JP2007220994A - 半導体レーザ装置およびそれを用いた光集積回路 - Google Patents

半導体レーザ装置およびそれを用いた光集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】入力されたレーザ光の状態に応じて異なるレーザ光を出力できる新規な半導体レーザ装置、およびそれを用いた光集積回路を提供する。
【解決手段】本発明の半導体レーザ装置は、活性層26を含む半導体レーザ10を備える。活性層26は、互いに対向する端面26Aおよび端面26Bと、互いに対向する2つの端面とを有する。それら4つの端面は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点32A〜32Dの位置に存在する。半導体レーザ10は、対角線32ABに沿って端面26Aから出射されるレーザ光(La)と、仮想の菱形の経路32に沿って伝搬するレーザ光が端面26Aから出射されたレーザ光(Lr)とを、それぞれの強度を変化させて出射することが可能である。レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度とは、半導体レーザ10に入射されるレーザ光35および36と上記電流とによって制御される。
【選択図】図8

Description

本発明は、半導体レーザ装置、およびそれを用いた光集積回路に関する。
従来から、光集積回路に利用可能な光スイッチが提案されている(たとえば特許文献1)。特許文献1の光スイッチでは、入力される光に応じて偏光状態が異なるレーザ光を出射する半導体レーザを光スイッチとして用いている。偏光状態が異なる2種類のレーザ光は、偏光ビームスプリッタによって分離され、異なる方向に分岐される。このようにして、特許文献1の光スイッチでは、入力光に応じて異なる方向にレーザ光が出射される。特許文献1の光スイッチでは、異なる方向にレーザを出射するために、偏光ビームスプリッタが必要である。
特開2001−102692号公報
このような状況において、本発明は、入力されたレーザ光の状態に応じて異なるレーザ光を出力できる新規な半導体レーザ装置、およびそれを用いた光集積回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、半導体レーザ(LD1)を備える半導体レーザ装置であって、前記半導体レーザ(LD1)は、活性層(A)と、前記活性層(A)の両側に配置された2つのクラッド層(C)と、前記活性層(A)に電流を注入するための電極(E1)および電極(E2)とを備え、前記活性層(A)は、互いに対向する端面(S1)および端面(S2)と、互いに対向する端面(S3)および端面(S4)とを有し、前記端面(S1)〜(S4)は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点の位置に存在し、前記半導体レーザ(LD1)は、前記第1の頂点と前記第2の頂点とを結ぶ方向に沿って前記端面(S1)から出射されるレーザ光(La)と、前記仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光が前記端面(S1)から出射されたレーザ光(Lr)とを、それぞれの強度を変化させて出射することが可能であり、前記レーザ光(La)の強度と前記レーザ光(Lr)の強度とが、前記半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と前記電流とによって制御される。
また、本発明の光集積回路は、光スイッチを含む光集積回路であって、前記光スイッチが上記本発明の半導体レーザ装置であり、前記半導体レーザ装置に含まれる前記半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と前記活性層(A)に注入する前記電流とを変化させることによって、前記レーザ光(La)の強度と前記レーザ光(Lr)の強度とが変化する。
以下、本発明について例を挙げて説明する。ただし、本発明は以下で挙げる例には限定されない。
[半導体レーザ装置]
本発明の半導体レーザ装置は、半導体レーザ(半導体レーザダイオードLD1)を備える半導体レーザ装置である。
半導体レーザ(LD1)は、活性層(A)と、活性層(A)の両側に配置された2つのクラッド層(C)と、活性層(A)に電流を注入するための電極(E1)および電極(E2)とを備える。クラッド層(C)を含む光閉じ込め層と、活性層(A)とは、共振器として機能する。活性層(A)に電流を注入することによって、2次元方向に広がる活性層(A)を共振器として生じる、特定のモードのレーザ光を励起できる。
活性層(A)は、互いに対向する端面(S1)および端面(S2)と、互いに対向する端面(S3)および端面(S4)とを有する。端面(S1)〜(S4)は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点の位置に存在する。
端面(S1)からレーザ光(La)が出射される。通常、外部からのレーザ光(L)は、端面(S2)から活性層(A)の内部に入射される。本発明の効果が得られる限り端面(S1)および端面(S2)の形状に限定はないが、これらの端面は、外側に凸の曲面であってもよい。端面(S1)および端面(S2)の典型的な一例は、円柱の外周面の一部の曲面と同じ曲面である。
端面(S3)および端面(S4)は、通常、平面である。端面(S3)および端面(S4)には、ミラーコートがされていてもよい。
半導体レーザ(LD1)は、レーザ光(La)とレーザ光(Lr)とをそれぞれの強度を変化させて出射することが可能である。レーザ光(La)は、仮想の菱形の第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向に沿って端面(S1)から出射されるレーザ光(以下、「軸方向のレーザ光」という場合がある)である。通常、レーザ光(La)は、第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向から10°未満(たとえば5°未満)の方向に出射されるレーザ光である。すなわち、この明細書において、「第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向に沿って出射される」とは、第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向から±10°未満の方向に出射される場合を含む意味である。
レーザ光(Lr)は、仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光が端面(S1)から出射されたレーザ光である。なお、活性層の外部(大気)の屈折率と活性層の屈折率とは異なるため、端面(S1)から出射された光は、通常、菱形の経路の一辺の延長線上からずれた方向に出射される。レーザ光(Lr)が出射される角度は、仮想の菱形の形状、活性層の屈折率、および端面(S1)の形状といった条件によって変化する。通常、第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向とレーザ光(Lr)の出射方向とがなす角度は、10°以上(たとえば15°以上)であり、30°以下(たとえば25°以下)である。
レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度とは、半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と、活性層(A)に注入される電流とによって制御される。したがって、本発明の半導体レーザ装置では、半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)に応じて、異なるレーザ光を出射することが可能である。そのため、本発明の半導体レーザ装置は、光スイッチとして利用することが可能である。
活性層(A)の平面形状が環状(たとえば、三角環状や四角環状といった多角環状)である場合、レーザ光(La)を出射することが難しくなる。そのため、活性層(A)の平面形状は、通常、環状ではない。さらに、活性層(A)に加えて、2つのクラッド層(C)の平面形状も環状でないことが好ましい。具体的には、活性層(A)およびクラッド層(C)は、仮想の菱形内の領域に貫通孔が形成されていないことが好ましい。通常、活性層(A)と2つのクラッド層(C)とは、同じ平面形状を有する。なお、この明細書において「平面形状」とは、各層の主面に平行な断面における形状であり、別の観点では、各層の積層方向に垂直な断面における形状である。
クラッド層(C)は、活性層(A)内に光を閉じ込めるための層である。クラッド層(C)の屈折率は、活性層(A)の屈折率よりも小さい。2つのクラッド層(C)は、活性層(A)を挟むように配置される。なお、クラッド層(C)と活性層(A)との間に、他の層が配置されていてもよい。
活性層(A)は、仮想の菱形を含む第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域とを含んでもよい。そして、その第1の領域の平面形状は長方形の短辺を外側に凸の曲線とした形状であってもよい。この場合、第1の領域と第2の領域とによって構成される活性層(A)の平面形状は、略H字状であってもよい。
本発明の半導体レーザ装置は、レーザ光(L)を出射する半導体レーザ(半導体レーザダイオードLD2)をさらに備えてもよい。
半導体レーザ(LD1)の一例では、電流の注入によってレーザ光(La)が励起され、レーザ光(L)によってレーザ光(Lr)が励起される。そのような半導体レーザ(LD1)の電極(E1)および電極(E2)は、活性層(A)への電流の注入によってレーザ光(La)を生じさせることができるように形成された電極である。レーザ光(L)は、たとえば、仮想の菱形の一辺に沿うように端面(S2)から入射される。電流の注入によってレーザ光(La)を出射している半導体レーザ(LD1)に、レーザ光(L)を入射させることによって、レーザ光(La)の強度を弱くし、レーザ光(Lr)の強度を強くすることが可能である。
半導体レーザ(LD2)は、単一の方向にレーザ光を出射する一般的な半導体レーザであってもよい。
また、半導体レーザ(LD2)は、二次元的に広がる活性層内を伝搬するレーザ光の一部を出射する半導体レーザであってもよい。そのような半導体レーザ(LD2)は、活性層(a)と、活性層(a)の両側に配置された2つのクラッド層(c)と、活性層(a)に電流を注入するための電極(e1)および電極(e2)とを備える。活性層(a)は、互いに対向する端面(s1)および端面(s2)と、互いに対向する端面(s3)および端面(s4)とを有する。これらの端面(s1)〜(s4)は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点の位置に存在する。この場合、レーザ光(L)は、仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光の一部が端面(s1)から出射されたレーザ光である。このような半導体レーザ(LD2)では、活性層(a)に所定の電流を注入することによって、仮想の菱形の経路を、時計回りに周回するレーザ光と、反時計回りに周回するレーザ光とを励起することが可能である。したがって、半導体レーザ(LD2)は、時計回りに伝搬するレーザ光の一部が出射されたレーザ光(L1)と、反時計回りに伝搬するレーザ光の一部が出射されたレーザ光(L2)とを出射できる。
仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光を励起するために、電極(e1)および電極(e2)から選ばれる少なくとも1つの電極が、菱形の経路に実質的に対応するように半導体層と接触することが好ましい。この場合、上記少なくとも1つの電極と半導体層とが環状に接触していてもよい。なお、この明細書において、「菱形の経路に実質的に対応するように」とは、菱形の経路に完全に対応する場合に加えて、菱形の経路の50%以上(好ましくは、70%以上でより好ましくは90%以上)に対応する場合を含む。また、「環状に接触」とは、接触している領域が実質的に環を形成していればよく、完全に連続した環でなくともよいことを意味している。また、菱形の経路に対応する上記領域の面積は、活性層(a)の平面形状の面積に対して通常50%以下であり、たとえば30%以下や10%以下である。
これらのレーザ光(L1)および(L2)の少なくとも1つを半導体レーザ(LD1)の活性層(A)に入射させることによって、レーザ光(Lr)を励起することができる。この場合、レーザ光(L1)およびレーザ光(L2)のいずれかを半導体レーザ(LD1)に入射させるかによって、レーザ光(Lr)の方向を変化させることが可能であると考えられる。また、レーザ光(L1)および(L2)の両方を半導体レーザ(LD1)に入射させることによって、レーザ光(Lr)を同時に2方向に出射させることが可能である。
半導体レーザ(LD2)の活性層(a)は、活性層(A)と同じ平面形状を有してもよい。この構成では、活性層(A)と同じ形状を有する活性層(a)内において菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光が励起されるため、半導体レーザ(LD2)から出射されたレーザ光によってレーザ光(Lr)を励起することが容易になる。ただし、レーザ光(Lr)を励起できる限り、活性層(A)の平面形状と活性層(a)の平面形状とは異なってもよい。
また、本発明の半導体レーザ装置の別の一例では、電極(E1)および電極(E2)は、電流の注入によってレーザ光(Lr)が励起されるように形成された電極であり、レーザ光(L)は、レーザ光(La)を励起するように半導体レーザ(LD1)に入射される。仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光を励起するための電極は、半導体レーザ(LD2)の一例の電極として上述したものと同じである。半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)は、軸方向のレーザ光(La)を励起するために、半導体レーザ(LD1)の仮想の菱形の第1の頂点と第2の頂点とを結ぶ方向に沿って入射される。この例では、電流の注入によってレーザ光(Lr)が励起され、レーザ光(L)の入射によってレーザ光(La)が励起される。この場合、半導体レーザ(LD2)は、レーザ光(La)を励起できる半導体レーザである限り、どのような半導体レーザであってもよい。
本発明の半導体レーザ装置の半導体レーザを構成する半導体および積層構造に特に限定はなく、利用するレーザ光の波長などに応じて選択される。半導体層の材料の一例としては、たとえば、III−V族化合物半導体が挙げられる。半導体レーザ(LD1)と半導体レーザ(LD2)とは、通常、積層構造が同じであり、各層を構成する材料も同じである。ただし、本発明の効果が得られる限り、両者は、積層構造が異なってもよく、各層を構成する材料が異なってもよい。
[レーザ光制御装置]
本発明の半導体レーザ装置は、レーザ光制御装置の一部として利用することが可能である。このレーザ光制御装置は、上記本発明の半導体レーザ装置を含み、さらに、半導体レーザ装置に含まれる半導体レーザ(LD1)の活性層(A)に注入する電流を制御するための電流制御手段を含む。このレーザ光制御装置は、半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と活性層(A)に注入する電流とを変化させることによって、レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度とを変化させる。
レーザ光(L)の強度は、たとえば半導体レーザ(LD2)の出力を変化させることによって制御できる。電流制御手段には、半導体レーザを駆動するための一般的な電源を適用できる。
[光集積回路]
本発明の半導体レーザ装置は、光集積回路の一部として利用することが可能である。
本発明の光集積回路は、光スイッチを含む光集積回路である。その光スイッチは、上述した本発明の半導体レーザ装置である。この光集積回路では、半導体レーザ装置に含まれる半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と活性層(A)に注入される電流とを変化させることによって、レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度とが変化する。
[半導体レーザ装置の一例]
以下、実施可能な半導体レーザ装置の一例について説明する。半導体レーザ装置の一例の斜視図を図1に示し、図1の線II−IIにおける断面図を図2に示す。なお、本発明の説明に用いる図面は模式的なものであり、理解が容易なように各部の縮尺を変更している。
図1の半導体レーザ装置100は、基板11を含む。また、装置100は、半導体レーザ10(半導体レーザ(LD1))と、半導体レーザ50(半導体レーザ(LD2))とを含む。半導体レーザ10と半導体レーザ50とは、モノリシックに形成されている。
以下、半導体レーザ10について説明する。半導体レーザ10は、基板11と、基板11上に形成された半導体層20と、半導体層20上に形成された絶縁層12および第1の電極13(電極(E1))と、基板11の裏面側の全面に形成された第2の電極14(電極(E2))とを含む。
図2を参照して、半導体層20は、基板11側から順に積層された、バッファ層21、バッファ層22、グレーデッド層23、クラッド層24、グレーデッド層25、活性層26、グレーデッド層27、クラッド層28およびキャップ層29を含む。キャップ層29の上には、パターニングされた絶縁層12が形成されている。絶縁層12上には、第1の電極13が形成されている。絶縁層12には貫通孔が形成されているため、第1の電極13とキャップ層29とは、貫通孔が形成されている領域31で接触する。この領域31を介して半導体層20に電流が注入される。
半導体レーザ10の活性層26を上方から見たときの平面形状を図3および図4に示す。図4には、第1の電極13と半導体層20(キャップ層29)とが接触している領域31の部分を斜線で示す。なお、半導体層20を構成する各層(たとえばクラッド層)は、活性層26と同じ平面形状を有する。
図3を参照して、活性層26は、仮想の菱形の経路32を含む面状に形成された薄膜である。経路32の第1から第4の頂点32A〜32Dのうち、第1および第2の頂点32Aおよび32Bは、第3および第4の頂点32Cおよび32Dよりも角度が小さい。活性層26は、頂点32A〜32Dを含むように配置された第1から第4の端面(ミラー面)26A〜26Dを有する。第1および第2の端面26Aおよび26Bは、外側に向かって凸の曲面である。第3および第4の端面26Cおよび26Dは、フラットな平面である。
活性層26は、第1の領域26Fと、第1の領域に隣接する4つの第2の領域26Sとを備える。第1の領域26Fの平面形状は、長方形の短辺を外側に凸の曲線とした形状である。経路32は、第1の領域26F内に形成される。第1の領域26Fと第2の領域26Sとによって構成される活性層26は、略H字状の形状(より詳しくはHの字を横に引き延ばした形状)をしている。活性層26の第1の頂点32Aと第2の頂点32Bとの間の距離Lf(図3参照)は600μmであり、第3の頂点32Cと第4の頂点32Dとの間の距離Wは60μmである。
本発明で用いられる半導体レーザ(LD1)の活性層では、W/Lfの値が、たとえば0.05以上0.32以下である。これに対して、直線状のキャビティーを有する従来の一般的な半導体レーザのキャビティーでは、幅/長さの値が、通常0.02以下である。
第1の電極13とキャップ層29とが接触している領域31は、第1の領域26Fのほぼ全域に対応するように、第1の領域26Fの中央部に形成されている。ただし、領域31は、第1の領域26Fよりは面積が小さい。領域31は、長さが590μmで幅が50μmの長方形とほぼ同じ形状であるが、短辺が外側に膨らんでいる。通常、領域31は、第1の頂点32Aと第2の頂点32Bとを結ぶ対角線32ABの50%以上(たとえば98%以上)をカバーする。また、通常、領域31は、菱形の経路32の50%以上(たとえば81%以上)をカバーする。なお、領域31は、軸方向のレーザ光(La)を励起するための部分と、レーザ光(Lr)を励起するための部分とに分割されていてもよい。
第1の電極13と第2の電極14との間に電圧を印加して活性層26にキャリアを注入すると、活性層26で光が励起される。この光は、光閉じ込め層(グレーデッド層25および27ならびにクラッド層24および28)によって閉じこめられて、活性層26およびその近傍を移動する。
半導体レーザ10では、第1の電極13が、端面26Aと端面26Bとを結ぶ方向(以下、「軸方向A」という場合がある)に沿って形成されているため、電流の注入によって、軸方向Aに沿ったレーザ光が励起される。そのため、電流の注入によって、図4に示すように、軸方向Aに沿ったレーザ光(La)が端面26Aから出射される。
4つの第2の領域26Sは、第1の領域26Fで発生したレーザ光が端面26Cおよび26Dで多重反射されることによって発生するモードを抑制するために形成される。装置10では、第1の頂点32Aと第2の頂点32Bとを結ぶ対角線32ABに平行な方向における第2の領域26Sの長さLs(図3参照)が160μmである。また、Lf/4は150μmである。このように、Lf/4<Lsが満たされる場合、上記モードが特に抑制される。また、第3の頂点32Cと第4の頂点32Dとを結ぶ対角線32CDの方向における第2の領域26Sの長さWsは70μmである。
端面26Aおよび26Bの形状は、それぞれ、円柱の曲面の一部の形状である。具体的には、対角線32AB上であって活性層26の表面と垂直に中心軸が配置された円柱の曲面の一部と同じ形状である。その円柱の半径、すなわち端面26Aの曲率半径R1(図3参照)は600μmであり、端面26Bの曲率半径R2(図示せず)も同じく600μmである。活性層26の平面形状は、対角線32ABに対して線対称の形状であり、また、対角線32CDに対して線対称の形状である。ただし、活性層を含む半導体層の平面形状は必ずしも線対称の形状ではなくともよく、たとえば、端面26Bは、端面26Aとは曲率が違う曲面であってもよい。また、端面26Aおよび/または端面26Bは、平面であってもよい。
基板11、半導体層20、絶縁層12、第1の電極13および第2の電極14の材料および膜厚について、表1に示す。表1において、一部の半導体層については、バンドギャップEgと、多数キャリアおよびその濃度についても示す。
Figure 2007220994
なお、第1の電極13および第2の電極14を構成する各層は、熱処理によって合金化されていてもよい。また、表1に示す構成は一例であり、半導体レーザに求められる特性に応じて適宜変更される。
バッファ層21および22、ならびにグレーデッド層23は、品質が高いIII−V族化合物半導体結晶を得るために形成される。
グレーデッド層23のアルミニウムの組成比Xは、バッファ層22側からクラッド層24側に向かって徐々に増加する。具体的には、組成比Xは、バッファ層22との界面では0.2であり、クラッド層24との界面では0.5である。
グレーデッド層25において、ドーパントであるSiの濃度はクラッド層24側から活性層26側に向かって徐々に減少する。具体的には、クラッド層24との界面では約1×1018cm-3であり、活性層26との界面では約1×1017cm-3である。また、グレーデッド層25のアルミニウムの組成比Xも、クラッド層24側から活性層26側に向かって放物線状に減少する。具体的には、組成比Xは、クラッド層24との界面では0.5であり、活性層26との界面では0.2である。
グレーデッド層27において、ドーパントであるC(炭素)の濃度は活性層26側からクラッド層28側に向かって徐々に増加する。具体的には、活性層26との界面では約1×1017cm-3であり、クラッド層28との界面では約1×1018cm-3である。また、グレーデッド層27のAlの組成比Xも、活性層26側からクラッド層28側に向かって放物線状に増加する。具体的には、組成比Xは、活性層26との界面では0.2であり、クラッド層28との界面では0.5である。
半導体層20のバンドギャッププロファイルを図5に模式的に示す。グレーデッド層25のバンドギャップは、クラッド層24から活性層26側に向かって2.0eVから1.7eVまで放物線状に減少する。グレーデッド層27のバンドギャップは、活性層26からクラッド層28側に向かって1.7eVから2.0eVまで放物線状に増加する。
半導体レーザ10は、いわゆる単一量子井戸形のレーザであり、2つの電極から活性層26にキャリアが注入されることによってレーザ発振が開始される。なお、活性層26は、多重量子井戸形などの他の形態であってもよい。
クラッド層24〜クラッド層28までの屈折率の変化を図6に模式的に示す。クラッド層24、グレーデッド層25、グレーデッド層27およびクラッド層28は、活性層26内に光を閉じこめるために活性層26よりも屈折率が低い材料からなる。活性層26の屈折率が最も高いため、活性層26で発生した光は、活性層26および光閉じ込め層(グレーデッド層25および27ならびにクラッド層24および28)に閉じこめられる。
なお、第1の電極13および第2の電極14の形状は、電流の注入によってレーザ光(La)を励起でき且つレーザ光(L)の入射によってレーザ光(Lr)を励起できる限り、他の形状であってもよい。
次に、半導体レーザ50について説明する。半導体レーザ50は、第1の電極13と半導体層20(キャップ層29)とが接触している領域の形状のみが半導体レーザ10と異なるため、重複する説明は省略する。
半導体レーザ50の活性層26’(活性層(a))の平面形状を図7に示す。また、第1の電極13(電極(e1))とキャップ層29とが接触している領域51の位置および形状を図7に示す。図7において、図3の「26A」を「26a」と示すように、大文字を小文字とすることによって対応する部分を示す場合がある。
領域51は、仮想の菱形の経路32’に対応するように形成される。領域51が経路32’に完全に対応していないのは、絶縁層12に貫通孔を形成する際に、製造工程上の制限があるためである。経路32’に完全に対応するように領域51を公知の方法で形成する場合、製造工程が複雑になる。
第1の電極13(電極(e1))と第2の電極14(電極(e2))との間に電圧を印加して活性層26’にキャリアを注入すると、活性層26’で光が発せられる。この光は、グレーデッド層25および27ならびにクラッド層24および28によって閉じこめられて主に活性層26’内を移動する。そのような光の中で、仮想の菱形の経路32’上を進行する光は、端面26a〜26dによって反射されながら誘導放出を生じる。このため、経路32’を光路として伝搬するレーザ光(L1)が発生する。同様に、経路32’を光路としてレーザ光(L1)とは反対の方向に伝搬するレーザ光(L2)が発生する。これら2つのレーザ光のうちの一部が、第1の端面26aの第1の頂点32aから出射され、第1および第2のレーザ光35および36(レーザ光(L1)および(L2))となる(図7参照)。レーザ光35および36は、半導体レーザ10のレーザ光(Lr)を励起するレーザ光(L)である。半導体レーザ50から出射されるレーザ光35および36と、半導体レーザ10の活性層26との関係について、図8に模式的に示す。
図8に示すように、活性層26内の仮想の菱形の対角線32ABと、活性層26’内の仮想の菱形の対角線32abとが、同じ直線上またはその近傍に配置されるように、半導体レーザ10および半導体レーザ50が配置される。また、レーザ光(Lr)の励起が容易になるように、活性層26の端面26Bと活性層26’の端面26aとは近接して配置されている。この一例では、両者の間隔Gは4μmである。
半導体レーザ50の活性層26’の端面26aからは、仮想の菱形の経路32’の一辺32adの延長方向に近い方向にレーザ光35が出射される。また、端面26aからは、経路32’の一辺32acの延長方向に近い方向にレーザ光36が出射される。レーザ光35は、半導体レーザ10の仮想の菱形の経路32の一辺32BCに沿って活性層26に入射し、レーザ光(Lr)を励起する。レーザ光36は、経路32の一辺32BDに沿って活性層26に入射し、レーザ光(Lr)を励起する。レーザ光35によって励起されたレーザ光(Lr)は、端面26Aから、経路32の一辺32ACの延長方向に近い方向に出射される。また、レーザ光36によって励起されたレーザ光(Lr)は、端面26Aから、経路32の一辺32ADの延長方向に近い方向に出射される。
なお、半導体レーザ50の第1の電極13は、利得が発生する電流を注入する第1の部分と、第1の部分よりも少ない電流を注入する第2の部分とを含んでもよい。そのような電極と半導体層20(キャップ層29)とが接触する領域の形状と、活性層26の平面形状と、経路32との関係を図9に示す。図9では、第1の部分がキャップ層29と接触する領域51aと、第2の部分がキャップ層29と接触する領域51bとを、ハッチングを付して示している。領域51aは経路32’の1つの辺に対応する位置に形成され、領域31bは他の3つの辺に対応する位置に形成される。このような電極は、絶縁層12の形状を変更することによって容易に形成できる。
半導体レーザ50では、活性層に注入される電流がしきい値電流を超えると、図7に示すように、第1および第2のレーザ光35および36が出射される。
以下に、半導体レーザ装置100の動作について説明する。半導体レーザ10単体に185mAの電流を注入して連続発振させたときの、レーザ光の光強度の角度依存性を図10に示す。図10に示すように、ほぼ0°の方向(対角線32ABの方向)に、強度がほぼ等しい2つのレーザ光が出射された。2つのレーザ光の波長は約864nmであった。このように、半導体レーザ50は、軸方向Aにレーザ光(La)を出射した。なお、図10において、出射されるレーザ光が2つのピークに分かれているのは、高次のモードが励起されているためである。また、注入する電流を152mAまたは169mAとした場合、レーザ光の光強度は小さくなったが、ピークの位置は変わらなかった。
半導体レーザ50単体に168mAの電流を注入して連続発振させたときの、レーザ光の光強度の角度依存性を図11に示す。図11に示すように、0°の方向(対角線32abの方向)からの角度がほぼ等しい方向に、2つのレーザ光が出射された。2つのレーザ光の波長は約864nmであった。また、2つのレーザ光が対角線32abの方向となす角度は、それぞれ約19°であった。このように、半導体レーザ50は、対角32abに対して対称な方向に、強度がほぼ等しく、よくコリメートされた2つのレーザ光を出射した。また、注入する電流を139mAまたは153mAとした場合、レーザ光の光強度は小さくなったが、ピークの位置は変わらなかった。
次に、半導体レーザ10に152mAの電流を注入して連続発振させた状態で、半導体レーザ50に注入する電流を変えた。半導体レーザ50に注入する電流を変えたときに、半導体レーザ10の端面26Aから出射されるレーザ光の光強度の角度依存性を図12(a)〜(c)に示す。図12(a)、(b)および(c)は、それぞれ、半導体レーザ50に注入した電流が、(a)0mA、(b)153mA、(c)168mAの場合に対応している。
図12(a)に示すように、半導体レーザ50からレーザ光が出射されていない状態では、図10と同様に、半導体レーザ10の端面26Aから、軸方向のレーザ光(La)が出射された。半導体レーザ50から出射されるレーザ光が強くなると、図12(b)に示すように、軸方向のレーザ光(La)が弱くなり、菱形の経路から出射されるレーザ光(Lr)のピークが現れた。そして、半導体レーザ50から出射されるレーザ光がさらに強くなると、図12(c)に示すように、軸方向のレーザ光(La)のピークがほとんど消え、実質的にレーザ光(Lr)のピークのみとなった。
このように、レーザ光(La)を励起するために注入している電流が一定であるにもかかわらず、レーザ光(Lr)を励起するレーザ光(L)の強度が変化すると、レーザ光(La)の強度が変化した。
なお、半導体レーザ10から出射されるレーザ光を、半導体レーザ50のレーザ光(La)を励起するためのレーザ光(L)として用いてもよい。そのような場合の実験例を以下に説明する。この例では、半導体レーザ50に139mAの電流を注入して連続発振させた状態で、半導体レーザ10に注入する電流を変化させた。半導体レーザ50の端面26bから出射されるレーザ光の光強度の角度依存性を、図13(a)〜(c)に示す。図13(a)、(b)および(c)は、それぞれ、半導体レーザ10に注入した電流が、(a)0mA、(b)185mA、(c)199mAである場合に対応している。
半導体レーザ10に電流を注入しない場合、半導体レーザ50の端面26bからは、半導体レーザ50の仮想の菱形の経路32’からのレーザ光のみが出射された(図13(a))。半導体レーザ10に注入する電流を大きくすると、半導体レーザ10の軸方向のレーザ光が半導体レーザ50に入射するため、半導体レーザ50の端面26bからは、軸方向のレーザ光と、菱形の経路から出射されたレーザ光の両方が観察された(図13(b))。そして、半導体レーザ10に注入する電流をさらに大きくすると、菱形の経路から出射されたレーザ光のピークがほとんど消え、実質的に、軸方向のレーザ光のピークのみが観察された(図13(c))。
このように、仮想の菱形の経路から出射されるレーザ光を励起するために注入する電流が一定であるにもかかわらず、軸方向のレーザ光を励起するレーザ光の強度が変化すると、仮想の菱形の経路から出射されるレーザ光の強度が変化した。
以上のように、半導体レーザ装置100では、レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度とが、半導体レーザ10に入射されるレーザ光(L)と、半導体レーザ10の活性層に注入される電流とによって制御される。
[半導体レーザ装置の他の一例]
上述した一例では、半導体レーザ50を用いてレーザ光(Lr)を励起する場合について説明したが、一方向にレーザ光を出射する一般的な半導体レーザを用いてレーザ光(Lr)を励起してもよい。そのような半導体レーザ装置の一例の平面図を、図14に模式的に示す。
図14の装置140は、半導体レーザ10と、半導体レーザ60とを備える。半導体レーザ60は、直線状のキャビティーを有する一般的なレーザであり、キャビティーの長手方向61の方向にレーザ光62(レーザ光(L))を出射する。
半導体レーザ60のキャビティーは、半導体レーザ10の活性層26に仮想的に存在する菱形の経路32の一辺32BCの延長線上、またはそれに近い方向に配置されている。そのため、半導体レーザ60から出射されたレーザ光は、経路32の一辺32BCに沿って入射し、レーザ光(Lr)を励起する。
装置140においても、半導体レーザ装置100と同様に、半導体レーザ10から出射されるレーザ光は、その活性層に注入される電流と、半導体レーザ60から入射されるレーザ光とによって変化する。すなわち、レーザ光(La)が出射されうる所定の電流を半導体レーザ10に注入している状態において、半導体レーザ60から半導体レーザ10に入射するレーザ光の強度によって、レーザ光(La)の強度とレーザ光(Lr)の強度との大小関係を変化させることが可能である。
なお、半導体レーザ60は、経路32を逆方向に伝搬するレーザ光を励起できるように経路32の一辺32BDの延長線上、またはそれに近い方向に配置されてもよい。また、半導体レーザ60が、一辺32BCの延長線上付近と、一辺32BDの延長線上付近とに1つずつ配置されてもよい。
以上の例では、半導体レーザ装置が、半導体レーザ10を励起するための半導体レーザを備える場合について説明した。しかし、本発明の半導体レーザ装置は、励起用の半導体レーザを備えなくてもよい。たとえば、本発明の半導体レーザ装置が光集積回路の一部(たとえば光スイッチ)であるような場合には、入力信号として励起用のレーザ光が半導体レーザ10に入射される。半導体レーザ10は、入力された信号(レーザ光)の状態(強度および方向)に応じて、異なる信号(レーザ光)を出力する。このように、半導体レーザ10は、単独で光スイッチとして機能する。
[半導体レーザ装置の製造方法]
本発明の半導体レーザ装置の製造方法に限定はなく、公知の半導体製造技術によって製造できる。以下に、半導体レーザ10を製造する方法の一例を説明する。なお、半導体レーザ50は、レジスト膜の形状を変えることを除き、半導体レーザ10と同じ方法で形成できる。そのため、半導体レーザ10および半導体レーザ50は同時に形成できるが、説明を容易にするため、以下では、半導体レーザ10のみについて図示および説明を行う。
図15(a)〜(h)に、製造工程を模式的に示す。なお、図15(a)〜(h)では、絶縁層12の形成状態の理解を容易にするため、絶縁層12の表面にハッチングを付す。
まず、図15(a)に示すように、基板11上に、複数の半導体層からなる半導体層20aと、厚さ0.4μmの絶縁層12aとを形成する。半導体層20aは、エッチングによって半導体層20(図2および表1参照)となる層である。半導体層20aを構成する各層は、一般的な方法、たとえば、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成できる。絶縁層12aは、たとえばSi34やSiO2からなる。絶縁層12aは、スパッタリング法やCVD法といった方法で形成できる。
次に、図15(b)に示すように、絶縁層12a上に、パターニングされたレジスト膜151を形成する。レジスト膜151は、図3に示した活性層26の形状にパターニングする。
次に、レジスト膜151をマスクとして、絶縁層12aをエッチングしたのち、レジスト膜151を除去する。次に、図15(c)に示すように、絶縁層12aをマスクとして、半導体層20aと基板11の一部とをエッチングする。エッチングは、RIE(Reactive Ion Etching)法によって行い、少なくともクラッド層24の深さまでエッチングする。エッチングによって、所定の形状の絶縁層12および半導体層20が形成される。エッチングは、半導体層20の側面の垂直性および平滑性が高くなるような条件で行われる。そのような条件は、半導体製造プロセスで一般的に採用されている。エッチングによって、半導体層20を構成するすべての半導体層の平面形状は、図3に示した活性層26の平面形状と同じになる。また、半導体層20の側面はミラー面として機能する。
次に、図15(d)に示すように、領域31(図2および図4参照)に対応するように、絶縁層12に略菱形の貫通孔12hを形成する。貫通孔12hは、一般的なフォトリソ・エッチング工程で形成できる。
次に、図15(e)に示すように、基板11の表面全体を覆うようにレジスト膜152を形成する。このとき、基板11の表面と絶縁層12の表面との間の段差を埋めるために、レジスト膜152は、レジスト層152aおよびレジスト層152bの2層からなることが好ましい。レジスト膜152は、レジスト層152aを基板11の表面全体に塗布して段差を埋めたのち、レジスト層152bを塗布することによって形成できる。この方法によれば、表面の平坦性が高いレジスト膜152を形成できる。
次に、図15(f)に示すように、レジスト膜152をパターニングし、レジスト膜152に貫通孔152hを形成する。貫通孔152hは、第1の電極13を形成する領域に対応する形状に形成される。貫通孔152hを形成したのち、半導体層20(キャップ層29)と第1の電極13との間で良好なコンタクトが得られるように、貫通孔152h内の半導体層20(キャップ層29)の表面を0.01μm〜0.02μm程度エッチングする。
次に、図15(g)に示すように、第1の電極13を形成する。第1の電極13は、リフトオフ法で形成できる。具体的には、まず、レジスト膜152をマスクとして、第1の電極13を構成する複数の金属層を電子ビーム法で順次成膜する。その後、レジスト膜152をアセトンで除去する。このようにして、所定の形状の第1の電極13を形成できる。第1の電極13は、絶縁層12に形成された貫通孔12hを介して半導体層20(キャップ層29)に接触する。
1枚の基板11(ウェハ)を用いて多数の半導体レーザを形成する場合、基板11のへき開を容易にするため、基板11の厚さが100〜150μmになるように基板11の裏面を研磨することが好ましい。
次に、図15(h)に示すように、基板11の裏面側に複数の金属層を蒸着法で順次形成して第2の電極14を形成する。その後、第1の電極13および第2の電極14を構成する金属層を合金化するために、400〜450℃で熱処理する。最後に、必要に応じて、半導体レーザごとに基板11をへき開する。
このようにして、半導体レーザ10が形成される。半導体レーザ10および50は、同じ積層構造を有するため、同時に同一基板上に形成できる。また、半導体レーザ10の代わりに他の半導体レーザ、たとえば、直線状のキャビティーを有する半導体レーザを形成することも可能である。また、半導体レーザ10が光集積回路の一部である場合には、回路を構成する他の素子と半導体レーザ10とを同時に形成してもよい。
なお、以上の説明では、菱形の経路に沿って出射されるレーザ光(Lr)をレーザ光(L)によって励起し、軸方向のレーザ光(La)を電流注入によって励起する例について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、菱形の経路に沿って出射されるレーザ光(Lr)を電流注入によって励起し、軸方向のレーザ光(La)をレーザ光(L)によって励起してもよい。この場合、レーザ光(Lr)は、菱形の経路に沿って形成された電極によって励起される。また、レーザ光(La)は、対角線32AB(図3参照)に沿って入射されるレーザ光(L)によって励起される。
また、別の観点では、本発明で用いられる半導体レーザ(LD1)の活性層は、仮想の多角形の経路(三角形や四角形や菱形)を含む活性層であってもよい。この半導体レーザは、電流の注入によって所定の方向にレーザ光(La’)を出射できる。また、この半導体レーザは、レーザ光(L)の入射によって励起されるレーザ光(Lr’)を、レーザ光(La’)とは異なる方向に出射できる。この半導体レーザでは、電流の注入とレーザ光(L)とによって、レーザ光(La’)の強度およびレーザ光(Lr’)の強度が変化する。
本発明は、光源や、光集積回路の光スイッチなど、様々な分野に利用できる。たとえば、本発明は、光ディスクに記録されたデータを読み取るための光ピックアップの光源として利用することも可能である。
本発明の半導体レーザ装置の一例を模式的に示す斜視図である。 図1に示した半導体レーザ装置の半導体レーザ(LD1)の断面図である。 図1に示した半導体レーザ装置の半導体レーザ(LD1)の活性層(A)の平面形状を示す図である。 図3に示した活性層(A)の平面形状と電流注入領域との位置関係を模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD1)の半導体層のバンドギャッププロファイルを模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD1)の活性層(A)付近の屈折率を模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD2)の活性層(a)の平面形状と電流注入領域との位置関係を示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD1)と半導体レーザ(LD2)との関係を模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD2)の電流注入領域の他の一例を模式的に示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD1)から出力されるレーザ光の一例を示す図である。 図1に示した半導体レーザ(LD2)から出力されるレーザ光の一例を示す図である。 図1に示した半導体レーザ装置から出力されるレーザ光のその他の例を示す図である。 図1に示した半導体レーザ装置から出力されるレーザ光のその他の例を示す図である。 本発明の半導体レーザ装置の他の一例の構成を模式的に示す平面図である。 本発明の半導体レーザ装置の製造方法の一例を模式的に示す斜視図である。
符号の説明
10 半導体レーザ(LD1)
11 基板
12 絶縁層
13 第1の電極(E1・e1)
14 第2の電極(E2・e2)
20 半導体層
24、28 クラッド層
26、26’ 活性層
32、32’ 菱形の経路
26A、26B、26C、26D、26a、26b、26c、26d 端面
26F 第1の領域
26S 第2の領域
31、51 領域
32A、32B、32C、32D、32a、32b、32c、32d 頂点
35、36、La、Lr、L1、L2、L レーザ光
50 半導体レーザ(LD2)
60 半導体レーザ
100、140 半導体レーザ装置

Claims (5)

  1. 半導体レーザ(LD1)を備える半導体レーザ装置であって、
    前記半導体レーザ(LD1)は、活性層(A)と、前記活性層(A)の両側に配置された2つのクラッド層(C)と、前記活性層(A)に電流を注入するための電極(E1)および電極(E2)とを備え、
    前記活性層(A)は、互いに対向する端面(S1)および端面(S2)と、互いに対向する端面(S3)および端面(S4)とを有し、
    前記端面(S1)〜(S4)は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点の位置に存在し、
    前記半導体レーザ(LD1)は、前記第1の頂点と前記第2の頂点とを結ぶ方向に沿って前記端面(S1)から出射されるレーザ光(La)と、前記仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光が前記端面(S1)から出射されたレーザ光(Lr)とを、それぞれの強度を変化させて出射することが可能であり、
    前記レーザ光(La)の強度と前記レーザ光(Lr)の強度とが、前記半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と前記電流とによって制御される半導体レーザ装置。
  2. 前記レーザ光(L)を出射する半導体レーザ(LD2)をさらに備える請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記半導体レーザ(LD2)は、活性層(a)と、前記活性層(a)の両側に配置された2つのクラッド層(c)と、前記活性層(a)に電流を注入するための電極(e1)および電極(e2)とを備え、
    前記活性層(a)は、互いに対向する端面(s1)および端面(s2)と、互いに対向する端面(s3)および端面(s4)とを有し、
    前記端面(s1)〜(s4)は、それぞれ、仮想の菱形の第1〜第4の頂点の位置に存在し、
    前記レーザ光(L)は、前記仮想の菱形の経路に沿って伝搬するレーザ光の一部が前記端面(s1)から出射されたレーザ光である請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記電極(E1)および電極(E2)は、前記電流の注入によって前記レーザ光(Lr)が励起されるように形成された電極であり、
    前記レーザ光(L)は、前記レーザ光(La)を励起するように前記半導体レーザ(LD1)に入射される請求項2に記載の半導体レーザ装置。
  5. 光スイッチを含む光集積回路であって、
    前記光スイッチが請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置であり、
    前記半導体レーザ装置に含まれる前記半導体レーザ(LD1)に入射されるレーザ光(L)と前記活性層(A)に注入する前記電流とを変化させることによって、前記レーザ光(La)の強度と前記レーザ光(Lr)の強度とが変化する光集積回路。
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