JP2007216875A - 摩擦調整装置及び摩擦調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前輪8と後輪9の少なくとも二対の車輪10を有する車両2を曲進走行させるための一対の曲線軌道レールと、前記車輪10との間に生じる摩擦を調整する摩擦調整装置1であって、前記曲線軌道レールのうちの外軌側に配された外軌側レール13aと内軌側に配された内軌側レール13bとの間であって、前記曲進走行時に配される前記後輪9の曲進後輪位置に設けられたスイッチ部と、前記内軌側レール13bのうち、前記スイッチ部よりも進行方向の前方部分に減摩剤を噴出する噴出部と、を備え、前記スイッチ部が駆動すると、前記噴出部から前記減摩剤が噴出することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明に係る摩擦調整装置は、前輪と後輪の少なくとも二対の車輪を有する車両を曲進走行させるための一対の曲線軌道レールと、前記車輪との間に生じる摩擦を調整する摩擦調整装置であって、前記曲線軌道レールのうちの外軌側に配された外軌側レールと内軌側に配された内軌側レールとの間であって、前記曲進走行時に配される前記後輪の曲進後輪位置に設けられたスイッチ部と、前記内軌側レールのうち、前記スイッチ部よりも進行方向の前方部分に減摩剤を噴出する噴出部と、を備え、前記スイッチ部が駆動すると、前記噴出部から前記減摩剤が噴出することを特徴とする。
なお、車輪が曲線軌道レール上を通るとき、前輪は、外側に配されるため、スイッチ部を通ることはない。
以上より、車輪が曲線軌道レール上を通るときに、適切な量の減摩剤を適切なタイミングで内軌側レールに噴出させることができる。
なお、「進行方向の前方部分」とは、複線などのように、軌道レール上を車輪が一方向にのみ進行する場合には、その一進行方向の前方部分をいい、また、単線などのように、同一の軌道レール上を、車輪が順行方向と逆行方向の二方向に進行する場合には、それぞれ順行方向の前方部分、又は逆行方向の前方部分の少なくともいずれか一方をいうものである。
なお、車輪が曲線軌道レール上を通るとき、前輪は、外側に配されるため、曲進後輪位置を通ることはない。
以上より、車輪が曲線軌道レール上を通るときに、適切な量の減摩剤を適切なタイミングで内軌側レールに噴出させることができる。
なお、「進行方向の前方部分」とは、複線などのように、軌道レール上を車輪が一方向にのみ進行する場合には、その一進行方向の前方部分をいい、また、単線などのように、同一の軌道レール上を、車輪が順行方向と逆行方向の二方向に進行する場合には、それぞれ順行方向(進行方向)の前方部分、又は逆行方向(進行方向)の前方部分の少なくともいずれか一方をいうものである。
ここで、曲進走行時においては、前輪によって輪軸自己転向力が発生し、台車を内向きに配する力が得られる。そのため、前輪に減摩剤を付与すると、前輪が空転することにより、有効な輪軸自己転向力が得られなくなるおそれがある。また、前輪が軌道レール上を通過すると、軌道レール上の減摩剤が前輪に大量に付着することにより、前輪が一度通過するだけで、軌道レール上の減摩剤が激減してしまう。そのため、前輪に減摩剤を付与すると、後輪に減摩剤が充分付与されないおそれもある。
本発明においては、内軌側レールのうち前輪と後輪との間に減摩剤が噴出されることから、前輪に減摩剤が付着することなく、有効な輪軸自己転向力を確実に得ることができ、かつ、適正な量の減摩剤で後輪のみを容易に空転させることができる。
以上より、複線の場合にも、適切な量の減摩剤を適切なタイミングで内軌側レールに噴出させることができ、車輪を容易に空転させることができる。
これにより、車輪が曲線軌道レール上を通るときに、適切な量の減摩剤を適切なタイミングで内軌側レールに噴出させることができる。
以下、本発明の第1実施形態における摩擦調整装置について、図面を参照して説明する。
本実施形態における摩擦調整装置は、車両に設けられた車輪と、軌道レールとの間に生じる摩擦を調整するためのものである。
そこで、まず、車両及び軌道レールについて説明する。
ボギー車両2は、箱状に形成された車体3と、この車体3の底面部に設けられた台車6とを備えており、これら車体3と台車6とがマクラバネ7を介して接続されている。また、車体3と台車6とは、互いに回転可能に接続されている。
台車6は、車体3の先端部と後端部とにそれぞれ接続されており、それぞれの台車6は、前輪8と後輪9の二対の車輪10を備えている。それぞれの車輪10は、図2に示すように、側面視して円錐台状に形成されている。また、車輪10の底面(両端面のうち面積の大きいほうの端面)11の縁部には、フランジ16が設けられている。これら車輪10のうち、低速急曲進走行時において外側に配された方が、図1に示すように、前外輪8a及び後外輪9aとなり、内側に配された方が前内輪8b及び後内輪9bとなる。
前軸19及び後軸20は、台車6の底面に支持されており、その長さ方向に延びる軸線周りの回転は可能であるが、鉛直方向に延びる軸線を中心としての回転は規制されるようになっている。すなわち、前軸19と後軸20とは、低速急曲進走行時においても、互いに平行に保持されて、前輪8と後輪9との間の距離は、等間隔に保持されるようになっている。つまり、台車6は、非操舵台車として構成されるものである。
軌道レールは、半径100m以下の急曲線状に形成され、かつ互いに平行に並べて配された一対の曲線軌道レール13として構成されている。曲線軌道レール13は、通常の溝なしレールとされている。そして、一対の曲線軌道レール13のうち、曲線の外側に配された方が、外軌側レール13aとなり、内側に配された方が、内軌側レール13bとなる。内軌側レール13bには、軌間拡大部であるスラックSが設けられている。
図3において、符号1は、摩擦調整装置を示すものである。
摩擦調整装置1は、後輪9が走行して来たことを検出する複数のセンサ(後輪検出部)23a,23b,23c,23d・・・を備えている。センサ23a,23b,23c,23d・・・は、その上を後輪9が通ると、検出信号を出力するようになっている。また、センサ23a,23b,23c,23d・・・は、外軌側レール13aの内側であって、外軌側レール13aから所定の位置に設けられている。すなわち、センサ23a,23b,23c,23d・・・は、曲進後輪位置R上に設けられている。
さらに、切り替え装置28には、制御部30が電気的に接続されている。制御部30は、各センサ23a,23b,23c,23d・・・に電気的に接続されており、各センサ23a,23b,23c,23d・・・の検出信号が制御部30に入力されるようになっている。制御部30は、それら検出信号(例えばセンサ23aからの検出信号)が入力されると、対応するノズル(24a)に接続された出力ポート(33a)と入力ポート34を連通し、これによりポンプ29からの減摩剤がそのノズル(24a)から噴出されるようになっている。
ボギー車両2が直進走行しているときには、前外輪8a及び後外輪9aは、直進車輪位置C上を進行している。
ボギー車両2が、直進走行から低速急曲進走行、例えば左折に入ると、図2に示すように、前軸19が全体として外側に向かい、前外輪8aは、直進車輪位置Cよりも外側に配され、曲進前輪位置F上を進行する。内軌側レール13bには、スラックSが設けられていることから、前内輪8bの進行距離が前外輪8aに対して短くなる。これにより、前輪8の進行距離と、曲線軌道レール13の長さ寸法とがバランスされる。このときには、前外輪8aは、曲進後輪位置Rに設けられたセンサ23a,23b,23c,23d・・・上を進行しないため、センサ23a,23b,23c,23d・・・は前外輪8aを検出せず、検出信号を出力しない。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図5及び図6は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図5及び図6において、図1から図4に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7及び図8は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図7及び図8において、図1から図6に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
図9において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
そして、本実施形態における摩擦調整装置1は、ボギー車両2の進行方向を検出するための第1の進行方向検出部47及び第2の進行方向検出部48を備えている。第1の進行方向検出部47は、順行方向Aの入口部分に設けられ、第2の進行方向検出部48は、逆行方向Bの入口部分に設けられている。これら第1及び第2の進行方向検出部47,48は、制御部30に電気的に接続されている。また、切り替え装置28には、管路25を介して、ノズル24A及びノズル24Bが接続されている。ノズル24Aは、センサ23に対して、順行方向Aの前方(逆行方向Bの後方と同じ)の領域である順行前方部分PAに設けられており、ノズル24Bは、逆行方向Bの前方(順行方向Aの後方と同じ)の領域である逆行前方部分PBに設けられている。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
図10において、図1から図9に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点について説明する。
また、第1から第5の実施形態における減摩剤としては、摩擦調整剤や、水、油脂などを使用することができる。
さらに、台車6を、操舵輪軸機構を有しない非操舵輪軸車輪としたが、非操舵輪軸車輪には、アクチュエータなどを利用して外力により操舵がなされるものは含まれないが、ゴムなどによってリンクされて、そのゴムの伸縮などにより自由操舵がなされるものは含まれるものとする。
また、第1から第5の実施形態においては、左折の場合について説明したが、これに限ることはなく、右折やUターンなどであってもよい。右折の場合、外輪と内輪、外軌側レールと内軌側レールとがそれぞれ逆になるのは言うまでもない。
また、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
2 ボギー車両(車両)
8 前輪
9 後輪
10 車輪
13 曲線軌道レール
13a 外軌側レール
13b 内軌側レール
23 センサ(後輪検出部)
24 ノズル(噴出部)
28 切り替え装置(切り替え部)
30 制御部
37 ピストンポンプ(スイッチ部)
42 押子(スイッチ部)
47 第1の進行方向検出部
48 第2の進行方向検出部
A 順行方向
B 逆行方向
PA 順行前方部分
PB 逆行前方部分
R 曲進後輪位置
Claims (5)
- 前輪と後輪の少なくとも二対の車輪を有する車両を曲進走行させるための一対の曲線軌道レールと、前記車輪との間に生じる摩擦を調整する摩擦調整装置であって、
前記曲線軌道レールのうちの外軌側に配された外軌側レールと内軌側に配された内軌側レールとの間であって、前記曲進走行時に配される前記後輪の曲進後輪位置に設けられたスイッチ部と、
前記内軌側レールのうち、前記スイッチ部よりも進行方向の前方部分に減摩剤を噴出する噴出部と、を備え、
前記スイッチ部が駆動すると、前記噴出部から前記減摩剤が噴出することを特徴とする摩擦調整装置。 - 前輪と後輪の少なくとも二対の車輪を有する車両を曲進走行させるための一対の曲線軌道レールと、前記車輪との間に生じる摩擦を調整する摩擦調整装置であって、
前記曲線軌道レールのうちの外軌側に配された外軌側レールと内軌側に配された内軌側レールとの間であって、前記曲進走行時に配される前記後輪の曲進後輪位置に設けられて、前記後輪を検出する後輪検出部と、
前記内軌側レールのうち、前記後輪検出部よりも進行方向の前方部分に減摩剤を噴出する噴出部と、
前記後輪検出部の検出結果に応じて、前記噴出部から前記減摩剤を噴出させる制御部と、を備えることを特徴とする摩擦調整装置。 - 前記噴出部が、
前記内軌側レールのうち、前記前輪と前記後輪との間に減摩剤を噴出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の摩擦調整装置。 - 前記進行方向が、順行方向と逆行方向とを有し、
前記内軌側レールのうち、前記順行方向の前方部分が順行前方部分とされ、前記逆行方向の前方部分が逆行前方部分とされており、
前記内軌側レールのうちの前記減摩剤が噴出される部分を、前記順行前方部分又は前記逆行前方部分のいずれか一方に切り替える切り替え部と、
前記車両が前記順行方向又は前記逆行方向に進行しているかを検出する進行方向検出部と、を備え、
前記制御部が、
前記進行方向検出部の検出結果から前記車両が前記順行方向に進行していると判断した場合に、前記切り替え部により、前記順行前方部分に減摩剤を噴出させ、前記車両が前記逆行方向に進行していると判断した場合に、前記切り替え部により、前記逆行前方部分に減摩剤を噴出させることを特徴とする請求項1に記載の摩擦調整装置。 - 前輪と後輪の少なくとも二対の車輪を有する車両を曲進走行させるための一対の曲線軌道レールと、前記車輪との間に生じる摩擦を調整する摩擦調整方法であって、
前記曲線軌道レールのうちの外軌側に配された外軌側レールと内軌側に配された内軌側レールとの間であって、前記曲進走行時に配される前記後輪の曲進後輪位置に設けられた後輪検出部によって、前記後輪を検出し、
この後輪検出部の検出結果に応じて、前記内軌側レールのうち、前記後輪検出部よりも進行方向の前方部分に噴出部から減摩剤を噴出させることを特徴とする摩擦調整方法。
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