JP2007214312A - 露光装置、デバイス製造方法、部品交換時期の検出方法、及び露光装置保守方法 - Google Patents

露光装置、デバイス製造方法、部品交換時期の検出方法、及び露光装置保守方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 撥水膜の状態を、構成の複雑化を招くことなく、事前に検出できるようにする。
【解決手段】 投影光学系PLと液体Lqとを介して基板W上にパターンの像を投影露光する露光装置であって、前記投影光学系の光軸AXを横切る面内で移動するステージ装置WST,MSTに設けられ、表面に撥液膜を有する部品PT,MPTと、前記基板上の少なくとも一部の領域の位置及び姿勢のうちの少なくとも一方を光学的に検出する基板検出装置ALG,AF1,AF2とを備え、前記基板検出装置は、前記撥液膜の状態を光学的に検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マスク又はレチクルに形成されたパターンをウエハ又はガラスプレート等の基板上に露光転写する露光装置、該露光装置を用いるデバイスの製造方法、該露光装置に適用可能な部品交換時期の検出方法、及び該露光装置の保守方法に関する。
半導体素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド、その他のマイクロデバイスを製造する際には、レチクル又はマスク(以下、これらをレチクルと総称する)に照明光を照射し、レチクルを介した光を投影光学系を介してフォトレジストが塗布されたウエハやガラスプレート等の基板上に投影してレチクルに形成されたパターンを基板上に転写する露光装置が用いられる。露光装置としては、ステッパー等の一括露光型(静止露光型)の露光装置、又はスキャニングステッパー等の走査露光型の露光装置等が使用されている。
ところで、近時においては、露光波長を実質的に短くし、かつ空気中に比べて焦点深度を大きく(広く)するため、液浸法を利用した液浸型露光装置が、注目されるようになってきた。液浸型露光装置は、投影光学系の下面とウエハ表面との間を水又は有機溶媒等の液体で局所的に満たした状態で露光する装置である(例えば、下記特許文献1参照)。このような液浸型露光装置においては、基板を保持して移動するステージに設けられる各種の部品(例えば、テーブル、撥水板、移動鏡、各種マーク板等)の表面に撥水膜を形成することにより撥水性をもたせ、供給ノズルから供給された液体が回収ノズルによって回収された際に、当該部品等に液体が付着し、液滴が残留するのを防止するようにしている。
このような液浸型露光装置において、ステージ上の部品に施された撥水膜は、露光光の照射等に伴い経時的に破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等が生じ、その撥水性が低下する。撥水膜の撥水性が低下すると、回収ノズルによる液体の回収が不十分となる場合があり、液滴が当該部品上に残留し、あるいは残留した液滴がステージの移動等に伴って飛散して、そのまま乾燥した場合にはいわゆるウォータマークとなって、各種の計測についての誤差要因となったり、当該液滴が気化することによって、当該部品やステージ周囲の温度・湿度を変化させ、正確な露光動作を行うことができない場合があるという問題があった。この問題を解消する従来技術としては、下記特許文献2に記載されているものが知られている。この技術は、投影光学系とステージ上の基板との間に形成される液体の領域(液浸領域)を検出するセンサを利用して、部品(基準マーク板)上に残留している液滴の形状(接触角)を計測し、計測された液滴の形状から撥水性のレベルを求めるようにしたものである。
しかしながら、従来技術では、部品上に残留している液滴の形状から撥水膜の撥水性能を求めるものであるから、液滴が残留する程に撥水性が低下した後でなければ、そのレベルを求めることができず、事後的であるとともに、仮に積極的に液滴を部品上に滴下して、撥水性のレベルを検出できるとしても、部品の全体に渡って撥水性のレベルを検出するためには、部品の全体に渡って網羅的に液滴を滴下して検査する必要があるため、撥水膜の局所的な劣化を事前に検出して、適切に部品交換を行うことは難しいという問題があった。
また、従来技術は、液浸領域を検出するためのセンサを併用的に用いて液滴の形状を求めるものであり、その意味では、検出装置として新たな装置を設ける必要はないといえるが、撥水膜の撥水性能の変化(劣化)を事前計測するためには、液滴の滴下装置を別途設ける必要があり、構成の複雑化を招くことになる。露光装置には、基板等に形成されたマークを検出するためのセンサ(いわゆるアライメントセンサ)や基板の表面の位置ないし姿勢を検出するためのセンサ(いわゆるオートフォーカスセンサ)が必然的に設けられており、これらのみを用いて撥水膜の撥水性能を求めることができるとすれば、新たな装置を設ける必要がなく、装置構成の複雑化、高コスト化を抑制することが可能である。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、撥水膜の状態を、構成の複雑化を招くことなく、事前に検出できるようにし、露光精度の向上、ひいては高性能、高品質、高信頼なデバイスを製造できるようにすることを目的とする。
国際公開WO99/49504号パンフレット 国際公開WO2005/76321号パンフレット
本発明によると、投影光学系と液体とを介して基板上にパターンの像を投影露光する露光装置であって、前記投影光学系の光軸を横切る面内で移動するステージ装置に設けられ、表面に撥液膜を有する部品と、前記基板上の少なくとも一部の領域の位置及び姿勢のうちの少なくとも一方を光学的に検出する基板検出装置と、を備え、前記基板検出装置は、前記撥液膜の状態を光学的に検出するようにした露光装置が提供される。本発明では、基板上の少なくとも一部の領域の位置及び姿勢のうちの少なくとも一方を光学的に検出する基板検出装置(特に限定されないが、例えば、アライメントセンサ、オートフォーカスセンサ)により、撥液膜の状態を光学的に検出するようにしたので、部品表面の撥液膜の撥液性能の変化を、構成の複雑化を招くことなく、事前に検出することができるようになる。
本発明によると、撥水膜の撥水性能の変化を、構成の複雑化を招くことなく事前に検出でき、撥水性能が低下した部品を適宜に交換することができるので、露光精度の向上、ひいては高性能、高品質、高信頼なデバイスを製造できるようになるという効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。まず、本発明が適用可能な露光装置の全体構成について、図1を参照して概説する。この露光装置は、いわゆる液浸型の露光装置であるとともに、投影光学系PLに対してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとを同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンの像をウエハW上のショット領域に逐次転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置である。
なお、以下の説明においては、図中に示されたXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸が紙面に対して垂直となる方向に設定され、Y軸及びZ軸が紙面に対して平行となるように設定されている。図中のXYZ直交座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
照明光学系ILは、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)等の光源から射出されるレーザ光の断面形状をスキャン方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に伸びるスリット状に整形するとともに、その照度分布を均一化して照明光ELとして射出する。なお、本実施形態では、光源としてArFエキシマレーザ光源を備える場合を例に挙げて説明するが、これ以外にg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、Fレーザ(波長157nm)、その他の光源を用いることができる。
レチクルRは、レチクルステージRST上に吸着保持されており、レチクルステージRST上の一端にはレチクル用干渉計システムIFRからの測長用のレーザビームが照射される移動鏡MRrが固定されている。レチクルRの位置決めは、レチクルステージRSTを光軸AXと垂直なXY平面内で並進移動させるとともに、XY平面内で微小回転させるレチクル駆動装置(不図示)によって行われる。このレチクル駆動装置は、レチクルRのパターンの像をウエハW上に転写する際には、レチクルステージRSTを一定速度で所定のスキャン方向(X軸方向)に走査する。
レチクルステージRSTの上方には、レチクルRの周辺に複数形成されたレチクルアライメント用のマークを光電検出するアライメント系OB1,OB2がスキャン方向に沿ってそれぞれ設けられている。アライメント系OB1,OB2の検出結果は、レチクルRを投影光学系PLの光軸AXに対して所定の精度で位置決めするためなどに使用される。干渉計システムIFRは、移動鏡MRrにレーザビームを投射し、その反射ビームを受光してレチクルRの位置変化を計測する。
投影光学系PLはレンズ等の複数の光学素子を有し、その光学素子のうちのいくつかは、位置(X,Y,Z軸方向の位置)及び姿勢(光軸AXに対する角度)が調整可能に構成されており、これらの光学素子の位置又は姿勢を調整することで投影光学系PLの倍率、収差等の光学特性が調整可能となっている。
投影光学系PLの下方には、ウエハWを載置してXY平面に沿って2次元移動するウエハステージWSTが設けられており、ウエハステージWSTは、例えば半導体工場の床面に配置されたフレームキャスタ上に設けられたベース盤BSP上に設けられている。
ウエハステージWST上には、ウエハテーブルWTBが設けられ、ウエハテーブルWTBには、ウエハWを真空吸着するウエハホルダWHが設けられている。ウエハステージWSTのXY平面内での移動座標位置とヨーイングによる微小回転量とは、ウエハ用干渉計システムIFWによって計測される。この干渉計システムIFWは、レーザ光源(不図示)からの測長用のレーザビームをウエハステージWSTのウエハテーブルWTBに固定された移動鏡MRwに照射し、その反射光と所定の参照光とを干渉させてウエハステージWSTの座標位置と微小回転量(ヨーイング量)とを計測する。ウエハテーブルWTBは、ウエハステージWST上に不図示のZ駆動機構を介して支持されており、Z駆動機構によりウエハテーブルWTBのZ方向の位置及び光軸AXに対する傾きが任意に調整できるようになっている。
ウエハテーブルWTB上には、その外形が矩形状に形成され、そのほぼ中央部にウエハWの外径よりも僅かに大きい内径の開口(円形開口)PTaが形成された撥水板PTが、不図示のホルダを介して交換可能に設けられている。撥水板PTの表面には、フッ素系の材料等を用いた撥水膜(撥水コート)が施されている。
ベース盤BSP上には、XY平面に沿って2次元移動する計測用ステージMSTも設けられている。計測用ステージMSTは、ウエハステージWSTとほぼ同様な構成を有しており、その位置は干渉計システムIFWによって計測される。計測用ステージMST上には、計測用テーブルMTBが設けられている。
計測テーブルMTBには、露光に関する計測を行うための各種の計測器類が設けられている。これを更に詳述すると、計測用テーブルMTBの上面には、例えば、ゼロデュア(ショット社の商品名)や石英ガラス等のガラス材料からなる計測用プレートMPTが設けられている。この計測用プレートMPTの表面にはそのほぼ全面に渡ってクロムが塗布され、所々に計測器用の領域や、特開平5−21314号公報及びこれに対応する米国特許5,243,195号等に開示される複数の基準マークが形成された基準マーク領域が設けられている。この基準マークは、オートフォーカス(AF)検出系が備えるセンサのキャリブレーションやベースライン量の計測等に用いられる。ベースライン量とは、ウエハW上に投影されるレチクルのパターン像の基準位置(例えば、パターン像の中心)とアライメントセンサALGの視野中心との距離を示す量である。
この計測器用の領域には、パターンニングが施され、各種計測用開口パターンが形成されている。この計測用開口パターンとしては、例えば空間像計測用開口パターン(例えば、スリット状開口パターン)、照明むら計測用ピンホール開口パターン、照度計測用開口パターン、及び波面収差計測用開口パターン等が形成されている。
空間像計測用開口パターンの下方の計測用テーブルMTBの内部には、投影光学系PL及び水を介して計測用プレートMPTに照射される露光光を、前記空間像計測用開口パターンを介して受光する受光系が設けられており、これによって、例えば特開2002−14005号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2002/0041377号明細書等に開示される投影光学系PLにより投影されるパターンの空間像(投影像)の光強度を計測する空間像計測器が構成されている。
また、照度むら計測用ピンホール開口パターンの下方の計測用テーブルMTBの内部には、受光素子を含む受光系が設けられており、これによって、特開昭57−117238号公報及びこれに対応する米国特許第4,465,368号等に開示される投影光学系PLの像面上で照明光ELを受光するピンホール状受光部を有する照度むら計測器が構成されている。
また、照度計測用開口パターンの下方の計測用テーブルMTBの内部には、受光素子をを含む受光系が設けられており、これによって、例えば特開平11−16816号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2002/0061469号明細書等に開示される投影光学系PLの像面上で水を介して照明光ELを受光する所定面積の受光部を有する照度モニタが構成されている。
また、波面収差計測用開口パターンの下方の計測用テーブルMTBの内部には、例えばマイクロレンズアレイを含む受光系が設けられており、これによって例えば国際公開WO99/60361号パンフレット及びこれに対応する欧州特許第1,079,223号明細書等に開示される波面収差計測器が構成されている。なお、この構成において、マイクロレンズを介さずに計測用開口パターンから光を受光系で受光することにより、例えば特開2005−150455号公報に開示されているような照明σ計測器や例えば特開2005−5521号公報に開示されているような偏光計測器を構成することもできる。
なお、ここでは、単一の計測用プレートMPT上に各種の計測用開口パターンを形成するものとして説明しているが、各計測用開口パターンの一つ又は複数が個別的に形成された複数の計測用開口基板を計測用テーブルMTB上に配設するようにしてもよい。計測用プレートMPTの表面には、フッ素系の材料等を用いた撥水膜(撥水コート)が施されている。
計測用テーブルMTBのウエハステージWST側の側部には、段差部BMPが形成されており、計測用ステージMSTとウエハステージWSTが近接された際に、ウエハステージWST上の撥水板PTの相対する側部がこの段差部BMPに位置するようになっている。
投影光学系PLの側方には、ウエハWに形成されたウエハマーク(アライメントマーク)の位置情報を計測するための、オフ・アクシス型のアライメントセンサALGが設けられている。アライメントセンサALGとしては、この実施形態では、ウエハW上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に受光された対象マークの像と、指標(センサ内に設けれらた指標板上の指標マーク)の像とを2次元CCD(Charge Coupled Device)等からなる撮像素子(カメラ)で撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられている。アライメントセンサALGによる計測結果は、露光装置を全体的に制御する制御装置CNTに供給されるようになっている。
この露光装置は、液浸型であるため、投影光学系PLの像面側(ウエハW側)の先端部近傍には、液浸機構を構成する液体供給ノズルSNと、これと対向するように液体回収ノズルRNとが設けられている。液体供給ノズルSNは、不図示の液体供給装置に供給管を介して接続されており、液体回収ノズルRNには、不図示の液体回収装置に接続された回収管が接続されている。液体としては、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が透過する超純水が用いられる。
ArFエキシマレーザ光に対する水の屈折率nは、ほぼ1.44である。この水の中では、照明光(露光光)ELの波長は、193nm×1/n=約134nmに短波長化される。制御装置CNTが、液体供給装置及び液体回収装置を適宜に制御して、液体供給ノズルSNから液体(純水)を供給するとともに、液体回収ノズルRNから液体を回収することにより、投影光学系PLとウエハWとの間に、一定量の液体Lqが保持される。なお、この液体Lqは常に入れ替わっている。
次に、アライメントセンサALGの構成について、図2を参照して説明する。アライメントセンサALGは、光学系が収容される密封筐体40の外部に、波長帯域幅の広い照明光(400nm〜800nm)を供給する光源(ハロゲンランプ)41を備えている。光源41から供給される照明光は、リレー光学系(不図示)及び光ファイバ(ライトガイド)42を介して密封筐体40内に導かれ、光ファイバ42の射出端から射出される照明光は、コンデンサーレンズ43を介して、ダイクロイックミラー44に入射する。ダイクロイックミラー44は、可視光を反射し且つ赤外光を透過させる特性を有する。ダイクロイックミラー44で反射された照明光は、照明視野絞り45及びレンズ系46を介して、プリズム47に入射する。
プリズム47は後方から入射された光を全透過し、前面から入射された光を全反射する性質を有しており、照明光はプリズム47を透過し、レンズ系48を介して、赤外反射板49に入射する。赤外反射板49は、その表面に指標マークIMが形成され、裏面に赤外光を反射し且つ可視光を透過させる特性を有する赤外反射面が形成された光透過性基板である。赤外反射板49を透過した照明光は、対物レンズ(先玉レンズ)50を介して、ウエハW上に形成されたウエハマークWM(又は基準マーク)を照明する。対物レンズ50は照明光の射出面側が密封筐体40の外部に露出されるように設けられている。
照明光に対するウエハマークWM(又は基準マーク)からの反射光(回折光を含む)は、対物レンズ50、赤外反射板49及びレンズ系48を介して、プリズム47に入射し、プリズム47で全反射された後、レンズ系51を介して、ダイクロイックミラー52に入射する。ダイクロイックミラー52は、可視光を透過し且つ赤外光を反射させる特性を有する。ダイクロイックミラー52を透過した光は、不図示のコンデンサレンズを介して、XY分岐ハーフプリズム54に入射され、ハーフプリズム54で反射された光はX方向用CCD55に入射され、ハーフプリズム54を透過した光はY方向用CCD56に入射される。これにより、X方向用CCD55及びY方向用CCD56の撮像面には、ウエハマークWM(又は基準マーク)の像が形成される。
また、このアライメントセンサALGは、指標マークIMを照明するための光源として、例えば波長が870nmの赤外照明光を射出するLED57を備えている。LED57から供給された赤外照明光は、コンデンサーレンズ58を介して、ダイクロイックミラー44に入射する。ダイクロイックミラー44を透過した赤外照明光は、照明視野絞り45、レンズ系46、プリズム47及びレンズ系48を介して、赤外反射板49に入射する。赤外反射板49の赤外反射面で反射された赤外照明光は、赤外反射板49のプリズム47側の面に形成された指標マークIMを照明する。指標マークIMを照明した光は、レンズ系48、プリズム47及びレンズ系51を介して、ダイクロイックミラー52に入射し、ダイクロイックミラー53で反射されて指標用CCD53の撮像面上に指標マークIMの像を形成する。指標用CCD53、X方向用CCD55及びY方向用CCD56の出力信号は、後述する画像信号処理部81(図4参照)へ供給される。
なお、アライメントセンサALGは、ウエハW上のマーク等の計測に用いられるものであるが、本実施形態では、後に詳述するように、ウエハテーブルWTB上に設けられた撥水膜が施された部品(撥水プレートPT等)や計測用テーブルMTB上に設けられた撥水膜が施された部品(計測用プレートMPT等)の当該撥水膜の状態を検出するためにも用いられる。
次に、AF(オートフォーカス)検出系AF1,AF2の構成について、図3を参照して説明する。AF検出系の送光部AF1は、検出光DLを射出する光源60、コンデンサレンズ61、投射スリットプリズム62、集光レンズ63、ミラー64、対物レンズ65により構成されている。AF検出系の受光部AF2は、対物レンズ66、振動可能な振動ミラー67、集光レンズ68、受光スリットプリズム69、リレーレンズ70、受光素子71により構成されている。
光源60から射出した検出光DLは、コンデンサレンズ61、投射スリットプリズム62、集光レンズ63を通過し、ミラー64により反射され、対物レンズ65を通過する。対物レンズ65を通過した検出光DLは、ウエハWの表面により反射される。ウエハWの表面により反射された検出光DLは、対物レンズ66を通過し、振動ミラー67により反射されて、集光レンズ68、受光スリットプリズム69、リレーレンズ70を通過して、受光素子71に入射する。
AF検出系AF1,AF2は、ウエハWの表面により反射され、受光素子71に到達した検出光DLの検出信号に基づいて、ウエハWの表面位置を検出する。また、ウエハWの表面における複数の位置での各面位置を検出することにより、AF検出系AF1,AF2はウエハWの傾斜方向の姿勢を検出することができる。AF検出系AF1,AF2の検出結果は制御装置CNTに出力され、制御装置CNTはAF検出系AF1,AF2の検出結果に基づいて、ステージ駆動装置DRVによりウエハステージWSTを駆動させ、投影光学系PLの結像面とウエハWの表面との位置関係を調整する。
なお、AF検出系AF1,AF2は、ウエハW上の表面位置等の計測に用いられるものであるが、本実施形態では、後に詳述するように、ウエハテーブルWTB上に設けられた撥水膜が施された部品(撥水プレートPT等)や計測用テーブルMTB上に設けられた撥水膜が施された部品(計測用プレートMPT等)の当該撥水膜の状態を検出するためにも用いられる。
次に、アライメントセンサALG及びAF検出系AF1,AF2の信号処理系を含む制御系の構成を、図4を参照して説明する。この制御系は、制御装置CNT、画像信号処理部81、フォーカス信号処理部82、メモリ83、ディスプレイ(表示装置)84、駆動制御部85等を備えて構成されている。アライメントセンサALG(CCD53,55,56)は画像信号処理部81に、AF検出系(受光素子71)はフォーカス信号処理部82にそれぞれ接続されている。
画像信号処理部81は、詳細図示は省略するが、増幅器、アナログ・ディジタル変換器(A/D変換器)、画像メモリ等を備えている。増幅器は所定のゲインでCCD53,55,56から出力される画像信号をそれぞれ増幅する。A/D変換器は、増幅器で増幅された画像信号に対してそれぞれサンプリング処理及び量子化処理を行って画像信号をディジタル化する。画像メモリは、A/D変換器でディジタル化された各画素に係る画素信号の集合としての画像情報を一時的に記憶する。なお、画像メモリに記憶された画像情報は、モニタ86により表示できるようになっている。画像メモリに記憶された画像情報は、制御装置CNTに送られる。
フォーカス信号処理部82は、詳細図示は省略するが、増幅器、アナログ・ディジタル変換器(A/D変換器)等を備えている。増幅器は所定のゲインで受光素子71から出力されるAF信号を増幅する。A/D変換器は、増幅器で増幅されたAF信号に対してサンプリング処理及び量子化処理を行ってAF信号をディジタル化する。ディジタル化されたAF信号は、制御装置CNTに送られる。
制御装置CNTは、アライメントセンサALGにより、ウエハW上のマークWMや計測用ステージMST上の基準マークを計測する際には、駆動制御部85を介してステージ駆動装置DRVを制御して、計測すべきマークWMをアライメントセンサALGの検出視野内に位置せしめ、画像信号処理部81から送られる画像情報(CCD53,55,56の走査線の各々を走査して得られた各画素に係る画素情報の集合)を、メモリ83に格納する。
制御装置CNTは、この画素情報を、計測方向(走査線の走査方向)に直交する非計測方向に積算し、一次元信号を求める。この一次元信号の全部又は一部を用いて、例えば折り返し自己相関処理、テンプレートマッチング処理又はエッジ位置計測処理等のマーク中心導出処理を行って、ウエハマークWMの指標マークIMに対する位置情報(ずれ量)を求める。制御装置CNTは、この位置情報とレーザ干渉系IFWの出力信号(ステージ座標)とに基づいて、ウエハマークWMの所定の座標系における位置情報を算出する。メモリ83には、制御装置CNTが制御処理を行うために必要な各種のデータ(情報)が予め記憶されているとともに、制御装置CNTが処理した結果等が適宜に記憶される。
制御装置CNTは、アライメントセンサALGにより、ウエハテーブルWTB又は計測用デーブルMTB上の部品の表面に施された撥水膜の性能の変化を計測する際には、駆動制御部85を介してステージ駆動装置DRVを制御して、当該部品の計測すべき部分をアライメントセンサALGの検出視野内に位置せしめ、画像信号処理部81から送られる画像情報(CCD53,55,56の走査線の各々を走査して得られた各画素に係る画素情報の集合)を、メモリ83に格納する。なお、当該部品上の計測すべき部分は、通常は、アライメントセンサALGの視野領域に対して大きいので、制御装置CNTは、駆動制御部85を介してステージ駆動装置DRVを制御して、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTをXY面内でステップ移動しつつ、いわゆる画面継ぎ方式で複数の画像情報を取り込む。
また、制御装置CNTは、AF検出系AF1,AF2により、ウエハWの表面のZ方向の位置ないし姿勢を検出して、自動フォーカス調整を行う際には、フォーカス信号処理部82から送られるAF信号(受光素子71からの信号)に基づいて、投影光学系PLの結像面にウエハWの表面が一致するように、駆動制御部85を介してステージ駆動装置DRVを制御して、テーブルWTB,MTBのZ方向の位置及び傾きを自動調整する。
制御装置CNTは、AF検出系AF1,AF2により、ウエハテーブルWTB又は計測用テーブルMTB上の部品の表面に施された撥水膜の性能の変化を計測する際には、駆動制御部85を介してステージ駆動装置DRVを制御して、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTをX又はY方向に連続的に移動させつつ、AF検出系AF1,AF2の受光素子71から送られるAF信号(Z方向の位置情報)を取り込み、メモリ83に格納する。これにより、部品表面(撥水膜)の凹凸を検出することができる。なお、このときのウエハステージWST又は計測用ステージMSTの移動経路は、当該部品上の検出すべき領域を網羅するように設定される。
次ぎに、アライメントセンサALGを用いて、ウエハテーブルWTB又は計測用テーブルMTB上の部品の表面に施された撥水膜の状態を検出する場合の処理を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
処理が開始されると、まず、基準時点(第1の時点)か否かが判断される(S10)。基準時点とは、撥水膜が施された部品がテーブルWTB、MTB上に設置されて最初に運転が開始された時点又はその後の適宜な時点である。S10で基準時点であると判断された場合(Yの場合)には、当該部品の一部がアライメントセンサALGの検出視野内に位置するようにウエハステージWST又は計測用ステージMSTを順次ステップ移動させつつ、いわゆる画面継ぎ方式で当該部品上の検出すべき領域を網羅するように、複数の画像情報を取り込む(S11)。その後、取り込んだ画像情報を基準データとしてメモリ83に書き込み(S12)、S13に進む。S10で基準時点でない(基準時点よりも後の時点である)と判断された場合(Nの場合)には、S11とS12をスキップしてS13に進む。
次いで、S13において、基準時点よりも後の所定の監視時点(第2の時点)であるか否かが判断される。監視時点は、露光装置の運用中に定期に若しくは不定期に繰り返し到来する適宜な時点であり、ここでは、1ヶ月に1回、定期的に到来するものとする。但し、監視時点は、ロット(同一処理を施す複数のウエハからなる処理単位)処理が終了した時点、あるいは同一処理に係る複数ロットがある場合に該複数のロット処理が終了した時点でもよい。また、ウエハの処理枚数若しくはロット数が予め決められた所定数に達した時点でもよい。さらに、各種センサのキャリブレーションが行われる時点、あるいは必要に応じてオペレータにより指定された時点でもよい。
S13において、監視時点であると判断された場合(Yの場合)には、当該部品の一部がアライメントセンサALGの検出視野内に位置するようにウエハステージWST又は計測用ステージMSTを順次ステップ移動させつつ、いわゆる画面継ぎ方式で当該部品上の検出すべき領域を網羅するように、複数の画像情報を取り込み(S14)、その画像情報を比較データとして保持するとともに、メモリ83から対応する基準データを読み出して(S15)、S16に進む。
S16では、S14で検出された比較データがS15で読み出された基準データ(S12で書き込まれた基準データ)と比較され、部品交換の必要性が判断される。ここでの判断は、両画像情報の各画素の信号強度(輝度値)を対応する画素毎に比較することにより差分情報を求め、該差分情報に係る差分が予め設定された所定の第1閾値未満であるか否かにより行う。S16で該第1閾値以上であると判断された場合(Nの場合)に、S17に進んで、直ちに部品交換が必要である旨を、オペレータに通知すべく表示する。この表示は、露光装置を収容する環境チャンバの側面に設けられた操作パネルのディスプレイ(表示装置)84に、交換すべき部品名を特定して行われる。この場合の第1閾値は、撥水膜の破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等との関係で、直ちに部品交換が必要であると、経験的にあるいは理論的に判断される値に設定される。
S16で第1閾値未満であると判断された場合(Yの場合)には、第1閾値よりも小さい値に予め設定された第2閾値未満であるか否かを判断し(S18)、第2閾値以上であると判断された場合(Nの場合)には、S19に進んで、近い将来に部品の交換の必要がある旨を、オペレータに通知すべく表示する。この表示は、露光装置を収容する環境チャンバの側面に設けられた操作パネルのディスプレイ(表示装置)84に、交換すべき部品名及び交換が必要な時期を特定して行われる。この場合の第2閾値は、撥水膜の破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等との関係で、近い将来に不良となる可能性があると、経験的にあるいは理論的に判断される値に設定される。
なお、撥水膜の破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等は、局所的に生じることが明らかであるから、比較データと基準データとの比較、即ち差分情報を求める際には、単純比較ではなく、両データの全体的な信号強度及び信号振幅に関してゲイン調整した後に行うことが望ましい。また、S17又はS19における表示とともに、あるいは表示に代えて、警告灯を点灯し、あるいは露光装置を集中管理する管理室のモニタに表示する等により行ってもよい。更に、第2閾値よりも小さい他の単一の又は複数の閾値を設定して、S18とS19と同様に判断及び表示を行うようにすれば、部品交換時期を更に詳細に且つ正確に表示することができる。なお、部品の交換作業は、ここでは、作業員が手作業で行うものとするが、例えば撥水プレートPTは自動交換するように構成でき、撥水膜の性能検出から部品交換に至る全ての作業を自動化してもよい。
S13で監視時点でないと判断された場合(Nの場合)又はS18で第2閾値未満であると判断された場合(Yの場合)若しくはS19の後には、ウエハWをウエハステージWST上に搬入して、マーク計測・露光処理が行われる(S20)。マーク計測処理では、ウエハW上の複数のウエハマークWMがアライメントセンサALGの視野内に位置するように順次移動しつつ、マーク計測(CCD53,55,56によるマークの検出及びレーザ干渉計IFWからの干渉計データの取り込み)がそれぞれ行われる。
次いで、各ウエハマークWMの計測情報に基づいて、EGA演算を行い、ウエハ全体のローテーション、直交度、X,Y方向のスケーリング(倍率誤差)、X,Y方向のオフセットで代表される線形誤差等を算出して配列座標系を求め、この算出結果に基づきウエハW上のショット領域の配列座標を算出する。その後、算出された配列座標に従ってウエハステージWSTを順次移動させて、ウエハW上の各ショット領域を正確にレチクルパターンの投影位置に重ね合わせつつ、露光処理を行う。露光処理が終了したならば、ウエハWをウエハステージWSTから搬出して、この処理を終了する。
本実施形態では、基準時点において撥水性能の検出に係る部品の表面を撮像して基準データを取得しておき、基準時点よりも後の監視時点において同様に撮像して比較データを取得し、これらの比較結果に基づいて撥水膜の状態を監視し、部品の交換が必要と判断される場合にはその旨を、近い将来に部品の交換が必要になると予想される場合にはその旨を表示するようにしている。これにより、撥水性が十分でない状態で露光処理を継続することがなくなり、あるいは交換時期を事前に知ることができるので、部品の発注等を事前に行うことができ、適宜な時期に当該部品の交換作業を適切に行うことができるようになる。従って、常に最適な撥水性を保った状態で露光処理を行うことができるようになり、液滴の残留が少なくなるので、各種の計測精度、ひいては露光精度を向上することができ、高性能、高品質、高信頼なマイクロデバイス等を安定的に製造することができるようになる。
また、ウエハW上のマーク等の検出のために必然的に設けられているアライメントセンサALGを併用的に用いて、部品表面を撮像することにより撥水膜の状態を検出するようにしたので、撥水膜の状態を検出するために、別途検出装置を設ける必要がなく、装置構成の複雑化を招くことが少ないとともに、コストの上昇も最小限に抑制することが可能である。
次ぎに、AF検出系AF1,AF2を用いて、ウエハテーブルWTB又は計測用テーブルMTB上の部品の表面に施された撥水膜の状態を検出する場合の処理を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
処理が開始されると、まず、基準時点(第1の時点)か否かが判断される(S20)。基準時点とは、撥水膜が施された部品がテーブルWTB、MTB上に設置されて最初に運転が開始された時点又はその後の適宜な時点である。S20で基準時点であると判断された場合(Yの場合)には、AF検出系AF1,AF2の検出光DLの照射位置が当該部品の所定の検出開始位置に設定されるように、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTを移動させる。
次いで、AF検出系からのAF信号の取り込みを開始するとともに、当該部品上の検出すべき領域を網羅するように予め決められた所定の経路に沿って、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTを連続移動させつつ、AF検出系AF1,AF2からのAF信号を取り込む(S21)。信号の取り込みが終了したならば、取り込んだAF信号を基準データとしてメモリ83に書き込み(S22)、S23に進む。S20で基準時点でない(基準時点よりも後の時点である)と判断された場合(Nの場合)には、S21とS22をスキップしてS23に進む。
次いで、S23において、基準時点よりも後の所定の監視時点(第2の時点)であるか否かが判断される。監視時点は、露光装置の運用中に定期に若しくは不定期に繰り返し到来する適宜な時点であり、ここでは、1ヶ月に1回、定期的に行うものとする。但し、監視時点は、ロット(同一処理を施す複数のウエハからなる処理単位)処理が終了した時点、あるいは同一処理に係る複数ロットがある場合に該複数のロット処理が終了した時点でもよい。また、ウエハの処理枚数若しくはロット数が予め決められた所定数に達した時点でもよい。さらに、各種センサのキャリブレーションが行われる時点、あるいは必要に応じてオペレータにより指定された時点でもよい。
S23において、監視時点であると判断された場合(Yの場合)には、AF検出系の検出光の照射位置が当該部品の所定の検出開始位置に設定されるように、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTを移動させる。次いで、AF検出系AF1,AF2からのAF信号の取り込みを開始するとともに、当該部品上の検出すべき領域を網羅するように予め決められた所定の経路に沿って、ウエハステージWST又は計測用ステージMSTを連続移動させつつ、AF検出系AF1,AF2からのAF信号を取り込み(S24)、取り込んだAF信号を比較データとして保持するとともに、メモリ83から対応する基準データを読み出して(S25)、S26に進む。
S26では、S24で検出された比較データがS25で読み出された基準データ(S22で書き込まれた基準データ)と比較され、部品交換の必要性が判断される。ここでの判断は、両検出信号の相対する部分を所定のサンプリングピッチで比較することにより差分情報を求め、該差分情報に係る差分が予め設定された所定の第1閾値未満であるか否かにより行う。S26で該第1閾値以上であると判断された場合(Nの場合)には、S27に進んで、直ちに部品交換が必要である旨を、オペレータに通知すべく表示する。この表示は、露光装置を収容する環境チャンバの側面に設けられた操作パネルのディスプレイ(表示装置)84に、交換すべき部品名を特定して行われる。この場合の第1閾値は、撥水膜の破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等との関係で、直ちに部品交換が必要であると、経験的にあるいは理論的に判断される値に設定される。
S26で第1閾値未満であると判断された場合(Yの場合)には、第1閾値よりも小さい値に予め設定された第2閾値未満であるか否かを判断し(S28)、第2閾値以上であると判断された場合(Nの場合)には、S29に進んで、近い将来に部品の交換の必要がある旨を、オペレータに通知すべく表示する。この表示は、露光装置を収容する環境チャンバの側面に設けられた操作パネルのディスプレイ(表示装置)84に、交換すべき部品名及び交換が必要な時期を特定して行われる。この場合の第2閾値は、撥水膜の破れ、捲れ、浮き上がり、薄膜化等との関係で、近い将来に不良となる可能性があると、経験的にあるいは理論的に判断される値に設定される。
なお、S27又はS29における表示とともに、あるいは表示に代えて、警告灯を点灯し、あるいは露光装置を集中管理する管理室のモニタに表示する等により行ってもよい。更に、第2閾値よりも小さい他の単一の又は複数の閾値を設定して、S28とS29と同様に判断及び表示を行うようにすれば、部品交換時期を更に詳細に且つ正確に表示することができる。
S23で監視時点でないと判断された場合(Nの場合)又はS28で第2閾値未満であると判断された場合(Yの場合)若しくはS29の実行の後には、ウエハWをウエハステージWST上に搬入して、図5のS20と同様に、マーク計測・露光処理が行われる(S30)。
本実施形態では、基準時点において撥水性能の検出に係る部品の表面の凹凸をAF検出系AF1,AF2により検出して基準データを取得しておき、基準時点よりも後の監視時点において同様に検出して比較データを取得し、これらの比較結果に基づいて撥水膜の状態を監視し、部品の交換が必要と判断される場合にはその旨を、近い将来に部品の交換が必要になると予想される場合にはその旨を表示するようにしている。これにより、撥水性が十分でない状態で露光処理を継続することがなくなり、あるいは交換時期を事前に知ることができるので、部品の発注等を事前に行うことができ、適宜な時期に当該部品の交換作業を適切に行うことができるようになる。従って、常に最適な撥水性を保った状態で露光処理を行うことができるようになり、液滴の残留が少なくなるので、各種の計測精度、ひいては露光精度を向上することができ、高性能、高品質、高信頼なマイクロデバイス等を安定的に製造することができるようになる。
また、ウエハWの表面位置を検出するために必然的に設けられているAF検出系AF1,AF2を併用的に用いて、部品表面の凹凸を検出することにより撥水膜の状態を検出するようにしたので、撥水膜の状態を検出するために、別途検出装置を設ける必要がなく、装置構成の複雑化を招くことが少ないとともに、コストの上昇も最小限に抑制することが可能である。
次ぎに、図7を参照して、複数の露光装置内の撥水膜が施された部品の撥水性の変化(劣化)を集中管理する場合について説明する。図7において、10は複数の露光装置が設置される処理工場を示しており、20は処理工場に設けられた露光装置の管理を行う管理センターを示している。処理工場10は、例えば半導体メーカーの工場であり、管理センター20は、例えば露光装置のメーカーの一つの部署内に設けられる。これらの処理工場10と管理センター20とはインターネット、専用回線、公衆回線等のネットワークNを介して接続されている。
処理工場10内には、複数の露光装置11、ホストコンピュータ12、保守管理サーバ13、端末装置14、及び接続装置15が設けられている。これらは、処理工場10内に敷設されたLAN(Local Area Network)等の内部ネットワークLN1に接続されている。ホストコンピュータ12は、複数の露光装置11の動作を一括して管理・制御する上位のコンピュータである。
保守管理サーバ13は、各露光装置11で採取された、撥水膜が施された部品の撥水性の状態を示すデータを内部ネットワークLN1を介して収集し、収集したデータを解析して各露光装置11の当該部品の撥水性能の時間変動を予測する。また、この予測結果から各露光装置11の当該部品の交換時期(メンテナンス日)を求める。
また、保守管理サーバ13には露光装置11に含まれる、撥水膜が施された部品を発注してから取り寄せまで(納品されるまで)に要する期間を示す部品納期データが格納されており、保守管理サーバ13は交換が必要となる部品の発注時期を部品納期データに基づいて算出する。ここで、算出される発注時期は少なくともメンテナンス日から部品を取り寄せるのに要する期間だけ遡った時期である。保守管理サーバ13は、メンテナンス日を示す情報を含む保守データを、算出した発注時期が到来した時点でネットワークNを介して管理センター20へ送信する。
保守データの送信は、例えば電子メールで行うことが好ましい。電子メールで保守データを送信するときは、保守データを何ら暗号化せずに平文のまま処理工場10外へ送信すると盗用又は改竄される虞があり、また露光装置11の性能等の情報が第三者に知られる可能性が考えられる。そこで、保守データを暗号化して電子メールにて送信することが好適である。ここで、暗号化方式は、暗号化と復号とを同一の鍵を用いて行う共通鍵方式と、暗号化と復号とをそれぞれ異なる鍵を用いて行う公開鍵暗号化方式とに大別されるが、秘密保持の観点からは公開鍵暗号化方式を用いることが好ましい。
端末装置14は、露光装置11のメンテナンスを行う作業員(サービスマン)によって操作され、例えば保守管理サーバ13に格納する各種データの入力等に用いられる。接続装置15は、処理工場10内に敷設された内部ネットワークLN1とネットワークNとを接続するための装置であり、例えばルータ等の装置である。尚、処理工場10内で取り扱われる露光装置11に関するデータが外部に漏洩することを防止するために、接続装置15はファイヤーウォール機能を有することが望ましい。
次に、管理センター20内には、管理サーバ21、複数の端末装置22、及び接続装置23が設けられている。これらは、管理センター20内に敷設されたLAN等の内部ネットワークLN2に接続されている。管理サーバ21は、処理工場10からネットワークNを介して送られてきた保守データに基づいて部品の在庫の有無を判断し、在庫が無い場合には部品の発注を行う。また、管理サーバ21には露光装置11のメンテナンスを行うサービスマンのスキル及び作業可能日を示すサービスマンデータが格納されており、送られてきた保守データに基づいて、サービスマンの割り当て(スケジューリング)を行う。
端末装置22は、管理センター20の作業者によって操作され、例えば管理サーバ21に格納する各種データの入力、更新、確認等の作業を行うために用いられる。接続装置23は、管理センター20内に敷設された内部ネットワークLN2とネットワークNとを接続するための装置であり、例えばルータ等の装置である。尚、処理工場10に設けられた接続装置15と同様に、管理センター20内で取り扱われる各種のデータが外部に漏洩することを防止するために、接続装置23はファイヤーウォール機能を有することが望ましい。
次に、本発明の実施形態の露光装置を使用したデバイスの製造について説明する。図8は、本発明の実施形態に係る露光装置を用いたデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の生産のフローチャートである。図8に示されるように、まず、ステップS40(設計ステップ)において、デバイスの機能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS41(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップS42(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS43(ウエハプロセスステップ)において、ステップS40〜ステップS42で用意したマスクとウエハを使用して、上述した露光装置を用いた露光処理、現像処理、エッチング処理等を行って、ウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS44(組立ステップ)において、ステップS43において処理されたウエハを用いてチップ化する。このステップS44には、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程が含まれる。最後に、ステップS45(検査ステップ)において、ステップS45で作製されたデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
上述した実施形態では、撥水性を検出する対象部品として、撥水プレートPTや各種計測用のプレートMTPを例として説明したが、ステージWST,MST上に設けられる撥水膜が施されたあらゆる部品について撥水性を検出することができる。例えば、液浸露光処理に用いられるウエハ表面にも撥水膜が設けられる場合があり、当該ウエハを前記部品として、その撥水膜の状態を上述したアライメントセンサALG又はAF検出系AF1,AF2で検出するようにしてもよい。この場合には、ウエハに施された撥水膜が適正な状態であるかどうかを検出することになり、不適正である場合には、当該ウエハをリジェクト、即ち露光処理の対象から除外する。
また、上述したアライメントセンサ又はAF検出系を用いて、撥水膜の状態を検出することに加えて、上述した特許文献2に開示されているような液滴の形状(接触角)から撥水膜の状態を求めるものを併用することにより、検出の信頼性を向上することができる。更に、このような液滴の形状によるもの以外に、静電テスター、その他の専用の検出装置を設けて、撥水膜の帯電状態、反射・透過率、屈折・吸収率等を検出して、これらの変化から撥水膜の状態を予測するようにしてもよい。
上述した実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式の液浸露光装置に本発明を適用した場合について説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の液浸露光装置にも適用することができる。また、半導体素子のみならず、液晶表示素子、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップ等の製造にも用いられる露光装置、並びにレチクル又はマスクを製造するための露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。本実施形態の露光装置の光源としては、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fレーザ(波長157nm)のみならず、X線や電子線などの荷電粒子線を用いることもできる。例えば、電子線を用いる場合には電子銃として、熱電子放射型のランタンヘキサボライト(LaB)、タンタル(Ta)を用いることができる。
本発明の実施形態の露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態のアライメントセンサの構成を示す図である。 本発明の実施形態のAF検出系(フォーカスセンサ)の構成を示す図である。 本発明の実施形態の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のアライメントセンサを用いて撥水膜の状態を検出する場合のフローチャートである。 本発明の実施形態のAF検出系を用いて撥水膜の状態を検出する場合のフローチャートである。 本発明の実施形態の撥水膜に関する情報を集中管理する場合の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態のデバイス製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
CNT…制御装置、W…ウエハ、ALG…アライメントセンサ、53,55,56…CCD、AF1,AF2…AF検出系、71…受光素子、84…ディスプレイ

Claims (13)

  1. 投影光学系と液体とを介して基板上にパターンの像を投影露光する露光装置であって、
    前記投影光学系の光軸を横切る面内で移動するステージ装置に設けられ、表面に撥液膜を有する部品と、
    前記基板上の少なくとも一部の領域の位置及び姿勢のうちの少なくとも一方を光学的に検出する基板検出装置と、
    を備え、
    前記基板検出装置は、前記撥液膜の状態を光学的に検出することを特徴とする露光装置。
  2. 前記基板検出装置は、前記撥液膜を撮像する撮像装置と、前記撮像装置による撮像結果を画像処理する処理装置とを有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記基板検出装置は、前記基板上に形成されたマークの位置を検出するためのアライメントセンサを備え、
    前記撮像装置は、前記アライメントセンサが有する撮像装置であることを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記基板検出装置は、前記投影光学系の光軸に沿う方向における前記基板の前記少なくとも一部の領域の位置、及び前記投影光学系の光軸に対する前記基板の傾きのうちの少なくとも一方を計測するためのフォーカスセンサを備え、
    前記フォーカスセンサは、前記撥液膜の表面の凹凸を計測することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  5. 前記基板検出装置による検出結果に基づいて、前記部品の交換時期を判断する判断装置を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の露光装置。
  6. 所定の第1の時点における前記基板検出装置による第1検出結果を記憶する第1記憶装置と、
    前記第1の時点よりも後の第2の時点における前記基板検出装置による第2検出結果を記憶する第2記憶装置とを更に備え、
    前記判断装置は、前記第1記憶装置に記憶された前記第1検出結果と前記第2記憶装置に記憶された前記第2検出結果との差分情報に基づいて、前記部品の交換時期を判断することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
  7. 前記部品の交換時期に関する情報を前記露光装置外へ出力する出力装置を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の露光装置。
  8. 前記部品の交換時期に関する情報を表示する表示装置を更に備えることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の露光装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の露光装置を用いて露光パターンを感光基板に露光形成する露光工程と、
    前記露光工程により露光形成された前記感光基板を現像する現像工程とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。
  10. 投影光学系と液体とを介して基板上にパターンの像を投影露光する露光装置内に設けられる、表面に撥液膜を有する部品の交換時期を検出する方法であって、
    所定の第1の時点における前記撥液膜の状態を検出する第1検出工程と、
    前記第1の時点よりも後の第2の時点における前記撥液膜の状態を検出する第2検出工程と、
    前記第1検出工程による検出結果と前記第2検出工程による検出結果との差分情報に基づいて、前記部品の交換時期を判断する判断工程と
    を備えることを特徴とする検出方法。
  11. 前記部品の交換時期に関する情報を前記露光装置外へ出力する出力工程を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の検出方法。
  12. 前記部品の交換時期に関する情報を表示する表示工程を更に備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の検出方法。
  13. 請求項10〜12の何れか一項に記載の検出方法による結果に基づいて、前記露光装置内の前記部品を交換する交換工程を含むことを特徴とする露光装置保守方法。
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