JP2007220371A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電解質膜、電解質膜の両面にそれぞれ配置した燃料極及び酸化剤極、燃料極及び酸化剤極に反応ガスを供給する流路を有する流路板を備えたセル1が、複数積層された積層体11を備える。積層体11の両脇に、燃料極入口マニホールド6、燃料極出口マニホールド7を配置し、燃料極出口マニホールド7の内部の天井に、傾斜部71を設ける。
【選択図】図1
Description
[構成]
まず、第1の実施形態を、図1〜図3を参照して説明する。本実施形態は、図1に示すように、基本的な構成は図13に示した従来技術と同様であり、セル1の積層体11(図12参照)の周囲に、複数のマニホールドが配設されている。各マニホールドは、燃料極流路板5の燃料極流路10へ燃料ガスを流通させる燃料極入口マニホールド6及び燃料極出口マニホールド7、図示しない酸化剤極流路板の酸化剤極流路へ酸化剤ガスを流通させる酸化剤極入口マニホールド8及び酸化剤極出口マニホールド9として構成されている。
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。まず、本実施形態のような燃料電池の内部において、凝縮水が発生する際の一般的なメカニズムを述べる。すなわち、単位セルは、電気化学反応に伴い発熱する。そして、例えば、固体高分子形燃料電池では、固体高分子膜の耐熱性を考慮して、通常は冷却水等により単位セル内温度を70℃〜80℃程度に保持している。
以上のような本実施形態によれば、燃料極出口マニホールド7の天板に傾斜部71を設けることによって、セル1の積層面への水滴の流れとこれによるガス流通の阻害を防止できる。その結果、反応ガスの流量が各セル1にほぼ均一に流れるので、特定のセル1が反応ガスの欠乏によって損傷することが防止され、高性能で耐久性のある燃料電池を構成できる。
[構成]
本発明の第2の実施形態を、図4及び図5を参照して説明する。本実施形態は、基本的には上記の第1の実施形態と同様の構成であるが、燃料極出口マニホールド7が、リターンマニホールドとして構成されている場合の態様である。すなわち、例えば、燃料ガスは、セル1における電気化学反応と共に、水素のみが消費され、その他の成分は消費されない。従って、燃料極流路10が後流になるに従って、水素濃度は低くなる。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、リターンマニホールドとして構成された燃料極出口マニホールド7の天板に、傾斜部71が設けられているので、上記の第1の実施形態と同様に、天板に形成された水滴が、セル1の積層面を通過せず、セル1の積層面と対向する燃料極出口マニホールド7の内面を伝って地板に到達する。
以上のような本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、セル1の損傷を防止して高性能で耐久性のある燃料電池を構成できるとともに、リターンマニホールドを利用して燃料ガスを効率良く流通させることが可能となる。
[構成]
本発明の第3の実施形態を、図6を参照して説明する。本実施形態は、図6に示すように、セル1における流路板80(燃料極流路板若しくは酸化剤極流路板)とマニホールド81とを一体的に形成した、いわゆる内部マニホールド構造としたものである。すなわち、流路板80には、蛇行した流路82が形成されており、その流路82の両端に、セル1の積層方向に対する断面が半楕円形の穴であるマニホールド81が設けられている。このように、マニホールド81の断面が半楕円形となっているため、マニホールド81の内部の天井が、流路82側から外側にかけて下向きとなる傾斜部となっている。
以上のような構成を有する本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、積層された各セル1における流路板80が連なることにより、連続したマニホールド81の空間が形成されるが、その断面が半楕円形であり、天井が傾斜部となるため、マニホールド81の上部から下部に水滴が滴下する場合に、流路82側に流れてガス流通を阻害することがない。
以上のような本実施形態によれば、流路82とマニホールド81とが一体化した流路板80を用いた積層体においても、ガス流通を阻害する水滴の流入を防止できるので、上記の第1の実施形態と同様に、セル1の損傷を防止して高性能で耐久性のある燃料電池を構成できるとともに、小型、省スペース化を実現できる。
[構成]
本発明の第4の実施形態を、図7を参照して説明する。本実施形態は、図7(A)に示すように、基本的には、上記の第2の実施形態と同様の構成であり、燃料極出口マニホールド7がリターンマニホールドとして構成され、燃料極入口マニホールド6の内部に仕切り61が設けられている。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、運転を継続するに従って、セル1の側面と対向する燃料極出口マニホールド7の傾斜部71及び内側面70に、水滴が凝縮していく。この水滴は、鉛直方向の溝72に入ることにより下方への流れが促進されるので、内壁に付着したまま大きく成長することはなく、早期に底面に達する。
以上のような本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、凝縮した水滴の流れが溝72によって促進されるので、凝縮水のセル1の積層面への流入が、より確実に防止される。
[構成]
本発明の第5の実施形態を、図8、図9を参照して説明する。本実施形態は、図8、図9に示すように、基本的には、上記の第2の実施形態と同様の構成であり、燃料極出口マニホールド7がリターンマニホールドとして構成され、燃料極入口マニホールド6の内部に仕切り61が設けられている。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、燃料極出口マニホールド7の外壁に保温材73あるいはヒータ74を設置することにより、燃料極出口マニホールド7の外壁の温度を上げることができる。従って、セル1により高温となる燃料極出口マニホールド7の内壁の温度に、外壁の温度を近づけて、両者の温度差を小さくすることができるので、内部における水分の成長を抑制する作用が得られる。
以上のような本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、燃料極出口マニホールド7の内部での水分の凝縮を抑制できるので、凝縮水のセル1の積層面への流入が、より確実に防止される。
[構成]
本発明の第6の実施形態を、図10を参照して説明する。本実施形態は、図10に示すように、基本的には、上記の第2の実施形態と同様の構成であり、燃料極出口マニホールド7がリターンマニホールドとして構成され、燃料極入口マニホールド6の内部に仕切り61が設けられている。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、運転を継続するに従って、燃料極出口マニホールド7の傾斜部71及び内側面70に、水滴が凝縮していく。この水滴は、傾斜部71及び内側面70を伝って底板に達するが、底板に設けられたドレンポート75を介して、積層体11の外部に円滑に排出される。
以上のような本実施形態によれば、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、凝縮した水滴の排出がドレンポート75によって促進されるので、凝縮水のセル1の積層面への流入が、より確実に防止される。
[構成]
本発明の第7の実施形態を、図11を参照して説明する。本実施形態は、基本的には、図11に示すように、上記の第2の実施形態と同様の構成であり、燃料極出口マニホールド7がリターンマニホールドとして構成され、燃料極入口マニホールド6の内部に仕切り61が設けられている。
以上のような本実施形態の作用は、以下の通りである。すなわち、リターンマニホールドとして構成された燃料極出口マニホールド7が、積層体11の傾斜面に合せて傾斜配置されているので、その天井が傾斜部となる。このため、天板に形成された水滴が、セル1の積層面を通過せず、セル1の積層面と対向する燃料極出口マニホールド7の内面を伝って地板に到達する。
以上のような本実施形態によれば、燃料極出口マニホールド7の天井の傾斜部によって、第2の実施形態と同様の効果が得られるとともに、水滴がガス流路に流入する可能性のある箇所を、電池本体から離隔させることができるので、水滴の流入による弊害をより一層確実に防止することが可能となる。
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではない。例えば、第1の実施形態においては、燃料極出口マニホールドの天板について、傾斜部を設けた例を示したが、燃料極入口マニホールについても、燃料極入口マニホールドに供給される燃料ガスがセル温度よりも高く、その露点が燃料入口ガスマニホールド温度よりも高い場合には、天板に水滴が形成され、セルの積層面を伝って地板に滴下する際、セルへのガスの流れを遮断する。
2…集電板
3…締付板
4…スタッド
5…燃料極流路板
6…燃料極入口マニホールド
7…燃料極出口マニホールド
8…酸化剤極入口マニホールド
9…酸化剤極出口マニホールド
10…燃料極流路
11…積層体
61…仕切り
70…内側面
71…傾斜部
72…溝
73…保温材
74…ヒータ
75…ドレンポート
80…流路板
81…マニホールド
82…流路
90…流路板
Claims (11)
- 電解質膜と、前記電解質膜の両面にそれぞれ配置した燃料極および酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極に反応ガスを供給する流路を構成する流路板とを備えたセルが、少なくとも1枚以上積層された燃料電池において、
前記流路に対して、反応ガスを流通させるマニホールドが複数設けられ、
前記マニホールドのうち、少なくとも一つの内部の天井部には、傾斜が付けられていることを特徴とする燃料電池。 - 前記流路板は、前記燃料極に燃料ガスを供給するための燃料極流路を有する燃料極流路板と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給するための酸化剤極流路を有する酸化剤極流路板とを有し、
前記マニホールドは、前記燃料極流路に燃料ガスを供給するための燃料極入口マニホールドと、前記酸化剤極流路に酸化剤ガスを供給するための酸化剤極入口マニホールドと、前記燃料極流路からの燃料ガスを排出する燃料極出口マニホールドと、前記酸化剤極流路からの酸化剤ガスを排出する酸化剤極出口マニホールドとを有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池。 - 前記マニホールドは、前記流路から排出された反応ガスを合流させた後、当該流路とは異なる流路に、当該反応ガスを供給するリターンマニホールドを有し、
前記リターンマニホールドの内部の天井部に、前記傾斜が付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の燃料電池。 - 前記マニホールドが前記流路板と一体となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドが前記流路板に接するように取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドには、前記セル側からこれに対向する内面に向かって下向きとなるように、前記傾斜が付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドには、その内側表面に溝が付けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドは、保温性の高い材料を用いて構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドには、加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記マニホールドには、液体の排出口が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 前記流路板の水平方向断面積が上部に行くほど大きくなっていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池。
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