JP2007219080A - 表示媒体を構成する表示用粒子およびそれを用いた情報表示用パネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる2種類の表示媒体を構成する、セル内に封入される2種類の表示用粒子として、前記表示媒体のセル体積に対する体積割合が10〜30(vol%)であり、かつ、前記表示用粒子の平均粒子径が基板間距離の40%以下であるものを用いて、情報表示用パネルに用いた場合に良好な表示品質が得られる表示用粒子を得た。
【選択図】図2
Description
本発明は、上記表示用粒子を用いて構成した表示媒体を用いて、表示品質に優れた情報表示用パネルを提供することを第2の目的とする。
また、隔壁を形成するにあたり、対向する両基板1、2の各々にリブを形成した後に接合する両リブ法、片側の基板上にのみリブを形成する片リブ法が考えられる。この発明では、いずれの方法も好適に用いられる。
これらのリブからなる隔壁により形成されるセルは、図3に示すごとく、基板平面方向からみて四角状、三角状、ライン状、円形状、六角状が例示され、配置としては格子状やハニカム状や網目状が例示される。表示面側から見える隔壁断面部分に相当する部分(セルの枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、表示状態の鮮明さが増す。
ここで、隔壁の形成方法を例示すると、金型転写法、スクリーン印刷法、サンドブラスト法、フォトリソ法、アディティブ法が挙げられる。いずれの方法もこの発明の情報表示装置に搭載する情報表示用パネルに好適に用いることができるが、これらのうち、レジストフィルムを用いるフォトリソ法や金型転写法が好適に用いられる。
本発明に用いる粉流体とは、先に述べたように、気体の力も液体の力も借りずに、自ら流動性を示す、流体と粒子の特性を兼ね備えた両者の中間状態の物質である。この粉流体は、特にエアロゾル状態とすることができ、本発明の情報表示用パネルでは、気体中に固体状の物質が分散質として比較的安定に浮遊する状態で表示媒体として用いられる。
本発明において、帯電量の測定は、以下によって行った。
<ブローオフ測定原理および測定方法>
ブローオフ法においては、両端に網を張った円筒容器中に表示媒体とキャリアの混合体を入れ、一端から高圧ガスを吹き込んで表示媒体とキャリアとを分離し、網の目開きから表示媒体のみをブローオフ(吹き飛ばし)する。このとき、表示媒体が容器外に持ち去った帯電量と等量で逆の帯電量がキャリアに残る。そして、この電荷による電束の全てはファラデーケージで集められ、この分だけコンデンサは充電される。そこでコンデンサ両端の電位を測定することにより、表示媒体の電荷量Qは、
Q=CV(C;コンデンサ容量、V;コンデンサ両端の電圧)
として求められる。
ブローオフ表示媒体帯電量測定装置としては東芝ケミカル社製のTB−200を用いた。本発明では、被測定粒子の帯電量測定にフェライト系キャリアを用いるが、情報表示用パネルに例えば正帯電性の表示用粒子から構成される表示媒体と負帯電性の表示用粒子から構成される表示媒体との2種類の表示媒体を組み合わせて用いる場合にそれぞれの表示媒体を構成する表示用粒子の帯電量を測定するときには同一種類のキャリアを用いる。具体的には、キャリアとして同和鉄粉工業(株)製のDFC100 リンクル(Mn−Mg含有フェライト系)を用いて粒子の帯電量(μC/g)を測定した。
粒子には、その主成分となる樹脂に、必要に応じて、従来と同様に、荷電制御剤、着色剤、無機添加剤等を含ますことができる。以下に、樹脂、荷電制御剤、着色剤、その他添加剤を例示する。
青色着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
赤色着色剤としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド2等がある。
緑色着色剤としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、C.I.ピグメントグリーン7、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
橙色着色剤としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK、C.I.ピグメントオレンジ31等がある。
紫色着色剤としては、マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等がある。
白色着色剤としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等がある。
これらの顔料および無機系添加剤は、単独であるいは複数組み合わせて用いることができる。このうち特に黒色顔料としてカーボンブラックが、白色顔料として酸化チタンが好ましい。
Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5)
(但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%がこれより小さいという粒子径をμmで表した数値、d(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒子径をμmで表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である粒子径をμmで表した数値である。)
Spanを5以下の範囲に納めることにより、各粒子のサイズが揃い、均一な表示媒体としての移動が可能となる。
ここで、本発明における粒子径および粒子径分布は、体積基準分布から得られたものである。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instruments Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、付属の解析ソフト(Mie理論を用いた体積基準分布を基本としたソフト)にて、粒子径および粒子径分布の測定を行なうことができる。
この空隙部分とは、図1、図2において、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、電極5、6(電極を基板の内側に設けた場合)、表示媒体3の占有部分、隔壁4の占有部分、情報表示用パネルのシール部分を除いた、いわゆる表示媒体が接する気体部分を指すものとする。
空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、その種類は問わないが、乾燥空気、乾燥窒素、乾燥アルゴン、乾燥ヘリウム、乾燥二酸化炭素、乾燥メタンなどが好適である。この気体は、その湿度が保持されるように情報表示用パネルに封入することが必要であり、例えば、表示媒体の充填、情報表示用パネルの組み立てなどを所定湿度環境下にて行い、さらに、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施すことが肝要である。
正帯電性を有する黒色表示用粒子として、平均粒子径が6.1μmの黒色表示用粒子B1、平均粒子径が9.2μmの黒色表示用粒子B2、平均粒子径が12.2μmの黒色表示用粒子B3を準備した。この黒色表示用粒子は、比重測定の結果、その比重は1.2であった。負帯電性を有する白色表示用粒子として、平均粒子径が6.3μmの白色表示用粒子W1、平均粒子径が9.5μmの白色表示用粒子W2、平均粒子径が12.3μmの白色表示用粒子W3を準備した。この白色表示用粒子は、比重測定の結果、その比重は1.5であった。
隔壁基板1,隔壁基板2,隔壁基板3に対して自由落下法により所定量の黒色表示用粒子および白色表示用粒子をセル内に充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板(隔壁の無いITOガラス基板)を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。
隔壁基板3に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して3.5g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して3.5g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は10.5vol%である。90%コントラストが5.5で、90%電圧が95Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板3に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して10.1g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して3.5g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は21.5vol%である。90%コントラストが5.6で、90%電圧が90Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板3に対して黒色表示用粒子B3より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して5.2g/m2 、白色表示用粒子W3より成る白色表示媒体を基板間面積に対して4.3g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は18.0vol%である。90%コントラストが5.4で、90%電圧が95Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板2に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して4.1g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して4.1g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は15.4vol%である。90%コントラストが5.3で、90%電圧が85Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板2に対して黒色表示用粒子B2より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して7.2g/m2 、白色表示用粒子W2より成る白色表示媒体を基板間面積に対して6.5g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は25.8vol%である。90%コントラストが5.6で、90%電圧が80Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板1に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して5.5g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して5.1g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は26.6vol%である。90%コントラストが5.4で、90%電圧が70Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板1に対して黒色表示用粒子B2より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して3.2g/m2 、白色表示用粒子W2より成る白色表示媒体を基板間面積に対して2.8g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は15.1vol%である。90%コントラストが5.2で、90%電圧が65Vであり、良好な情報表示用パネルを得た。
隔壁基板3に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して3.1g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して3.2g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は9.4vol%であるため、90%コントラストが4.4で、90%電圧が90Vであり、良好な情報表示用パネルを得ることはできなかった。
隔壁基板3に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して11.2g/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して10.9g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は33.2vol%であるため、90%コントラストが5.1であるが、90%電圧が110Vであり、良好な情報表示用パネルを得ることはできなかった。
隔壁基板2に対して黒色表示用粒子B1より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して9.2/m2 、白色表示用粒子W1より成る白色表示媒体を基板間面積に対して2.8g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は23.8vol%であるが、黒色表示媒体と白色表示媒体との体積比率が4.1倍あることから、90%コントラストが3.8で、90%電圧が95Vであり、良好な情報表示用パネルを得ることはできなかった。
隔壁基板1に対して黒色表示用粒子B3より成る黒色表示媒体を基板間面積に対して5.2g/m2 、白色表示用粒子W3より成る白色表示媒体を基板間面積に対して4.3g/m2 充填し、隔壁上の不要な表示媒体を除去した後、対向基板を貼り合わせることによって情報表示用パネルを得た。このとき、セル体積に対して、セル内に充填された表示媒体は24.0vol%であるが、基板間距離に対してこの表示媒体を構成する表示用粒子の平均粒子径が41%であることから、90%コントラストが4.3で、90%電圧が95Vであり、良好な情報表示用パネルを得ることはできなかった。
3 表示媒体(粒子群、粉流体)
3W 白色表示媒体
3B 黒色表示媒体
3Wa 白色表示用粒子
3Ba 黒色表示用粒子
4 隔壁
5、6 電極
21 チャック
22 スコロトロン放電器
23 表面電位計
Claims (9)
- 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる2種類の表示媒体を構成する2種類の表示用粒子であって、
セル内に封入される前記表示媒体のセル体積に対する体積割合が10〜30(vol%)であり、かつ、前記表示媒体を構成する表示用粒子の平均粒子径が基板間距離の40%以下であることを特徴とする表示用粒子。 - 少なくとも一方が透明な2枚の基板間に隔壁によって仕切られた複数のセルを形成し、該セル内に光学的反射率および帯電性を有する表示媒体を封入し、表示媒体に電界を付与することによって、表示媒体を移動させて画像等の情報を表示する情報表示用パネルに用いる2種類の表示媒体を構成する2種類の表示用粒子であって、
セル内に封入される前記表示媒体のセル体積に対する体積割合が10〜30(vol%)であり、かつ、前記2種類の表示媒体の体積比率が、一方の表示媒体に対し他方の表示媒体が4倍以下であることを特徴とする表示用粒子。 - 前記表示用粒子を構成する樹脂成分が、少なくともアクリル系モノマー、メタクリル系モノマーおよびスチレン系モノマーを含む複数種のモノマーの中から選択される1種以上のモノマーを重合して成ることを特徴とする請求項1または2に記載の表示用粒子。
- 前記表示用粒子を構成する樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表示用粒子。
- 前記表示用粒子の平均粒子径が0.1〜50μmであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表示用粒子。
- キャリアを用いてブローオフ法により測定した前記表示用粒子の帯電量が絶対値で10〜100μC/gであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表示用粒子。
- 前記表示用粒子が、その表面と1mmの間隔をもって配置されたコロナ放電器に、8KVの電圧を印加してコロナ放電を発生させて表面を帯電させた場合に、0.3秒後における表面電位の最大値が300Vより大きい粒子であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の表示用粒子。
- 前記2種類の表示用粒子の色が白色および黒色であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の表示用粒子。
- 少なくとも一方が透明な対向する2枚の基板の間に、請求項1〜8の何れか1項に記載の表示用粒子を含む表示媒体を少なくとも2種以上封入し、基板内に発生させた電界により表示媒体を移動させて画像等の情報を表示するようにしたことを特徴とする情報表示用パネル。
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