JP2007218237A - 燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料の予熱過程を必要とすることなく、比較的簡単な構成で、燃料を効率良く且つ極めて小サイズの粒子径に微粒化することにより、燃焼効率を飛躍的に向上させると共に有害な燃焼排出物の低減を可能とする燃料噴射装置の提供。
【解決手段】 液体を噴射させる液体噴射口を備える燃料噴射装置であって、液体噴射口が、第一の液体を膜状に噴射させる第一噴射口と、第一の液体とは表面張力の異なる第二の液体を粒子状或いは膜状に噴射させる第二噴射口とからなり、第一の液体と第二の液体のうち少なくとも一方の液体が可燃性液体であり、且つ第二の液体が第一の液体に衝突するようにして、第一噴射口及び第二噴射口が夫々配置されていることを特徴とする燃料噴射装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関に関し、より詳しくは、燃料を効率良く且つ極めて小サイズの粒子径に微粒化することにより、燃焼効率を飛躍的に向上させると共に有害な燃焼排出物の低減を可能とする燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関に関する。
近年、環境と共生するための技術開発が強く要望されている。地球環境問題はより一層深刻なものとなっており、地球温暖化の要因となる二酸化炭素(CO)削減等は世界的な動きとなっている。その中で、化石燃料代替法や新エネルギー開発など様々な研究が行われているが、輸送機器においては、二酸化炭素(CO)の排出量が少なく、燃費に優れるディーゼル機関が見直されている。
しかしながら、ディーゼル機関の燃焼排気に含まれる窒素酸化物(NO)、粒子状物質(PM)等の削減が強く望まれていることは周知の事実である。
ディーゼル機関は噴霧燃焼であるため、燃料の微粒化により燃焼効率や排出物特性が大きく左右される。つまり、いかに小サイズで燃料を微粒化できるかが重要となってくる。
ここで、微粒化における粒子径は流体がもつ粘性に依存するため、ディーゼル機関に用いられる軽油のように粘性の高い燃料は微粒化における粒子径が充分に小さくならないという問題が発生する。
これに対する方策として、例えば、下記特許文献1には、液体燃料と水を混合した高温高圧のエマルジョン燃料を、燃料噴射系における燃料噴射ノズル近傍に一定割合で注入し、燃料を噴射して燃焼の改善を行い、また、排気ガスを吸熱凝縮することにより部分的に液化させて窒素酸化物(NO)、粒子状物質(PM)等の回収を行う装置が開示されている。
しかしながら、上記した技術では燃料噴射の前段階として燃料の高温予熱過程を必要とする。また、燃料を予め混合するための混合機構や窒素酸化物(NO)、粒子状物質(PM)等を回収する排気ガス浄化装置を別途必要とし、燃料噴射の制御が複雑となるため、装置全体が非常に粗大なものとなる。
また、下記特許文献2には、液体燃料と600℃以上の高温過熱水蒸気を噴射ノズル内に設けられた反応室に噴射し、反応室内の反応域で液体燃料及び高温過熱水蒸気を混合(エマルジョン化)して、液体燃料の揮発分を蒸発・気化させると共に液体燃料の少なくとも一部分を熱分解することにより、液体燃料を微粒化する技術が開示されている。
しかしながら、このような技術では、高温過熱水蒸気を得るために、極めて高い温度での予熱過程を経る必要がある。また、噴射ノズル内部において、液体燃料と高温過熱水蒸気との混合を行うため、極めて精巧複雑な噴射ノズルが必要となり、噴射ノズルの加工が困難なものとなる。更に、精密な噴射制御が必要となるため、噴射系全体が複雑化してしまう問題がある。
また、特許文献1及び2いずれの開示技術も燃料の微粒化が充分に行われているとはいい難い。
特開平6−294353号公報 特開2004−225919号公報
本発明は上記実情を鑑みてなされたものであって、燃料の高温予熱過程を必要とすることなく、比較的簡単な構成で、燃料を効率良く且つ極めて小サイズの粒子径に微粒化することにより、燃焼効率を飛躍的に向上させると共に有害な燃焼排出物の低減を可能とする燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、液体を噴射させる液体噴射口を備える燃料噴射装置であって、前記液体噴射口が、第一の液体を膜状に噴射させる第一噴射口と、前記第一の液体とは表面張力の異なる第二の液体を粒子状或いは膜状に噴射させる第二噴射口とからなり、前記第一の液体と前記第二の液体のうち少なくとも一方の液体が可燃性液体であり、且つ前記第二の液体が前記第一の液体に衝突するようにして、前記第一噴射口及び前記第二噴射口が夫々配置されていることを特徴とする燃料噴射装置に関する。
請求項2に係る発明は、前記第一の液体と前記第二の液体のうち一方の液体が可燃性液体であり、他方の液体が水であることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置に関する。
請求項3に係る発明は、前記第一の液体と前記第二の液体のうち少なくとも一方の液体に前記第一の液体と前記第二の液体との表面張力差を大きくする改質処理がなされていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置に関する。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3いずれかに記載の燃料噴射装置を備えることを特徴とする内燃機関に関する。
請求項1に係る発明によれば、第一の液体とは表面張力の異なる第二の液体が前記第一の液体に衝突するようにして、第一噴射口及び第二噴射口が夫々配置されていることにより、液体噴射において前記第一・第二の液体同士が衝突する際、二種類の液体の表面張力の違いにより、前記第一の液体にマランゴニ波動を誘発することが可能となる。これにより、前記第一・第二の液体を極めて小サイズに微粒化することが可能となる。
また、この際、前記第一の液体と前記第二の液体のうち少なくとも一方の液体が可燃性液体、即ち液体燃料であることにより、燃焼効率を格段に向上させることができる燃料噴射装置を提供することが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、第一の液体と第二の液体のうち一方の液体が可燃性液体(液体燃料)であり、他方の液体が水であることにより、二種類の液体の表面張力が大きく異なるため、微粒化をより促進させることが可能となる。また、高温燃焼時に、水は水蒸気となって爆発的に膨張するため、液体燃料の更なる微粒化及び攪拌を促進することが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、第一の液体と第二の液体のうち少なくとも一方の液体に前記第一の液体と前記第二の液体との表面張力差を大きくする改質処理がなされていることにより、二種類の液体の表面張力差をより大きくすることが可能となる。
請求項4に係る発明によれば、上記請求項1乃至3いずれかに記載の燃料噴射装置を備える内燃機関であることにより、燃焼効率が飛躍的に向上し、且つ、窒素酸化物(NO)、粒子状物質(PM)等の有害排出物を大きく低減させることが可能となる。
以下、本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関における燃料噴射装置(A)の第一実施形態を示す概略斜視図である。
燃料噴射装置(A)は、図1に示される如く、略円柱状に形成されており、その先端面において略同軸上に配される二種類の燃料噴射口を備えている。
第一噴射口(1)は、円環形状の噴射スリット孔(スリット幅0.1〜0.5mm程度)であり、燃料噴射装置(A)の中心軸と略同心且つ、燃料噴射装置(A)先端面外周より所定間隔(例えば、1〜2mm程度)を有して形成されている。
第二噴射口(2)は、直径0.1〜0.5mm程度の円形状の噴孔であって、第一噴射口(1)に囲まれるようにして内側に、且つ燃料噴射装置(A)の中心軸と略同心に位置するようにして形成されている。
第一噴射口(1)及び第二噴射口(2)には、夫々、別々の独立した燃料流管が連通しており、第一噴射口(1)からは第一の液体(11)が噴射し、第二噴射口(2)からは第一の液体(11)とは表面張力の異なる第二の液体(21)が噴射するように構成されている。この際、第一及び第二の液体(11、21)のうち一方は可燃性の液体燃料とし、他方は種類の異なる液体燃料や水等、混焼することで独特の効果(例えば、サーマルNOの抑制)を有するものを選択すれば良い。
液体の噴射手法としては、例えば、従来のディーゼル機関等に用いられているものを採用すれば良い。つまり、第一及び第二の液体(11、21)を夫々タンク内に充填し、油圧ポンプ等の圧送機構により燃料流管に搬送し、燃料噴射装置(A)より噴射させるように構成すれば良い。この際、圧力制御機構を燃料流管上に設けて噴射圧力を調整することは言うまでもない。
また、燃料噴射装置(A)を構成する素材としては、例えば、ステンレス鋼を選択することができる。例えば、ディーゼル機関における噴射装置内には高圧(100〜200MPa程度)の燃料が流入するため、機械的強度に優れた素材を選定する必要がある。ステンレス鋼は耐食性に優れ、鋼鉄に比べて引張り強度が高く、また、伸びが大きく、機械加工性に優れているので、この条件に適合している。
ステンレス鋼としては、非磁性体金属であるオーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steels)と、磁性体金属であるマルテンサイト系ステンレス鋼(martensitic stainless steels)、フェライト系ステンレス鋼(ferritic stainless steels)、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(austenitic-ferritic stainless steels)及び析出硬化系ステンレス鋼(precipitation hardening stainless steels)を挙げることができる。
以上の構成により、例えば、噴射圧100〜200MPa程度で燃料噴射装置(A)より第一及び第二の液体(11、21)の同時噴射を行うと、第一噴射口(1)からは第一の液体(11)が円筒膜状に噴射され、また、第二噴射口(2)からは第二の液体(21)が粒子状態且つ放射状に噴霧される。
このとき、第一噴射口(1)と第二噴射口(2)とが、上述した位置関係で構成されていることにより、無数の粒子群からなる第二の液体(21)を円筒膜状に噴射する第一の液体(11)に衝突させることが可能となる。
また、第一噴射口(1)内周と第二噴射口(2)外周との間隔は近いほうが好ましく、例えば、1〜2mm程度(より好ましくは1mm程度)の間隔で位置させることが好ましい。これにより、噴射直後において、第二の液体(21)を第一の液体(11)に衝突させることができ、例えば、高温高圧の気体雰囲気下或いは真空雰囲気下において、液体を噴射する際、前記雰囲気によって液体が引きちぎれる前に、液体(11、21)同士を衝突させることが可能となる。
ここで、上述した如く、第一の液体(11)と第二の液体(21)の表面張力が異なることにより、無数の粒子群からなる第二の液体(21)が円筒膜状の第一の液体(11)に衝突する際、第一の液体(11)膜上にマランゴニ波動を誘発することが可能となる。
これにより、第一及び第二の液体(11、21)を極めて小サイズ(液体の性状によるが、例えば、10〜100μm)に微粒化することができる。
以上のことにより、ディーゼル機関等の内燃機関に上記の燃料噴射装置(A)を適用することにより、実燃焼時、燃焼効率を格段に向上させることが可能となる。
以下に、上記したマランゴニ波動について詳述する。
図2は、本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関において生じるマランゴニ波動の原理を示した概略経時図である。
図2に示される如く、円筒膜状に噴射した第一の液体(11)の内側より第一の液体(11)とは表面張力の異なる第二の液体(21)を粒子状且つ放射状に噴霧し、第一の液体(11)に衝突させると(同図(a)参照)、第二の液体(21)が第一の液体(11)に衝突/付着した点において、表面張力の違いによって瞬間的に波動、即ち、マランゴニ波動が生じる。このマランゴニ波動によって、もともと不安定状態にあった円筒膜の不安定化が瞬時に促進され、第一の液体(11)には、無数の穴が形成される(同図(b)参照)。尚、この穴形成には、マランゴニ波動のみならず、液体(11、21)同士の衝突における力学的作用も働いていることは言うまでもない。
無数の穴が形成され、所謂蜂の巣状態になった第一の液体(11)は、自らの表面張力によって引き延ばされ、細い糸でつながった籠状の形態へと遷移していく(同図(c)参照)。
籠状形態となった第一の液体(11)は、この後、より一層引き延ばされた形状となり、ついには、糸でつながった状態を維持することができなくなり、無数の超微粒子列へと遷移する(同図(d)参照)。
以上のように、表面張力の異なる液体同士を衝突/付着させることにより、マランゴニ波動等の作用を誘発させて、液体を微粒化することが可能となる。これにより、従来、単一液体を高速噴射するだけでは微粒化することの困難であった粘性の高い液体も、上記作用により極めて小サイズ(液体の性状によるが、例えば、10〜100μm)に微粒化させることが可能となる。
また、液体の表面張力差が大きければ大きいほど、マランゴニ波動は確実且つ活発に誘発されるため、微粒化をより促進させることができる。
図3は、実際にマランゴニ波動が生じる瞬間を超高速度撮影装置によって撮影した一場面を示す写真である。
図3は、下部地表面にエチルアルコール(20℃における表面張力約22mN/m)を薄膜状に延ばし、上部より水(20℃における表面張力約73mN/m)とグリセリン(20℃における表面張力約63mN/m)とを1:9の比率で混合した混合液(単一液滴)を落下させ、エチルアルコールと混合液とが衝突する瞬間を、本願発明者が開発した超高速度ビデオカメラ(撮影速度1,000,000fps)により撮影した際の一場面を示している。
図3において、エチルアルコールと混合液が衝突した際、膜状に形成されていたエチルアルコールの衝突部分は無数の粒子群(粒径約5〜50μm)となって上昇し、また、落下衝突した混合液は前記粒子群を追いかけるようにして、細い糸で紡がれた籠状体になりながら上昇する。この籠状体は、上昇に伴い籠状体の状態を維持できなくなり、最終的には、無数の粒子群(粒径約50〜100μm)へと変化した。
このことにより、表面張力の大きく異なる二種類の液体が互いに衝突すると、マランゴニ波動が生じ、また、このマランゴニ波動により二種類の液体の微粒化が促進されることを証明することができた。
次に、燃料噴射装置(A)の変更例について説明する。
図4は、本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関における燃料噴射装置(A)の第二実施形態を示す概略斜視図である。尚、上述した第一実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、説明は省略する。また、噴射に関する条件等は第一実施形態と同様とする。
図4に示される如く、燃料噴射装置(A)は、上述した第一実施形態と略同様である。
第一実施形態との相違点として、第二実施形態における第二噴射口(3)は、第一噴射口(1)と同形状の円環形状の噴射スリット孔(スリット幅0.1〜0.5mm程度)であって、第一噴射口(1)に囲まれるようにして内側に位置し、燃料噴射装置(A)の中心軸と略同心に形成されている。
第一噴射口(1)内周と第二噴射口(3)外周との間隔としては第一実施形態と同様、例えば、1〜2mm程度、より好ましくは1mm程度にすることが望ましい。
以上により、燃料噴射装置(A)より噴射を行うと、第一噴射口(1)からは第一実施形態と同様、第一の液体(11)が円筒膜状に噴射される。また、第二噴射口(3)からは、第二の液体(31)が第一の液体(11)と同じく円筒膜状となって噴射される。
この際、第二噴射口(3)としては、第二の液体(31)が第一の液体(11)に交差して衝突するように、所定の液体噴射角を設けて構成することは言うまでもない。
第二噴射口(3)の液体噴射角を設ける構成としては、例えば、第二噴射口(3)に至る流路を螺旋状に形成しておくことを挙げることができる。これにより、第二の液体(31)は旋回流となって、結果、図4に示される如く第二の噴射口(3)より逆円錐台膜状に噴射することが可能となり、第一の液体(11)に交差・衝突する。
このようにして、第二の液体(31)を第一の液体(11)に衝突/付着させると、初期に形成される穴の形状こそ異なるものの、マランゴニ波動が誘発され、第一実施形態と同様の遷移過程を経て、第一及び第二の液体(11、21)を極めて小サイズに微粒化させることができる。
尚、上記した旋回流を発生させる構成は、第一実施形態に応用することも可能である。つまり、第一実施形態において第二噴射口(2)に至る流路を螺旋状に形成しておくことにより、第二の液体(21)は、旋回流となり第二噴射口(2)より、逆円錐膜状に噴射し、第一の液体(11)に衝突することとなる。
続いて、具体的な噴射例として、上述した燃料噴射装置(A)における噴射液体に軽油(性状により多少変動するが、20℃における表面張力約23〜25mN/m)と水(20℃における表面張力約73mN/m)を適用した場合について説明する。
尚、本発明に適用される第一及び第二の液体(11、21)の組み合わせは上記したものに限られるものではなく、例えば、重油と水、LPG(液化石油ガス)と水、軽油とグリセリン、軽油とエチルアルコール等の組み合わせも好適に利用することができる。
燃料噴射装置(A)において、第一噴射口(1)より第一の液体(11)として軽油を、また、第二噴射口(2)より第二の液体(21)として水を同時噴射させる。
軽油は第一噴射口(1)より円筒膜状に、また、水は第二噴射口(2)より粒子状或いは逆円錐台膜状に噴射され、互いに衝突し、マランゴニ波動が誘発され超微粒化がおこる。
尚、別形態として、第一噴射口(1)より水を、第二噴射口(2)より軽油を噴射させることも当然可能である。
ここで、軽油と水の表面張力の差は、図3において記述したエチルアルコールと水・グリセリン混合液の差と略同等であるため、マランゴニ波動は確実に誘発され、微粒化を促進することが可能となる。
この際、軽油と水とのいずれか或いは両方において、軽油と水との表面張力差を大きくするようにして界面活性剤を添加することにより、軽油と水との微粒化を更に促進することが可能となる。
界面活性剤の添加率としては、全液体中の2%以下とすることが好ましい。これは、実燃焼時において、界面活性剤が燃焼に及ぼす影響をできるだけ低くするためである。
尚、界面活性剤としては、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル等を例示することができる。
以上より、噴射液体として軽油と水を使用した燃料噴射装置(A)をディーゼル機関等の内燃機関に適用することにより、燃焼効率を飛躍的に向上させることが可能となる。
つまり、水が添加されていることにより、実燃焼時に、水は水蒸気となって爆発的に膨張するため、液体燃料(軽油)の更なる微粒化及び攪拌を促進することが可能となる。これにより、軽油と酸化剤との混合が促進されると共に、軽油と水蒸気との間の水性ガス反応により、すす発生量を低減させることが可能となる。
また、水の蒸発潜熱の分,燃焼温度が低下し高温状態において発生する窒素酸化物(サーマルNO)の排出量を低減することもできる。燃焼温度の低下による出力低下も、水の蒸発による体積膨張が燃焼室内圧力を上昇させることにより、ある程度カバーすることが可能となる。
以上記載した如く、本発明は、燃焼効率の向上による地球資源の節約に直接的に効果をもたらし、また、有害排出物の低減も可能とするため、粘性の高い燃料を使用し、排気ガス対策が困難であるディーゼル機関を採用する輸送機器(例えば、大型自動車、船舶、電車等)に大きな恩恵をもたらすことが可能となる。
このことにより、現在、我が国ではあまり普及していないディーゼル機関を採用した普通乗用車の普及に大きく貢献することができる。
また、本発明は、輸送機器の業界のみならず、例えば、ボイラー等に使用されるガスタービンに採用することも可能である。
本発明は、自動車、船舶或いは電車等のディーゼル機関に好適に利用することができる。
本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関における燃料噴射装置の第一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関において生じるマランゴニ波動の原理を示した概略経時図である。 実際にマランゴニ波動が生じる瞬間を超高速度撮影装置によって撮影した一場面を示す写真である。 本発明に係る燃料噴射装置及びそれを用いた内燃機関における燃料噴射装置の第二実施形態を示す概略斜視図である。
符号の説明
A 燃料噴射装置
1 第一噴射口
11 第一の液体
2、3 第二噴射口
21、31 第二の液体

Claims (4)

  1. 液体を噴射させる液体噴射口を備える燃料噴射装置であって、
    前記液体噴射口が、第一の液体を膜状に噴射させる第一噴射口と、
    前記第一の液体とは表面張力の異なる第二の液体を粒子状或いは膜状に噴射させる第二噴射口とからなり、
    前記第一の液体と前記第二の液体のうち少なくとも一方の液体が可燃性液体であり、且つ前記第二の液体が前記第一の液体に衝突するようにして、前記第一噴射口及び前記第二噴射口が夫々配置されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記第一の液体と前記第二の液体のうち一方の液体が可燃性液体であり、他方の液体が水であることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置。
  3. 前記第一の液体と前記第二の液体のうち少なくとも一方の液体に前記第一の液体と前記第二の液体との表面張力差を大きくする改質処理がなされていることを特徴とする請求項2記載の燃料噴射装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかに記載の燃料噴射装置を備えることを特徴とする内燃機関。
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