JP2007215406A - 大豆胚軸を利用した健康食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、大豆胚軸を利用した嗜好性の高い健康食品を提供することを目的とする。
【解決手段】
大豆胚軸を発酵し、さらにこれに胡麻、及び黒砂糖を配合することにより雑味がなく嗜好性に優れた健康食品を得ることが可能となる。
【選択図】
なし
本発明は、大豆胚軸を利用した嗜好性の高い健康食品を提供することを目的とする。
【解決手段】
大豆胚軸を発酵し、さらにこれに胡麻、及び黒砂糖を配合することにより雑味がなく嗜好性に優れた健康食品を得ることが可能となる。
【選択図】
なし
Description
本発明は、大豆胚軸を利用した健康食品に関する。
大豆胚軸は、大豆の発芽時に幼芽、幼根となる部分であり、たん白質、オリゴ糖などの他、イソフラボンやサポニンなどの微量栄養成分が豊富に含まれている。そのため大豆胚軸からアルコールや水などで抽出し、必要により精製した大豆胚軸抽出物が多く利用されている。
しかしながら、イソフラボンやサポニンの抽出原料として利用される以外の有効な用途はまだ十分に見出されていない。現在は大豆胚軸そのままの形態で健康食品素材としても利用されているが、これもイソフラボンやサポニンの摂取を期待しているに過ぎない。大豆胚軸は独特の苦味あるいは収斂味のある風味を有しており、そのままでは食品として供しにくい難点を有する。
また、大豆胚軸を水性溶媒と接触させてイソフラボンやサポニン等の可溶性成分を抽出した後の残渣(以降、「大豆胚軸抽出残渣」と略する。)は、蛋白質などの栄養成分が豊富に含まれているが、現在のところ有効な利用方法が見つかっていない。この大豆胚軸抽出残渣はイソフラボンやサポニンがほとんど抽出されているため、風味面では大豆胚軸よりも苦味等が少ないものの、これらの成分は依然として若干残存するため苦味が完全には消えないばかりか、生臭い風味が感じられる。
しかしながら、イソフラボンやサポニンの抽出原料として利用される以外の有効な用途はまだ十分に見出されていない。現在は大豆胚軸そのままの形態で健康食品素材としても利用されているが、これもイソフラボンやサポニンの摂取を期待しているに過ぎない。大豆胚軸は独特の苦味あるいは収斂味のある風味を有しており、そのままでは食品として供しにくい難点を有する。
また、大豆胚軸を水性溶媒と接触させてイソフラボンやサポニン等の可溶性成分を抽出した後の残渣(以降、「大豆胚軸抽出残渣」と略する。)は、蛋白質などの栄養成分が豊富に含まれているが、現在のところ有効な利用方法が見つかっていない。この大豆胚軸抽出残渣はイソフラボンやサポニンがほとんど抽出されているため、風味面では大豆胚軸よりも苦味等が少ないものの、これらの成分は依然として若干残存するため苦味が完全には消えないばかりか、生臭い風味が感じられる。
一方、大豆胚軸を麹菌などで発酵させ、大豆胚軸の品質を改善する試みがなされている(特許文献1)が、得られた発酵物をそのまま食しても糠のようなクセのある発酵臭が強く、嗜好性において問題があった。
(参考文献)
特開昭63−230050号公報
本発明は、大豆胚軸を利用した嗜好性の高い健康食品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み、大豆胚軸を微生物で発酵させた大豆胚軸発酵物を主成分とした健康食品を製造したところ、発酵により大豆胚軸特有の生臭さは軽減することができた。しかしながら、該発酵物は発酵臭が強くクセのある糠のような風味を呈し、健康食品全体の風味に大きく影響を与えた。
そこで、本発明者らは、さらに、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングすることのできる有効な配合について鋭意検討した結果、胡麻と黒砂糖とを組み合わせて混合することより、大豆胚軸発酵物に特有の発酵臭を良好にマスキングすることができ、かつおいしく摂取できる知見を得、本発明を完成させた。
そこで、本発明者らは、さらに、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングすることのできる有効な配合について鋭意検討した結果、胡麻と黒砂糖とを組み合わせて混合することより、大豆胚軸発酵物に特有の発酵臭を良好にマスキングすることができ、かつおいしく摂取できる知見を得、本発明を完成させた。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、
1.大豆胚軸発酵物、胡麻、及び黒砂糖を含有することを特徴とする健康食品、
2.大豆胚軸発酵物の原料が、大豆胚軸抽出残渣であることを特徴とする健康食品、
3.大豆胚軸発酵物がγ−アミノ酪酸富化されたものである、前記1に.記載の健康食品、
4.大豆胚軸又はその抽出残渣を発酵し、これに胡麻及び黒砂糖を混合することを特徴とする健康食品の製造法、
5.発酵をグルタミン酸脱炭酸酵素の活性が高い微生物で行うものである、前記4に.記載の健康食品の製造法、である。
1.大豆胚軸発酵物、胡麻、及び黒砂糖を含有することを特徴とする健康食品、
2.大豆胚軸発酵物の原料が、大豆胚軸抽出残渣であることを特徴とする健康食品、
3.大豆胚軸発酵物がγ−アミノ酪酸富化されたものである、前記1に.記載の健康食品、
4.大豆胚軸又はその抽出残渣を発酵し、これに胡麻及び黒砂糖を混合することを特徴とする健康食品の製造法、
5.発酵をグルタミン酸脱炭酸酵素の活性が高い微生物で行うものである、前記4に.記載の健康食品の製造法、である。
本発明により、イソフラボンやサポニンの抽出以外にあまり有効な用途がなかった大豆胚軸、特に大豆胚軸抽出残渣を有効に利用し、γ−アミノ酪酸が富化されて栄養価が高く、かつ雑味がなく風味に優れた健康食品として有効に利用することが可能となった。かかる効果は、大豆胚軸を発酵し、かつこれに胡麻と黒砂糖を共に混合して初めて奏するものであり、単に大豆胚軸発酵物に従来の甘味料やフレーバーなどの一般的なマスキング剤を添加しても得られないものである。
本発明の健康食品は、大豆胚軸発酵物、胡麻、及び黒砂糖を含有することを特徴とするものである。
(大豆胚軸発酵物)
本発明の大豆胚軸発酵物は、大豆胚軸に加水をし、必要により蒸煮した後、食品用微生物、例えば乳酸菌、麹菌、テンペ菌、納豆菌等で発酵させることにより得られる。大豆胚軸は加水前後に粉砕してから発酵させても良い。発酵条件は各微生物において通常行われている条件を用いればよく、通常は5〜50℃において30分〜10日間の範囲で行うことができる。発酵後得られた大豆胚軸発酵物の性状はペースト状、粒状又は粉末状などに加工することができる。
発酵の基質となる大豆胚軸は生大豆胚軸である必要はなく、脱脂、水性溶媒抽出、焙煎等の前処理を行ったものを使用することが可能である。
特に、大豆胚軸を水やアルコール類などの水性溶媒に接触させ、イソフラボン、オリゴ糖、サポニンなどの可溶性成分を除去した後の不溶性残渣、すなわち大豆胚軸抽出残渣は、イソフラボンなどに起因する苦味や渋味が低減されており好ましい。
本発明の大豆胚軸発酵物は、大豆胚軸に加水をし、必要により蒸煮した後、食品用微生物、例えば乳酸菌、麹菌、テンペ菌、納豆菌等で発酵させることにより得られる。大豆胚軸は加水前後に粉砕してから発酵させても良い。発酵条件は各微生物において通常行われている条件を用いればよく、通常は5〜50℃において30分〜10日間の範囲で行うことができる。発酵後得られた大豆胚軸発酵物の性状はペースト状、粒状又は粉末状などに加工することができる。
発酵の基質となる大豆胚軸は生大豆胚軸である必要はなく、脱脂、水性溶媒抽出、焙煎等の前処理を行ったものを使用することが可能である。
特に、大豆胚軸を水やアルコール類などの水性溶媒に接触させ、イソフラボン、オリゴ糖、サポニンなどの可溶性成分を除去した後の不溶性残渣、すなわち大豆胚軸抽出残渣は、イソフラボンなどに起因する苦味や渋味が低減されており好ましい。
このように大豆胚軸を発酵することにより、胚軸特有の生臭さを消滅させることができ、食品原料として生の大豆胚軸よりも風味適正を向上させることができる。
また、大豆胚軸中には蛋白質が豊富に含まれ、その蛋白質中にはグルタミン酸残基が多く含まれるため、発酵によりγ−アミノ酪酸が生成する。γ−アミノ酪酸は、生物界に広く分布するアミノ酸であり、血圧上昇抑制効果、中性脂質低下効果、精神安定作用、睡眠促進作用など優れた効果を有する。γ−アミノ酪酸はグルタミン酸脱炭酸酵素の作用によりグルタミン酸から生成することが知られている。
そのため、グルタミン酸脱炭酸酵素の活性が高い微生物で発酵させることは、γ−アミノ酪酸が富化され、より栄養的価値が高められた大豆胚軸発酵物を得ることができる点で好ましい。
この場合、グルタミン酸脱炭酸酵素活性の高い乳酸菌を使用する場合には、予め大豆胚軸にプロテアーゼを作用させるか、プロテアーゼ活性を有する麹菌、テンペ菌、納豆菌等で発酵させることが好ましい。
また、大豆胚軸発酵物をさらにグルタミン酸脱炭酸酵素や該酵素活性を有する植物性原料と作用させ、さらにγ−アミノ酪酸を富化することができる。
以上によりγ−アミノ酪酸が富化された大豆胚軸発酵物は、γ−アミノ酪酸含量を乾燥重量あたり0.1〜3重量%含むことが好ましく、0.3〜3重量%含むことがさらに好ましい。
また、大豆胚軸中には蛋白質が豊富に含まれ、その蛋白質中にはグルタミン酸残基が多く含まれるため、発酵によりγ−アミノ酪酸が生成する。γ−アミノ酪酸は、生物界に広く分布するアミノ酸であり、血圧上昇抑制効果、中性脂質低下効果、精神安定作用、睡眠促進作用など優れた効果を有する。γ−アミノ酪酸はグルタミン酸脱炭酸酵素の作用によりグルタミン酸から生成することが知られている。
そのため、グルタミン酸脱炭酸酵素の活性が高い微生物で発酵させることは、γ−アミノ酪酸が富化され、より栄養的価値が高められた大豆胚軸発酵物を得ることができる点で好ましい。
この場合、グルタミン酸脱炭酸酵素活性の高い乳酸菌を使用する場合には、予め大豆胚軸にプロテアーゼを作用させるか、プロテアーゼ活性を有する麹菌、テンペ菌、納豆菌等で発酵させることが好ましい。
また、大豆胚軸発酵物をさらにグルタミン酸脱炭酸酵素や該酵素活性を有する植物性原料と作用させ、さらにγ−アミノ酪酸を富化することができる。
以上によりγ−アミノ酪酸が富化された大豆胚軸発酵物は、γ−アミノ酪酸含量を乾燥重量あたり0.1〜3重量%含むことが好ましく、0.3〜3重量%含むことがさらに好ましい。
以上により得られた大豆胚軸発酵物は、大豆胚軸に特有の生臭さを消失させることができるが、代わりにクセのある味噌のような発酵臭が生ずる。それゆえ該発酵物のみを配合するだけでは得られる健康食品の嗜好性が低いものとなる。
そこで、本発明は、以下の原材料を組み合わせ、混合することを特徴とする。これにより、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングし、風味がよく、かつ栄養価の高い健康食品を得られる。
そこで、本発明は、以下の原材料を組み合わせ、混合することを特徴とする。これにより、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングし、風味がよく、かつ栄養価の高い健康食品を得られる。
(胡麻)
胡麻はどのような種類のものでもよく、例えば白胡麻、黒胡麻、金胡麻などを使用できる。胡麻はセサミンなどのリグナン類、ミネラルなどを含む。特に黒胡麻は他の胡麻に比べて油脂分が少なく、ビタミンやミネラル類が豊富に含まれているほか、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングする効果が強いので好ましい。
胡麻はどのような種類のものでもよく、例えば白胡麻、黒胡麻、金胡麻などを使用できる。胡麻はセサミンなどのリグナン類、ミネラルなどを含む。特に黒胡麻は他の胡麻に比べて油脂分が少なく、ビタミンやミネラル類が豊富に含まれているほか、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングする効果が強いので好ましい。
(黒砂糖)
黒砂糖は原料のサトウキビの絞り汁を濾過して煮詰めた黒褐色の砂糖であり、通常の砂糖と違って精製されていないため、ビタミンB1やB2、カリウムやカルシウムなどの各種ミネラル類やアミノ酸類などを豊富に含むものである。黒砂糖は大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングする効果を有する。一方、通常の白砂糖ではそのような効果は十分でない。
黒砂糖は原料のサトウキビの絞り汁を濾過して煮詰めた黒褐色の砂糖であり、通常の砂糖と違って精製されていないため、ビタミンB1やB2、カリウムやカルシウムなどの各種ミネラル類やアミノ酸類などを豊富に含むものである。黒砂糖は大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングする効果を有する。一方、通常の白砂糖ではそのような効果は十分でない。
大豆胚軸発酵物に組み合わせるものが上記の胡麻のみ、あるいは黒砂糖のみである場合、大豆胚軸発酵物から生ずる発酵臭のマスキングが十分ではない。
本発明の健康食品は、上記の3つの原材料の他に、例えば、レシチン、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維類、オリゴ糖類、フラボノイド類、動植物性蛋白、果汁、野菜、糖類、乳化剤、甘味料、滑沢剤、香料等を含めることができる。
健康食品の製品形態は特に限定されることはなく、タブレット類、顆粒状食品、粉状食品、ソフトカプセル、液状食品、ゲル状食品、飴状食品などの所望の形態に加工することができる。また、粉状食品、顆粒状食品、ソフトカプセルは、そのまま摂取してもよいし、水等に溶解してから摂取してもよい。
健康食品中の大豆胚軸発酵物の配合量は、特に限定されないが、1重量%〜50重量%、好ましくは5重量%〜30重量%とするのが適当である。
健康食品中の胡麻の配合量は、特に限定されないが、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%が適当である。
健康食品中の黒砂糖の配合量は、1重量%〜30重量%、好ましくは、5重量%〜20重量%が適当である。
大豆胚軸発酵物、胡麻、黒砂糖をかかる範囲内にそれぞれ配合することによって、特にγ−アミノ酪酸や蛋白質等を豊富に含み、独特の発酵風味を感じにくい健康食品を得ることができる。
健康食品中の胡麻の配合量は、特に限定されないが、0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.5重量%〜10重量%が適当である。
健康食品中の黒砂糖の配合量は、1重量%〜30重量%、好ましくは、5重量%〜20重量%が適当である。
大豆胚軸発酵物、胡麻、黒砂糖をかかる範囲内にそれぞれ配合することによって、特にγ−アミノ酪酸や蛋白質等を豊富に含み、独特の発酵風味を感じにくい健康食品を得ることができる。
以下に実施例を記載するが、この発明の技術思想がこれらの例示によって限定されるものではない。
■製造例1(大豆胚軸発酵物の製造)
生の大豆胚軸100gを0.2%酢酸溶液300mlに12時間浸漬し、水煮を10分間実施し、蒸煮大豆胚軸を調製した。蒸煮した大豆胚軸にRhizopus oligosporus の胞子懸濁液1重量%を添加し混合した。これを表面に穴を開けたポリ袋に蒸煮大豆胚軸が厚さ1.0cm程度になるように充填した後、37℃、20時間の培養を行った。培養終了後、密閉容器に発酵物を入れ、45℃、20時間熟成処理を行った。熟成終了後、グルタミン酸を乾燥重量あたり3重量%含有する大豆胚軸発酵物をミンチ機にてペースト状に調製した。得られた大豆胚軸発酵物中のγ−アミノ酪酸は乾燥重量あたり0.2重量%であった。
生の大豆胚軸100gを0.2%酢酸溶液300mlに12時間浸漬し、水煮を10分間実施し、蒸煮大豆胚軸を調製した。蒸煮した大豆胚軸にRhizopus oligosporus の胞子懸濁液1重量%を添加し混合した。これを表面に穴を開けたポリ袋に蒸煮大豆胚軸が厚さ1.0cm程度になるように充填した後、37℃、20時間の培養を行った。培養終了後、密閉容器に発酵物を入れ、45℃、20時間熟成処理を行った。熟成終了後、グルタミン酸を乾燥重量あたり3重量%含有する大豆胚軸発酵物をミンチ機にてペースト状に調製した。得られた大豆胚軸発酵物中のγ−アミノ酪酸は乾燥重量あたり0.2重量%であった。
■参考製造例(大豆胚軸抽出残渣の製造)
生の大豆胚軸を10重量倍の80%エタノールに浸漬してイソフラボンやサポニンなどのエタノール可溶性成分を抽出し、該抽出液を濾過により除去し、残った残渣を乾燥して大豆胚軸抽出残渣を得た。得られた大豆胚軸抽出残渣中のγ−アミノ酪酸は0重量%であった。
生の大豆胚軸を10重量倍の80%エタノールに浸漬してイソフラボンやサポニンなどのエタノール可溶性成分を抽出し、該抽出液を濾過により除去し、残った残渣を乾燥して大豆胚軸抽出残渣を得た。得られた大豆胚軸抽出残渣中のγ−アミノ酪酸は0重量%であった。
■製造例2(大豆胚軸抽出残渣からの発酵物の製造)
参考製造例で得られた大豆胚軸抽出残渣100gを原料として製造例1と同様にして大豆胚軸発酵物を得た。得られた大豆胚軸発酵物中のγ−アミノ酪酸は乾燥重量あたり0.4重量%であった。
参考製造例で得られた大豆胚軸抽出残渣100gを原料として製造例1と同様にして大豆胚軸発酵物を得た。得られた大豆胚軸発酵物中のγ−アミノ酪酸は乾燥重量あたり0.4重量%であった。
■配合例1
表1の配合により原料を混合し、粉末状健康食品を製造した。風味評価は、風味が良好なものを○、風味が許容できる程度のものを△、不快味を感じるものを×として評価した。
表1の配合により原料を混合し、粉末状健康食品を製造した。風味評価は、風味が良好なものを○、風味が許容できる程度のものを△、不快味を感じるものを×として評価した。
(表1)
(単位:重量%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大豆胚軸発酵物 5 30 50 30 30
(製造例1)
黒砂糖 20 20 20 0 20
白砂糖 10 10 0 30 10
黒胡麻 10 10 10 10 0
きなこ 45 25 10 10 20
脱脂粉乳 10 10 10 10 10
-------------------------------------------------------------------------------
風味評価 ○ ○ △ × ×
発酵臭弱い 発酵臭弱い 発酵臭強く コク味なし コク味なし
やや食べづ 発酵臭あり 発酵臭強い
らい
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例4 参考例
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大豆胚軸発酵物(製造例2) 30 −
大豆胚軸抽出残渣(参考製造例) − 30
黒砂糖 20 20
白砂糖 10 0
黒胡麻 10 10
きなこ 25 10
脱脂粉乳 10 10
------------------------------------------------------------------------------
風味評価 ◎ △
発酵臭極め 発酵臭なし
て弱い やや苦味あり
苦味少ない 生臭味あり
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(単位:重量%)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
大豆胚軸発酵物 5 30 50 30 30
(製造例1)
黒砂糖 20 20 20 0 20
白砂糖 10 10 0 30 10
黒胡麻 10 10 10 10 0
きなこ 45 25 10 10 20
脱脂粉乳 10 10 10 10 10
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風味評価 ○ ○ △ × ×
発酵臭弱い 発酵臭弱い 発酵臭強く コク味なし コク味なし
やや食べづ 発酵臭あり 発酵臭強い
らい
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実施例4 参考例
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大豆胚軸発酵物(製造例2) 30 −
大豆胚軸抽出残渣(参考製造例) − 30
黒砂糖 20 20
白砂糖 10 0
黒胡麻 10 10
きなこ 25 10
脱脂粉乳 10 10
------------------------------------------------------------------------------
風味評価 ◎ △
発酵臭極め 発酵臭なし
て弱い やや苦味あり
苦味少ない 生臭味あり
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
表1の結果より、黒胡麻、黒砂糖と組み合わせることで、大豆胚軸発酵物の発酵臭をマスキングし、嗜好性に優れ、かつγ−アミノ酪酸が富化されて栄養価値に優れた健康食品が得られることがわかった(実施例1−4)。特に、大豆胚軸抽出残渣を発酵原料とした製造例2を用いた健康食品の風味が最も良好であった(実施例4)。
一方、黒胡麻と黒砂糖のいずれかを欠く場合には、大豆胚軸発酵物の発酵臭のマスキング効果が不十分であった(比較例1,2)。
なお、発酵処理をしていない大豆胚軸抽出残渣を用いた場合、発酵臭がない代わりに苦味がやや残り、生臭味のある風味であった。これらの風味は、黒胡麻と黒砂糖を組み合わせてもマスキング効果はあまり感じられなかった(参考例)。
一方、黒胡麻と黒砂糖のいずれかを欠く場合には、大豆胚軸発酵物の発酵臭のマスキング効果が不十分であった(比較例1,2)。
なお、発酵処理をしていない大豆胚軸抽出残渣を用いた場合、発酵臭がない代わりに苦味がやや残り、生臭味のある風味であった。これらの風味は、黒胡麻と黒砂糖を組み合わせてもマスキング効果はあまり感じられなかった(参考例)。
■配合例2
表2の配合により原料を混合し、飴状健康食品(キャンデー)を製造した。風味評価は、風味が良好なものを○、風味が許容できる程度のものを△、不快味を感じるものを×として評価した。
表2の配合により原料を混合し、飴状健康食品(キャンデー)を製造した。風味評価は、風味が良好なものを○、風味が許容できる程度のものを△、不快味を感じるものを×として評価した。
(表2)
(単位:重量%)
――――――――――――――――――――――――――――――
NO 実施例5 比較例3 比較例4
――――――――――――――――――――――――――――――
水飴 100 100 100
砂糖 20 50 25
黒砂糖 20 0 20
大豆胚軸発酵物 10 10 10
黒胡麻 5 5 0
水 30 30 30
――――――――――――――――――――――――――――――
風味評価 ○ ○ ○
発酵臭弱い 発酵臭強く コク味なく
食べづらい 発酵臭強く
感じる
――――――――――――――――――――――――――――――
(単位:重量%)
――――――――――――――――――――――――――――――
NO 実施例5 比較例3 比較例4
――――――――――――――――――――――――――――――
水飴 100 100 100
砂糖 20 50 25
黒砂糖 20 0 20
大豆胚軸発酵物 10 10 10
黒胡麻 5 5 0
水 30 30 30
――――――――――――――――――――――――――――――
風味評価 ○ ○ ○
発酵臭弱い 発酵臭強く コク味なく
食べづらい 発酵臭強く
感じる
――――――――――――――――――――――――――――――
以上より、黒胡麻、黒砂糖と組み合わせることで、風味良好なキャンデーが得られた。
■実施例6
製造例2で得られた大豆胚軸発酵物50gに対し、皮を剥いだカボチャをミンチ機にて破砕しペースト状となったカボチャ破砕物50g、水50gを加え、37℃、5分の条件下で混合を行った。該混合物を37℃で3時間静置した。得られた大豆胚軸発酵物には乾燥重量あたりγ−アミノ酪酸が1重量%含有しており、γ−アミノ酪酸がさらに富化されていた。
この発酵物を用い、実施例4と同じ配合で粉末状健康食品を製造した。得られた食品は、実施例4と同様に発酵臭が極めて少なく、嗜好性に優れた品質であった。
製造例2で得られた大豆胚軸発酵物50gに対し、皮を剥いだカボチャをミンチ機にて破砕しペースト状となったカボチャ破砕物50g、水50gを加え、37℃、5分の条件下で混合を行った。該混合物を37℃で3時間静置した。得られた大豆胚軸発酵物には乾燥重量あたりγ−アミノ酪酸が1重量%含有しており、γ−アミノ酪酸がさらに富化されていた。
この発酵物を用い、実施例4と同じ配合で粉末状健康食品を製造した。得られた食品は、実施例4と同様に発酵臭が極めて少なく、嗜好性に優れた品質であった。
Claims (5)
- 大豆胚軸発酵物、胡麻、及び黒砂糖を含有することを特徴とする健康食品。
- 大豆胚軸発酵物の原料が、大豆胚軸抽出残渣であることを特徴とする健康食品。
- 大豆胚軸発酵物がγ−アミノ酪酸富化されたものである、請求項1又は2に記載の健康食品。
- 大豆胚軸又はその抽出残渣を発酵し、これに胡麻及び黒砂糖を混合することを特徴とする健康食品の製造法。
- 発酵をグルタミン酸脱炭酸酵素の活性が高い微生物で行うものである、請求項4に記載の健康食品の製造法。
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---|---|---|---|
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JP2013188220A (ja) * | 2007-06-13 | 2013-09-26 | Otsuka Pharmaceut Co Ltd | エクオール含有抽出物及びその製造方法、エクオール抽出方法、並びにエクオールを含む食品 |
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