JP2007211187A - 複合微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 金属酸化物微粒子をポリマー粒子に強固に固定化した複合微粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 有機物と無機物とを結合させることができるシランカップリング剤によって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子であり、固定化させる際、ポリマー粒子、金属酸化物微粒子およびシランカップリング剤を含む溶液に、超音波を照射することが好ましい。また、ポリマー粒子は、ポリメチルメタクリレート粒子であり、金属酸化物微粒子は、シリカ粒子であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子およびその製造方法に関するものである。
一般にポリマー粒子は、液媒体中で凝集しやすく、機械的強度およびpH安定性なども高くないので、それらの改善するために種々の表面改質が行われてきた。ポリマー粒子を表面改質する方法としては、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を被覆する処理、たとえば、高速気流中衝撃法による表面改質などが挙げられる。
高速気流中衝撃法による表面改質は、ハイブリダイゼーションシステムなどを用いることによって、液媒体を用いない乾式で、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を配列させたオーダードミクスチュア(ordered mixture)状態を形成させ、さらに、機械的に金属酸化物微粒子をポリマー粒子に固定化させる方法である(たとえば、特許文献1参照)。
特公平3−2009号公報
ポリマー粒子は、表面に金属酸化物微粒子を固定化させることによって、凝集防止、変色防止、変質防止、分散性向上、触媒効果向上、磁気特性向上などの効果を発揮することができる。さらに、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を複数層固定化することにより、研削力および耐薬品性などをさらに向上させることができるという効果がある。しかしながら、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が固定化された複合微粒子を使用すると、金属酸化物微粒子の脱離などが問題となる場合がある。たとえば、複合微粒子を研磨材として用いて、半導体基板などの被研磨物を研磨する場合、金属酸化物微粒子がポリマー粒子から脱離し、その脱離によって金属酸化物微粒子またはポリマー粒子が2次凝集体を形成してしまう。このような2次凝集体によって、スクラッチと言われる微小な傷が、被研磨物に発生してしまい、製品の歩留まりを低下させてしまう。また、金属酸化物微粒子の脱離は、複合微粒子の分散性および長期安定性などにも大きな影響を与え、複合微粒子の本来の役目を果たさなくなってしまう。
特許文献1に記載されている固体粒子の表面改質方法によると、乾式で表面改質することができるので、ポリマー粒子の凝集を発生させることなく、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が均一に固定化された安定した複合微粒子を効率よく製造することができる。しかしながら、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子が強固に付着させて固定化する工夫については考慮されておらず、上記のような金属酸化物微粒子の脱離による問題が発生してしまう。また、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を複数層固定化する工夫についても考慮されていないので、充分に表面改質された複合微粒子が得られていない。
本発明の目的は、金属酸化物微粒子をポリマー粒子に強固に固定化した複合微粒子およびその製造方法を提供することである。
本発明は、ポリマー粒子の表面に、シランカップリング剤によって、金属酸化物微粒子を固定化したことを特徴とする複合微粒子である。
また本発明は、前記シランカップリング剤は、超音波を照射することにより、前記ポリマー粒子の表面に前記金属酸化物微粒子を固定化させることを特徴とする。
また本発明は、前記ポリマー粒子は、ポリメチルメタクリレート粒子であることを特徴とする。
また本発明は、前記金属酸化物微粒子は、シリカ粒子であることを特徴とする。
また本発明は、前記ポリマー粒子は、平均粒径が300nm以上5μm以下であることを特徴とする。
また本発明は、前記金属酸化物微粒子は、平均粒径が5nm以上100nm以下であることを特徴とする。
また本発明は、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤とを含む溶液に、超音波を照射することによって、前記ポリマー粒子の表面に前記金属酸化物微粒子を固定化することを特徴とする複合微粒子の製造方法である。
本発明によれば、ポリマー粒子の表面に、シランカップリング剤によって、金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子である。シランカップリング剤は、有機物と無機物とを結合させることができるので、無機物である金属酸化物微粒子は、有機物であるポリマー粒子の表面に強固に付着されて固定化されている。したがって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を強固に固定化した複合微粒子が得られる。
また本発明によれば、シランカップリング剤は、超音波を照射することによって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を固定化させる。このようなシランカップリング剤は、超音波照射によってポリマー粒子の表面に形成される気泡の中で、反応しやすくなるので、超音波の照射によって分散されている金属酸化物微粒子が、ポリマー粒子に接触することによって、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とが強固に結合される。したがって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子をより強固に固定化された複合微粒子が得られる。
また本発明によれば、ポリマー粒子は、ポリメチルメタクリレート粒子であると、シランカップリング剤によって、その表面に金属酸化物微粒子をより強固に固定化させることができるので、好ましい。
また本発明によれば、金属酸化物微粒子は、シリカ粒子であると、シランカップリング剤によって、ポリマー粒子の表面により強固に固定化させることができるので、好ましい。
また本発明によれば、ポリマー粒子は、平均粒径が300nm以上5μm以下であることが好ましく、金属酸化物微粒子は、平均粒径が5nm以上100nm以下であることが好ましい。
また本発明によれば、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤とを含む溶液に、超音波を照射することによって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を固定化する複合微粒子の製造方法である。
ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤を含む溶液に、超音波を照射すると、超音波照射によってポリマー粒子の表面に形成される気泡の中で、シランカップリング剤が反応しやすくなるので、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子が接触することによって、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とが強固に結合される。
また、ポリマー粒子および金属酸化物微粒子は、超音波照射によって分散されているので、金属酸化物微粒子がポリマー粒子に接触しやすくなっている。
したがって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が強固に固定化された複合微粒子を極めて短時間で製造することができる。
本発明は、ポリマー粒子の表面に、シランカップリング剤によって、金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子である。シランカップリング剤は、有機物と無機物とを結合させることができるので、無機物である金属酸化物微粒子は、有機物であるポリマー粒子の表面に強固に付着されて固定化されている。したがって、この複合微粒子は、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を強固に固定化した複合微粒子が得られる。
まず、このポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子を強固に固定化した複合微粒子を製造する方法について説明する。本発明である複合微粒子は、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤とを含む溶液に、超音波を照射することによって製造する。
ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤を含む溶液に、超音波を照射することで、金属酸化物微粒子およびポリマー粒子を分散させると同時に超音波照射を利用した脱水効果が発揮される。超音波照射を利用した脱水効果とは、ポリマー粒子の表面に気泡が形成され、その気泡によって、シランカップリング剤が反応しやすくなる効果であり、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子が接触することによって、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とが強固に結合される。また、ポリマー粒子および金属酸化物微粒子は、超音波照射によって分散されているので、金属酸化物微粒子がポリマー粒子に接触しやすくなっている。したがって、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が強固に固定化された複合微粒子を極めて短時間で製造することができる。さらに、シランカップリング剤を介して、ポリマー粒子の表面と金属酸化物微粒子とを結合しているので、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が多層に形成された複合微粒子が得られる。
また、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を機械的に打ち付けてポリマー粒子に金属酸化物微粒子を固定化させる乾式の固定化方法、たとえば、ハイブリダイゼーションシステムなどを用いた固定化方法では、使用できるポリマー粒子が制限され、さらに、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を打ち付ける際の条件などの固定化条件を厳密に設定する必要があるが、本発明では、ポリマー粒子および金属酸化物微粒子が溶媒に分散させた状態で、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を固定化させる湿式の固定化方法を使用しているので、幅広いポリマー粒子を使用することができ、固定化条件の設定が容易である。
シランカップリング剤は、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とを結合させることができれば、公知のシランカップリング剤を用いることができ、特に制限されない。シランカップリング剤としては、ケイ素に無機物と反応する無機官能基および有機物と反応する有機官能基を有するケイ素化合物などが挙げられる。無機官能基としては、シラノール基、シランカップリング剤を水に溶解させるとシラノール基に変化する官能基であるエトキシ基、メトキシ基などのアルコキシ基などが挙げられ、有機官能基としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基、ケチミン基およびクロロ基などを含む官能基が挙げられる。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリス(2−エトキシメトキシ)シランなどのビニル基を含むビニル系シランカップリング剤、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N’−ビス[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]エチレンジアミンアミノ基などのアミノ基を含むアミノ系シランカップリング剤、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を含むエポキシ系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのメタクリロキシ基を含むメタクリロキシ系シランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を含むメルカプト系シランカップリング剤、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミンなどのケチミン基を含むケチミン系シランカップリング剤、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ基を含むクロロ系シランカップリング剤およびN−[2−(ビニルベンジンアミノ)エチル]−3−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩などのカチオン性のカチオン系シランカップリング剤およびヘキサメチルジシラザンなどのシラザン系シランカップリング剤などが挙げられる。この中でも、ポリマー粒子の表面に存在している官能基と親和性の高い有機官能基を含むシランカップリング剤が好ましい。ポリマー粒子が、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の場合、アミノ系シランカップリング剤が好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
ポリマー粒子は、公知のポリマー粒子を用いることができ、特に制限されない。好ましいポリマー粒子としては、たとえば、PMMA、天然ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリスチレン、ポリウレタン、アクリレート系共重合体、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−スチレン共重合体、アクリレート−スチレン共重合体、ポリエチレン、塩化ビニル系共重合体、塩化ビニリデン系共重合体およびエポキシ樹脂などから構成されるポリマー粒子が挙げられる。その中でも、シランカップリング剤によって、表面に金属酸化物微粒子をより強固に固定化させることができるので、PMMA粒子が好ましい。
金属酸化物微粒子としては、ポリマー粒子の表面に固定化してポリマー粒子の表面改質することができる金属酸化物微粒子であれば、公知の金属酸化物微粒子を用いることができ、特に制限されない。好ましい金属酸化物微粒子として、たとえば、酸化ケイ素(シリカ)粒子、酸化アルミニウム(アルミナ)粒子および酸化セリウム粒子などが挙げられ、特に、シランカップリング剤によって、ポリマー粒子の表面により強固に固定化させることができるので、シリカ粒子が好ましい。
また、ポリマー粒子および金属酸化物微粒子の平均粒径は、以下のような関係になっていることが好ましい。ポリマー粒子および金属酸化物微粒子の平均粒径は、種々の方法で計測できるが、例えば、走査透過電子顕微鏡などを用いて測定する。
金属酸化物微粒子の平均粒径は、5nm以上100nm以下であることが好ましい。5nm未満または100nmより大きいと、ポリマー粒子に充分に固定化することができない。ポリマー粒子に金属酸化物微粒子が固定化されたとしても、充分に表面改質することができない場合がある。
ポリマー粒子の平均粒径は、300nm以上5μm以下であることが好ましい。ポリマー粒子の平均粒径が、300nm未満または5μmより大きいと、ポリマー粒子が金属酸化物微粒子を充分に固定化することができない。
ポリマー粒子および金属酸化物微粒子の形状は、球形であってもよいし、無定形であってもよく、形状に制限されない。
超音波を照射する方法は、公知の超音波照射方法を用いることができ、特に制限されない。たとえば、溶液に超音波振動子を浸して照射を行う投げ込み型、溶液を貯留する槽の壁を振動させて照射を行う槽型などが挙げられ、超音波照射装置の簡素化および縮小化などの観点から投げ込み型が好ましい。
超音波照射は、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤とを含む溶液に、所定の出力で所定の時間だけ行う。その超音波照射条件は、使用するポリマー粒子、金属酸化物微粒子およびシランカップリング剤の種類と量などに応じて最適条件が変わるので、実際の反応を行う際に適宜決定すればよい。
以上のように、ポリマー粒子の表面に、シランカップリング剤によって、金属酸化物微粒子を固定化させると、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が強固に固定化した複合微粒子が得られる。
以下に、実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子を以下の方法によって調製した。
[実施例1]
ポリマー粒子1gと金属酸化物微粒子10gとを50重量%エタノール水溶液50mlに混合させ、その溶液に、シランカップリング剤を1ml添加して、超音波ホモジナイザ(株式会社日本精機製作所製、US−6000CCVP)を用い、出力600Wで10分間超音波照射を行った。
ポリマー粒子としては、PMMA粒子(MX180−TA、綜研株式会社製)を用いた。このPMMA粒子の平均粒径は、2.3μmであり、形状は、球状である。
金属酸化物微粒子としては、シリカ粒子(SI−30、触媒化成工業社製)を用いた。このシリカ粒子の平均粒径は、10nmであり、形状は、真球状である。
シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(サイラエースS330、チッソ株式会社製)を用いた。
[比較例1]
ポリマー粒子1gと金属酸化物微粒子10gとを50重量%エタノール水溶液50mlに混合させた。ポリマー粒子および金属酸化物微粒子は、実施例1のポリマー粒子および金属酸化物微粒子と同様である。
[比較例2]
ハイブリダイゼーションシステム(奈良ハイブリダイゼーションシステム NHS−1、株式会社奈良機械製作所製)を用いて、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を固定化する固定化処理を行った。
ハイブリダイゼーションシステムは、計量器、ハイブリダイザ、捕集器およびコントローラなどから構成されている。
まず、ポリマー粒子と金属酸化物微粒子との混合重量比がポリマー粒子の形状が真球状で、表面が平滑であると仮定した場合に、ポリマー粒子の表面に金属酸化物微粒子が一層覆うような混合重量比である90:0.9(100:1)となるように、ポリマー粒子90gおよび金属酸化物微粒子0.9gを混合して、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子が付着したオーダードミクスチュア状態の混合物を形成させた。
このオーダードミクスチュア状態の混合物を計量器でハイブリダイザに適量投入し、ハイブリダイザ内の温度をポリマー粒子の軟化点以上にして、回転数8000rpmで5分間処理することによって、ポリマー粒子に金属酸化物微粒子を固定化した複合微粒子を調製した。調製した複合微粒子は、捕集器に集められ、捕集器から回収される。
ポリマー粒子としては、ポリイミド粒子(UIP−S、宇部興産株式会社製)を用いた。このポリイミド粒子の平均粒径は、7.4μmであり、形状は、球状である。
金属酸化物微粒子としては、シリカ粒子(SP−0.3B、扶桑化学工業株式会社製)を用いた。このシリカ粒子の平均粒径は、300nmであり、形状は、真球状である。
実施例1および比較例1で得られた粒子の表面のIR(infrared ray)スペクトルを、IR分光法によって測定した。なお、溶液中の粒子を測定した。IRスペクトルは、FT−IR(N EXUS670,Thermo Nicolet社製)を用いて測定した。測定条件は、分解能を4cm−1、スキャン回数を32回とした。
図1は、複合微粒子の表面のIRスペクトルを示すグラフである。図1(a)は、実施例1である複合微粒子の表面のIRスペクトル1を示すグラフであり、図1(b)は、比較例1である複合微粒子の表面のIRスペクトル2を示すグラフである。グラフの横軸は波数[cm−1]を示し、縦軸は吸光度[−]を示す。
図1より、実施例1のIRスペクトル1のPMMA粒子に基づくピーク3は、比較例1のIRスペクトル2のPMMA粒子に基づくピーク3より小さいことがわかる。このことから、実施例1は、比較例1より、PMMA粒子が露出している面積が少ないことを示している。したがって、実施例1は、比較例1より、PMMA粒子の表面にシリカ粒子が多く固定化されていることを示している。
次に、実施例1および比較例2で得られた複合微粒子について、SEM観察評価を行った。実施例1および比較例2の複合微粒子1gを、水50ccに添加して、超音波ホモジナイザを用いて、出力600Vで3分間、超音波を照射した。超音波を照射する前の複合微粒子と照射した後の複合微粒子との表面状態を、それぞれSEM観察した。SEM観察は、電界放射型走査透過電子顕微鏡(STEM)(HD−2000、日立製作所製)を用い、加速電圧200kVで行った。さらに複合微粒子表面の元素分析およびシリカ粒子の濃度を測定した。元素分析および濃度測定は、EDS(UTW型エネルギー分散型X線装置、NORAN製)を用いて、Si(Li)半導体検出器を検出器として、ビーム径を1nmとして測定した。
図2は、実施例1である複合微粒子のSEM写真であり、図3は、比較例2である複合微粒子のSEM写真である。実施例1である複合微粒子は、シリカ粒子が付着されており、図2からわかるように、超音波が照射されても、付着されたシリカ粒子が脱離されなかった。したがって、実施例1である複合微粒子は、シリカ粒子がPMMA粒子に強固に固定化されている。比較例2である複合微粒子は、図3からわかるように、超音波が照射されると、付着されたシリカ粒子は、ほとんど脱離された。したがって、比較例2における複合微粒子は、ポリイミド粒子にシリカ粒子が付着しているが、強固には固定化されていない。
以上より、PMMA粒子、シリカ粒子およびシランカップリング剤を含む溶液に、超音波を照射して得られた複合微粒子は、金属酸化物微粒子がポリマー粒子に強固に固定化された複合微粒子であった。
複合微粒子の表面のIRスペクトルを示すグラフである。 実施例1である複合微粒子のSEM写真である。 比較例2である複合微粒子のSEM写真である。
符号の説明
1,2 IRスペクトル
3 ピーク

Claims (7)

  1. ポリマー粒子の表面に、シランカップリング剤によって、金属酸化物微粒子を固定化したことを特徴とする複合微粒子。
  2. 前記シランカップリング剤は、超音波を照射することにより、前記ポリマー粒子の表面に前記金属酸化物微粒子を固定化させることを特徴とする請求項1記載の複合微粒子。
  3. 前記ポリマー粒子は、ポリメチルメタクリレート粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の複合微粒子。
  4. 前記金属酸化物微粒子は、シリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の複合微粒子。
  5. 前記ポリマー粒子は、平均粒径が300nm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の複合微粒子。
  6. 前記金属酸化物微粒子は、平均粒径が5nm以上100nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ1つに記載の複合微粒子。
  7. ポリマー粒子と金属酸化物微粒子とシランカップリング剤とを含む溶液に、超音波を照射することにより、前記ポリマー粒子の表面に前記金属酸化物微粒子を固定化することを特徴とする複合微粒子の製造方法。
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