JP2007211148A - 可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】屋外暴露使用でも長期の耐久性を有し、ガラス等の無機基材にも接着可能な工業用塗料組成物に適し、通常の可視光線ランプや太陽光でラジカル重合可能な可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物を提供する。
【解決手段】アクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を20〜80重量部を含有するシリカシリコーンオリゴマー100重量部に対して、酸触媒と、励起波長が可視光線域である波長380nmより長波長の光重合開始剤及び光増感剤を0.1〜15重量部を含有する可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、可視光線硬化可能なアクリロイル基と脱水縮合反応可能なシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーに対して、酸触媒、光重合開始剤及び光増感剤を含有する可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物に関する。より詳しくは、屋外暴露使用でも長期の耐久性を有し、ガラス等の無機基材にも接着可能な工業用塗料組成物に適し、通常の可視光線ランプや太陽光でラジカル重合可能な可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物に関するものである。
従来、光硬化型塗料として、紫外線硬化型塗料が広く普及している。そして、前記紫外線硬化型塗料としては、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等が知られているが、可視光線硬化可能なアクリロイル基と脱水縮合反応可能なシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーに対して、酸触媒、光重合開始剤及び光増感剤を含有する可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物に関しては、過去の特許文献を遡及検索しても、特許出願されている事実はない。
前記従来の紫外線硬化型塗料は、無機機材に対する接着性と屋外耐候性が悪く、硬化させるために高価な紫外線照射器を必要とする課題があった。また、シリコーンオリゴマーの末端にアクリロイル基を感光基として導入したもの、シリコーンオリゴマーの側鎖にシンナモイル基を感光基として導入したもの、シリコーンオリゴマーの側鎖にアジド基を感光基として導入したもの等が紫外線硬化可能なシリコーンオリゴマーとして知られているが、これらシリコーンオリゴマーも、いずれも高価な紫外線照射器を必要とする課題があった。
本発明は、前記課題を解決すべくなされたものであって、本発明の目的は、従来の高価な紫外線照射器を必要とせず、且つ、その硬化膜が屋外で暴露使用されても、屋外耐候性や耐久性に優れた可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物を提供することにある。
本発明の可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物は、下記式(1)
Figure 2007211148

アクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーと、パラトルエンスルホルン酸、または他の種類のルイス酸、あるいはプロトン酸の酸触媒と、励起波長が可視光線域の光重合開始剤及び光増感剤から構成され、塗料液のpHを1〜5に調整された塗料組成物であり、該塗料を被塗布基材に塗布すると、酸触媒により該シリカシリコーンオリゴマーのシラノール基が、無機基材に多数存在する水酸基とで脱水縮合反応により化学的に結合し、更に、可視光線を照射することにより、光重合開始剤及び光増感剤の作用で、シリカシリコーンオリゴマーのアクリロイル基がラジカル重合し、強固な塗膜を基材に形成することができる。
前記塗料組成物は、有機溶剤を含有しない状態でも、スプレー塗装可能な粘度を有しているので、環境汚染対策を優先する場合、無溶剤塗料としても使用可能である。前記塗料組成物は、紫外線による硬化速度が速く、硬化塗膜を形成する際に収縮が少なく、また、硬化した塗膜は十分な硬度と共に、ある程度の曲げ加工が可能な可撓性を有している。
本発明に使用されるシリカシリコーンオリゴマーの製造は、例えば、式:CH2=CHC(=O)O(CH2)3SiMeX2(式中、Xはハロゲン、またはアルコキシ基である。一般的には塩素、メトキシ基、またはエトキシ基である。)で示されるシラン化合物を加水分解することによって行い得る。更に、前記シラン化合物にシリカ微粒子を混合加熱し、末端シラノール基とシリカ表面の水酸基を脱水縮合反応させてシリカシリコーンオリゴマーが製造できる。
本発明のアクリロイル基と、シラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応して結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーは、赤外分光法、核磁気共鳴分光法、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、元素分析、質量分析法等によって分析され得る。
本発明の可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物は、可視光線硬化可能な前記式(1)で表わされるアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合されたシリカ微粒子を含有するシリカシリコーンオリゴマーに対して、酸触媒と光重合開始剤及び光増感剤とを含有する。
塗料の被塗物を屋外で使用する場合、日射に含まれる紫外線から被塗物を保護するためには、塗膜に紫外線吸収剤を配合することが多い。しかしながら、紫外線硬化可能な塗料組成物に紫外線吸収剤を配合した場合に、塗料組成物中の紫外線吸収剤の吸収波長と、光重合開始剤及び光増感剤の励起波長が重複すると、該塗料組成物の硬化塗膜を形成することができない。
しかしながら、本発明の可視光線硬化型塗料は、可視光線波長域で光重合開始剤が励起活性化され、紫外線吸収剤の影響を受けないで硬化させることができる。本発明の塗料組成物は、長期に安定保存でき、人体への毒性がないか、または少ないことを満たすものでなければならない。
前記観点から検討した結果、本発明の可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物に使用する紫外線吸収剤としては、有効吸収波長が270〜380nmである有機、または無機紫外線吸収剤が好ましいことが判明した。
有機紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−{2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル}ベンゾトリアゾール等が挙げられ、それらの紫外線吸収剤と有機樹脂、シリコーン樹脂との共重合物も使用できる。
無機紫外線吸収剤としては、酸化亜鉛、チタニア(酸化チタン)、酸化セリウム等が挙げられる。
本発明の可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物においては、紫外線吸収剤が紫外線硬化可能なシリカシリコーンオリゴマー100重量部に対して1〜10重量部存在することが好ましい。
本発明の硬化組成物における光重合開始剤及び光増感剤は、有効励起波長ピークが380nm以上である光重合開始剤及び光増感剤であれば特に限定されない。
光重合開始剤及び光増感剤としては、例えば、フォスフィン系化合物(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2、4,4−トリメチルーペンチルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルージフェニルーフォスフィンオキサイド)、チオキサンソン系化合物(2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等)、ベンゾフェノン系化合物(4−4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等)、アジド系化合物(4,4′−ジアジドカルコン、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)アセトン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ナフトキノン(1,2)ジアジド(2)−5−スルホン酸の塩、またはエステル、ジアゾ樹脂、4,4′−ジアジドスチルベン−2,2′−ジスルホン酸、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2′−スルホン酸、1,3−ビス(4′−アジドベンザル)−2−プロパノン−2,2′−ジスルホン酸ナトリウム、1,3−ビス(4′−アジドシンナシリデン)−2−プロパノン、アジドピレン、3−スルホニルアジド安息香酸、4−スルホニルアジド安息香酸、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−シクロヘキサノン−2,2′−ジスルホン酸及びそのナトリウム塩、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−メチル−シクロヘキサノン−2,2′−ジスルホン酸及びそのナトリウム塩等)、フェニルピリリウム系化合物(トリフェニルピリリウム過塩素酸、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸、4−ブトキシフェニル−2,6−ジフェニルピリリウム過塩素酸、トリフェニルチオピリリウム過塩素酸、4−メトキシフェニル−2,6−ジフェニルチオピリリウム過塩素酸等)、2,5−ビス(4′−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、1−アセチルアミノ−4−ニトロナフタレン、5−ニトロアセナフテン、1−ニトロピレン等が好ましい。特に好ましくは、2−クロロチオキサンソン、4−4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等である。
光重合開始剤及び光増感剤は、一種、または二種以上の上記化合物を含有することができる。
本発明の可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物においては、可視光線硬化可能なアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合された粒径7〜20nmのシリカ微粒子を20〜80重量部を含有するシリカシリコーンオリゴマー100重量部に対して、光重合開始剤及び光増感剤を0.1〜15重量部含有することが好ましく、1〜10重量部含有することが更に好ましい。
本発明の塗料組成物の製造は、当業界で慣用の製造法によって行い得る。好ましくは、特にコールドブレンドによって製造し得る。
本発明の塗料組成物に、更に機能性顔料として、粒径が5〜200nmのアンチモンドープ酸化錫、酸化錫ドープ酸化インジウム、ランタン系金属酸化物の無機顔料を配合することにより、透明な赤外線コーティングを製造することができる。また、任意の成分として、着色剤、揺変化剤、充填剤、増粘剤等の当業者に公知の添加剤を、本発明の効果を害さない範囲において配合することもできる。
本発明の塗料組成物には、次のような特徴がある。
(1) 分子間結合力の強いシロキサン結合を骨格とする緻密な塗膜が得られ、ガラス基材にも優れた密着性を有するので、紫外線遮断、または省エネのための赤外線遮断機能を有する板ガラス製品の製造ができ、安価なガラス基材を使用して付加価値の高い機能性ガラスの製造ができる。
(2) 塗膜硬化が、可視光線照射、または太陽光の暴露によって数秒〜数10秒で完結するので、工業用としても量産性に優れ、単位面積当たりの施工コストが加熱硬化型塗料に比べ大幅に節約できる。また、可視光線照射ランプは、紫外線照射器に比べて安価で安全であり、一般に広く普及させることができる。
(3) 揮発性有機溶剤を含まなくても慣用な塗装方法で塗装できるので、工業用として大気を汚染せず、環境保全に役立つ。
本発明の式(1)で表されるシリカシリコーンオリゴマーを含有する可視光線硬化型ポリシロキサン塗料は、プラスチックのみならずガラス基材にも強固に密着し、従来不可能であったガラス基材製品へのダイレクトコーティングが可能になり、各種ガラス製品に生産性効率の高い可視光線硬化方式で機能製品を製造することが可能になった。また、シロキサン塗料の特性で光硬化塗料でありながら、屋外暴露されても初期光沢保持率、時間経過後の黄変度、耐薬品性、耐溶剤性及び耐候性において優れている。
更に、従来の紫外線硬化型塗料が、高価な紫外線照射器を必要としたのと異なり、本発明の塗料組成物は、安価な可視光線ハロゲンランプで硬化させることができる。また更に、有機溶媒を含有しなくても、慣用の塗装方法で塗装できるので、環境汚染を来たすことのない無溶剤塗料としても使用できる。
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明を限定するものではない。
シリコーンオリゴマーの調製100重量部の3−アクリロキシプロピルメチルジクロロシランを20重量部のエーテルで溶解する。この溶液に20重量部の冷水を加え、更にパラトルエンスルホン酸の10%エチルアルコール溶液で混合液をpH4に調整し、15分間加水分解及び重縮合を行うことにより、nが4及び5である式(1)のシリコーンオリゴマーを高収率(約80%)で得た。そして、このシリコーンオリゴマーに、粒径が平均15nmのシリカ微粒子を60重量部配合調整し、ビーズミルで2時間の分散処理を行い、80℃のオーブンで24時間加熱し、シリカシリコーンオリゴマーを得た。このシリカシリコーンオリゴマーを以下の実験に使用した。
下記の配合にて本発明の塗料組成物を調製した。
シリカシリコーンオリゴマー(n=4及び5)94.7重量部、シリル化ベンゾトリアゾール2.5重量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド0.2重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.0重量部、パラトルエンスルホン酸0.6重量部の計100.0重量部
試験例1. 塗料組成物の硬化塗膜を有する透明合成樹脂板及び透明フロートガラス板の調製を、下記の調製条件で、本発明の塗料組成物、市販の紫外線硬化型ハードコート、ブランク(未塗布)の硬化塗膜を有する透明合成樹脂板(テストピース)及び透明ガラス板(テストピース)の調製を行なった。
(1)塗布塗料
(A)実施例2の本発明の塗料組成物、(B)紫外線硬化型塗料ウレタンアクリレート(市販品)、(C)ポリエステルアクリレート(市販品)、(D)エポキシアクリレート(市販品)、(E)ブランク(塗料未塗布)
(2)塗布条件塗布基板:
100×100×5mm厚ポリカーボネート板(帝人化成製)
100×100×3mm厚フロートガラス板(旭硝子製)
塗布方法:バーコーター塗布膜厚:それぞれ乾燥膜厚が10μmになるように塗布した。
硬化条件:(a)300W可視光線ハロゲンランプ、照射距離5cm、露光時間:15秒、(b)メタルハライドランプ、出力120W/cm、照射距離5cm、露光時間:2秒、硬化装置:EYE
GRANDAGE アイグラフィックス株式会社製
(3)塗膜性能の評価性能評価は、プラスチック及び塗膜に関するJIS規定の評価方法で評価した。主な評価項目と評価目的は次の通りである。
塗膜硬度:表面が硬ければ擦り傷抵抗性が高く傷が付き難いので、初期の透明性が維持できる。そして、塗膜硬度の比較評価をした。
屋外耐候性:一般に透明プラスチック板を屋外で使用した場合、5年以内に黄変、黒変、クラッキング、白濁、チョーキング現象が現れるので、本発明塗料組成物が既に市販されている塗料との比較で、それらの劣化現象をどこまで阻止できるかを見た。そして、試験装置で促進試験を行った。
耐薬品性:屋外では降雨にさらされる。現在pH4程度の強い酸性雨が降ることがあるので、硫酸、硝酸等の耐薬品性を行った。
その他:JISに基づき塗膜一般物性試験を行った。
(4)塗膜評価結果作成したテストピースの評価結果を次に示す。
a. 密着性
JISK5400法にて評価した。(1mm幅ゴバン目×100カット、粘着テープ(商標名 セロテープ)剥離後残存数)。その評価結果を表1に示す。
Figure 2007211148
b.塗膜硬度:学振型摩擦試験機(荷重500g、スチールウール#0000)での100往復傷つき性を、黒つや消し紙を基材裏側に置き目視判定した。その判定結果を表2に示す。
Figure 2007211148
c.屋外耐候性サンシャインウェザオメーター(WOM)により促進耐候性を試験した。
使用した塗布試験板は、(A)が可視光線によって硬化させたもの。(B)、(C)、(D)は紫外線照射によって硬化させたものを使用した。(被塗布基材:ポリカーボネート板)
c−1.初期光沢保持率(%)
図1は、前記(A)〜(E)を用いて初期光沢保持率を比較した比較測定図である。図1に示した結果から、(A)は屋外暴露相当で20年間初期の光沢を保持するが、(B)、(C)、(D)及び(E)は、5年以内にすべてチョーキング現象が発生し初期の光沢を失うことが判かる。
c−2.初期〜経過時間後の黄変度(イエローインデックス;△YI)
図2は、前記(A)〜(E)を用いて黄変度を比較した比較測定図である。図2に示した結果から、(A)は屋外暴露相当で10年間は黄変がほとんど発生しないが、(B)、(C)、(D)及び(E)は5年以内にすべて激しく黄変することが判かる。なお、目視で判断できる黄変は、△YIが約2前後である。
d.耐薬品性
硫酸及び硝酸の5%水溶液にテストピースを24時間浸漬し、その後水洗し乾燥させて塗膜の状態を目視で評価した。使用した塗布試験板は、(A)が可視光線によって硬化させたもの。(B)、(C)、(D)は紫外線照射によって硬化させたものを使用した。その評価結果を表3に示す。
Figure 2007211148
e.耐溶剤性
トルエンを浸したガーゼで表面を100回摩擦し、塗膜の状態を目視で評価した。使用した塗布試験板は、(A)が可視光線によって硬化させたもの。(B)、(C)、(D)は紫外線照射によって硬化させたものを使用した。その評価結果を表4に示す。
Figure 2007211148
前記表1〜表4による評価結果及び図1〜図2の比較測定結果から、本発明塗料組成物は、プラスチックのみならず、ガラス基材にも強固に密着し、従来不可能であったガラス基材製品へのダイレクトコーティングが可能になり、また、屋外暴露されても初期光沢保持率、時間経過後の黄変度、耐薬品性、耐溶剤性などの耐候性に優れており、更に、従来の紫外線硬化型塗料が高価な紫外線照射器を必要としたのと異なり、本発明塗料組成物は安価な可視光線ハロゲンランプで硬化させることができると共に、有機溶媒を含有しなくても、慣用の塗装方法で塗装できるので、環境汚染を来たすことのない無溶剤塗料としても使用できるということが立証された。
本発明可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物と、紫外線照射によって硬化した塗料及びブランク(塗料未塗布)との初期光沢保持率の比較測定図である。 本発明可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物と、紫外線照射によって硬化した塗料及びブランク(塗料未塗布)の経時による黄変度の比較測定図である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)のアクリロイル基とシラノール基を分子両末端に有し、且つ末端シラノール基に縮合反応にて結合された粒径7〜20nmのシリカ微粒子を20〜80重量部を含有するシリカシリコーンオリゴマー100重量部に対して、酸触媒と、励起波長が可視光線域である波長380nmより長波長の光重合開始剤及び光増感剤を0.1〜15重量部を含有する可視光線硬化型ポリシロキサン塗料組成物。
    Figure 2007211148

    [式中、nは1〜16を表す]で表わされるシリコーンオリゴマー。
  2. シリカシリコーンオリゴマー100重量部に対して、1〜10重量部の紫外線吸収剤が存在することを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
  3. 粒径が5〜200nmであるアンチモンドープ酸化錫、酸化錫ドープ酸化インジウム、ランタン系金属酸化物の無機顔料を含む請求項1または2のいずれかに記載の塗料組成物。
  4. コーティング組成物の液粘度を調整するための有機溶剤を含む請求項1、2、3のいずれかに記載の塗料組成物。
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