JP2007211974A - 電動機のブレーキ機構 - Google Patents

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久人 増澤
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Abstract

【課題】モータ軸に負荷トルクが作用しないときに小さなブレーキ力でモータ軸の回転を規制でき、小型で製造コストを低減できる電動機のブレーキ機構を提供する。
【解決手段】巻取り用電動機のモータ軸2と減速機4との間に、当該モータ軸2に負荷トルクが作用しないときにモータ軸2の回転方向をモータ回転方向のみに規制し、モータ軸2に負荷トルクが作用すると減速機4側への回転伝達を許容する伝達機構5を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばシャッター、ブラインド、カーテン、オーニングなどの長尺状の巻取り部材が巻き取られた回転ドラムを回転駆動する巻取り用電動機などのギヤボックス内に設けられる電動機のブレーキ機構に関する。
一般住宅、商業施設、ホテルなどの建物設備として、シャッター、ブラインド、カーテン、オーニングなどの長尺状の巻取り部材が実用化されている。これらの巻取り部材は回転ドラム(巻取りパイプ)に巻き取られ、回転ドラムは巻取り用電動機により回転駆動される。巻取り用電動機の一例について説明すると、筒状の回転ドラム内に一端側に駆動源であるモータが設けられており、モータ軸(出力軸)に連繋する減速機を介して回転ドラムを回転駆動するようになっている。
上記巻取り用電動機においては、電動機が停止中に巻取り部材の不意の落下や上昇を防ぐため或いは防犯用として回転ドラムを保持する保持装置(ブレーキ装置)が必要とされる。ブレーキ装置の一例を挙げると、電動機が停止状態になると作動して回転ドラムを回転停止する電磁ブレーキが出力段側に設けられている(特許文献1参照)。或いは、モータ軸と回転ドラム軸が連結する出力段に遊星歯車機構の遊星ギヤを軸支するキャリヤの回動をカム面が形成された可動体により機械的に規制するブレーキ装置が提案されている(特許文献2参照)。
実開平6−30398号公報 特開平11−200743号公報
上述したブレーキ装置として特許文献1に示す電磁ブレーキを用いるとすれば、電磁式アクチュエータを駆動制御する制御回路及び駆動電源が必要になるため、部品点数が増えて装置が大型化し製造コストが増大する。また、特許文献2に示す機械式ブレーキを用いるとすれば、電磁ブレーキに比べて部品点数は減るが、出力段にて回転ドラムの回転を規制するため、大きなブレーキ力が必要になり、高度な部品強度が要求されるため、高価な部品が必要になり製造コストの上昇や装置の大型化につながる。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、小さなブレーキ力でモータ軸の回転方向を規制でき、小型で製造コストを低減できる電動機のブレーキ機構を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
電動機のモータ軸と減速機との間に、当該モータ軸に負荷トルクが作用しないときにモータ軸の回転方向をモータ回転方向のみに規制し、モータ軸に負荷トルクが作用すると減速機側への回転伝達を許容する伝達機構を備えたことを特徴とする。
また、伝達機構は、軸方向一端側に減速機と常時噛み合うギヤ部が形成され、軸方向他端側にモータ軸と連繋する連繋部が形成された伝達ギヤを備え、該伝達ギヤはモータ軸に弾装された付勢手段によりモータ側から減速機側へ向けて常時付勢されてギヤケース端面に押し当てられており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに、出力側からモータ軸へモータ回転方向と逆回転方向にトルクが作用しても連繋部がギヤケースとの間に設けられる回転規制部に当接して伝達ギヤの回転が規制され、モータ軸に負荷トルクが作用すると、ギヤ部が減速機と噛み合ったまま伝達ギヤが付勢手段の付勢に抗して軸方向へスライドして連繋部の回転規制部による規制が解放され、伝達ギヤが回転して減速機へ駆動伝達されることを特徴とする。
また、モータ軸に突設されたピンが連繋部の軸方向モータ側端部に形成された蟻溝内に挿入されており、ギヤケース端面に対向する部位に凸部が形成され、対向するギヤケース端面に凸部と凹凸嵌合して回転を規制する回転規制部が設けられており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに連繋部の凸部は回転規制部と凹凸嵌合しており、モータを起動するとピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動し、伝達ギヤが圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする。
また、モータ軸に突設されたピンが連繋部のモータ側端部に形成された蟻溝内に挿入されており、蟻溝には斜面に連なる嵌合溝が形成されており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに連繋部が回転規制部により回転規制されており、モータ軸に負荷トルクが作用するとピンが斜面に沿って移動して蟻溝底部から嵌合溝へ嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動し、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする。
或いは、モータ軸に突設された係止ピンが連繋部のモータ側端部に形成された蟻溝内に挿入され、連繋部の胴部内に遠心ピンが径方向に突出可能に収納されており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに遠心ピンが胴部に収納されたまま連繋部が回転規制されており、モータ軸に負荷トルクが作用すると係止ピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動しかつ遠心ピンを胴部から径方向外側へ遠心力により突出させてギヤケースに対して軸方向に係止させ、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする。
上記ギヤケース内には連繋部の胴部が嵌り込んで遠心ピンの突出が抑え込まれる第1の嵌合孔と当該第1の嵌合孔より孔径が大きく遠心ピンの突出が許容される第2の嵌合孔がテーパー部を介して連続して設けられていることを特徴とする。
上述した電動機のブレーキ機構を用いれば、電動機のモータ軸と減速機との間に、当該モータ軸に負荷トルクがかからないときにモータ軸の回転方向をモータ回転方向のみに規制し、モータ軸に負荷トルクが作用すると減速機側への回転伝達を許容する伝達機構を備え、電動機が駆動停止中に小さなブレーキ力でモータ軸の回転を規制できるので、部品点数の減少に加えて部品コストを廉価に抑え、電動機の構成を小型化で簡略化することができる。
伝達機構は、軸方向一端側に減速機と常時噛み合うギヤ部が形成され、他端側にモータ軸と連繋する連繋部が形成された伝達ギヤを具備するのみであるため、部品点数が少なく簡略化した伝達機構を実現できる。また、モータ軸と減速機とを連繋する伝達ギヤの軸方向へのスライドにより駆動伝達/解除の切替えが行なえるので、モータの直近に配置された伝達ギヤで発生するブレーキ負荷が小さく部品強度も小さくて足りるので、部品も小型で製造コストを廉価に抑えて、電動機の小型化や製造コストの低減に寄与できる。
モータ軸に負荷トルクが作用しないときにピンが連繋部の蟻溝内に挿入されており、モータを起動するとピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動し、伝達ギヤをモータ側へスライドさせたまま回転するので、モータ軸と伝達ギヤの連繋構造が簡素化でき、組立作業を簡略化することできる。
連繋部の蟻溝には斜面に連なる嵌合溝が形成されており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに連繋部が回転規制されており、モータを起動すると係止ピンが斜面に沿って移動して蟻溝底部から嵌合溝へ嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動するので、負荷トルクに変動が生じ、負荷トルクの軸方向分力の大きさが圧縮コイルばねの付勢力(ばね力)より小さくなっても、モータが回転している間は係止ピンが嵌合溝から外れることがない。したがって、伝達ギヤの軸方向の変動を抑え、動作を安定化することができる。
或いは、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに遠心ピンが胴部に収納されたまま連繋部が回転規制されており、モータ軸に負荷トルクが作用すると係止ピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動しかつ遠心ピンを胴部から径方向外側へ遠心力により突出させてギヤケースに対して軸方向に係止させ、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転するようになっていると、モータが回転していれば遠心ピンに作用する遠心力によって伝達ギヤの軸方向の変動を抑え、動作を安定化することができる。
また、ギヤケース内には連繋部の胴部が嵌り込んで遠心ピンの突出が抑え込まれる第1の嵌合孔と当該第1の嵌合孔より孔径が大きく遠心ピンの突出が許容される第2の嵌合孔がテーパー面を介して連続して設けられていると、圧縮コイルばねの付勢力より負荷トルクが大きくなると連繋部が軸方向に第1の嵌合孔から第2の嵌合孔へスライドして遠心ピンが遠心力により胴部から第2の嵌合孔の壁面へ向けて径方向に突出してギヤケースに対して軸方向に係止させ、モータの回転が遅くなり遠心ピンに作用する遠心力が小さくなって遠心力の軸方向分力が圧縮コイルばねの付勢力より小さくなると遠心ピンが胴部へ収納される。このとき、連繋部がテーパー面を通じて第2の嵌合孔から第1の嵌合孔へスライドする。これにより簡易な機構で、伝達ギヤの駆動伝達切換え動作を安定化することができる。
以下、本発明に係る巻取り用電動機の最良の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。以下では、シャッター用の巻取り用電動機を例示して説明する。巻取り用電動機は、回転ドラムと同軸に設けられるハウジング内に設けられる。電動機を起動して減速機を通じて出力軸へ駆動伝達することにより回転ドラムを回転駆動してシャッターを巻き取る若しくは引き出すようになっている。
先ず、図1を参照して、シャッター用の巻取り用電動機の概略構成について説明する。電動機の一端側にはモータ1が設けられている。このモータ1は、例えばステップモータ、ブラシレスモータ、ブラシ付モータなど様々なモータが用いられる。このモータ1は、モータ軸2が減速機(遊星歯車機構4)を内蔵したギヤケース3内に挿入されて組み付けられている。モータ1と遊星歯車機構4との間に、駆動伝達機構の一例である伝達ギヤ5が設けられている。尚、遊星歯車機構4に替えて、複数の平行軸を中心に回転するギヤどうしが噛み合う平行軸歯車機構であってもよい。伝達ギヤ5は、電動機のモータ1の駆動停止時に遊星歯車機構4側からモータ軸2へ作用する回転力の伝達を遮断し、モータ1の駆動時にモータ軸2から遊星歯車機構4側への回転伝達を許容する。
[第1実施例]
以下、具体的な構成について図1乃至図5を参照して説明する。遊星歯車機構4は、本実施例では軸方向に2段分連続して設けられている。図1において、ギヤ部6は、遊星歯車機構4の第1の太陽ギヤであり、第1のキャリヤ8に軸支された第1の遊星ギヤ9と噛み合っている。第1の遊星ギヤ9は、ギヤケース3内に嵌め込まれた第1の内歯車10と噛み合っている(1段目遊星歯車機構)。第1のキャリヤ8の軸芯部には、中心軸11の一端が嵌め込まれている。該中心軸11の他端には、第2の太陽ギヤ12が形成されている。第2の太陽ギヤ12は第2のキャリヤ13に軸支された第2の遊星ギヤ14と噛み合っている。第2の遊星ギヤ14は、ギヤケース3内に嵌め込まれた第2の内歯車15と噛み合っている。第2のキャリヤ13の軸芯部には出力軸17が嵌め込まれている(2段目遊星歯車機構)。ギヤ部6が回転すると、1段目及び2段目の遊星歯車機構が回転し、第2のキャリヤ13に嵌め込まれた出力軸17が回転するようになっている。
図4(b)において、伝達ギヤ5は、軸方向一端側に遊星歯車機構4と常時噛み合うギヤ部6が形成され、他端側にモータ軸2と連繋する連繋部7が一体に形成されている。図3において、伝達ギヤ5はモータ軸2に弾装される圧縮コイルばね16によりモータ1側より減速機側に向けて常時付勢される。圧縮コイルばね16は、モータ軸2に組み付けられた止め輪2bと連繋部7との間に自然長より圧縮されて嵌め込まれる。
図3において、モータ軸2には係止ピン2aが軸方向と直交する向きに突設されている。図4(b)において、連繋部7の軸方向モータ側端部には蟻溝7aが形成されている。モータ軸2に突設された係止ピン2aは蟻溝7a内に挿入されている(図5(a)(b)参照)。連繋部7のギヤケース端面3aに対向する部位には、角部が面取りされた凸部7bが複数箇所(本実施例では4箇所)に等間隔で形成されている。図4(a)において、連繋部7に対向するギヤケース端面3aに凸部7bと凹凸嵌合して回転を規制する回転規制部3bが設けられている。回転規制部3bには、凸部7bと凹凸嵌合する凸部3cと凹部3dが連続して交互に形成されている。凸部3cは、凸部7bと同様に角部が面取りされている。凸部7b、回転規制部3bの凹凸形状や数は実施例の態様限定されるものではない。
図1及び図5(a)において、モータ軸2に作用する負荷トルクが小さい間(モータ1が駆動停止中を含む)は、係止ピン2aは蟻溝7a内に挿入されており、圧縮コイルばね16の付勢力により伝達ギヤ5は減速機側に押圧されて連繋部7はギヤケース端面3aに形成された回転規制部3bへ押し当てられている(係止ピン2aの接触力の軸方向分力<ばね力)。このとき、連繋部7の凸部7bはいずれかの凹部3dと嵌合しており、伝達ギヤ5の回転が凸部3cにより規制される。
図2及び図5(b)において、モータ1が駆動開始しモータ軸2に負荷トルクが発生すると、モータ軸2の回転方向に従って係止ピン2aが蟻溝7aの斜面7cに沿って移動しながら連繋部7をモータ1側へ押動し、伝達ギヤ5が圧縮コイルばね16の付勢に抗して軸方向にモータ1側へスライドする(係止ピン2aの接触力の軸方向分力>ばね力)。このとき連繋部7の凸部7bがギヤケース3の回転規制部3bの規制(凸部3cと凹部3dとの噛み合い)から解放され、伝達ギヤ5がモータ軸2と連繋して回転し、遊星歯車機構4を通じて出力軸17を通じて図示しない回転ドラムが一体となって回転する。負荷トルクが小さくなると(係止ピン2aの接触力の軸方向分力<ばね力)、伝達ギヤ5は圧縮コイルばね16の付勢力により減速機側に押圧されて連繋部7はギヤケース端面3aに押し当てられ、凸部7bが再度回転規制部3bと凹凸嵌合して回転方向が規制される。尚、モータ軸2の回転により係止ピン2aは蟻溝7aの斜面7cに沿って移動するが、係止ピン2aは蟻溝7aを外れて移動することは無い。
図1及び図5(a)において、モータ1が駆動停止しているときに、出力側からモータ軸2へ負荷トルクが作用しても連繋部7がギヤケース端面3aに形成された回転規制部3bと凹凸嵌合しているため伝達ギヤ5の回転が規制される。よって、モータ1が駆動停止中に小さなブレーキ力でモータ軸2の回転を規制できるので、部品点数の減少に加えて部品コストを廉価に抑え、巻取り用電動機の構成を小型化で簡略化することができる。また、伝達機構は、モータ軸2と遊星歯車機構4に連繋する伝達ギヤ5を備えるだけであるため、部品点数が少なく簡略化した伝達機構を実現できる。
[第2実施例]
図6(a)乃至図6(e)に伝達ギヤ5の他の構成を示す。第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。図6(a)は伝達ギヤの正面図、図6(b)は図6(a)の下視図、図6(c)は図6(b)の矢印A−A断面図、図6(d)は伝達ギヤの斜視図、図6(e)は嵌合溝に嵌り込む係止ピンが、軸中心に対して点対称となる位置に形成されていることを示す説明図である。
伝達ギヤ5において、連繋部7のモータ側端部に設けられる蟻溝7aの底部には、斜面7cに連なる嵌合溝7dが形成されている(図6(a)(d)参照)。この嵌合溝7dは蟻溝7aの周方向に広がる底部の一方側を更に深く掘り込み、軸中心に対して点対称となる位置に形成されている(図6(b)(c)参照)。後述するようにモータ1が起動してモータ軸2に負荷が発生すると、係止ピン2aがモータ軸2の周囲で180度位相がずれた位置で嵌合溝7dに各々嵌り込むようになっている(図6(e)参照)。
モータ軸2に負荷トルクが作用しないときに連繋部7の凸部7bがギヤケース3の回転規制部3bに回転規制されている(図5(a)参照)。モータ軸2に負荷トルクが作用すると係止ピン2aが斜面7cに沿って移動して蟻溝7a底部から嵌合溝7dへ嵌り込んで連繋部7を軸方向にモータ側へ押動したまま、伝達ギヤ5を圧縮コイルばね16(図5(b)参照)の付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転する。
これにより、負荷トルクに変動が生じ、負荷トルクの軸方向分力の大きさが圧縮コイルばね16の付勢力(ばね力)より小さくなっても、モータ1が回転している間は係止ピン2aが嵌合溝7dから外れることがない。したがって、伝達ギヤ5の軸方向の変動を抑え、動作を安定化することができる。
[第3実施例]
図7乃至図9に電動機のブレーキ機構の他例を示す。第1実施例と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとする。図8(a)はモータ停止状態におけるギヤケースを軸方向から見た正面図、図8(b)は図8(a)の矢印B−B断面図、図8(c)は図8(b)の遠心ピンの拡大図、図9(a)はモータ動作状態におけるギヤケースを軸方向から見た正面図、図9(b)は図9(a)の矢印C−C断面図、図9(c)は図9(b)の遠心ピンの拡大図である。
図7において、モータ軸2には係止ピン2aが軸方向と直交する向きに突設されている。連繋部7の軸方向モータ側端部には蟻溝7aが形成されている。モータ軸2に突設された係止ピン2aは蟻溝7a内に挿入される(図5(a)(b)参照)。連繋部7のギヤケース端面3aに対向する部位には、角部が面取りされた凸部7bが複数箇所(本実施例では4箇所)に等間隔で形成されている(図4(a)参照)。伝達ギヤ5はモータ軸2に弾装される圧縮コイルばね16によりモータ1側より減速機(ギヤケース3)側に向けて常時付勢される。
図8(a)〜(c)及び図9(a)〜(c)において、連繋部7の胴部7eには遠心ピン18が径方向に突出可能に収納されている。具体的には。遠心ピン18は胴部7e内に収納された収納位置と胴部外周面より径方向へ突出して先端側がギヤケース3の内壁面に当接する突出位置との間を移動可能に設けられている。またギヤケース3内には、連繋部7の胴部7eが嵌り込んで遠心ピン18の突出が抑え込まれる第1の嵌合孔3eと当該第1の嵌合孔3eより孔径が大きく遠心ピン18の突出が許容される第2の嵌合孔3fがテーパー部3gを介して連続して設けられている。
図8(a)〜(c)において、モータ軸2に負荷トルクが作用しないときに遠心ピン18が収納位置に収納されたままギヤケース3の第1の嵌合孔3eに嵌め込まれて連繋部7が回転規制されている(図8(b)(c)参照)。
図9(a)〜(c)において、モータ負荷が作用して圧縮コイルばね16の付勢力より負荷トルクが大きくなる(係止ピン2aの接触力の軸方向分力>ばね力)と、係止ピン2aが蟻溝7a底部に嵌り込んで連繋部7を圧縮コイルばね16の付勢に抗して軸方向にモータ1側へ押動する。このとき連繋部7が軸方向に第1の嵌合孔3eから第2の嵌合孔3f側へスライドして遠心ピン18が胴部から径方向外側へ遠心力により突出してギヤケース3に対して軸方向に係止する(図9(c)参照)。このように、伝達ギヤ5を圧縮コイルばね16の付勢に抗してモータ1側へスライドさせたまま安定した位置で回転駆動することができる。
また、モータ1の回転が遅くなると遠心ピン18に作用する遠心力が小さくなって遠心力の軸方向分力が圧縮コイルばね16の付勢力より小さくなると遠心ピン18が胴部へ収納される。このとき、連繋部7がテーパー面3gを通じて第2の嵌合孔3fから第1の嵌合孔3eへスライドする。(図8(c)参照)。これにより簡易な機構で、伝達ギヤ5の駆動伝達切換え動作を安定化することができる。
尚、連繋部7の蟻溝7aには、斜面7cに連続して嵌合溝7dが形成されていても良い。
本実施例はシャッター用の電動巻取り装置について説明したが、カーテン、ブラインド、オーニングなどの他の巻取り部材の巻取り用電動機や他の電動機に設けられるギヤボックスに適用しても良い。また、伝達機構の一例として伝達ギヤを例示したが、対向する連繋部7と当接するギヤケース端面3aの規制面の形状はテーパー面を有する凹凸嵌合にすることによりトルクリミッタ機能を有するブレーキ機構としてもよいし、摩擦パッドどうしを当接させて摺動することで摩擦ブレーキとしてもよいなど様々な改変をなしうる。
第1実施例に係る回転規制時の巻取り用電動機の断面図である。 規制解除時の巻取り用電動機の断面図である。 モータとギヤケースとの分解斜視図である。 ギヤケースと伝達ギヤの斜視図である。 回転規制時と規制解除時の連繋部とギヤケースとの関係を示す状態説明図である。 第2実施例に係る伝達ギヤの伝達ギヤの正面図、下視図、矢印A−A断面図、伝達ギヤの斜視図、嵌合溝に嵌り込む係止ピンが、軸中心に対して点対称となる位置に形成されていることを示す説明図である。 第3実施例に係るモータとギヤケースとの分解斜視図である。 モータ停止状態におけるギヤケースを軸方向から見た正面図、矢印B−B断面図、遠心ピンの拡大図である。 モータ動作状態におけるギヤケースを軸方向から見た正面図、矢印C−C断面図、遠心ピンの拡大図である。
符号の説明
1 モータ
2 モータ軸
2a ピン
2b 止め輪
3 ギヤケース
3a ギヤケース端面
3b 回転規制部
3c、7b 凸部
3d 凹部
3e 第1の嵌合孔
3f 第2の嵌合孔
3g テーパー部
4 遊星歯車機構
5 伝達ギヤ
6 ギヤ部
7 連繋部
7a 蟻溝
7c 斜面
7d 嵌合溝
8 第1のキャリヤ
9 第1の遊星ギヤ
10 第1の内歯車
11 中心軸
12 第2の太陽ギヤ
13 第2のキャリヤ
14 第2の遊星ギヤ
15 第2の内歯車
16 圧縮コイルばね
17 出力軸
18 遠心ピン

Claims (6)

  1. 電動機のモータ軸と減速機との間に、当該モータ軸に負荷トルクが作用しないときにモータ軸の回転方向をモータ回転方向のみに規制し、モータ軸に負荷トルクが作用すると減速機側への回転伝達を許容する伝達機構を備えたことを特徴とする電動機のブレーキ機構。
  2. 伝達機構は、軸方向一端側に減速機と常時噛み合うギヤ部が形成され、軸方向他端側にモータ軸と連繋する連繋部が形成された伝達ギヤを備え、該伝達ギヤはモータ軸に弾装された付勢手段によりモータ側から減速機側へ向けて常時付勢されてギヤケース端面に押し当てられており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに、出力側からモータ軸へモータ回転方向と逆回転方向にトルクが作用しても連繋部がギヤケースとの間に設けられる回転規制部に当接して伝達ギヤの回転が規制され、モータ軸に負荷トルクが作用すると、ギヤ部が減速機と噛み合ったまま伝達ギヤが付勢手段の付勢に抗して軸方向へスライドして連繋部の回転規制部による規制が解放され、伝達ギヤが回転して減速機へ駆動伝達されることを特徴とする請求項1記載の電動機のブレーキ機構。
  3. モータ軸に突設されたピンが連繋部のモータ側端部に形成された蟻溝内に挿入されており、ギヤケース端面に対向する部位に凸部が形成され、対向するギヤケース端面に凸部と凹凸嵌合して回転を規制する回転規制部が設けられており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに連繋部の凸部は回転規制部と凹凸嵌合しており、モータを起動するとピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動し、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする請求項2記載の電動機のブレーキ機構。
  4. モータ軸に突設されたピンが連繋部のモータ側端部に形成された蟻溝内に挿入されており、蟻溝には斜面に連なる嵌合溝が形成されており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに連繋部が回転規制部により回転規制されており、モータ軸に負荷トルクが作用するとピンが斜面に沿って移動して蟻溝底部から嵌合溝へ嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動し、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする請求項2記載の電動機のブレーキ機構。
  5. モータ軸に突設された係止ピンが連繋部のモータ側端部に形成された蟻溝内に挿入され、連繋部の胴部内に遠心ピンが径方向に突出可能に収納されており、モータ軸に負荷トルクが作用しないときに遠心ピンが胴部に収納されたまま連繋部が回転規制されており、モータ軸に負荷トルクが作用すると係止ピンが蟻溝底部に嵌り込んで連繋部を軸方向にモータ側へ押動しかつ遠心ピンを胴部から径方向外側へ遠心力により突出させてギヤケースに対して軸方向に係止させ、伝達ギヤを圧縮コイルばねの付勢に抗してモータ側へスライドさせたまま回転することを特徴とする請求項2記載の電動機のブレーキ機構。
  6. ギヤケース内には連繋部の胴部が嵌り込んで遠心ピンの突出が抑え込まれる第1の嵌合孔と当該第1の嵌合孔より孔径が大きく遠心ピンの突出が許容される第2の嵌合孔がテーパー部を介して連続して設けられていることを特徴とする請求項5記載の電動機のブレーキ機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011020669A1 (de) * 2009-08-17 2011-02-24 Schaeffler Technologies Gmbh & Co. Kg Radial wirkende rotationsarretierung

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