JP2007214610A - 送信回路 - Google Patents

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【課題】QPSKとASKの変調方式が混在する通信において、常に一定レベルのパケット信号を出力することによって受信側でASK信号の受信誤りを防止する。
【解決手段】送信するパケットデータの種類に応じてQPSKとASKに変調方式を切り替えて変調する変調器20の出力側に、切替信号A/Pに応じて増幅度を切り替えることができる高周波電力増幅器30を設ける。ASKの場合は通常の増幅度で増幅し、QPSKの場合は増幅度を低下させて増幅することにより、高周波電力増幅器30の出力レベルを、変調方式の如何に拘らず一定に保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ASK(Amplitude Shift Keying:振幅偏移)変調とQPSK(Quadrature Phase Shift Keying:直交位相偏移)変調等の変調方式を切り替えて送信する無線機の送信回路に関するものである。
高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の狭域通信(DSRC:Dedicated Short-Range Communication)では、ASK変調とQPSK変調を1つの無線機に搭載する規格が規定されている。DSRC規格によるASK変調のアプリケーション例としては、高速道路における自動料金収受(ETC:Electronic Toll Collection)が既に実用化されており、QPSK変調のアプリケーション例としては、ドライブスルーやガソリンスタンドの料金決済システムが計画されている。また、変調方式は未定だが、交通情報の提供サービスなど、種々のアプリケーションが考えられている。
図2は、従来の無線機の構成図である。
この無線機は、ITSのDSRC規格に対応し、ASK変調とQPSK変調を切り替えて使用できるもので、送受信兼用のアンテナ11と、このアンテナ11を送信または受信に切り替えるためのアンテナスイッチ(SW)12を有している。アンテナスイッチ12の受信側には、低雑音増幅器(LNA)13を介して周波数変換器(MIX)14が接続されている。周波数変換器14は、PLL(Phase Locked Loop)等で構成される局部発振器(LOSC)15の発振信号によって、高周波信号を中間周波信号に変換するものである。なお、局部発振器15の発振信号の周波数は、図示しないベースバンド部から与えられるチャネル設定信号CHによって、所定の範囲内で設定できるようになっている。
周波数変換器14の出力側には、所望の中間周波信号を取り出すための帯域通過フィルタ(BPF)16を介して、中間周波増幅器(IFA)17が接続されている。中間周波増幅器17の出力側には、QPSK信号を復調するためのPSK復調器18と、ASK信号を復調するためのASK復調器19が接続されている。
ASK復調器19は、中間周波増幅器17から出力される中間周波信号IFの平均レベルREFを検出するための積分回路19aと、この中間周波信号IFの瞬時値と平均レベルREFを比較してASK受信データRDAを出力する比較回路(CMP)19bで構成されている。PSK復調器18で復調されるPSK受信データRDPと、ASK復調器19で復調されるASK受信データRDAは、図示しないベースバンド部へ与えられるようになっている。
一方、ベースバンド部から出力される送信データSDI,SDQは、変調器(MOD)20へ与えられるようになっている。変調器20は、ASKとQPSKの2種類の変調が可能なもので、2つの送信データSDI,SDQを与えるとQPSK変調された送信信号を出力し、一方の送信データ(例えば、SDQ)を固定するとASK変調された送信信号を出力するように構成されている。
変調器20には、チャネル設定信号CHで設定された局部発振器15の発振信号が、被変調波として与えられるようになっており、この変調器20の出力側は、高周波電力増幅器(PA)21を介して、アンテナスイッチ12の送信側に接続されている。
次に動作を説明する。
ベースバンド部では、通信の目的に応じて送信データSDI,SDQを無線機に与える。例えば、ETCシステムに対する送信を行う場合、送信データSDQを“0”に固定して、送信データSDIによってパケット状のデータを出力する。これにより、変調器20からASK変調された送信信号が出力され、高周波電力増幅器21で所定の倍率に増幅されてアンテナ11から送信される。
また、ガソリンスタンド・システムに対する送信を行う場合、送信データSDI,SDQを使用してパケット状のデータを出力する。これにより、変調器20からQPSK変調された送信信号が出力され、高周波電力増幅器21で所定の倍率に増幅されてアンテナ11から送信される。
一方、アンテナ11で受信された高周波信号は、低雑音増幅器13で増幅された後、周波数変換器14で中間周波信号に変換され、帯域通過フィルタ16を通って中間周波増幅器17で増幅されて、PSK復調器18とASK復調器19に与えられる。
PSK復調器18では、中間周波信号IFが復調されてPSK受信データRDPが出力される。ASK復調器19では、積分回路19aによって中間周波信号IFの平均レベルが検出されて基準電圧REFが生成され、比較回路19bによってこの基準電圧REFと中間周波信号IFの瞬時値が比較され、ASK受信データRDAが出力される。
ベースバンド部では、無線機から出力されるPSK受信データRDPとASK受信データRDAの内で、通信の目的に応じた受信データを選択して処理が行われる。
特開2003−244260号公報 ISSCC2002/SESSION5/WIRELESS NETWORKING TRANSCEIVERS/5.6"Single-Chip 5.8GHz ETC Transceiver IC with PLL and Demodulation Circuits using SiGe HBT/CMOS"
前記無線機では、変調器20をASKとQPSKの2種類の変調に共用している。ASK変調では、送信データSDIに従って搬送波の振幅を制御することによって送信信号が生成される。従って、変調器20自体に増幅機能がないとすれば、ASK変調された信号の平均レベルは、搬送波のレベルよりも小さくなる。一方、QPSK変調では、送信データSDI,SDQに従って搬送波の位相を制御することによって送信信号が生成される。従って、変調器20でQPSK変調された信号の平均レベルは、搬送波のレベルと同程度となる。
変調器20の出力信号は、変調方式に拘らず高周波電力増幅器21で所定の倍率に電力増幅されてアンテナ11から送信される。このため、QPSK変調されたパケット信号の方が、ASK変調されたパケット信号よりも平均電力が大きくなる。
このようなパケット信号を受信する受信側では、中間周波増幅器17から出力される中間周波信号IFの平均レベルが、QPSK変調されたパケット信号とASK変調されたパケット信号とで異なる。即ち、中間周波信号IFの平均レベルは、QPSK変調信号の時に高くなり、ASK変調信号の時に低くなる。
このため、QPSK変調信号が入力されると、ASK復調器19の積分回路19aから出力される基準電圧REFが理想的な値よりも高くなり、その直後にASK変調信号が入力された場合に、このASK変調信号を正しく復調できなくなるという問題があった。
本発明は、QPSKやASK等の変調方式に拘らず、送信側から常に一定レベルのパケット信号を出力することで、受信側での受信誤りを防止することを目的としている。
本発明は、送信するパケットデータの種類に応じて複数の変調方式を切り替える無線通信の送信回路において、前記変調方式に対応して与えられる切替信号に応じて増幅度を切り替えるための切替手段を設けたことを特徴としている。
本発明の送信回路は、変調方式に対応して与えられる切替信号に応じて増幅度を切り替えるための切替手段を有している。これにより、変調器から出力される変調信号のレベルが変調方式によって異なっていても、送信回路の出力レベルを一定に保つことができるという効果がある。
送信回路の変調方式としては、少なくともASK変調とQPSK変調に対応させ、増幅度を切り替えることによって、変調方式の如何に拘らず出力レベルが一定となるように構成する。
この発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、次の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。但し、図面は、もっぱら解説のためのものであって、この発明の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の実施例を示す無線機の構成図であり、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この無線機は、図2の無線機と同様に、ITSのDSRC規格に対応したもので、ASK変調とQPSK変調を切り替えて使用できるものである。
この無線機は、送受信兼用のアンテナ11と、このアンテナ11を送信または受信に切り替えるためのアンテナスイッチ12を有している。アンテナスイッチ12の受信側には低雑音増幅器13を介して周波数変換器14が接続されている。周波数変換器14は、PLL等で構成される局部発振器15の発振信号によって高周波信号を中間周波信号に変換するものである。なお、この局部発振器15の発振信号の周波数は、図示しないベースバンド部から与えられるチャネル設定信号CHによって、所定の範囲内で任意に設定できるようになっている。
周波数変換器14の出力側には、所望の中間周波信号を取り出すための帯域通過フィルタ16を介して中間周波増幅器17が接続されている。中間周波増幅器17の出力側には、QPSK信号を復調するためのPSK復調器18と、ASK信号を復調するためのASK復調器19が接続されている。
ASK復調器19は、中間周波増幅器17から出力される中間周波信号IFの平均レベルを検出するための積分回路19aと、この中間周波信号IFの瞬時値と平均レベルを比較してASK受信データRDAを出力する比較回路19bで構成されている。PSK復調器18で復調されるPSK受信データRDPと、ASK復調器19で復調されるASK受信データRDAは、図示しないベースバンド部へ与えられるようになっている。
一方、ベースバンド部から出力される送信データSDI,SDQは、変調器20へ与えられるようになっている。変調器20は、ASKとQPSKの2種類の変調が可能なもので、2つの送信データSDI,SDQを与えるとQPSK変調された送信信号S20を出力し、一方の送信データ(例えば、SDQ)を固定するとASK変調された送信信号S20を出力するように構成されている。なお、変調器20には、チャネル設定信号CHで設定された局部発振器15の発振信号が、被変調波として与えられるようになっており、この変調器20の出力側が、高周波電力増幅器30を介してアンテナスイッチ12の送信側に接続されている。
高周波電力増幅器30は、送信信号S20がASK変調であるかQPSK変調であるかを示す切替信号A/Pによって増幅度を切り替えることができるものである。この高周波電力増幅器30は、変調器20の送信信号S20がゲートに与えられて導通状態が制御されるトランジスタ31と、このトランジスタ31のドレインと電源電位VDDの間に接続された負荷インダクタ32と、このトランジスタ31のゲートにバイアス電圧を与えるための抵抗33,34と、このバイアス電圧を切替信号A/Pに従って変化させるためのスイッチ35及び抵抗36とで構成されている。なお、2つのバイアス電圧は、ASK変調信号を増幅した時の出力レベルとQPSK変調信号を増幅した時の出力レベルがほぼ同じレベルになるように設定されている。また、切替信号A/Pは、ベースバンド部から与えられるようになっている。
次に動作を説明する。
ベースバンド部では、通信の目的に応じて送信データSDI,SDQを無線機に与える。例えば、ETCシステムに対する送信を行う場合、切替信号A/Pを例えばレベル“H”に設定する。そして、送信データSDQを“0”に固定して、送信データSDIによってパケット状のデータを出力する。これにより、変調器20からASK変調された送信信号S20が出力され、高周波電力増幅器30に与えられる。一方、高周波電力増幅器30では、切替信号A/Pによってスイッチ35がオフ状態にされ、抵抗33,34で生成された基準のバイアス電圧がトランジスタ31のゲートに印加される。これにより、送信信号S20は、高周波電力増幅器30において所定の増幅率で電力増幅され、アンテナ11から送信される。
これに対して、ガソリンスタンド・システムに対する送信を行う場合、切替信号A/Pをレベル“L”に設定する。そして、送信データSDI,SDQを使用してパケット状のデータを出力する。これにより、変調器20からQPSK変調された送信信号S20が出力され、高周波電力増幅器30に与えられる。高周波電力増幅器30では、切替信号A/Pによってスイッチ35がオン状態にされ、抵抗33,34,35で生成された基準よりも低いバイアス電圧がトランジスタ31のゲートに印加される。これにより、送信信号S20は、高周波電力増幅器30において低い増幅率で電力増幅され、アンテナ11から送信される。この結果、アンテナ11から送信される高周波信号のレベルは、ASK変調とQPSK変調でほぼ同じレベルとなる。
一方、アンテナ11で受信された高周波信号は、低雑音増幅器13で増幅された後、周波数変換器14で中間周波信号に変換され、帯域通過フィルタ16を通って中間周波増幅器17で増幅されて、PSK復調器18とASK復調器19に与えられる。
PSK復調器18では、中間周波信号IFが復調されてPSK受信データRDPが出力される。ASK復調器19では、積分回路19aによって中間周波信号IFの平均レベルが検出されて基準電圧REFが生成され、比較回路19bによってこの基準電圧REFと中間周波信号IFの瞬時値が比較され、ASK受信データRDAが出力される。このとき、中間周波信号IFの平均レベルは、ASK変調とQPSK変調でほぼ同じレベルとなっているので、積分回路19aから出力される基準電圧REFは、この中間周波信号IFの変調方式に拘らず一定値となる。
ベースバンド部では、無線機から出力されるPSK受信データRDPとASK受信データRDAの内で、通信の目的に応じた受信データを選択して処理が行われる。
以上のように、本実施例の無線機は、切替信号A/Pによって増幅率を制御することができる高周波電力増幅器30を有しているので、変調器20から与えられる送信信号S20のレベルがASK変調とQPSK変調で異なっていても、ほぼ同レベルの高周波信号に増幅してアンテナ11から送信することができる。これにより、QPSKとASKの変調方式に拘らず、送信側から常に一定レベルのパケット信号を出力するが可能になり、受信側での受信誤りを防止することができるという利点がある。
なお、本発明は、上記実施例に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
(1) ITSのDSRC規格に対応してASK変調とQPSK変調を切り替える無線機を例に説明したが、複数の変調方式を切り替えて使用する無線機に対して、同様に適用することができる。
(2) 3種類以上の変調方式に対応可能で、変調方式を切り替えると出力される送信信号のレベルが変化するような変調器を有する場合、高周波電力増幅器の増幅率をその変調方式に応じて切り替える必要がある。
図3は、図1中の高周波電力増幅器の変形例を示す構成図である。
この高周波電力増幅器は、図1中の高周波電力増幅器30の構成要素に加えて、スイッチ35a及び抵抗36aと、スイッチ35b及び抵抗36bを抵抗34に並列接続し、これらのスイッチ35a,35bを、切替信号A/Pa,A/Pbでオン/オフ制御するように構成したものである。これにより、変調方式を指定する切替信号A/P,A/Pa,A/Pbによって増幅度が切り替えられ、高周波信号の出力レベルを、変調方式の如何に拘らず一定に保持することができる。
(3) 高周波電力増幅器30では、トランジスタ31のバイアス電圧を切り替えることによって増幅率を切り替えるようにしているが、増幅率の切り替えはこの方式に限定するものではない。例えば、高周波電力増幅器の入力側に可変減衰器を挿入しても良い。
本発明の実施例を示す無線機の構成図である。 従来の無線機の構成図である。 図1中の高周波電力増幅器の変形例を示す構成図である。
符号の説明
11 アンテナ
12 アンテナスイッチ
13 低雑音増幅器
14 周波数変換器
15 局部発振器
16 帯域通過フィルタ
17 中間周波増幅器
18 PSK復調器
19 ASK復調器
20 変調器
30 高周波電力増幅器

Claims (2)

  1. 送信するパケットデータの種類に応じて複数の変調方式を切り替える無線通信の送信回路において、
    前記変調方式に対応して与えられる切替信号に応じて増幅度を切り替えるための切替手段を設けたことを特徴とする送信回路。
  2. 前記複数の変調方式には少なくとも振幅偏移変調と直交位相偏移変調が含まれ、前記増幅度を切り替えることによって変調方式に拘らず出力レベルが一定となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の送信回路。
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