JP2007221069A - 磁気抵抗効果素子および磁気記憶装置 - Google Patents

磁気抵抗効果素子および磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高出力の磁気抵抗効果素子、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】GMR膜30は、下地層31、下部反強磁性層32、下部固定磁化積層体33、下部非磁性金属層37、下部界面磁性層38、自由磁化層39、上部界面磁性層48、上部非磁性金属層47、上部固定磁化積層体43、上部反強磁性層42、保護層40が順次積層された構成を有する。自由磁化層39はCoFeAl膜からなり、磁気抵抗変化量ΔRAがCoFe膜よりも大きい。さらに、下部および上部界面磁性層38,48はCoFeNiを主成分とするので、スピン依存界面散乱が増加し、磁気抵抗変化量ΔRAがさらに増加する。さらに下部および上部界面磁性層38,48にCoNiFe膜を所定の組成とすることで、CoFeAl膜単体の場合よりも保磁力が低下し、信号磁界に対する感度が良好になる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気記憶装置において情報を再生するための磁気抵抗効果素子および磁気記憶装置に関し、特に、磁気抵抗効果素子を構成する積層膜の積層方向にセンス電流を流すCPP(Current−Perpendicular−to−Plane)型の構造を有する磁気抵抗効果素子およびこれを備えた磁気記憶装置に関する。
近年、磁気記憶装置の磁気ヘッドには、磁気記録媒体に記録された情報を再生するための再生用素子として磁気抵抗効果素子が用いられている。磁気抵抗効果素子は磁気記録媒体から漏洩する信号磁界の向きの変化を電気抵抗の変化に変換する磁気抵抗効果を利用して磁気記録媒体に記録された情報を再生する。
磁気記憶装置の高記録密度化に伴い、スピンバルブ膜を備えたものが主流となっている。スピンバルブ膜は、反強磁性層と、磁化が所定の方向に固定された固定磁化積層体と、非磁性層と、磁気記録媒体からの漏洩磁界の方向や強度に応じて磁化の方向が変わる自由磁化層が積層して構成されている。固定磁化積層体は、非磁性層から遠い側より第1強磁性層、非磁性結合層、および第2強磁性層が積層されてなり、第1強磁性層と第2強磁性層とが反強磁性的に交換結合された、いわゆる積層フェリピン構造が用いられている。積層フェリピン構造は、第1強磁性層および第2強磁性層のそれぞれの磁化の向きが逆のため、正味の磁気モーメントが減少する。これにより、固定磁化積層体全体の反磁界強度を抑制し、また反強磁性層との交換結合から発生する異方性磁界を増大させ、第1強磁性層の磁化方向を安定化させるという特徴を有する。
スピンバルブ膜は、固定磁化積層体の第2強磁性層の磁化と自由磁化層の磁化とがなす角に応じて電気抵抗値が変化する。この電気抵抗値の変化をスピンバルブ膜に一定値のセンス電流を流して電圧変化として検出することで、磁気抵抗効果素子が磁気記録媒体に記録されたビットを再生する。
従来、磁気抵抗効果素子は、スピンバルブ膜の面内方向にセンス電流を流すCIP(Current−In−Plane)構造が採用されてきた。しかし、さらなる高記録密度化を図るためには、磁気記録媒体の線記録密度およびトラック密度を増加させる必要がある。磁気抵抗効果素子では、磁気記録媒体のトラック幅に対応する素子幅および素子高さ(素子の奥行き)、すなわち素子断面積を低減する必要がある。この場合、CIP構造では、センス電流の電流密度が大きくなるため過熱によりスピンバルブ膜を構成する材料のマイグレーション等による性能劣化が生じるおそれがある。
そこで、スピンバルブ膜の積層方向、すなわち、反強磁性層、固定磁化積層体、非磁性層、および自由磁化層が積層された方向にセンス電流を流すCPP(Current−Perpendicular−to−Plane)型の構造が提案され、次世代の再生用素子として盛んに研究が行われている。CPP型のスピンバルブ膜は、コア幅(磁気記録媒体のトラック幅に対応するスピンバルブ膜の幅)が縮小されても出力がほとんど変化しないという特長を有するため、高記録密度化に適している。
CPP型のスピンバルブ膜の出力は、外部磁界をスピンバルブ膜に印加して、外部磁界の方向を一方向からその逆の方向に掃引した際の単位面積の磁気抵抗変化量で決まってくる。単位面積の磁気抵抗変化量は、スピンバルブ膜の磁気抵抗変化量とスピンバルブ膜の膜面の面積を乗じたものである。単位面積の磁気抵抗変化量を増加させるためには、自由磁化層や固定磁化積層体の第2強磁性層にスピン依存バルク散乱係数と比抵抗との積が大きな材料を用いることが望ましい。スピン依存バルク散乱とは、伝導電子が持つスピンの向きに依存して自由磁化層や固定磁化積層体の層内で伝導電子が散乱する度合いが異なる現象であり、スピン依存バルク散乱係数が大きいほど、磁気抵抗変化量が大きくなる。
スピン依存バルク散乱係数の大きな材料としてはCoFeAl材料を用いた磁気抵抗効果素子が提案されている(特許文献1参照。)。CoFeAlは、規則格子を有する体心立方晶の結晶構造を有する合金である。
特開2004−221526号公報
しかしながら、自由磁化層にCoFeAlを用いた場合、自由磁化層と非磁性層との界面で生じるスピン依存界面散乱が比較的小さい。高記録密度化を図る上では、磁気抵抗効果素子の出力を維持するために、磁気抵抗変化量をさらに増加することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、より高出力で新規で有用な磁気抵抗効果素子、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、反強磁性層と、固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層されてなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、前記CoFeAl膜の非磁性層側にCoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明によれば、CoFeAl膜は、軟磁性材料であるCoFeと同程度でその他の軟磁性材料よりも比較的大きなスピン依存バルク散乱係数を有し、CoFeAl膜の比抵抗は、CoFeの比抵抗の約6倍ある。したがって、CoFeAl膜を自由磁化層に用いることで、スピン依存バルク散乱係数と比抵抗との積に依存する磁気抵抗変化量がCoFeよりも極めて大きくなる。さらに、本発明では、非磁性層と自由磁化層との間にCoFeNiを主成分とする界面磁性層を設けてある。CoFeNiはCoFeAlよりもスピン依存界面散乱係数が大きいため、スピン依存界面散乱に寄因して磁気抵抗変化量が増加する。その結果、より高出力の磁気抵抗効果素子を実現できる。
本発明の他の観点によれば、反強磁性層と、固定磁化層と、第1の非磁性層と、自由磁化層と、第2の非磁性層と、他の固定磁化層と、他の反強磁性層とが積層してなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、前記CoFeAl膜の第1の非磁性層側、およびCoFeAl膜の第2の非磁性層側の少なくとも一方の側に、CoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子が提供される。
本発明によれば、ΔRAが上記磁気抵抗効果素子の約2倍になり、いっそう高出力の磁気抵抗効果素子を実現できる。
本発明のその他の観点によれば、上記のいずれかの磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを備える磁気記憶装置が提供される。
本発明によれば、磁気抵抗効果素子が高出力でかつ磁気記録媒体からの信号磁界に対する感度が良好であるので、磁気記憶装置の高記録密度化が可能となる。
本発明によれば、より高出力の磁気抵抗効果素子、これを用いた磁気ヘッドおよび磁気記憶装置を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を説明する。なお、説明の便宜のため、特に断らない限り、「単位面積の磁気抵抗変化量ΔRA」を「磁気抵抗変化量ΔRA」あるいは単に「ΔRA」と略称する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子と、誘導型記録素子を備えた複合型の磁気ヘッドについて説明する。
図1は、複合型の磁気ヘッドの媒体対向面の要部を示す図である。図1中、矢印Xの方向は、磁気抵抗効果素子に対向する磁気記録媒体(不図示)の移動方向を示す。
図1を参照するに、磁気ヘッド10は、大略して、ヘッドスライダの基体となるAl23−TiC等の平坦なセラミック基板11の上に形成された磁気抵抗効果素子20と、その上に形成された誘導型記録素子13から構成される。
誘導型記録素子13は、媒体対向面に磁気記録媒体のトラック幅に相当する幅を有する上部磁極14と、非磁性材料からなる記録ギャップ層15を挟んで上部磁極14に対向する下部磁極16と、上部磁極14と下部磁極16とを磁気的に接続するヨーク(図示されず)と、ヨークを巻回し、記録電流により記録磁界をする誘起するコイル(図示されず)等からなる。上部磁極14、下部磁極16、およびヨークは軟磁性材料より構成される。この軟磁性材料としては、記録磁界を確保するために飽和磁束密度の大なる材料、例えば、Ni80Fe20、CoZrNb、FeN、FeSiN、FeCo、CoNiFe等が挙げられる。なお、誘導型記録素子13はこれに限定されるものではなく、公知の構造の誘導型記録素子を用いることができる。
磁気抵抗効果素子20は、セラミック基板11の表面に形成されたアルミナ膜12上に、下部電極21、磁気抵抗効果膜30(以下、「GMR膜30」と称する。)、アルミナ膜25、上部電極22が積層された構成となっている。GMR膜30は、下部電極21および上部電極22とそれぞれ電気的に接続されている。
GMR膜30の両側には、絶縁膜23を介して磁区制御膜24が設けられている。磁区制御膜24は、例えば、Cr膜と強磁性のCoCrPt膜との積層体からなる。磁区制御膜24は、GMR膜30を構成する自由磁化層(図2に示す符号39)の単磁区化を図り、バルクハウゼンノイズの発生を防止する。
下部電極21および上部電極22は、センス電流Isの流路としての機能に加え、磁気シールドとしての機能も兼ねる。そのため、下部電極21および上部電極22は、軟磁性合金、例えばNiFe、CoFe等から構成される。さらに下部電極21とGMR膜30との界面に導電膜、例えば、Cu膜、Ta膜、Ti膜等を設けてもよい。これらの導電膜によりGMR膜30を構成する各層の結晶性が向上する。
また、磁気抵抗効果素子20および誘導型記録素子13は、腐食等を防止するためアルミナ膜や水素化カーボン膜等により覆われる。
センス電流Isは、例えば、上部電極22から、GMR膜30をその膜面に略垂直方向(GMR膜の積層方向に流れ下部電極21に達する。GMR膜30は、磁気記録媒体からの漏洩する信号磁界の強度および方向に対応して電気抵抗値、いわゆる磁気抵抗値が変化する。磁気抵抗効果素子20は、GMR膜30の磁気抵抗値の変化を、所定の電流量のセンス電流Isを流して、電圧変化として検出する。このようにして、磁気抵抗効果素子20は磁気記録媒体に記録された情報を再生する。なお、センス電流Isの流れる方向は図1に示す方向に限定されず、逆向きでもよい。また、磁気記録媒体の移動方向も逆向きでもよい。
なお、磁気ヘッド10の記録素子13および磁気抵抗効果素子20の形成方法は公知の方法、例えば、スパッタ法や真空蒸着法、化学気相成長法等の成膜方法と、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を組み合わせたパターニング方法を用いることができる。
また、本発明の一つの実施の形態として複合型の磁気ヘッド10を示したが、本発明の他の実施の形態として、磁気ヘッドは第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子20(あるいは後ほど説明する第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子)のみを備える再生専用の磁気ヘッドでもよい。
次に、磁気抵抗効果素子20を構成するGMR膜30について3つの例(第1例〜第3
例)を説明する。磁気抵抗効果素子20には、第1例〜第3例のGMR膜のいずれを適用してもよい。
図2は、第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第1例のGMR膜の断面図である。
図2を参照するに、第1例のGMR膜30は、下地層31、下部反強磁性層32、下部固定磁化積層体33、下部非磁性金属層37、下部界面磁性層38、自由磁化層39、上部界面磁性層48、上部非磁性金属層47、上部固定磁化積層体43、上部反強磁性層42、保護層40が順次積層された構成からなり、いわゆるデュアルスピンバルブ構造を有する。
下地層31は、図1に示す下部電極21の表面にスパッタ法等により形成される。下地層31は、例えば、NiCr膜や、Ta膜(例えば膜厚5nm)とNiFe膜(例えば膜厚5nm)との積層体等から構成される。NiFe膜は、Feの含有量が17原子%〜25原子%の範囲内であることが好ましい。このような組成のNiFe膜を用いることにより、NiFe膜の結晶成長方向である(111)結晶面およびこれに結晶学的に等価な結晶面の表面に、反強磁性層32がエピタキシャル成長する。これにより、下部反強磁性層32の結晶性を向上させることができ、さらには、下部反強磁性層32上に積層された各層34〜38を介して自由磁化層39の結晶性が向上し、自由磁化層39の保磁力を低下させることができる。
下部反強磁性層32および上部反強磁性層42は、例えば膜厚4nm〜30nm(好ましくは4nm〜10nm)のMn−TM合金(TMは、Pt、Pd、Ni、IrおよびRhのうち少なくとも1種から選択される。)から構成される。Mn−TM合金としては、例えば、PtMn、PdMn、NiMn、IrMn、PtPdMnが挙げられる。下部反強磁性層32は、下部固定磁化積層体33の下部第1固定磁化層34に交換相互作用を及ぼして下部第1固定磁化層34の磁化を所定の向きに固定する。また、上部反強磁性層42は、上部固定磁化積層体43の上部第1固定磁化層44に交換相互作用を及ぼして上部第1固定磁化層44の磁化を所定の向きに固定する。
下部固定磁化積層体33は、下部反強磁性層32側から下部第1固定磁化層34、下部非磁性結合層35、下部第2固定磁化層36が順に積層されてなる。下部固定磁化積層体33は、下部第1固定磁化層34の磁化と下部第2固定磁化層36の磁化とが反強磁性的に交換結合し、磁化の向きが互いに反平行となる、いわゆる積層フェリ構造を有する。また、上部固定磁化積層体43は、上部反強磁性層42側から上部第1固定磁化層44、上部非磁性結合層45、上部第2固定磁化層46が順に積層されてなる。上部固定磁化積層体43は、上部第1固定磁化層44の磁化と上部第2固定磁化層46の磁化とが反強磁性的に交換結合し、磁化の向きが互いに反平行となる、いわゆる積層フェリ構造を有する。
下部第1および第2固定磁化層34,36、および上部第1および第2固定磁化層44,46は、それぞれ膜厚1〜30nmのCo、Ni、およびFeのうち、少なくともいずれかを含む強磁性材料から構成される。この強磁性材料としては、例えば、CoFe、CoFeB、CoFeAl、NiFe、FeCoCu、CoNiFe等が挙げられる。
また、下部および上部第2固定磁化層36,46として、CoXZ(但しXはFeまたはMn、ZはAl、Si、Ga、Ge、Cu、Mg、V、Cr、In、Sn、B、およびNiから選択される少なくとも1種の元素である。)の一般式で表され、Co502525(但し、含有量は原子%で示している。)の組成でホイスラー合金の結晶構造を形成する強磁性材料を用いてもよい。CoXZ強磁性材料は、スピン依存バルク散乱係数が大きいので、磁気抵抗効果素子のΔRAを増加できる。下部および上部第2固定磁化層36,46の強磁性材料は保磁力が高くても磁気抵抗効果素子の特性に悪影響を及ぼさないため、スピン依存バルク散乱係数が大きい組成範囲から選択できる。
下部および上部第2固定磁化層36,46に特に好適な強磁性材料としてはCoFeAlが挙げられる。CoFeAlは、そのスピン依存バルク散乱係数が、CoFeのスピン依存バルク散乱係数と同程度で、その他の軟磁性材料よりも比較的大きなスピン依存バルク散乱係数を有する。さらに、CoFeAlの比抵抗はCoFeの比抵抗よりも大きい。これらの点から、下部および上部第2固定磁化層36,46にCoFeAlを用いることで、磁気抵抗変化量ΔRAを大幅に増加することができる。
また、下部および上部第1固定磁化層34,44として好適な強磁性材料としては、比抵抗が低い点で、Co60Fe40、NiFeが挙げられる。これは、下部および上部第1固定磁化層34,44の磁化は、それぞれ下部および上部第2固定磁化層36,46の磁化の向きに対して逆向きとなるので、スピン依存バルク散乱係数の符号がそれぞれ下部および上部第2固定磁化層36,46と同じ場合は、下部および上部第1固定磁化層34,44が磁気抵抗変化量ΔRAを低下させる方向に働く。このような場合、比抵抗の低い強磁性材料を用いることで、磁気抵抗変化量ΔRAの低下を抑制することができる。
下部非磁性結合層35は、その膜厚が下部第1固定磁化層34と下部第2固定磁化層36とが反強磁性的に交換結合する範囲に設定される。上部非磁性結合層45の膜厚も同様に上部第1固定磁化層44と上部第2固定磁化層46とが反強磁性的に交換結合する範囲に設定される。下部および上部非磁性結合層35,45の膜厚の範囲は、0.4nm〜1.5nm(好ましくは0.4nm〜0.9nm)である。下部および上部非磁性結合層35,45は、Ru、Rh、Ir、Ru系合金、Rh系合金、Ir系合金等の非磁性材料から構成される。Ru系合金としてはRuに、Co、Cr、Fe、Ni、およびMnのうちいずれか一つ、あるいはこれらの合金との非磁性材料が好適である。
なお、下部第1および第2固定磁化層34,36、および上部第1および第2固定磁化層44,46は、のそれぞれは、1層のみならず、2層以上の積層体としてもよく、この積層体は、その各々の層が同一の元素の組み合わせでかつ互いに異なる組成比の材料を用いてもよく、あるいは、互いに異なる元素を組み合わせた材料を用いてもよい。
さらに、図示を省略するが、下部第1固定磁化層34と下部反強磁性層32との間、および上部第1固定磁化層44と上部反強磁性層42との間のそれぞれに下部および上部第1固定磁化層34,44よりも飽和磁束密度が高い強磁性材料からなる強磁性接合層を設けてもよい。これにより、下部第1固定磁化層34と下部反強磁性層32との間、およびに上部第1固定磁化層44と上部反強磁性層42との間のそれぞれに働く交換相互作用を増加でき、下部および上部第1固定磁化層34,44の磁化の向きが所定の向きから変位したり反転したりする問題を回避できる。
下部および上部非磁性金属層37,47は、例えば、膜厚1.5nm〜10nmの非磁性の導電性材料より構成される。下部および上部非磁性金属層37に好適な導電性材料としてはCu、Al等が挙げられる。
下部および上部界面磁性層38,48は、CoNiFeを主成分とする強磁性材料(CoNiFeを全体の70原子%以上含有する。)からなる。下部および上部界面磁性層38,48は、CoNiFeにVあるいはBが添加されていてもよく、CoNiFeのみを含有するCoFeNi膜でもよい。下部および上部界面磁性層38,48を設けることで、これを設けない場合よりもスピン依存バルク散乱およびスピン依存界面散乱のいずれもが増加し、その結果、磁気抵抗変化量が増加する。特に、CoNiFe膜は、CoFeAl膜よりもスピン依存界面散乱係数が大きいため、スピン依存界面散乱の増加が著しい。これにより磁気抵抗変化量ΔRAの増加が顕著になる。
また、下部および上部界面磁性層38,48の膜厚は、0.3nm〜2.0nmの範囲に設定されることが好ましい。下部および上部界面磁性層38,48の膜厚は、大きいほどスピン依存バルク散乱が増加するので好ましいが、2.0nmを超えると下部および上部界面磁性層38,48の保磁力が増加し、下部および上部界面磁性層38,48と自由磁化層39との積層体全体の保磁力が極めて増加してしまう。また、下部および上部界面磁性層38,48の膜厚は、0.3nmを切るとスピン依存界面散乱の効果が低下してしまう。
図3は、下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜の組成を示す図である。図3は三角座標であり、三辺にCo、Ni、Feの各々の含有量(原子%)が示されている。
図3を図2と共に参照するに、CoNiFe膜は、その組成に応じてbcc(体心立方)構造あるいはfcc(面心立方)構造を有する。bcc構造とfcc構造の境界線FGは、CoFe側の点F(77、0、23)とNiFe側の点G(0、35、65)を結ぶ略直線状の曲線である。CoNiFe膜は、境界線FGをよりも高Ni含有量あるいは低Fe含有量側でfcc構造を有し、境界線FGをよりも低Ni含有量あるいは高Fe含有量側でbcc構造を有する。このCoNiFe膜の室温における等温状態図は、Osaka等による論文(Nature Vol. 392 (1998) pp. 796 − pp. 798)から引用したものである。この等温状態図は電気めっき法により作製されたCoNiFe膜についてのものである。しかし、スパッタ法により形成されたCoNiFe膜でも、略同様の組成に境界線FGが位置すると推察されるのでこの等温状態図を用いて説明する。
本願発明者等は、種々の検討により、fcc構造とbcc構造の境界線FG付近の組成範囲である図3に示す領域ABCDAの範囲内の組成から選択されることが、磁気抵抗変化量ΔRAが増加する点でより好ましいことを知得した。領域ABCDAは、点A(10、55、35)、点B(10、5、85)、点C(80、5、15)、点D(80、15、5)として、点A、点B、点C、点D、および点Aをこの順に直線で結んだ領域である。本願発明者等は、CoNiFe膜を単体の自由磁化層としていわゆるシングルスピンバルブ構造のGMR膜を形成し、磁気抵抗変化量ΔRAを検討したところ、図3に示す領域ABCDA内の組成で大きな磁気抵抗変化量ΔRAが得られることが分かった。
また、領域ABCDA内で、低Ni含有量側(辺BC側)の組成では、それよりも高Ni含有量側(辺AD側)の組成よりも高い磁気抵抗変化量ΔRAを示した。これは、CoNiFe膜の結晶構造がbcc構造の方が、fcc構造よりもスピン依存バルク散乱が大きくなるためと推察される。なお、辺ADよりも高Ni含有量の組成では、スピン依存バルク散乱の低下に加え、スピン依存界面散乱も低下してしまう。
また、下部および上部界面磁性層38,48のCoNiFe膜は、自由磁化層39との積層体の保磁力(以下、「積層体保磁力」と称する。)を低減できる点で、領域ABCDAの範囲内の組成を有することが好ましい。後ほど実施例で説明するが、界面磁性層38のCoFeNi膜の膜厚が0.3nmの場合、領域ABCDA内に含まれる全部の組成で積層体保磁力を低減できる。さらに、CoFeNi膜は、領域ABCDA内でかつFe含有量が30原子%以下でかつNi含有量が20原子%以上の組成では、積層体保磁力はCoFeNi膜の膜厚に略依存せず、0.3nm〜2.0nmの範囲で積層体保磁力を低減できる。
自由磁化層39は、例えば膜厚が2nm〜10nmのCoFeAl膜から構成される。CoFeAl膜のスピン依存バルク散乱係数がCoFeのスピン依存バルク散乱係数と同程度で、CoFeAl膜の比抵抗がCoFeの比抵抗よりも極めて大きい。そのため、自由磁化層39は、CoFe膜を用いた場合よりも磁気抵抗変化量ΔRAが極めて大きくなる。
図4は、自由磁化層のCoFeAl膜の組成と保磁力との関係を示す図である。図4は三角座標であり、三辺にCo、Fe、Alの各々の含有量(原子%)が示されている。また、図4に示す保磁力は、後述する実施例1において下部および上部界面磁性層を省略した以外は略同様の構成と形成方法で磁気抵抗効果素子を形成し、その磁気抵抗曲線から保磁力を求めたものである。すなわち、図4に示す保磁力は、下部および上部界面磁性層を設けない場合の保磁力を示している。
図4を参照するに、自由磁化層39のCoFeAl膜は、その組成範囲は、CoFeAl膜の三元系組成図において、各組成の座標を(Co含有量、Fe含有量、Al含有量)として表すと、点P(55,10,35)、点Q(37.5,27.5,35)、点R(62.5,27.5,10)、点S(77.5,12.5,10)、点T(62.5,12.5,25)として、点P、点Q、点R、点S、点T、および点Pをこの順にそれぞれ直線で結んだ領域PQRSTP(図中太線で囲まれた領域)内の組成に設定される。この範囲では、スピン依存バルク散乱係数が大きく、磁気抵抗効果素子20は高出力が得られる。
さらに、自由磁化層39の磁化は、外部から印加される信号磁界に対して、応答が良好であること望ましい。そのため、自由磁化層39の保磁力は小さいほどよい。この点で、CoFeAl膜の組成は、点P(55,10,35)、点U(50,15,35)、点V(50,20,30)、点W(55,25,20)、点X(60,25,15)、点Y(70,15,15)として、点P、点U、点V、点W、点X、点Y、および点Pをこの順にそれぞれ直線で結んだ領域PUVWXYP(図中太線と破線とで囲まれた領域)内の組成に設定されることが好ましい。これにより、ホイスラー合金組成であるCo50Fe25Al25に対して保磁力が低減される。その結果、磁気抵抗効果素子は高出力が得られると共に、信号磁界に対する感度が高まる。
保護層40は非磁性の導電性材料からなり、例えばRu、Cu、Ta、Au、Al、およびWのいずれかを含む金属膜から構成され、さらに、これらの金属膜の積層体から構成してもよい。保護層40は、以下に説明する反強磁性層32の反強磁性を出現させるための熱処理の際に自由磁化層39の酸化を防止できる。
次に第1例のGMR膜30の形成方法を、先の図2を参照しつつ説明する。
最初に、スパッタ法、蒸着法、あるいはCVD法等により、真空雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気で下地層31から保護層40までの各々の層を上述した材料を用いて順に堆積させる。
次いで、このようにして得られた積層体を所定の方向の磁界を印加しながら熱処理する。熱処理は、真空雰囲気で、例えば加熱温度250℃〜320℃、加熱時間約2〜4時間、印加磁界1592kA/mに設定する。この熱処理により、下部および上部反強磁性層32,42の磁化の方向が所定の方向に設定され、下部および上部固定磁化積層体33,43の各磁化層34,36,44,46の磁化の方向が固定される。以上により、第1例のGMR膜30が形成される。
第1例のGMR膜30は、自由磁化層39がCoFeAl膜からなるので、磁気抵抗変化量ΔRAが大きい。さらに、CoFeAl膜の上下に接してCoFeNiを主成分とする下部および上部界面磁性層38,48を設けることで、スピン依存界面散乱が増加し磁気抵抗変化量ΔRAがさらに増加する。したがって、高出力の磁気抵抗効果素子を実現できる。
またさらに、第1例のGMR膜30は、下部および上部界面磁性層38,48にCoFeNi膜を用いて、図3に示す領域ABCDAの範囲内の組成を選択することで、磁気抵抗変化量ΔRAがさらに増加する。また、CoFeNi膜を上記の所定の膜厚に設定することで、自由磁化層39と下部および上部界面磁性層38,48との積層体の保磁力が低減される。これにより、したがって、高出力でかつ信号磁界に対する感度が良好な磁気抵抗効果素子を実現できる。
なお、下部界面磁性層38および上部界面磁性層48は両方設けることが好ましいが、いずれか一方を省略してもよく、この場合でも、自由磁化層39との積層体の保磁力低減の効果を有する。この場合、自由磁化層39のCoFeAl膜にCoNiFe膜が接していない側にCoFe膜やCoFeB膜等を設けてもよい。
図5は、第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第2例のGMR膜の断面図である。第2例のGMR膜は、図2に示す第1例のGMR膜30の変形例である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図5を参照するに、第2例のGMR膜50は、下地層31、下部反強磁性層32、下部固定磁化積層体51、下部非磁性金属層37、下部界面磁性層38、自由磁化層39、上部界面磁性層48、上部非磁性金属層47、上部固定磁化積層体52、上部反強磁性層42、保護層40が順次積層された構成からなる。すなわち、GMR膜50は、図2に示す第1例のGMR膜20の下部および上部固定磁化積層体33,43の代わりに、下部および上部固定磁化積層体51,52を設けた構成を有する。
下部固定磁化積層体51は、下部第2固定磁化層36の下部非磁性金属層37側に下部第2界面磁性層53を有し、上部固定磁化積層体52は、上部第2固定磁化層46の上部非磁性金属層47側に上部第2界面磁性層54を有する。
下部および上部第2界面磁性層53,54は、それぞれ、例えば厚さが0.3nm〜3nmの範囲に設定されCoNiFe膜からなる。CoNiFe膜は、Ni含有量が55原子%以下でかつCoおよびFe含有量はNi含有量以外の残余の含有量に設定される。Ni含有量を55原子%を超えて設定すると、下部および上部非磁性金属層37,47にCu膜を用いた場合、このCuとCoNiFe膜のNiとが固溶する可能性があり、固溶すると磁気抵抗変化量ΔRAが低下してしまう。
さらに、下部および上部第2界面磁性層53,54のCoNiFe膜は、上述したように、図3のCoNiFe膜の組成を示す図において、領域ABCDAの範囲内の組成から選択されることが好ましい。この領域ABCDAの範囲内に設定することで、磁気抵抗変化量ΔRAを増加できる。
また、下部および上部第2固定磁化層36,46は第1例のGMR膜の下部および上部第2固定磁化層36,46と同様の材料から選択されるが、特に、CoFeAl膜を用いることが上述したように、スピン依存バルク散乱係数がCoFeと同程度でかつ比抵抗がCoFeよりも大きいので、磁気抵抗変化量ΔRAを増加できる点で好ましい。さらに、CoFeAl膜は、図4に示す領域PQRSTP内の組成に設定されることが好ましい。
第2例のGMR膜50は、第1例のGMR膜と同様の効果を有し、さらに下部および上部第2界面磁性層53,54を設けることにより磁気抵抗変化量ΔRAを第1例のGMR膜よりもさらに増加することができる。
図6は、第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第3例のGMR膜の断面図である。第3例のGMR膜は、図2に示す第1例のGMR膜30の変形例である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図6を参照するに、第3例のGMR膜60は、下地層31、反強磁性層32、固定磁化積層体33、非磁性金属層37、界面磁性層38、自由磁化層39、保護層40が順次積層された構成からなる。GMR膜60は、いわゆるシングルスピンバルブ構造を有し、図2に示す第1例のGMR膜30の上側のスピンバルブ構造を省略した以外は、第1例のGMR膜30と同様の構成を有する。なお、GMR膜60の各構成部分には、これに対応する、図2に示す第1例のGMR膜30の構成部分と同じ符号を用いており、また、各構成部分の名称の「下部」を省略している。
第3例のGMR膜60は、磁気抵抗変化量ΔRAは第1例の略半分となるが、第1例のGMR膜と同様の効果、すなわち、自由磁化層39にCoFeAl膜を採用することで磁気抵抗変化量ΔRAが大きく、さらに、CoFeAl膜に接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層38を設けることで、さらに、磁気抵抗変化量ΔRAを増加させることができる。したがって、高出力の磁気抵抗効果素子を実現できる。
なお、図6に示す第3例のGMR膜60において、第2固定磁化層36と非磁性金属層37との間に、図5に示す下部第2界面磁性層53をさらに設けてもよい。これにより、磁気抵抗変化量ΔRAをいっそう増加できる。
次に第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子の実施例を説明する。
[実施例1]
実施例1は、図2に示す第2例のGMR膜の構成を有する磁気抵抗効果素子を作製したものである。実施例1のNo.1〜No.5のサンプルの共通する構成を以下のようにした。
下地層:NiCr(4nm)
下部反強磁性層:IrMn(5nm)
下部第1固定磁化層:CoFe(3.5nm)
下部非磁性結合層:Ru(0.75nm)
下部第2固定磁化層:Co50Fe20Al30(4nm)
下部非磁性金属層:Cu(3.5nm)
下部界面磁性層:CoNiFe
自由磁化層:Co50Fe20Al30
上部界面磁性層:CoNiFe
上部非磁性金属層:Cu(3.5nm)
上部第2固定磁化層:Co50Fe20Al30(4nm)
上部非磁性結合層:Ru(0.75nm)
上部第1固定磁化層:CoFe(3.5nm)
上部反強磁性層:IrMn(5nm)
保護層:Ru(5nm)
なお、括弧内の数値は膜厚を示している。また、実施例1のNo.1〜No.5のサンプルは、下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜の組成および膜厚を次に説明する図7に示している。
さらに、自由磁化層のCo50Fe20Al30の膜厚は、下部界面磁性層、自由磁化層、および上部界面磁性層の飽和磁束密度膜厚積(飽和磁束密度Bs×膜厚t)の総和が同一となるように設定した。また、比較のため、比較例として下部および上部界面磁性層を省略した以外は実施例1と同様のサンプルを比較例1として作製した。なお、比較例1の自由磁化層の飽和磁束密度膜厚積の値を実施例1のNo.1〜No.5のサンプルと同一に設定した。
実施例1のNo.1〜No.5および比較例1の各サンプルを以下のようにして作製した。
最初に、熱酸化膜が形成されたシリコン基板上に、下部電極として、シリコン基板側からCu(250nm)とこれを覆うNiFe(50nm)の積層膜を形成し、次いで上記の組成および膜厚を有する下地層〜保護層までを超高真空(真空度:2×10-6Pa以下)雰囲気においてスパッタ装置を用いて基板の加熱を行わないで形成した。
次いで、下部および上部固定磁化積層体の磁化の方向を固定するための熱処理を行った。熱処理の条件は、加熱温度300℃、処理時間3時間、印加磁界1952kA/mとした。
次いで、このようにして得られた積層体をイオンミリングにより研削し、0.1μm2〜0.6μm2の範囲の6種類の接合面積を有する積層体を作製した。なお、各接合面積毎に40個の積層体を作製した。
次いで、このようにして得られた積層体をシリコン酸化膜で覆い、次いでドライエッチングにより保護層を露出させ、保護層に接触するようにAu膜からなる上部電極を形成した。素子サイズは0.1〜0.6μm2に設定した。
このようにして得られた実施例1のサンプルNo.1〜No.5および比較例1のそれぞれについて、外部磁界を−7.9kA/m〜7.9kA/mの範囲で掃引し、磁気抵抗変化量ΔR値を測定し、磁気抵抗曲線を得た。自由磁化層と下部および上部界面磁性層の積層体の保磁力は、得られた磁気抵抗曲線のヒステリシスから求めた。
図7は、実施例1の下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜の組成および膜厚と保磁力との関係を示す図である。
図7を参照するに、実施例1のサンプルNo.1〜5のCoNiFe膜の組成は、図4に示すCoNiFe膜の組成領域PQRSTP内である。実施例1のサンプルNo.1〜5では、比較例1に対して、CoNiFe膜の膜厚が0.3nmにおいて総ての組成で保磁力が低減されている。これは、自由磁化層のCoFeAl膜の上下に下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜を接して設けることにより、これらの積層体の保磁力がCoFeAl膜単体に対して低減されていることが分かる。
さらに、サンプルNo.1およびNo.3では、CoNiFe膜の膜厚が0.3nm〜0.9nmの総ての範囲で、比較例1よりも保磁力が低減されており、保磁力が膜厚の増加に対して略一定になっている。したがって、CoNiFe膜の膜厚を2nmまで増加させても保磁力が比較例1よりも増加しないことが容易に推察される。また、サンプルNo.1およびNo.3のCoNiFe膜の組成よりも高Ni含有量ではCoNiFe膜単体での保磁力は低下傾向にあるので、図3に示す領域ABCDA内でかつFe含有量が30原子%以下でかつNi含有量が20原子%以上の組成では、CoNiFe膜の膜厚が0.3nm〜2.0nmの範囲で、自由磁化層と下部および上部界面磁性層の積層体の保磁力は自由磁化層単体の保磁力に対して低減されることが容易に推察される。
また、実施例2として、実施例1のサンプルNo.4の構成で、下部および上部界面磁性層のCoFeNi膜の膜厚を0.3nmに設定したサンプルを実施例1とは別の実験で作製した。また、比較例2として、比較例1と同様の構成で、実施例2と同じ実験において作製した。
図8は、実施例2および比較例2の保磁力と磁気抵抗変化量ΔRAを示す図である。図8に示す保磁力は、実施例2では自由磁化層と下部および上部界面磁性層の積層体の保磁力であり、比較例2では自由磁化層単体の保磁力である。保磁力は実施例1と同様の方法で測定した。
図8を参照するに、実施例2は、自由磁化層と下部および上部界面磁性層の積層体の保磁力が比較例の自由磁化層の保磁力よりも低減されている。これは、下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜を自由磁化層に接して設けたことによる保磁力低減効果を示している。さらに、実施例2は、比較例2よりも磁気抵抗変化量ΔRAが増加している。これは、CoNiFe膜によりスピン依存界面散乱が増加したことによるものである。
なお、磁気抵抗変化量ΔRAは、以下のようにして求めた。まず、磁気抵抗変化量ΔRの測定し、次いで、磁気抵抗変化量ΔR値の平均値と接合面積Aとから単位面積の磁気抵抗変化量ΔRAを求めた。磁気抵抗変化量ΔRの測定は、センス電流の電流値を2mAに設定し、外部磁界を下部および上部第2固定磁化層の磁化方向に平行に−79kA/m〜79kA/mの範囲で掃引し、下部電極と上部電極との間の電圧をデジタルボルトメータにより測定し、磁気抵抗曲線を得た。そして、磁気抵抗曲線の最大値と最小値との差から磁気抵抗変化量ΔRを求めた。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッドは、磁気抵抗効果素子がトンネル磁気抵抗効果(以下、「TMR」と称する。)膜を有するものである。第2の実施の形態に係る磁気ヘッドの構成は、図1に示す磁気ヘッドのGMR膜30の代わりにTMR膜を設けた以外は、略同様であるので、磁気ヘッドの説明を省略する。
図9〜図11は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第1例〜第3例のTMR膜の断面図である。
図9〜図11を参照するに、第1例〜第3例のTMR膜70〜72は、先の図2、図5および図6に示したGMR膜30,50,60において、非磁性金属層(下部非磁性金属層)37、および上部非磁性金属層47を、それぞれ絶縁材料からなる非磁性絶縁層(下部非磁性絶縁層)37a,上部非磁性絶縁層47aに置き換えた以外は同様の構成からなる(以下、下部非磁性絶縁層37aおよび上部非磁性絶縁層47aを非磁性絶縁層37a,47aと略称する。)。
非磁性絶縁層37a,47aは、例えば厚さが0.2nm〜2.0nmからなり、Mg、Al、Ti、およびZrからなる群のうちいずれか1種の酸化物からなる。このような酸化物としては、MgO、AlOx、TiOx、ZrOxが挙げられる。ここで、xは各々材料の化合物の組成からずれた組成でもよいことを示す。特に、非磁性絶縁層37a,47aは、結晶質のMgOであることが好ましく、特にトンネル抵抗変化率が増加する点で、MgOの(001)面は、膜面に略平行であることが好ましい。また、非磁性絶縁層37a,47aはAl、Ti、およびZrからなる群のうちいずれか1種の窒化物、あるいは酸窒化物から構成されてもよい。このような窒化物としては、AlN、TiN、ZrNが挙げられる。
非磁性絶縁層37a,47aの形成方法は、スパッタ法、CVD法、蒸着法を用いて上記の材料を直接形成してもよく、スパッタ法、CVD法、蒸着法を用いて金属膜を形成後、酸化処理や窒化処理を行って酸化膜や窒化膜に変換してもよい。
単位面積のトンネル抵抗変化量は、第1の実施の形態の単位面積の磁気抵抗変化量ΔRAの測定と同様して得られる。単位面積のトンネル抵抗変化量は、自由磁化層39および第2固定磁化層36,46の分極率が大きいほど増加する。分極率は、絶縁層(非磁性絶縁層37a,47a)を介した強磁性層(自由磁化層39あるいは第2固定磁化層36,46)の分極率である。CoFeAl膜のスピン依存バルク散乱係数は、従来用いられてきたNiFeやCoFeよりも大きいため、第1の実施の形態と同様に、自由磁化層39にCoFeAl膜を用いることで、単位面積のトンネル抵抗変化量の増加が見込まれる。また、第2固定磁化層36,46にCoFeAl膜を用いることで、単位面積のトンネル抵抗変化量の増加もまた見込まれる。
自由磁化層39のCoFeAl膜の組成範囲は、第1の実施の形態で説明した自由磁化層のCoFeAl膜の組成範囲と同様の範囲(図4に示す領域PQRSTP)内の組成範囲、あるいは、領域PUVWXYP内の組成範囲に設定される。これにより、自由磁化層39の保磁力が低減される。
さらに、自由磁化層39のCoFeAl膜の上下に接してCoFeNiを主成分とする下部および上部界面磁性層38,48を設けることで、自由磁化層39と下部および上部界面磁性層38,48との積層体の保磁力が低減される。その結果、高出力で信号磁界に対する感度が良好なTMR膜を有する磁気抵抗効果素子を実現できる。
(第3の実施の形態)
図12は、本発明の実施の第2の実施の形態に係る磁気記憶装置の要部を示す平面図である。
図12を参照するに、磁気記憶装置100は大略ハウジング101からなる。ハウジング101内には、スピンドル(図示されず)により駆動されるハブ102、ハブ102に固定されスピンドルにより回転される磁気記録媒体103、アクチュエータユニット104、アクチュエータユニット104に支持され、磁気記録媒体103の径方向に駆動されるアーム105およびサスペンション106、サスペンション106に支持された磁気ヘッド108が設けられている。
磁気記録媒体103は面内磁気記録方式あるいは垂直磁気記録方式のいずれの磁気記録媒体でもよく、斜め異方性を有する記録媒体でもよい。磁気記録媒体103は磁気ディスクに限定されず、磁気テープであってもよい。
磁気ヘッド108は、図1に示したように、セラミック基板11の上に形成された磁気抵抗効果素子20と、その上に形成された誘導型記録素子13から構成される。誘導型記録素子13は面内記録用のリング型の記録素子でもよく、垂直磁気記録用の単磁極型の記録素子でもよく、他の公知の記録素子でもよい。磁気抵抗効果素子は、第1の実施の形態の第1例〜第3例のGMR膜の何れか、あるいは、第2の実施の形態の第1例〜第3例のTMR膜の何れかを備える。したがって、磁気抵抗効果素子は単位面積の磁気抵抗変化量ΔRA、あるいは単位面積のトンネル抵抗変化量が大きく、高出力である。さらに、自由磁化層の保磁力が低減されているので感度が高い。よって、磁気記憶装置100は、高記録密度記録に好適である。なお、本実施の形態に係る磁気記憶装置100の基本構成は、図12に示すものに限定されるものではない。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第3の実施の形態では、磁気記録媒体がディスク状の場合を例に説明したが、本発明は、磁気記録媒体がテープ状である磁気テープ装置でも適用できることはいうまでもない。また、磁気抵抗効果素子と記録素子とを備える磁気ヘッドを一例として説明したが、磁気抵抗効果素子のみを備える磁気ヘッドでもよい。さらに、複数の磁気抵抗効果素子が配置された磁気ヘッドでもよい。
なお、以上の説明に関してさらに以下の付記を開示する。
(付記1) 反強磁性層と、固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層されてなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、
前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、
前記CoFeAl膜の非磁性層側にCoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
(付記2) 前記固定磁化層は、反強磁性層側から第1の固定磁化層と、非磁性結合層と、第2の固定磁化層とが積層してなり、
前記第2の固定磁化層がCoFeAl膜からなり、
前記第2の固定磁化層の第1の非磁性層側にCoFeNiを主成分とする他の界面磁性層を有することを特徴とする付記1記載の磁気抵抗効果素子。
(付記3) 反強磁性層と、固定磁化層と、第1の非磁性層と、自由磁化層と、第2の非磁性層と、他の固定磁化層と、他の反強磁性層とが積層してなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、
前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、
前記CoFeAl膜の第1の非磁性層側、およびCoFeAl膜の第2の非磁性層側の少なくとも一方の側に、CoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
(付記4) 前記固定磁化層は、反強磁性層側から第1の固定磁化層と、非磁性結合層と、第2の固定磁化層とが積層してなり、
前記他の固定磁化層は、他の反強磁性層側から他の第1の固定磁化層と、他の非磁性結合層と、他の第2の固定磁化層とが積層してなり、
前記第2の固定磁化層および他の第2の固定磁化層がCoFeAl膜からなり、
前記第2の固定磁化層の第1の非磁性層側、および他の第2の固定磁化層の第2の非磁性層側にCoFeNiを主成分とする他の界面磁性層を有することを特徴とする付記3記載の磁気抵抗効果素子。
(付記5) 前記界面磁性層あるいは他の界面磁性層は実質的にCoNiFe膜からなり、
前記CoNiFe膜が、三元系の組成図において、各組成の座標を(Co含有量、Ni含有量、Fe含有量)として表すと、点A(10、55、35)、点B(10、5、85)、点C(80、5、15)、点D(80、15、5)として、点A、点B、点C、点D、および点Aをこの順に直線で結んだ領域ABCDAの範囲内の組成を有することを特徴とする付記1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子(但し、組成値は原子%で表す。)。
(付記6) 前記自由磁化層、第2の固定磁化層、および他の第2の固定磁化層のCoFeAl膜が、三元系の組成図において、各組成の座標を(Co含有量,Fe含有量,Al含有量)として表すと、点P(55,10,35)、点Q(37.5,27.5,35)、点R(62.5,27.5,10)、点S(77.5,12.5,10)、点T(62.5,12.5,25)として、点P、点Q、点R、点S、点T、および点Pをこの順にそれぞれ直線で結んだ領域内の組成を有することを特徴とする付記1〜5のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子(但し、各含有量は原子%で表す。)。
(付記7) 前記自由磁化層のCoFeAl膜が、三元系の組成図において、各組成の座標を(Co含有量,Fe含有量,Al含有量)として表すと、点P(55,10,35)、点U(50,15,35)、点V(50,20,30)、点W(55,25,20)、点X(60,25,15)、点Y(70,15,15)として、点P、点U、点V、点W、点X、点Y、および点Pをこの順にそれぞれ直線で結んだ領域内の組成を有することを特徴とする付記6記載の磁気抵抗効果素子(但し、各含有量は原子%で表す。)。
(付記8) 前記非磁性層が非磁性金属からなることを特徴とする付記1〜7のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子。
(付記9) 前記非磁性層が酸化物または窒化物からなる非磁性絶縁材料からなることを特徴とする付記1〜7のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子。
(付記10) 付記1〜9のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッド。
(付記11) 付記1〜9のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを備える磁気記憶装置。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッドの媒体対向面の要部を示す図である。 第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第1例のGMR膜の断面図である。 下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜の組成を示す図である。 自由磁化層のCoFeAl膜の組成と保磁力との関係を示す図である。 第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第2例のGMR膜の断面図である。 第1の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第3例のGMR膜の断面図である。 実施例1の下部および上部界面磁性層のCoNiFe膜の組成および膜厚と保磁力との関係を示す図である。 実施例2および比較例2の保磁力と磁気抵抗変化量ΔRAを示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第1例のTMR膜の断面図である。 第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第2例のTMR膜の断面図である。 第2の実施の形態に係る磁気抵抗効果素子を構成する第3例のTMR膜の断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気記憶装置の要部を示す平面図である。
符号の説明
10,108 磁気ヘッド
11 セラミック基板
12,25 アルミナ膜
13 誘導型記録素子
14 上部磁極
15 記録ギャップ層
16 下部磁極
20 磁気抵抗効果素子
21 下部電極
22 上部電極
23 絶縁膜
24 磁区制御膜
30,50,60 磁気抵抗効果(GMR)膜
31 下地層
32 反強磁性層(下部反強磁性層)
33,51 固定磁化積層体(下部固定磁化積層体)
34 第1固定磁化層(下部第1固定磁化層)
35 非磁性結合層(下部非磁性結合層)
36 第2固定磁化層(下部第2固定磁化層)
37 非磁性金属層(下部非磁性金属層)
37a 非磁性絶縁層(下部非磁性絶縁層)
38 界面磁性層(下部界面磁性層)
39 自由磁化層
40 保護層
42 上部反強磁性層
43,52 上部固定磁化積層体
44 上部第1固定磁化層
45 上部非磁性結合層
46 上部第2固定磁化層
47 上部非磁性金属層
47a 上部非磁性絶縁層
48 上部界面磁性層
53 下部第2界面磁性層
54 上部第2界面磁性層
70〜72 トンネル磁気抵抗効果(TMR)膜
100 磁気記憶装置

Claims (5)

  1. 反強磁性層と、固定磁化層と、非磁性層と、自由磁化層とが積層されてなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、
    前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、
    前記CoFeAl膜の非磁性層側にCoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 反強磁性層と、固定磁化層と、第1の非磁性層と、自由磁化層と、第2の非磁性層と、他の固定磁化層と、他の反強磁性層とが積層してなるCPP型の磁気抵抗効果素子であって、
    前記自由磁化層はCoFeAl膜を含み、
    前記CoFeAl膜の第1の非磁性層側、およびCoFeAl膜の第2の非磁性層側の少なくとも一方の側に、CoFeAl膜と接してCoFeNiを主成分とする界面磁性層を有することを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  3. 前記固定磁化層は、反強磁性層側から第1の固定磁化層と、非磁性結合層と、第2の固定磁化層とが積層してなり、
    前記他の固定磁化層は、他の反強磁性層側から他の第1の固定磁化層と、他の非磁性結合層と、他の第2の固定磁化層とが積層してなり、
    前記第2の固定磁化層および他の第2の固定磁化層がCoFeAl膜からなり、
    前記第2の固定磁化層の第1の非磁性層側、および他の第2の固定磁化層の第2の非磁性層側にCoFeNiを主成分とする他の界面磁性層を有することを特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記界面磁性層は実質的にCoNiFe膜からなり、
    前記CoNiFe膜が、三元系の組成図において、各組成の座標を(Co含有量、Ni含有量、Fe含有量)として表すと、点A(10、55、35)、点B(10、5、85)、点C(80、5、15)、点D(80、15、5)として、点A、点B、点C、点D、および点Aをこの順に直線で結んだ領域ABCDAの範囲内の組成を有することを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子(但し、組成値は原子%で表す。)。
  5. 請求項1〜4のうち、いずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を有する磁気ヘッドと、磁気記録媒体とを備える磁気記憶装置。
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