JP2007219415A - 光ケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバ心線がスロットの溝から脱落するのを防止する粗巻き紐を確実に切断して、押え巻きテープとともに容易に除去することができる光ケーブルを提供する。
【解決手段】合成樹脂材からなる溝付きスロット2の溝2a内に光ファイバ心線4を収納してなる光ケーブル1であって、スロット2の外周に光ファイバ心線4が溝2a内から脱落するのを防ぐための繊維束からなる粗巻き紐5が巻き付けられ、スロット2の外周で繊維束が接する部分に、変形による凹み2cが生じているようにする。この変形による凹み2cの凹み量は、繊維束を構成するそれぞれの繊維の直径よりも大きくなるようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、溝付きスロットの溝内に多数本の光ファイバ心線を収納し、スロットの外周に粗巻き紐と押え巻きテープを施してなる光ケーブルに関する。
情報通信の進展により光ケーブルを用いたネットワーク化が進むなかで、使用済み光ケーブルの廃棄量も増大しているが、地球環境保護と資源の有効利用の観点から、光ケーブルのリサイクルに対する対応が求められている。光ケーブルのリサイクルを実施するに当たって、リサイクルコストやリサイクル品の品質、また、リサイクルを考慮した光ケーブルに関して、今までにも種々の提案がなされている。
光ケーブルは、単心のものから1000心を超えるものまである。代表的な光ケーブルとしては、溝付きスロットの溝内に数百心の単心又はテープ状の光ファイバ心線を収納し、この外周に止水又は外被成形時の熱絶縁のための押え巻きテープを、螺旋巻きあるいは縦添えで施し、その外側をケーブル外被で覆った構造のものがある。この光ケーブルのリサイクルでは、ケーブル外被又はスロットのプラスチック材(通常、ポリエチレン)が対象とされるが、ケーブル外被のみを再利用するか、スロット(スペーサとも呼ばれている)のみを再利用するか、又はケーブル外被とスロットの両方を再利用するかによって、リサイクルの形態も多少異なっている。
例えば、特許文献1には、ケーブル外被を再利用するに際して、ケーブル外被の剥ぎ取りの段階で吸水テープ材等の異物を除去でき、再生化段階での異物除去に要する設備、マンナワーの低減を図るための解体方法が開示されている。この解体方法では、ケーブル外被に剥離のための切り込みを入れる際に、内面に接するテープ材に達しないように薄皮を残して切り込むようにしている。
また、特許文献2には、スペーサ(スロット)を再利用するに際して、スペーサ本体内からテンションメンバを小さい剥離引取り力でスムースに剥離する方法が開示されている。この方法は、スペーサ本体に剥離のためのスリットを切り込んだ後、外周から圧力を加えてスペーサ本体に接着状態にあるテンションメンバを分離する。次いで、傾斜する分離プレートに設けたガイド孔からテンションメンバのみを挿通させて引出し、スペーサ本体を分離プレートの外面に乗り上げるようにして分離解体している。
また、特許文献3には、スペーサ(スロット)とケーブルシース(ケーブル外被)の両方を再利用するに際して、スペーサとケーブルシースの樹脂材料を効率的に回収し、リサイクル処理の低コスト化を図るための光ケーブルが開示されている。この光ケーブルは、スペーサ(例えば、高密度ポリエチレン)とケーブルシース(例えば、低密度ポリエチレン)の熱可塑性樹脂の密度を同程度にし、また、スペーサ内の抗張力(テンションメンバ)に添わせてスペーサを引裂くための引裂き用抗張力を埋設している。
また、特許文献4には、シース(ケーブル外被)を再利用するに際して、シースのリサイクル時にシース内面に配される押え巻きテープの不織布繊維が不純物として混入しないようにする光ケーブルが開示されている。この光ケーブルは、シースを外層シースと内層シースの2層構造とし、内層シースに押出し成形時に外層シースと熱融着しない材料を用いている。内層シース自体には、不織布が直接接触して不織布繊維が混入するが、外層シースには不織布繊維が混入しないので、外層シースを良質なリサイクル品として再利用できるようにしている。
また、特許文献5には、特許文献4と同様にシース層(ケーブル外被)を再利用するに際して、シース層と止水テープ(押え巻きテープ)との間に、融着を防止する融着防止層を介在させて、シース層と止水テープとの分離を容易にする光ケーブルが開示されている。この光ケーブルは、融着防止層として、止水テープとは融着しないがシース層とは融着するような材料が用いられる。融着防止層はシース層の1/20〜1/5の厚さで、テープを巻付けて又は押出し成形で形成される。
さらに、特許文献6には、特許文献4と同様にケーブル外被を再利用するに際して、ケーブル外被から容易に引き剥がされ、ケーブル外被の内面にテープ繊維の毛羽が残らないような光ケーブル用の止水テープ(押え巻きテープ)が開示されている。この止水テープは、基材の縦方向に引張強度を大きくして、ケーブル外被から連続的に引き剥がすことができるようにするとともに、ケーブル外被と接する面に合成樹脂組成物の塗布層を設けて毛羽等の異物がケーブル外被側に残らないようにしている。
特開2005−326656号公報 特開2001−30193号公報 特開2004−240061号公報 特開2004−20619号公報 特開2002−243999号公報 特開2003−295017号公報
図2は、上述した従来技術による溝付きスロットを用いた光ケーブルのリサイクル方法の一例を示す図である。光ケーブル1は、図に示すように中心にテンションメンバ3を埋設一体化し、複数の溝2aを設けたプラスチック材からなるスロット2により構成される。スロット2の溝2aは螺旋状又はSZ状に形成され、溝2a内には複数本の光ファイバ心線又はテープ状の光ファイバ心線4を集線して収納している。光ケーブルの製造過程で、光ファイバ心線4を溝2a内に収納した直後、溝2aから光ファイバ心線4が脱落する(特に、SZ状スロットの場合)のを防止するために、粗巻き紐5がスロット2の外周に螺旋状に巻き付けられる。
粗巻き紐5が施されたスロット2の外周には、ケーブル内への止水又は外被成形時の熱絶縁のための押え巻きテープ6を螺旋巻きあるいは縦添えで施し、その外側をケーブル外被7で被覆して光ケーブル1とされる。なお、螺旋溝を有するスロットの場合は、粗巻き紐5を用いずに押え巻きテープ6で光ファイバ心線の脱落を防止することも可能であるが、SZ溝を有するスロットの場合は、光ファイバ心線の脱落防止のために複数本の光ファイバ心線を集線してスロット2の溝2aに収納すると同時に、押え巻きテープ6を施すのは難しく製造線速を遅くする必要などがあり効率的でない。このため、通常は、SZスロットを用いる場合、複数本の光ファイバ心線4を収納する地点近くで、巻き付けが容易な繊維束からなる粗巻き紐5で光ファイバ心線4の脱落を防止してから、押え巻きテープ6を施している。
上述した光ケーブル1をリサイクルする場合、例えば、前記特許文献1に開示のようなケーブル外被7に切り込みを入れる外被切り込み処理手段10と、切り込みを入れたケーブル外被7を2分する外被分離処理手段11を用いてケーブル外被7を除去する。外被切り込み処理手段10は、位置調整が可能な第1のケーブル保持ローラ10aと、第2の保持ローラ10bで光ケーブル1の保持位置を調整し、外被カッター10cを光ケーブル外被7の両側から当てて切り込みを入れる。外被分離処理手段11は、2分割された外被破材7aを、例えば、外被ガイドローラ11aを経てピンチローラからなる外被引取りローラ11bで引取り、排出シュータ(図示省略)に送り込んで再利用に供する。
次いで、押え巻き除去手段12により押え巻きテープ6とその内側の粗巻き紐5を切断して除去する。この押え巻き除去手段12は、例えば、ケーブル外被7が除去され、表面に押え巻きテープ6が施された状態の光ケーブルコアの外面に押え巻きカッター12aで切り込みを入れて、押え巻きテープ6を切り屑6aに、粗巻き紐5を切り屑5aにする。そして、切り屑5a,6aを廃棄容器12cに自然に落下させるか、あるいはスロットの位置決めにも用いられるダイス12bでスロット表面をしごくことによって、強制的に落下させることにより回収する。また、ダイス12bと押え巻きカッター12aを一体化させても良い。
この後、光ファイバ心線回収手段13により、スロット2の解放された溝2aから光ファイバ心線4を引き出して除去する。光ファイバ心線回収手段13は、例えば、心線ガイドローラ13aを経て、ピンチローラからなる引取ローラ13b又はドラムで直接巻き取って回収する。光ファイバ心線4が除去されたスロット2は、例えば、前記特許文献2に開示のようなテンションメンバ剥離手段14を用いてスロットからテンションメンバを分離する。このテンションメンバ剥離手段14は、スロット2の両側面にスロットカッター14aによる切り込みを入れて側面を圧縮することにより、テンションメンバ3との密着を分離する。次いで、分離装置14bを用いて、2分割されたスロット破材2aとテンションメンバ3とに分離し、スロット破材2aは再利用に供され、テンションメンバ3はドラム等に巻き取って処分される。
上述のリサイクル処理の押え巻き除去手段12において、押え巻きテープ6と粗巻き紐5に対して、除去のために押え巻きカッター12aにより切り込みを入れるが、端部が切断された粗巻き紐5は張力が開放された状態となって弛むため、押え巻きカッター12aが当たっても切断されずにスロットの長手方向に逃げてしまうことがある。そのため、切断が不十分となり、粗巻き紐5と押え巻きテープ6を自然に落下させて完全に除去することは困難であった。さらに、ダイス等を用いてスロット表面をしごいて除去する場合も、粗巻き紐5は溜まり絡まって毛玉状に固まって、押え巻きテープの切断を妨げたり、ダイス12bの通し穴を塞いでスロット2の移動が停止されるなどの障害を発生し、効率のよいケーブル解体ができないという問題があった。
本発明は、上述した実情に鑑みてなされたもので、光ファイバ心線がスロットの溝から脱落するのを防止する粗巻き紐を確実に切断して、押え巻きテープとともに容易に除去することができる光ケーブルの提供を目的とする。
本発明による光ケーブルは、合成樹脂材からなる溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納してなる光ケーブルであって、スロットの外周に光ファイバ心線が溝内から脱落するのを防ぐための繊維束からなる粗巻き紐が巻き付けられ、スロットの外周で繊維束が接する部分に、変形による凹みが生じているようにする。この変形による凹みの凹み量は、繊維束を構成するそれぞれの繊維の直径よりも大きくなるようにする。また、スロットの材質がポリオレフィン系樹脂であり、繊維束の材質がポリアミド系樹脂であり、粗巻き紐の巻き付け時の張力をT(N)、粗巻き紐の螺旋曲率半径をR(mm)としたとき、単位デニール当たりのT/Rが0.00096以上とする。
本発明の光ケーブルによれば、粗巻き紐は、その繊維束の一部が変形による凹みに入っていることにより、スロット長手方向への移動が抑制される。この結果、粗巻き紐は、カッターが当てられることで高い確率で切断され、短片状に切断された押え巻きテープとともにスロット上から容易に剥ぎ取ることができる。この結果、スロットの移動がスムースとなり、ケーブルの解体を効率よく行うことが可能となる。
図1により本発明の実施の形態を説明する。図中、1は光ケーブル、2はスロット、2aは溝、2bは外表面、2cは凹み、3はテンションメンバ、4は光ファイバ心線、5は粗巻き紐、6は押え巻きテープ、7はケーブル外被、12aは押え巻きカッターを示す。
光ケーブル1は、図1(A)に示すように中心にテンションメンバ(抗張力体ともいう)3を埋設一体化し、複数の溝2aを設けたプラスチック材からなるスロット(スペーサともいう)2により構成される。スロット2の溝2aは、螺旋状又はSZ状に形成され、溝2a内には複数本の光ファイバ心線又はテープ状の光ファイバ心線4が収納される。光ケーブルの製造過程で、光ファイバ心線4が溝2a内に収納された後、溝2aから脱落する(特に、SZスロットの場合)のを防止するために、粗巻き紐5が直ちにスロット2の外周に巻き付けられる。
粗巻き紐5は、例えば、ナイロン繊維を束ねたもので、太さが1260デニールのものが用いられる。また、100心程度の光ケーブルで、スロット外径が9mm程度の場合は、粗巻き紐5は20mmピッチで2条の紐を巻きつけて(10mmピッチとなる)形成される。なお、粗巻き紐5は、ナイロン繊維、アラミド繊維などのポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポロオレフィン系繊維などの種々の材料を用いることができるが、押え巻きテープ6を施す前に光ファイバ心線4が溝2aから脱落しない程度に保持されていればよく、取扱い性がよく安価なものが用いられる。
粗巻き紐5が施されたスロット2の外周には、ケーブル内への止水のため、又は外被成形時に成形材が光ファイバ心線に直接接触しないように熱絶縁のための押え巻きテープ6が施される。この押え巻きテープ6は、螺旋巻きあるいは縦添えで施され、その外側をケーブル外被7で被覆して光ケーブル1とされる。螺旋スロットの場合は、粗巻き紐5を用いずに押え巻きテープ6で光ファイバ心線4の脱落を防止することも可能であるが、SZスロットの場合は集線して溝2aに収納した後、直ちに粗巻き紐5を施す必要がある。なお、光ファイバ心線4の収納直後に押え巻きテープ6を施すのは技術的に難しく、製造線速を遅くする必要などがあり効率的でない。このため、通常は、SZスロットを用いる場合、粗巻き紐5で光ファイバ心線4の脱落を防止してから押え巻きテープ6が施されている。
押え巻きテープ6には、テープ幅が20mm〜30mm程度のものが用いられ、螺旋巻きする場合には、例えば、1/5ラップ程度の重ね巻きで形成される。なお、縦添えで形成する場合は、重ねしろを含むテープ幅のものが用いられる。押え巻きテープ6が縦添えで施される場合は、押え巻きテープの縦添え接合部分に接着剤を塗布するか、前記テープ上に粗巻き紐が施される。この押え巻きテープ6は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の繊維からなる種々のものが用いられる。また、ケーブル外被の再利用の観点から、特許文献6に開示されたように基材の縦方向の引張強度を大きくして、ケーブル外被7から連続的に引き剥がすことができるようにするとともに、ケーブル外被7と接する面に合成樹脂組成物の塗布層を設けて毛羽等の異物がケーブル外被側に残らないようにした押え巻きテープを用いることもできる。
ケーブル外被(シースとも言う)7は、一般にポリエチレンで形成され、再利用が可能な材料である。しかし、このケーブル外被7には押え巻きテープ6の繊維が混入しやすく、再生化したときの品質を低下させる。このため、不純物が混入しない純度の高い再生品を得る場合には、特許文献4に開示のようにリサイクル品に供される外層外被と、押え巻きテープ6の混入が許容される内層外被の2層で形成するようにしてもよい。また、特許文献5に開示のように、ケーブル外被7を押え巻きテープ6との間に融着防止層を介して形成するようにしてもよい。
スロット2は、中心にテンションメンバ3を有し、光ケーブル1に高い抗張力を持たせるためにスロット2とテンションメンバ3は接着一体化されている必要がある。一方、スロット2を再利用するには、溝2a内に収納された光ファイバ心線1を除去し、スロット2とテンションメンバ3を剥離する必要がある。これには、例えば、特許文献2に開示の剥離方法を用いたり、或いは、特許文献3に開示のように、スロットを引裂くための引裂き用抗張力体を埋設しておくようにしてもよい。
上述したような光ケーブル1は、図2で説明したのと同様な解体方法によりリサイクルされる。すなわち、ケーブル外被7を除去した後、スロット2の溝2aから光ファイバ心線4を取出すために、押え巻きテープ6と粗巻き紐5を除去する必要がある。この場合、図1(B)又は(C)に示すように、押え巻きカッター12a(スロット2の表面に接するように付勢されている)によりスロット長手方向に押え巻きテープ6に切り込みを入れて切断するとともに、粗巻き紐5を切断する。しかしながら、図1(C)に示すように、スロット2の外表面2bが均一な面で形成されている場合、押え巻きカッター12aで粗巻き紐5を切断しようとしても、粗巻き紐5がスロット2上を滑って上手く切断することができない。
本発明による光ケーブルにおいては、図1(B)に示すように、スロット2の外周に繊維束からなる粗巻き紐5が巻き付けられ、スロットの外周で粗巻き紐5の繊維束が接する部分に、変形による凹み2cが生じるように構成する。この凹み2cは、スロット2に予め形成したものではなく、粗巻き紐5の巻き付け力とケーブル外被7の成形時の熱によって変形を生じさせて形成されるようにしたものである。したがって、スロット2の表面に別工程で凹みを設ける加工を行う必要がなく、通常のスロットを使用することができ、これによるコスト増も生じない。
この変形による凹み2cの凹み量(凹みの深さL)は、粗巻き紐5の繊維束を構成するそれぞれの繊維の直径よりも大きくなるようにする。これにより粗巻き紐5の繊維束の少なくとも最下層の繊維が凹み2cに落込み、繊維束全体に対してスロット2の長手方向への移動に対する抵抗を持たせることができる。なお、凹み2cの深さLは100μm前後と浅いので、凹み2c内に落込んだ繊維もスロット2の表面に押し付けられているカッター12aに切断される。
スロット2は、通常、ポリエチレン或いは他の樹脂と混合されたポリオレフィン系樹脂で形成される。繊維束からなる粗巻き紐5には、スロットに用いられる材料より弾性率の高いナイロン樹脂やアラミド樹脂のポリアミド系樹脂が用いられる。
粗巻き5紐を所定の張力でスロット2に巻き付けることにより、スロット2の外表面2bに凹み2cを容易に形成することができる。これについての具体例を以下に述べる。
スロットには、ヤング率0.98Mpaのポリエチレンを用い、粗巻き紐には、繊維径が40μm程度のナイロン繊維を1260d(デニール)×1本を用いた。スロットは、直径が9mm、12mm、17mm、18.5mmの4種類を用い、粗巻き紐の巻き付けピッチを20mm、巻き付け張力を5.9N(600g)、11.8N(1200g)で行った。なお、ケーブル外被にはポリエチレンを180℃の温度で押出成形で形成した。
Figure 2007219415
表1の結果から、粗巻き紐の螺旋曲率半径をR(mm)とし、粗巻き紐の巻き付け時の張力をT(N)とし、スロット締付け力をT/R(N/mm)とすると、T/Rが1.0未満では、凹みが形成されないか、あるいは、凹みが形成されるとしても粗巻き紐の移動を抑制するのに有効な深さが得られなかった。したがって、上記の粗巻き紐(1260d)では、T/Rが1.0以上が必要であると思われる。
また、これによる凹み深さL(mm)は、少なくとも粗巻き紐の1本の繊維の太さ(40μm程度)は必要である。望ましくは、粗巻き紐が平らな表面に巻かれた状態での高さH{図1(C)参照}以上あれば、粗巻き紐が凹みに完全に落込んで、スロット長手方向の動きが拘束される。なお、高さHは、上記の具体例では90μm〜100μmであった。したがって、具体例における上記の結果から、凹みの深さLが40μm以上あれば、粗巻き紐の移動を抑制する効果が期待でき(△)、凹み深さLが100μm以上あれば最良(○)である。
なお、粗巻き紐の太さ(デニール数)が異なれば、上記の高さHも変化する。したがって、粗巻き紐の太さが異なる場合には、デニール単位当たりのスロット締付け力T/Rを求め(例えば、表1の4番目、1.21/1260=0.00096(N/mm/d))るとよい。すなわち、凹み深さLが100μmを得るには、デニール単位当たりのスロット締付け力T/Rを、0.00096以上とすることが望ましい。
この結果、粗巻き紐5の繊維束の一部がスロット2の表面に変形により形成された凹み2cに落込んでいることにより、スロット2上を滑るのを抑止されるので、押え巻きカッター12aによる切断が容易となる。なお、凹み2cに入り込んだ一部の繊維は切断されない可能性があるが、粗巻き紐5の繊維束全体のうちの僅かであるので、ある程度の量の繊維束が切断されていれば、溜まり絡まる程度も小さく、スロット2上から容易に除去することが可能となる。
押え巻きテープ6は、粗巻き紐5の切断とともに押え巻きカッター12aにより、螺旋巻きの場合は1巻き毎の短片状に切断される。縦添えの場合は、例えば、2本の紐状に切断される。切断された短片状の押え巻き屑6aは、自然に落ちるか、ダイス12bなどによりしごかれて落下し、廃棄容器で回収される。このとき、短く切断されている粗巻き紐屑5aも、押え巻き屑6aと併せて容易に除去される。
本発明は、上述したように、粗巻き紐5をスロット2の表面に凹み2cが生じるように巻きつけておくことにより、粗巻き紐の除去が容易となり、光ケーブルの解体を効率よく行うことが可能となる。
なお、押え巻きテープ6及び粗巻き紐5が除去されると、図2で説明したように、光ファイバ心線回収手段により、スロット2の解放された溝2aから光ファイバ心線4を引出して除去される。次いで、テンションメンバ剥離手段により、スロット2からテンションメンバ3が分離され、スロット2は再利用に供され、テンションメンバ3はドラム等に巻き取って処理される。
本発明による光ケーブルの概略を説明する図である。 従来技術による溝付きスロットを用いた光ケーブルのリサイクルの一例を示す図である。
符号の説明
1…光ケーブル、2…スロット、2a…溝、2b…外表面、2c…凹み、3…テンションメンバ、4…光ファイバ心線、5…粗巻き紐、6…押え巻きテープ、7…ケーブル外被、12a…押え巻きカッター。

Claims (3)

  1. 合成樹脂材からなる溝付きスロットの溝内に光ファイバ心線を収納してなる光ケーブルであって、
    前記スロットの外周に前記光ファイバ心線が前記溝内から脱落するのを防ぐための繊維束からなる粗巻き紐が巻き付けられ、前記スロットの外周で前記繊維束が接する部分に、変形による凹みが生じていることを特徴とする光ケーブル。
  2. 前記変形による凹みの凹み量は、前記繊維束を構成するそれぞれの繊維の直径よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル。
  3. 前記スロットの材質がポリオレフィン系樹脂であり、前記繊維束の材質がポリアミド系樹脂であり、前記粗巻き紐の巻き付け時の張力をT(N)、前記粗巻き紐の螺旋曲率半径をR(mm)としたとき、単位デニール当たりのT/Rが0.00096以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ケーブル。
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