JP2007211430A - 既製杭及びアンカーの施工方法 - Google Patents

既製杭及びアンカーの施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007211430A
JP2007211430A JP2006030190A JP2006030190A JP2007211430A JP 2007211430 A JP2007211430 A JP 2007211430A JP 2006030190 A JP2006030190 A JP 2006030190A JP 2006030190 A JP2006030190 A JP 2006030190A JP 2007211430 A JP2007211430 A JP 2007211430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pile
ready
tip member
shaft tube
made pile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006030190A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3827710B1 (ja
Inventor
Hiroshi Takamori
洋 高森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
WASC KISO JIBAN KENKYUSHO KK
Original Assignee
WASC KISO JIBAN KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by WASC KISO JIBAN KENKYUSHO KK filed Critical WASC KISO JIBAN KENKYUSHO KK
Priority to JP2006030190A priority Critical patent/JP3827710B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3827710B1 publication Critical patent/JP3827710B1/ja
Publication of JP2007211430A publication Critical patent/JP2007211430A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

【課題】軸管の先端に杭先部材が設けられてなる既製杭において、軸管の先端に杭先部材を簡易に接続される手段を提供する。
【解決手段】既製杭1は、先端部分20が軸線21と直交する断面外形が正方形の軸管2と、軸管2の先端部分20に外嵌可能な断面形状が正方形の筒体30の内空が封止されるとともに、筒体30の外側へ翼体31が突出された杭先部材3と、軸管2の基端22に係止されて先端方向に対して固定される支持板5と、軸管2及び筒体30の内空に挿通されて、杭先部材3と支持板5とを締結する長尺ボルト4とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸管の先端に杭先部材が設けられてなる既製杭に関するものである。
従来より、構造物の沈下を防ぐための杭として、図12に示されるように、軸管91の先端部分の外周に螺旋翼92が設けられた鋼管杭90が知られている。鋼管杭90は、地上に設置されたアースオーガ等の駆動機械により回転されながら地中にねじ込まれて、地面に打設される。このような鋼管杭90は、打設の際の騒音や振動が少なく、土砂を排出することがないという利点がある。また、螺旋翼92により鋼管杭90の支持力が増大するという利点がある。
鋼管杭90に設けられた螺旋翼92の外径は、軸管91の外径の2〜3倍である。複数本の鋼管杭90を横積みにして保管又は運搬する際に、螺旋翼92が突出する分だけ鋼管杭90間に隙間が生じるので、積載効率が悪くなるという欠点がある。
これに対し、螺旋翼92が設けられた軸管91の先端部分を杭先部材として、軸管91と別部材とする構成が提案されている。保管や運搬の際には、軸管91に杭先部材が取り付けられないので、軸管91の積載効率が向上される。上記杭先部材は、軸管91と別途に施工現場に搬入され、施工現場において軸管91の先端に取り付けられる。
軸管に対する杭先部材の取り付け方法として、従来より溶接が用いられている。しかし、溶接作業には、溶接工が必要とされるので、人的コストが高くなるという問題がある。また、溶接作業は天候に左右されるという問題がある。これに対し、簡易な作業で、軸管に杭先部材を取り付けることが可能な鋼管杭が提案されている。
例えば、図13に示されるように、杭先部材93の上部に、軸管94の先端に嵌挿可能な縮径部95が形成される。この縮径部95に母線方向の貫通孔96が形成される。軸管94にも、貫通孔96に対応する貫通孔97が形成される。杭先部材93が軸管94の先端に嵌挿され、貫通孔96,97を連通するようにして留め具98が挿着されることにより、杭先部材93と軸管94とが固定される(特許文献1参照)。
また、図には示されていないが、貫通孔96,97に代えて、軸管94の先端の内周面と縮径部95の外周面とに雄ネジ及び雌ネジがそれぞれ形成され、軸管94の先端に縮径部95が螺合されて、杭先部材93が固定される構成が提案されている(特許文献2参照)。
特願2003−27468号公報 特開2003−27464号公報
しかし、図13に示された接続構造では、軸管94の回転力が留め具98を介して杭先部材93に伝達されるので、杭を打設する際に、留め具98に大きな剪断力が加わる。したがって、例えば、杭先部材93が地中の石等に当接した際の衝撃により、留め具98が破損するおそれがある。杭先部材93が既に地中にあれば、留め具98の破損を確認することが困難である。また、杭を逆転させて引き抜こうとしても、杭先部材93に回転力が伝達されず、杭先部材93が地中に残るおそれがある。
また、軸管94に杭先部材93を螺合する構成では、例えば既製杭を一旦引き戻すために、杭先部材93が螺合された方向と逆方向に軸管94が回転された際に、地中において土砂等の抵抗を受けた杭先部材93が、逆方向に回転される軸管94に対して静止して、杭先部材93が軸管94から外れるおそれがある。
ところで、鋼管杭90が地中に打設された後、図14に示されるように、鋼管杭90の上側に基礎99が打設され、基礎99上に家屋100が施工される。家屋100の荷重は、基礎99により支持され、基礎99への荷重は、鋼管杭90を通じて地中の支持層により支持される。つまり、鋼管杭90は、基礎99及び家屋100からの圧縮力を負担する。しかし、家屋100には、自重や積雪荷重のような下向き荷重のほかに、風力による上向きの力が作用することがある。このような上向きの力に対しては、基礎99及び家屋100の自重や、基礎99の曲げ抵抗力が反力として用いられている。大きな自重を得るためには、基礎99の断面積が拡大され、大きな曲げ抵抗力を得るためには、基礎99の鉄筋が増やされることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、軸管の先端に杭先部材が設けられてなる既製杭において、軸管の先端に杭先部材を簡易に接続される手段を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、軸管から杭先部材へ確実に回転伝達される手段を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、引き抜き力を負担することができる既製杭を提供することにある。
(1) 本発明に係る既製杭は、少なくとも先端部分が、軸線と直交する断面外形が多角形状の軸管と、上記軸管の先端部分に外嵌可能な多角形状の筒体の内空が封止されるとともに、該筒体の外側へ翼体が突出された杭先部材と、上記軸管の基端に係止されて先端方向に対して固定される支持部材と、上記軸管及び筒体の内空に挿通されて、上記杭先部材と上記支持部材とを締結する締結部材と、を具備してなるものである。
軸管の先端部分に外嵌された筒体は、互いの多角形状が合致されることにより、回転伝達がなされる。したがって、既製杭が打設される際に、軸管の基端側が回転されると、回転力が筒体に伝達され、筒体とともに翼体が回転される。締結部材は、杭先部材と軸管の基端に係止された支持部材とを締結する。これにより、軸管から杭先部材が脱落することが防止される。
(2) 上記杭先部材は、上記翼体を形成する平板材が上記筒体の先端を封止するように固定されたものが好適である。これにより、簡易な構造で杭先部材が実現される。
(3) 上記平板材に、上記筒体の内空に突出する固定ボルトが設けられ、上記締結部材は、先端側に上記固定ボルトに螺合されるナット部を有するものが好適である。これにより、杭先部材と締結部材との結合が容易になされる。
(4) 上記締結部材は、既製杭が支持する基礎に埋設される鉄筋と連結されるものであってもよい。これにより、既製杭が、基礎からの圧縮力を負担するのみでなく、基礎に作用する引き抜き力をも負担することになる。
(5) また、本発明に係るアンカーの施工方法は、上記既製杭を地中に打設する打設工程と、上記軸管内に固化材を充填する充填工程と、上記軸管を引き抜き、上記固化材を固化させる養生工程と、を含んでなるものである。
既製杭は、重機などにより回転されながら地中に打設される。打設された既製杭の軸管から支持部材が取り外されると、軸管の内空に固化材を充填することができる。固化材は、例えばセメント系の固化材が用いられる。締結部材の上端の一部が地表に露出されるように残して、軸管内に固化材を充填した後、軸管を引き抜く。支持部材が取り外されることにより、軸管と杭先部材との締結が解除されるので、地中から軸管のみが引き抜かれ、杭先部材は、締結部材と結合された状態で地中に残る。その後、養生することにより、地中の水分で固化材が固化される。その後、締結部材をアンカーとして用いることができる。
本発明に係る既製杭によれば、軸管と杭先部材の筒体とが嵌め合わされ、締結部材が杭先部材と軸管の基端に係止された支持部材とを締結するので、軸管に杭先部材を簡易に接続させることができる。また、軸管及び杭先部材の多角形状が合致されることにより、軸管から杭先部材へ回転伝達が確実になされる。また、この回転伝達に締結部材は関与しないので、締結部材に剪断応力などが作用しない。一方、既製杭の引き抜き方向に対しては、締結部材が軸管と杭先部材とを拘束するので、杭先の脱落が防止され、また、一旦打設下杭の引き抜きが可能である。
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本発明の実施形態に係る既製杭1を示す斜視図である。なお、図1においては、軸管2の長さ方向の中間部分が一部切り欠かれている。既製杭1は、軸管2の先端部分20に杭先部材3が接続されてなる。軸管2と杭先部材3とは別個の部材として構成されており、施工現場において容易に取り付け可能である。したがって、軸管2と杭先部材3とを別の工場でそれぞれ製造するような場合でも、いずれかの工場等において既製杭1としての最終組立を行う必要がなく、軸管2と杭先部材3とをそれぞれの製造工場や保管場所から施工現場に直接搬入して、施工現場において組み立てることができる。また、軸管2には外周面から突出する部材がないので、複数の軸管2をトラックの荷台等に積載して運搬する際や保管する際に、積載効率がよい。
軸管2は、軸線21と直交する断面外形が正方形の鋼管である。軸管2の軸線21方向の長さは、特に限定されないが、例えば住宅の基礎を支持するために既製杭1を用いる場合には、数メートルから20メートル程度のものが利用される。軸管2は、1本であっても、数本が軸線21上に継合されたものであってもよい。軸管2の外形寸法や肉厚等も、特に限定されず、例えば住宅の基礎を支持するために既製杭1を用いる場合には、1辺が10センチメートルから数十センチメートル程度、肉厚が数ミリメートル程度のものが利用される。軸管2として、汎用目的で市販されている角パイプを用いるとコストや調達の容易から好適である。
軸管2の先端部分20は、杭先部材3に嵌入される部分である。先端部分20の軸線21と直交する断面外形は、正方形である。なお、本実施形態では、軸管2は、長さ方向に渡って軸線21と直交する断面外形が正方形の鋼管であるが、本発明において、軸管の全体の断面外形が一定形状である必要はなく、少なくとも先端部分の断面外形が多角形であればよい。また、本発明において断面外形とは、軸管2のように、断面形状が正方形であるものに限定されず、断面形状によって形成される最大外形が多角形であればよい。また、本発明において多角形とは、軸管2の断面外形のように正方形に限定されず、例えば長方形や菱形のような矩形や、三角形、六角形等が含まれる。勿論、筒体の断面内形、すなわち筒体の内周面により形成される断面形状も同様であり、軸管の先端部分の断面外形が変更されれば、筒体の断面内形も変更される。
図2は、杭先部材3の翼体30を示す平面図である。図3は、杭先部材3付近における既製杭1の拡大正面図である。なお、図3においては、破線により軸管2の内部構造が示されている。杭先部材3は、軸管2の先端部分20に外嵌される筒体30と、筒体30から外側へ略水平方向に突出された翼体31とを有する。
筒体30は、軸線21と直交する断面内形が正方形の鋼管である。筒体30の断面内形の1辺の寸法は、軸管2の先端部分20の断面外形の外周の1辺の寸法より若干大きいので、軸管2の先端部分20に筒体30が容易に外嵌可能である。先端部分20の外周と筒体30の内周の寸法差は、先端部分20に筒体30が外嵌可能であって、先端部分20に外嵌された筒体30が、杭先部材20に対して空転しない程度に設定される。杭先部材3の軸線21方向の長さは特に限定されず、取り付け作業の容易のために軽量且つ小型となるように設定されることが好適である。杭先部材3として、汎用目的で市販されている角パイプを用いるとコストや調達の容易から好適である。
翼体31は、筒体30の先端面(下面)に、筒体30の内空を封止するように固定されている。翼体31は、既製杭1が地中に貫入される際には、既製杭1を下方へ推進する役割を果たし、また、既製杭1が打設された後は、既製杭1の支持力を担う。図2に示されるように、翼体31は、8角形の平板材の中央の厚み方向に貫通孔32が形成されるとともに、対向する2つの周縁から所定形状の切込み33が形成されたものである。
2つの切込み33は貫通孔32に対して対称となる形状である。切込み33は、周縁から中央へ向かって形成された第1切込み34と、貫通孔32を囲み、筒体30の断面形状に合致するように形成されたL字形状の第2切込み35とからなる。翼体31は、第1切込み34によって分断された両端部分が、第2切込み35の両端から周縁に向かって山折り又は谷折りにされる。図2においては、山折れ線が破線36で示され、谷折れ線が破線37で示されている。図1及び図3に示されるように、破線36で山折れされた山折れ端38は、杭先部材3の斜め下方へ向かって突出され、掘削爪となる。破線37で谷折れされた谷折れ端39は、山折れ端38とともに、既製杭1を地中へ推進させる役割を果たす。
図3に示されるように、このような形状の翼体31が、筒体30の先端に溶接固定されて、筒体30の内空が封止される。これにより、翼体31は、軸管2及び杭先部材3の内空に土砂が進入することを防止する蓋としての役割を果たすとともに、軸管2の先端部分20と当接して筒体30に対する軸管2の嵌入位置を規定する受け部としての役割を果たす。翼体31によって、このような複数の役割が果たされることにより、杭先部材3が簡易な構造で実現される。
翼体31によって、軸管2及び杭先部材3の内空への土砂の進入が防止されることにより、既製杭1を打設した後、軸管2の内空を利用して既製杭1の先端の深さを計測することができるので、既製杭の埋設深度の検査が容易になる。なお、本実施形態では、翼体31は、筒体30の内空を完全に封止しているが、本発明において、翼体による筒体の内空の封止とは、筒体30から軸管2の内空への土砂等の進入を防止できる程度のものであればよい。つまり、翼体31に若干の隙間やスリットなどが形成されていても、該隙間などから土砂等が進入しなければ封止状態である。
筒体30の先端には、翼体31の山折れ端38を受けるためのフック40が溶接固定されている。フック40は、山折れ端38を下側から支持して山折れ端38を補強する。このようなフック40は任意の構成であり、山折れ端38に所望の強度が得られれば設けられなくてもよい。
図3に示されるように、翼体31の貫通孔32には、頭部を下側にネジ部を上側にして、翼体31の下面側から固定ボルト41が挿通され、翼体31の上面側においてナット42と螺合されることにより、固定ボルト41が設けられている。固定ボルト41のネジ部は筒体30の内空に突出されており、このネジ部が後述される長尺ボルト4(締結部材)と螺合されることにより、杭先部材3と長尺ボルト4とが結合される。
図4は、既製杭1の基端側の分解斜視図である。図5は、既製杭1の内部構成を示す断面図である。図1、図3、図4及び図5に示されるように、軸管2及び杭先部材3の内空には、軸線21方向に延びる長尺ボルト4が設けられている。長尺ボルト4は、軸管2の長さとほぼ同程度の長さのものである。図3及び図5に示されるように、長尺ボルト4の先端にはナット部43が設けられている。ナット部43は、上記固定ボルト41と螺合されるものである。図4及び図5に示されるように、長尺ボルト4の基端にはネジ部44が形成されている。ネジ部44は雄ネジであり、ナット45と螺合される。
図4及び図5に示されるように、軸管2の基端22には、支持板5が設けられている。支持板5は、軸管2の断面形状と同等の正方形の平板材である。支持板5の中央部分50は、軸管2の内空部分に嵌り込むように凹まされており、中央部分50と周縁部分51との凹凸形状により、支持板5が軸管2の基端22に係止される。支持板5の中央には、厚み方向に貫通孔52が形成されている。貫通孔52には、長尺ボルト4のネジ部44が挿通される。支持板5の上面側においてネジ部44にナット45が螺合されることにより、長尺ボルト4と支持板5とが結合される。
以下に、既製杭1の組立て方法が説明される。図5に示されるように、軸管2の先端部分20に、杭先部材3の筒体30が外嵌される。杭先部材3は、翼体31が固定された側が下側となるようにする。軸管2の先端部分20の外形の断面外形は正方形であり、杭先部材3の筒体30の断面内形も正方形であるので、互いの4つの角部を合わせるようにして外嵌する。この作業は、軸管2の軸線21を必ずしも鉛直方向にして行う必要はなく、例えば、軸管2の軸線21が略水平方向となるように軸管2を作業台等に載置して行ってもよい。
図5に示されるように、軸管2の先端を、杭先部材3の翼体31に当接するまで嵌入する。この状態で、翼体31に取り付けられた固定ボルト41のネジ部が軸管2の基端22側から視認可能である。軸管2の基端22側から長尺ボルト4を軸管2の内空へ挿入する。長尺ボルト4は、ナット部43を下側にする。そして、ナット部43を固定ボルト41に螺合させる。これにより、杭先部材3と長尺ボルト4とが結合される。
つづいて、軸管2の基端22に支持板5を係止するとともに、支持板5の貫通孔52に長尺ボルト4のネジ部44を挿通する。そして、支持板5の上面側において、ネジ部44にナット45を螺合する。これにより、長尺ボルト4と支持板5とが結合される。長尺ボルトの他方は、前述されたように杭先部材3と結合されている。つまり、長尺ボルト4は、杭先部材3と支持板5とを締結している。杭先部材3及び支持板5は、軸管2の両端面にそれぞれ当接しているので、軸管2を杭先部材3及び支持板5により挟み込みようにして、これらが一体に固定され既製杭1とされる。このようにして、軸管2への杭先部材3の取り付け作業が、施工現場において容易に行われる。
以下、既製杭1の打設方法について説明する。図6は、既製杭1が重機10に取り付けられた状態を示すものである。図7は、既製杭1の上側に住宅12が施工された利用態様を示すものである。
図6に示されるように、既製杭1は、杭先部材3を下側にして、上端が重機10の回転駆動部11に取り付けられる。回転駆動部11は、油圧等による駆動力を受けて既製杭1を回転するとともに、上下方向に移動可能である。
例えば、図7に示されるように、住宅12の基礎13を支持するために既製杭1を打設する場合には、基礎13の施工位置に対して所定の位置に複数の既製杭1が打設される。複数の既製杭1を打設する中心位置は、予め計測されて地面に杭や釘等で記されている。したがって、重機10を既製杭1を打設すべき中心位置まで移動等させて、該中心位置上に既製杭1の軸線21が一致するように位置決めする。
また、杭先部材3は、長尺ボルト4により支持板5と締結されているので、既製杭1を重機10に取り付ける際や、取り付け後の位置決め等のために、既製杭1を、軸線21が鉛直方向となる姿勢にしても、杭先部材3が軸管2から脱落することがない。また、地中に貫入させた既製杭1を引き抜く際にも杭先部材3が軸管2から脱落することがない。
既製杭1を所定の位置に位置決めした後、重機10の回転駆動部11を動作させることにより、既製杭1が回転されながら地中に貫入される。軸管2と杭先部材3とは、互いの断面外形と断面内形とが嵌め合わされているので、杭先部材3に対して軸管2が空転することがない。したがって、回転駆動部11により軸管2が回転されることにより、その回転が嵌合形状を介して杭先部材3に伝達され、軸管2とともに杭先部材3が回転する。杭先部材3が回転することにより、その筒体30の外周に設けられた翼体31が回転して地中に貫入される。したがって、既製杭1は、翼体31の推進力により地中へ貫入される。
既製杭1は、翼体31の推進力のみでなく、回転駆動部11が降下されることによる鉛直方向の押し込み力が軸管2に付与されて、地中へ貫入される。この押し込み力は、図5に示されるように、軸管2の先端から翼体31に直接伝達される。
翼体31の山折れ端38が掘削爪の役割を果たすことにより、既製杭1が地中に貫入される際に、山折れ端38が地中の石等を、その回転によってはね除ける。これにより、既製杭1の地中への貫入が円滑になる。なお、既製杭1が地中へ貫入される際に山折れ端38に貫入抵抗が生ずるが、この貫入抵抗は翼体31から直接軸管2で受けられる。
そして、予め定められた深さまで既製杭1が貫入されれば、回転駆動部11を停止して貫入を終了する。図7に示されるように、所定の位置に既製杭1が打設された後に、既製杭1上に設けられた住宅12及び基礎13の荷重は、軸管2の先端部分20から杭先部材3に伝達される。杭先部材3の翼体31は、既製杭1が打設された後は、既製杭1に支持力を付与する。したがって、杭先部材3に伝達された住宅12及び基礎13の荷重が翼体31で支持される。これにより、住宅12及び基礎13の沈下が既製杭1により防止される。なお、図7には示されていないが、既製杭1を打設した後、基礎13を打設するために、既製杭1から支持板を取り外し、代わりに基礎13を支持するための蓋を軸管2の基端22に設けることとしてもよい。
このように、既製杭1によれば、軸管2と杭先部材3の筒体30とが嵌め合わされ、長尺ボルト4が杭先部材3と軸管2の基端22に係止された支持板5とを締結するので、軸管2に杭先部材3を簡易に接続させることができる。また、軸管2及び杭先部材3の正方形の断面形状が合致されることにより、軸管2から杭先部材3へ回転伝達が確実になされる。この回転伝達に長尺ボルト4は関与しないので、長尺ボルト4に剪断応力などが作用しない。これにより、軸管2の先端部分20に杭先部材3を簡易に接続される既製杭1が実現される。また、軸管2から杭先部材3へ確実に回転伝達される既製杭1が実現される。
以下に、既製杭1の別の施工例が説明される。図8は、既製杭1と基礎13との連結部分の構成を示す拡大断面図である。図8に示されるように、地中に打設された既製杭1において、長尺ボルト4が基礎13の鉄筋14と連結されている。
前述されたように、重機10により地中に既製杭1が打設された後、支持板5の上面側においてナット45が長尺ボルト4のネジ部44から外される。そして、軸管2の基端22に係止されていた支持板5が外される。既製杭1は既に地中に打設されており、杭先部材3は、地中に埋設されているのでいるので、支持板5を取り外しても、杭先部材3が軸管2から直ちに離脱することはない。
支持板5が取り外されると、軸管2の基端に長尺ボルト4のネジ部44が露出される。そして、長尺ボルト4に基礎13に配筋される鉄筋14を連結する。鉄筋14は、長尺ボルト4と同様に一端側にナット部15を有する。ナット部15を長尺ボルト4のネジ部44に螺合することにより、長尺ボルト4が上側に延長されるようにして鉄筋14が連結される。そして、鉄筋14に加えて基礎13の配筋を施して、基礎13が打設される。これにより、鉄筋14が基礎13の配筋となる。
このように、長尺ボルト4が、既製杭1が支持する基礎13に埋設される鉄筋14と連結されることにより、既製杭1は、基礎13からの圧縮力を負担するのみでなく、基礎13に作用する引き抜き力をも負担することになる。つまり、住宅12が風等を受けることにより基礎13に引き抜き力が加わると、鉄筋14にも引き抜き力が作用する。鉄筋14は、長尺ボルト4と連結されており、長尺ボルト4は、杭先部材3の翼体31と結合されている。したがって、長尺ボルト4を介して翼体31に引き抜き力が伝達されるが、翼体31がこれに対抗する。これにより、既製杭1が引き抜き力を負担することになる。
以下に、既製杭1のさらに別の施工例が説明される。本施工例では、既製杭1は、大形看板やポールの固定、斜面の崩れ防止などに用いられるアンカーの施工のために用いられる。図9から図11は、本施工例における各工程を説明するための断面図である。
図9には、既製杭1が地中に打設された後の状態が示されている。このような既製杭1の打設は、前述と同様の方法で行われる。つまり、重機10が用いられ、既製杭1が回転されながら地中に貫入される。この工程が本発明の打設工程に相当する。
つづいて、図10に示されるように、打設された既製杭1の軸管2の基端22から、支持板5が取り外される。支持板5の取り外しも前述と同様であり、長尺ボルト4のネジ部44からナット45が取り外され、つづいて支持板5が取り外される。支持板5が取り外されることにより、長尺ボルト4のナット部44とともに、軸管2の内空が地表に露出される。露出された軸管2の内空に、固化材6を充填する。固化材6は、例えばセメント系の固化材、すなわち、セメントに骨材、土砂などが適宜混合されたものを用いればよい。固化材6の充填方法は特に限定されないが、図10に示されるように、バケツ16を用いて固化材6を軸管2の内空に注ぎ込めばよい。固化材6は、長尺ボルト4のネジ部44付近が地表に露出される程度に、軸管2の内空に充填される。この工程が本発明の充填工程に相当する。
つづいて、図11に示されるように、地中に打設された既製杭1から軸管2を引き抜く。軸管2は、杭先部材3の筒体30に嵌入され、翼体31に当接しているのみなので、上方向に対しては何ら固定されていない。また、軸管2の周囲には、軸線21を中心とした軸管21の角部の回転軌跡に相当する隙間が形成されている。したがって、軸管2の引き抜きに際して、地面との摩擦も少ない。軸管2が引き抜かれることにより、固化材6が上記隙間にも流れ出して、軸管2の貫入跡に固化材6が充填される。その後、所定期間養生する。養生期間中に地中の水分が固化材6に滲入して、固化材6が固化される。これにより、長尺ボルト4の周囲が固化材6により固定されるとともに、杭先部材3の内部においても固化材6が固化される。この工程が本発明の養生工程に相当する。
固化材6が固化することにより、杭先部材3、長尺ボルト4及び固化材6が一体になり、長尺ボルト4の引き抜き力に対して、杭先部材3の翼体31が対抗する。したがって、長尺ボルト4のネジ部44に、固定すべき看板の基礎を連結したり、山留め用の平板材が連結されることにより、長尺ボルト4をアンカーとして用いることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る既製杭1の構成を示す斜視図である。 図2は、翼体31を示す平面図である。 図3は、杭先部材3付近の構成を示す拡大正面図である。 図4は、軸管2の基端22付近の構成を示す分解斜視図である。 図5は、既製杭1の内部構成を示す断面図である。 図6は、既製杭1の施工方法を説明するための模式図である。 図7は、既製杭1の施工例を示す模式図である。 図8は、既製杭1の別の施工例を示す模式図である。 図9は、既製杭1のさらに別の施工例における打設工程を示す模式図である。 図10は、既製杭1のさらに別の施工例における充填工程を示す模式図である。 図11は、既製杭1のさらに別の施工例における養生工程を示す模式図である。 図12は、従来の鋼管杭90の概略構成を示す正面図である。 図13は、杭先部材93が分離可能な従来の鋼管杭の概略構成を示す分解図である。 図14は、従来の既製杭90の施工例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・既製杭
2・・・軸管
3・・・杭先部材
4・・・長尺ボルト(締結部材)
5・・・支持板(支持部材)
13・・・基礎
14・・・鉄筋
20・・・先端部分
21・・・軸線
22・・・基端
30・・・筒体
31・・・翼体
41・・・固定ボルト
43・・・ナット部

Claims (5)

  1. 少なくとも先端部分が、軸線と直交する断面外形が多角形状の軸管と、
    上記軸管の先端部分に外嵌可能な多角形状の筒体の内空が封止されるとともに、該筒体の外側へ翼体が突出された杭先部材と、
    上記軸管の基端に係止されて先端方向に対して固定される支持部材と、
    上記軸管及び筒体の内空に挿通されて、上記杭先部材と上記支持部材とを締結する締結部材と、を具備してなるものである既製杭。
  2. 上記杭先部材は、上記翼体を形成する平板材が上記筒体の先端を封止するように固定されたものである請求項1に記載の既製杭。
  3. 上記平板材に、上記筒体の内空に突出する固定ボルトが設けられ、
    上記締結部材は、先端側に上記固定ボルトに螺合されるナット部を有するものである請求項2に記載の既製杭。
  4. 上記締結部材は、既製杭が支持する基礎に埋設される鉄筋と連結されるものである請求項1から3のいずれかに記載の既製杭。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の既製杭を地中に打設する打設工程と、
    上記軸管内に固化材を充填する充填工程と、
    上記軸管を引き抜き、上記固化材を固化させる養生工程と、を含んでなるものであるアンカーの施工方法。
JP2006030190A 2006-02-07 2006-02-07 既製杭及びアンカーの施工方法 Active JP3827710B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030190A JP3827710B1 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 既製杭及びアンカーの施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030190A JP3827710B1 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 既製杭及びアンカーの施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3827710B1 JP3827710B1 (ja) 2006-09-27
JP2007211430A true JP2007211430A (ja) 2007-08-23

Family

ID=37101325

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006030190A Active JP3827710B1 (ja) 2006-02-07 2006-02-07 既製杭及びアンカーの施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3827710B1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017002498A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 システム計測株式会社 杭の先端シュー及び杭構造
JP2020153179A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 日鉄建材株式会社 土中埋設鋼管用蓋体、土中埋設鋼管、および継手部材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104762980B (zh) * 2015-04-07 2016-06-01 兰州理工大学 耗能减震防液化刚柔性抗滑桩及施工方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017002498A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 システム計測株式会社 杭の先端シュー及び杭構造
JP2020153179A (ja) * 2019-03-22 2020-09-24 日鉄建材株式会社 土中埋設鋼管用蓋体、土中埋設鋼管、および継手部材
JP7261629B2 (ja) 2019-03-22 2023-04-20 日鉄建材株式会社 土中埋設鋼管用蓋体、土中埋設鋼管、および継手部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP3827710B1 (ja) 2006-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7112012B2 (en) Piling apparatus and method of installation
EP2141286B1 (en) Spiral steel pipe pile
JP5090804B2 (ja) 既製杭の施工方法及び基礎支持構造
JP2003184078A (ja) 場所打ち杭及びその施工方法
JP2006077388A (ja) 杭埋設方法
JP3135921U (ja) 水平耐力用アンカー杭
JP3827710B1 (ja) 既製杭及びアンカーの施工方法
JP2009046832A (ja) 基礎用杭装置、それに用いられる縦連結手段並びに基礎用杭の打ち込み設置方法
JP3458116B2 (ja) 場所打ち杭の施工方法
JP3140159U (ja) ユニットハウス用鉄骨基礎
JP5000734B2 (ja) 補強杭の圧入工法
JP2010209645A (ja) 基礎杭構造及び基礎杭の構築方法
JP6336850B2 (ja) 基礎杭の杭頭部補強工法
JP5775750B2 (ja) 鋼管コンクリート複合杭
JP2007031970A (ja) 構真柱の杭への接合構造及び埋設用管体並びにそれらの施工方法
JP2006057404A (ja) 基礎杭用の先端ヘッド及び施工具並びに基礎杭
JP2003221827A (ja) 杭施工治具、補強杭および杭施工方法
JP4856737B2 (ja) 既設家屋の基礎補強工法
JP2009270403A (ja) 中空パイルの埋設装置に用いるクラッチ体
JP6866980B2 (ja) 接合用キャップおよび杭頭接合構造
JP6616180B2 (ja) 杭頭部を補強した基礎杭の構築方法
JP2010209547A (ja) 壁杭及び壁杭の造成工法
JP3798414B2 (ja) 被切削コンクリート壁用の連続繊維補強部材と、これを用いた被切削コンクリート壁の施工方法
JP6667277B2 (ja) 杭頭部を補強した基礎杭の構築方法
JP2007154456A (ja) 鋼管杭施工時の杭頭補強構造および鋼管杭の施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060704

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060704

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3827710

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090714

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120714

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150714

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250