JP2007213919A - 固体高分子形燃料電池用電極触媒およびその電極触媒を備えた固体高分子形燃料電池 - Google Patents

固体高分子形燃料電池用電極触媒およびその電極触媒を備えた固体高分子形燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】ULPLCを用い、分極特性に優れ、触媒金属の利用率および耐久性が高い触媒層を製作することのできる電極触媒を提供する。
【解決手段】触媒金属、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維を含む固体高分子形燃料電池用電極触媒において、前記触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられることを特徴とする。また、この触媒を固体高分子形燃料電池に用いることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池用電極触媒およびその電極触媒を備えた固体高分子形燃料電池に関するものである。
固体高分子形燃料電池(PEFC)の単セルは、膜/電極接合体を一対のガスフロープレートで挟持した構造である。その膜/電極接合体は、陽イオン交換膜の一方の面にアノ−ドを、もう一方の面にカソ−ドを接合したものでる。そのガスフロープレートにはガス流路が加工されており、たとえば、アノ−ドに燃料として水素、カソ−ドに酸化剤として酸素を供給することによって、電力が得られる。そのアノ−ドおよびカソ−ドでは、つぎのような電気化学反応が進行する。
アノ−ド:2H→4H+4e・・・・・・・・・(1)
カソ−ド:O+4H+4e→2HO・・・・・・(2)
上述の電気化学反応は、水素あるいは酸素とプロトン(H)とが伝達される領域と、触媒との界面(以下、この界面を反応界面と呼ぶことにする)で進行する。その触媒は、電子伝導性の部材に接触しているので、電子(e)はその部材を通って集電される。
従来のPEFCの電極触媒には、触媒金属が担持されたカーボン粒子や、最近では、特許文献1で開示されているように、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン粒子の表面との接面に主として担持されているものなどがある。
特許文献1で開示された、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素質材料の表面との接面に主として担持されている電極触媒(Ultra−Low Platinum Loading Carbon poeder、以下「ULPLC」とよぶ)は触媒金属の利用率が高いので、触媒金属の使用量削減によるコスト低減に効果がある。
このULPLCを備えたPEFCは、その触媒層のガス拡散性が低いので、その分極特性および耐久性能が劣るという欠点があった。そのため、触媒層のガス拡散性を向上できる電極触媒の開発が強く望まれていた。
触媒層のガス拡散性を向上する方法として、例えば特許文献2で開示されている、触媒層を作製するときに造孔剤を混入することによって空孔を形成する手法、例えば特許文献3や特許文献4で開示されている、カーボン繊維を触媒金属の担体として使用する手法などが提案されている。
特許文献5および特許文献6には、上記ULPLCを用い、炭素繊維を含むPEFC用電極が開示されている。特許文献5では、2層構造のPEFC用電極において、第1層が(陽イオン交換樹脂+第1のカーボン+触媒金属)、第2層が(第2のカーボン+フッ素樹脂)で構成され、第2層に含まれる「第2のカーボン」としてカーボン繊維を用いている。また、特許文献6では、3層構造のPEFC用電極において、第1層が(陽イオン交換樹脂+第1のカーボン+触媒金属)、第2層が(第2のカーボン+フッ素樹脂)であり、第1層と第2層との間に(陽イオン交換樹脂+第1のカーボン+触媒金属+第2のカーボン+フッ素樹脂)からなる第3層を備え、「第2のカーボン」としてカーボン繊維を用いている。ただし、特許文献5および特許文献6で開示されたULPLCを用いたPEFC用電極では、触媒金属は第1のカーボンの表面にのみ担持され、カーボン繊維には担持されていない。
特開2003−257439号公報 特開平6−203852号公報 特開平8−17440号公報 特開2004−362875号公報 特開2005−174786号公報 特開2005−174865号公報
しかしながら、特許文献2で開示された造孔剤を使用する手法では、造孔剤が完全に除去されない可能性があり、触媒層に造孔剤が残存することによって、陽イオン交換樹脂の劣化を引き起こす可能性が高い。
また、特許文献3や特許文献4では、カーボン繊維を触媒金属の担体として使用する方法が開示されているが、これらはいずれもULPLCに適用したものではなく、カーボン繊維がULPLCの触媒担体として使用可能かどうかは不明であった。
さらに、特許文献5および特許文献6で開示されたULPLCを用いたPEFC用電極では、触媒金属はカーボン繊維には担持されていなかった。
本発明の目的は、ULPLCを用い、分極特性に優れ、触媒金属の利用率および耐久性が高い触媒層を製作することのできる電極触媒を提供することにある。
請求項1の発明は、触媒金属、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維を含む固体高分子形燃料電池用電極触媒において、前記触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられることを特徴とする。
請求項2の発明は、固体高分子形燃料電池において、上記の固体高分子形燃料電池用電極触媒を備えたことを特徴とする。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極触媒では、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられているため、触媒金属の利用率が高く、また、従来のカーボン粒子を用いたULPLCと比較して、触媒層内の空孔が増大するので、触媒層内でのガス拡散性が向上する。つまり、触媒層のガス拡散性と触媒金属の利用率とが高くなる。その結果、本発明の触媒層を備えたPEFCの分極特性および耐久性能は向上するものである。
本発明の固体高分子形燃料電池用電極触媒は、触媒金属、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維を含み、その触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられたことを特徴とするものである。なお「触媒金属を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えた」とは、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に位置する触媒金属量の、触媒電極に含まれる触媒量に対する割合が80質量%以上であることを意味する。さらに、コストの観点より、その割合は90質量%以上であることが好ましい。
本発明の触媒担持粉末では、触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられているが、このことは、文献(M.Kohmoto et.al.,GS Yuasa Technical Report,1,48(2004))に記載のように、固体高分子形燃料電池用電極における、触媒である白金の電気化学的活性表面積の経時変化や質量活性の比較から明らかになる。
白金の電気化学的活性表面積の経時変化については、従来の電極では、白金の溶解・析出反応による凝集によって、白金の電気化学的活性表面積は減少するが、本発明の触媒担持粉末を用いた電極では凝集がほとんど起こらない。
固体高分子形燃料電池を低電流密度で運転させる場合には、全ての白金が電気化学反応に使われるが、高電流密度で運転させる場合には、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路に存在する白金のみが電気化学反応に使われ、疎水性骨格部分に存在する白金は電気化学反応には関与しなくなる。
また、本発明の触媒担持粉末を用いた電極の従来の電極に対する質量活性比は、燃料電池の運転時においては、0.70Vよりも高電圧領域ではほぼ1であり、0.60Vでは2.7となる。一方、陽イオン交換樹脂においては、ポリマー部分に占めるプロトン伝導経路の体積比は約2.5である。このことから、従来の電極では、0.70Vよりも高電圧領域では、陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路の白金も疎水性骨格部分の白金も活性であるが、0.60Vでは陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路の白金のみが活性であることが明らかになる。
なお、質量活性とは、ある電圧における電流密度を、単位面積あたりの触媒金属担持量で除したものである。
本発明の電極触媒を用いた固体高分子形燃料電池用電極では、触媒金属は、反応に関与するプロトン、水、水素および酸素が主に移動できるプロトン伝導経路経路とカーボン繊維の表面との接面に主として担持されている。
この接面は、電子とプロトンとの授受を同時におこなうことのできる場所であるので、この接面に担持された触媒金属は電極反応に関与する。したがって、プロトン伝導経路経路とカーボン繊維の表面との接面に担持された触媒金属の割合を高めることによって、触媒金属の利用率は著しく高くなり、触媒金属の使用量を低減することができる。
なお、代表的な陽イオン交換樹脂のNafionにおけるプロトン伝導経路の占める割合はクラスターネットワークモデルから算出するとわずかに27体積%であり、あらかじめ触媒金属を担持したカーボンとその樹脂とを混合するのみでは、最大で27質量%しかその接面に担持されない。
触媒金属を陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に選択的に担持する方法は、例えばつぎのような方法がある。まず、陽イオン交換樹脂とカーボン繊維と溶媒との混合物を調製したのちに、その混合物を噴霧乾燥などによって陽イオン交換樹脂とカーボン繊維とを含む混合粉末を得る。つぎに、その混合粉末を[Pt(NH2+などの触媒金属の陽イオンを含む水溶液中に浸漬することなどによって、粉末中の陽イオン交換樹脂の固定イオンに、その陽イオンを吸着させる。さらに、その吸着した陽イオンを、水素ガスなどの還元剤を用いて化学的に還元する。
本発明の電極触媒に使用するカーボン繊維の径は10nm以上500nm以下の範囲であり、その長さは1μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。繊維径が10nm以下の場合、カーボン繊維同士の接触が多くなりすぎるので、触媒層内に十分な空孔が形成されない。さらに、その繊維径が500nm以上になるとカーボン繊維の単位体積あたりの触媒金属の担持量が減少するので、触媒層の体積が増大する。
また、繊維長が1μm以下の場合、カーボン繊維が短いので、触媒層の電子移動抵抗が大きくなる。さらに、その長さが100μm以上の場合、カーボン繊維が触媒層に対して平行に配置されやすくなるので、触媒層の電子移動抵抗が大きくなる。
すなわち、上述したサイズの範囲にあるカーボン繊維を用いることによって、この電極触媒を備えた触媒層中に十分な空孔が形成されるので、良好なガス拡散性を得ることができることに加えて、触媒層の電子移動抵抗を低減することができる。
本発明の電極触媒に用いるカーボン繊維としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーンおよびカーボンナノコイルなどが好ましい。これらのカーボン繊維は、ピッチやポリアクリロニトリルなどを熱処理して製造する従来のカーボン繊維と比べてカーボンの結晶性が高いので、酸化されにくい。そのため、カーボンの腐食によって触媒金属が脱落するなどの劣化を抑制することができる。これらのカーボン繊維は、触媒化学気相成長法(CVD法)などによって製造される。
本発明の電極触媒に使用する陽イオン交換樹脂としては、高いプロトン伝導性をもつので、パーフルオロカーボンスルホン酸形、スチレン−ジビニルベンゼン系のスルホン酸形陽イオン交換樹脂またはイオン交換基としてカルボキシル基を備えた陽イオン交換樹脂などが好ましい。
本発明の電極触媒に含まれる陽イオン交換樹脂の量は、炭素質材料に対して20質量%以上、150質量%以下であることが好ましい。陽イオン交換樹脂の量がこの範囲にあるとき、この電極触媒を用いた触媒層の電子伝導性とプロトン伝導性とを高いレベルで保持できる。
本発明の電極触媒に用いる触媒金属としては、電気化学的な酸素の還元反応、水素の酸化反応に対する触媒活性が高いので、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、オスミウムなどの白金族金属が好ましい。とくに白金とルテニウムとを含む合金は、高い耐CO被毒性が期待できるのでアノードの触媒として好ましい。さらに、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀またはタングステンとからなる群より選ばれた少なくとも一つの元素と白金族金属とを含む合金を触媒金属に用いることによって、白金族金属使用量の低減、耐CO被毒性の向上および酸素の還元反応に対する高い活性が期待できる。
本発明の電極触媒において、触媒金属、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維の他にフッ素原子を含む高分子材料を含んでいてもよい。そのカーボン繊維に対するフッ素原子を含む高分子材料の割合は、10質量%以上、120質量%以下とすることが好ましい。
本発明の電極触媒に使用できるフッ素原子を含む高分子材料には、陽イオン交換樹脂などのイオン交換基をもつポリマーは含まれないものとする。
ここで用いるフッ素原子を含む高分子材料には、陽イオン交換樹脂などのイオン交換基をもつポリマーは含まれない。その具体例としては、高い耐久性と撥水性とをもつことから、FEP(Tetrafluoroethylene hexafluoropropylene copolymer)、PVdF(Poly vinylidene fluoride)およびPTFE(Poly tetrafluoroethylene)などが好ましい。
本発明の電極触媒にフッ素原子を含む高分子材料を添加する方法としては、たとえば、陽イオン交換樹脂、カーボン繊維、フッ素原子を含む高分子材料および溶媒を含む混合物を製作し、さらにその混合物を噴霧乾燥などによって陽イオン交換樹脂、カーボン繊維およびフッ素原子を含む高分子材料を含む混合粉末を調製したのちに、その陽イオン交換樹脂の固定イオンに触媒金属を含む陽イオンを吸着し、その吸着した陽イオンを化学的に還元する方法などがある。
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明する。
[実施例1]
白金、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維を含む電極触媒を調製した。まず、カーボン繊維(平均直径150nm、平均長15μm)15g、陽イオン交換樹脂溶液(Nafion、5質量%溶液)300gおよびエタノール400gを含む混合物を調製したのちに、この混合物を噴霧乾燥することによって陽イオン交換樹脂とカーボン繊維とを含む混合粉末を作製した。
つぎに、この混合粉末を[Pt(NH]Cl水溶液(50mmol/l溶液)に含浸して[Pt(NH2+を陽イオン交換樹脂のクラスター部分に吸着した。さらに、この吸着した混合粉末を洗浄、乾燥し、水素雰囲気下150℃で還元することによって、実施例1の電極触媒を製作した。この電極触媒に含まれる白金量は、電極触媒に対して2.15質量%であった。この白金量は電極触媒の白金を王水で抽出したのちに、その王水中の白金量をICP発光分析で定量することによって求めた値である。
実施例1の電極触媒を含む触媒層をつぎの方法で製作した。まず、実施例1の電極触媒を5g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)45gとを含む混合物を調製し、この混合物をチタンシート上に塗布したのちに乾燥することによって、触媒層をチタンシート上に形成した。つづいて、この触媒層を一辺5cmの正方形に裁断して触媒層とした。なお、混合物を塗布する際に、塗布の厚さを調整することによって、この触媒層に含まれる白金量を0.060mg/cmとした。
さらに、固体高分子形燃料電池用膜/電極接合体および固体高分子形燃料電池をつぎの方法で製作した。まず、得られた触媒層と陽イオン交換膜(Nafion、厚さ約50μm)とを17.1MPa、50℃でホットプレスすることによって、陽イオン交換膜の両面に転写し、チタンシートを剥がし取り、膜/電極接合体を製造した。つぎに、この膜/電極接合体を硫酸水溶液(0.5mol/l)および水で洗浄した。さらに、この接合体の両面に撥水性を付与した導電性多孔質体のカーボンペーパー(厚さ約200μm、空孔率78%)を配したのちに一対のガスフロープレートで挟持し、最後に、一対の集電板で挟持することによって、実施例1の固体高分子形燃料電池を作製した。
[比較例1]
カーボン繊維の代わりにカーボン粒子(平均直径30nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の電極触媒を調製した。そして実施例1と同様にして、比較例1の固体高分子形燃料電池を作製した。
[比較例2]
比較例2の電極触媒をつぎの方法で製作した。まず、カーボン繊維(平均直径150nm、平均長15μm)を[HPtCl]・6HO水溶液(50mmol/l溶液)に含浸して[HPtCl]を吸着した。つぎに、水素雰囲気下150℃で還元することによって、比較例2の電極触媒を製作した。この電極触媒に含まれる白金量は、電極触媒に対して15.2質量%であった。
比較例2の電極触媒を含む触媒層をつぎの方法で製作した。まず、比較例2の電極触媒5gと、陽イオン交換樹脂溶液(Nafion、5質量%溶液)85gとを含む混合物を調製し、この混合物をチタンシート上に塗布した後に乾燥して、触媒層をチタンシート上に形成した。その混合物は、カーボン繊維つづいて、この触媒層を一辺5cmの正方形に裁断して触媒層とした。なお、混合物の塗布の厚さを調整することによって、この触媒層に含まれる白金量を0.150mg/cmとした。そして、実施例1と同様にして、比較例2の固体高分子形燃料電池を作製した。
実施例1、比較例1および比較例2の固体高分子形燃料電池の分極特性評価を、セル温度が70℃、アノードガスが空気、アノード利用率80%、アノード加湿温度が70℃、カソードガスが空気、カソード利用率が40%、カソード加湿温度が70℃の条件でおこなった。各固体高分子形燃料電池の、電流―電圧特性を図1に示す。図1において、記号〇は実施例1の、記号△は比較例1の、記号□は比較例2の、電流―電圧特性を示す。
図1から、低電流密度領域において、実施例1の燃料電池のセル電圧は、比較例1の場合とほぼ同等であることがわかる。これは、本発明の電極触媒を備えた触媒層が比較例1のものと同等の活性を有していることを示している。すなわち、触媒金属である白金が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に担持されているので、その白金の利用率が極めて高いことを意味する。
そして、高電流密度領域において、実施例1のセル電圧は、比較例1の場合に比べて高いことがわかる。これは、本発明の電極触媒を備えた触媒層のガス拡散性が比較例1の場合に比べて向上したので、その触媒層を備えた燃料電池の拡散分極が低減したことを意味している。
さらに、図1から、実施例1の燃料電池は、比較例2の場合に比べて少ない白金担持量であるにもかかわらず、セル電圧が高いことがわかる。これは、先に述べたとおり、触媒金属である白金が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路と炭素質材料の表面との接面に担持されていることよって、白金の利用率が向上していることを示している。
実施例1および比較例1の固体高分子形燃料電池の耐久性能を評価するために、セル温度が70℃、アノードガスが空気、アノード利用率80%、アノード加湿温度が70℃、カソードガスが空気、カソード利用率が40%、カソード加湿温度が70℃、電流密度が600mA/cmの条件で2000時間の連続運転試験をおこなった。実施例1および比較例1の固体高分子形燃料電池の、運転前後のセル電圧の低下量を表1に示す。
Figure 2007213919
表1から、実施例1の燃料電池のセル電圧の低下量は、比較例1の場合と比べて少ないことがわかる。このことは、実施例1の燃料電池では、比較例1の場合と比べて触媒層のガス拡散性が高いので、電流密度の分布が均一になる結果、電流集中に起因する電圧低下が少なくなることを意味する。
以上のことから、本発明の電極触媒を備えた触媒層が、高い白金の利用率と、優れたガス拡散性とを示すことと、その触媒層を備えるPEFCの分極特性と耐久性能とが向上することとが明らかになった。
実施例1、比較例1および比較例2の固体高分子形燃料電池の電流―電圧特性を示す図。

Claims (2)

  1. 触媒金属、陽イオン交換樹脂およびカーボン繊維を含む固体高分子形燃料電池用電極触媒において、前記触媒金属が陽イオン交換樹脂のプロトン伝導経路とカーボン繊維の表面との接面に主として備えられることを特徴とする固体高分子形燃料電池用電極触媒。
  2. 請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用電極触媒を備えたことを特徴とする固体高分子形燃料電池。
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