明を完成した。
すなわち本発明は、醤油油を水蒸気蒸留して得られる油と醤油とを接触させて得られる醤油特有の香りの少ない醤油である。
本発明によれば、極めて簡単な手段により醤油特有の香りの少ない醤油を容易に得ることができる。
以下本発明を詳細に説明する。
(醤油油)
本発明で用いる醤油油は、発酵熟成後の醤油諸味を圧搾して得た醤油(生揚げ)の表面に浮遊してくる脂肪油の総称を意味し、醤油の製造における副産物として得られるものである。この醤油油は新鮮なものが好ましい。
(醤油油の水蒸気蒸留による蒸留醤油油の調製)
醤油油の水蒸気蒸留は、醤油油に水蒸気を接触させ(吹き込み)、接触後の水蒸気を全て排気する方法、または醤油油に水蒸気を吹き込み、噴出してくる水蒸気を分留管により捕集し、これを強く冷却して凝縮させ、得られた留出液を分離除去する方法などにより得る。本発明では、この油を「蒸留醤油油」ということがある。なお、ここで得られた留出液は醤油香気物質を濃厚に保持しているので、食品用の香味液として利用可能である。
(醤油油と水蒸気の接触条件)
醤油油と水蒸気の接触は、水蒸気蒸留における留出液の採取量が醤油油の10〜60V/V%となるまで行うことが好ましく、45〜55V/V%がより好ましい。このように接触するときは、醤油特有の香りを効率よく脱臭できる蒸留醤油油を得ることができる。
(醤油)
本発明に用いる醤油としては、天然醸造醤油(濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜醤油、再仕込醤油、生醤油等)、速醸醤油、アミノ酸混合醤油、これら天然醸造醤油若しくは速醸醤油を脱塩して得られる減塩醤油若しくは低食塩醤油等が挙げられる
(蒸留醤油油と醤油との接触)
蒸留醤油油と醤油との接触温度は0〜40℃が好ましく、10〜30℃がより好ましく、15〜25℃が最も好ましい。
温度が0℃より低温であるときは、効率よく醤油特有の香りを脱臭できない。反対に40℃を越えると、接触処理後の醤油の風味が劣化するので好ましくない。
接触時間は、醤油特有の香りが低減するのに十分な時間とすることが好ましく、5分〜一週間がより好ましく、24〜48時間が最も好ましい。
蒸留醤油油(以下、油相ということがある)と醤油(以下、水相ということがある)との混合(容量比)は、蒸留醤油油:醤油=2〜50:98〜50が好ましく、5〜35:95〜65がより好ましく、10〜30:90〜70が最も好ましい。
蒸留醤油油の割合が2V/V%未満であるときは醤油特有の香りが少ない醤油が得にくくなる。また反対に50V/V%を越えると、蒸留醤油油の使用量に比べて醤油特有の香りの除去効果が低くなる。
上記接触は、連続的に攪拌するか、あるいは間歇的に攪拌するか、最初に均一に混合攪拌した後はそのまま静置するか等任意であるが、油相と水相が分離しないように連続的に攪拌するときは効率よく醤油特有の香りが少ない醤油が得られるので好ましい。
上記接触が終了したら、接触液を静置して、あるいは遠心分離して、上部の蒸留醤油油(油相)と下部の醤油(水相)が二相に分離した接触液を得、次いで油相を分画除去する(あるいは水相を取出す)ことにより、醤油特有の香りの少ない醤油(水相)を得る。又は、接触液を、静置あるいは遠心分離することなくそのままで、油吸着剤に接触させて醤油油を該吸着剤に吸着させて取除くことにより、醤油特有の香りの少ない醤油を得る。
(蒸留醤油油の調製)
脱脂加工大豆と炒熬割砕した小麦を等量使用して通常の醤油の製造法に従って調製した醤油麹を、食塩水に仕込み、発酵熟成し、得られた醤油諸味を圧搾して生醤油(生揚げ)を得た。その際、醤油の表面に浮遊している油(脂肪油類)を「醤油油」として採取した。
この醤油油300mlを1,000ml容蒸留フラスコに入れ、これに水蒸気を吹込み分留管をつけて水蒸気蒸留を行い、蒸気を水で冷却して凝縮させて原液(醤油油)に対する留出量が50V/V%となったとき、蒸留を止め、フラスコ内に残留する液を「蒸留醤油油」として回収した。
(醤油特有の香りの少ない醤油の調製)
500ml容分液ロート内に、上記で得た蒸留醤油油と市販の濃口醤油とを、下記表1記載の配合割合(容量比)で合計250ml入れ、温度20℃で、5分間振とう接触させ、次いで40時間静置して、下部の水相を取出し、醤油特有の香りの少ない醤油を得た。
(醤油の香気成分の分析)
市販の濃口醤油(対照区)及び上記で得られた醤油特有の香りの少ない醤油(本発明区)について、香気成分を、しょうゆ試験法(財団法人、日本醤油研究所編、昭和60年3月1日発行、p177〜179)の「5.精密機器を用いたしょうゆ中の特殊成分などの分析法(5−5、香気成分のガスクロマトグラフィーによる定量法)」に従って分析した。
表中の値は、対照区(市販の濃口醤油)の香気成分を100としたときの値(相対値)で示した。
Figure 2007222068
表1の結果から、蒸留醤油油と濃口醤油とを接触させることにより、低級アルコール類、乳酸エチル、2−フェニルエタノール、HEMFなどの醤油特有の香気成分が減少した醤油が得られることが判る。またその減少量は、蒸留醤油油の配合量に依存していることが判る。
(醤油特有の香りについての官能試験)
上記実施例1で得られた各醤油(蒸留醤油油と濃口醤油とを特定配合割合で混和し、接触した醤油)が有している醤油特有の香りの強さを、識別能力を有する訓練されたパネル21名により、弱い順に順位付けを行い、その順位和を用いる方法により評価した。表2において数値は少ないほど醤油特有の香りが少ないことを意味する。
結果を表2に示した。
Figure 2007222068
表2の結果から、蒸留醤油油と濃口醤油とを特定配合割合で混和し接触した本発明区の醤油は接触しない対照区の醤油(蒸留醤油油:濃口醤油=0:100)に比べて醤油特有の香りが少ないことが、香気成分の分析結果ばかりでなく、官能検査でも判明した。すなわち、そして特に、蒸留醤油油:濃口醤油=10〜30:90〜70で混和接触した本発明区の醤油は醤油特有の香りが少ない醤油であることが判る。
(本発明で得られた醤油を原料として用いた麺つゆの官能試験)
上記実施例1で得られた本発明の醤油(蒸留醤油油:濃口醤油=30:70で接触した醤油)と対照区の醤油(接触処理しない市販の濃口醤油)を用いて、それぞれ試作品麺つゆ及びコントロール麺つゆを調製した。次いで、これらの麺つゆにつき、識別能力を有するパネル20名により官能試験を行い、だしの香り、だしの味、醤油の香り、うま味、好みについて、それぞれ+1.0、+0.5、0、−0.5、−1.0の5つの尺度で得点をつけて採点する5点尺度法により評価した(+の値が高いほど良好であることを示す)。得られた回答は、平均値とt検定を行い、分析した。麺つゆは、醤油200g、鰹節の熱水抽出液500g、砂糖10g、液糖10g、みりん20g、グルタミン酸ナトリウム4gを混和し、水を加えて1000gとし、80℃、10分の加熱殺菌を行い、調製した。
結果を図1に示した。
図1の結果から、試作品麺つゆ(本発明区麺つゆ)はコントロール麺つゆ(対照区麺つゆ)と比較して、だしの香り、だしの味、うま味が強く感じられることが判る。特にだしの味については優位差P<1%(*)をもって強く感じることが判る。このことから実施例1で得られる本発明の醤油は、醤油特有の香りが少ないことが判る。
比較例1
(醤油油と醤油との接触による比較試験)
比較のため、実施例1の醤油特有の香りが少ない醤油の製造法において、「蒸留醤油油」を使用する代わりに、実施例1で調製した「醤油油」を使用する以外は、全く実施例1と同様にして比較例1の醤油を得た。
比較例2
(醤油油と魚醤油との接触による比較試験)
比較のため、500ml容分液ロート内に、実施例1で調製した「醤油油」とタイの代表的な魚醤油である「ナムプラ」とを、30:70の配合容量比で250mlを入れ、温度20℃で、5分間振とう接触させ、次いで40時間静置して、下部の水相を取出し、魚醤油の独特な不快な臭気がなく、醤油様の芳醇な香気に富む魚醤油を得た。
上記実施例1、比較例1及び比較例2で得られた、それぞれの醤油又は魚醤油の香りの特徴を官能試験した。その結果を表3に示す。
Figure 2007222068
比較例2の結果から、魚醤油は、醤油油と接触すると魚醤油の独特な不快な臭気を除去し、反対に魚醤油に醤油特有の香りを付与する効果を奏することが判る。また比較例1の結果から、醤油は醤油油と接触しても醤油特有の香りを低減できないことが判る。これに対し本発明の結果から、醤油は蒸留醤油油と接触すると醤油特有の香りを低減できることが判る。
本発明の醤油は、醤油特有の香りが少ないので、麺つゆやポン酢醤油等の香味のある調味液用の醤油として、また醤油の香りを目立たせたくない食品用の醤油として好適に利用することができる。
本発明区と対照区の麺つゆの官能試験結果を示した図である。

Claims (1)

  1. 醤油油を水蒸気蒸留して得られる油と醤油とを接触させて得られる醤油香の少ない醤油。
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