JP2007216196A - プラスチック塊用破砕機およびプラスチック塊の破砕方法 - Google Patents

プラスチック塊用破砕機およびプラスチック塊の破砕方法 Download PDF

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洋太郎 篠原
Akiyoshi Nishimoto
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Abstract

【課題】従来困難であった嵩高プラスチック塊の無粉塵の割裂破砕が容易となるプラスチック塊用破砕機を提供すること。
【解決手段】被破砕物であるプラスチック塊12Aを、予め穿孔した亀裂起点孔14を拡幅して亀裂を成長させて割裂破断するために使用する楔式破砕機。油圧シリンダ等の推力発生手段により前進する楔(矢)18と、該楔の側面に配され、前記楔の押込み力を拡幅力に転換する一対の拡幅部材(羽根)16A、16Aとを備えている。拡幅部材16A、16Aの外側面が縦断面テーパ形状である。
【選択図】図3

Description

本発明は、プラスチック塊用破砕機およびプラスチック塊の破砕方法に関する。特に、放射性物質取扱い事業所等で発生する粉粒状の放射性廃棄物をプラスチック固型化した場合に発生する硬化不十分で設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物(嵩高プラスチック塊)を破砕処理してモルタルで再固型化するに際して、破砕処理の一つとして、又は一部工程として割裂破砕(分割破砕)するのに好適なプラスチック塊の破砕方法に係る発明である。
ここでは、プラスチック固型化物として、放射性物質取扱い事業所等で発生する粉粒状(通常、粉末状である。)の放射性廃棄物を、ドラム缶を用いて固型化した図6に示すようなものを例に採り説明をする。
放射性物質取扱い事業所等で発生する液体の放射性廃棄物を、蒸発・濃縮・乾燥工程を経て粉末とした粉粒状の放射性廃棄物、さらにはイオン交換樹脂、焼却灰、フィルタスラッジその他粉粒状の放射性廃棄物は、埋設廃棄するに際して、固型化材料等を用いて所定強度以上の固型化物とすることが必要である(「核燃料物質等の埋設に関する措置等に係る技術的細目を定める告示」(2005年10月3日)参照)。
固型化材料としては、所定品質以上のセメント、又は、不飽和ポリエステル樹脂(スチレンに溶解した不飽和ポリエステル樹脂)が規定されている。
そして、上記粉粒状の放射性廃棄物は、ドラム缶(金属製容器)内で不飽和ポリエステル樹脂と混練して硬化させて均質なプラスチック固型化物(一次埋設対象廃棄物)としていた。また、液体の放射性廃棄物の濃縮液にセメントを混ぜて固型化する場合に比して、液体の放射性廃棄物を粉末状とすることにより高濃縮化でき、減容化度が高いとともに相対的に軽量であるため、固型化の主流となっている。
プラスチック固型化物の調製に際して、硬化不十分な場合、埋設設定基準に適合する強度(例えば、デュロメータ硬さ(JIS K 7215)HDA25以上)に達しない可能性のあるプラスチック固型化物が発生することがある。
そのような場合、ドラム缶の周壁を剥がして上記設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物を取り出し、破砕片としてドラム缶等の固型化容器内に投入しモルタル充填して再固型化して二次埋設対象廃棄物(再固型化物)とすることが予定されている。
そして、設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物の破砕は、放射性物質を含むため、屋内で行う必要があるとともに、粉塵の発生量を可及的に少なくして破砕することが望ましい。
しかし、ドラム缶の周壁を剥いで取り出した設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物(プラスチック塊)は、略ドラム缶の大きさ(約600φ×800mm)を有するため、そのような大きさのプラスチック塊をそのまま、余り粉塵を発生させないで破砕できる適当な破砕機および破砕方法は、本発明者が知る限り存在しない。
破砕機の能力は、たとえば、平戸金属工業株式会社から「ウォールクラッシャー」の商品名で製造販売されている破砕機の場合、最大把持能力(壁厚さ)で450mmである。
このため、従来は、そのような設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物が発生した場合、上記のような粉塵を余り発生させない破砕機に適用可能な大きさに一次破砕(切断)をする必要がある。
この一次破砕は、チェーンソーによる切断(破砕)で行うことも考えられるが、チェーンソーによる切断では、粉塵(放射性物質を含む。)が多量に発生するため、非常に厳格な粉塵対策が必要である。
なお、後述の如く、本発明者らが、着眼した岩盤やコンクリート破砕に使用されている破砕装置(いわゆる「パッカー」)に関連するものとして特許文献1〜4等がある。
しかし、これらの特許文献には、本発明におけるようなプラスチック塊を割裂破砕するのに使用することは何ら想定されていない。
特開平7−54501号公報 特開平8−218764号公報 特開2004−60160公報 特開2004−316325公報
本発明は、上記にかんがみて、従来困難であった嵩高プラスチック塊の破砕(一次破砕)を、粉塵を実質的に発生させずに行うことができるプラスチック塊用破砕機及びプラスチック塊の破砕方法を提供することを目的(課題)とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記構成のプラスチック塊用破砕機に想到した。
被破砕物であるプラスチック塊を、予め穿孔した亀裂起点穴を拡幅して亀裂を拡幅成長させて割裂破砕するために使用する楔式破砕機であって、
推力発生手段により前進する楔(矢)と、該楔の両側面に配され楔の押込み力を拡幅力に転換する一対の拡幅部材(羽根)とを備え、
一対の拡幅部材の拡幅作用部の、楔とともに形成する両側形成縦断面(以下「拡幅部材形成縦断面」という。)がテーパ形状とされていることを特徴とする。
拡幅部材形成縦断面がテーパ形状となっていることにより、亀裂起点穴に拡幅部材を(途中まで)挿入して、楔を前進させて亀裂起点穴に亀裂を発生させた後、楔を後退させて(戻して)亀裂起点穴と拡幅部材の間に隙間を発生させ、該隙間分、拡幅部材をより奥側へ挿入し、再度、楔を前進させて亀裂を拡幅成長させる亀裂拡幅動作を1回以上繰り返すことにより、プラスチック塊の割裂破砕が可能となる。
上記における拡幅部材形成縦断面のテーパ角度は、楔のテーパ角度及び拡幅部材の拡幅作用部における縦方向厚み変化の選定により設定する。
さらには、拡幅部材形成縦断面のテーパ角度は、拡幅部材を前記亀裂起点穴に元部まで挿入した状態で楔を前進させた後、楔の後退位置で、拡幅部材と前記亀裂起点穴との間にスペーサを挿入可能な隙間を発生させるように設定することが望ましい。亀裂拡幅動作を、拡幅部材の元部が亀裂起点穴の上面に到達するまで繰り返しても、プラスチック塊の割裂破砕ができない場合に、スペーサを副えた拡幅部材を挿入して楔を前進させることができ、必要により、亀裂拡幅動作を繰り返せば、プラスチック塊の割裂破砕が可能となる。
上記各構成のプラスチック塊用破砕機を用いてプラスチック塊を割裂破砕する方法は、
(1)1)拡幅部材の先端部が挿入可能な大きさの亀裂起点穴を穿孔し、該亀裂起点穴に拡幅部材を挿入し楔を前進させて亀裂起点穴に亀裂を発生させた後、2)楔を後退させて亀裂起点穴と拡幅部材との間に隙間を発生させ、該隙間分だけ拡幅部材を亀裂起点穴の更に奥側へ挿入後、再度、楔を前進させて亀裂を拡幅成長させる亀裂拡幅動作を1回以上繰り返して、プラスチック塊を割裂破砕させることを特徴とする方法、又は、
(2)上記(1)のプラスチック塊の破砕方法において、プラスチック塊が割裂破砕に至らない場合には、拡幅形成縦断面のテーパ角度が、拡幅部材の元部が亀裂起点穴の上面に到達するまで亀裂拡幅動作を繰り返して、楔の後退位置で拡幅部材と亀裂起点穴との間にスペーサを挿入可能な隙間を発生させた後、拡幅部材を亀裂起点穴から引き抜いて、スペーサを副えた拡幅部材を、亀裂起点穴に再度挿入後、楔を前進させて、必要により、さらに、亀裂拡幅動作を一回以上繰り返して、亀裂を更に拡幅成長させて、プラスチック塊を割裂破砕させることを特徴とする方法となる。
上記方法は、プラスチック塊が、放射性物質取扱い事業所等から発生する放射性液体廃棄物を濃縮・粉体化したもの(粉粒状の放射性廃棄物)をプラスチック固型化した際に、硬化不十分により発生する設定基準に適合しない可能性のある固型化物に適用した場合に本発明の効果が顕著となる。放射性廃棄物であるプラスチック固型化物のチェーンソーによる一次破砕(粉塵が大量に発生する)を、本発明の破砕方法に代替することにより非常に厳格な粉塵対策が不要となる。
そして当該破砕方法を適用した放射性廃棄物を処理する方法は、下記構成となる。
放射性物質取扱い事業所等から発生する放射性液体廃棄物を濃縮・粉体化したものをプラスチック固型化した際に硬化不十分により発生する設定基準に適合しない可能性のある固型化物(放射性廃棄物)を処理する方法であって、
設定基準に適合しない可能性のある固型化物を上記破砕方法で一次破砕し、該一次破砕物を、必要により、余り粉塵を発生させない破砕機で二次破砕して、ドラム缶内へ投入しモルタルで再固型化処理をすることを特徴とする。
本発明のプラスチック塊用破砕機は、プラスチック塊ばかりでなく、コンクリート塊(壁)等の嵩高塊状物の割裂破砕にも使用でき、その場合は、下記の構成となる。
被破砕物である嵩高塊状物を、予め穿孔した亀裂起点穴を拡幅して亀裂を拡幅成長させて割裂破砕をするために使用する楔式破砕機であって、
推力発生手段により前進する楔(矢)と、該楔の両側面に配され前記楔の押込み力を拡幅力に転換する一対の拡幅部材(羽根)とを備え、
前記一対の拡幅部材における拡幅作用部の、前記楔とともに形成される両側形成縦断面(以下「拡幅部材形成縦断面」という。)がテーパ形状とされていることを特徴とする。
本発明のプラスチック塊用破砕機および破砕方法は、上記のような構成・作用により、嵩高プラスチック塊の割裂破砕を、粉塵をほとんど発生させずに容易に行うことができる。特に、放射性物質取扱い事業所等で発生する設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物を破砕してモルタルで固めて再固型化処理をする際の一次破砕に適用すると好適であり、効果が顕著となる。
以下、本発明の一実施形態を、図例に基づいて、説明をする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、従来、岩盤やコンクリートの分割破砕に多用されてきた楔式破砕機(パッカー)に着眼して、該破砕機を、嵩高プラスチック塊の分割破砕に使用できないかを検討した。
次に、従来の楔式破砕機による破砕方法を図1に示す。
1)コンクリート等の剛性を有する被破砕物12に前もって、楔18の後退位置の拡幅部材16、16が挿入(嵌合)可能な大きさの亀裂起点穴(案内穴)14を穿孔しておき、該亀裂起点穴14に拡幅部材(羽根)16、16を、その元部が亀裂起点穴14の開口面に位置するまで挿入する。(図1(a))。
2)一対の拡幅部材16、16の間に楔(矢)18を、油圧シリンダ等を作動させて前進させることにより拡幅部材16、16を拡幅させて、該亀裂起点穴14に亀裂(拡幅方向と直交する方向の)を発生させる(図1(b))。
3)拡幅部材16、16のみの拡幅では、通常、割裂破砕可能な大きさの亀裂が発生しないことがある。このため、楔18を後退させる(戻す)とともに拡幅部材16、16を亀裂起点穴14から引き抜いて、スペーサ20を両側又は片側に(図例では両側)副えて拡幅部材16、16を拡幅後の亀裂起点穴14に、再度挿入する(図1(c))。そして、楔18を再度前進させれば、亀裂起点穴14は拡幅部材16、16により拡幅されて、亀裂起点穴14両側の亀裂は成長し割裂破砕ができる。当然、楔18のテーパ角度は、スペーサ20が挿入可能な隙間が、楔後退位置で拡幅部材16、16と拡幅後の亀裂起点穴14との間に形成されるように、設定されている。
この場合、従来は楔式破砕機の対象物が、コンクリートや岩盤で実質的に剛体であったため、発生させた亀裂が閉じるようなことは無く、亀裂起点穴14は拡幅(拡径)状態が維持される。
しかし、被破砕物が不飽和ポリエステルのような靱性を有するプラスチック塊を、同様にして、スペーサを使用して亀裂を拡大させようとした場合(図2)、下記のような問題点が発生することが分かった。
1)楔18を前進させて拡幅部材16、16により亀裂起点穴14に亀裂を発生させて亀裂起点穴14を拡幅しても、プラスチック塊12Aの弾性戻りによりほとんど拡幅されない(縮径する。)。このため、拡幅部材16、16と拡幅後の亀裂起点穴14との間にスペーサ20、20を挿入できるような隙間を発生させることは困難で、拡幅部材16、16にスペーサ20、20を副えて、亀裂起点穴14に挿入することができない。このため、スペーサ20、20を亀裂起点穴14に予め、セットした状態で、拡幅部材16、16を拡幅された亀裂起点穴14に挿入する必要がある。しかし、上記の如く、楔18の後退位置で拡幅部材16、16と亀裂起点穴14との間にスペーサ20、20を挿入できる隙間(余裕)がないため、拡幅部材16、16をスペーサ20、20の先端位置まで挿入できない(押込めない)(図2(a))。
2)このスペーサ20、20の中間位置に拡幅部材16、16の先端角部15aが当接した状態で、楔18を無理に前進させて拡幅部材16、16を拡幅させると、拡幅部材16、16の外側先端角部15aがスペーサ20、20に当たる位置に応力が集中して、スペーサ20、20が内側へ折れ曲がる(図2(b))。
3)すると、楔18を後退させて(戻して)も、スペーサ20、20は曲がったままで、再使用不能となる(図2(c))。
本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意開発に努力をする過程で、試行錯誤の結果、一対の拡幅部材の外側面で形成される拡幅部材形成縦断面をテーパ形状とすれば、上記のような問題点は発生しないことを見出した。
ここで、拡幅部材は、縦方向(縦断面)で肉厚を変化させてもよいが、通常、製作が容易なため、図3の如く、縦方向で略同一肉厚とする。このため、拡幅部材形成縦断面のテーパ角度は、楔18のテーパ角度と略同一となる。すなわち、拡幅部材形成縦断面のテーパ角度は、楔18のテーパ角度αで調整し、通常、10〜30°(テーパ:0.0875〜0.2679)、望ましくは、20°(テーパ:0.1763)前後範囲で適宜設定する。
テーパ角度が小さすぎると、拡幅部材(羽根)16A、16Aの拡幅量が小さく、プラスチック塊が割裂破砕するまでの、楔の前進後退回数(後述の亀裂拡幅動作の回数)が増え、割裂破砕の工数が増大する。
逆に、テーパ角度が大きすぎると、拡幅部材16A、16Aの拡幅量は大きくなるが、楔18の元部径が大きくなり楔式破砕機が大型でかつ重量が増大する。また、必要な拡幅力が得られない場合がある。
以下に、本発明の拡幅部材形成縦断面がテーパ形状とされた楔式破砕機で、プラスチック塊を割裂破砕する場合を、図3〜4に示すモデル図に従って説明する。
なお、下記の如く、楔の前進・後退(抜き挿し)で拡幅部材が順次、亀裂起点穴より奥側へ入り、拡幅部材の元部が亀裂起点穴の上面(開口面)に到達するまでにプラスチック塊が割裂破砕すれば、破砕作業は完了する。そして、拡幅部材形成縦断面のテーパ角度は、なるべくこの1サイクル工程で割裂破砕できる大きさを設定してある。しかし、プラスチック塊によっては強靭なものもあり、この1サイクル工程で割裂破砕しなかった場合に、スペーサを使用する。
1)被破砕物であるプラスチック塊12Aに前もって、亀裂起点穴(破砕起点穴)14を穿孔しておき、該亀裂起点穴14にテーパ状の拡幅部材16A、16Aを挿入する(図3(a))。このとき、亀裂起点穴14の径は、拡幅部材16A、16Aの先端を挿入でき、かつ、拡幅部材16A、16Aを挿入したとき、亀裂起点穴14から外れない程度の大きさとする。拡幅部材16A、16Aの先端挿入長さ(例えば、数cm)が短すぎると、亀裂起点穴14の開口側が壊れ拡幅部材が外れるおそれがある。
そして、亀裂起点穴14の深さは、拡幅部材16A、16Aの元部が亀裂起点穴14の上面に到達して、楔18を前進させたとき楔18の先端が穴14の底部と干渉しない長さとする。すなわち、拡幅部材16A、16Aの長さをL1、楔18のストロークをL2としたとき、亀裂起点穴14の深さは、L1+L2より大きなものとする。プラスチック塊12Aの径がL1+L2より小さいこともあり、通常、亀裂起点穴14は図例の如く貫通穴とする。
2)続いて、楔18を、油圧シリンダ等の推力発生手段を作動させて前進させて、拡幅部材16A、16Aを拡幅させて、亀裂(拡幅方向と直交する方向の)を発生させる(図3(b))。
3)上記2)の状態で楔18を後退させて(戻して)亀裂起点穴と拡幅部材との間に隙間S1を発生させ(図3(c))、該隙間S1分だけ拡幅部材16A、16Aを亀裂起点穴14の奥側へ挿入する(図3(d))。
このとき、亀裂起点穴14は、プラスチックの有する反発弾性力により若干狭まるが、亀裂拡幅前より広がっており、両側に亀裂も発生しているため、拡幅部材16A、16Aを奥へ挿入可能な隙間S1が発生する。
4)上記3)に続いて、楔18を前進させる(押込む)(図3(e))。すると、亀裂起点穴14の亀裂がさらに拡幅成長して亀裂起点穴14の穴径が拡大する。
そして、拡幅部材16A、16Aを元部16cが亀裂起点穴14の上面(開口面)に到達するまでに(図3(f))、プラスチック塊12Aが割裂破砕すれば、破砕作業は完了する。しかし、プラスチック塊が割裂破砕しなければ、拡幅部材16A、16Aを元部16cまで挿入可能な大きさまで、すなわち、拡幅部材16Aの元部16cが亀裂起点穴14の開口面(上面)に到達するまで(図3(f))、上記3)、4)の亀裂拡幅動作を繰り返す。
5)そして、拡幅部材16A、16Aを元部16cが亀裂起点穴14の上面に到達(位置)した状態で、楔18を前進させても、プラスチック塊12Aが割裂破砕しない場合は(図4(a))、拡幅部材16A、16Aを亀裂起点穴14から引き抜く(図4(b))。このとき、拡幅部材16A、16Aと亀裂起点穴14には、スペーサ20、20を副えることのできる隙間S2が発生している(片側でもよい。)。そして、スペーサ20、20を両側又は片側(図例では両側)に副えて拡幅部材16A、16Aの先端部を再度挿入し(図4(c))、楔18を前進させる(図4(d))。
さらに、それでも、プラスチック塊12Aの割裂破砕ができない場合は、必要により、上記4)と同様に、亀裂拡幅動作を繰り返して、亀裂を拡幅成長させれば、プラスチック12Aの割裂破砕が可能となる。すなわち、楔18の後退により発生した隙間S3分(図4(e))、スペーサ20を副えた拡幅部材16A、16Aを亀裂起点穴14に前進させて挿入し(図4(f))、再度楔18を前進させる。なお、この際、スペーサ20、20をより厚いものに代えてもよい。
次に、本発明で使用するのに好適な楔式破砕機10の一例を、図5に基づいて説明する。
楔18と一対の拡幅部材(羽根)16A、16Aとを備え、楔18は油圧シリンダ(推力発生手段)22におけるピストンロッド24の先端に結合され、拡幅部材16A、16Aは、油圧シリンダ22の先端に取付けられた筒状フレーム26の先端に取付けられている。なお、図例では、拡幅部材16A、16Aは、全長に亘り同一肉厚に形成されている。
楔18とピストンロッド24との結合は、楔18の元部に形成された円柱状の結合凸部18aと、ピストンロッド24の先端に形成された結合穴部24aを嵌合させるとともに、両者対向周面に形成されるボール保持溝に複数個のスチールボール28をセットして行われている。なお、上記楔18とピストンロッド24との結合において、結合凸部18aの径が所要結合強度を得るのに十分に大きい場合は、ピン結合することも可能である。しかし、結合凸部18aの径が小さくて所要結合強度を得難い場合には、本実施形態の如く、スチールボール28を使用して結合することが望ましい。
一対の拡幅部材16A、16Aは、元部に首部16aを介して係合部16bを備え、該係合部16bは、筒状フレーム26の先端部内周に、スペーサリング30を介してそれぞれねじ止めされるバックプレート32とフロントプレート34との間に保持されている。フロントプレート34の先側に、戻しゴムリング36が保持キャップ38を介して保持されている。
なお、図例中、39は油圧用カプラであり、40は把手である。また、図例では、楔18の推力発生手段(駆動手段)は、油圧シリンダ22であるが、これに限られることなく、エアシリンダ、電動モータ、ねじ等、任意である。
次に、上記楔式破砕機10を用いて、放射性物質取扱い事業所等で発生する粉粒状(通常、粉末状)の放射性廃棄物を、ドラム缶内で前述の如くプラスチック固型化した際、該プラスチック塊が硬化不十分で設定基準に適合しない可能性のあるときに、ドラム缶の周壁を剥いで取り出したプラスチック固型化物(プラスチック塊)を、割裂破砕する場合を例に採り説明する。
図6に示す如く、ドラム缶形状のプラスチック塊12Aを、下側を転がり不能に作業台41で保持した状態で、母線方向で直列に亀裂起点穴14を複数個(図例では3個)穿孔した後、それぞれに、上記楔式破砕機10の拡幅部材16A、16Aを挿入し、前述の如く、各亀裂起点穴14に亀裂を発生させ、該亀裂を拡幅成長させれば、プラスチック塊を略半分に割裂破砕(一次破砕)をさせることができる。該割裂破砕には、自動的に割裂破砕しなくとも、手のみで、又はバール等の道具を用いて人力で容易に人力で割裂破砕できる状態も含むものとする。
すると、割裂方向と直交する方向での最大厚は、約30cm前後となるため、前述のような市販の粉塵を余り発生させない破砕機を用いて、二次破砕して、約30cm以下のプラスチック塊破砕物とする。該破砕物(破砕片)は、ドラム缶内に投入しモルタル充填して不均質モルタル固型化物(二次埋設対象廃棄物)とする。
本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限られず、特許請求の範囲に記載されている範囲内で、下記の如く、種々の態様に及ぶものである。
・拡幅部材は、拡幅形成縦断面がテーパ形状であれば、同一肉厚である必要はない。
・拡幅部材の横断面は、外側円形に限られず、矩形・半分割多角形であってもよい。
・楔及び拡幅部材で形成される外側縦断面が、途中までストレートでそれから先側のみテーパ状とする構成でもよい。
さらに、本発明のプラスチック用破砕機は、セメント塊等の粉塵が発生し易い塊状物にも、粉塵を発生させずに割裂破砕できることが期待できる。このため、本発明の技術的範囲は、プラスチック塊用破砕機及びプラスチック塊の破砕方法に限定されず、プラスチック固化体とセメント(モルタル)固化体を割裂破砕をする場合等に同時使用できる楔式破砕機にも及ぶものである。
従来の楔式破砕機(パッカー)を用いてコンクリートを割裂破砕する場合のモデル工程図である。 従来の楔式破砕機(パッカー)を用いてプラスチック塊を割裂破砕する場合のモデル工程図である。 本発明のプラスチック塊用破砕機を用いてスペーサ無しで割裂破砕する場合のモデル工程図である。 本発明のプラスチック塊用破砕機を用いてスペーサ有りで割裂破砕する場合のモデル工程図である。 本発明のプラスチック塊用破砕機の一例を示す縦断面図及びそのA−A線拡大断面図である。 図5のプラスチック塊用破砕機を用いて設定基準に適合しない可能性のあるプラスチック固型化物(一次放射性廃棄物)を破砕する場合の正面図である。
符号の説明
10 楔式破砕機
12A プラスチック塊(被破砕物)
14 亀裂起点穴
16、16A 拡幅部材
18 楔
20 スペーサ
S1、S2、S3 拡幅部材と亀裂起点穴との発生隙間

Claims (8)

  1. 被破砕物であるプラスチック塊を、予め穿孔した亀裂起点穴を拡幅して亀裂を拡幅成長させて割裂破砕をするために使用する楔式破砕機であって、
    推力発生手段により前進する楔(矢)と、該楔の両側面に配され前記楔の押込み力を拡幅力に転換する一対の拡幅部材(羽根)とを備え、
    前記一対の拡幅部材における拡幅作用部の、前記楔とともに形成される両側形成縦断面(以下「拡幅部材形成縦断面」という。)がテーパ形状とされていることを特徴とするプラスチック塊用破砕機。
  2. 前記拡幅部材形成縦断面のテーパ角度が、前記楔のテーパ角度及び前記拡幅部材の拡幅作用部における縦方向厚み変化の選定により設定されていることを特徴とする請求項1記載のプラスチック塊用破砕機。
  3. 前記拡幅部材形成縦断面のテーパ角度が、前記拡幅部材を前記亀裂起点穴に元部まで挿入した状態で楔を前進させた後、楔の後退位置で、前記拡幅部材と前記亀裂起点穴との間にスペーサを挿入可能な隙間を発生させるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチック塊用破砕機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック塊用破砕機を用いてプラスチック塊を割裂破砕する方法であって、
    1)前記拡幅部材の先端部が挿入可能な大きさの亀裂起点穴を穿孔し、該亀裂起点穴に前記拡幅部材の先端部を挿入して、前記楔を前進させて前記亀裂起点穴の亀裂を発生させた後、
    2)前記楔を後退させて前記亀裂起点穴と前記拡幅部材との間に隙間を発生させ、該隙間分だけ前記拡幅部材を前記亀裂起点穴の更に奥側へ挿入後、再度、前記楔を前進させて前記亀裂を拡幅成長させる亀裂拡幅動作を1回以上繰り返して、前記プラスチック塊を割裂破砕させることを特徴とするプラスチック塊の破砕方法。
  5. 請求項4記載のプラスチック塊を割裂破砕する方法であって、請求項3記載のプラスチック塊用破砕機を用いる方法において、
    前記拡幅部材を元部まで前記亀裂起点穴に挿入した状態で前記楔を前進させた後も、前記プラスチック塊が割裂破砕しない場合、
    前記拡幅部材を前記亀裂起点穴から引き抜いて、前記スペーサを副えた拡幅部材を、再度、前記亀裂起点穴に挿入後、前記楔を前進させて、必要により、さらに、前記亀裂拡幅動作を1回以上繰り返して、前記亀裂を更に拡幅成長させて、前記プラスチック塊を割裂破砕させることを特徴とするプラスチック塊の破砕方法。
  6. 前記プラスチック塊が、粉粒状の放射性廃棄物をプラスチック固型化した際に、硬化不十分により発生する設定基準に適合しない可能性のある固型化物であることを特徴とする請求項4又は5記載のプラスチック塊の破砕方法。
  7. 粉粒状の放射性廃棄物をプラスチック固型化した際に硬化不十分により発生する設定基準に適合しない可能性のある固型化物(放射性廃棄物)を処理する方法であって、
    前記固型化物を請求項6記載の方法で一次破砕し、該一次破砕物を、必要により、粉塵が余り発生しない破砕機で二次破砕して、ドラム缶等の固型化容器内へ投入しモルタルで再固型化処理をすることを特徴とする放射性廃棄物の処理方法。
  8. 被破砕物である嵩高塊状物を、予め穿孔した亀裂起点穴を拡幅して亀裂を拡幅成長させて割裂破砕をするために使用する楔式破砕機であって、
    推力発生手段により前進する楔(矢)と、該楔の両側面に配され前記楔の押込み力を拡幅力に転換する一対の拡幅部材(羽根)とを備え、
    前記一対の拡幅部材における拡幅作用部の、前記楔とともに形成される両側形成縦断面がテーパ形状とされていることを特徴とする楔式破砕機。
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