JP2007208199A - 珪素用分子線セル坩堝 - Google Patents

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【課題】分子線セル坩堝にパイロリティックカーボンを被覆することにより、耐久性等に優れた珪素用分子線セル坩堝を提供する。
【解決手段】珪素用分子線セル坩堝は、グラファイト製の外管1と、パイロリティックカーボン4が被覆されたグラファイト製の内管とから構成された二重管である。前記内管は、開口管の上部3と、片閉口管の下部2とから構成され、この下部2は、下部2の深さdと内径D4の比が1以下であり、熱化学気相蒸着法によりパイロリティックカーボン4が被覆されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、分子線エピタキシー法による薄膜作製において、珪素分子線流束を得るための分子線セル坩堝に関するものである。
分子線エピタキシー法による薄膜の作製は固体を原料とする場合と気体を原料とする場合に大別される。固体を原料とした場合には更に、ヒータ加熱、高周波誘導加熱、電子線加熱方式等に分類される。
電子線加熱方式では、電子銃から発射された電子線を磁場で制御して固体原料に衝突させることで電子線の運動エネルギーを熱エネルギーに変換し、原料を加熱する。電子線は原料表面のある一部に入射し、その近傍部分のみが加熱されるので、原料が残り少なくなるまで原料とそれを保持する坩堝との反応を心配する必要がない。
また、ヒータ加熱方式では、固体原料を坩堝に充填し、坩堝ごとタングステンまたはタンタルのヒータ線で加熱することでその物質の分子線を得ている。そのため、坩堝は高温に耐え、かつ原料と反応しないことが求められるので、通常はPBN(パイロリテッィクボロンナイトライド)やタンタルが材質に選択される(例えば、特許文献1を参照)。
また、高周波誘導加熱方式では、坩堝の周りに巻かれたコイルから高周波を放出させ、原料に発生した誘導電流で原料を直接加熱することができるので、坩堝は比較的低温に保たれる。坩堝の材質としてはグラファイト、マグネシア、アルミナ等が用いられる。
近年、大電力の変換や高出力無線に対応した素子の需要が高まり、珪素に替る半導体材料として炭化珪素が注目され、研究が進展してきた。炭化珪素薄膜は主に気相原料により作製されていて、固体原料を使用した分子線エピタキシー法の適用はあまり進んでいない。その原因は炭化珪素や単元素炭素、単元素珪素の蒸気圧が低いということにある。
特開平5−85888号公報
珪素の融点は1420℃と高温であり、また珪素融液は他の材料との反応性が高いため、珪素融液から安定した珪素の分子線を得ることは困難である。前述した電子線加熱方式では、電子線が入射している固体珪素原料表面のごく近傍のみが融け、坩堝との反応はあまり心配せずとも良いが、この部分だけから分子線が放出されるので、珪素原料が消費されるに従い原料表面形状が変化し、電子線の入射状況が変化することで分子線流束が変化する。また、電子線を入射しやすくするため坩堝は皿形となり、分子線の指向性が犠牲になる。この他、ヒータ加熱方式に比べて、大型の電源や冷却水が必要になる。
また、高周波誘導加熱方式では、坩堝は原料に比べ低温に保たれるが、それは逆に本蒸着前の坩堝の脱ガスもできないことを意味し、作製される薄膜の純度が低下する。また、分子線セルの状態変化が入力インピーダンスに影響し、投入電力が変動するので精確な温度調整が困難である。上記の電子線加熱方式と同様に、ヒータ加熱方式に比べて大型の電源が必要になり、構造も複雑になる。
また、ヒータ加熱方式では、珪素の融点が高いため、珪素を融液状態で使うためにはPBN坩堝は不適切である。一方、タンタル坩堝は高温に耐えるが、珪素と反応するため使用できない。
このように、従来の坩堝を珪素用に適用しようとすると、分子線の指向性や、坩堝の耐久性などの面で問題があった。
これに対して、珪素単結晶インゴット製造のときに珪素融液を保持する坩堝には熱化学気相蒸着でパイロリティックカーボンを被覆したグラファイトが使用されている。そこで、分子線セル坩堝においても、パイロリティックカーボンを被覆すれば、耐久性等に優れた坩堝が作製できると期待される。
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、分子線セル坩堝にパイロリティックカーボンを被覆することにより、耐久性等に優れた珪素用分子線セル坩堝を提供すること、を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、グラファイト製の外管と、パイロリティックカーボンが被覆されたグラファイト製の内管とから構成された二重管であることを特徴としたものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記内管は、開口管の上部と、片閉口管の下部とから構成されていることを特徴としたものである。
第3の技術手段は、第2の技術手段において、前記下部は、該下部の深さと内径の比が1以下であり、熱化学気相蒸着法によりパイロリティックカーボンが被覆されていることを特徴としたものである。
本発明によれば、坩堝の寸法は既存のヒータ加熱式分子線セルに適合させて決めることができる。したがって、既存のヒータ加熱式分子線セルに本発明による坩堝を挿入するだけで簡便に指向性の良い珪素分子線を得ることができる。
また、ヒータ加熱式分子線セルは構造が簡単で場所を取らないことから、複数本の分子線セルに本発明による坩堝を挿入すれば、一本の分子線セルから得られる分子線流束と等しい分子線流束をその分子線セルよりも低い温度に設定した複数本の分子線セルからの総合として得られるので、各分子線セルの消耗を抑制することができる。
また、大型の電源が必要ないことや、グラファイトがPBNやタンタルに比べ安価であることから、従来に比べ薄膜作製の費用を削減することができる。
本発明に係る珪素用分子線セル坩堝は、指向性の良い珪素分子線を得るために、内径に対する深さの比が大きく、かつ珪素融液を保持可能とする。このため、深い坩堝にパイロリティックカーボンが被覆されている。一般に、指向性の良い珪素分子線を得るためには原料を坩堝底部に少量だけ充填するので、その付近で珪素融液を保持でき、それ以外の所で珪素蒸気と反応しなければよい。
パイロリティックカーボンを被覆するには、例えば、高周波プラズマ化学気相蒸着法、イオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法、熱化学気相蒸着法等の方法がある。このうち、熱化学気相蒸着法は、約1200℃以上に熱した基材の表面でエチレン等の炭化水素ガスを分解、反応させる方法であり、複雑な形状の耐熱基材に高速で滑らかなパイロリティックカーボンを被覆するのに最適な方法である。この熱化学気相蒸着法によるパイロリティックカーボン成膜の実施例としては、特開平5−125660号公報「熱分解炭素複合材および高温炉用断熱材」や特開平5−345977号公報「傾斜機能材料の製造方法及び製造装置」などに記載のものを用いることができる。
しかしながら、熱化学気相蒸着法を用いた場合でも、内径に対する深さの比が大きくなるとパイロリティックカーボン被覆の厚みに分布が生じ易くなる。そこで、均一な被覆を形成するために内管下部の深さと内径の比を1対1以下にすることが望ましい。内管上部は両端とも開口の円筒とし、内管下部は片端閉口の円筒とする。こうすることで、内管上部下部共に熱化学気相蒸着でパイロリティックカーボンを均一に被覆することができる。この内管を保持し、内管下部と内管上部の継ぎ目から漏れる恐れがある珪素蒸気を防護するのがグラファイト製外管の役割である。
以下、図1乃至図4を参照しながら、本発明に係る珪素用分子線セル坩堝の実施例について説明する。図1は、本発明による珪素用分子線セル坩堝の一例を示す断面図である。図1(A)はグラファイト外管の断面図で、図中、1はグラファイト外管(以下、外管)、L1は外管長さ、D1は外管内径、D2は外管外径、D3は外管最外径を示す。また、図1(B)はグラファイト内管の断面図で、図中、2はグラファイト内管下部(以下、内管下部)、3はグラファイト内管上部(以下、内管上部)、4はパイロリティックカーボン被覆、L2は内管下部長さ、L3は内管上部長さ、D4は内管内径、D5は内管外径、dは内管深さを示す。
図2は、ヒータ加熱式分子線セルに本発明による坩堝を装着したときの一例を示す概略断面図で、図中、5は熱反射板、6はヒータ線、7は珪素、8は熱電対を示す。
図3は、珪素分子線セルを含む分子線エピタキシー装置の一例を示す概略断面図で、図中、9はRHEED用電子銃、10は基板加熱用電子銃、11は基板ホルダ、12は基板、13はRHEED蛍光板、14は真空ポンプ、15は液体窒素シュラウド、16は珪素分子線セルを示す。
図1において、まず始めに、これから坩堝を装着しようとする既存のヒータ加熱式分子線セルの坩堝挿入部分の寸法を計測し、外管1の外径D2と長さL1を決定する。次に、外管1の肉厚を勘案して内管の外径D5を決定する。内管の外径D5と内管の肉厚から内管の内径D4が決まるので、内管下部2の深さdをこの内径D4と略等しくする。内管上部3の長さL3は外管長さL1から内管下部2の長さL2を差し引いたものとする。以上の寸法に基づいて、外管1と内管(内管下部2と内管上部3)をグラファイトで作製し、内管にはさらにパイロリティックカーボンを熱化学気相蒸着し、パイロリティックカーボン被覆4を形成する。
そして、図2に示すように、内管下部2にチャンクあるいはフレーク状の珪素7を充填し、外管1に挿入後、内管上部3を挿入する。この坩堝全体を、図2に示すヒータ加熱式分子線セルに挿入し、従来と同様に加熱して使用する。なお、内管下部2及び内管上部3には、パイロリティックカーボン4が被覆されているものとする。
(実施例)
図1において、外管1と内管(内管下部2と内管上部3)の肉厚を共に約2mm、外管1の長さL1を約100mm、外管外径D2を約18mm、内管外径D5を約14mm、内管下部2の深さdを約10mm(内管内径D4は約10mm)、内管上部3の長さL3を約88mmとする。外管1と内管(内管下部2と内管上部3)の材質には、例えば、東洋炭素(株)製の高純度グラファイト(IG−110)を用いる。内管(内管下部2と内管上部3)の内面と外面にはさらに熱化学気相蒸着により約1200〜1700℃で約40μm±20μmのパイロリティックカーボン4を被覆し、複数本の坩堝を作製した。
この坩堝にフレーク状の珪素7を充填し、図2に示すヒータ加熱式分子線セルに挿入する。さらに、このヒータ加熱式分子線セルを図3に示すような分子線エピタキシー装置に装着し、分子線エピタキシー装置全体を真空引きする。真空度が10−8 Torr程度に達したら、分子線エピタキシー装置の液体窒素シュラウド15に液体窒素を満たし、一時間で約1400℃まで昇温する。珪素分子線セル16から十分にガスが出て、真空度が劣化しなくなったところで珪素7が融解する約1420℃以上に昇温し、所望の分子線流束を得る。
図4は、SiC(0001)珪素端面基板に珪素分子線を照射する前と照射後において電子線を<11−20>方向から照射したときの反射高エネルギー電子線回折像の一例を示す図である。図4(A)が照射前、図4(B)が照射後の回折像を示す。本例では、分子線セル温度1500℃でSiC(0001)珪素端面基板へ珪素分子線を照射する前後のこの基板からの反射高エネルギー電子線回折像を示す。
SiC(0001)珪素端面基板は珪素の付加により最表面原子の配列秩序が基本周期構造から3倍周期構造に変化し、それに対応した反射高エネルギー電子線回折像の変化が現れることが知られており、図4ではその変化が観察されることから、珪素分子線が分子線セルから照射されたものと考えられる。また、MgO(100)基板に作製した薄膜をフッ酸に溶かした試料の誘導結合高周波プラズマ分光分析(ICP)によっても珪素を確認した。本発明による坩堝は約1420〜1500℃への加熱と冷却の繰り返し後も、外管と内管のいずれにも外観の異常は認められなかった。ただし、熱消耗は必ずあるので、原料補給の際に割れや変色がないかを点検し、異常が見られる場合は交換しなくてはならない。
本発明による珪素用分子線セル坩堝の一例を示す断面図である。 ヒータ加熱式分子線セルに本発明による坩堝を装着したときの一例を示す概略断面図である。 珪素分子線セルを含む分子線エピタキシー装置の一例を示す概略断面図である。 SiC(0001)珪素端面基板に珪素分子線を照射する前と照射後において電子線を<11−20>方向から照射したときの反射高エネルギー電子線回折像の一例を示す図である。
符号の説明
1…グラファイト外管、2…グラファイト内管下部、3…グラファイト内管上部、4…パイロリティックカーボン被覆、5…熱反射板、6…ヒータ線、8…熱電対、9…RHEED用電子銃、10…基板加熱用電子銃、11…基板ホルダ、12…基板、13…RHEED蛍光板、14…真空ポンプ、15…液体窒素シュラウド、16…珪素分子線セル。

Claims (3)

  1. グラファイト製の外管と、パイロリティックカーボンが被覆されたグラファイト製の内管とから構成された二重管であることを特徴とする珪素用分子線セル坩堝。
  2. 前記内管は、開口管の上部と、片閉口管の下部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の珪素用分子線セル坩堝。
  3. 前記下部は、該下部の深さと内径の比が1以下であり、熱化学気相蒸着法によりパイロリティックカーボンが被覆されていることを特徴とする請求項2に記載の珪素用分子線セル坩堝。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013201202A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Epiquest:Kk Kセル用るつぼ、kセル、およびmbe装置

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