JP2007213126A - 個人照合装置及び個人照合方法 - Google Patents

個人照合装置及び個人照合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】個人から取得した生体情報を登録された生体情報と照合することにより個人の認証を行う個人照合装置、及び個人照合方法において、照合判定の精度を向上し、十分に高い本人許容率と十分に高い他人拒否率とを保持する。
【解決手段】過去の照合判定の履歴を照合情報として保持し、この照合情報に基づき、照合判定の都度、判定の基準となる判定閾値を決定し、照合情報を更新していくことで、それぞれの生体情報に適した判定閾値を設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、個人から取得した生体情報を登録された生体情報と照合することにより個人の認証を行う個人照合装置、及び個人照合方法に関する。
近年、高度情報化社会の進展に伴い、特定の権限を有する個人のみに、セキュリティを重視する施設への入退室や、情報システムへのログインなどの許可を行うために、暗証番号やパスワードなどによる本人認証が広く用いられている。
しかしながら、暗証番号やパスワードには、漏れたり盗まれたりする危険性がある。一旦、暗証番号やパスワードを知られてしまえば、誰でも特定の個人になりすますことができてしまう。
一方では、それらに比べ、原理的に極めてなりすましにくい指紋や顔、虹彩、掌形などの個人特有の生体情報(バイオメトリクス)をもとに本人認証をする個人認証技術のニーズも高まりつつある。
しかし、生体情報に基づいて個人を認証する認証技術では、用いる生体情報により認証の性能に一長一短があり、何を選ぶかは、コストと安全性、利便性、社会的な受容性などさまざまな角度から選択する必要がある。
一般的に、社会的な受容性が高い生体情報を用いる認証技術では、社会的な受容性が低い生体情報を用いる認証技術に比べて、快適性では勝っているもの認識性能において劣っている。認識性能に劣るということは、本人と他人とを十分に精度よく識別できないということである。このことが生体情報を個人認証システムへ適用するための障害となってきた。
例えば、社会的な受容性が高い顔画像認識を用いて高度なセキュリティを実現するためには、本人を本人と認証する率(本人許容率)を高くすることと、本人以外の人物を拒絶する率(他人拒否率)が十分な高さを維持することとを両立させる手法を考案する必要がある。
現在の一般的な認証技術では、被験者の画像と登録されているデータを所定の特徴空間で比較照合して類似度を求め、その類似度が所定の閾値以内であるか否かで被験者が登録データの人物であるかどうかを判定することが一般的である。
しかし、判定の基準となる閾値を固定して考えた場合、閾値を低く設定すれば他人を拒絶する確率は高くなるが、同時に本人が拒絶される確率も高くなる。一方、閾値を高く設定すれば、本人許容率は高くできても、他人もまた許容しやすくなる。
これに対して、他人拒否率を優先させ、本人が拒否される事態が生じた際には、一定の条件下でIDやパスワードなどの他の手法を用いた再認証が可能な技術が提案された(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、被験者である個人が本人認証で否認された場合、前回までの認証率が所定の閾値を超える場合には、IDカードを用いて認証を行うことができるシステムが提示されている。これにより他人拒否率を十分な高さに維持し、かつ本人許容率が下がって否認されるケースが生じても、補償することができる。
しかしながら、本人許容率と他人拒否率を両立させる本質的な対策とはなっていない。本人許容率と他人拒否率の実際的な値は、判定の基準となる閾値によって変化するものであり、これを調整する必要がある。しかし最適な状態は各個人の生体情報毎に異なるものであり、本来それに合わせて個々に調整されることが望ましい。
これに対して、個人毎に、あるいはグループ毎に判定の基準となる閾値を設定する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2では、個人毎に、あるいはグループ毎に定められた判定の閾値を使用することで、十分な本人許容率を確保している。これにより、個人毎に、すなわち生体情報毎に適切な閾値が異なる点に対応することができる。
しかしながらこの場合も、定められた閾値は、使用者の権限により範囲設定されたもので、最適が保証されているものではない。
これに対して、本人許容率と他人拒否率が両立しにくいケース、すなわち、類似度の高い他人の存在を想定し、その類似度の高い個人との照合の場合、認識条件を変化させるという技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3では、1対Nの認証を考慮している。誤って認識される可能性の高い、すなわち類似度の高い人物を特定し、その他人に対し、本人を表している類似度が最も離れるようにデータを取得し直していく。これにより、他人との混同が生じにくくなる。
しかしながら、データを取り直していけば必ず類似度の高い特定の人物から離れるとは限らない。データを替えるのであれば、他人から離れているかどうかよりも、最も平均的に本人の特徴を表しているかどうかが本来問われるべきであろう。
特開2000−200213号公報 特開2004−252819号公報 特開2005−182184号公報
上述したように、特許文献1の技術は、認証率を考慮して、生体情報以外のID等による再認証を行うことができるが、本人許容率や他人拒否率などの照合判定に対する精度には影響を与えることができない。
特許文献2の技術は、個人あるいはグループの生体情報毎に判定の閾値を設定することにより、十分な本人許容率を保持することができるが、使用者が閾値設定するので、他人拒否率も含めて、最適化されているとは必ずしもいえない。
特許文献3の技術は、類似度の高い、すなわち本人許容率と他人拒否率の両立しにくい他人の存在に対して、本人のデータを取得し直して交替させることで、類似度を低くし、混同させにくくするものの、データを取り直していけば必ず類似度の高い人物から離れるとは限らない。
本発明は、上記の課題を解決し、生体情報を用いる個人照合における照合判定の精度を向上し、十分に高い本人許容率と十分に高い他人拒否率とを保持することのできる個人照合装置、及び個人照合方法を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. 個人照合の対象である個人から、第1の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、第2の生体情報と、前記第2の生体情報に対する過去の照合結果の累積を表す照合情報とが記録されている記憶手段と、前記記憶手段から、前記第2の生体情報とその照合情報とを取得する第2の生体情報取得手段と、前記照合情報に基づき照合判定に用いる判定閾値を決定する判定閾値決定手段と、前記第1の生体情報取得手段により取得された前記第1の生体情報と、前記第2の生体情報取得手段により取得された前記第2の生体情報との類似度を、前記判定閾値決定手段により決定された前記判定閾値と比較することにより、照合判定を行う照合判定手段と、前記照合判定手段による照合判定結果に基づき、前記記憶手段の前記第2の生体情報に対応する照合情報を更新する照合情報登録更新手段と、を有することを特徴とする個人照合装置。
2. 前記判定閾値決定手段は、前記第2の生体情報取得手段により前記記憶手段から取得された照合情報に基づいて、前記照合判定手段による照合判定が実施される前に、前記判定閾値を決定する、ことを特徴とする1に記載の個人照合装置。
3. 前記判定閾値決定手段は、前記照合判定手段による照合判定が実施された後に、その照合判定結果に基づき更新された照合情報に基づいて、次回の照合判定時に用いるべき前記判定閾値を決定する、ことを特徴とする1に記載の個人照合装置。
4. 前記記憶手段は、前記第2の生体情報に対する過去の照合試行回数、照合成功回数または失敗回数、及び判定閾値の履歴を表す情報、またはそれらと互いに変換可能な情報が、前記照合情報として、前記第2の生体情報に関連付けて記録されている、ことを特徴とする1乃至3の何れか1項に記載の個人照合装置。
5. 前記判定閾値決定手段は、前記照合情報に基づく過去の照合の認証率に応じて判定閾値を修正する、ことを特徴とする4に記載の個人照合装置。
6. 前記判定閾値決定手段は、前記照合情報に基づく過去の判定閾値の履歴に応じて、判定閾値の修正を行うかどうかを決定する、ことを特徴とする4または5に記載の個人照合装置。
7. 前記記憶手段は、特定の個人に対応する前記第2の生体情報が複数登録されており、前記照合判定手段は、前記第1の生体情報に対して、対応する複数の前記第2の生体情報を用いて照合判定を行う、ことを特徴とする1乃至6の何れか1項に記載の個人照合装置。
8. 前記判定閾値決定手段は、複数の前記第2の生体情報のうち、適切な閾値を決定できない場合があれば、その第2の生体情報を前記記憶手段から削除することを決定する、ことを特徴とする7に記載の個人照合装置。
9. 前記記憶手段には、照合判定に用いる前記第2の生体情報以外に、第2の生体情報候補が記録されており、前記判定閾値決定手段により、削除が決定された前記第2の生体情報がある場合は、当該第2の生体情報を前記記憶手段から削除するとともに、前記第2の生体情報候補を照合判定に用いる第2の生体情報として登録する生体情報登録更新手段を有する、ことを特徴とする8に記載の個人照合装置。
10. 前記照合判定に用いる前記第1の生体情報及び前記第2の生体情報は、顔画像に基づくものである、ことを特徴とする1乃至9の何れか1項に記載の個人照合装置。
11. 個人照合の対象である個人から、第1の生体情報を取得する第1の生体情報取得工程と、第2の生体情報と、前記第2の生体情報に対する過去の照合結果の累積を表す照合情報とが記録されている記憶手段から、前記第2の生体情報とその照合情報とを取得する第2の生体情報取得工程と、前記照合情報に基づき照合判定に用いる判定閾値を決定する判定閾値決定工程と、前記第1の生体情報取得工程において取得された前記第1の生体情報と、前記第2の生体情報取得工程において取得された前記第2の生体情報との類似度を、前記判定閾値決定工程において決定された前記判定閾値と比較することにより、照合判定を行う照合判定工程と、前記照合判定工程における照合判定結果に基づき、前記記憶手段の前記第2の生体情報に対応する照合情報を更新する照合情報登録更新工程と、を備えることを特徴とする個人照合方法。
12. 前記判定閾値決定工程では、前記第2の生体情報取得工程において前記記憶手段から取得された照合情報に基づいて、前記照合判定工程における照合判定が実施される前に、前記判定閾値が決定される、ことを特徴とする11に記載の個人照合方法。
13. 前記判定閾値決定工程では、前記照合判定工程における照合判定が実施された後に、その照合判定結果に基づき更新された照合情報に基づいて、次回の照合判定時に用いるべき前記判定閾値が決定される、ことを特徴とする11に記載の個人照合方法。
14. 前記記憶手段には、前記第2の生体情報に対する過去の照合試行回数、照合成功回数または失敗回数、及び判定閾値の履歴を表す情報、またはそれらと互いに変換可能な情報が、前記照合情報として、前記第2の生体情報に関連付けて記録されている、ことを特徴とする11乃至13の何れか1項に記載の個人照合方法。
15. 前記判定閾値決定工程では、前記照合情報に基づく過去の照合の認証率に応じて判定閾値が修正される、ことを特徴とする14に記載の個人照合方法。
16. 前記判定閾値決定工程では、前記照合情報に基づく過去の判定閾値の履歴に応じて、判定閾値の修正を行うかどうかが決定される、ことを特徴とする14または15に記載の個人照合方法。
17. 前記記憶手段には、特定の個人に対応する前記第2の生体情報が複数登録されており、前記照合判定工程では、前記第1の生体情報に対して、対応する複数の前記第2の生体情報を用いて照合判定が行われる、ことを特徴とする11乃至16の何れか1項に記載の個人照合方法。
18. 前記判定閾値決定工程では、複数の前記第2の生体情報のうち、適切な閾値を決定できない場合があれば、その第2の生体情報を前記記憶手段から削除することが決定される、ことを特徴とする17に記載の個人照合方法。
19. 前記記憶手段には、照合判定に用いる前記第2の生体情報以外に、第2の生体情報候補が記録されており、前記判定閾値決定工程において、削除が決定された前記第2の生体情報がある場合は、当該第2の生体情報を前記記憶手段から削除するとともに、前記第2の生体情報候補を照合判定に用いる第2の生体情報として登録する生体情報登録更新工程を備える、ことを特徴とする18に記載の個人照合方法。
20. 前記照合判定に用いる前記第1の生体情報及び前記第2の生体情報は、顔画像に基づくものである、ことを特徴とする11乃至19の何れか1項に記載の個人照合方法。
本発明は、生体情報を用いる個人照合において、過去の照合判定の履歴を照合情報として保持し、この照合情報に基づき、照合判定の都度、判定の基準となる判定閾値を決定し、照合情報を更新していくことで、それぞれの生体情報に適した判定閾値を設定することができる。それにより、個人照合における照合判定の精度を向上し、十分に高い本人許容率と十分に高い他人拒否率とを保持することのできる個人照合装置、及び個人照合方法を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
(個人照合装置の構成)
図1に、本発明の実施形態に係る個人照合装置1の構成図を示す。図1を用いて個人照合装置1の全体構成例を説明する。
図1において、個人照合装置1は、以下の構成要素からなる。
11は生体情報取得部であり、個人照合を行う対象となる個人から、生体情報を取得する。すなわち、第1の生体情報取得手段として機能する。
生体情報としては、個人を認証することができ、原理的に他人がなりすますことが困難である指紋、顔、虹彩、掌形など、個人特有の生体情報を用いる。例えば、指紋や掌形であれば、装置の、指紋あるいは掌形採取面に指や手を押し当てる、顔や虹彩であれば、カメラで対象を検知して撮影する、などの方法で装置内に画像情報として取り込む。本実施形態では、生体情報として顔画像が得られるものとする。
12は変換処理部であり、生体情報取得部11で取得した生体情報を変換処理する。照合判定処理のために、適切なデータ形態にすることを意図し、一般的には、取得したままの生体情報、例えば本実施形態では顔画像から、特徴量を抽出し、特徴量データとして保持する。用いる特徴量とその算出法、さらに次元圧縮などの処理については、様々な公知技術が使用可能である。実例については後述する。
13は生体情報・照合情報登録更新部であり、生体情報取得部11で取得した生体情報を照合情報とともに、後述する記憶部14に登録する。あるいは、既に登録されている生体情報に対して、照合情報を、後述する照合結果に基づいて更新する。従って生体情報・照合情報登録更新部13は、生体情報登録更新手段、及び照合情報登録更新手段として機能する。
取得した生体情報を新たに登録する場合、関連付けて記録する照合情報は、照合履歴がないため、所定の初期状態に設定される。例えば、照合試行回数(0)、照合成功回数(0)、判定閾値(所定の初期値)といったふうに設定する。既に登録されている生体情報に対して照合情報を更新する場合は、上記の設定されている値を更新する。例えば、照合試行回数(1)、照合成功回数(1)、判定閾値(初期値、及び修正された値)といったふうに設定する。
14は記憶部であり、生体情報・照合情報登録更新部13により登録された、登録データ(生体情報)14aと登録データ(照合情報)14bとを記憶している。すなわち、記憶部14は、記憶手段として機能する。
図2を用いて、記憶部14に記憶されている登録データの内容を説明する。図2には、複数の生体情報とそれぞれに対応する複数の照合情報が記憶されている状態の例を示す。
図2で記憶部14に記憶されているのは、個人Aについての登録データ141aと登録データ候補141b、さらに個人Bについての登録データ142aと登録データ候補142b、そして同様に個人C以下、任意の人数について同様の登録データと登録データ候補が記憶されていてもよい。但し、登録データ候補は無くてもよい。
個人Aについての登録データ141aは、ID、パスワードなどの認証用データ以外に、生体情報と照合情報が記憶され、生体情報としては複数の顔画像(A1、A2、・・・)とその各々の特徴量データが、そして照合情報としてはそれらの複数の顔画像それぞれに対する照合履歴に関わる情報が、図2に示したように記憶されている。個人Bについての登録データ142a、そして個人C以下も同様である。各個人に対する登録データ候補(141b、142b・・・)も同様の記憶内容である。
登録データ候補は、登録データと同様に照合動作を行い、結果を照合情報として更新記憶するが、実際の照合判定には用いない。後述するが、登録データ候補の照合情報は、登録データとして新規登録する際に参照される。
図1に戻り、個人照合装置1の構成の説明を続ける。
15は生体情報・照合情報取得部であり、記憶部14にアクセスして、特定の個人(例えば個人A)に関する登録データ(生体情報、照合情報)を取得する。すなわち、第2の生体情報取得手段として機能する。
このとき、登録データを取得する特定の個人を、IDやパスワードなどの個人認証用データを用いて選択するようにしてもよい。その場合、生体情報取得部11で新たに取得した第1の生体情報と、同じIDやパスワードを有する登録データ(生体情報)を生体情報・照合情報取得部15で第2の生体情報として取得し、第1の生体情報と比較して照合判定することになる。
16は判定閾値決定部である。生体情報を用いた照合判定において使用する判定閾値を、対応する照合情報に基づいて決定する。すなわち、判定閾値決定手段として機能する。
本実施形態では、照合判定に用いる判定閾値は、個人照合を行う各個人毎に異なり、また個人照合を行うたびに変動することもあり得る。判定閾値決定部16は個人照合を行うたびに照合情報に基づいて判定閾値を決定する機能を有し、その結果は照合情報として更新され、記憶される。従って、またその更新された照合情報(判定閾値の履歴を含む)に基づいて、次回の照合判定時に用いる判定閾値が決定されることになる。
判定閾値決定部16での判定閾値の決定方法の詳細は後述する。
17は照合判定部であり、上述したように判定閾値決定部16で決定された判定閾値に基づき、上記第1の生体情報が第2の生体情報と同一個人のものであるかどうかを照合判定する。すなわち、照合判定手段として機能する。
照合判定の方法は、上記第1の生体情報と第2の生体情報のそれぞれの特徴量データから類似度を算出し、判定閾値と比較することで判定を行う。判定閾値と比較して、類似度が高ければ照合成功、すなわち本人と認証され、類似度が低ければ照合失敗、すなわち本人でないことになる。これも判定の詳細は後述する。
18は照合判定結果処理部であり、照合判定部17の照合判定結果に基づき、登録データの取り扱いについて決定する。例えば、照合判定結果により照合情報の更新すべき内容を生体情報・照合情報登録更新部13に指示し、記憶部14の登録データ(照合情報)の更新を行う。
また照合判定結果処理部18は、場合によっては登録データ(生体情報)の削除や登録データ候補の新規登録なども生体情報・照合情報登録更新部13に指示する場合もある。これも詳細は後述する。
(個人照合装置の動作)
次に、個人照合装置1の動作について説明する。
個人照合装置1の動作は主に2つの流れがある。一つは各個人について、生体情報を登録する登録処理の流れであり、個人照合のための登録データとして個人照合装置1内の記憶部14に記憶される。もう一つは各個人について、新たに取得した生体情報を登録データと比較して、本人であるかどうかを照合する照合処理の流れである。従って登録処理は照合処理の準備でもあり、事前に行われることになる。
図1には、各個人について取得した生体情報を登録処理する場合と、照合処理する場合の流れの違いを、変換処理部から出る2本の矢印で示している。登録処理の場合、生体情報は生体情報・照合情報登録更新部13を通じて記憶部14に登録され処理を終える。照合処理の場合、生体情報は照合判定部17により、記憶部14から取得された登録データと照合され、判定される。判定結果に応じて照合情報の更新などの処理が照合判定結果処理部18でおこなわれ、処理を終える。
登録処理と照合処理のフローについて、図を用いて以下に説明する。
<登録処理フロー>
図3は個人照合装置1の登録処理の流れを示すフローチャートである。図3を用いて、登録処理のフローを説明する。また適時、図1も参照する。
登録処理を開始すると、まずステップS11で、生体情報取得部11により第1の生体情報として、特定の個人の顔情報が取得される。
例えば、特定の個人Aは、カメラなどの画像入力装置によりその顔を撮影され、その顔画像は、個人照合装置1の生体情報取得部11により取得される。画像入力装置は生体情報取得部11の構成要素であってもよいし、別途設置されて、通信手段等により生体情報取得部11に画像入力できるようになっていてもよい。
個人Aの顔画像は、複数回取得され、複数の顔画像が生体情報として登録されることが望ましい。照合判定も、照合の精度を上げるために複数の生体情報に基づいて実施されることが望ましい。また照合判定に用いる複数の生体情報(登録データ)以外にも予備的に登録データ候補としての生体情報を取得して、登録データと合わせて保持しておくことが望ましい。
次にステップS12では、変換処理部12により、取得した顔画像の特徴量抽出及び次元圧縮変換処理を行う。目的は照合判定処理のために、適切なデータ形態にすることであり、生体情報間の類似度を特徴空間での距離として表すためである。特徴量データの抽出については様々な公知技術が使用できるが、その具体例については後述する。
ステップS13では、生体情報・照合情報登録更新部13により、登録データが設定される。登録データは、図2で説明したような内容であり、例えば、個人Aから取得した生体情報(顔画像から算出され、変換処理された特徴量データ)と照合情報(初期状態に設定された照合試行回数、照合成功回数、判定閾値の履歴など)とIDやパスワードなどの認証データが設定される。
続いてステップS14では、ステップS13で設定された登録データの登録が新規登録であるかどうかが判定される。つまり、その個人Aの生体情報が既に登録されているかどうかの判定である。新規登録である場合(ステップS14:YES)は、ステップS15は省略し、ステップS16を実行する。新規登録でない場合(ステップS14:NO)は、ステップS15を実行する。
ステップS15では、既に個人Aの生体情報が登録されていることから、今回登録を正規登録とするかどうかを判定する。つまり、登録データとするか登録データ候補とするかの判定である。これは既に登録されている生体情報の数などから自動設定してもよいし、その都度指定するようにしてもよい。
ステップS15での判定が正規登録である場合(ステップS15:YES)は、ステップS16を実行する。また正規登録でない場合(ステップS15:NO)は、ステップS17を実行する。
ステップS16では、ステップS13で設定された登録データを正規の登録データとして、記憶部14に登録し、記憶させる。またステップS17では、同じく登録データを登録データ候補として記憶部14の正規登録データと関連付けて記録する。これらの記録状態は、既に図2に示したとおりである。
以上のステップS13からステップS16、またはステップS17に至る工程は、生体情報・照合情報登録更新部13により実行され、記録部14への記録が終わると登録処理は終了する。複数の顔画像が生体情報として登録される場合は、上記登録処理がその都度繰り返される。
(照合判定の精度)
次に、照合処理のフローについて説明する前に、照合判定の精度について述べておく。
前述したように、個人Aの照合は、個人Aから(もしくは個人Aになりすました他人から)、新たに取得した第1の生体情報を、既に登録済みの個人Aの第2の生体情報と比較照合して、本人であるかどうかを判定するものである。
判定には、第1の生体情報と第2の生体情報の類似度(特徴空間での両者の距離に相当する)を算出し、判定閾値と比較する。
判定結果には、次の4とおりの可能性がある。
(1)個人Aを個人Aである(本人である)と判定する。
(2)他人を個人Aでない(他人である)と判定する。
(3)個人Aを個人Aでない(他人である)と判定する。
(4)他人を個人Aである(本人である)と判定する。
(1)と(2)の判定結果は問題ないが、(3)と(4)の判定結果は間違いであり、こういう判定が出る可能性が小さいほど判定の精度がよく、大きいほど判定の精度が悪いことになる。
個人A本人に対して(3)ではなく(1)の判定結果が出る割合を本人許容率と呼ぶことにする。本人許容率は大きいほど望ましく、100%が理想である。
また個人Aでない他人に対して(4)ではなく(2)の判定結果が出る割合を他人拒否率と呼ぶことにする。他人拒否率も大きいほど望ましく、100%が理想である。
この照合判定結果に対する本人許容率と他人拒否率は、照合判定時に類似度と比較する判定閾値の大きさによってそれぞれ変化する。図4に、判定閾値の変化に対して、本人許容率と他人拒否率が変化する様子を定性的に示す。
図4では、判定閾値が小さくなるほど他人拒否率が大きくなり、好ましいが、逆に本人許容率は小さくなる。判定閾値を大きくするほど本人許容率は大きくなるが、逆に他人拒否率は小さくなる。従って、判定閾値の大きさという点からすると、本人許容率と他人拒否率は互いに相反する傾向を有する。
これらの関係は、各個人がどのような生体情報を持っているかという個人差と、その個人に対して登録されている登録データの変動にも、影響を受ける。従って判定の精度を向上する(本人許容率と他人拒否率の両方を大きくする)には、次のような方策が考えられる。
(a)本人許容率と他人拒否率が適正となるよう判定閾値を調整する。
(b)各個人の生体情報の特性によって判定閾値を変える。
(c)各個人の登録データの変動を抑える(変動の平均に近いデータにする)。
(a)と(b)は判定閾値を各個人によって変えるとともに、本人許容率と他人拒否率の出方によっても調整するという動作になる。本実施形態では、後述するように、過去の照合結果を表す照合情報に基づいて判定閾値を決定するという処理になっている。
また、(c)に対しては、判定しきい値の調整だけでうまくいかない場合は、照合判定に用いる登録データ自体を交替させることが望ましい。本実施形態では、登録データ候補を用意しておき、照合判定結果の履歴によっては、登録データ候補を登録データとする処理を行っている。
これらの点を前提として、以下に照合処理のフローについて説明する。
<照合処理フロー1>
図5は個人照合装置1の照合処理の流れを示すフローチャートである。図5を用いて、照合処理のフローの1例を説明する。また適時、図1も参照する。
照合処理を開始すると、まずステップS21で、生体情報取得部11により第1の生体情報として、特定の個人の顔情報が取得される。従って、ステップS21は、第1の生体情報取得工程として機能する。
生体情報としての顔情報の取得方法は、図3で説明した登録処理の場合と同様である。
次にステップS22では、変換処理部12により、取得した顔画像の特徴量抽出及び次元圧縮変換処理を行う。これも図3で説明した登録処理の場合と同様である。
処理の目的は、照合判定処理のために適切なデータ形態にすることであり、生体情報間の類似度を特徴空間での距離として表すためである。以下に、生体情報として顔画像を用いる場合の具体例を説明する。
(顔画像の特徴量抽出、及び次元圧縮変換の例)
顔領域の中から、顔の特徴的な部位の位置(画像上の座標)を計算する。
顔の特徴的な部位は、目(瞳中心・目尻・目頭・瞳の上下)、眉(両端部・中央部)、鼻(小鼻の端・中央下部・鼻孔)、下顎尖端位置などの部位が挙げられる。図6に顔画像に対して位置を求める各部位の例を示す。例えば、図6のP1からP23に至る各点が求める顔特徴部位であり、これらの点の位置を算出する。
顔画像、及びその特徴部位の位置から、顔認証に用いる特徴量を抽出する。特徴量としては、形状特徴量・テクスチャ情報を抽出する。
形状特徴量は、例えば、顔の特徴部位の位置の相関関係などから抽出することができる。関係要素は多数存在し得るので、形状特徴量は高次元空間のベクトルで表される。また、テクスチャ情報については、特徴的な局所領域を選択してそこでの濃度分布、すなわち二次元的なパターンをベクトル化して用いることができる。これも高次元の特徴量であり、さらに特徴的な局所領域を複数選択すると、複数の特徴量ベクトルとなる。
一般的には、これらの高次元の特徴量に対して、次元圧縮の処理が行われる。
例えば特徴量xに対して、実験的にサンプルデータを収集して、次元圧縮のための有効な座標軸を求める。次の式(1)で新たな空間での特徴量cが表される。
x=xm+Pc (1)
mは特徴量xの平均、Pは変化の正規モード(固有ベクトルのセット)である。
Pによって、次元圧縮のために有効な新たな空間が設定される。cはその空間で表現された特徴量である。Pで表される空間は、以下に示すような考え方で、既に元のn次元からk次元に低減されていると考えてもよい。
特徴量xのばらつきに対して、個人性を表す部分空間と、属性の変動を表す部分空間とに分割するように考える。このように特徴空間を分割して、特徴量xをn次元からk次元(特徴ベクトルd)に低減させる変換は、行列Aを用いて、次のような式(2)で表現できる。
d=Atx (2)
ここで、Aはn×kの行列である。変換Aを決定する手法としては、次に示すような方法が公知である。
(1)特徴空間の各種成分の中から、クラス内分散とクラス間分散の比率(F比)の大きい主成分をk個選び出すことで、個人性を表す部分空間を求める(PCA法)。
(2)特徴空間から、クラス間分散とクラス内分散の差が大きくなるような射影空間を求める(EM法)。
(3)特徴空間から、クラス間分散とクラス内分散の比が大きくなるような射影空間を求める。Fisherの判別分析法を多クラスの問題に一般化した重判別分析法である(MDA法)。
クラス間分散は個人性を表す部分空間での分散であり、クラス内分散は属性の変動を表す部分空間での分散である。
上記の形状特徴量、テクスチャ情報を、上述のように変換処理した形状特徴量dsと局所テクスチャ特徴量d(k)の組み合わせが、次のような顔特徴量として、個人照合辞書に登録されたり、類似度計算に用いられたりする。
顔特徴量:(d(0)、d(1)、・・・、d(L))、
L:局所特徴の数、d(0)は、dsである。
もちろん、個人照合用の特徴量抽出は、形状特徴量・テクスチャ情報単独でもよい。
図5に戻り、照合処理の次のステップを説明する。
ステップS23では、生体情報・照合情報取得部15により、記憶部14から登録データ(生体情報、照合情報)が取得される。従って、ステップS23は、第2の生体情報取得工程として機能する。
ステップS21で第1の生体情報の取得された個人が、個人AとしてのIDやパスワードを提示したのならば、そのIDあるいはパスワードなどにより、照合判定のために個人Aについての第2の生体情報及び照合情報を記憶部14から取得するものである。第2の生体情報は、既に特徴量データとして記憶部14に記録されているものである。
ステップS22と、このステップS23とが終了すると、次のステップS24及びステップS25が実行される。
ステップS24では、照合判定部17により、上記の第1の生体情報と第2の生体情報の特徴量データを用いて、両者の類似度が算出される。ステップS22で説明した顔特徴量に対して、類似度算出の具体例を以下に説明する。
(類似度算出)
第1の生体情報として取得し、抽出した顔特徴量(以下、第1の顔特徴量という)と、登録データから第2の生体情報として取得した顔特徴量(以下、第2の顔特徴量という)との類似度を算出する。
形状特徴量の類似度は、第1と第2の顔特徴量における、顔の特徴部位の位置を示す各頂点間のユークリッド距離の合計で、次の式(3)のように算出することができる。
s ij=(ds j−ds it(ds j−ds i) (3)
ここでiとjは、それぞれ第1と第2の顔特徴量を示す変数である。
局所テクスチャ特徴量は、局所特徴の数Lだけあるものとする。
各局所テクスチャ特徴量毎の類似度は、それぞれの特徴空間上での、第1と第2の顔特徴量における各局所テクスチャ特徴量k(k=1・・・L)の距離(例えばユークリッド距離)を用いて、次の式(4)のように算出される。
(k) ij=(dj−dit(dj−di) (4)
類似度計算は、上式のように各顔特徴量グループ毎に行われ、総合的な類似度は、各顔特徴量グループの類似度の重み付け和で、次の式(5)のように算出される。
ij=Wss+ΣWk(k) ij (5)
Σはk(k=1・・・L)についての総和である。
また、別の類似度算出方法として、それぞれ第1と第2の顔特徴量のサンプルiとサンプルjとの類似度を、k次元部分空間上でのマハラノビス距離で表現することもできる。その場合の類似度は、次の式(6)のように算出できる。
ij=(dj−ditd m -1(dj−di) (6)
mは共分散行列であり、次の式(7)のように算出される。
d m=(1/M)ΣΣ(dfm−dc)(dfm−dct (7)
ここで、ΣΣはfとmについての総和である。fは各個人を表す変数であり、mは各個人毎の各サンプルを表す変数であり、Mは総サンプル数、すなわちfの総数×mの総数である。dcはf、mに関するすべてのdの平均であり、次の式(8)のように表される。
c=(1/M)ΣΣdfm (8)
ここで、ΣΣはやはりfとmについての総和である。
以上のように、第1の顔特徴量と第2の顔特徴量の類似度は、特徴空間での両者の距離で表現され、距離が近いほど類似度が高く、距離が遠いほど類似度が低いことになる。
ステップS25では、判定閾値決定部16により、ステップS23で取得した照合情報に基づいて、次の照合判定で用いる判定閾値が決定される。従って、ステップS25は、判定閾値決定工程として機能する。
ステップS25における判定閾値の決定は、照合判定の精度について既述したように、次の照合判定に対して、さらには照合判定の結果に基づくデータ登録の更新処理に対して、大きく影響する。ステップS25の判定閾値の決定については、後で図7を参照して詳細に説明する。
ステップS26では、照合判定部17により、ステップS24で算出した第1と第2の顔特徴量の類似度をステップS25で決定した判定閾値と比較照合することにより、照合判定を行う。すなわち、第1の顔特徴量を取得した対象である個人が、第2の顔特徴量を登録している個人Aと同一人であるかどうかの決定がなされる。従って、上記ステップS24とステップS26は照合判定工程として機能する。
記憶部14から取得した個人Aの第2の生体情報(第2の顔特徴量)が複数ある場合は、個々の生体情報毎に第1の生体情報との照合判定動作を行い、一つでも本人と認証されれば、個人A本人であると総合判定する。個々の生体情報毎に得られた判定結果は、個々の生体情報の登録データとしての適正を判断するのに用いることが望ましい。
ステップS28では、ステップS26における照合判定結果に基づいて、登録データ(生体情報、照合情報)更新の処理を行う。従って、ステップS28は、生体情報登録更新工程、及び照合情報登録更新工程として機能する。
ステップS28における登録データ更新処理では、照合情報(照合試行回数、照合成功回数、判定閾値履歴など)が更新されるが、場合によっては、生体情報の更新(登録データの削除、登録データ候補の登録など)が行われる場合もある。ステップS28の登録データ(生体情報、照合情報)更新の処理については、後で図10を参照して詳細に説明する。
次回に備えてステップS28での登録データ更新処理が終わると、個人照合の処理は終了する。
なお、ステップS25で行われた判定閾値の決定については、照合判定に用いるため、照合判定の前に行う手順としているが、判定閾値の決定はどの時点で行うことも可能である。後で図11を参照して、照合判定の後で、次回照合のために判定閾値を更新しておく手順の例も説明する。
<判定閾値の決定>
図7は、判定閾値の決定の流れを示すフローチャートである。図7を用いて、図5のステップS25における判定閾値決定の処理手順について説明する。
まずステップS41で、登録データが適正かどうかの判定が行われる。これは以下の判定閾値の決定の処理を行うかどうかを判断することを意図しており、次のように動作する。
登録データが適正である、すなわち照合情報(判定閾値の履歴)を参照して、例えば過去の一定期間における判定閾値の変動が一定値以内にあるなど、既に判定閾値の修正による変動が収束傾向にあると見なせる場合(ステップS41:YES)は、登録データは適正であると判断し、判定閾値の決定処理は行わない。すなわち判定閾値はそのままで、判定閾値決定の処理は終了する。
登録データが適正でない、すなわち照合情報(判定閾値の履歴)を参照して、例えば過去の一定期間における判定閾値の変動が一定値を越えるなど、まだ判定閾値の修正による変動が大きいと見なせる場合(ステップS41:NO)は、登録データは適正でないと判断し、判定閾値の決定処理を行うべく、次のステップS42を実行する。
ステップS42では、照合試行回数が所定回数以上かどうかの判定が行われる。これは、まだ照合回数が少ない場合は、その履歴に基づいて判定閾値を変更するには不十分であると見なし、以下の判定閾値の変更処理を行わず、初期値のまま使用することを意図している。
履歴が十分である、例えば照合情報(照合試行回数)を参照して、所定の回数以上である場合(ステップS42:YES)は、判定閾値の決定処理を行うべく、次のステップS43を実行する。
履歴が十分でない、例えば照合情報(照合試行回数)を参照して、所定の回数未満である場合(ステップS42:NO)は、照合履歴は不十分と判断し、ステップS48を実行する。ステップS48では、判定閾値を初期状態のまま決定し、判定閾値決定処理を終了する。
ステップS43では、過去の本人認証率が所定値以上であるかどうかを判定する。この判定は、過去の履歴において認証率が所定値と比較して高い、あるいは低いということは、本人許容率と他人拒否率のバランスが崩れていることを意味するので、これを調整するように判定閾値の変更を決定することを意図する。
過去の認証率が所定値以上である場合(ステップS43:YES)は、ステップS45を実行する。過去の認証率が所定値未満である場合(ステップS43:NO)は、ステップS44を実行する。
ステップS45では、本人許容率が高く、その分他人拒否率の方が低くなっている場合なので、他人拒否率を上げる方向に、つまり判定閾値を下げる方向に修正する。次いでステップS47で修正した判定閾値を決定し、判定閾値の決定処理を終了する。
ステップS44では、判定閾値を修正する前に、現状の判定閾値が初期値状態であるかどうかを判定する。これは許容できる最大の判定閾値(つまり他人拒否率をこれ以上下げられない判定閾値)を初期値として設定しているため、判定閾値を上方修正可能かどうかを判断することを意図している。
すなわち、ステップS46では、本人許容率が低いので、本人許容率を上げる方向に判定閾値を修正したいが、それは一方では他人拒否率を下げることにもなる。判定閾値が初期値である場合、それ以上他人拒否率を下げるわけにはいかないので、初期値を維持したいということである。
ステップS44で、現状の判定閾値が初期値である場合(ステップS44:YES)は、ステップS49を実行する。ステップS49では、判定閾値は修正しない(他人拒否率を維持するため修正できない)が、登録データ自体が適正でない(本人許容率と他人拒否率のバランスがとれない)として、登録データ自体の変更を要求するフラグを上げる。このフラグは、照合判定結果に基づく登録データ更新処理で反映されるものである。登録データ変更のフラグを上げた状態で、判定閾値の決定処理は終了する。
ステップS44で、現状の判定閾値が初期値でない場合(ステップS44:NO)は、ステップS46を実行する。つまり、ステップS46では、まだ他人拒否率を下げることも可能と見なし、本人許容率を上げる方向に、つまり判定閾値を上げる方向に修正する。次いでステップS47で修正した判定閾値を決定し、判定閾値の決定処理を終了する。
このように判定閾値の決定は、過去の照合判定の履歴から本人許容率と他人拒否率のバランスがとれるような判定閾値に収束するように、修正しながら決定を行っていく。当然、最適な判定閾値が存在するという前提であり、その適切な判定閾値はその個人毎に異なるものである。従って、上記のように修正し、探しながら収束させていくという形態となる。
(判定閾値の修正と照合判定)
図8と図9を用いて、判定閾値を修正し、照合判定への影響が生ずる様子を説明する。
図8(a)は、生体情報としての顔特徴量を最終的に二次元に圧縮された部分空間で表した特徴空間の図である。図8(b)は、各特徴量の特徴空間内での位置と初期設定判定閾値の範囲を示す図である。
この図8(a)には、3人の個人、すなわち人物A、B、Cについて、各々3通りの顔特徴量データ(例えば人物AについてはA1、A2、A3)の登録データが示されている。またそれぞれについて特徴空間内での位置を示すとともに、初期設定した判定閾値の範囲を各特徴量の位置を中心とする破線の円で示している。
図8(b)に人物Aの場合を拡大して示すように、破線の円の半径が、判定閾値に相当する。すなわち、照合する人物の特徴量データが破線の円の半径内であれば、登録された人物Aの特徴量との距離(類似度)が判定閾値以内ということで、照合する人物は人物Aであるとして認証されることになる。照合する人物の特徴量データが破線の円の外、すなわち登録された人物Aの特徴量との距離(類似度)が判定閾値を越えるならば、照合する人物は人物Aではない、すなわち人物Aとしては認証されないことになる。
図8(a)の場合でいうならば、照合用のデータとして、人物Bと照合する特徴量データBsと人物Cと照合する特徴量データCsの位置を示してある。人物Bと照合する特徴量データBsは、B2の判定閾値内であり人物Bとして認証されるが、一方A1、A3の判定閾値内でもあり、人物Aと称し、照合を受ければ、人物Aと認証されることになる。すなわち、人物Aになりすますことが可能である。
同じことが人物Cと照合する特徴量データCsについてもいえる。特徴量データCsは、C1、C2の判定閾値内であり人物Cとして認証されるが、一方A2、A3の判定閾値内でもあり、人物Aとして照合を受ければ、人物Aと認証されることになる。すなわち、人物Aになりすますことが可能である。
しかし、本実施形態のように、判定閾値の照合結果による修正処理を繰り返せば、このような課題は、徐々に調整されていくことになる。例えば、上述のようななりすましにより過去の照合判定結果に対する他人拒否率が下がってくる(認証率が上がる)と、他人拒否率を上げるように、すなわち判定閾値を下げる方向に修正が掛かっていく。
図9(a)には、人物Aの場合について、判定閾値が下がった例を拡大して示す。登録データA1については、過去N1回の照合試行についての認証率R1%という結果に応じて、判定閾値がXまで下がった例であり、登録データA2、A3についても、同様に判定閾値Y、Zまで下がっている。
図9(b)の特徴空間図に戻って判定閾値の下がった影響を見てみると、人物Bと照合する特徴量データBsは、やはりB2の判定閾値内であり人物Bとして認証されるが、一方A1、A3の判定閾値内からは外れて、人物Aと称して照合を受けても、人物Aと認証されることはない。すなわち、人物Aになりすますことはできない。
また同じことが人物Cと照合する特徴量データCsについてもいえる。特徴量データCsは、C1、C2の判定閾値内であり人物Cとして認証されるが、一方A2、A3の判定閾値内からは外れて、人物Aとして照合を受けても、人物Aと認証されることはない。すなわち、人物Aになりすますことはできない。
上記は、照合情報としての認証率を用いて判定閾値の決定を行っているが、過去の類似度の履歴を用いて判定閾値の決定を行う、あるいは任意の過去の照合履歴を用いて判定閾値を決定するようにしてもよい。例えば、過去の類似度の履歴を用いて判定閾値の決定を行うのであれば、類似度の平均値などの算出パラメータとそれに対応する判定閾値のテーブルなどを作成しておき、その都度参照するようにしてもよい。
<登録データの更新>
図10は、登録データの更新の流れを示すフローチャートである。図10を用いて、図5のステップS28における、照合判定結果に基づく登録データの更新処理手順について説明する。
まずステップS61で、登録データの生体情報について更新が必要かどうかの判定が行われる。これは図5のステップS25における判定閾値の決定時に、登録データ変更のフラグが上がっているかどうかに依存した判断であり、次のように動作する。
登録データ変更のフラグが上がっている、すなわち判定閾値の修正だけでは限界があると見なせる場合(ステップS61:YES)は、登録データ(生体情報)を変更すべきと判断し、次のステップS62を実行する。そうでない場合は、登録データの内、照合情報のみの更新を行えばよいということで、ステップS66の照合情報の更新処理に進む。
ステップS62では、照合判定結果に基づく登録データ(生体情報)の変更に関して、記憶部14に登録データ候補が存在するかどうかの判定が行われる。登録データ候補が存在する場合(ステップS62:YES)は、ステップS63を実行し、登録データ候補が存在しない場合(ステップS62:NO)は、ステップS63を実行する。
ステップS63では、登録データ候補を取得する、登録データ候補が複数存在する場合は、最も適した登録データ候補を選択して取得する。どの登録データ候補が最も適しているかどうかは、各登録データ候補の照合情報を参照し、過去の照合履歴を比較して決定すればよい。従って、登録データ候補は、判定には用いなくても登録データ同様に照合動作を実行し、照合情報として更新記憶しておくことが望ましい。
ステップS64では、登録データ候補が存在しない。処理としては登録データを更新しないか、新しい登録データ候補を入手するかの2通りである。新しい登録データ候補を入手する場合、既に述べた登録処理が必要となる。すぐに登録処理が可能な場合は、登録処理を行った上で、次のステップS65を実行する。すぐに登録処理が可能でない場合は、その旨の表示などを行った上で、次のステップ実行を可能とする。
ステップS65では、登録データ更新のフラグの上がった登録データを記憶部14から削除し、代わりに取得した登録データ候補を記憶部14に登録データとして登録し、記憶する。適切な登録データ候補が無く、更新できない場合は、登録データの削除のみ行ってもよい。但し、登録データが一つしかない場合は、削除することは不適切であり、新規の登録データ候補が入手されるまで、保持しておくことが望ましい。
ステップS66では、登録データの照合情報の更新が行われる。ステップS65で登録データ(生体情報)の更新が行われたときには、その時点でこの照合情報の更新も行われるので、ステップS65とステップS66は同時に処理されることになる。ステップS61で登録データの更新のフラグが上がっていない場合は、登録データの内、照合情報のみが更新されることになる。
(照合処理フロー2)
なお既に述べたように、図5の照合処理の説明時において、ステップS25で行われた判定閾値の決定については、照合処理のフローのどの時点で行うことも可能である。
図11は個人照合装置1の照合処理について、図5とは異なる処理の流れを示すフローチャートである。以下に、図11を参照して、照合判定の後で、次回照合のために判定閾値を更新しておく手順の例を説明する。
照合処理を開始すると、まずステップS21で、生体情報取得部11により第1の生体情報として、特定の個人の顔情報が取得される。従って、ステップS21は、第1の生体情報取得工程として機能する。生体情報としての顔情報の取得方法は、図5での説明と同様である。
次のステップS22では、変換処理部12により、取得した顔画像の特徴量抽出及び次元圧縮変換処理を行う。これも図5での説明と同様である。
ステップS23では、生体情報・照合情報取得部15により、記憶部14から登録データ(生体情報、照合情報)が取得される。従って、ステップS23は、第2の生体情報取得工程として機能する。これも図5のステップS23と同様である。
ステップS22と、このステップS23とが終了すると、次のステップS24及びステップS25が実行される。
ステップS24では、照合判定部17により、上記の第1の生体情報と第2の生体情報の特徴量データを用いて、両者の類似度が算出される。これも図5のステップS24と同様である。
ステップS26では、照合判定部17により、ステップS24で算出した第1と第2の顔特徴量の類似度を判定閾値と比較照合することにより、照合判定を行う。すなわち、第1の顔特徴量を取得した対象である個人が、第2の顔特徴量を登録している個人Aと同一人であるかどうかの決定がなされる。従って、上記ステップS24とステップS26は照合判定工程として機能する。
ここで図5のステップS26と異なるのは、判定閾値の決定工程を受けた判定閾値ではなく、照合情報として取得した判定閾値を用いている点である。すなわち、この時点では判定閾値を新たに決定しておらず、前回照合時に決定されて、次回照合用として照合情報に記録された判定閾値を用いている。従って照合判定までの工程は減少するが、照合判定後の更新工程は増加する。
ステップS27では、判定閾値決定部16により、ステップS26での照合判定結果に基づいて、次回の照合判定で用いる判定閾値が決定される。従って、ステップS27は、判定閾値決定工程として機能する。
ここで図5と異なり、図5ではステップS25であった工程が、ステップS27として現れている。異なる点は、図5のステップS25では取得した照合情報に基づいて判定閾値を決定していたが、このステップS27では、照合情報に新たな照合判定結果を加えて、更新された照合情報を用いて判定閾値を決定している点である。これにより次回の照合情報には、それを前提とした判定閾値が既に履歴として加えられていることになる。すなわち、次回の照合判定用の判定閾値が、更新用の照合情報に既に入っているのである。
ステップS28では、ステップS26における照合判定結果、及びステップS27における判定閾値決定結果に基づいて、登録データ(生体情報、照合情報)更新の処理を行う。従って、ステップS28は、生体情報登録更新工程、及び照合情報登録更新工程として機能する。
既に述べたように、このステップS28で更新された照合情報は、照合判定結果を反映しているとともに、それを反映した判定閾値も含まれている。これにより次回照合時には、適切な判定閾値を使用することができる。
このように、図11に示したような照合処理フローによっても、図5に示した照合処理フローと同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施形態によれば、生体情報を用いる個人照合において、過去の照合判定の履歴を照合情報として保持し、この照合情報に基づき、照合判定の都度、判定の基準となる判定閾値を決定し、照合情報を更新していくことで、それぞれの生体情報に適した判定閾値を設定することができる。それにより、個人照合における照合判定の精度を向上し、十分に高い本人許容率と十分に高い他人拒否率とを保持することができる。また、照合結果の履歴から、適切でない登録データは削除し、登録データ候補から新たに登録データを決定することで、さらに高い本人許容率を保持することもできる。
なお本発明の実施形態は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に則る限り、様々な変更された形態もその範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態に係る個人照合装置の構成例を示すブロック図である。 図1の記憶部14に記憶されているデータ内容の例を示す図である。 図1の個人照合装置1における登録処理の流れを示すフローチャートである。 個人照合判定時に、判定しきい値の変化に対して、本人許容率と他人拒否率が変化する様子を定性的に示す図である。 図1の個人照合装置1における照合処理の流れを示すフローチャートである。 顔画像から特徴量抽出するための、顔特徴部位の位置の例を示す図である。 個人照合における判定閾値決定処理の流れを示すフローチャートである。 (a)生体情報としての顔特徴量を二次元に圧縮された部分空間で表した特徴空間の例を示す図、及び(b)各特徴量の位置と初期設定判定閾値の範囲を示す(a)の拡大図である。 (a)人物Aの照合判定において、判定閾値が下方修正された状態を示す特徴空間の拡大図、及び(b)人物Aの判定閾値が下方修正された状態での全体的な状態を示す特徴空間の図である。 個人照合における登録データ更新処理の流れを示すフローチャートである。 個人照合における、図5とは別の照合処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 個人照合装置
11 生体情報取得部
12 変換処理部(特徴量抽出)
13 生体情報・照合情報登録更新部
14 記憶部
14a 登録データ(生体情報)
14b 登録データ(照合情報)
15 生体情報・照合情報取得部
16 判定閾値決定部
17 照合判定部
18 照合判定結果処理部
141a 個人Aについての登録データ
141b 個人Aについての登録データ候補
142a 個人Bについての登録データ
142b 個人Bについての登録データ候補

Claims (20)

  1. 個人照合の対象である個人から、第1の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、
    第2の生体情報と、前記第2の生体情報に対する過去の照合結果の累積を表す照合情報とが記録されている記憶手段と、
    前記記憶手段から、前記第2の生体情報とその照合情報とを取得する第2の生体情報取得手段と、
    前記照合情報に基づき照合判定に用いる判定閾値を決定する判定閾値決定手段と、
    前記第1の生体情報取得手段により取得された前記第1の生体情報と、前記第2の生体情報取得手段により取得された前記第2の生体情報との類似度を、前記判定閾値決定手段により決定された前記判定閾値と比較することにより、照合判定を行う照合判定手段と、
    前記照合判定手段による照合判定結果に基づき、前記記憶手段の前記第2の生体情報に対応する照合情報を更新する照合情報登録更新手段と、
    を有することを特徴とする個人照合装置。
  2. 前記判定閾値決定手段は、
    前記第2の生体情報取得手段により前記記憶手段から取得された照合情報に基づいて、前記照合判定手段による照合判定が実施される前に、前記判定閾値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の個人照合装置。
  3. 前記判定閾値決定手段は、
    前記照合判定手段による照合判定が実施された後に、その照合判定結果に基づき更新された照合情報に基づいて、次回の照合判定時に用いるべき前記判定閾値を決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の個人照合装置。
  4. 前記記憶手段は、
    前記第2の生体情報に対する過去の照合試行回数、照合成功回数または失敗回数、及び判定閾値の履歴を表す情報、またはそれらと互いに変換可能な情報が、前記照合情報として、前記第2の生体情報に関連付けて記録されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の個人照合装置。
  5. 前記判定閾値決定手段は、
    前記照合情報に基づく過去の照合の認証率に応じて判定閾値を修正する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の個人照合装置。
  6. 前記判定閾値決定手段は、
    前記照合情報に基づく過去の判定閾値の履歴に応じて、判定閾値の修正を行うかどうかを決定する、
    ことを特徴とする請求項4または5に記載の個人照合装置。
  7. 前記記憶手段は、
    特定の個人に対応する前記第2の生体情報が複数登録されており、
    前記照合判定手段は、
    前記第1の生体情報に対して、対応する複数の前記第2の生体情報を用いて照合判定を行う、
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の個人照合装置。
  8. 前記判定閾値決定手段は、
    複数の前記第2の生体情報のうち、適切な閾値を決定できない場合があれば、その第2の生体情報を前記記憶手段から削除することを決定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の個人照合装置。
  9. 前記記憶手段には、
    照合判定に用いる前記第2の生体情報以外に、第2の生体情報候補が記録されており、
    前記判定閾値決定手段により、削除が決定された前記第2の生体情報がある場合は、当該第2の生体情報を前記記憶手段から削除するとともに、前記第2の生体情報候補を照合判定に用いる第2の生体情報として登録する生体情報登録更新手段を有する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の個人照合装置。
  10. 前記照合判定に用いる前記第1の生体情報及び前記第2の生体情報は、顔画像に基づくものである、
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の個人照合装置。
  11. 個人照合の対象である個人から、第1の生体情報を取得する第1の生体情報取得工程と、
    第2の生体情報と、前記第2の生体情報に対する過去の照合結果の累積を表す照合情報とが記録されている記憶手段から、前記第2の生体情報とその照合情報とを取得する第2の生体情報取得工程と、
    前記照合情報に基づき照合判定に用いる判定閾値を決定する判定閾値決定工程と、
    前記第1の生体情報取得工程において取得された前記第1の生体情報と、前記第2の生体情報取得工程において取得された前記第2の生体情報との類似度を、前記判定閾値決定工程において決定された前記判定閾値と比較することにより、照合判定を行う照合判定工程と、
    前記照合判定工程における照合判定結果に基づき、前記記憶手段の前記第2の生体情報に対応する照合情報を更新する照合情報登録更新工程と、
    を備えることを特徴とする個人照合方法。
  12. 前記判定閾値決定工程では、
    前記第2の生体情報取得工程において前記記憶手段から取得された照合情報に基づいて、前記照合判定工程における照合判定が実施される前に、前記判定閾値が決定される、
    ことを特徴とする請求項11に記載の個人照合方法。
  13. 前記判定閾値決定工程では、
    前記照合判定工程における照合判定が実施された後に、その照合判定結果に基づき更新された照合情報に基づいて、次回の照合判定時に用いるべき前記判定閾値が決定される、
    ことを特徴とする請求項11に記載の個人照合方法。
  14. 前記記憶手段には、
    前記第2の生体情報に対する過去の照合試行回数、照合成功回数または失敗回数、及び判定閾値の履歴を表す情報、またはそれらと互いに変換可能な情報が、前記照合情報として、前記第2の生体情報に関連付けて記録されている、
    ことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の個人照合方法。
  15. 前記判定閾値決定工程では、
    前記照合情報に基づく過去の照合の認証率に応じて判定閾値が修正される、
    ことを特徴とする請求項14に記載の個人照合方法。
  16. 前記判定閾値決定工程では、
    前記照合情報に基づく過去の判定閾値の履歴に応じて、判定閾値の修正を行うかどうかが決定される、
    ことを特徴とする請求項14または15に記載の個人照合方法。
  17. 前記記憶手段には、
    特定の個人に対応する前記第2の生体情報が複数登録されており、
    前記照合判定工程では、
    前記第1の生体情報に対して、対応する複数の前記第2の生体情報を用いて照合判定が行われる、
    ことを特徴とする請求項11乃至16の何れか1項に記載の個人照合方法。
  18. 前記判定閾値決定工程では、
    複数の前記第2の生体情報のうち、適切な閾値を決定できない場合があれば、その第2の生体情報を前記記憶手段から削除することが決定される、
    ことを特徴とする請求項17に記載の個人照合方法。
  19. 前記記憶手段には、
    照合判定に用いる前記第2の生体情報以外に、第2の生体情報候補が記録されており、
    前記判定閾値決定工程において、削除が決定された前記第2の生体情報がある場合は、当該第2の生体情報を前記記憶手段から削除するとともに、前記第2の生体情報候補を照合判定に用いる第2の生体情報として登録する生体情報登録更新工程を備える、
    ことを特徴とする請求項18に記載の個人照合方法。
  20. 前記照合判定に用いる前記第1の生体情報及び前記第2の生体情報は、顔画像に基づくものである、
    ことを特徴とする請求項11乃至19の何れか1項に記載の個人照合方法。
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