JP2007218218A - エンジンのピストン構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】スカート部の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができるエンジンのピストン構造を提供する。
【解決手段】ピストン1は、それぞれランド部11の下方にピンボス部12を挟んで配設された一対のスカート部13を有するピストン本体10を備えている。この一対のスカート部13のうちスラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのピストン構造に関するものである。
従来から、それぞれランド部の下方にピンボス部を挟んで配設された一対のスカート部を備えたエンジンのピストンが知られている。このピストンは、シリンダライナ内を上下に往復運動するようになっている。そして、スカート部は、ピストンの往復運動時は、シリンダライナの内周面を摺動するようになっている。
ところで、ピストンの摺動抵抗は小さいことが望ましいが、この摺動抵抗を小さくする方法として、スカート部の剛性を低くすることが知られている。
例えば、特許文献1のものでは、ランド部のオイルリング溝の下方にスリットを形成している。これにより、ランド部とスカート部とをスリットで分断し、スカート部全体の剛性を低くし、スカート部の摺動抵抗を小さくしている。
特開2005−188303号公報
ところで、上述のように、スカート部全体の剛性を低くする場合、その剛性を低くする部位によっては、オイル消費率(LOC)が悪化してしまうことが分かった。
そこで、本発明者たちは、様々な実験を行い、スカート部の摺動抵抗を小さくしながらオイル消費率を向上できるピストンを開発するに至った。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、スカート部の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができるエンジンのピストン構造を提供することにある。
第1の発明は、それぞれランド部の下方にピンボス部を挟んで配設された一対のスカート部を備えたエンジンのピストン構造であって、上記一対のスカート部のうちスラスト側スカート部の上部の剛性が、該スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高いことを特徴とするものである。
これにより、一対のスカート部のうちスラスト側スカート部の上部の剛性を、スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高くしたので、スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性が比較的低くなる。そのため、スカート部全体の剛性を低くでき、スカート部の摺動抵抗を小さくできる。
また、スラスト側スカート部の上部の剛性を、スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高くしたので、オイル消費率を向上できる。
以上から、スカート部の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記スラスト側スカート部の上部の厚さが、該スラスト側スカート部の下部及び上記反スラスト側スカート部の厚さよりも厚いことを特徴とするものである。
これにより、簡単な構造で、スラスト側スカート部の上部の剛性を、スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高くすることを実現できる。
第3の発明は、上記第第1又は第2の発明において、上記スラスト側スカート部の上部は、該スラスト側スカート部における上記ピンボス部のピストンピン孔の中心と同じ高さ位置近傍の部分を含むことを特徴とするものである。
これにより、スラスト側スカート部の上部は、そのスラスト側スカート部におけるピンボス部のピストンピン孔の中心と同じ高さ位置近傍の部分を含むので、オイル消費率を確実に向上できる。
本発明によれば、一対のスカート部のうちスラスト側スカート部の上部の剛性を、スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高くしたので、スカート部の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図であり、(c)は、(b)のA−A線の矢視断面図である。
本発明の実施形態に係るピストン1は、ガソリンエンジンに用いられる、アルミニウム合金製のものである。ピストン1は、シリンダライナ(図示せず)内を上下に往復運動するようになっている。図1に示すように、ピストン1は、ランド部11とピンボス部12と一対のスカート部13とを有するピストン本体10を備えている。
ランド部11は、略円筒状に形成されている。ランド部11の外周面には、上側から順に2つのピストンリング溝11aと1つのオイルリング溝11bとが形成されている。各ピストンリング溝11aには、ピストンリング(図示せず)が嵌め込まれ、オイルリング溝11bには、オイルリング(図示せず)が嵌め込まれる。
ピンボス部12の中心部には、略円状のピストンピン孔12aが形成されている。このピストンピン孔12aには、ピストン1とコンロッド(図示せず)とを連結するためのピストンピン(図示せず)が挿入される。
各スカート部13は、ランド部11の下側にピンボス部12を挟んで互いに対向して配設されている。各スカート部13は、平面断面視で略円弧状に形成されていて、ピストン1の往復運動時は、シリンダライナの内周面を摺動するようになっている。スカート部13は、膨張行程時にスラスト側に位置するスラスト側スカート部13aと、膨張行程時に反スラスト側に位置する反スラスト側スカート部13bとで構成されている。スラスト側スカート部13aと反スラスト側スカート部13bとは、エプロン部14によって連接されている。このエプロン部14 は、ピンボス部12と一体成形されている。
ここで、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚は、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚よりも厚くなっている。詳細には、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚は、上側に行くに従って徐々に厚くなっており、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚は、互いに同じである。このため、スラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。すなわち、スラスト側スカート部13aの剛性と反スラスト側スカート部13bの剛性とが、非対称の関係になっている。なお、スラスト側スカート部13aの上部には、そのスラスト側スカート部13aにおけるピンボス部12のピストンピン孔12aの中心と同じ高さ位置近傍の部分が含まれている。具体的には、スラスト側スカート部13aの上部には、そのスラスト側スカート部13aにおけるピンボス部12のピストンピン孔12aの中心と同じ高さ位置から、その位置からピストンピン孔12aの直径の1/4の長さだけ下側の位置までの範囲の部分が含まれている。
このように、スラスト側スカート部13aの上部の剛性をスラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くすると、スカート部13の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができる。
ここで、上述のように、オイル消費率を向上できるのは、以下のような理由であると考えられる。すなわち、スラスト側スカート部13aの上部の剛性を比較的大きくすると、その上部の剛性を他の部分と同じように小さくする場合と比較して、膨張行程におけるスラスト荷重によるスラスト側スカート部13aのたわみが小さくなり、これにより、スラスト側では、オイルリングを保持しているランド部11のスラスト方向への変位が小さくなり、反スラスト側では、オイルリング溝11bに対するオイルリングの摺動抵抗による拘束が軽減され、オイルリングのシリンダライナに対する付勢力の低下が抑制され、オイルリングとシリンダライナとの間の距離(つまり、油膜厚さ)が小さく抑えられるので、オイルのかき残し量が減少し、オイル消費率が向上するからである。
−試験に用いたピストン−
以下、図2を参照しながら、試験に用いたピストン1〜8について説明する。図2は、ピストン1〜8の、加工状態とオイル消費率の改善結果とを示す図である。
(ピストン1)
ピストン1は、基準ピストンである。すなわち、図3に示すように、スラスト側及び反スラスト側スカート部の内周面の下端寄りに、ピストン加工時のピストン受け部となる突起部を形成し、この突起部の肉厚を4mmとした。スラスト側及び反スラスト側スカート部におけるオイルリング溝の下端縁からの距離の、オイルリング溝の下端縁からスカート部の下端までの距離に対する割合が60%までの範囲の部分(以下、上部という)の肉厚を2mmとした(図3を参照)。スラスト側及び反スラスト側スカート部における上記割合が60〜100%の範囲の部分(以下、下部という)の肉厚を2mmとした。但し、スラスト側及び反スラスト側スカート部の下部には、上記突起部が含まれており、その下部のうちこの突起部の肉厚だけは、上述のように、4mmである。なお、上記割合が40〜60%の範囲の部分は、ピンボス部のピストンピン孔の中心と同じ高さ位置近傍に位置している(図3を参照)。
(ピストン2)
スラスト側及び反スラスト側スカート部の上部の肉厚を1.5mmとし、この部分を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン3)
スラスト側スカート部の上部の肉厚を1.5mmとし、この部分を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン4)
反スラスト側スカート部の上部の肉厚を1.5mmとし、この部分を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン5)
スラスト側及び反スラスト側スカート部の下部の突起部の肉厚を3.0mmとし、この部分を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン6)
スラスト側及び反スラスト側スカート部の上部の肉厚を1.75mmとし、この部分を中剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン7)
スラスト側及び反スラスト側スカート部の上部の肉厚を1.4mmとし、この部分を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
(ピストン8)
反スラスト側スカート部全体の肉厚を1.5mmとし、反スラスト側スカート部全体を低剛性化した。その他の点に関しては、ピストン1とほぼ同様の構成である。
−試験−
以下、ピストン1〜8に対して行ったスカート剛性測定試験及びオイル消費率測定試験、並びにピストン2及びピストン5に対して行った燃費測定試験について説明する。
(スカート剛性測定試験)
各ピストンの両スカート部における上記割合が13%、20%、40%、60%、80%及び90%の各部位に、その外側から245Nの荷重を別々にかけ、各部位の変形量を測定した。
(オイル消費率測定試験)
各ピストンを用いたエンジンのオイル消費率(LOC)を測定した。そして、各測定値を所定の基準値と比較した。
(燃費測定試験)
ピストン2及びピストン5を用いたエンジンの燃費を測定した。そして、各測定値を所定の基準値と比較した。
−試験結果−
上記試験の結果を図2及び図4〜図6に示す。図4は、スカート部の変形量とオイル消費率との関係をピストン番号順に並べて示す図であり、図5は、スカート部の変形量とオイル消費率との関係をその変形量の大きさ順に並べて示す図であり、図6は、スカート部の剛性と燃費との関係を示す図である。
図2の最も右側の列から明らかなように、ピストン1、4〜6及び8のオイル消費率が改善し、ピストン2、3及び7のオイル消費率が悪化したことが分かった。
また、図5から明らかなように、スラスト側スカート部における上記割合が40%及び60%の各部位の変形量が所定量よりも小さい、すなわち、この部位の剛性が所定値よりも大きいと、オイル消費率が改善することが分かった。つまり、スラスト側スカート部における上記割合が40%及び60%の各部位の剛性とオイル消費率とは相関性が高いことが分かった。
また、図5から明らかなように、スラスト側スカート部における上記割合が40%及び60%以外の部位、並びに反スラスト側スカート部の各部位では、その変形量(つまり、その剛性)とオイル消費率との明らかな相関性は認められなかった。
また、図6から明らかなように、スカート部の下部を低剛性化した場合、スカート部の上部を低剛性化した場合よりも、燃費を改善する効果が大きい、すなわち、スカート部の摺動抵抗を小さくする効果が大きいことが分かった。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、一対のスカート部13のうちスラスト側スカート部13aの上部の剛性を、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くしたので、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性が比較的低くなる。そのため、スカート部13全体の剛性を低くでき、スカート部13の摺動抵抗を小さくできる。
また、スラスト側スカート部13aの上部の剛性を、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くしたので、オイル消費率を向上できる。
以上から、スカート部13の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図ることができる。
また、スラスト側スカート部13aの上部の厚さを、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの厚さよりも厚くすることで、スラスト側スカート部13aの上部の剛性を、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くしている。このように、簡単な構造で、スラスト側スカート部13aの上部の剛性を、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くすることを実現できる。
また、スラスト側スカート部13aの上部は、そのスラスト側スカート部13aにおけるピンボス部12のピストンピン孔12aの中心と同じ高さ位置近傍の部分を含むので、オイル消費率を確実に向上できる。
なお、本実施形態では、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚を、上側に行くに従って徐々に厚くしているが、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚がスラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚よりも厚くなっている限り、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚を、例えば、上側に行くに従って徐々に薄くしたり、その全域に亘って同じにしても良い。
また、本実施形態では、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚を互いに同じにしているが、スラスト側スカート部13aの上部の肉厚がスラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚よりも厚くなっている限り、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの肉厚を異ならせても良い。
(実施形態2)
図7は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図であり、(c)は、(a)のB−B線の矢視断面図である。
本実施形態は、エプロン部14に工夫をこらしたものである。すなわち、スラスト側及び反スラスト側スカート部13a,13bの肉厚は、互いに同じであり、スラスト側エプロン部14aの上部の肉厚は、スラスト側エプロン部14aの下部及び反スラスト側エプロン部14bの肉厚よりも厚くなっている。なお、スカート部13の上部及び下部は、エプロン部14の上部及び下部にそれぞれ対応する(以下、同じ)。以上により、スラスト側エプロン部14aの上部の、スラスト側スカート部13aの上部を支持する力が、スラスト側エプロン部14aの下部の、スラスト側スカート部13aの下部を支持する力及び反スラスト側エプロン部14bの、反スラスト側スカート部13bを支持する力よりも大きくなり、スラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
以上により、実施形態1とほぼ同様の作用効果が得られる。
(実施形態3)
図8は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のC−C線の矢視断面図であり、(c)は、(a)のD−D線の矢視断面図である。
本実施形態は、エプロン部14に工夫をこらしたものである。すなわち、スラスト側及び反スラスト側スカート部13a,13bの肉厚は、互いに同じであり、スラスト側エプロン部14aの上部の延びる方向とピストンピン孔12aの延びる方向とが直角をなしている。このため、スラスト側エプロン部14aの上部の、スラスト側スカート部13aの上部を支持する力が、スラスト側エプロン部14aの下部の、スラスト側スカート部13aの下部を支持する力及び反スラスト側エプロン部14bの、反スラスト側スカート部13bを支持する力よりも大きくなり、スラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
以上により、実施形態1とほぼ同様の作用効果が得られる。
(実施形態4)
図9は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のE−E線の矢視断面図であり、(c)は、(a)のF−F線の矢視断面図である。
本実施形態は、エプロン部14に工夫をこらしたものである。すなわち、スラスト側及び反スラスト側スカート部13a,13bの肉厚は、互いに同じであり、両スラスト側エプロン部14aの上部の間の距離が、両スラスト側エプロン部14aの下部の間及び両反スラスト側エプロン部14bの間の距離よりも小さくなっている。このため、スラスト側エプロン部14aの上部の、スラスト側スカート部13aの上部を支持する力が、スラスト側エプロン部14aの下部の、スラスト側スカート部13aの下部を支持する力及び反スラスト側エプロン部14bの、反スラスト側スカート部13bを支持する力よりも大きくなり、スラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
以上により、実施形態1とほぼ同様の作用効果が得られる。
(実施形態5)
図10は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図である。
本実施形態は、エプロン部14に工夫をこらしたものである。すなわち、スラスト側及び反スラスト側スカート部13a,13bの肉厚は、互いに同じであり、スラスト側エプロン部14aには、その下端から中間部までに亘って切欠き部14cが形成されており、反スラスト側エプロン部14bには、その下端から上端部までに亘って切欠き部14dが形成されている。このため、スラスト側エプロン部14aの上部の、スラスト側スカート部13aの上部を支持する力が、スラスト側エプロン部14aの下部の、スラスト側スカート部13aの下部を支持する力及び反スラスト側エプロン部14bの、反スラスト側スカート部13bを支持する力よりも大きくなり、スラスト側スカート部13aの上部の剛性が、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
以上により、実施形態1とほぼ同様の作用効果が得られる。
(実施形態6)
図11は、ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のG−G線の矢視断面図であり、(c)は、(b)のH−H線の矢視断面図である。
本実施形態は、スカート部13に工夫をこらしたものである。すなわち、スラスト側及び反スラスト側スカート部13a,13bの肉厚は、互いに同じであり、スラスト側スカートの上部にのみ、剛性がスカート部13の剛性よりも高い高剛性プレート15が埋設されている。このため、スラスト側スカート部13aの上部の剛性は、スラスト側スカート部13aの下部及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くなっている。その他の点に関しては、実施形態1とほぼ同様の構成である。
以上により、実施形態1とほぼ同様の作用効果が得られる。
(その他の実施形態)
上記各実施形態において、スラスト側スカート部13aの上部の外周面にのみ、固体潤滑剤コーティングを施したり、スラスト側スカート部13aの上部の外周面の粗さを、スラスト側スカート部13aの下部の外周面及び反スラスト側スカート部13bの外周面の粗さよりも小さくしても良い。この場合、スカート部13の摺動抵抗を小さくできる。
また、上記各実施形態において、反スラスト側スカート部13bの外周面の周方向両端部にのみ、固体潤滑剤コーティングを施しても良い。この場合、スカート部13とシリンダライナの内周面との隙間を全体として小さくでき、スラップ音を小さくできる。
また、上記各実施形態では、スラスト側スカート部13aの上部全体の剛性を、スラスト側スカート部13aの下部全体及び反スラスト側スカート部13b全体の剛性よりも高くしているが、これに限らず、例えば、スラスト側スカート部13aにおけるピンボス部12のピストンピン孔12aの中心と同じ高さ位置近傍の部分の剛性を、スラスト側スカート部13aのこれ以外の部分及び反スラスト側スカート部13bの剛性よりも高くしても良い。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明にかかるエンジンのピストン構造は、スカート部の摺動抵抗の低減化とオイル消費率の向上化との両立を図る用途等に適用できる。
本発明の実施形態に係るピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図であり、(c)は、(b)のA−A線の矢視断面図である。 ピストン1〜8の、加工状態とオイル消費率の改善結果とを示す図である。 ピストン1の断面図である。 スカート部の変形量とオイル消費率との関係をピストン番号順に並べて示す図である。 スカート部の変形量とオイル消費率との関係をその変形量の大きさ順に並べて示す図である。 スカート部の剛性と燃費との関係を示す図である。 ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図であり、(c)は、(a)のB−B線の矢視断面図である。 ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のC−C線の矢視断面図であり、(c)は、(a)のD−D線の矢視断面図である。 ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のE−E線の矢視断面図であり、(c)は、(a)のF−F線の矢視断面図である。 ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、ピストンの底面図である。 ピストンを示す図であり、(a)は、ピストンの正面図であり、(b)は、(a)のG−G線の矢視断面図であり、(c)は、(b)のH−H線の矢視断面図である。
符号の説明
1 ピストン
10 ピストン本体
11 ランド部
12 ピンボス部
12a ピストンピン孔
13 スカート部
13a スラスト側スカート部
13b 反スラスト側スカート部
14 エプロン部

Claims (3)

  1. それぞれランド部の下方にピンボス部を挟んで配設された一対のスカート部を備えたエンジンのピストン構造であって、
    上記一対のスカート部のうちスラスト側スカート部の上部の剛性が、該スラスト側スカート部の下部及び反スラスト側スカート部の剛性よりも高いことを特徴とするエンジンのピストン構造。
  2. 請求項1記載のエンジンのピストン構造において、
    上記スラスト側スカート部の上部の厚さが、該スラスト側スカート部の下部及び上記反スラスト側スカート部の厚さよりも厚いことを特徴とするエンジンのピストン構造。
  3. 請求項1又は2記載のエンジンのピストン構造において、
    上記スラスト側スカート部の上部は、該スラスト側スカート部における上記ピンボス部のピストンピン孔の中心と同じ高さ位置近傍の部分を含むことを特徴とするエンジンのピストン構造。
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