JP2007207979A - エッチング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 被加工物に付着した異物を除去し,被加工物の破損を防止することの可能な,エッチング装置を提供する。
【解決手段】 本発明にかかるエッチング装置100は,被加工物Wをチャンバ135内で処理ガスによりエッチング処理するエッチング装置100であって,被加工物Wをチャンバ135内へ搬入出する搬送手段110と,搬送手段110によりチャンバ135外に搬出された被加工物Wを載置する載置台160と,載置台160に載置された被加工物Wに付着した異物Pを吸引して除去する吸引手段150と,を備える。吸引手段150は,被加工物Wに付着した異物Pを吸引する吸引口157aを有する吸引部157と,載置台160に載置された被加工物Wの表面に沿って,吸引部157を所定の方向に移動させる移動機構151とを備える。吸引口157aは,吸引部157の移動方向に対して直交方向に直線状に延びることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は,エッチング装置に関し,より詳細には,エッチング処理後の被加工物に付着した異物を除去する吸引除去手段を備えるエッチング装置に関する。
近年,半導体装置の薄型化の要請に応えるため,半導体ウェハの回路形成面の裏面をグラインダー等によって機械研削して,半導体ウェハを薄型化することがなされている。このような半導体ウェハの裏面研削加工では,回路形成面を保護するとともに,脆化した半導体ウェハの破損を防止するために,回路形成面に保護テープを貼り付けることにより補強する。
ところで,上記裏面研削加工を行うと,半導体ウェハの裏面には機械研削により発生したマイクロクラック等を含むストレス層が形成されてしまう。かかるストレス層による半導体ウェハの強度低下を防止するため,裏面研削加工後に,プラズマエッチング処理装置を用いて半導体ウェハの裏面をエッチング処置することにより,上記ストレス層を除去する。
このプラズマエッチング処理装置は,例えばエッチング処置を行うためのチャンバ内に,略平行に対向配置された上部電極と下部電極とを備える。下部電極の上に半導体ウェハを被処理面である裏面を上向きにして載置して,上部電極から例えばSF等の処理ガスをチャンバ内に供給してチャンバ内を処理ガスで満たすとともに,下部電極に接続された高周波電源によってプラズマを発生させて,半導体ウェハの裏面をエッチング処理する。
特開2001−257248号公報 特開2000−150394号公報
エッチング処理された半導体ウェハは,半導体ウェハの裏面にダイシングテープを貼り付ける装置であるテープマウンターへ移動される。このとき,エッチング工程において何らかの要因によって半導体ウェハの裏面に異物が堆積してしまうという問題がある。このため,テープマウンターにより半導体ウェハの裏面にダイシングテープを貼り付けたときに,半導体ウェハの裏面とダイシングテープとの間に異物を挟み込んでしまう。この状態でダイシング装置のチャックテーブルに半導体ウェハを載置すると,半導体ウェハが異物によって破損してしまう恐れがあった。
また,半導体ウェハの裏面を真空吸着パッドにより全面吸引して保持して移動させる場合にも,真空吸着パッドと半導体ウェハとの間に異物が挟み込まれてしまうため,半導体ウェハを破損させてしまうという恐れもある。さらに,真空吸着パッドに異物が転写してしまった場合には,連続的な半導体ウェハの破損につながる可能性もある。
半導体ウェハの裏面に異物が堆積してしまう要因のひとつとして,エッチング装置の上部電極の構造によることが考えられる。上部電極は,下部電極との対向面をなす電極板と,電極板を支持する電極支持体とから構成される。電極板は略円盤状の部材であり,これまでは石英などに複数のガス噴射孔が貫通形成されて構成されていたが,処理ガスを半導体ウェハの裏面に均一に供給することが困難であったため,電極板にガス噴射孔を設ける代わりに,アルミナセラミックなどからなる微細孔を有する多孔質材料で電極板を構成している。
ところが,多孔質材料は非常に脆いため,ガス供給によって多孔質材料が崩れて粒子となって飛散してしまい,半導体ウェハ上に堆積してしまう可能性がある。また,チャンバ内のゴミが半導体ウェハ上に付着することも考えられる。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,被加工物に付着した異物を除去し,被加工物の破損を防止することの可能な,新規かつ改良されたエッチング装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,被加工物をチャンバ内で処理ガスによりエッチング処理するエッチング装置が提供される。かかるエッチング装置は,被加工物をチャンバ内へ搬入出する搬送手段と,搬送手段によりチャンバ外に搬出された被加工物を載置する載置台と,載置台に載置された被加工物に付着した異物を吸引して除去する吸引手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば,エッチング装置に吸引手段を備えることにより,エッチング処理後の被加工物に付着した異物を吸引手段によって吸引して除去することが可能となる。したがって,次のダイシング工程に移行する際には,被加工物に付着した異物は除去されているので,被加工物をダイシング装置のチャックテーブルに載置して固定させたときに,チャックテーブルと被加工物との間に異物が挟み込まれて被加工物が破損してしまうことがない。
ここで,吸引手段は,被加工物に付着した異物を吸引する吸引口を有する吸引部と,載置台に載置された被加工物の上面に沿って,吸引部を所定の方向に移動させる移動機構とを備える。このとき,吸引部の吸引口は,吸引部の移動方向に対して直交方向に延びる直線状のスリットであることを特徴とする。これにより,被加工物の表面に対して均一な吸引力を与えることができる。
また,上記エッチング装置による被加工物の異物除去方法は,チャンバ内でエッチング処理された被加工物を搬送手段によりチャンバ外へ搬出し,載置台に載置する搬送ステップと,吸引手段の吸引部を,載置台に載置された被加工物の上方を被加工物に対して略平行に往復移動させて,被加工物に付着した異物を吸引して除去する吸引ステップと,を含んでなる。このように,吸引手段の吸引部を,載置台に載置された被加工物の上方を被加工物に対して略平行に往復移動させることにより,好適に被加工物に付着した異物を吸引して除去することができる。
以上説明したように本発明によれば,被加工物に付着した異物を除去し,被加工物の破損を防止することの可能なエッチング装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明を実施するための最良の形態として,被加工物の裏面研削後に,被加工物の裏面をエッチング処理するために用いられるエッチング装置について説明する。そこで,まず,図1に基づいて,被加工物を裏面研削するための研削装置1および本発明の実施形態にかかるエッチング装置100について説明する。ここで,図1は,研削装置1および本発明の実施形態にかかるエッチング装置100を示す概略斜視図である。
研削装置1は,被加工物である例えば半導体ウェハWの裏面を研削加工する装置として構成されている。半導体ウェハWは,例えば,略円板状のシリコンウェハである。研削装置1は,この半導体ウェハWの裏面(回路面と反対側の面)を研削加工して,例えば100〜50μmの厚さにまで薄くする。
かかる研削装置1の各構成要素について具体的に説明する。図1に示すように,研削装置1は,ハウジング2と,粗研削ユニット3と,仕上げ研削ユニット4と,ターンテーブル5上に設置された例えば3つのチャックテーブル6と,カセット11,12と,ポジションテーブル13と,搬送アーム17,18と,搬送部20と,スピンナー洗浄装置40とを備える。
粗研削ユニット3は,スピンドル3aの下端に装着された研削ホイール3bを回転させながら,チャックテーブル6に保持された半導体ウェハWの裏面に押圧することによって,半導体ウェハWの裏面を粗研削加工する。また,同時に,仕上げ研削ユニット4は,スピンドル4aに装着された研削ホイール4bを回転させながら,上記粗研削された後の半導体ウェハWの裏面に押圧することによって,当該半導体ウェハWの裏面を高精度で仕上げ研削加工する。なお,本実施形態にかかる研削装置1は,2つの研削ユニット3,4を具備するが,かかる例に限定されず,研削装置1は,研削ユニットを1つまたは3つ以上具備するように構成することもできる。
ターンテーブル5は,ハウジング2の上面に設けられた円板上のテーブルであり,水平方向に回転可能である。このターンテーブル5には,例えば,3つのチャックテーブル6が,例えば120度の位相角で等間隔に配設されている。このチャックテーブル6は,その上面に真空チャックを備えており,載置された半導体ウェハWを真空吸着して保持する。このチャックテーブル6は,研削加工時には,回転駆動機構(図示せず。)によって水平方向に回転可能である。かかる構成にチャックテーブル6は,ターンテーブル5の回転によって,搬入・搬出領域,粗研削加工領域,仕上げ研削加工領域,搬入・搬出領域に,順次移動される。
カセット11,12は,複数のスロットを有する半導体ウェハ用の収容器である。カセット11は,研削加工前の半導体ウェハWを収容し,一方,カセット12は,研削加工後の半導体ウェハWを収容する。
ポジションテーブル13は,カセット11から取り出された半導体ウェハWが仮置きされるテーブルである。このポジションテーブル13は,例えば,6本のピンがテーブルの中心に向かって同時に縮径運動することによって,半導体ウェハWの中心位置を合わせる中心位置合わせ機構を備える。
搬送アーム17,18は,半導体ウェハWを上方より吸着する吸着部と,吸着部を支持するアーム部と,アーム部を水平方向に回動させる回転駆動部とを備える。搬送アーム17は,ポジションテーブル13に載置された研削加工前の半導体ウェハWを搬送して,搬入・搬出領域に位置するチャックテーブル6に載置する。また,搬送アーム18は,搬入・搬出領域に位置するチャックテーブル6に載置された研削加工後の半導体ウェハWを搬送して,スピンナー洗浄装置40のスピンナーテーブル42に載置する。
搬送部20は,吸着パッド(図示せず。)が設けられた例えばC字型のウェハ保持部22を備えた搬送部20である。搬送部20は,ウェハ保持部22によって半導体ウェハWを吸着保持してピックアップする。搬送部20により,研削加工前の半導体ウェハWは,カセット11からポジションテーブル13へ搬送される。また,研削加工後の半導体ウェハWは,スピンナーテーブル42からカセット12へ搬送される。
このような研削装置1においては,まず,カセット11に収容された半導体ウェハWは,搬送部20のウェハ保持部22により保持されて,ポジションテーブル13へ搬送される。次いで,ポジションテーブル13にて半導体ウェハWの中心位置合わせを行った後,搬送アーム17によりターンテーブル5のチャックテーブル6上に載置される。さらに,チャックテーブル6に載置された半導体ウェハWは,ターンテーブル5を回転させて,粗研削ユニット3,仕上げ研削ユニット4により研削加工される。その後,半導体ウェハWは,搬送アーム18によってスピンナー洗浄装置40のスピンナーテーブル42へ搬送されて,洗浄される。
このような研削装置1により裏面研削された半導体ウェハWは,研削によってその裏面に発生したマイクロクラック等を含むストレス層を除去するため,エッチング装置100によりエッチング処理される。次に,本実施形態にかかるエッチング装置100の構成について説明する。
本実施形態にかかるエッチング装置100は,図1に示すように,半導体ウェハWを搬送する搬送手段110と,半導体ウェハWに対するエッチング処理が行われるエッチング処理手段130と,エッチング処理された半導体ウェハWの異物を除去する吸引手段150とを有して構成される。
搬送手段110は,半導体ウェハWを保持する保持部111と,保持部111を水平方向および垂直方向に移動させるアーム部112と,アーム部112を駆動する駆動部(図示せず。)とからなる。保持部111は,研削装置1のスピンナー洗浄装置40において洗浄された半導体ウェハWを保持し,アーム部112を基台115に形成された搬送路113に沿って移動させて半導体ウェハWをチャンバ135内へ搬送する。また,保持部111は,エッチング処理後の半導体ウェハWを保持し,アーム部112を移動させることにより半導体ウェハWを載置台160へ搬送する。なお,半導体ウェハWを保持部111により保持する方法としては,真空吸着により吸着保持する接触方式を採用してもよく,ベルヌーイの原理を利用した非接触搬送方式を採用してもよい。
チャンバ135内に搬送された半導体ウェハWは,その裏面に発生したストレス層を除去するため,例えばSF等の処理ガスによりエッチング処理される。ここで,図2に基づいて,エッチング処理手段130の構成について説明する。図2は,本実施形態にかかるエッチング装置100の概略構成を示す断面図である。
本実施形態にかかるエッチング装置100のエッチング処置手段130は,図2に示すように,プラズマエッチング処理を行うための処理室を構成するチャンバ135と,チャンバ135内に略平行に対向配置された上部電極120および下部電極140を備える。
チャンバ135は,例えば略円筒形状を有する真空チャンバであり,プラズマエッチング処理を行うための処理室を構成している。このチャンバ135の内部表面は,例えば,陽極酸化処理(アルマイト処理)されたアルミニウムからなる。また,チャンバ135の一側面には,半導体ウェハWを出し入れするための密閉可能な搬入出用開口135aが形成されている。チャンバ135内には,上部電極120と下部電極140とが上下に対向して略平行に配設されている。
下部電極140は,例えば,導電性材料(例えばカーボン等)で形成されたサセプタ(電極体)142と,絶縁材料で形成された絶縁層144とを備えている。サセプタ142は,例えば,断面略T字形のテーブル状に成形されており,その上面は例えば円形の略平坦面である。サセプタ142は,チャンバ135に対して電気的に絶縁した状態で配設され,プラズマを発生させるための高周波電源(RF電源)181が接続されている。
サセプタ142の上面には,薄い絶縁層144が配設されており,絶縁層144上には,被加工物である半導体ウェハWが載置される。また,かかる半導体ウェハWの回路形成面(表面)側には,半導体ウェハWを粘着して固定するために保護テープ141が貼り付けられており,下部電極140の絶縁層144上に,エッチング処理の被処理面である裏面を上向きにした状態で載置される。また,下部電極140は,静電チャックとしても機能し,上記のようにして載置された半導体ウェハWを静電吸着して保持することができる。さらに,下部電極140の内部には,吸引路147を介して真空吸引手段148と連通する吸引管が配設されており,下部電極140の絶縁層144の表面に吸引口が形成されている。これにより,下部電極140上に載置された半導体ウェハWは,下部電極140によって吸引保持することもできる。
また,このような保持手段(静電チャック)として構成された下部電極140の内部(例えばサセプタ142の内部)には,冷却液流路(冷媒流路)である冷却液流路146が形成されており,冷却液(例えば冷却水)がサセプタ142内を略均等に巡回するように配設されている。これにより,下部電極140を直接的に冷却し,半導体ウェハWおよび保護テープ141を間接的に冷却する。また,下部電極140内に設けられた冷却液流路146に冷却液を流通させるために,冷却液流路192,194を介して冷却手段190が設けられている。
一方,上部電極120は,下部電極140と対向するように,チャンバ135内の上部に配設されている。かかる上部電極120は,下部電極140との対向面を成す電極板122と,この電極板122を支持する電極支持体124とから構成されている。電極板122は,例えば略円盤状の部材であり,例えばアルミナセラミック等の微細孔を有する多孔質材料から形成される。また,電極支持体124は,例えば表面がアルマイト処理されたアルミニウムなどの導電性材料からなり,接地されている。この電極支持体124の内部には,ガス導入路128が形成されている。このガス導入路128は,ガス供給用配管136aを介してガス供給装置136に接続されている。
ガス供給装置136は,例えば,処理ガスを貯蔵するタンク,マスフローコントローラ,バルブ(いずれも図示せず。)などを備えており,プラズマエッチング処理のための処理ガスをチャンバ135内に供給する。
一方,チャンバ135の底部には排気口137が設けられており,この排気口137は,排気管171を介して排気装置170に接続されている。この排気装置170は,排気用ドライポンプ等の真空ポンプ,排ガス処理装置(図示せず。)などを備えており,チャンバ135内を所定の減圧雰囲気まで真空引き可能に構成されている。さらに,本実施形態にかかるエッチング装置100は,プラズマ発生のための高周波電源181と,静電吸着のための直流電源182とを備えている。
以上,エッチング処理手段130の構成について説明した。このようなエッチング処理手段130によりエッチング処理された半導体ウェハWは,搬送手段110によりチャンバ135の外へ搬送されて,吸引手段150の領域に設けられた載置台160上に載置される。
吸引手段150は,エッチング処理された半導体ウェハWに付着した異物を除去するための清掃手段であり,異物を吸引する吸引部157と,吸引部157を移動させる移動機構151とを有する。吸引部157を,載置台160に載置された半導体ウェハWの表面に沿って移動機構151により水平移動させることによって,半導体ウェハWに付着した異物を除去する。吸引手段150の詳細な構成については,後述する。
以上,本実施形態にかかるエッチング装置100の構成について説明した。このようなエッチング装置100による半導体ウェハWのエッチング処理では,まず,半導体ウェハWを,開口された搬入出用開口135aからチャンバ135内へ搬送手段110により搬送し,下部電極140の絶縁層144上に載置する。そして,真空吸引手段148により吸引力を作用させて保護テープ141を吸引し,半導体ウェハWを吸引保持する。さらに,搬入出用開口135aを閉口して,排気装置170を起動して,チャンバ135内を真空にする。その後,ガス供給装置136により上部電極120から例えばSF等の処理ガスをチャンバ135内に供給してチャンバ135内を処理ガスで満たすとともに,下部電極140に接続された高周波電源181により高周波電力を印加することによってプラズマを発生させて,半導体ウェハWの裏面をエッチング処理する。また,プラズマが発生した後,直流電源182より下部電極140に直流電圧を印加することにより,半導体ウェハWを静電吸着することができる。
ここで,上記のようにエッチング処理された半導体ウェハWのエッチング被処理面(裏面)には,異物が付着してしまうことが判明した。このため,異物が付着したままの状態で半導体ウェハWに対して次工程であるダイシング工程の処理を行うと,ダイシング装置のチャックテーブルに載置した際に半導体ウェハWが破損してしまう恐れがある。そこで,本実施形態にかかるエッチング装置100では,エッチング処理後に半導体ウェハWに付着した異物を除去して次工程の処理に移行させることにより,半導体ウェハWの破損を確実に防止するため,半導体ウェハWに付着した異物を吸引除去する吸引手段150を備えることを特徴とする。
以下に,図3および図4に基づいて,本実施形態にかかるエッチング装置100の特徴的部分である吸引手段150の構成について説明する。ここで,図3は,本実施形態にかかるエッチング装置100の吸引手段150を示す側面図である。また,図4は,吸引部157の底面図である。
本実施形態にかかる吸引手段150は,図3に示すように,移動機構151と,吸引部157とを有して構成される。移動機構151は,支柱152と,Y軸方向に延設される案内レール153とを備える。支柱151は,基台115上に設けられ,Z軸方向に延びる2つの柱と,2つの柱を連結するY軸方向に延びる連結部とからなる。支柱151の連結部には案内レール153が設けられ,案内レール153には吸引部157を支持する支持部154が設けられている。支持部154は,駆動部(図示せず。)により案内レール153に沿ってY軸方向に移動可能であり,また,吸引部157の高さを調節するためにZ軸方向にも移動可能である。
支持部154は,連結部材155および吸引部157の一端に設けられた被支持部156を介して,吸引部157を支持する。吸引部157は,例えば被加工物である半導体ウェハWの直径より長い長さを有する略円筒形状に形成され,その両端は閉口している。吸引部157の,載置台160に載置された半導体ウェハWと対向する側には,異物Pを吸引する口である吸引口157aが形成される。吸引口157aは,例えば図4に示すように,半導体ウェハWの直径より長い直線状のスリットとして形成することができる。このとき,吸引部157は,吸引口157aが吸引部157の移動方向(Y軸方向)と直交するように,すなわち,吸引口157aがX軸方向に延びるように配置されるのがよい。かかる構成により,半導体ウェハW上の異物Pを効率よく吸引することができる。
また,吸引部157の移動方向前方(Y軸正方向)側には,例えばプラスチック製のカーテン159が設けられる。カーテン159を設けることにより,半導体ウェハWの表面に働く吸引力を強めることができる。吸引部157の吸引口157aから吸引された半導体ウェハW上の異物Pは,吸引部157に連結されたホース158を介して吸引装置(図示せず。)に集積される。
次に,図5に基づいて,本実施形態にかかるエッチング装置100の吸引手段150による異物除去方法について説明する。ここで,図5は,本実施形態にかかる吸引手段150による異物除去方法を示すフローチャートである。
本実施形態にかかる吸引手段150による異物除去方法は,図5に示すように,まず,チャンバ135内でエッチング処理された半導体ウェハWを,搬送手段110によりチャンバ135の外へ搬出する(ステップS110;搬出ステップ)。エッチング処理された半導体ウェハWは,その裏面側を搬送手段110の保持部111により保持されて,アーム部112を移動させることにより載置台160へ搬送される。このとき,例えば,搬送手段110の保持部111が半導体ウェハWを全面吸引して保持する場合,半導体ウェハW上の異物Pが保持部111との間に挟み込まれてしまい,半導体ウェハWが破損する恐れがある。しかし,ベルヌーイの原理を利用した非接触搬送方式を用いることにより,チャンバ135から載置台160に半導体ウェハWを搬送する段階での半導体ウェハWの破損を低減させることができる。
次いで,搬送手段110によりチャンバ135の外へ搬出された半導体ウェハWを,載置台160に載置する(ステップS120;載置ステップ)。かかる半導体ウェハWは,エッチング被処理面(裏面)を上向きにして載置台160に載置される。載置台160に載置された半導体ウェハWは,載置台160と接する面(表面)側を真空吸着して固定される。
さらに,載置台160に載置された半導体ウェハW上の異物Pを吸引部157により除去する(ステップS130;異物除去ステップ)。載置台160に半導体ウェハWが載置されると,移動機構151の支持部材155の長さが調節されて,吸引部157の高さが所定の高さに調整される。吸引部157のエッチング処理された面からの所定の高さは,例えば半導体ウェハWの厚さによって決定される。なお,この吸引部157の高さは,予め調節しておいてもよい。
吸引部157の高さが所定の高さに調整されると,吸引装置(図示せず。)を起動させて異物Pの吸引を開始し,移動機構151により吸引部157をY軸方向に往復移動させる。このとき,例えば,吸引部157は,吸引風速約7〜8m/sで吸引し,約8mm/sの速度で半導体ウェハW上を1往復されて,半導体ウェハW上の異物Pを吸引する。このように,移動機構151により吸引部157を水平方向に少なくとも1往復以上往復移動させることにより,半導体ウェハWに付着した異物Pを除去することができる。
ステップS130により半導体ウェハWに付着した異物Pを除去した後,半導体ウェハWは,搬送手段60によりテープマウンターへ搬送されて,その裏面にテープが貼り付けられる。この際,半導体ウェハWの裏面は異物Pが除去された状態であるので,半導体ウェハWとテープとの間に異物Pを挟み込んでテープを貼り付けることがない。したがって,テープマウンターにより半導体ウェハWにテープを貼り付けた後,ダイシング装置のチャックテーブルに半導体ウェハWを固定した際に半導体ウェハWが破損することを防止することができる。
以上,本発明の実施形態にかかるエッチング装置100の構成と,エッチング装置100の吸引手段150による異物除去方法について説明した。かかる構成により,半導体ウェハWのエッチング被処理面(裏面)に付着した異物Pを吸引手段150により吸引除去することができる。したがって,次工程であるダイシング工程において,半導体ウェハWをダイシング装置のチャックテーブルに載置したとき,半導体ウェハWが破損するのを防止できる。また,ダイシング工程に移行するときに,半導体ウェハWを保持部111の真空吸着パッドで全面吸引して保持する場合においても,真空吸着パッドと半導体ウェハWとの間に異物Pがないため,半導体ウェハWの破損を防止することができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上記実施形態において,吸引部157の吸引口157aの形状は直線状のスリットであったが,本発明はかかる例に限定されず,例えば複数の穴を直線状に並べて設けてもよい。しかし,複数の穴を設ける場合と比較して,被加工物に対して均等な吸引力を働かせることができることから直線状のスリットを形成する方が好ましい。
本発明は,エッチング装置に適用可能であり,特に,エッチング処理後の被加工物に付着した異物を除去する吸引除去手段を備えるエッチング装置に適用可能である。
研削装置および本発明の実施形態にかかるエッチング装置を示す概略斜視図である。 同実施形態にかかるエッチング装置の構成を示す断面図である。 同実施形態にかかるエッチング装置の吸引手段を示す側面図である。 同実施形態にかかる吸引部の底面図である。 吸引手段による異物除去方法を示すフローチャートである。
符号の説明
100 エッチング装置
110 搬送手段
120 上部電極
130 エッチング処理手段
135 チャンバ
140 下部電極
150 吸引手段
151 移動機構
157 吸引部
157a 吸引口
159 カーテン
160 載置台
P 異物
W 半導体ウェハ

Claims (3)

  1. 被加工物をチャンバ内で処理ガスによりエッチング処理するエッチング装置であって:
    前記被加工物を前記チャンバ内へ搬入出する搬送手段と;
    前記搬送手段により前記チャンバ外に搬出された前記被加工物を載置する載置台と;
    前記載置台に載置された前記被加工物に付着した異物を吸引して除去する吸引手段と;
    を備えることを特徴とする,エッチング装置。
  2. 前記吸引手段は,
    前記被加工物に付着した異物を吸引する吸引口を有する吸引部と,
    前記載置台に載置された前記被加工物の上面に沿って,前記吸引部を所定の方向に移動させる移動機構と,
    を備え,前記吸引口は,前記吸引部の移動方向に対して直交方向に延びる直線状のスリットであることを特徴とする,請求項1に記載のエッチング装置。
  3. 請求項2に記載のエッチング装置による被加工物の異物除去方法であって:
    前記チャンバ内でエッチング処理された前記被加工物を,前記搬送手段により前記チャンバ外へ搬出し,前記載置台に載置する搬送ステップと;
    前記吸引手段の前記吸引部を,前記載置台に載置された前記被加工物の上方を前記被加工物に対して略平行に往復移動させて,前記被加工物に付着した異物を吸引して除去する吸引ステップと;
    を含むことを特徴とする,被加工物の異物除去方法。

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