JP2007219136A - 光制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2次元マトリクス状に配列された開口部の安定した高速開閉制御を行うことができ、しかも、構成、構造の簡素化を図ることができる光制御装置を提供する。
【解決手段】X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部を有し、該開口部における光の通過を制御する光制御装置は、少なくとも第1光変調装置10及び第2光変調装置20が並置されて成り、第1光変調装置10は複数の第1開口部11を有し、第2光変調装置20は複数の第2開口部21を有し、第1光変調装置10における第1開口部11の射影像と第2光変調装置20における第2開口部21の射影像が重複する重複領域が前記開口部に相当し、第1光変調装置10の第1開口部11における光通過制御と第2光変調装置20の第2開口部21における光通過制御とは独立して行われる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部を有し、これらの開口部における光の通過を制御する光制御装置に関する。
X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部を有し、これらの開口部における光の通過を制御する光制御装置(一種のライト・バルブ)として、液晶表示装置が周知である。この液晶表示装置は、2枚のガラス基板と、これらの2枚のガラス基板の間に挟まれた液晶分子(例えば、高速動作が可能な強誘電性液晶分子)から構成されている。
そして、例えば、一方のガラス基板には、X方向に沿って延びる複数の第1電極が設けられ、他方のガラス基板には、Y方向に沿って延びる複数の第2電極が設けられている。即ち、これらの電極は、所謂マトリックス電極構成を有する。また、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれている。例えば、図48の(A)に概念図を示すように、2本の「1」及び「2」の第1電極、及び、「a」、「b」及び「c」の3本の第2電極が設けられ、X方向に沿って3個、Y方向に沿って2個の、合計、6個の開口部が設けられている場合を想定する。そして、第1の電極と第2電極との重複領域から構成された開口部の1つ1つの開閉制御を行うために、期間Pr1〜期間Pr6における第1電極及び第2の電極に印加される電圧(駆動波形)を、図48の(B)に模式的に示す。更には、図48の(C)に、第(1,a)番目の開口部を構成する液晶セルへの印加電圧を模式的に示す。尚、図48に示す構造の液晶表示装置については、例えば、特開平4−58220号公報を参照のこと。
あるいは又、第1電極がM×N個の2次元マトリクス状に配列され、第2電極が1枚の接地電極として設けられた液晶表示装置も周知である。6×6個の第1電極が2次元マトリクス状に配列された液晶表示装置の概念図を、図49の(A)に示す。第(1,1)番目の第1電極に印加される電圧(駆動波形)を図49の(B)に模式的に示すが、各第1電極毎に、独立して、電圧を印加することができる。尚、図49の(B)において、第1番目の第1電極には、期間Pr1にあっては第(1,1)番目の開口部を開状態とするために電圧VON(=2V)が印加され、期間Pr2にあっては開状態を維持するための電圧V’ON(=V)が印加され、期間Pr3にあっては第(1,1)番目の開口部を閉状態とするために電圧VOFF(=−2V)が印加され、期間Pr4〜期間Pr7にあっては第1番目の開口部を閉状態に維持するために電圧V’OFF(=−V)が印加される。
特開平4−58220号公報 特開2003−173128号公報 特開2003−161912号公報 特開2003−295114号公報 特開2003−75771号公報 特開2002−72135号公報 特開2001−56450号公報 特許第3523605号公報
ところで、図48の(A)に概念図を示した液晶表示装置において開口部の開閉制御を行う場合、高電圧を印加して液晶分子を動かす必要があるが、液晶分子に少しでも電圧が印加されると液晶分子が応答して動いてしまうことがある。図48の(B)及び(C)に図示した駆動方式にあっては、第1電極及び第2電極の電圧を足し合わせた電圧が、各開口部を構成する強誘電性液晶分子から成る液晶セルに印加される。即ち、図48の(C)に示すように、例えば、開口部の閉状態は、0ボルト及び−2Vボルトで実現されている。従って、複数の電圧が印加された液晶セルにおける各状態を安定的に達成することが重要である。ここで、第1電極及び第2電極に印加された電圧の足し合わせによって開口部における開閉制御が行われるため、本来、電圧を印加したくない液晶セルにも、第1電極あるいは第2電極のいずれかの電圧が印加されることは避けられない。従って、電圧が印加された液晶セルにおいては、開口部が開状態あるいは閉状態に遷移し始めてしまう虞がある。また、開状態あるいは閉状態においては複数の電位が生じてしまう(例えば、閉状態において、0ボルト及びー2Vボルト)。以上のとおり、開口部の開状態あるいは閉状態を確実に維持できないという現象が生じる得る。
また、図49の(A)に示す概念図を示す液晶表示装置にあっては、各開口部を構成する第1電極に個別に電圧を印加することが可能であるため、電圧の制御が容易であり、図48の(A)に示す液晶表示装置のような問題点は解決される。しかしながら、各第1電極に電圧を供給する引出し電極が必要なため、第1電極の数が多くなると、第1電極からの引出し配線の数が膨大になるし、特に、液晶表示装置の中心付近に位置する第1電極からの引出し配線の長さが長くなる。しかも、第1電極の間を引出し電極が通るため、第1電極と第1電極との間に或る程度の距離が必要とされる。そのため、駆動回路の複雑化、開口率の低下につながる。
更には、図48の(A)あるいは図49の(A)に示す概念図を示す液晶表示装置において強誘電性液晶を用いる場合、駆動電圧の印加に際して、DC的にプラス・マイナス0に近づける必要がある(例えば、図49の(C)参照)。即ち、プラス電位、又は、マイナス電位を、或る期間、印加した場合(ここで、印加した電圧×時間をV×tとする)、同じV×tの量を打ち消すような電圧を、或る期間、印加する必要がある。強誘電性液晶においては、このような操作を行わないと、強誘電性液晶内部に電荷が蓄積され、一種の焼付けが発生してしまう。そして、開口部の開状態あるいは閉状態の時間がバランスしていない場合、連続的な開閉動作において、DC的にプラス・マイナス0に近づけるための駆動期間(一種のダミー期間)が必要となる(図49の(C)参照)。このダミー期間にあっては、開口部の開閉制御を行うことができないので、液晶表示装置全体への光の入射を制限する必要がある。また、有効でない期間が発生するため、高速での開口部の開閉制御も非効率となるし、強誘電性液晶の動作速度限界近くでの開口部の開閉制御を行うことができなくなる。更には、このダミー期間中は、光の利用もできないため、光の利用効率も低下する。
従って、本発明の目的は、2次元マトリクス状に配列された開口部の安定した高速開閉制御を行うことができ、しかも、構成、構造の簡素化を図ることができる光制御装置を提供することにあり、更には、強誘電性液晶を用いる場合であっても、駆動電圧の印加に際してDC的にプラス・マイナス0に近づけるといった要求に容易に答え得る構成、構造を有する光制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の光制御装置は、X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部を有し、該開口部における光の通過を制御する光制御装置であって、
少なくとも第1光変調装置及び第2光変調装置が並置されて成り、
第1光変調装置は複数の第1開口部を有し、
第2光変調装置は複数の第2開口部を有し、
第1光変調装置における第1開口部の射影像と第2光変調装置における第2開口部の射影像が重複する重複領域が、前記開口部に相当し、
第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と、第2光変調装置の第2開口部における光通過制御とは、独立して行われることを特徴とする。
本発明の光制御装置にあっては、第1光変調装置における第1開口部は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個の、合計、2×N個の第1開口部ユニットから構成され;第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個の第2開口部ユニットから構成されている形態とすることができる。尚、第1光変調装置及び第2光変調装置を液晶表示装置から構成する場合、第1光変調装置は、2×N個の第1開口部ユニットを構成する2×N本の第1電極(X方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第2光変調装置は、2×M個の第2開口部ユニットを構成する2×M本の第1電極(Y方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができる。
あるいは又、本発明の光制御装置にあっては、第1光変調装置における第1開口部は、Y方向に沿ってN個の第1開口部ユニットから構成され;第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個の第2開口部ユニットから構成されている形態とすることができる。尚、第1光変調装置及び第2光変調装置を液晶表示装置から構成する場合、第1光変調装置は、N個の第1開口部ユニットを構成するN本の第1電極(X方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第2光変調装置は、2×M個の第2開口部ユニットを構成する2×M本の第1電極(Y方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができる。
あるいは又、本発明の光制御装置にあっては、第1光変調装置における第1開口部は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個の、合計、2×N個の第1開口部ユニットから構成され;第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個の第2開口部ユニットから構成されている形態とすることができる。尚、第1光変調装置及び第2光変調装置を液晶表示装置から構成する場合、第1光変調装置は、2×N個の第1開口部ユニットを構成する2×N本の第1電極(X方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第2光変調装置は、M個の第2開口部ユニットを構成するM本の第1電極(Y方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができる。
あるいは又、本発明の光制御装置にあっては、
第1光変調装置及び第2光変調装置と共に、更に、第3光変調装置が並置されて成り、
第3光変調装置は複数の第3開口部を有し、
第1光変調装置における第1開口部の射影像と第2光変調装置における第2開口部の射影像と第3光変調装置における第3開口部の射影像とが重複する重複領域が、前記開口部に相当し、
第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と、第2光変調装置の第2開口部における光通過制御と、第3光変調装置の第3開口部における光通過制御とは、独立して行われる構成とすることができる。
そして、このような構成にあっては、第1光変調装置における第1開口部は、Y方向に沿ってN個の第1開口部ユニットから構成され;第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個の第2開口部ユニットから構成され;第3光変調装置における第3開口部は、X方向に沿って2個の第3開口部ユニットから構成され、又は、Y方向に沿って2個の第3開口部ユニットから構成されている形態とすることができる。尚、第1光変調装置、第2光変調装置及び第3光変調装置を液晶表示装置から構成する場合、第1光変調装置は、N個の第1開口部ユニットを構成するN本の第1電極(X方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第2光変調装置は、M個の第2開口部ユニットを構成するM本の第1電極(Y方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第3光変調装置は、2個の第3開口部ユニットを構成する2本の第1電極(X方向に沿って延び、あるいは又、Y方向に沿って延びる)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には液晶セルが挟まれた構造とすることができる。
以上に説明した種々の構成、形態を含む本発明の光制御装置にあっては、第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り;第1光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第2の方向に偏光された光が射出され;第2光変調装置には、第1光変調装置から射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出される形態とすることができる。あるいは又、第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り;第2光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第2の方向に偏光された光が射出され;第1光変調装置には、第2光変調装置から射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出される形態とすることができる。あるいは又、第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り;第1光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出され;第2光変調装置には、第1光変調装置から射出された第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出される形態とすることができるし、また、第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り;第2光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出され;第1光変調装置には、第2光変調装置から射出された第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出される形態とすることができる。このように、第1光変調装置及び第2光変調装置を強誘電性液晶表示装置から構成することで、高速にて開口部の開閉制御を行うことができる。但し、第1光変調装置や第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る形態とすることもできる。尚、第1光変調装置及び第2光変調装置を液晶表示装置から構成する場合、液晶表示装置は周知の構造を有する。即ち、液晶表示装置は2枚のガラス基板から構成され、第1電極は一方のガラス基板の内面に形成され、第2電極は他方のガラス基板の内面に形成され、2枚のガラス基板はそれらの外周部において接合されている。
本発明の光制御装置にあっては、少なくとも第1光変調装置及び第2光変調装置が並置されて成り、第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と第2光変調装置の第2開口部における光通過制御とは独立して行われるので、構成、構造の簡素化を図ることができ、しかも、2次元マトリクス状に配列された開口部の安定した高速開閉制御を行うことが可能となる。即ち、開口部の開閉制御を行うに際して中間電位を必要としなくてすみ、開口部の開状態と閉状態の安定した動作を行うことができる。しかも、行方向(Y方向)及び列方向(X方向)の電位を独立して設定することができるので、各液晶セルに対する電圧の制御が容易である。また、各液晶セルに個別に電圧を印加する必要がないので、駆動回路を簡素化することができる。更には、各液晶セル間に引出し電極を配置する必要がないので、構造の簡素化を図ることができるし、開口率の低下が生じることもない。そして、強誘電性液晶を用いる場合であっても、駆動電圧の印加に際して、連続的な動作においてDC的にプラス・マイナス0に近づけるといった要求に容易に答え得る構成、構造を達成することができる。従って、強誘電性液晶の動作速度限界で光制御装置を作動させる場合であっても、DC的なバランスを確保する時間が必要でなく、動作速度限界付近での動作が可能となる。また、全ての時間において光の利用が可能となるため、光利用効率の低下も避けることができる。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
実施例1は、本発明の光制御装置に関する。実施例1の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図を、図1の(A)及び(B)に示すが、実際には、第1光変調装置と第2光変調装置とは、重なるように並置されている。
この光変調装置は、X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部11,21を有し、これらの開口部11,21における光の通過を制御する。尚、実施例1〜実施例5にあっては、M=4,N=4,M×N=16としたが、これに限定するものではない。そして、少なくとも第1光変調装置及び第2光変調装置(実施例1においては、第1光変調装置10A及び第2光変調装置20A)が並置されて成る。更には、第1光変調装置10Aは複数の第1開口部11を有し、第2光変調装置20Aは複数の第2開口部21を有する。ここで、第1光変調装置10Aにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Aにおける第2開口部21の射影像が重複する重複領域が開口部に相当する。そして、第1光変調装置10Aの第1開口部11における光通過制御と、第2光変調装置20Aの第2開口部21における光通過制御とは、独立して行われる。
より具体的には、実施例1の光制御装置にあっては、第1光変調装置10Aにおける第1開口部11は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個(具体的には4個)の、合計、2×N個(具体的には8個)の第1開口部ユニット12から構成されている。一方、第2光変調装置20Aにおける第2開口部21は、X方向に沿ってM個(具体的には4個)、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個(具体的には8個)の第2開口部ユニット22から構成されている。
ここで、第1光変調装置10A及び第2光変調装置20Aは強誘電性液晶表示装置から成り、第1光変調装置10Aには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Aから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第2光変調装置20Aには、第1光変調装置10Aから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Aから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。あるいは又、第2光変調装置20Aには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置20Aから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第1光変調装置10Aには、第2光変調装置20Aから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Aから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。
より具体的には、第1光変調装置10Aは、2×N個(具体的には8個)の第1開口部ユニット12を構成する2×N本(具体的には、X方向に沿って延びる8本)の第1電極(X11,X12,X13,X14,X21,X22,X23,X24)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。また、第2光変調装置20Aは、2×M個(具体的には8個)の第2開口部ユニット22を構成する2×M本(具体的には、Y方向に沿って延びる8本)の第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14,Y21,Y22,Y23,Y24)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。
実施例1の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14,X21,X22,X23,X24)への印加電圧、及び、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14,Y21,Y22,Y23,Y24)への印加電圧を、模式的に図3に示す。
図3、あるいは、後述する図5、図7、図9中、Pr1〜Pr16は、電圧を印加するそれぞれの期間(時間:t)を指し、(1)〜(16)は、期間Pr1〜期間Pr16を意味する。また、図3、あるいは、後述する図5、図7、図9中、開口部を開状態とするための印加電圧であるVON(電極X11,Y11における印加電圧パターンにのみ示すが、他の印加電圧パターンにおいても同じである)の値を「V0」ボルトとし、開口部を閉状態とするための印加電圧であるVOFF(電極X11,Y11における印加電圧パターンにのみ示すが、他の印加電圧パターンにおいても同じである)の値を「−V0」ボルトとし、開口部を閉状態に維持するための印加電圧であるV’OFFの値を「−V0/4」ボルトとする。尚、以下においては、電極X11,Y11における印加電圧パターンを説明するが、他の印加電圧パターンも基本的には同じである。
第2開口部ユニット22における印加電圧パターンにあっては、例えば、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に、期間Pr1、期間Pr5、期間Pr13〜期間Pr15において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr2、期間Pr6、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr3〜期間Pr4、期間Pr7〜期間Pr12において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっては、DC的にプラス・マイナス0となっている。
また、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第1電極X11に、期間Pr1〜期間Pr4、期間Pr12において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr5、期間Pr13、及び、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr6〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第1開口部ユニット12における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
以上に説明したとおり、期間Pr1のみ、第1光変調装置10Aの第1開口部ユニット12と第2光変調装置20Aの第2開口部ユニット22との同時作動によって、第1光変調装置10Aにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Aにおける第2開口部21の射影像が重複する重複領域に相当する第(1,1)番目の開口部[図1の(A)参照)]が開状態となり、その他の期間Pr2〜期間Pr16にあっては、いずれか一方の開口部ユニットが不作動であるが故に、第(1,1)番目の開口部は閉状態となる。
同様に、期間Pr2のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
このように、実施例1の光変調装置にあっては、少なくとも第1光変調装置及び第2光変調装置が並置されて成り、第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と第2光変調装置の第2開口部における光通過制御とは独立して行われるので、構成、構造の簡素化を図ることができ、しかも、2次元マトリクス状に配列された開口部の安定した高速開閉制御を行うことが可能となる。更には、強誘電性液晶を用いる場合であっても、駆動電圧の印加に際してDC的にプラス・マイナス0に近づけるといった要求に容易に答え得る構成、構造を達成することができるので、DC的にプラス・マイナス0に近づけるための駆動期間(一種のダミー期間)が必要とされない。従って、液晶表示装置全体への光の入射を制限する必要がないし、有効でない期間が発生しないため、高速での開閉制御を効率良く行うことができるし、強誘電性液晶の動作速度限界近くでの開口部の開閉制御を行うことができ、光の利用効率が低下することもない。更には、第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と第2光変調装置の第2開口部における光通過制御とは独立して行われるので、不所望の開口部が開状態あるいは閉状態に遷移し始めてしまうといった現象が生じることもなく、閉状態を確実に維持することができる。尚、第1光変調装置10Aを、2×N個の第1開口部ユニットとする代わりに、場合によっては、例えば、3×N個の第1開口部ユニット、4×N個の第1開口部ユニットとすることができるし、第2光変調装置20Aを、場合によっては、例えば、3×M個の第2開口部ユニット、4×M個の第2開口部ユニットとすることができる。以下の実施例においても同様とすることができる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の光制御装置を構成する第1光変調装置10B及び第2光変調装置20Bの模式的な正面図を図2の(A)及び(B)に示すように、第1光変調装置10Bにおける第1開口部11は、Y方向に沿ってN個(具体的には4個)の第1開口部ユニット12から構成され、第2光変調装置20Bにおける第2開口部21は、X方向に沿ってM個(具体的には4個)、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個(具体的には、8個)の第2開口部ユニット22から構成されている。
ここで、実施例2にあっても、第1光変調装置10B及び第2光変調装置20Bは強誘電性液晶表示装置から成り、第1光変調装置10Bには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Bから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第2光変調装置20Bには、第1光変調装置10Bから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Bから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。あるいは又、第2光変調装置20Bには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Bから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第1光変調装置10Bには、第2光変調装置20Bから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Bから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。
より具体的には、第1光変調装置10Bは、N個(具体的には4個)の第1開口部ユニット12を構成するN本(具体的には、X方向に沿って延びる4本)の第1電極(X11,X12,X13,X14)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。一方、第2光変調装置20Bは、2×M個(具体的には8個)の第2開口部ユニット22を構成する2×M本(具体的には、Y方向に沿って延びる8本)の第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14,Y21,Y22,Y23,Y24)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。
実施例2の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14)への印加電圧、及び、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14,Y21,Y22,Y23,Y24)への印加電圧を、模式的に図3に示す。
実施例2の光変調装置にあっても、期間Pr1のみ第(1,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr2のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
実施例3も、実施例1の変形である。実施例3の光制御装置を構成する第1光変調装置10C及び第2光変調装置20Cの模式的な正面図を図4の(A)及び(B)に示すように、第1光変調装置10Cにおける第1開口部11は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個(具体的には4個)の、合計、2×N個(具体的には8個)の第1開口部ユニット12から構成され、第2光変調装置20Cにおける第2開口部21は、X方向に沿ってM個(具体的には4個)の第2開口部ユニット22から構成されている。
ここで、実施例3にあっても、第1光変調装置10C及び第2光変調装置20Cは強誘電性液晶表示装置から成り、第1光変調装置10Cには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Cから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第2光変調装置20Cには、第1光変調装置10Cから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Cから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。あるいは又、第2光変調装置20Cには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Cから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第1光変調装置10Cには、第2光変調装置20Cから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Cから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。
より具体的には、第1光変調装置10Cは、2×N個(具体的には8個)の第1開口部ユニット12を構成する2×N本(具体的には、X方向に沿って延びる8本)の第1電極(X11,X12,X13,X14,X21,X22,X23,X24)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。一方、第2光変調装置20Cは、M個(具体的には4個)の第2開口部ユニット22を構成するM本(具体的には、Y方向に沿って延びる4本)の第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。
実施例3の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14,X21,X22,X23,X24)への印加電圧、及び、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14)への印加電圧を、模式的に図5に示す。
実施例3の光変調装置にあっては、期間Pr1のみ第(1,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr2のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
実施例4も、実施例1の変形である。図6の(A)及び(B)に、実施例4の光制御装置を構成する第1光変調装置10D、第2光変調装置20D及び第3光変調装置30Dの模式的な正面図を示すように、実施例4の光制御装置は、第1光変調装置10D及び第2光変調装置20Dと共に、更に、第3光変調装置30Dが並置されて成り、第3光変調装置30Dは複数の第3開口部31を有し、第1光変調装置10Dにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Dにおける第2開口部21の射影像と第3光変調装置30Dにおける第3開口部31の射影像とが重複する重複領域が開口部に相当し、第1光変調装置10Dの第1開口部11における光通過制御と、第2光変調装置20Dの第2開口部21における光通過制御と、第3光変調装置30Dの第3開口部31における光通過制御とは、独立して行われる。
より具体的には、第1光変調装置10Dにおける第1開口部11は、Y方向に沿ってN個(具体的には4個)の第1開口部ユニット12から構成され、第2光変調装置20Dにおける第2開口部21は、X方向に沿ってM個(具体的には4個)の第2開口部ユニット22から構成され、第3光変調装置30Dにおける第3開口部31は、X方向に沿って2個の第3開口部ユニット32から構成されている。
ここで、実施例4にあっては、第1光変調装置10D、第2光変調装置20D及び第3光変調装置30Dは強誘電性液晶表示装置から成り、第1光変調装置10Dには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10Dから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第2光変調装置20Dには、第1光変調装置10Dから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20Dから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出され、第3光変調装置30Dには、第2光変調装置20Dから射出された第1の方向に偏光した光が入射し、第3光変調装置30Dから第2の方向に偏光された光が第4の偏光板(図示せず)を通して射出される。尚、第1光変調装置10D、第2光変調装置20D、及び、第3光変調装置30Dの並び順は、本質的に任意である。
より具体的には、第1光変調装置10Dは、N個(具体的には4個)の第1開口部ユニット12を構成するN本(具体的には、X方向に沿って延びる4本)の第1電極(X11,X12,X13,X14)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。一方、第2光変調装置20Dは、M個(具体的には4個)の第2開口部ユニット22を構成するM本(具体的には、Y方向に沿って延びる4本)の第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。更には、第3光変調装置30Dは、2個の第3開口部ユニット32を構成する2本(Y方向に沿って延びる)の第1電極(α,β)と、これらの第1電極に対向する1つの共通第2電極(図示せず)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セル(図示せず)が挟まれた構造を有する。
実施例4の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14)、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14)への印加電圧、及び、第3開口部ユニット32を構成する第1電極(α,β)への印加電圧を、模式的に図7に示す。
第2開口部ユニット22における印加電圧パターンにあっては、例えば、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に、期間Pr1、期間Pr4〜期間Pr5、期間Pr8〜期間Pr9、期間Pr12〜期間Pr13、期間Pr16において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間及びそれに続く期間である期間Pr2〜期間Pr3、期間Pr6〜期間Pr7、期間Pr10〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっては、DC的にプラス・マイナス0となっている。
また、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第1電極X11に、期間Pr1〜期間Pr4、期間Pr12において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr5、期間Pr13、及び、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr6〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第1開口部ユニット12における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
更には、第3開口部ユニット32における印加電圧パターンにあっては、例えば、第3開口部ユニット32における第1電極αに、期間Pr1〜期間Pr2、期間Pr5〜期間Pr6、期間Pr9〜期間Pr10、期間Pr13〜期間Pr14において、VON(=V0)が印加される。一方、期間Pr3〜期間Pr4、期間Pr7〜期間Pr8、期間Pr11〜期間Pr12、期間Pr15〜期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第3開口部ユニット32における第1電極αに印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第3開口部ユニット32における第1電極αに印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第3開口部ユニット32における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
以上に説明したとおり、第1光変調装置10Dの第1電極X11と、第2光変調装置20Dの第1電極Y11と、第3光変調装置30Dの第1電極αとの同時作動によって、第1光変調装置10Dにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Dにおける第2開口部21の射影像と第3光変調装置30Dにおける第1開口部31の射影像とが重複する重複領域に相当する第(1,1)番目の開口部[図6の(A)参照)]が開状態となり、その他の期間Pr2〜期間Pr16にあっては、第(1,1)番目の開口部は閉状態となる。
同様に、期間Pr2のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
実施例5は、実施例4の変形である。図8の(A)及び(B)に、実施例5の光制御装置を構成する第1光変調装置10E、第2光変調装置20E及び第3光変調装置30Eの模式的な正面図を示すように、第1光変調装置10Eにおける第1開口部11は、Y方向に沿ってN個(具体的には4個)の第1開口部ユニット12から構成され、第2光変調装置20Eにおける第2開口部21は、X方向に沿ってM個(具体的には4個)の第2開口部ユニット22から構成されている。また、第3光変調装置30Eにおける第3開口部31は、実施例4とは異なり、Y方向に沿って2個の第3開口部ユニット32から構成されている。
実施例5の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14)、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(Y11,Y12,Y13,Y14)への印加電圧、及び、第3開口部ユニット32を構成する第1電極(α,β)への印加電圧を、模式的に図9に示す。
第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第1電極X11に、期間Pr1、期間Pr4〜期間Pr5、期間Pr8〜期間Pr9、期間Pr12〜期間Pr13、期間Pr16において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間及びそれに続く期間である期間Pr2〜期間Pr3、期間Pr6〜期間Pr7、期間Pr10〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっては、DC的にプラス・マイナス0となっている。
また、第2開口部ユニット22における印加電圧パターンにあっては、例えば、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に、期間Pr1〜期間Pr4、期間Pr12において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr5、期間Pr13、及び、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr6〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第2開口部ユニット22における第1電極Y11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
更には、第3開口部ユニット32における印加電圧パターンにあっては、例えば、第3開口部ユニット32における第1電極αに、期間Pr1〜期間Pr2、期間Pr5〜期間Pr6、期間Pr9〜期間Pr10、期間Pr13〜期間Pr14において、VON(=V0)が印加される。一方、期間Pr3〜期間Pr4、期間Pr7〜期間Pr8、期間Pr11〜期間Pr12、期間Pr15〜期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第3開口部ユニット32における第1電極αに印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第3開口部ユニット32における第1電極αに印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第3開口部ユニット32における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
以上に説明したとおり、期間Pr1のみ、第1光変調装置10Eの第1電極X11と、第2光変調装置20Eの第1電極Y11と、第3光変調装置30Eの第1電極αとの同時作動によって、第1光変調装置10Eにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Eにおける第2開口部21の射影像と第3光変調装置30Eにおける第1開口部31の射影像とが重複する重複領域に相当する第(1,1)番目の開口部[図8の(A)参照)]が開状態となり、その他の期間Pr2〜期間Pr16にあっては、第(1,1)番目の開口部は閉状態となる。
同様に、期間Pr2のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
以下、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置を、立体画像を表示することができる3次元像表示装置に適用した例を説明する。
ところで、光波を離散化し、理論的にはほぼ実世界における光波から成る場と等価である状況を光線によって再現することで立体画像を生成する技術として、光線再生法(インテグラルフォトグラフィ法とも呼ばれる)が知られている。光線再生法にあっては、予め、多くの方向へ伝搬する多数の光線から構成された光線群を、光学的手段によって空間に散布する。次に、任意の位置に位置する仮想的な物体の表面から伝搬される光線をこの光線群から選択し、選択された光線の強度や位相の変調を行うことによって、光線から成る像を空間に生成する。観察者は、この像を立体画像として観察することができる。光線再生法による立体画像は、任意の点において、複数の方向からの像が多重結像されたものであり、実世界における3次元物体を見たときと同様に、任意の点について、見る位置によって見え方が異なる。
光線再生法を実現するための装置として、液晶表示装置やプラズマ表示装置等の平面型表示装置とマイクロレンズアレイやピンホールアレイとを組み合わせた装置が提案されている(例えば、上述の特許文献2〜特許文献8を参照のこと)。また、プロジェクタ・ユニットを多数並べた装置も考えられる。図47に、プロジェクタ・ユニットを用いて光線再生法を実現する3次元像表示装置の一構成例を示す。この装置は、多数のプロジェクタ・ユニット701を水平方向及び垂直方向に並列的に配置し、各プロジェクタ・ユニット701から角度の異なる光線を出射するようにしたものである。これにより、ある断面702内の任意の点において多視角の像を多重再生し、立体画像を実現している。
上述の光線再生法によれば、視覚機能としての焦点調節及び両眼輻輳角調節に対して有効に働く程度の光線によって画像を生成するので、眼精疲労が極めて少ない立体画像を提供することができる。それだけでなく、仮想物体上の同一要素から複数の方向へ連続的に光線が射出されていることから、視点位置の移動に伴う画像の変化を連続的に提供することができる。
しかしながら、現状の光線再生法によって生成された画像は、実世界における物体と比較すると臨場感に欠ける。これは、現状の光線再生法による立体画像が、実世界の物体から観察者が得る情報量に対して非常に少量の情報、即ち、少量の光線によって生成されていることに起因していると考えられる。一般に、人間の視認限界は角度分解能で1分程度と云われており、現状の光線再生法による立体画像は、この人間の視覚に対して不十分な光線によって生成されている。従って、実世界の物体が有する高い臨場感やリアリティを有する立体画像を生成するためには、少なくとも多量の光線によって画像を生成することが課題である。
そして、その実現のためには、空間的に高い密度で光線群を生成することのできる技術が必要とされ、液晶表示装置等の表示装置の表示密度を高くすることが考えられる。あるいは又、図47に示した多数のプロジェクタ・ユニット701を配置する装置の場合、各プロジェクタ・ユニット701を出来るだけ小型化し、空間的に高い密度で並べることが考えられる。しかしながら、現在の表示装置における表示密度の飛躍的な向上は、光利用効率や回折限界の問題から困難である。また、図47に示した装置の場合、各プロジェクタ・ユニット701を小型化するのには限界があるため、空間的に高い密度で並べることは困難であると考えられる。いずれの場合にあっても、高密度の光線群を生成するためには、複数のデバイスが必要となり、装置全体の大型化は避けられない。
然るに、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置を、立体画像を表示することができる3次元像表示装置に適用することで、3次元像表示装置全体を大型化することなく、立体画像の表示に必要な光線群を空間的に高い密度で生成・散布することができ、実世界の物体と同質に近い光線による立体画像を得ることを可能とする3次元像表示装置を提供することができる。
このような3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)複数の画素を有し、光源からの光を各画素によって変調して2次元画像を生成し、且つ、生成した2次元画像における空間周波数を、各画素から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出する光変調手段、
(C)光変調手段から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段、
(D)前記複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段、並びに、
(E)フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第A−1の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、フーリエ変換像選択手段が、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)複数の画素を有し、光源からの光を各画素によって変調して2次元画像を生成し、且つ、生成した2次元画像における空間周波数を、各画素から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出する光変調手段、
(C)光変調手段から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記各画素から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成し、該フーリエ変換像の内の所定のフーリエ変換像のみを選択し、更には、該選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換して、光変調手段によって生成された2次元画像の共役像を形成する画像制限・生成手段、
(D)複数の開口領域を有し、2次元画像の共役像における空間周波数を、各開口領域から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出するオーバーサンプリングフィルタ、
(E)オーバーサンプリングフィルタから射出された2次元画像の共役像における空間周波数をフーリエ変換して、前記各開口領域から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段、
(F)前記各開口領域から生じる複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段、並びに、
(G)フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第B−1の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、フーリエ変換像選択手段が、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)複数の画素を有し、光源からの光に基づき2次元画像を生成する2次元画像形成装置、
(C)入射する光を屈折させて略一点に集光する光学パワーを有する光学素子が2次元マトリクス状に配列されて成り、透過する光の位相を変調する位相格子としての機能を有し、入射した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出する光学装置、
(D)光学装置から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段、
(E)前記複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段、並びに、
(F)フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第C−1の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、フーリエ変換像選択手段が、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
第A−1の態様に係る3次元像表示装置において、共役像形成手段には、フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、光変調手段によって生成された2次元画像の実像を形成する逆フーリエ変換手段が含まれる構成とすることが好ましい。
また、第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、共役像形成手段には、フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、画像制限・生成手段によって生成された2次元画像の共役像の実像を形成する逆フーリエ変換手段が含まれる構成とすることが好ましい。
更には、第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、共役像形成手段には、フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、2次元画像形成装置によって生成された2次元画像の実像を形成する逆フーリエ変換手段が含まれる構成とすることが好ましい。
上記の好ましい構成を含む第A−1の態様あるいは第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、光変調手段は2次元的に配列された複数の画素を有する2次元空間光変調器から成り、各画素は開口を備えている形態とすることができ、この場合、2次元空間光変調器を、液晶表示装置(より具体的には、透過型若しくは反射型の液晶表示装置)、あるいは、2次元空間光変調器の各開口内には可動ミラーが設けられている構成(可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る構成)とすることが好ましい。ここで、開口の平面形状は矩形とすることが望ましい。開口の平面形状を矩形とするとき、フラウンホーファー回折が生じ、M×N組の回折光が生成される。即ち、係る開口によって、入射光波の振幅(強度)を周期的に変調し、格子の光透過率分布に一致した光量分布が得られる振幅格子が形成される。
また、上記の好ましい構成を含む第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置を液晶表示装置(より具体的には、透過型若しくは反射型の液晶表示装置)から構成することが好ましい。
あるいは又、上記の好ましい構成を含む第A−1の態様あるいは第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、光変調手段は、
(B−1)1次元画像を生成する1次元空間光変調器、
(B−2)1次元空間光変調器によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系、及び、
(B−3)2次元画像の生成面に配置され、生成した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出する格子フィルタ、
から成る形態とすることができる。尚、格子フィルタは、振幅格子から構成されていてもよいし、透過光量の位相を変調する、即ち、光の振幅(強度)はそのままで、位相を変調する位相格子から構成されていてもよい。
あるいは又、上記の好ましい構成を含む第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置は、
(B−1)1次元画像を生成する1次元画像形成装置、及び、
(B−2)1次元画像形成装置によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系、
から成る形態とすることができる。
更には、上記の好ましい構成、形態を含む第A−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像形成手段はレンズから成り、このレンズの前側焦点面に光変調手段が配置されており、このレンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段が配置されている構成とすることができる。
また、以上に説明した好ましい形態、構成を含む第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、画像制限・生成手段は、
(C−1)2枚のレンズ、及び、
(C−2)該2枚のレンズの間に配置され、前記所定のフーリエ変換像のみを通過させる画像制限開口部、
から構成されている形態とすることができる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、オーバーサンプリングフィルタは、回折光生成部材、より具体的には、例えば格子フィルタから成る形態とすることができる。尚、格子フィルタは、振幅格子から構成されていてもよいし、位相格子から構成されていてもよい。
また、上記の好ましい構成、形態を含む第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像形成手段はレンズから成り、このレンズの前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタが配置されており、このレンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段が配置されている構成とすることができる。
更には、以上に説明した好ましい形態、構成を含む第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像形成手段はレンズから成り;該レンズの前側焦点面に、光学装置を構成する光学素子の焦点が位置しており;該レンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段が配置されている構成とすることができる。
以上に説明した好ましい構成、形態を含む第A−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像選択手段は、前記複数の回折次数に対応する数の開閉制御可能な開口部を有する構成とすることができる。また、以上に説明した好ましい構成、形態を含む第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像選択手段は、前記各開口領域から生じる複数の回折次数に対応する数の開閉制御可能な開口部を有する構成とすることができる。また、以上に説明した好ましい構成、形態を含む第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、フーリエ変換像選択手段は、前記複数の回折次数に対応する数の開閉制御可能な開口部を有する構成とすることができる。そして、これらの場合、フーリエ変換像選択手段は、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置、具体的には、例えば液晶表示装置(より具体的には、透過型の液晶表示装置)から成る形態とすることができるし、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る形態とすることもできる。また、フーリエ変換像選択手段においては、光変調手段あるいは2次元画像形成装置による2次元画像の生成タイミングと同期して所望の開口部を開状態とすることによって、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択する構成とすることが好ましい。
更には、上記の好ましい構成、形態を含む第A−1の態様に係る3次元像表示装置において、前記2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送(キャリア)周波数とした画像情報に相当する構成とすることができる。
また、上記の好ましい構成、形態を含む第B−1の態様に係る3次元像表示装置において、前記2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送(キャリア)周波数とした画像情報に相当する構成とすることができ、更には、前記2次元画像の共役像における空間周波数は、前記2次元画像における空間周波数から画素構造の空間周波数が除去された空間周波数である構成とすることができる。即ち、平面波成分の0次回折を搬送(キャリア)周波数とする1次回折として得られるものであって、光変調手段の画素構造(開口構造)の空間周波数の半分以下の空間周波数が、画像制限・生成手段において選択され、あるいは又、画像制限開口部を通過する。光変調手段あるいは後述する2次元画像形成装置に表示された空間周波数は全て伝達される。
更には、上記の好ましい構成、形態を含む第C−1の態様に係る3次元像表示装置において、前記2次元画像における空間周波数は、2次元画像形成装置における画素構造の空間周波数を搬送(キャリア)周波数とした画像情報に相当する構成とすることができる。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP×Q個(但し、P及びQは任意の正の整数)の開口を有し、光源からの光の通過、反射、あるいは回折を開口毎に制御することで2次元画像を生成し、且つ、該2次元画像に基づき、開口毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成する2次元画像形成装置、
(C)その前側焦点面に2次元画像形成装置が配置されている第1のレンズ、
(D)第1のレンズの後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部を有する空間フィルタ、
(E)その前側焦点面に空間フィルタが配置されている第2のレンズ、並びに、
(F)第2のレンズの後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第A−2の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、空間フィルタが、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列された開口を有し、光源からの光の通過、反射、あるいは回折を開口毎に制御することで2次元画像を生成し、且つ、該2次元画像に基づき、開口毎に、複数の回折次数の回折光を生成する2次元画像形成装置、
(C)その前側焦点面に2次元画像形成装置が配置されている第1のレンズ、
(D)第1のレンズの後側焦点面に配置され、所定回折次数の回折光のみを通過させる画像制限開口部、
(E)その前側焦点面に画像制限開口部が配置されている第2のレンズ、
(F)第2のレンズの後側焦点面に配置され、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数)の開口領域を有し、第2のレンズによって生成された2次元画像の共役像に基づき、開口領域毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成するオーバーサンプリングフィルタ、
(G)その前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタが配置されている第3のレンズ、
(H)第3のレンズの後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部を有する空間フィルタ、
(I)その前側焦点面に空間フィルタが配置されている第4のレンズ、並びに、
(J)第4のレンズの後側焦点に、その前側焦点が位置している第5のレンズ、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第B−2の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、空間フィルタが、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)複数の画素を有し、光源からの光に基づき2次元画像を生成する2次元画像形成装置、
(C)入射する光を屈折させて略一点に集光する光学パワーを有する光学素子が、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状にP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数)配列されて成り、透過する光の位相を変調する位相格子としての機能を有し、入射した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数(総数M×N)に対応した回折角に沿って射出する光学装置、
(D)その前側焦点面に光学装置を構成する光学素子の焦点が位置している第1のレンズ、
(E)第1のレンズの後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部を有する空間フィルタ、
(F)その前側焦点面に空間フィルタが配置されている第2のレンズ、並びに、
(G)第2のレンズの後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第C−2の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、空間フィルタが、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
第A−2の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置は、2次元的に配列されたP×Q個の画素を有する液晶表示装置(より具体的には、透過型若しくは反射型の液晶表示装置)から成り、各画素には開口が備えられている形態とすることができ、あるいは、2次元画像形成装置における各開口には可動ミラーが設けられている構成(可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された開口のそれぞれに配置された2次元型のMEMSから成る構成)とすることが好ましい。ここで、開口の平面形状は矩形とすることが望ましい。開口の平面形状を矩形とするとき、フラウンホーファー回折が生じ、M×N組の回折光が生成される。即ち、係る開口によって振幅格子が形成される。
また、第B−2の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置は、2次元的に配列されたP×Q個の画素を有する液晶表示装置(より具体的には、透過型若しくは反射型の液晶表示装置)から成り、各画素には開口が備えられており、P0>P,Q0>Qを満足する形態とすることができ、あるいは、2次元画像形成装置には、P×Q個の開口が設けられており、各開口には可動ミラーが設けられており(可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された開口のそれぞれに配置された2次元型のMEMSから成る構成)、P0>P,Q0>Qを満足する形態とすることができる。開口の平面形状は矩形とすることが望ましい。開口の平面形状を矩形とするとき、フラウンホーファー回折が生じ、M×N組の回折光が生成される。即ち、係る開口によって振幅格子が形成される。また、オーバーサンプリングフィルタは、回折光生成部材、より具体的には、例えば格子フィルタから成る形態とすることができる。尚、格子フィルタは、振幅格子から構成されていてもよいし、位相格子から構成されていてもよい。
第C−2の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置は、2次元的に配列されたP×Q個(但し、P0≧P,Q0≧Q)の画素を有する液晶表示装置(より具体的には、透過型若しくは反射型の液晶表示装置)から成る構成とすることができる。尚、PとP0、QとQ0のより具体的な関係として、1≦P0/P≦4、1≦Q0/Q≦4を例示することができる。
あるいは又、第C−2の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置は、
(B−1)1次元画像を生成する1次元画像形成装置、及び、
(B−2)1次元画像形成装置によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系、
から成る構成とすることができる。そして、この場合にあっては、1次元画像形成装置は、光源からの光を回折することによって1次元画像を生成する構成とすることができる。更には、第3のレンズの後方には、更に、異方性の光拡散を生じさせる部材(異方性拡散フィルタ、異方性拡散シート、あるいは、異方性拡散フィルム)が配置されている形態とすることもできる。
上記の好ましい構成、形態を含む第A−2の態様、第B−2の態様あるいは第C−2の態様に係る3次元像表示装置においては、空間フィルタは、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置、具体的には、M×N個の開口部(画素)を有する液晶表示装置(より具体的には、透過型の液晶表示装置)から成る構成とすることができるし、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る形態とすることもできる。また、空間フィルタにおいては、2次元画像形成装置による2次元画像の生成タイミングと同期して所望の開口部を開状態とする構成とすることができる。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)X方向に沿ってP個の画素を有し、1次元画像を生成する1次元空間光変調器;1次元空間光変調器によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系;及び、2次元画像の生成面に配置され、画素毎に、第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)回折光を生成する回折光生成手段から成る2次元画像形成装置、
(C)その前側焦点面に回折光生成手段が配置されている第1のレンズ、
(D)第1のレンズの後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個(但し、Nは正の整数)の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部を有する空間フィルタ、
(E)その前側焦点面に空間フィルタが配置されている第2のレンズ、並びに、
(F)第2のレンズの後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第A−3の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、空間フィルタが、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
第A−3の態様に係る3次元像表示装置において、1次元空間光変調器は、光源からの光を回折することによって1次元画像を生成する構成とすることができる。
あるいは又、3次元像表示装置は、
(A)光源、
(B)1次元画像を生成する1次元空間光変調器;1次元空間光変調器によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系;及び、2次元画像の生成面に配置され、画素毎に、複数の回折次数の回折光を生成する回折光生成手段から成る2次元画像形成装置、
(C)その前側焦点面に回折光生成手段が配置されている第1のレンズ、
(D)第1のレンズの後側焦点面に配置され、所定回折次数の回折光のみを通過させる画像制限開口部、
(E)その前側焦点面に画像制限開口部が配置されている第2のレンズ、
(F)第2のレンズの後側焦点面に配置され、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数)の開口領域を有し、第2のレンズによって生成された2次元画像の共役像に基づき、開口領域毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成するオーバーサンプリングフィルタ、
(G)その前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタが配置されている第3のレンズ、
(H)第3のレンズの後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部を有する空間フィルタ、
(I)その前側焦点面に空間フィルタが配置されている第4のレンズ、並びに、
(J)第4のレンズの後側焦点に、その前側焦点が位置している第5のレンズ、
を備えていることを特徴とする。
尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、第B−3の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ。ここで、空間フィルタが、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成されている。
第B−3の態様に係る3次元像表示装置において、1次元空間光変調器は、X方向に沿ってP個の画素を有し、光源からの光を回折することによって1次元画像を生成し、P0>Pを満足する形態とすることができる。オーバーサンプリングフィルタは、回折光生成部材、より具体的には、例えば格子フィルタから成る形態とすることができる。尚、格子フィルタは、振幅格子から構成されていてもよいし、位相格子から構成されていてもよい。
上記の好ましい構成を含む第A−3の態様あるいは第B−3の態様に係る3次元像表示装置において、空間フィルタは、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置、具体的には、M×N個の開口部(画素)を有する液晶表示装置(より具体的には、透過型の液晶表示装置)から成る構成とすることができるし、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る形態とすることもできる。また、空間フィルタにおいては、2次元画像の生成タイミングと同期して所望の開口部を開状態とする構成とすることができる。
更には、上記の好ましい構成を含む第A−3の態様に係る3次元像表示装置において、第3のレンズの後方には、更に、異方性の光拡散を生じさせる部材(異方性拡散フィルタ、異方性拡散シート、あるいは、異方性拡散フィルム)が配置されている形態とすることもできる。
第A−2の態様、第B−2の態様、第A−3の態様、あるいは、第B−3の態様に係る3次元像表示装置において、m及びm’は整数であり、Mは正の整数であるが、m,m’,Mの関係は、m≦m’であり、且つ、M=m’−m+1である。また、n及びn’は整数であり、Nは正の整数であるが、n,n’,Nの関係は、n≦n’であり、且つ、N=n’−n+1である。また、回折次数の総数に相当するM,Nの数として、限定するものではないが、
0≦M(=m’−m+1)≦21
好ましくは、例えば、
5≦M(=m’−m+1)≦21
また、
0≦N(=n’−n+1)≦21
好ましくは、例えば、
5≦N(=n’−n+1)≦21
を例示することができる。Mの値とNの値は、等しくてもよいし、異なっていてもよいし、Mの値とNの値は、等しくてもよいし、異なっていてもよいし、|m’|の値と|m|の値は、等しくてもよいし、異なっていてもよいし、|n’|の値と|n|の値は、等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、第C−2の態様に係る3次元像表示装置における光学装置においては、入射した2次元画像における空間周波数が、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出されるが、ここで、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光が生成されるとしたとき、m,m’,Mの関係、n,n’,Nの関係は、上記のとおりとすることができる。
以上に説明した種々の好ましい構成、形態を含む第B−1の態様、第B−2の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置におけるオーバーサンプリングフィルタを構成する格子フィルタの構造として、平板ガラスにP0×Q0個の凹部が2次元マトリクス状に形成された構造(位相格子タイプ)を例示することができる。ここで、係る凹部が開口領域に相当する。開口領域(凹部)の平面形状を、例えば、矩形とするとき、フラウンホーファー回折が生じ、M×N組の回折光が生成される。また、上述したとおり、P0>P,Q0>Qを満足することが好ましいが、より具体的には、1≦P0/P≦4、1≦Q0/Q≦4を例示することができる。
また、以上に説明した種々の好ましい構成、形態を含む第C−1の態様及び第C−2の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像形成装置における各画素は、平面形状が矩形の開口を有している。そして、第C−1の態様及び第C−2の態様に係る3次元像表示装置における光学装置の具体的な構造として、以下の構成を例示することができる。即ち、光学素子の平面形状を、対応する画素の開口の平面形状と同一の形状あるいは相似の形状とすることが好ましい。また、各光学素子は、正の光学パワーを有する凸レンズから構成されており、あるいは又、負の光学パワーを有する凹レンズから構成されており、あるいは又、正の光学パワーを有するフレネルレンズから構成されており、あるいは又、負の光学パワーを有するフレネルレンズから構成されていることが望ましい。云い換えれば、各光学素子は屈折型の格子状素子から成る。そして、光学装置は、一種のマイクロレンズアレイから構成されており、光学装置を構成する材料としてガラスやプラスチックを挙げることができ、マイクロレンズアレイを製造する周知の方法に基づき作製することができる。尚、光学装置は、2次元画像形成装置の後方に隣接して配置されている。このように、光学装置を2次元画像形成装置の後方に隣接して配置することで、2次元画像形成装置に起因した回折現象の影響を無視することができる。あるいは又、2次元画像形成装置と光学装置との間に、例えば、2枚の凸レンズを配置し、一方の凸レンズの前側焦点面に2次元画像形成装置を配置し、一方の凸レンズの後側焦点に他方の凸レンズの前側焦点を位置させ、他方の凸レンズの後側焦点面に光学装置を配置する構成とすることもできる。一般に、回折格子を2つの範疇に分類すると、先に述べたように、入射光波の振幅(強度)を周期的に変調し、格子の光透過率分布に一致した光量分布が得られる振幅格子と、透過光量の位相を変調する、即ち、光の振幅(強度)はそのままで、位相を変調する位相格子とに分類することができるが、第C−1の態様及び第C−2の態様に係る3次元像表示装置における光学装置は、後者の位相格子として機能する。
以上に説明した種々の好ましい構成、形態を含む第A−1の態様、第B−1の態様、第C−1の態様、第A−2の態様、第B−2の態様、第C−2の態様、第A−3の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置(以下、これらを総称して、第A−1の態様〜第B−3の態様に係る3次元像表示装置と呼ぶ)における光源として、レーザ、発光ダイオード(LED)や白色光源を挙げることができる。光源と光変調手段あるいは2次元画像形成装置との間に、光源から射出された光を整形するための照明光学系を配置してもよい。
2次元空間光変調器あるいは2次元画像形成装置を構成する液晶表示装置においては、例えば、次に述べる透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域が、1画素(1ピクセル)に相当する。そして、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素の光透過率を制御することによって、光源から射出された光の光透過率を制御し、全体として、2次元画像を得ることができる。第A−1の態様、第B−1の態様、第A−2の態様、第B−2の態様、第A−3の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置にあっては、透明第1電極と透明第2電極の重複領域には、矩形の開口が設けられており、光源から射出された光が係る開口を通過することによって、画素毎に、フラウンホーファー回折が生じ、M×N組の回折光が生成される。
液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料から成る。フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板と、第1の基板の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。更には、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板と、第2の基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型の液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。尚、スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。あるいは又、複数の走査電極が第1の方向に延び、複数のデータ電極が第2の方向に延びる、所謂マトリックス電極構成を有する液晶表示装置とすることもできる。透過型の液晶表示装置にあっては、光源からの光は、第2の基板から入射し、第1の基板から射出される。一方、反射型の液晶表示装置にあっては、光源からの光は、第1の基板から入射し、例えば、第2の基板の内面に形成された第2電極(画素電極)によって反射され、再び、第1の基板から射出される。開口は、例えば、透明第2電極と配向膜との間に、光源からの光に不透明な絶縁材料層を形成し、係る絶縁材料層に開口を形成することで得ることができる。尚、反射型の液晶表示装置として、その他、LCoS(Liquid Crystal on Silicon)タイプを用いることもできる。
また、1次元空間光変調器(1次元画像形成装置)として、より具体的には、回折格子−光変調素子(GLV:Grating Light Valve)が一次元的にアレイ状に配列されて成る装置(以下、回折格子−光変調装置と呼ぶ場合がある)を挙げることができる。
第A−1の態様、第A−2の態様、第A−3の態様、第C−1の態様、第C−2の態様に係る3次元像表示装置にあっては、共役像形成手段によって形成された共役像を投射する光学的手段を備えていてもよいし、あるいは第3のレンズの後方に、第3のレンズによって形成された像を投射する光学的手段を備えていてもよい。また、第B−1の態様、第B−2の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置にあっては、共役像形成手段によって形成された共役像を投射する光学的手段を備えていてもよいし、あるいは第5のレンズの後方に、第5のレンズによって形成された像を投射する光学的手段を備えていてもよい。
第A−1の態様〜第B−3の態様に係る3次元像表示装置において、2次元画像の画素(ピクセル)の数P×Qを(P,Q)で表記したとき、(P,Q)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
第A−1の態様、第A−2の態様、第A−3の態様に係る3次元像表示装置においては、光変調手段あるいは2次元画像形成装置等によって、2次元画像が生成され、且つ、生成された2次元画像における空間周波数が各画素や回折光生成手段から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、フーリエ変換像形成手段あるいは第1のレンズによって空間周波数をフーリエ変換して、複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成され、フーリエ変換像選択手段あるいは空間フィルタによって、複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内の所望の回折次数に対応するフーリエ変換像が2次元画像の形成タイミングと同期して選択され、共役像形成手段(第2のレンズ及び第3のレンズ)によって、フーリエ変換像選択手段あるいは空間フィルタに基づき選択されたフーリエ変換像の共役像が形成され、最終的に観察者に到達するといった操作が、順次、時系列的に繰り返されることで、複数の回折次数に相当する光線群を、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、生成・散布することができる結果、係る光線群により、従来には無い、光の回折現象を効率的に利用した光線再生法に基づき、3次元像表示装置全体を大型化することなく、実世界の物体に近い質感の立体画像を得ることができる。
また、第B−1の態様、第B−2の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置においては、光変調手段(2次元画像形成装置)によって、2次元画像が生成され、且つ、生成された2次元画像における空間周波数が各画素等から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、画像制限・生成手段(第1のレンズ)によって空間周波数がフーリエ変換されて複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成され、その内の所定のフーリエ変換像のみが画像制限・生成手段(画像制限開口部)によって選択され、画像制限・生成手段(第2のレンズ)によって2次元画像の共役像が生成される。そして、係る2次元画像の共役像における空間周波数が、オーバーサンプリングフィルタから、各開口領域から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、フーリエ変換像形成手段(第3のレンズ)によって空間周波数がフーリエ変換されて、各開口領域から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成される。次いで、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)によって、各開口領域から生じる複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内の所望の回折次数に対応するフーリエ変換像が2次元画像の形成タイミングと同期して選択され、共役像形成手段(第2のレンズ及び第3のレンズ)によって、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)に基づき選択されたフーリエ変換像の共役像が形成され、最終的に観察者に到達する。そして、このような操作が、順次、時系列的に繰り返されることで、オーバーサンプリングフィルタにおける各開口領域から生じる複数の回折次数に相当する光線群を、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、生成・散布することができる結果、係る光線群により、従来には無い、光の回折現象を効率的に利用した光線再生法に基づき、3次元像表示装置全体を大型化することなく、実世界の物体に近い質感の立体画像を得ることができる。しかも、第B−1の態様、第B−2の態様、第B−3の態様に係る3次元像表示装置にあっては、オーバーサンプリングフィルタを配置することによって、即ち、光変調手段(2次元画像形成装置)とは独立して、読み出した画像(2次元画像の共役像)を新たに空間的にサンプリングするので、最終的に得られる画像の大きさと視野角とを、独立して制御することができる。従って、観察される立体画像の領域を広げつつ、表示される立体画像のスケール(大きさ)を大きくすることが可能となる。
第C−1の態様あるいは第C−2の態様に係る3次元像表示装置においては、2次元画像形成装置によって2次元画像が生成され、生成された2次元画像における空間周波数が、屈折型の格子状素子から成る光学素子の集合体である光学装置によって複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、フーリエ変換像形成手段あるいは第1のレンズによって空間周波数をフーリエ変換して、複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成され、フーリエ変換像選択手段あるいは空間フィルタによって、複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内の所望の回折次数に対応するフーリエ変換像が2次元画像の形成タイミングと同期して選択され、共役像形成手段(第2のレンズ及び第3のレンズ)によって、フーリエ変換像選択手段あるいは空間フィルタに基づき選択されたフーリエ変換像の共役像が形成され、最終的に観察者に到達するといった操作が、順次、時系列的に繰り返されることで、複数の回折次数に相当する光線群を、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、生成・散布することができる結果、係る光線群により、従来には無い、光の回折現象を効率的に利用した光線再生法に基づき、3次元像表示装置全体を大型化することなく、実世界の物体に近い質感の立体画像を得ることができる。
2次元画像形成装置によって生成された2次元画像における空間周波数を、矩形の開口を有し、係る矩形の開口に基づきフラウンホーファー回折を発生させる振幅格子によって複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出させた場合、高い開口率を有する振幅格子の作製が困難な場合がある。そして、光利用効率は開口の開口率に依存するが故に、高い光利用効率を達成することが困難となる虞がある。一方、2次元画像における空間周波数をフーリエ変換してフーリエ変換像を生成するとき、複数の回折次数に対応したフーリエ変換像間のユニフォーミティ(回折次数間の光強度の均一性)は、開口が小さい程、向上する。第C−1の態様あるいは第C−2の態様に係る3次元像表示装置においては、振幅格子ではなく、屈折型の格子状素子から成る光学素子の集合体である光学装置を採用することで、光学素子それ自体に高い開口率を与えることができ、光利用効率の向上を実現することができるだけでなく、光学素子に入射した光は略一点に集光されるので、小さな開口を得たと等価となり、複数の回折次数に対応したフーリエ変換像間において高いユニフォーミティを達成することができる。しかも、光学装置の最適化を図ることで、高い次数の回折に対しても多くのエネルギーを分配することが可能となる。尚、例えばガラス平板に多数の凹部を形成した位相格子を採用すれば、光利用効率を高めることは可能である。しかしながら、位相変調によるパターン生成の場合、特定の面内において任意のパターン生成は可能であるが、任意の面内において光線による画像を生成するシステムにあっては、任意の面内において特定のパターンを生成することは極めて困難である。第C−1の態様あるいは第C−2の態様に係る3次元像表示装置においては、位相格子の代わりに、屈折型の格子状素子から成る光学素子の集合体である光学装置を採用することで、このような位相格子における問題を解消することができる。
しかも、フーリエ変換像選択手段あるいは空間フィルタには高速作動が要求されるが、本発明の光変調装置を適用することで十分に対応することができる。
実施例6は、第A−1の態様及び第A−2の態様に係る3次元像表示装置に関する。図12、図13及び図14に、単色表示の実施例6の3次元像表示装置の概念図を示す。尚、以下の説明において、光軸をz軸とし、z軸に直交する平面内での直交座標をx軸、y軸とし、x軸と平行な方向をX方向、y軸と平行な方向をY方向とする。X方向を、例えば3次元像表示装置における水平方向とし、Y方向を、例えば3次元像表示装置における垂直方向とする。ここで、図12は、yz平面における実施例6の3次元像表示装置の概念図である。xz平面における実施例6の3次元像表示装置の概念図も、実質的には図12と同様である。また、図13は、実施例6の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図であり、図14は、実施例6の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。
従来の光線再生法による立体画像の表示では、任意の位置に存在する仮想物体表面を仮想的な原点とした複数の光線を出射することを目的として、予め、様々な角度で出射する光線を提供できる装置を備えておく必要がある。即ち、例えば、図47に示した装置にあっては、多数(例えば、M×N個)のプロジェクタ・ユニット701を水平方向及び垂直方向に並列的に配置しなければならない。
一方、実施例6の3次元像表示装置101にあっては、図12〜図14に示した構成要素を備える3次元像表示装置単体で、従来の技術と比較して、空間的に密度が高く、且つ、大量の光線群を生成・形成することが可能である。実施例6の3次元像表示装置101は、1つの3次元像表示装置で、図47に示した多数(M×N個)のプロジェクタ・ユニット701を水平方向及び垂直方向に並列的に配置した装置と等価の機能を有する。尚、例えばマルチユニット方式を採用する場合には、図46に示すように、分割された3次元画像の数だけ、実施例6の3次元像表示装置101を備えればよい。図46においては、実施例6の3次元像表示装置101を、4×4=16、備えた装置を例示している。
第A−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例6の3次元像表示装置101は、
(A)光源110、
(B)複数の画素131を有し、光源からの光を各画素131によって変調して2次元画像を生成し、且つ、生成した2次元画像における空間周波数を、各画素131から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出する光変調手段130、
(C)光変調手段130から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記複数の回折次数(総計M×N)に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段140、
(D)前記複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段150、並びに、
(E)フーリエ変換像選択手段によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段160、
を備えている。
更には、共役像形成手段160には、フーリエ変換像選択手段150によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、光変調手段130によって生成された2次元画像の実像を形成する逆フーリエ変換手段(具体的には、後述する第2のレンズL2)が備えられている。また、フーリエ変換像形成手段140はレンズから成り、このレンズの前側焦点面に光変調手段130が配置されており、このレンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段150が配置されている。フーリエ変換像選択手段150あるいは後述する空間フィルタSFは、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から成り、複数の回折次数に対応する数の開閉制御可能な開口部151を有する。
ここで、2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。
また、第A−2の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例6の3次元像表示装置101は、
(A)光源110、
(B)X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP×Q個(但し、P及びQは任意の正の整数である)の開口を有し、光源110からの光の通過を開口毎に制御することで2次元画像を生成し、且つ、該2次元画像に基づき、開口毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成する2次元画像形成装置130、
(C)その前側焦点面に2次元画像形成装置130が配置されている第1のレンズ(より具体的には、実施例6にあっては凸レンズ)L1
(D)第1のレンズL1の後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部151を有する空間フィルタSF、
(E)その前側焦点面に空間フィルタSFが配置されている第2のレンズ(より具体的には、実施例6にあっては凸レンズ)L2、並びに、
(F)第2のレンズL2の後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ(より具体的には、実施例6にあっては凸レンズ)L3
を備えている。
ここで、実施例6あるいは後述する実施例9、実施例12にあっては、P=1024、Q=768であり、m=−5、m’=5、M=m’−m+1=11、n=−5、n’=5、N=n’−n+1=11である。但し、これらの値に限定するものではない。また、z軸(光軸に相当する)は、実施例6あるいは後述する実施例7〜実施例12の3次元像表示装置を構成する各構成要素の中心を通り、しかも、3次元像表示装置を構成する各構成要素と直交する。第A−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素と第A−2の態様あるいは第A−3の態様に係る3次元像表示装置の構成要素とを対比すると、光変調手段130は2次元画像形成装置130に対応し、フーリエ変換像形成手段140は第1のレンズL1に対応し、フーリエ変換像選択手段150は空間フィルタSFに対応し、逆フーリエ変換手段は第2のレンズL1に対応し、共役像形成手段160は第2のレンズL2及び第3のレンズL3に対応している。それ故、便宜上、2次元画像形成装置130、第1のレンズL1、空間フィルタSF、第2のレンズL1、及び、第3のレンズL3という用語に基づき、以下、説明を行う。
光源110と2次元画像形成装置130との間には、光源110から射出された光を整形するための照明光学系120が配置されている。そして、光源110から射出され、照明光学系120を通過した光(照明光)によって、2次元画像形成装置130が照明される。照明光として、例えば、空間コヒーレンスの高い光源110からの光を照明光学系120によって平行光に整形された光を用いる。尚、照明光の特性、及び、係る照明光を得るための具体的な構成例に関しては、後述する。
2次元画像形成装置130は、2次元的に配列された複数の画素131を有する2次元空間光変調器から成り、各画素131は開口を備えている。具体的には、2次元画像形成装置130あるいは2次元空間光変調器は、2次元的に配列された、即ち、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列された、P×Q個の画素131を有する透過型の液晶表示装置から成り、各画素131には開口が備えられている。
1つの画素131は、透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域から構成されている。そして、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素131の光透過率を制御することによって、光源110から射出された光の光透過率を制御し、全体として、2次元画像を得ることができる。透明第1電極と透明第2電極の重複領域には、矩形の開口が設けられており、係る開口を光源110から射出された光が通過するとフラウンホーファー回折が生じる結果、各画素131において、M×N組=121組の回折光が生成される。云い換えれば、画素131の数はP×Qであるが故に、総計、(P×Q×M×N)本の回折光が生じると考えることもできる。2次元画像形成装置130においては、2次元画像における空間周波数が、各画素131から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って2次元画像形成装置130から射出される。尚、2次元画像における空間周波数によっても回折角は異なる。
焦点距離f1を有する第1のレンズL1の前側焦点面(光源側の焦点面)には2次元画像形成装置130が配置されており、第1のレンズL1の後側焦点面(観察者側の焦点面)には空間フィルタSFが配置されている。第1のレンズL1によって、複数の回折次数に対応する数であるM×N=121個のフーリエ変換像が生成され、これらのフーリエ変換像は、空間フィルタSF上に結像する。尚、図13においては、便宜上、64個のフーリエ変換像を点状にて図示した。
空間フィルタSFは、具体的には、フーリエ変換像を、空間的、且つ、時間的にフィルタリングするための時間的な開閉制御が可能な空間フィルタである。より具体的には、空間フィルタSFは、複数の回折次数に対応する数(具体的には、M×N=121)の開閉制御可能な開口部151を有する。そして、空間フィルタSFにおいては、2次元画像形成装置130による2次元画像の生成タイミングと同期して所望の1つの開口部151を開状態とすることによって、所望の回折次数に対応する1つのフーリエ変換像を選択する。より具体的には、空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から成るM×N個の開口部(画素)を有する強誘電性液晶を用いた透過型の液晶表示装置、あるいは、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された装置を含む2次元型のMEMSから構成することができる。尚、液晶表示装置から成る空間フィルタSFの模式的な正面図を図15に示す。図15中、数字(m0,n0)は、開口部151の番号を示し、且つ、回折次数を示す。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部151には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する。
前述したとおり、共役像形成手段160は、具体的には、第2のレンズL2及び第3のレンズL3から構成されている。そして、焦点距離f2を有する第2のレンズL2は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像の実像RIを形成する。また、焦点距離f3を有する第3のレンズL3は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIを形成する。
第2のレンズL2は、その前側焦点面上に、空間フィルタSFが位置するように配置され、その後側焦点面に、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像の実像RIが形成されるように配置されている。ここで得られる実像RIの2次元画像形成装置130に対する倍率は、第2のレンズL2の焦点距離f2を任意に選択することによって変化させることができる。
一方、第3のレンズL3は、その前側焦点面が第2のレンズL2の後側焦点面に一致するように配置され、その後側焦点面にフーリエ変換像の共役像CIが形成されるように配置されている。ここで、第3のレンズL3の後側焦点面は空間フィルタSFの共役面であることから、空間フィルタSF上の1つの開口部151に相当する部分から、2次元画像形成装置130によって生成された2次元画像が出力されていることと等価となる。そして、最終的に生成・出力される光線の量は、画素数分(P×Q)の光線に、光学系を透過した複数の回折次数(具体的にはM×N)を乗じた量で定義することができる。また、第3のレンズL3の後側焦点面にはフーリエ変換像の共役像CIが形成されるが、第3のレンズL3の後側焦点面においては、光線群が2次元的に整然と配置されているとみなせる。即ち、全体としては、第3のレンズL3の後側焦点面に、図47に示したプロジェクタ・ユニットが複数の回折次数分(具体的にはM×N個)、配置されている状態と等価である。
図13及び図16に模式的に示すように、2次元画像形成装置130における1つの画素131によって、X方向に沿って第−5次から第+5次までの11組の、Y方向に沿って第−5次から第+5’次までの11組の、合計、M×N組=121組の回折光が生成される。尚、図16では、0次光(n0=0)、±1次光(n0=±1)、及び、±2次光(n0=±2)の回折光のみを代表して図示しているが、実際には、更に高次の回折光が生成され、これらの回折光に基づき、最終的に立体画像が形成される。ここで、各回折次数の回折光(光束)には、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像の全画像情報(全ての画素の情報)が集約されている。2次元画像形成装置130上の同一画素から回折によって生成される複数の光線群(11×11=121の光線群)は、同時刻において、全て、同一の画像情報を有する。云い換えれば、P×Q個の画素131を有する透過型の液晶表示装置から成る2次元画像形成装置130においては、光源110からの光が各画素131によって変調されて2次元画像が生成され、且つ、生成された2次元画像における空間周波数は、各画素131から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出される。即ち、2次元画像のM×N個の一種のコピーが2次元画像形成装置130から、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出される。
そして、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像の全画像情報が集約された2次元画像における空間周波数は、第1のレンズL1によってフーリエ変換され、複数の回折次数(総計M×N)に対応する数のフーリエ変換像が生成され、係るフーリエ変換像は空間フィルタSF上に結像される。第1のレンズL1において、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像における空間周波数のフーリエ変換像が生成されるので、空間的に高い密度にてフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、光源110から射出された光(照明光)の波長をλ(mm)、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数をν(lp/mm)、第1のレンズL1の焦点距離をf1(mm)とすると、第1のレンズL1の後側焦点面では、光軸から距離Y1(mm)の位置に、空間周波数νを有する光(フーリエ変換像)が現れる。
1=f1・λ・ν (1)
第1のレンズL1における集光状態を、図17に模式的に示す。尚、図17中、「Y0」は、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像のy軸方向の長さを示し、「Y1」は、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像に基づく空間フィルタSF上でのフーリエ変換像のy軸方向の間隔を示す。また、0次の回折光を実線で示し、第1次の回折光を点線で示し、第2次の回折光を一点鎖線で示す。各回折次数の回折光が、云い換えれば、回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像が、第1のレンズL1によって空間フィルタSF上の異なる開口部151に集光される(図13も参照)。開口部151の数は、先に説明したとおりM×N個=121個である。空間フィルタSFへの集光角(空間フィルタSFから射出された後の発散角)θは、回折次数が同じフーリエ変換像(あるいは回折光)にあっては、P×Q個の画素131において同一である。空間フィルタSF上において、隣接する回折次数のフーリエ変換像の間の間隔は、式(1)から求めることができる。式(1)から、第1のレンズL1の焦点距離f1を任意に選択することによって、フーリエ変換像の位置(空間フィルタSF上の結像位置)を変化させることが可能である。
第1のレンズL1において、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像における空間周波数を透過させるためには、利用する回折次数に応じて第1のレンズL1の開口率NAを選択する必要があり、焦点距離に拘わらず、第1のレンズL1以降の全てのレンズの開口率は、第1のレンズL1の開口率NA以上であることが要求される。
開口部151の大きさは、式(1)におけるY1の値と同じ値とすればよい。一例として、照明光の波長λを532nm、第1のレンズL1の焦点距離f1を50mm、2次元画像形成装置130の1画素131の大きさを13μm〜14μm程度とすると、Y1の値は約2mmとなる。これは、空間フィルタSF上において、約2mm間隔という高い密度で各回折次数に対応したフーリエ変換像を得ることができることを意味する。云い換えれば、空間フィルタSF上において、X方向、Y方向のいずれの方向においても、約2mm間隔で、11×11=121個のフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数νは、2次元画像がP×Q個の画素131から構成される2次元画像形成装置130によって形成されているので、最高でも、2次元画像形成装置130を構成する連続した2つの画素131から成る周期を有する周波数である。
図18の(A)に、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数が最も低い状態にある2次元画像形成装置130の模式的な正面図を示す。ここで、最も空間周波数が低い状態とは、全ての画素を、黒表示、又は、白表示にした場合であり、この場合の2次元画像における空間周波数は、平面波成分のみ(DC成分)を有する。尚、図18の(A)では白表示とした場合を示す。この場合における、第1のレンズL1によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性を模式的に図19の(A)に示すが、フーリエ変換像の光強度のピークは周波数ν1の間隔で現れる。
一方、図18の(B)に、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数が最も高い状態にある2次元画像形成装置130の模式的な正面図を示す。ここで、最も空間周波数が高い状態とは、全ての画素が、黒表示と白表示とを交互に表示する場合である。この場合における、第1のレンズL1によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性を模式的に図19の(B)に示すが、フーリエ変換像の光強度のピークは周波数ν2(=ν1/2)の間隔で現れる。図20の(A)に、空間フィルタSF上(xy平面上)におけるフーリエ変換像の分布を模式的に示し、図20の(B)及び(C)に、図20の(A)のx軸(点線で表す)上におけるフーリエ変換像の光強度分布を模式的に示す。尚、図20の(B)は最低空間周波数成分(平面波成分)を示し、図20の(C)は最高空間周波数成分を示す。
空間フィルタSFにおける開口部151の平面形状は、フーリエ変換像の形状に基づき決定すればよい。更には、フーリエ変換像の平面波成分のピーク位置が中心となるように、各々の回折次数に対して開口部151を設ければよい。これによって、各開口部151の中心位置152に、フーリエ変換像の光強度のピークが位置する。即ち、2次元画像における空間周波数が最低空間周波数成分(平面波成分)の場合におけるフーリエ変換像の周期的なパターンを中心として、2次元画像における正負の最高空間周波数を全て通過させ得るような開口部151とすればよい。
ところで、最も空間周波数が高い状態とは、図18の(B)に示したように、全ての画素が、黒表示と白表示とを交互に表示する場合である。また、2次元画像形成装置130における画素構造の空間周波数と、2次元画像における空間周波数との関係は、以下のとおりである。即ち、開口が画素の全てを占めている(即ち、開口率100%)と仮定したとき、2次元画像における最高空間周波数は、画素構造の空間周波数の(1/2)である。また、開口が画素の或る割合(100%未満)を占めている場合には、2次元画像における最高空間周波数は、画素構造の空間周波数の(1/2)を下回る。それ故、空間フィルタSFにおいて現れる画素構造に起因した周期的なパターンの間隔の半分の位置までに、2次元画像における空間周波数は全て出現する。このことから、全ての開口部151を、空間的に相互に干渉することなく配置することができる。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部151には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する一方、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像は、他の開口部151には入射しない。これにより、フーリエ変換像毎に独立した開口部151を有する空間フィルタSF上において、1つの開口部151に位置するフーリエ変換像内に、2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数が存在する一方、開口部151の空間的な制限によって2次元画像形成装置130によって形成された2次元画像における空間周波数が欠落することはない。尚、画素構造の空間周波数を搬送周波数と見做すことができ、2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。
そして、空間フィルタSFにおいては、M×N個のフーリエ変換像のそれぞれの通過/不通過を制御するために、開口部151の開閉制御が行われる。空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成すれば、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として高速動作させることによって開口部151の開閉制御を行うことができる。
以下、空間フィルタSFにおける開口部151の開閉制御のタイミングについて説明する。
空間フィルタSFにおいては、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するために、2次元画像形成装置130の画像出力と同期して、開口部151の開閉制御を行う。この操作を、図21、図22、及び、図23を参照して説明する。尚、図21の最上段は、2次元画像形成装置130における画像出力のタイミングを示しており、図21の中段は、空間フィルタSFにおける第(3,2)番目の開口部151の開閉タイミングを示し、図21の下段は、第(3,3)番目の開口部151の開閉タイミングを示す。尚、後述する実施例8〜実施例12の3次元像表示装置における動作も同様とすることができる。
図21に示すように、2次元画像形成装置130において、例えば時間t1S〜t1Eの間(期間T1)に画像「A」が表示され、時間t2S〜t2Eの間(期間T2)に画像「B」が表示されるとする。このとき、空間フィルタSFにおいては、図21に示すように、期間T1にあっては第(3,2)番目の開口部151を、期間T2にあっては第(3,3)番目の開口部151を開状態とする。こうして、2次元画像形成装置130における同じ画素131において異なる回折次数として生成され、第1のレンズL1によって生成されるフーリエ変換像に、異なる画像情報を付加することができる。云い換えれば、期間T1にあっては、2次元画像形成装置130における或る画素131において得られるm0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像には、画像「A」に関する画像情報が含まれている。一方、期間T2にあっては、2次元画像形成装置130における同じ或る画素において得られるm0=3,n0=3の回折次数を有するフーリエ変換像には、画像「B」に関する画像情報が含まれている。尚、期間Tの長さは、前述した期間Prの長さと同じである。
図22に、2次元画像形成装置130における画像形成のタイミングと開口部151の制御のタイミングとを模式的に示す。期間T1にあっては、2次元画像形成装置130において画像「A」が表示され、M×N個のフーリエ変換像が空間フィルタSFの対応する開口部151にフーリエ変換像「α」として集光される。期間T1では、第(3,2)番目の開口部151のみを開くので、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像「α」のみが空間フィルタSFを通過する。次の期間T2にあっては、2次元画像形成装置130において画像「B」が表示され、同様にM×N個のフーリエ変換像が空間フィルタSFの対応する開口部151にフーリエ変換像「β」として集光される。期間T2では、第(3,3)番目の開口部151のみを開くので、m0=3,n0=3の回折次数を有するフーリエ変換像「β」のみが空間フィルタSFを通過する。以下、順次、2次元画像形成装置130の画像形成タイミングに同期して、空間フィルタSFにおける開口部151の開閉制御を行う。尚、図22において、開状態の開口部151を実線で囲み、閉状態の開口部151を点線で囲んだ。
このようなタイミングで2次元画像形成装置130における画像形成と開口部151の開閉制御とを行った場合に、この3次元像表示装置の最終出力として得られる画像を、図23に模式的に示す。図23において、画像「A’」は、第(3,2)番目の開口部151のみを開くので、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像「α」のみが空間フィルタSFを通過する結果得られる画像であり、画像「B’」は、第(3,3)番目の開口部151のみを開くので、m0=3,n0=3の回折次数を有するフーリエ変換像「β」のみが空間フィルタSFを通過する結果得られる画像であり、画像「C’」は、第(4,2)番目の開口部151のみを開くので、m0=4,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像「γ」のみが空間フィルタSFを通過する結果得られる画像である。尚、図23に示す画像は、観察者が眺める画像である。図23においては、便宜上、画像と画像とを実線で区分したが、係る実線は仮想の実線である。また、正確には、同時刻に、図23に示した画像が得られるわけではないが、画像の切り替え期間は非常に短時間なので、観察者の目には同時に表示されているように観察される。例えば、1フレームの表示期間内に、2次元画像形成装置130における全ての次数分(M×N)の画像形成と、空間フィルタSFにおける1つの画像の選択が行われる。また、図23では平面的に図示しているが、観察者に実際に観察されるのは立体画像である。
即ち、前述したように、第3のレンズL3の後側焦点面からは、2次元画像形成装置130によって生成された2次元画像(例えば、時系列的に、画像「A’」、画像「B’」・・・画像「C’」)が出力される。即ち、全体としては、第3のレンズL3の後側焦点面に、図47に示したプロジェクタ・ユニットが複数の回折次数分(具体的にはM×N個)、配置されており、時系列的に、或るプロジェクタ・ユニットから画像「A’」が出力され、別のプロジェクタ・ユニットから画像「B’」が出力され、更に別のプロジェクタ・ユニットから画像「C’」が出力されると等価となる。そして、例えば、或る物体を種々の位置(角度)から撮影した多数の画像(あるいは、コンピュータによって作成した画像)のデータに基づき、2次元画像形成装置130において画像を時系列的に再生すれば、これらの画像に基づき立体画像を得ることができる。
尚、回折次数に依存して、得られる画像の明るさが相違する場合には、最も暗い画像を基準として、明るい画像を減光する減光フィルタを第3のレンズL3の後側焦点面に配置すればよい。後述する実施例7〜実施例12においても同様である。
また、空間フィルタSFに設けられた開口部151の開閉制御を、全ての開口部151に対して行わなくともよい。即ち、例えば、1つおきに開口部151の開閉制御を行ってもよいし、所望の位置に位置する開口部151だけの開閉制御を行ってもよい。後述する実施例7〜実施例12においても同様である。
光源及び照明光学系の構成例を、図24の(A)〜(C)、図25の(A)〜(B)に示す。ここで、光源によって射出され、照明光学系によって整形され、2次元画像形成装置130を照明する光(照明光)の特性を、以下、空間コヒーレンスを用いて説明する。
空間コヒーレンスは、任意の空間における断面で生じる光の干渉性を示し、その度合いは、生成される干渉縞のコントラストで示すことができる。干渉縞の生成過程において、最もコントラストの高い干渉縞は、平面波若しくは平面波と光学的に交換可能な球面波の干渉によって生成される。このことから、空間コヒーレンスの最も高い光は、平面波(若しくは球面波)であることが分かる。1つの進行方向の成分のみを有する例えば平面波は空間コヒーレンスが最も高く、空間コヒーレンスの度合いが低くなるに従い、進行方向の成分が複数存在するようになる。また、光の進行方向成分の分布は、発光原点若しくは2次発光点の空間的な大きさを議論することと等価である。以上のことから、空間コヒーレンスは、発光原点若しくは2次発光点の空間的な大きさに基づき議論することができる。空間コヒーレンス、即ち、光源の空間的な大きさは、3次元像表示装置における画像の空間周波数特性を決定する要因となる。完全な空間コヒーレンスを有する光以外を照明光に用いると、高周波成分から順番にコントラストの低下が生じる。得られる画像の空間周波数特性は、具体的なアプリケーションによって異なる要求があることから、ここでは、具体的数値に言及せず、異なる要求に柔軟に対応するための様々な構成方法について述べる。
実施例6の3次元像表示装置101においては、照明光として空間コヒーレンスの高い光を用いる場合と、そうでない場合において、光源及び照明光学系の構成方法が異なる。また、光源の特性により照明光学系の構成が異なる。以下では、光源及び照明光学系における構成方法の組み合わせについて説明する。尚、光源は全ての場合において、単色若しくは単色に近い光源であることを前提としている。
図24の(A)は、第1構成例として、空間コヒーレンスの高い光源110Aにより、全体として空間コヒーレンスの高い照明光学系120Aを構成した例を示している。光源110Aは、例えばレーザから構成されている。照明光学系120Aは、光源側から順に、レンズ121A、円形開口板122A、及び、レンズ124Aから構成されている。円形開口板122Aには、中央に円形のアパーチャ123Aが設けられている。レンズ124Aにおける集光位置にアパーチャ123Aが配置されている。レンズ124Aは、コリメータレンズとして機能する。
図24の(B)は、第2構成例として、空間コヒーレンスの高い光源110Bを用いて、全体として空間コヒーレンスの高くない照明光学系120Bを構成した例を示している。光源110Bは、例えばレーザから構成されている。照明光学系120Bは、光源側から順に、レンズ121B、拡散板122B、及び、レンズ124Bから構成されている。拡散板122Bは、可動拡散板であってもよい。
図24の(C)及び図25の(A)は、第3構成例及び第4構成例として、空間コヒーレンスの高くない光源110C,110Dを用いて、全体として空間コヒーレンスの高い照明光学系120C,120Dを構成した例を示している。光源110C,110Dとしては、例えば発光ダイオード(LED)や白色光源を用いる。図24の(C)の照明光学系120Cは、光源側から順に、レンズ121C、円形開口板122C、及び、レンズ124Cから構成されている。円形開口板122Cには、中央に円形のアパーチャ123Cが設けられている。レンズ124Cにおける集光位置に、アパーチャ123Cが配置されている。レンズ124Cは、コリメータレンズとして機能する。一方、図25の(A)の照明光学系120Dは、図24の(C)の照明光学系120Cに比べてレンズ121Cが省略され、光源側から順に、円形開口板122D、アパーチャ123D、及び、レンズ124Dから構成されている。
図25の(B)は、第5構成例として、空間コヒーレンスの高くない光源110Eを用いて、全体として空間コヒーレンスの高くない照明光学系120Eを構成した例を示している。光源110Eの他は、レンズ124Eのみで構成されている。
各構成例において、全体として空間コヒーレンスの高い照明光学系を構築する場合には、光源に依存することなく2次発光点を小さくしている。また、全体として空間コヒーレンスの高くない照明光学系を構築する場合には、光源に依存すること無く、2次発光点を大きくしている。以上に説明した光源及び照明光学系の各構成例は、以下の実施例7〜実施例12にも適用することができる。
以上に説明したように、実施例6の3次元像表示装置101によれば、光変調手段(2次元画像形成装置)130によって生成された2次元画像における空間周波数が、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、フーリエ変換像形成手段140(第1のレンズL1)によってフーリエ変換されることで得られたフーリエ変換像は、フーリエ変換像選択手段150(空間フィルタSF)によって、空間的、且つ、時間的にフィルタリングされ、そのフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIが形成される構成を有するので、3次元像表示装置全体を大型化することなく、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、光線群を生成・散布することができる。また、光線群の構成要素である個々の光線を、独立して、時間的及び空間的に制御することができる。これにより、実世界の物体と同質に近い光線による立体画像を得ることができる。
また、実施例6の3次元像表示装置101によれば、光線再生法を利用しているので、焦点調節、輻輳、運動視差などの視覚機能を満足した立体画像を提供することが可能である。更には、実施例6の3次元像表示装置101によれば、高次回折光を効率的に利用しているので、従来の画像出力手法と比較して、1つの画像出力デバイス(2次元画像形成装置130)によって制御可能な光線(2次元画像の一種のコピー)を、複数の回折次数分だけ(即ち、M×N個)、得ることができる。しかも、実施例6の3次元像表示装置101によれば、空間的、且つ、時間的にフィルタリングを行うので、3次元像表示装置の時間的特性を、3次元像表示装置の空間的特性に変換することができる。また、拡散スクリーン等を用いること無く、立体画像を得ることができる。更には、どのような方向からの観察に対しても適切な立体画像を提供することができる。また、空間的に高い密度で光線群を生成・散布することができるので、視認限界に近い精細な空間画像を提供することができる。
実施例7は、第B−1の態様及び第B−2の態様に係る3次元像表示装置に関する。図26、図27及び図28に、単色表示の実施例7の3次元像表示装置の概念図を示す。ここで、図26は、yz平面における実施例7の3次元像表示装置の概念図である。xz平面における実施例7の3次元像表示装置の概念図も、実質的には図26と同様である。また、図27は、実施例7の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図であり、図28は、実施例7の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。
第B−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例7の3次元像表示装置501は、
(A)光源110、
(B)複数の画素531を有し、光源110からの光を各画素531によって変調して2次元画像を生成し、且つ、生成した2次元画像における空間周波数を、各画素531から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出する光変調手段530、
(C)光変調手段530から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記各画素531から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成し、これらのフーリエ変換像の内の所定のフーリエ変換像(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみを選択し、更には、この選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換して、光変調手段530によって生成された2次元画像の共役像(2次元画像の実像)を形成する画像制限・生成手段532、
(D)複数の開口領域534を有し、2次元画像の共役像における空間周波数を、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出するオーバーサンプリングフィルタ(回折光生成部材)OSF、
(E)オーバーサンプリングフィルタOSFから射出された2次元画像の共役像における空間周波数をフーリエ変換して、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段540、
(F)各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段550、並びに、
(G)フーリエ変換像選択手段550によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段560、
を備えている。
更には、共役像形成手段560には、フーリエ変換像選択手段550によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、画像制限・生成手段532によって生成された2次元画像の共役像(以下、単に、「2次元画像の共役像」と呼ぶ場合がある)を形成する逆フーリエ変換手段(具体的には、後述する第4のレンズL4)が備えられている。また、フーリエ変換像形成手段540はレンズから成り、このレンズの前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されており、このレンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段550が配置されている。フーリエ変換像選択手段550は、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応する数の開閉制御可能な開口部551を有する。
ここで、2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。また、2次元画像の共役像における空間周波数は、2次元画像における空間周波数から画素構造の空間周波数が除去された空間周波数である。
また、第B−2の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例7の3次元像表示装置501は、
(A)光源110、
(B)X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列された開口(個数:P×Q)を有し、光源110からの光の通過、反射、あるいは回折を開口毎に制御することで2次元画像を生成し、且つ、該2次元画像に基づき、開口毎に、複数の回折次数の回折光を生成する2次元画像形成装置530、
(C)その前側焦点面に2次元画像形成装置530が配置されている第1のレンズL1
(D)第1のレンズL1の後側焦点面に配置され、所定回折次数の回折光(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみを通過させる画像制限開口部533、
(E)その前側焦点面に画像制限開口部533が配置されている第2のレンズL2
(F)第2のレンズL2の後側焦点面に配置され、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数)の開口領域534を有し、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像に基づき、開口領域534毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成するオーバーサンプリングフィルタ(回折光生成部材)OSF、
(G)その前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されている第3のレンズL3
(H)第3のレンズL3の後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部551を有する空間フィルタSF、
(I)その前側焦点面に空間フィルタSFが配置されている第4のレンズL4、並びに、
(J)第4のレンズL4の後側焦点に、その前側焦点が位置している第5のレンズL5
を備えている。
尚、実施例7にあっては、第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3、第4のレンズL4及び第5のレンズL5は、具体的には、凸レンズから構成されている。また、画像制限・生成手段532は、2枚のレンズ(第1のレンズL1及び第2のレンズL2)、及び、これらの2枚のレンズ(第1のレンズL1及び第2のレンズL2)の間に配置され、所定のフーリエ変換像(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみを通過させる画像制限開口部533から構成されている。更には、オーバーサンプリングフィルタ(回折光生成部材)OSFは格子フィルタ(回折格子フィルタ)から成り、より具体的には、平板ガラスにP0×Q0個の凹部(開口領域に相当し、平面形状は矩形である)が2次元マトリクス状に形成された構造を有する。即ち、オーバーサンプリングフィルタ(回折光生成部材)OSFは、位相格子から構成されている。後述する実施例10あるいは実施例12にあっても同様である。
ここで、実施例7あるいは後述する実施例10あるいは実施例12にあっては、P0=2048、Q0=1536であり、P=1024、Q=768であり、m=−5、m’=5、M=m’−m+1=11、n=−5、n’=5、N=n’−n+1=11である。但し、これらの値に限定するものではない。また、z軸(光軸に相当する)は、実施例7あるいは後述する実施例10あるいは実施例12の3次元像表示装置501を構成する各構成要素の中心を通り、しかも、3次元像表示装置501を構成する各構成要素と直交する。第B−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素と第B−2の態様あるいは第B−3の態様に係る3次元像表示装置の構成要素とを対比すると、光変調手段530は2次元画像形成装置530に対応し、画像制限・生成手段532は、第1のレンズL1、画像制限開口部533及び第2のレンズL2に対応し、フーリエ変換像形成手段540は第3のレンズL3に対応し、フーリエ変換像選択手段550は空間フィルタSFに対応し、逆フーリエ変換手段は第4のレンズL4に対応し、共役像形成手段560は第4のレンズL4及び第5のレンズL5に対応している。それ故、便宜上、2次元画像形成装置530、第1のレンズL1、画像制限開口部533、第2のレンズL2、第3のレンズL3、空間フィルタSF、第4のレンズL4、及び、第5のレンズL5という用語に基づき、以下、説明を行う。
光源110と2次元画像形成装置530との間には、光源110から射出された光を整形するための照明光学系120が配置されている。そして、光源110から射出され、照明光学系120を通過した光(照明光)によって、2次元画像形成装置530が照明される。照明光として、例えば、空間コヒーレンスの高い光源110からの光を照明光学系120によって平行光に整形された光を用いる。尚、照明光の特性、及び、係る照明光を得るための具体的な構成例に関しては、前述した照明光学系120と同様とすることができる。
2次元画像形成装置530は、2次元的に配列された複数の画素531を有する2次元空間光変調器から成り、各画素531は開口を備えている。具体的には、2次元画像形成装置530あるいは2次元空間光変調器は、2次元的に配列された、即ち、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列された、P×Q個の画素531を有する透過型の液晶表示装置から成り、各画素531には開口が備えられている。
1つの画素531は、透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域から構成されている。そして、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素531の光透過率を制御することによって、光源110から射出された光の光透過率を制御し、全体として、2次元画像を得ることができる。透明第1電極と透明第2電極の重複領域には、矩形の開口が設けられており、係る開口を光源110から射出された光が通過するとフラウンホーファー回折が生じる結果、各画素531において、M×Nの回折光が生成される。云い換えれば、画素531の数はP×Qであるが故に、総計(P×Q×M×N)本の回折光が生じると考えることもできる。2次元画像形成装置530においては、2次元画像における空間周波数が、各画素531から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って2次元画像形成装置530から射出される。尚、2次元画像における空間周波数によっても回折角は異なる。
焦点距離f1を有する第1のレンズL1の前側焦点面(光源側の焦点面)には2次元画像形成装置530が配置されており、第1のレンズL1の後側焦点面(観察者側の焦点面)には画像制限開口部533が配置されている。第1のレンズL1によって、複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成され、これらのフーリエ変換像は、画像制限開口部533が位置する平面内に結像する。そして、所定回折次数の回折光(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみが画像制限開口部533を通過する。また、焦点距離f2を有する第2のレンズL2の前側焦点面には画像制限開口部533が配置されており、第2のレンズL2の後側焦点面にはオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されている。更には、焦点距離f3を有する第3のレンズL3の前側焦点面にはオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されており、第3のレンズL3の後側焦点面には空間フィルタSFが配置されている。第3のレンズL3によって、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応する数であるM×N=121個のフーリエ変換像が生成され、これらのフーリエ変換像は、空間フィルタSF上に結像する。尚、図27においては、便宜上、64個のフーリエ変換像を点状にて図示した。
空間フィルタSFは、具体的には、フーリエ変換像を、空間的、且つ、時間的にフィルタリングするための時間的な開閉制御が可能な空間フィルタである。より具体的には、空間フィルタSFは、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応する数(具体的には、M×N=121)の開閉制御可能な開口部551を有する。そして、空間フィルタSFにおいては、2次元画像形成装置530による2次元画像の生成タイミングと同期して所望の1つの開口部551を開状態とすることによって、所望の回折次数に対応する1つのフーリエ変換像を選択する。より具体的には、空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から成るM×N個の開口部(画素)を有する強誘電性液晶を用いた透過型の液晶表示装置、あるいは、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された装置を含む2次元型のMEMSから構成することができる。尚、液晶表示装置から成る空間フィルタSFの模式的な正面図は、図15に示したと同様である。図15中、数字(m0,n0)は、開口部551(図15にあっては、参照番号151で示す)の番号を示し、且つ、回折次数を示す。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部551には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する。
前述したとおり、共役像形成手段560は、具体的には、第4のレンズL4及び第5のレンズL5から構成されている。そして、焦点距離f4を有する第4のレンズL4は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像の実像RIを形成する。また、焦点距離f5を有する第5のレンズL5は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIを形成する。
第4のレンズL4は、その前側焦点面上に、空間フィルタSFが位置するように配置され、その後側焦点面に、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像の実像RIが形成されるように配置されている。ここで得られる実像RIの第2のレンズL2によって形成された実像に対する倍率は、第4のレンズL4の焦点距離f4を任意に選択することによって変化させることができる。
一方、第5のレンズL5は、その前側焦点面が第4のレンズL4の後側焦点面に一致するように配置され、その後側焦点面にフーリエ変換像の共役像CIが形成されるように配置されている。ここで、第5のレンズL5の後側焦点面は空間フィルタSFの共役面であることから、空間フィルタSF上の1つの開口部551に相当する部分から、2次元画像の共役像が出力されていることと等価となる。そして、最終的に生成・出力される光線の量は、画素数分(P×Q)であって、画像制限開口部533を通過した光線に、光学系を透過した複数の回折次数(具体的にはM×N)を乗じた量で定義することができる。また、第5のレンズL5の後側焦点面にはフーリエ変換像の共役像CIが形成されるが、第5のレンズL5の後側焦点面においては、光線群が2次元的に整然と配置されているとみなせる。即ち、全体としては、第5のレンズL5の後側焦点面に、図47に示したプロジェクタ・ユニット701が複数の回折次数分(具体的にはM×N個)、配置されている状態と等価である。
図29に模式的に示すように、2次元画像形成装置530における1つの画素531によって、X方向及びY方向に沿って、合計、M×N組の回折光が生成される。尚、図29では、0次光(n0=0)、±1次光(n0=±1)、及び、±2次光(n0=±2)の回折光のみを代表して図示しているが、実際には、更に高次の回折光が生成され、これらの回折光の一部に基づき、最終的に立体画像が形成される。ここで、各回折次数の回折光(光束)には、2次元画像形成装置530によって形成された2次元画像の全画像情報(全ての画素の情報)が集約されている。2次元画像形成装置530上の同一画素から回折によって生成される複数の光線群は、同時刻において、全て、同一の画像情報を有する。云い換えれば、P×Q個の画素531を有する透過型の液晶表示装置から成る2次元画像形成装置530においては、光源110からの光が各画素531によって変調されて2次元画像が生成され、且つ、生成された2次元画像における空間周波数は、各画素531から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出される。即ち、2次元画像のM×N個の一種のコピーが2次元画像形成装置530から、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出される。
そして、2次元画像形成装置530から射出された2次元画像における空間周波数は、第1のレンズL1によってフーリエ変換され、各画素531から生じる複数の回折次数に対応する数のフーリエ変換像が生成される。そして、これらのフーリエ変換像の内、所定のフーリエ変換像(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみが画像制限開口部533を通過し、更には、この選択されたフーリエ変換像が第2のレンズL2によって逆フーリエ変換され、2次元画像形成装置530によって生成された2次元画像の共役像が形成され、この2次元画像の共役像は、オーバーサンプリングフィルタOSF上に結像する。尚、2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当するが、0次の平面波を搬送波とする画像情報の領域のみ(即ち、画素構造の空間周波数の最大1/2の空間周波数まで)が、云い換えれば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折として得られるものであって、光変調手段の画素構造(開口構造)の空間周波数の半分以下の空間周波数が、画像制限開口部533を通過する。こうして、オーバーサンプリングフィルタOSF上に結像された2次元画像の共役像にあっては、2次元画像形成装置530の画素構造は含まれず、一方、2次元画像形成装置530によって生成された2次元画像における空間周波数の全てが含まれている。
2次元画像形成装置530によって形成された2次元画像の全画像情報が集約された2次元画像の共役像における空間周波数は、オーバーサンプリングフィルタOSFにおける各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、第3のレンズL3によってフーリエ変換され、複数の回折次数(総計M×N)に対応する数のフーリエ変換像が生成され、係るフーリエ変換像は空間フィルタSF上に結像される。第3のレンズL3において、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像の共役像における空間周波数のフーリエ変換像が生成されるので、空間的に高い密度にてフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、光源110から射出された光(照明光)の波長をλ(mm)、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像における空間周波数をν0(lp/mm)、第3のレンズL3の焦点距離をf3(mm)とすると、第3のレンズL3の後側焦点面では、以下の式(2)で表される光軸から距離Y1(mm)の位置に、空間周波数ν0を有する光(フーリエ変換像)が現れる。
第3のレンズL3における集光状態を、図30に模式的に示す。尚、図30中、「Y0」は、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像のy軸方向の長さを示し、「Y1」は、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像に基づく空間フィルタSF上でのフーリエ変換像のy軸方向の間隔を示す。また、0次の回折光を実線で示し、第1次の回折光を点線で示し、第2次の回折光を一点鎖線で示す。各回折次数の回折光が、云い換えれば、回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像が、第3のレンズL3によって空間フィルタSF上の異なる開口部551に集光される(図27も参照)。開口部551の数は、先に説明したとおりM×N個=121個である。空間フィルタSFへの集光角(空間フィルタSFから射出された後の発散角であり、視野角でもある)θは、回折次数が同じフーリエ変換像(あるいは回折光)にあっては、P0×Q0個の開口領域534において同一であり、以下の式(3)から求めることができる。空間フィルタSF上において、隣接する回折次数のフーリエ変換像の間の間隔は、式(2)から求めることができる。式(2)から、第3のレンズL3の焦点距離f3を任意に選択することによって、フーリエ変換像の位置(空間フィルタSF上の結像位置)を変化させることが可能である。尚、式(3)中、「w」は、オーバーサンプリングフィルタOSFに投影された2次元画像の共役像のY方向の長さであり、第2のレンズL2の焦点距離f2を任意に選択することによって変化させることができる。
1=f3・λ・ν0 (2)
θ =2×arctan(w/2f3) (3)
第3のレンズL3において、各開口領域534から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像の共役像における空間周波数を透過させるためには、利用する回折次数に応じて第3のレンズL3の開口率NAを選択する必要があり、焦点距離に拘わらず、第3のレンズL3以降の全てのレンズの開口率は、第3のレンズL3の開口率NA以上であることが要求される。
開口部551の大きさは、式(2)におけるY1の値と同じ値とすればよい。一例として、照明光の波長λを532nm、第3のレンズL3の焦点距離f3を50mm、オーバーサンプリングフィルタOSFにおける開口領域534の大きさを13μm〜14μm程度とすると、Y1の値は約2mmとなる。これは、空間フィルタSF上において、約2mm間隔という高い密度で各回折次数に対応したフーリエ変換像を得ることができることを意味する。云い換えれば、空間フィルタSF上において、X方向、Y方向のいずれの方向においても、約2mm間隔で、11×11=121個のフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、2次元画像の共役像における空間周波数ν0は、オーバーサンプリングフィルタOSFがP0×Q0個の開口領域534から構成されているので、最高でも、オーバーサンプリングフィルタOSFを構成する連続した2つの開口領域534から成る周期を有する周波数である。
2次元画像の共役像における空間周波数が最も低い状態にある2次元画像形成装置530の模式的な正面図は、図18の(A)に示したと同様であるし、第3のレンズL3によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性は、図19の(A)に示したと同様である。また、2次元画像の共役像における空間周波数が最も高い状態にある2次元画像形成装置530の模式的な正面図は、図18の(B)に示したと同様であるし、第3のレンズL3によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性は、図19の(B)に示したと同様である。更には、空間フィルタSF上(xy平面上)におけるフーリエ変換像の分布は、図20の(A)〜(C)に示したと同様である。
空間フィルタSFにおける開口部551の平面形状は、フーリエ変換像の形状に基づき決定すればよい。更には、フーリエ変換像の平面波成分のピーク位置が中心となるように、各々の回折次数に対して開口部551を設ければよい。これによって、各開口部551の中心位置に、フーリエ変換像の光強度のピークが位置する。即ち、2次元画像の共役像における空間周波数が最低空間周波数成分(平面波成分)の場合におけるフーリエ変換像の周期的なパターンを中心として、2次元画像の共役像における正負の最高空間周波数を全て通過させ得るような開口部551とすればよい。
ところで、最も空間周波数が高い状態とは、図18の(B)に示したように、全ての画素が、黒表示と白表示とを交互に表示する場合である。また、オーバーサンプリングフィルタOSFにおける開口領域構造の空間周波数と、2次元画像の共役像における空間周波数との関係は、以下のとおりである。即ち、開口領域534の開口率が100%であると仮定したとき、2次元画像の共役像における最高空間周波数は、開口領域構造の空間周波数の(1/2)である。また、開口領域534の開口率が或る割合(100%未満)を占めている場合には、2次元画像の共役像における最高空間周波数は、開口領域構造の空間周波数の(1/2)を下回る。それ故、空間フィルタSFにおいて現れる開口領域構造に起因した周期的なパターンの間隔の半分の位置までに、2次元画像の共役像における空間周波数は全て出現する。このことから、全ての開口部551を、空間的に相互に干渉することなく配置することができる。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部551には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する一方、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像は、他の開口部551には入射しない。これにより、フーリエ変換像毎に独立した開口部551を有する空間フィルタSF上において、1つの開口部551に位置するフーリエ変換像内に、2次元画像の共役像における空間周波数が存在する一方、開口部551の空間的な制限によって2次元画像の共役像における空間周波数が欠落することはない。尚、開口領域構造の空間周波数を搬送周波数と見做すことができ、2次元画像の共役像における空間周波数は、開口領域構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。
そして、空間フィルタSFにおいては、M×N個のフーリエ変換像のそれぞれの通過/不通過を制御するために、開口部551の開閉制御が行われる。空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成すれば、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として高速動作させることによって開口部551の開閉制御を行うことができる。
実施例7の3次元像表示装置において、オーバーサンプリングフィルタOSFを取り除いた3次元像表示装置を比較のために想定する。尚、このような3次元像表示装置を、便宜上、比較用3次元像表示装置と呼ぶ。実施例7の3次元像表示装置と比較用3次元像表示装置とを対比して、以下、説明を行う。
尚、光源110から射出された光(照明光)の波長をλ(mm)、2次元画像形成装置530によって形成された2次元画像における空間周波数をν(lp/mm)とする。
ところで、投影角(視野角)θは、観察される立体画像の領域を決定する重要なパラメータである。一方、空間フィルタSF上におけるフーリエ変換像の位置及び間隔(Y1)は、表示される立体画像及び運動視差の連続性、表示される立体画像のスケール(大きさ)を決定する重要なパラメータである。そして、投影角(視野角)θの値、及び、空間フィルタSF上におけるフーリエ変換像の位置及び間隔に相当するY1の値は、大きければ大きいほど、好ましい。
ところで、前述した式(2)から、Y1を制御する変数は、光(照明光)の波長λ、及び、第3のレンズL3の焦点距離f3であり、更には、空間周波数ν0の基となる2次元画像形成装置530によって形成された2次元画像における空間周波数νである。ここで、光(照明光)の波長λは、画像の色調に変化が生じるので、現実的には任意の値をとることができない。しかも、可視光の波長は約400nmから約700nmであり、変化量は高々1.75倍であり、操作領域が狭い。また、空間周波数νの値を高くするためには、2次元画像形成装置530における画素のピッチを細かくする必要があるが、2次元画像形成装置530における画素のピッチを細かくすることは、現実的には困難である。従って、式(2)におけるY1の値を大きくするためには、第3のレンズL3の焦点距離f3を長くすることが最も現実的である。然るに、焦点距離f3を長くすると、式(3)から、オーバーサンプリングフィルタOSFに投影された2次元画像の共役像のY方向の長さwを一定とした場合、即ち、第2のレンズL2の焦点距離f2を一定とした場合、投影角(視野角)θの値が小さくなる。即ち、式(2)と式(3)とは独立の関係には無く、Y1の値と投影角(視野角)θの値とは、所謂トレードオフの関係にある。
ところで、実施例7の3次元像表示装置501にあっては、光変調手段あるいは2次元画像形成装置530によって2次元画像が生成されるが、この2次元画像における空間周波数νは、2次元画像形成装置を構成する開口の開口構造に依存した値である。一方、この2次元画像の共役像における空間周波数ν0は、オーバーサンプリングフィルタOSFにおける開口領域534の開口領域構造に依存しており、P0>P,Q0>Qであるが故に、2次元画像形成装置530における画素構造(開口構造)の空間周波数(搬送周波数)よりも、オーバーサンプリングフィルタOSFにおける開口領域構造の空間周波数(搬送周波数)の方が高く、ν0>νである。尚、オーバーサンプリングフィルタOSFは、例えば、平板ガラスに、直接、格子模様を形成することで作製することができるので、格子模様のピッチを細かくすれば、搬送周波数を高くすることができ、2次元画像の共役像におけるオーバーサンプリングフィルタOSFによって生成された空間周波数ν0の値を容易に高くすることができる。従って、空間周波数ν0の値を容易に大きくすることができ、式(2)から求められるY1の値を大きくすることができる。尚、たとえ第3のレンズL3の焦点距離f3を短く設定しても、式(2)から求められるY1の値を大きくすることができる。一方、第3のレンズL3の焦点距離f3を短く設定できるので、式(3)から求められる視野角θの値を大きくすることができる。あるいは又、第2のレンズL2の焦点距離f2を適切に設定することでwの値を大きくすることができ、その結果、式(3)から求められる視野角θの値を大きくすることができる。
このように、実施例7の3次元像表示装置501にあっては、Y1の値と投影角(視野角)θの値とを、独立して制御することができる。従って、観察される立体画像の領域を広げつつ、表示される立体画像のスケール(大きさ)を大きくすることが可能となる。しかも、そのために、光源からの光の波長を変える必要が無く、波長変動に伴う色調の変化も全くない。また、第3のレンズL3の焦点距離f3を変更する必要も、本質的には無い。
例えば、比較用3次元像表示装置において、2次元画像形成装置530のサイズが対角0.7インチであり、正方形の平面形状の開口(P×Q=1024×768)を有しているとする。また、開口の間隔を14μm、光源110から射出される光の波長λを532nm、f2=f3=f4=f5=50mmとした場合、第5のレンズL5を透過した後の空間フィルタSFの共役面における共役像の間隔は1.9mm、2次元画像形成装置530のY方向に対応する視野角θYは16.1度、2次元画像形成装置530のX方向に対応する視野角θXは12.1度となる。
また、比較用3次元像表示装置において、第2のレンズL2によって結像される2次元画像の共役像の大きさを大きくするために、第2のレンズL2の焦点距離f2を100mmとした場合、視野角θYは31.5度、視野角θXは23.9度となり、視野角を大きくすることができる。然るに、2次元画像の共役像の大きさが2倍となったが故に、式(2)におけるν0の値が半分となってしまうので、第5のレンズL5を透過した後の空間フィルタSFの共役面における共役像の間隔は、0.95mmとなってしまう。この場合、通常よりも空間的に密度の高い光線群が生成されるが、光線群の1つ当たりの生成面積が1/4になるので、観察像の大きさが1/4となってしまう。
そこで、14μmの間隔(=Y0)を有する正方格子を備えた回折フィルタから成るオーバーサンプリングフィルタOSFを配置すると、2倍に拡大された2次元画像の共役像に対する新たな空間的なサンプリングを、元の2次元画像形成装置530の画素間隔と同様の空間周波数で行うことになり、視野角θYは31.5度、視野角θXは23.9度となり、視野角を大きくすることができると共に、第5のレンズL5を透過した後の空間フィルタSFの共役面における共役像の間隔を1.9mmとすることができる。即ち、この場合、通常よりも空間的に密度の高い光線群が生成され、しかも、光線群の1つ当たりの生成面積は変わらず、観察像の大きさも変わらない。このオーバーサンプリングフィルタOSFは、平板ガラスにピッチ14μmの2次元マトリクス状に配列された格子を描画するのみで作製することができる。
以上に説明したように、実施例7の3次元像表示装置501によれば、光変調手段(2次元画像形成装置)530によって生成された2次元画像における空間周波数が、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、所定回折次数に対応するフーリエ変換像のみが画像制限・生成手段532によって選択され、第2のレンズL2によって生成された2次元画像の共役像がフーリエ変換像形成手段540(第3のレンズL3)によってフーリエ変換されることで得られたフーリエ変換像は、フーリエ変換像選択手段550(空間フィルタSF)によって、空間的、且つ、時間的にフィルタリングされ、そのフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIが形成される構成を有するので、3次元像表示装置全体を大型化することなく、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、光線群を生成・散布することができる。また、2次元画像形成装置530とオーバーサンプリングフィルタOSFとを設けることによって、観察される立体画像の領域を広げつつ、表示される立体画像のスケール(大きさ)を大きくすることが可能となる。しかも、光線群の構成要素である個々の光線を、独立して、時間的及び空間的に制御することができる。これにより、実世界の物体と同質に近い光線による立体画像を得ることができる。
また、実施例7の3次元像表示装置501によれば、光線再生法を利用しているので、焦点調節、輻輳、運動視差などの視覚機能を満足した立体画像を提供することが可能である。更には、実施例7の3次元像表示装置501によれば、高次回折光を効率的に利用しているので、従来の画像出力手法と比較して、1つの画像出力デバイス(2次元画像形成装置530)によって制御可能な光線(2次元画像の一種のコピー)を、複数の回折次数分だけ(即ち、M×N個)、オーバーサンプリングフィルタOSFによって得ることができる。しかも、実施例7の3次元像表示装置501によれば、空間的、且つ、時間的にフィルタリングを行うので、3次元像表示装置の時間的特性を、3次元像表示装置の空間的特性に変換することができる。また、拡散スクリーン等を用いること無く、立体画像を得ることができる。更には、どのような方向からの観察に対しても適切な立体画像を提供することができる。また、空間的に高い密度で光線群を生成・散布することができるので、視認限界に近い精細な空間画像を提供することができる。
更には、実施例7の3次元像表示装置501にあっては、第5のレンズを透過した後の空間フィルタSFの共役面における共役像の大きさと投影角(視野角)とを、独立して制御することができる。従って、観察される立体画像の領域を広げつつ、表示される立体画像のスケール(大きさ)を大きくすることが可能となる。
実施例8は、第C−1の態様及び第C−2の態様に係る3次元像表示装置に関する。図31、図32、図33及び図34に、単色表示の実施例8の3次元像表示装置の概念図を示す。ここで、図31は、yz平面における実施例8の3次元像表示装置の概念図である。xz平面における実施例8の3次元像表示装置の概念図も、実質的には図31と同様である。また、図33は、実施例8の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図であり、図34は、実施例8の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。
第C−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例8の3次元像表示装置601は、
(A)光源110、
(B)複数の画素631を有し、光源110からの光に基づき2次元画像を生成する2次元画像形成装置630、
(C)入射する光を屈折させて略一点に集光する光学パワーを有する光学素子636が2次元マトリクス状に配列されて成り、透過する光の位相を変調する位相格子としての機能を有し、2次元画像形成装置630から入射した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出する光学装置635、
(D)光学装置635から射出された2次元画像における空間周波数をフーリエ変換して、前記複数の回折次数(総計M×N)に対応する数のフーリエ変換像を生成するフーリエ変換像形成手段640、
(E)前記複数の回折次数(総計M×N)に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像の内、所望の回折次数に対応するフーリエ変換像を選択するフーリエ変換像選択手段650、並びに、
(F)フーリエ変換像選択手段650によって選択されたフーリエ変換像の共役像を形成する共役像形成手段660、
を備えている。
更には、共役像形成手段660には、フーリエ変換像選択手段650によって選択されたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、2次元画像形成装置630によって生成された2次元画像の実像を形成する逆フーリエ変換手段(具体的には、後述する第2のレンズL2)が備えられている。また、フーリエ変換像形成手段640はレンズから成り、このレンズの前側焦点面に光学装置635を構成する光学素子636の焦点(実施例8にあっては、後側焦点)が位置しており、このレンズの後側焦点面にフーリエ変換像選択手段650が配置されている。フーリエ変換像選択手段650は、複数の回折次数(総計M×N)に対応する数の開閉制御可能な開口部651を有する。
ここで、2次元画像における空間周波数は、2次元画像形成装置630における画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。
また、第C−2の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例8の3次元像表示装置601は、
(A)光源110、
(B)複数(P×Q個)の画素631を有し、光源110からの光に基づき2次元画像を生成する2次元画像形成装置630、
(C)入射する光を屈折させて略一点に集光する光学パワーを有する光学素子636が、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状にP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数)配列されて成り、透過する光の位相を変調する位相格子としての機能を有し、入射した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出する光学装置635、
(D)その前側焦点面に光学装置635を構成する光学素子636の焦点(実施例8にあっては、後側焦点)が位置している(より具体的には、実施例8にあっては凸レンズ)L1
(E)第1のレンズL1の後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部651を有する空間フィルタSF、
(F)その前側焦点面に空間フィルタSFが配置されている第2のレンズ(より具体的には、実施例8にあっては凸レンズ)L2、並びに、
(G)第2のレンズL2の後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ(より具体的には、実施例8にあっては凸レンズ)L3
を備えている。
ここで、実施例8あるいは後述する実施例11あるいは実施例12にあっては、光学装置635において、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光が生成される。ここで、P=P0=1024、Q=Q0=768であり、m=−5、m’=5、M=m’−m+1=11、n=−5、n’=5、N=n’−n+1=11である。但し、これらの値に限定するものではない。また、z軸(光軸に相当する)は、実施例8あるいは後述する実施例11あるいは実施例12の3次元像表示装置601を構成する各構成要素の中心を通り、しかも、3次元像表示装置601を構成する各構成要素と直交する。第C−1の態様に係る3次元像表示装置の構成要素と第C−2の態様に係る3次元像表示装置の構成要素とを対比すると、フーリエ変換像形成手段640は第1のレンズL1に対応し、フーリエ変換像選択手段650は空間フィルタSFに対応し、逆フーリエ変換手段は第2のレンズL1に対応し、共役像形成手段660は第2のレンズL2及び第3のレンズL3に対応している。それ故、便宜上、2次元画像形成装置630、第1のレンズL1、空間フィルタSF、第2のレンズL1、及び、第3のレンズL3という用語に基づき、以下、説明を行う。
光源110と2次元画像形成装置630との間には、光源110から射出された光を整形するための照明光学系120が配置されている。そして、光源110から射出され、照明光学系120を通過した光(照明光)によって、2次元画像形成装置630が照明される。照明光として、例えば、空間コヒーレンスの高い光源110からの光を照明光学系120によって平行光に整形された光を用いる。尚、照明光の特性、及び、係る照明光を得るための具体的な構成例に関しては、前述した照明光学系120と同様とすることができる。
2次元画像形成装置630は、2次元的に配列された複数の画素631を有しており、各画素631は開口を備えている。具体的には、2次元画像形成装置630は、2次元的に配列された、即ち、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列された、P×Q個の画素631を有する透過型の液晶表示装置から成り、各画素631には開口が備えられている。
1つの画素631は、透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域から構成されている。そして、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素631の光透過率を制御することによって、光源110から射出された光の光透過率を制御し、全体として、2次元画像を得ることができる。透明第1電極と透明第2電極の重複領域には、矩形の開口が設けられており、係る開口を光源110から射出された光が通過することで2次元画像が生成される。
2次元画像形成装置630の後方に隣接して(例えば、2次元画像形成装置630と密着して、あるいは、若干の隙間を介して)光学装置635が配置されている。尚、光学装置635を2次元画像形成装置630に隣接して配置することで、2次元画像形成装置630を構成する画素631の開口を通過する光に起因した回折現象の影響を無視することができる。ここで、実施例8において、光学装置635を構成する光学素子636の平面形状は、対応する画素631の開口の平面形状と相似形の矩形形状であり、各光学素子636は正の光学パワーを有する屈折型の格子状素子、具体的には、凸レンズ(焦点距離f0)から構成されている。そして、光学装置635は、一種のマイクロレンズアレイから構成されており、マイクロレンズアレイを製造する周知の方法に基づき、ガラスから作製されている。
光学装置635は位相格子として機能する。即ち、2次元画像形成装置630において生成された2次元画像にあっては、各画素631から射出された光(この光は平行光と見做すことができる)は、2次元画像形成装置630に隣接して配置された光学装置635における対応する光学素子636に入射する。そして、光学素子636に入射した光は、屈折して、焦点距離f0の所で略一点に集光され、更には、その点から後方に向かって進行していく。このような状態を別の観点から眺めると、図32に概念図を示すように、光学装置635の後方の距離f0の所に、恰も、光学素子636に対応した矩形の開口領域(一種のピンホール)637が存在し、光学素子636から射出された光は、係る仮想の開口領域637を通過すると見做すことができる。その結果、フラウンホーファー回折が生じたと等価の現象が生じ、各画素631に対応する光学素子636において(より具体的には、光学素子636に対応する仮想の開口領域637において)、M×N組=121組の回折光が生成される。云い換えれば、画素631及び光学素子636の数はP0×Q0=P×Qであるが故に、総計、(P×Q×M×N)本の回折光が光学装置635において生じると考えることもできる。そして、2次元画像における空間周波数が、各光学素子636から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って光学装置635から射出される。尚、2次元画像における空間周波数によっても回折角は異なる。焦点距離f0の値は、本質的に任意の値とすることができるが、光学装置635を構成する多数の光学素子636は同一の焦点距離f0を有する。光学素子636から射出される光は、図32に示すように、光学素子636の開口数で決まる角度で伝播するが、伝播する光は広がり、しかも、光量の損失がほぼ無い状況を得ることができる。ここで、光学素子636の配列ピッチあるいは大きさをd0とすると、波長λの平行光が、大きさd0、焦点距離f0の光学素子636によって集光される光の幅Dは、
D=2.44λ/sin(arctan(d0/2f0))
で表すことができる。このことから、光学素子636を用いることによって光学的な開口率は(D2/d0 2)で表すことができるが、開口率の低下に伴う光量損失は生じない。
更には、焦点距離f1を有する第1のレンズL1の前側焦点面(光源側の焦点面)には光学装置635を構成する光学素子636の後側焦点(焦点距離f0)が位置しており、第1のレンズL1の後側焦点面(観察者側の焦点面)には空間フィルタSFが配置されている。第1のレンズL1によって、複数の回折次数に対応する数であるM×N=121個のフーリエ変換像が生成され、これらのフーリエ変換像は、空間フィルタSF上に結像する。尚、図33においては、便宜上、64個のフーリエ変換像を点状にて図示した。
空間フィルタSFは、具体的には、フーリエ変換像を、空間的、且つ、時間的にフィルタリングするための時間的な開閉制御が可能な空間フィルタである。より具体的には、空間フィルタSFは、複数の回折次数に対応する数(具体的には、M×N=121)の開閉制御可能な開口部651を有する。そして、空間フィルタSFにおいては、2次元画像形成装置630による2次元画像の生成タイミングと同期して所望の1つの開口部651を開状態とすることによって、所望の回折次数に対応する1つのフーリエ変換像を選択する。より具体的には、空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から成るM×N個の開口部(画素)を有する強誘電性液晶を用いた透過型の液晶表示装置、あるいは、可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された装置を含む2次元型のMEMSから構成することができる。尚、液晶表示装置から成る空間フィルタSFの模式的な正面図は、図15に示したと同様である。図15中、数字(m0,n0)は、開口部651(図15にあっては、参照番号151で示す)の番号を示し、且つ、回折次数を示す。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部651には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する。
前述したとおり、共役像形成手段660は、具体的には、第2のレンズL2及び第3のレンズL3から構成されている。そして、焦点距離f2を有する第2のレンズL2は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像を逆フーリエ変換することにより、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像の実像RIを形成する。また、焦点距離f3を有する第3のレンズL3は、空間フィルタSFによってフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIを形成する。
第2のレンズL2は、その前側焦点面上に、空間フィルタSFが位置するように配置され、その後側焦点面に、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像の実像RIが形成されるように配置されている。ここで得られる実像RIの2次元画像形成装置630に対する倍率は、第2のレンズL2の焦点距離f2を任意に選択することによって変化させることができる。
一方、第3のレンズL3は、その前側焦点面が第2のレンズL2の後側焦点面に一致するように配置され、その後側焦点面にフーリエ変換像の共役像CIが形成されるように配置されている。ここで、第3のレンズL3の後側焦点面は空間フィルタSFの共役面であることから、空間フィルタSF上の1つの開口部651に相当する部分から、2次元画像形成装置630によって生成された2次元画像が出力されていることと等価となる。そして、最終的に生成・出力される光線の量は、画素数分(P×Q)の光線に、光学系を透過した複数の回折次数(具体的にはM×N)を乗じた量で定義することができる。また、第3のレンズL3の後側焦点面にはフーリエ変換像の共役像CIが形成されるが、第3のレンズL3の後側焦点面においては、光線群が2次元的に整然と配置されているとみなせる。即ち、全体としては、第3のレンズL3の後側焦点面に、図47に示したプロジェクタ・ユニットが複数の回折次数分(具体的にはM×N個)、配置されている状態と等価である。
図33及び図35に模式的に示すように、光学装置635における1つの光学素子636によって(より具体的には、光学素子636の後側焦点に位置する仮想の開口領域637において)、X方向に沿って第−5次から第+5次までの11組の、Y方向に沿って第−5次から第+5’次までの11組の、合計、M×N組=121組の回折光が生成される。尚、図35では、0次光(n0=0)、±1次光(n0=±1)、及び、±2次光(n0=±2)の回折光のみを代表して図示しているが、実際には、更に高次の回折光が生成され、これらの回折光に基づき、最終的に立体画像が形成される。ここで、各回折次数の回折光(光束)には、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像の全画像情報(全ての画素の情報)が集約されている。2次元画像形成装置630上の同一画素から回折によって生成される複数の光線群(11×11=121の光線群)は、同時刻において、全て、同一の画像情報を有する。云い換えれば、P×Q個の画素631を有する透過型の液晶表示装置から成る2次元画像形成装置630においては、光源110からの光に基づき2次元画像が生成され、且つ、生成された2次元画像における空間周波数は、各光学素子636から生じる複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って光学装置635から射出される。即ち、2次元画像のM×N個の一種のコピーが2次元画像形成装置630から、複数の回折次数(総計M×N)に対応した回折角に沿って射出される。
そして、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像の全画像情報が集約された2次元画像における空間周波数は、第1のレンズL1によってフーリエ変換され、複数の回折次数(総計M×N)に対応する数のフーリエ変換像が生成され、係るフーリエ変換像は空間フィルタSF上に結像される。第1のレンズL1において、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像における空間周波数のフーリエ変換像が生成されるので、空間的に高い密度にてフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、光源110から射出された光(照明光)の波長をλ(mm)、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像における空間周波数をν(lp/mm)、第1のレンズL1の焦点距離をf1(mm)とすると、式(1)に示したとおり、第1のレンズL1の後側焦点面では、光軸から距離Y1(mm)の位置に、空間周波数νを有する光(フーリエ変換像)が現れる。
第1のレンズL1における集光状態を、図36に模式的に示す。尚、図36中、「Y0」は、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像のy軸方向の長さを示し、「Y1」は、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像に基づく空間フィルタSF上でのフーリエ変換像のy軸方向の間隔を示す。また、0次の回折光を実線で示し、第1次の回折光を点線で示し、第2次の回折光を一点鎖線で示す。各回折次数の回折光が、云い換えれば、回折次数に対応する数だけ生成されたフーリエ変換像が、第1のレンズL1によって空間フィルタSF上の異なる開口部651に集光される(図33も参照)。開口部651の数は、先に説明したとおりM×N個=121個である。空間フィルタSFへの集光角(空間フィルタSFから射出された後の発散角)θは、回折次数が同じフーリエ変換像(あるいは回折光)にあっては、P×Q個の画素631において同一である。空間フィルタSF上において、隣接する回折次数のフーリエ変換像の間の間隔は、式(1)から求めることができる。式(1)から、第1のレンズL1の焦点距離f1を任意に選択することによって、フーリエ変換像の位置(空間フィルタSF上の結像位置)を変化させることが可能である。
第1のレンズL1において、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出された2次元画像における空間周波数を透過させるためには、利用する回折次数に応じて第1のレンズL1の開口率NAを選択する必要があり、焦点距離に拘わらず、第1のレンズL1以降の全てのレンズの開口率は、第1のレンズL1の開口率NA以上であることが要求される。
開口部651の大きさは、式(1)におけるY1の値と同じ値とすればよい。一例として、照明光の波長λを532nm、第1のレンズL1の焦点距離f1を50mm、2次元画像形成装置630における画素631の大きさを13μm〜14μm程度とすると、Y1の値は約2mmとなる。これは、空間フィルタSF上において、約2mm間隔という高い密度で各回折次数に対応したフーリエ変換像を得ることができることを意味する。云い換えれば、空間フィルタSF上において、X方向、Y方向のいずれの方向においても、約2mm間隔で、11×11=121個のフーリエ変換像を得ることができる。
ここで、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像における空間周波数νは、2次元画像がP×Q個の画素631から構成される2次元画像形成装置630によって形成されているので、最高でも、2次元画像形成装置630を構成する連続した2つの画素631から成る周期を有する周波数である。
2次元画像の共役像における空間周波数が最も低い状態にある2次元画像形成装置630の模式的な正面図は、図18の(A)に示したと同様であるし、第1のレンズL1によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性は、図19の(A)に示したと同様である。また、2次元画像の共役像における空間周波数が最も高い状態にある2次元画像形成装置530の模式的な正面図は、図18の(B)に示したと同様であるし、第1のレンズL1によって結像されたフーリエ変換像の光強度の周波数特性は、図19の(B)に示したと同様である。更には、空間フィルタSF上(xy平面上)におけるフーリエ変換像の分布は、図20の(A)〜(C)に示したと同様である。
空間フィルタSFにおける開口部651の平面形状は、フーリエ変換像の形状に基づき決定すればよい。更には、フーリエ変換像の平面波成分のピーク位置が中心となるように、各々の回折次数に対して開口部651を設ければよい。これによって、各開口部651の中心位置に、フーリエ変換像の光強度のピークが位置する。即ち、2次元画像における空間周波数が最低空間周波数成分(平面波成分)の場合におけるフーリエ変換像の周期的なパターンを中心として、2次元画像における正負の最高空間周波数を全て通過させ得るような開口部651とすればよい。
ところで、最も空間周波数が高い状態とは、図19の(B)に示したように、全ての画素が、黒表示と白表示とを交互に表示する場合である。また、2次元画像形成装置630における画素構造の空間周波数と、2次元画像における空間周波数との関係は、以下のとおりである。即ち、開口が画素の全てを占めている(即ち、開口率100%)と仮定したとき、2次元画像における最高空間周波数は、画素構造の空間周波数の(1/2)である。また、開口が画素の或る割合(100%未満)を占めている場合には、2次元画像における最高空間周波数は、画素構造の空間周波数の(1/2)を下回る。それ故、空間フィルタSFにおいて現れる画素構造に起因した周期的なパターンの間隔の半分の位置までに、2次元画像における空間周波数は全て出現する。このことから、全ての開口部651を、空間的に相互に干渉することなく配置することができる。即ち、例えば、第(3,2)番目の開口部651には、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像が入射する一方、m0=3,n0=2の回折次数を有するフーリエ変換像は、他の開口部651には入射しない。これにより、フーリエ変換像毎に独立した開口部651を有する空間フィルタSF上において、1つの開口部651に位置するフーリエ変換像内に、2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像における空間周波数が存在する一方、開口部651の空間的な制限によって2次元画像形成装置630によって形成された2次元画像における空間周波数が欠落することはない。尚、画素構造の空間周波数を搬送周波数と見做すことができ、2次元画像における空間周波数は、画素構造の空間周波数を搬送周波数とした画像情報に相当する。
そして、空間フィルタSFにおいては、M×N個のフーリエ変換像のそれぞれの通過/不通過を制御するために、開口部651の開閉制御が行われる。空間フィルタSFを、例えば、実施例1〜実施例5において説明した本発明の光変調装置から構成すれば、液晶セルを一種の光シャッター(ライト・バルブ)として高速動作させることによって開口部651の開閉制御を行うことができる。
以上に説明したように、実施例8の3次元像表示装置601によれば、2次元画像形成装置630によって生成された2次元画像における空間周波数が、複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出され、フーリエ変換像形成手段640(第1のレンズL1)によってフーリエ変換されることで得られたフーリエ変換像は、フーリエ変換像選択手段650(空間フィルタSF)によって、空間的、且つ、時間的にフィルタリングされ、そのフィルタリングされたフーリエ変換像の共役像CIが形成される構成を有するので、3次元像表示装置全体を大型化することなく、空間的に高い密度で、しかも、複数の方向に分布した状態で、光線群を生成・散布することができる。また、光線群の構成要素である個々の光線を、独立して、時間的及び空間的に制御することができる。これにより、実世界の物体と同質に近い光線による立体画像を得ることができる。
また、実施例8の3次元像表示装置601によれば、光線再生法を利用しているので、焦点調節、輻輳、運動視差などの視覚機能を満足した立体画像を提供することが可能である。更には、実施例8の3次元像表示装置601によれば、高次回折光を効率的に利用しているので、従来の画像出力手法と比較して、1つの画像出力デバイス(2次元画像形成装置630及び光学装置635)によって制御可能な光線(2次元画像の一種のコピー)を、複数の回折次数分だけ(即ち、M×N個)、得ることができる。しかも、実施例8の3次元像表示装置601によれば、空間的、且つ、時間的にフィルタリングを行うので、3次元像表示装置の時間的特性を、3次元像表示装置の空間的特性に変換することができる。また、拡散スクリーン等を用いること無く、立体画像を得ることができる。更には、どのような方向からの観察に対しても適切な立体画像を提供することができる。また、空間的に高い密度で光線群を生成・散布することができるので、視認限界に近い精細な空間画像を提供することができる。
実施例9は、実施例6の変形であり、第A−1の態様及び第A−3の態様に係る3次元像表示装置に関する。実施例9の3次元像表示装置の概念図を図37に示す。
実施例9における光変調手段230は、実施例6における液晶表示装置とは異なり、P個(例えば、1920個)に区画された1次元画像を形成する1次元空間光変調器(具体的には、回折格子−光変調装置401);1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)によって形成され、P個に区画された1次元画像を2次元的に展開して(走査して)、P×Q個に区画された2次元画像を形成する走査光学系(具体的には、スキャンミラー405);及び、2次元画像の生成面に配置され、生成した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数(具体的には、総数M×N)に対応した回折角に沿って射出する格子フィルタ(回折格子フィルタ)332を備えている。ここで、走査光学系(スキャンミラー405)によって形成され、P×Q個に区画された2次元画像の区画毎に、格子フィルタ332によってM×N組の回折光が生成される。尚、格子フィルタ332は、振幅格子から構成されていてもよいし、位相格子から構成されていてもよい。
あるいは又、第A−3の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例9の3次元像表示装置101は、
(A)光源110、
(B)X方向に沿ってP個の画素を有し、1次元画像を生成する1次元空間光変調器(具体的には、回折格子−光変調装置401);1次元空間光変調器によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系(具体的には、スキャンミラー405);及び、2次元画像の生成面に配置され、画素毎に、第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)回折光を生成する回折光生成手段(具体的には、格子フィルタ332)から成る2次元画像形成装置230、
(C)その前側焦点面に回折光生成手段が配置されている第1のレンズ(具体的には、実施例9にあっては凸レンズ)L1
(D)第1のレンズL1の後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個(但し、Nは正の整数)の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部151を有する空間フィルタSF、
(E)その前側焦点面に空間フィルタSFが配置されている第2のレンズ(具体的には、実施例9にあっては凸レンズ)L2、並びに、
(F)第2のレンズL2の後側焦点に、その前側焦点が位置している第3のレンズ(具体的には、実施例9にあっては凸レンズ)L3
を備えている。
ここで、1次元画像はX方向に延びているとする。また、走査方向はY方向であり、2次元画像はX方向及びY方向に沿って形成されているとする。但し、代替的に、X方向とY方向とを交換してもよい。尚、図37においては、照明光学系120の図示を省略している。後述する実施例10及び実施例11においても同様とすることができる。
1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)は、光源110からの光を回折することによって1次元画像を生成する。より具体的には、回折格子−光変調装置401は、回折格子−光変調素子(GLV)410が一次元的にアレイ状に配列されて成る。回折格子−光変調素子410は、マイクロマシン製造技術を応用して製造され、反射型の回折格子から構成されており、光スイッチング作用を有し、光のオン/オフ制御を電気的に制御することで画像を表示する。そして、光変調手段230にあっては、回折格子−光変調素子410のそれぞれから射出された光を、ガルバノミラーやポリゴンミラーから成るスキャンミラー405で走査して2次元画像を得る。従って、P×Q(例えば1920×1080)の画素(ピクセル)から構成された2次元画像を表示するために、P個(=1920個)の回折格子−光変調素子410から回折格子−光変調装置401を構成すればよい。
スキャンミラー405で走査して得られた2次元画像に基づき、回折光を生成させる必要がある。そのために、振幅型若しくは位相型のフィルタを2次元展開された面に配置することで、回折光を生成させる。具体的には、スキャンミラー405で走査して得られた2次元画像は、走査用レンズ系331を通過し、2次元画像の生成面に配置された格子フィルタ(回折格子フィルタ)332に入射し、格子フィルタ332において、P×Q個に区画された2次元画像の区画毎に、M×N組の回折光が生成される。即ち、格子フィルタ332からは、生成した2次元画像における空間周波数が、格子フィルタ332の各区画(画素に相当する)から生じる複数の回折次数に対応した回折角に沿って射出される。格子フィルタ332は、焦点距離f1を有する第1のレンズL1の前側焦点面上に配置されている。
1次元空間光変調器を用いる場合、形成される画像が1次元であることから、回折も1次元空間において起こる。従って、得られる回折光をY方向に拡散させることを目的とした光学系が必要となる。実施例9あるいは後述する実施例11の3次元像表示装置にあっては、第3のレンズL3(共役像形成手段160)よりも下流(観察者側)に、1次元方向に生じている回折光を2次元方向に拡散させる異方性の光拡散を生じさせる部材(異方性拡散フィルタ、異方性拡散フィルムあるいは異方性拡散シートとも呼ばれる)333が配置されている。
以上の点を除き、実施例9の3次元像表示装置の構成、構造は、実施例6において説明した3次元像表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以下、回折格子−光変調素子410の構成、構造を説明する。
回折格子−光変調素子410を構成する下部電極412、固定電極421、可動電極422等の配置を、図38に模式的に示す。尚、図38においては、下部電極412、固定電極421、可動電極422、支持部414,415,417,418を明示するために、これらに斜線を付した。
この回折格子−光変調素子410は、下部電極412、帯状(リボン状)の固定電極421、並びに、帯状(リボン状)の可動電極422から成る。下部電極412は支持体411上に形成されている。また、固定電極421は、支持部414,415に支持され、下部電極412の上方に支持、張架されている。更には、可動電極422は、支持部417,418に支持され、下部電極412の上方に支持、張架されており、固定電極421に対して並置されている。図示した例において、1つの回折格子−光変調素子410は、3本の固定電極421と3本の可動電極422から構成されている。3本の可動電極422は纏めて制御電極に接続され、制御電極は、図示しない接続端子部に接続されている。一方、3本の固定電極421は纏めてバイアス電極に接続されている。バイアス電極は、複数の回折格子−光変調素子410において共通とされており、図示しないバイアス電極端子部を介して接地されている。下部電極412も、複数の回折格子−光変調素子410において共通とされており、図示しない下部電極端子部を介して接地されている。
接続端子部、制御電極を介して可動電極422へ電圧を印加し、且つ、下部電極412へ電圧を印加すると(実際には、下部電極412は接地状態にある)、可動電極422と下部電極412との間に静電気力(クーロン力)が発生する。そして、この静電気力によって、下部電極412に向かって可動電極422が下方に変位する。尚、可動電極422の変位前の状態を図39の(A)及び図39の(C)の左側に示し、変位後の状態を図39の(B)及び図39の(C)の右側に示す。そして、このような可動電極422の変位に基づき、可動電極422と固定電極421とによって反射型の回折格子が形成される。ここで、図39の(A)は、図38の矢印B−Bに沿った固定電極等の模式的な断面図、及び、図38の矢印A−Aに沿った可動電極等の模式的な断面図(但し、回折格子−光変調素子が作動していない状態にある)であり、図39の(B)は、図38の矢印A−Aに沿った可動電極等の模式的な断面図であり(但し、回折格子−光変調素子が作動している状態にある)、図39の(C)は、図38の矢印C−Cに沿った固定電極、可動電極等の模式的な断面図である。
隣接する固定電極421の間の距離をd(図39の(C)参照)、可動電極422及び固定電極421に入射する光(入射角:θi)の波長をλ、回折角をθmとすると、
d[sin(θi)−sin(θm)]=mDif・λ
で表すことができる。ここで、mDifは次数であり、0,±1,±2・・・の値をとる。
そして、可動電極422の頂面と固定電極421の頂面の高さの差Δh1(図39の(C)参照)が(λ/4)のとき、回折光の光強度は最大の値となる。
このような、回折格子−光変調装置を含む光変調手段(2次元画像形成装置)230の概念図を図40に示す。即ち、実施例9の光変調手段230は、レーザを射出する光源110、この光源110から射出された光を集光する集光レンズ(図示せず)、集光レンズを通過した光が入射する回折格子−光変調装置401、回折格子−光変調装置401から射出された光が通過するレンズ403及び空間フィルタ404、空間フィルタ404を通過した1本の光束を結像させる結像レンズ(図示せず)、結像レンズを通過した1本の光束を走査するスキャンミラー405から構成されている。
このような光変調手段230にあっては、可動電極422が図39の(A)及び図39の(C)の左側に示した状態である回折格子−光変調素子410の不作動時、可動電極422及び固定電極421の頂面で反射された光は空間フィルタ404で遮られる。一方、可動電極422が図39の(B)及び図39の(C)の右側に示した状態である回折格子−光変調素子410の作動時、可動電極422及び固定電極421で回折された±1次(mDif=±1)の回折光は空間フィルタ404を通過する。このような構成にすることで、光のオン/オフ制御を制御することができる。また、可動電極422に印加する電圧を変化させることで、可動電極422の頂面と固定電極421の頂面の高さの差Δh1を変化させることができ、その結果、回折光の強度を変化させて、階調制御を行うことができる。
実施例10は、実施例7の変形であり、第B−1の態様及び第B−3の態様に係る3次元像表示装置に関する。実施例10の3次元像表示装置の概念図を図41に示す。
実施例10における光変調手段230は、実施例7における液晶表示装置とは異なり、P個(例えば、1920個)に区画された1次元画像を形成する1次元空間光変調器(具体的には、回折格子−光変調装置401);1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)によって形成され、P個に区画された1次元画像を2次元的に展開して(走査して)、P×Q個に区画された2次元画像を形成する走査光学系(具体的には、スキャンミラー405);及び、2次元画像の生成面に配置され、生成した2次元画像における空間周波数を、複数の回折次数(具体的には、総数M×N)に対応した回折角に沿って射出する格子フィルタ(回折格子フィルタ)332を備えている。ここで、走査光学系(スキャンミラー405)によって形成され、P×Q個に区画された2次元画像の区画毎に、格子フィルタ332によってM×N組の回折光が生成される。尚、格子フィルタ332は、振幅格子から構成されていてもよいし、位相格子から構成されていてもよい。
あるいは又、第B−3の態様に係る3次元像表示装置の構成要素に沿って説明すると、実施例10の3次元像表示装置501は、
(A)光源110、
(B)1次元画像を生成する1次元空間光変調器(具体的には、回折格子−光変調装置401);1次元空間光変調器によって生成された1次元画像を2次元的に展開して2次元画像を生成する走査光学系(具体的には、スキャンミラー405);及び、2次元画像の生成面に配置され、画素毎に、複数の回折次数の回折光を生成する回折光生成手段(具体的には、格子フィルタ332)から成る2次元画像形成装置230、
(C)その前側焦点面に回折光生成手段(格子フィルタ332)が配置されている第1のレンズL1
(D)第1のレンズL1の後側焦点面に配置され、所定回折次数の回折光(例えば、平面波成分の0次回折を搬送周波数とする1次回折に対応するフーリエ変換像)のみを通過させる画像制限開口部533、
(E)その前側焦点面に画像制限開口部533が配置されている第2のレンズL2
(F)第2のレンズL2の後側焦点面に配置され、X方向及びY方向に沿って2次元マトリクス状に配列されたP0×Q0個(但し、P0及びQ0は任意の正の整数であり、P0>P)の開口を有し、第2のレンズL2によって形成された2次元画像の実像に基づき、開口毎に、X方向に沿って第m次から第m’次までのM組の(但し、m及びm’は整数であり、Mは正の整数)、Y方向に沿って第n次から第n’次までのN組の(但し、n及びn’は整数であり、Nは正の整数)の、合計、M×N組の回折光を生成するオーバーサンプリングフィルタOSF、
(G)その前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されている第3のレンズL3
(H)第3のレンズL3の後側焦点面に配置され、X方向に沿ってM個、Y方向に沿ってN個の、合計、M×N個の開閉制御可能な開口部551を有する空間フィルタSF、
(I)その前側焦点面に空間フィルタSFが配置されている第4のレンズL4、並びに、
(J)第4のレンズL4の後側焦点に、その前側焦点が位置している第5のレンズL5
を備えている。
以上の点を除き、実施例10の3次元像表示装置の構成、構造は、実施例7において説明した3次元像表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例10における1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)、走査用レンズ系331、格子フィルタ(回折格子フィルタ)332、回折格子−光変調素子410は、実施例9における1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)、走査用レンズ系331、格子フィルタ(回折格子フィルタ)332、回折格子−光変調素子410と同様とすればよい。
実施例11は、実施例8の変形である。実施例11の3次元像表示装置の概念図を図42に示す。
実施例11における2次元画像形成装置230は、実施例8における液晶表示装置とは異なり、P個(例えば、1920個)に区画された1次元画像を形成する1次元画像形成装置(具体的には、回折格子−光変調装置401);及び、1次元画像形成装置(回折格子−光変調装置401)によって生成され、P個に区画された1次元画像を2次元的に展開して(走査して)、P×Q個に区画された2次元画像を形成する走査光学系(具体的には、スキャンミラー405)を備えている。そして、走査光学系の後方に光学装置635が配置されている。光学装置635によって、2次元画像の生成面に配置され、生成した2次元画像における空間周波数は、複数の回折次数(具体的には、総数M×N)に対応した回折角に沿って射出される。
以上の点を除き、実施例11の3次元像表示装置の構成、構造は、実施例8において説明した3次元像表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。尚、実施例11における1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)、走査用レンズ系331、格子フィルタ(回折格子フィルタ)332、回折格子−光変調素子410は、実施例9における1次元空間光変調器(回折格子−光変調装置401)、走査用レンズ系331、格子フィルタ(回折格子フィルタ)332、回折格子−光変調素子410と同様とすればよい。
実施例12は、実施例6、実施例7あるいは実施例8の変形である。実施例12の3次元像表示装置の概念図を、図43に示す。実施例6、実施例7あるいは実施例8の3次元像表示装置にあっては、光透過型の2次元画像形成装置130,530,630を用いた。一方、実施例12の3次元像表示装置にあっては、反射型の光変調手段(2次元画像形成装置)130A,530A,630Aを用いる。反射型の光変調手段(2次元画像形成装置)130A,530A,630Aとして、例えば、反射型の液晶表示装置を挙げることができるし、あるいは又、各開口内に可動ミラーが設けられている構成(可動ミラーが2次元マトリクス状に配列された2次元型のMEMSから成る構成)を挙げることができる。可動ミラーの移動/非移動によって2次元画像が生成され、しかも、開口によってフラウンホーファー回折が発生する。尚、図43においては、光学装置の図示は省略している。
そして、実施例12の3次元像表示装置にあっては、z軸(光軸)上にビームスプリッタ170が備えられている。ビームスプリッタ170は、偏光成分の違いにより光を透過又は反射させる機能を有する。ビームスプリッタ170は、光源110から射出された光を反射型の光変調手段(2次元画像形成装置)130A,530A,630Aに向けて反射する。また、光変調手段(2次元画像形成装置)130A,530A,630Aからの反射光を透過する。この点を除き、実施例12の3次元像表示装置の構成、構造は、実施例6、実施例7あるいは実施例8の3次元像表示装置の構成、構造と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
以上、本発明の光制御装置を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明の光制御装置はこれらの実施例に限定されるものではない。例えば、第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図を、図10の(A)及び(B)あるいは図11の(A)及び(B)に示すが、第1光変調装置10F,10Gにおける第1開口部11は、M×N個、設けられ;第2光変調装置20F,20Gにおける第2開口部21は、X方向に沿って2個の第2開口部ユニット22から構成され(図10の(A)及び(B)参照)、又は、Y方向に沿って2個の第2開口部ユニット22から構成されている(図11の(A)及び(B))形態とすることもできる。このような光制御装置にあっては、第1光変調装置10F,10G及び第2光変調装置20F,20Gを強誘電性液晶表示装置から構成する場合、第1光変調装置10F,10Gは、M×N個の第1開口部11を構成するN本の第1電極(X方向に沿って延びる、例えば第1電極X11,X12,X13,X14)とM本の第2電極(Y方向に沿って延びる、例えば第2電極Y11,Y12,Y13,Y14)から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セルが挟まれた構造とすることができ、第2光変調装置20F,20Gは、2個の第2開口部ユニット22を構成する2本の第1電極(X方向に沿って延び、あるいは又、Y方向に沿って延びる第1電極α,β)と、これらの第1電極に対向する共通第2電極から構成され、第1電極と第2電極との間には、強誘電性液晶セルが挟まれた構造とすることができる。
そして、第1光変調装置10F,10Gには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10F,10Gから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第2光変調装置20F,20Gには、第1光変調装置10F,10Gから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20F,20Gから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。あるいは又、第2光変調装置20F,20Gには、第1の偏光板(図示せず)を通して第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置20F,20Gから第2の方向に偏光された光が第2の偏光板(図示せず)を通して射出され、第1光変調装置10F,10Gには、第2光変調装置20F,20Gから射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置10F,10Gから第1の方向に偏光された光が第3の偏光板(図示せず)を通して射出される。
このような光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット12を構成する第1電極(X11,X12,X13,X14)、第2電極(Y11,Y12,Y13,Y14)への印加電圧、及び、第2開口部ユニット22を構成する第1電極(α,β)への印加電圧は、図7あるいは図9に示したと同様とすることができる。
即ち、図10の(A)及び(B)に示した例にあっては、図7に示すように、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に、期間Pr1、期間Pr4〜期間Pr5、期間Pr8〜期間Pr9、期間Pr12〜期間Pr13、期間Pr16において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間及びそれに続く期間である期間Pr2〜期間Pr3、期間Pr6〜期間Pr7、期間Pr10〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっては、DC的にプラス・マイナス0となっている。
更には、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第1電極X11に、期間Pr1〜期間Pr4、期間Pr12において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr5、期間Pr13、及び、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr6〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第1開口部ユニット12における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
また、第2開口部ユニット22における印加電圧パターンにあっては、例えば、第2開口部ユニット22における第1電極αに、期間Pr1〜期間Pr2、期間Pr5〜期間Pr6、期間Pr9〜期間Pr10、期間Pr13〜期間Pr14において、VON(=V0)が印加される。一方、期間Pr3〜期間Pr4、期間Pr7〜期間Pr8、期間Pr11〜期間Pr12、期間Pr15〜期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第2開口部ユニット22における第1電極αに印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第2開口部ユニット22における第1電極αに印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
以上に説明したとおり、期間Pr1のみ、第1光変調装置10Fの第1電極X11と第2電極Y11との同時作動によって、更には、第2光変調装置20Fの第1電極αとの同時作動によって、第1光変調装置10Fにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Fにおける第2開口部21の射影像が重複する重複領域に相当する第(1,1)番目の開口部[図10の(A)参照)]が開状態となり、その他の期間Pr2〜期間Pr16にあっては、第(1,1)番目の開口部は閉状態となる。
同様に、期間Pr2のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
あるいは又、図11の(A)及び(B)に示した例にあっては、図9に示すように、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第1電極X11に、期間Pr1、期間Pr4〜期間Pr5、期間Pr8〜期間Pr9、期間Pr12〜期間Pr13、期間Pr16において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間及びそれに続く期間である期間Pr2〜期間Pr3、期間Pr6〜期間Pr7、期間Pr10〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第1電極X11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっては、DC的にプラス・マイナス0となっている。
更には、第1開口部ユニット12における印加電圧パターンにあっては、例えば、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に、期間Pr1〜期間Pr4、期間Pr12において、VON(=V0)が印加され、VON(=V0)が印加された期間が終わった次の期間である期間Pr5、期間Pr13、及び、期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加され、VOFF(=−V0)が印加された期間の次の期間である期間Pr6〜期間Pr11、期間Pr14〜期間Pr15において、V’OFF(=−V0/4)が印加される。即ち、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、5・V0・tである。一方、第1開口部ユニット12における第2電極Y11に印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、[−3・V0・t+8(−V0/4)・t]=(−5・V0・t)である。従って、第1開口部ユニット12における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
また、第2開口部ユニット22における印加電圧パターンにあっては、例えば、第2開口部ユニット22における第1電極αに、期間Pr1〜期間Pr2、期間Pr5〜期間Pr6、期間Pr9〜期間Pr10、期間Pr13〜期間Pr14において、VON(=V0)が印加される。一方、期間Pr3〜期間Pr4、期間Pr7〜期間Pr8、期間Pr11〜期間Pr12、期間Pr15〜期間Pr16において、VOFF(=−V0)が印加される。即ち、第2開口部ユニット22における第1電極αに印加されるプラス側の印加電圧と時間の積は、8・V0・tである。一方、第2開口部ユニット22における第1電極αに印加されるマイナス側の印加電圧と時間の積は、−8・V0・tである。従って、第2開口部ユニット22における駆動電圧の印加にあっても、DC的にプラス・マイナス0となっている。
以上に説明したとおり、期間Pr1のみ、第1光変調装置10Gの第1電極X11と第2電極Y11との同時作動によって、更には、第2光変調装置20Gの第1電極αとの同時作動によって、第1光変調装置10Gにおける第1開口部11の射影像と第2光変調装置20Gにおける第2開口部21の射影像が重複する重複領域に相当する第(1,1)番目の開口部[図11の(A)参照)]が開状態となり、その他の期間Pr2〜期間Pr16にあっては、第(1,1)番目の開口部は閉状態となる。
同様に、期間Pr2のみ第(2,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr3のみ第(3,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr4のみ第(4,1)番目の開口部が開状態となり、期間Pr5のみ第(1,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr6のみ第(2,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr7のみ第(3,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr8のみ第(4,2)番目の開口部が開状態となり、期間Pr9のみ第(1,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr10のみ第(2,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr11のみ第(3,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr12のみ第(4,3)番目の開口部が開状態となり、期間Pr13のみ第(1,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr14のみ第(2,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr15のみ第(3,4)番目の開口部が開状態となり、期間Pr16のみ第(4,4)番目の開口部が開状態となる。
また、以上、3次元像表示装置を好ましい実施例に基づき説明したが、3次元像表示装置は実施例6〜実施例12に限定するものではない。実施例においては、オーバーサンプリングフィルタを構成する格子フィルタを位相格子から構成したが、代替的に振幅格子から構成してもよい。
2次元画像形成装置630と光学装置635との間に、例えば、2枚の凸レンズを配置し、一方の凸レンズの前側焦点面に2次元画像形成装置630を配置し、一方の凸レンズの後側焦点に他方の凸レンズの前側焦点を位置させ、他方の凸レンズの後側焦点面に光学装置635を配置する構成とすることもできる。また、光学装置635を構成する光学素子636を、代替的に凹レンズから構成することもできる。この場合には、仮想の開口領域637は、2次元画像形成装置630の前方(光源側)に位置する。更には、光学素子636を、通常のレンズに代えて、フレネルレンズから構成してもよい。
実施例6、実施例9,実施例12においては、フーリエ変換像形成手段140を構成するレンズ(第1のレンズL1)の前側焦点面に光変調手段(2次元画像形成装置)130,130Aや回折光生成手段が配置されており、後側焦点面にフーリエ変換像選択手段が配置されている構成としたが、場合によっては、2次元画像における空間周波数にクロストークが生じる結果、最終的に得られる立体画像に劣化が生じるものの、係る劣化が許容されるならば、フーリエ変換像形成手段140を構成するレンズ(第1のレンズL1)の前側焦点面からずれた位置に光変調手段(2次元画像形成装置)130,130Aや回折光生成手段を配置してもよいし、後側焦点面からずれた位置にフーリエ変換像選択手段を配置してもよい。また、第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3は凸レンズに限定されず、適宜、適切なレンズを選択すればよい。また、実施例7、実施例10、実施例12においては、フーリエ変換像形成手段540を構成するレンズ(第3のレンズL3)の前側焦点面にオーバーサンプリングフィルタOSFが配置されており、後側焦点面にフーリエ変換像選択手段550(空間フィルタSF)が配置されている構成としたが、場合によっては、2次元画像の共役像における空間周波数にクロストークが生じる結果、最終的に得られる立体画像に劣化が生じるものの、係る劣化が許容されるならば、フーリエ変換像形成手段540を構成するレンズ(第3のレンズL3)の前側焦点面からずれた位置にオーバーサンプリングフィルタOSFを配置してもよいし、後側焦点面からずれた位置にフーリエ変換像選択手段550(空間フィルタSF)を配置してもよい。また、第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3、第4のレンズL4、第5のレンズL5は凸レンズに限定されず、適宜、適切なレンズを選択すればよい。また、実施例8、実施例11あるいは実施例12においては、フーリエ変換像形成手段640を構成するレンズ(第1のレンズL1)の前側焦点面に光学装置635を構成する光学素子636の焦点が位置しており、後側焦点面にフーリエ変換像選択手段が配置されている構成としたが、場合によっては、2次元画像における空間周波数にクロストークが生じる結果、最終的に得られる立体画像に劣化が生じるものの、係る劣化が許容されるならば、フーリエ変換像形成手段640を構成するレンズ(第1のレンズL1)の前側焦点面からずれた位置に光学装置635を構成する光学素子636の焦点を位置させてもよいし、後側焦点面からずれた位置にフーリエ変換像選択手段を配置してもよい。また、第1のレンズL1、第2のレンズL2、第3のレンズL3は凸レンズに限定されず、適宜、適切なレンズを選択すればよい。
実施例6〜実施例12においては、光源は全ての場合において単色若しくは単色に近い光源であることを前提としているが、光源は、このような構成に限定するものではない。光源110の波長帯域が複数の帯域に及んでもよい。但し、この場合には、例えば、実施例6における3次元像表示装置を例にとり説明すると、図44の(A)に示すように、照明光学系120と光変調手段(2次元画像形成装置)130との間に、波長選択を行う狭帯域フィルタ171を配置することが好ましく、これによって、波長帯域を分別、選択し、単色光を抽出することができる。
あるいは又、光源110の波長帯域が広帯域に及んでもよい。但し、この場合には、図44の(B)に示すように、照明光学系120と光変調手段(2次元画像形成装置)130との間に、ダイクロイックプリズム172及び波長選択を行う狭帯域フィルタ171Gを配置することが好ましい。具体的には、ダイクロイックプリズム172は、例えば赤色光、青色光を別々の方向に反射すると共に、緑色光を含む光線を透過する。ダイクロイックプリズム172における緑色光を含む光線の出射側に、緑色光を分別・選択する狭帯域フィルタ171Gが配置されている。
また、図45に示すように、ダイクロイックプリズム172における緑色光を含む光線の出射側に緑色光を分別・選択する狭帯域フィルタ171Gを配置し、赤色光を含む光線の出射側に赤色光を分別・選択する狭帯域フィルタ171Rを配置し、青色光を含む光線の出射側に、青色光を分別・選択する狭帯域フィルタ171Bを配置すれば、3原色を表示する3つの3次元像表示装置に対する光源を構成することができる。このような構成の3つの3次元像表示装置を用い、あるいは又、赤色光を射出する光源と3次元像表示装置、緑色光を射出する光源と3次元像表示装置、及び、青色光を射出する光源と3次元像表示装置の組合せを用い、各3次元像表示装置からの画像を、例えば光合成プリズムを用いて合成することで、カラー表示を行うことができる。尚、ダイクロイックプリズムの代わりに、ダイクロイックミラーを用いることもできる。尚、以上に説明したこれらの3次元像表示装置の変形例は実施例7〜実施例12に適用することができることは云うまでもない。
更には、第B−1の態様〜第B−3の態様に係る3次元像表示装置と第C−1の態様〜第C−2の態様に係る3次元像表示装置とを組合せてもよい。
図1の(A)及び(B)は、実施例1の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図2の(A)及び(B)は、実施例2の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図3は、実施例1あるいは実施例2の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット及び第2開口部ユニットを構成する第1電極への印加電圧を模式的に示す図である。 図4の(A)及び(B)は、実施例3の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図5は、実施例3の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット及び第2開口部ユニットを構成する第1電極への印加電圧を模式的に示す図である。 図6の(A)及び(B)は、実施例4の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図7は、実施例4の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット及び第2開口部ユニット、第3開口部ユニットを構成する第1電極への印加電圧を模式的に示す図である。 図8の(A)及び(B)は、実施例5の光制御装置を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図9は、実施例5の光変調装置の開口部における光の通過を制御するために、第1開口部ユニット、第2開口部ユニット、第3開口部ユニットを構成する第1電極への印加電圧を模式的に示す図である。 図10の(A)及び(B)は、本発明の光制御装置の別の例を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図11の(A)及び(B)は、本発明の光制御装置の更に別の例を構成する第1光変調装置及び第2光変調装置の模式的な正面図である。 図12は、実施例6の3次元像表示装置のyz平面における概念図である。 図13は、実施例6の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図である。 図14は、実施例6の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。 図15は、実施例6の3次元像表示装置におけるフーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)の1例の模式的な正面図である。 図16は、実施例6の3次元像表示装置における光変調手段(2次元画像形成装置)によって、複数の回折次数の回折光が生成される状態を模式的に示す図である。 図17は、実施例6の3次元像表示装置におけるフーリエ変換像形成手段(第1のレンズL1)における集光状態、及び、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)における結像状態を模式的に示す図である。 図18の(A)及び(B)は、それぞれ、光変調手段(2次元画像形成装置)によって形成された2次元画像における空間周波数が最も低い状態、及び、最も高い状態を示す光変調手段(2次元画像形成装置)の模式的な正面図である。 図19の(A)及び(B)は、それぞれ、光変調手段(2次元画像形成装置)によって形成された2次元画像における空間周波数が最も低い状態、及び、最も高い状態におけるフーリエ変換像の光強度の周波数特性を模式的に示す図である。 図20の(A)は、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)のxy平面上におけるフーリエ変換像の分布を示す模式図であり、図20の(B)及び(C)は、図20の(A)のx軸上でのフーリエ変換像の光強度分布を示す図である。 図21は、光変調手段(2次元画像形成装置)における2次元画像の形成タイミングとフーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)の開口部の開閉タイミングとを示す図であり、上段には、光変調手段(2次元画像形成装置)における2次元画像の形成タイミングを示し、中段及び下段には、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)の開口部の開閉タイミングを示す。 図22は、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)による空間フィルタリングの概念を模式的に時系列で示す図である。 図23は、図22に示した空間フィルタリングの結果得られる画像を模式的に示す図である。 図24の(A)、(B)及び(C)は、それぞれ、実施例6の3次元像表示装置における光源及び照明光学系の第1構成例、第2構成例、及び、第3構成例を示す模式図である。 図25の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例6の3次元像表示装置における光源及び照明光学系の第4構成例、及び、第5構成例を示す模式図である。 図26は、実施例7の3次元像表示装置のyz平面における概念図である。 図27は、実施例7の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図である。 図28は、実施例7の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。 図29は、実施例7の3次元像表示装置における光変調手段(2次元画像形成装置)によって、複数の回折次数の回折光が生成される状態を模式的に示す図である。 図30は、実施例7の3次元像表示装置におけるフーリエ変換像形成手段(第3のレンズL3)における集光状態、及び、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)における結像状態を模式的に示す図である。 図31は、実施例8の3次元像表示装置のyz平面における概念図である。 図32は、実施例8の3次元像表示装置における光学装置の動作、作用を説明するための概念図である。 図33は、実施例8の3次元像表示装置を斜めから見たときの概念図である。 図34は、実施例8の3次元像表示装置の構成要素の配置状態を模式的に示す図である。 図35は、実施例8の3次元像表示装置を構成する2次元画像形成装置によって、複数の回折次数の回折光が生成される状態を模式的に示す図である。 図36は、実施例8の3次元像表示装置において、フーリエ変換像形成手段(第1のレンズL1)における集光状態、及び、フーリエ変換像選択手段(空間フィルタ)における結像状態を模式的に示す図である。 図37は、実施例9の3次元像表示装置の概念図である。 図38は、実施例9の3次元像表示装置において、回折格子−光変調素子を構成する下部電極、固定電極、可動電極の配置を模式的に示す図である。 図39の(A)は、図38の矢印B−Bに沿った固定電極等の模式的な断面図、及び、図38の矢印A−Aに沿った可動電極等の模式的な断面図(但し、回折格子−光変調素子が作動していない状態にある)であり、図39の(B)は、図38の矢印A−Aに沿った可動電極等の模式的な断面図であり(但し、回折格子−光変調素子が作動している状態にある)、図39の(C)は、図38の矢印C−Cに沿った固定電極、可動電極等の模式的な断面図である。 図40は、実施例9の3次元像表示装置における光変調手段(2次元画像形成装置)の一部分等の概念図である。 図41は、実施例10の3次元像表示装置の概念図である。 図42は、実施例11の3次元像表示装置の概念図である。 図43は、実施例12の3次元像表示装置の一部分のyz平面における概念図である。 図44の(A)及び(B)は、実施例6の3次元像表示装置の変形例の一部分のyz平面における概念図である。 図45は、実施例6の3次元像表示装置の変形例の別の変形例の一部分のyz平面における概念図である。 図46は、実施例6の3次元像表示装置を複数組み合わせたマルチユニット方式の3次元像表示装置を示す構成図である。 図47は、従来の3次元像表示装置の一構成例を示す図である。 図48の(A)は、従来の液晶表示装置における第1電極及び第2電極の配置を模式的に示す図であり、図48の(B)は、この液晶表示装置において、第1の電極と第2電極との重複領域から構成される開口部の1つ1つの開閉制御を行うために、第1電極及び第2の電極に印加される電圧を模式的に示す図である。 図49の(A)は、図48の(A)とは別の形式の従来の液晶表示装置における第1電極の配置を模式的に示す図であり、図49の(B)及び(C)は、この液晶表示装置において、第1の電極と第2電極との重複領域から構成される開口部の1つ1つの開閉制御を行うために、第1電極及び第2の電極に印加される電圧を模式的に示す図である。
符号の説明
10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G・・・第1光変調装置、11・・・第1開口部、12・・・第1開口部ユニット、20A,20B,20C,20D,20E、20F、20G・・・第2光変調装置、21・・・第2開口部、22・・・第2開口部ユニット、30D,30E・・・第3光変調装置、31・・・第3開口部、32・・・第3開口部ユニット、101,501,601・・・3次元像表示装置、110,110A,110B,110C,110D,110E・・・光源、120,120A,120B,120C,120D,120E・・・照明光学系、121A,121B,121C,124A,124B,124C,124D,124E・・・レンズ、122A,122C,122D・・・円形開口板、122B・・・拡散板、123A,123C,123D・・・アパーチャ、130,230,530,630・・・光変調手段(2次元画像形成装置)、131,531,631・・・画素、532・・・画像制限・生成手段、533・・・画像制限開口部、534・・・開口領域、635・・・光学装置、636・・・光学素子、637・・・仮想の開口領域、140,540,640・・・フーリエ変換像形成手段、150,550,650・・・フーリエ変換像選択手段、151,551,651・・・開口部、152・・・開口部中心位置、160,560,660・・・共役像形成手段、170・・・ビームスプリッタ、171,171R,171G,171B・・・狭帯域フィルタ、172・・・ダイクロイックプリズム、331・・・走査用レンズ系、332・・・格子フィルタ、333・・・異方性拡散フィルタ、401・・・回折格子−光変調装置、403・・・レンズ、404・・・空間フィルタ、405・・・スキャンミラー、410・・・回折格子−光変調素子、411・・・支持体、412・・・下部電極、414,415,417,418・・・支持部、421・・・固定電極、422・・・可動電極、L1・・・第1のレンズ、L2・・・第2のレンズ、L3・・・第3のレンズ、L4・・・第4のレンズ、L5・・・第5のレンズ、OSF・・・オーバーサンプリングフィルタ、SF・・・空間フィルタ、RI・・・実像(逆フーリエ変換像)、CI・・・フーリエ変換像の共役像

Claims (8)

  1. X方向にM個、Y方向にN個の、合計、M×N個の2次元マトリクス状に配列された開口部を有し、該開口部における光の通過を制御する光制御装置であって、
    少なくとも第1光変調装置及び第2光変調装置が並置されて成り、
    第1光変調装置は複数の第1開口部を有し、
    第2光変調装置は複数の第2開口部を有し、
    第1光変調装置における第1開口部の射影像と第2光変調装置における第2開口部の射影像が重複する重複領域が、前記開口部に相当し、
    第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と、第2光変調装置の第2開口部における光通過制御とは、独立して行われることを特徴とする光制御装置。
  2. 第1光変調装置における第1開口部は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個の、合計、2×N個の第1開口部ユニットから構成され、
    第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個の第2開口部ユニットから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
  3. 第1光変調装置における第1開口部は、Y方向に沿ってN個の第1開口部ユニットから構成され、
    第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個、Y方向に沿って2個の、合計、2×M個の第2開口部ユニットから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
  4. 第1光変調装置における第1開口部は、X方向に沿って2個、Y方向に沿ってN個の、合計、2×N個の第1開口部ユニットから構成され、
    第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個の第2開口部ユニットから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
  5. 第1光変調装置及び第2光変調装置と共に、更に、第3光変調装置が並置されて成り、
    第3光変調装置は複数の第3開口部を有し、
    第1光変調装置における第1開口部の射影像と第2光変調装置における第2開口部の射影像と第3光変調装置における第3開口部の射影像とが重複する重複領域が、前記開口部に相当し、
    第1光変調装置の第1開口部における光通過制御と、第2光変調装置の第2開口部における光通過制御と、第3光変調装置の第3開口部における光通過制御とは、独立して行われることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
  6. 第1光変調装置における第1開口部は、Y方向に沿ってN個の第1開口部ユニットから構成され、
    第2光変調装置における第2開口部は、X方向に沿ってM個の第2開口部ユニットから構成され、
    第3光変調装置における第3開口部は、X方向に沿って2個の第3開口部ユニットから構成され、又は、Y方向に沿って2個の第3開口部ユニットから構成されていることを特徴とする請求項5に記載の光制御装置。
  7. 第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り、
    第1光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第2の方向に偏光された光が射出され、
    第2光変調装置には、第1光変調装置から射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出されることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
  8. 第1光変調装置及び第2光変調装置は、強誘電性液晶表示装置から成り、
    第2光変調装置には第1の方向に偏光した光が入射し、第2光変調装置から第2の方向に偏光された光が射出され、
    第1光変調装置には、第2光変調装置から射出された第2の方向に偏光した光が入射し、第1光変調装置から第1の方向に偏光された光が射出されることを特徴とする請求項1に記載の光制御装置。
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