JP2007207597A - 燃料電池用ウイッキング構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池内で発生した水をはじめとする凝縮性成分を速やかに吸収し、速やかに乾燥させて、電源或いは電源搭載機器内での凝縮液体による障害を取り除くことができるようにし、更には、凝縮液体を外部へ漏洩させないようにしたウイッキング構造体を提供する。
【解決手段】 固体高分子電解質膜と電極を一体化した膜/電極接合体を具備する燃料電池電源に装着されるウイッキング構造体であって、一方の面に吸液性を持たせ、他方の面に放湿性を持たせたことを特徴とする。吸液性を有する面を、放湿性を有する面に比べて表面積が小さくなるようにする、或いは、糸の太さを細くする、或いは、空隙を多くすることによって達成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、アノードと固体高分子電解質膜とカソード、好ましくは更に拡散層を接合して一体化した膜/電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有し、液体燃料を使用する燃料電池の内部或いは外部に備えられ、燃料電池のカソードで生成する水をはじめとする凝縮液体を吸収するウイッキング構造体に関する。
最近の電子技術の進歩によって、携帯用電話器、ノート型パソコン、オーデオ・ビジュアル機器、カムコーダ、あるいは個人情報端末機器などの携帯用電子機器が急速に普及している。こうした携帯用電子機器の電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は固体又は液体の電解質及び所望の電気化学反応を誘起する二個の電極すなわちアノード及びカソードを備え、燃料が持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに高効率で変換する発電機である。燃料には化石燃料或いは水などから化学変換された水素、通常の環境では液体或いは溶液であるメタノール、アルカリハイドライドやヒドラジン、又は加圧液化ガスであるジメチルエーテルが用いられ、酸化剤ガスには空気又は酸素ガスが用いられる。燃料はアノードにおいて電気化学的に酸化され、カソードでは酸素が還元されて、両電極間には電気的なポテンシャルの差が生じる。このときに外部回路として負荷が両極間にかけられると、電解質中にイオンの移動が生起し、外部負荷には電気エネルギーが取り出される。
こうした燃料電池の中でも、液体燃料を使用する直接形メタノール燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)やメタルハイドライド、ヒドラジン燃料電池は燃料の体積エネルギー密度が高いために、小型の可搬型又は携帯型の電源として注目されている。中でも取り扱いが容易で、近い将来バイオマスからの生産も期待されるメタノールを燃料とするDMFCは、理想的な電源システムといえる。
固体高分子膜電解質型燃料電池(PEM−FC:Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)発電システムは、一般に固体高分子電解質膜の両面に多孔質のアノード及びカソードを配した単位電池を直列及び必要に応じて並列に複数個接続してスタック構造にした燃料電池と、燃料容器、燃料供給装置、空気又は酸素供給装置を具備する。
PEM−FC等のように液体を燃料とする燃料電池では、発電に伴ってカソード側で水が生成する。生成した水は、電極触媒層やガス拡散層等の細孔を閉塞させ、反応成分の拡散を妨げて、電池性能を大きく低下させる原因になるため、速やかに排出しなければならない。そのために、生成水の排出制御、管理は電源を安定に運転するための重要な技術課題である。
このような課題に対処するために、カソードの電解質側に撥水部を備えることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。又、カソード表面に撥水処理を施し、更にカソードの平均細孔径を調節することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。又、触媒とポリマーの3次元網目微多孔複合体にして撥水性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。更に、アノードとカソード及び電解質の一部又は全部にリン化合物を含有させて、生成水の排水性を向上させることが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平9−245800号公報 特開2001−52717号公報 特開2000−353528号公報 特開2004−152635号公報
前述のように、PEM−FCは発電に伴ってカソード側で水が生成する。生成した水は電極触媒層或いはガス拡散層の細孔を閉塞させて、電池性能を低下させる原因になる。又、燃料電池から漏れ出た水は、燃料電池を電源とする電子機器の容器壁に結露し、電子機器内に収納されている部品を損傷する原因になる。更に、機器外への液漏れによって、携帯機器の使用者に不快感を与える恐れがある。
本発明の目的は、燃料電池内で発生した水をはじめとする凝縮液体を速やかに吸収し、速やかに乾燥させて、凝縮液体による弊害を取り除くことができるようにした燃料電池用ウイッキング構造体を提供することにある。
本発明は、固体高分子電解質膜と電極が一体化された膜/電極接合体を有し液体燃料が使用される燃料電池の内部或いは外部に備えられるウイッキング構造体であって、繊維により布状に形成され、液体を吸収する吸液面と、前記吸液面にて吸収された液体を蒸散させる放湿面を有することを特徴とする。
また、本発明は、ウイッキング構造体が繊維により形成され、布状であり、繊維の表面積が布の一方の面で小さく、他方の面で大きく、表面積が小さい面で吸収された液体が、表面積が大きい他方の面に移行して放湿されるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、ウイッキング構造体が太さの異なる少なくとも二種類の繊維により多層に形成され、一方の面は他方の面に比べて糸の太さが小さく、細い糸で形成された面で吸収された液体が太い糸で形成された他方の面に移動して放湿されるように構成されていることを特徴とする。
また、本発明は、ウイッキング構造体が繊維により形成され、布状であり、布の一方の面は他方の面に比べて空隙が多く、空隙の多い一方の面で吸収された液体が空隙の少ない他方の面に拡散して放湿されるように構成されていることを特徴とする。
本発明のウイッキング構造体は吸液性と放湿性を有する。したがって、このウイッキング構造体を燃料電池の内部に備えることにより、燃料電池のカソードで生成した水が電極触媒層或いはガス拡散層の細孔を閉塞させ、電池性能を低下させる原因になるのを防止できる。また、本発明のウイッキング構造体を燃料電池の外部に備えることにより、燃料電池から漏れ出た凝縮気体の凝縮成分により、電子機器部品が故障或いは使用者が不快感を感じるのを防止できる。
本発明のウイッキング構造体は、発電に伴って燃料電池のカソードで発生する生成水、更には、アノードで生成した炭酸ガスを気液分離機構により液体燃料と分離して排出する際に、炭酸ガスとともに排出された凝縮性気体の凝縮液を吸収する機能を有する。
本発明のウイッキング構造体は、繊維により作られ、布状、好ましくは、多層構造を有する。布には、例えば繊維を織って作った織物、織らずに繊維のままで布状にした不織布、繊維を編んで作った編物等があり、これらのいずれも使用可能である。ただし、これに限るものではない。以上のべた物の中では、特に編物が好ましい。ウイッキング構造体がウレタンフォームなどの発泡体で作られている場合には、吸収した液体の移動拡散が十分ではないために、十分な乾燥性能が得られない。不織布は凝縮液体によってほぐれ易いという問題がある。編物は織物や不織布に比べて多様な構造体が製作可能であり、特に多層構造にすると吸収した液体の移動拡散が容易で、十分な速乾性能が得られる。
ウイッキング構造体は、二層もしくは三層の多層構造にすることが好ましい。一層では凝縮液を十分に吸液できず、また、吸収した凝縮液の移動、拡散性が悪いため、十分な乾燥性が得られなくなるおそれがある。また、四層以上では保水性が高くなり、凝縮液が乾燥せずに停滞してしまうおそれがある。
ウイッキング構造体は、吸水側よりも蒸散側の方の表面積を大きくすることが好ましい。吸水側から吸水した水が蒸散側の縦、横方向へ速やかに拡散する。そのため、蒸散側の単位面積当たりの保水量が少なくなり、乾燥速度が向上し、速乾性を有するようになる。
また、吸水側よりも蒸散側の方が糸の太さが大きくなるようにすることが好ましい。吸水側の糸が細いことにより、空隙が増える。つまり、毛細管力が強くなる。その結果、吸水スピードが速くなる。吸水された水は蒸散側へ移行する。
吸水側の糸はマルチフィラメントにすることが好ましい。マルチフィラメントにすることにより、空隙が増え、毛細管現象による吸水性が大きくなる。その結果、吸水スピードが速くなる。つまり、吸水側の糸を細くするための一つの手段として、マルチフィラメントを用いることが好ましい。
ウイッキング構造体の厚みは1mm以下であることが好ましい。厚すぎると保水効果はあるものの吸水した凝縮液の移動、拡散が損なわれ、速乾性を低下させる恐れがあり、更にガス透過性を低下させる恐れがあるため、1mm以下が好ましい。
吸水側の表面積は蒸散側の20〜80%であることが好ましい。吸水側の表面積が蒸散側の表面積の20%よりも小さいと、吸水と蒸散のバランスが悪くなり、蒸散側が余力を残すことになり効率が悪い。80%を超えると、蒸散側の面積に近いため、吸水側でせっかく吸い上げても蒸散が間に合わなくなるおそれがある。なお、表面積の算出方法としては、構造体の吸水側と蒸散側をマイクロスコープにて表面観察し、繊維部分を面積カウントして行うことが望ましい。
ウイッキング構造体には、中空糸或いは異形断面糸を用いることが好ましい。中空糸或いは異形断面糸の場合、吸水性が向上するとともに水が拡散しやすくなるため、蒸散をより効率的に行える。
また、ウイッキング構造体には疎水性繊維を用いることが好ましい。親水性繊維の場合には、吸水性は高いが蒸散しにくくなるおそれがある。吸収した液体を速やかに蒸散させる上で疎水性繊維は好ましい。特に、二層構造のプレーンな組織層、或いは三層構造の中間層やプレーンな層に疎水性繊維を用いることにより、優れた乾燥性能を得ることができる。疎水性繊維としてはポリエステル繊維が最も好ましい。ポリエステル繊維はレギュラー糸以外に中空糸、異形断面糸などの様々な形態をとり得る繊維であり、断面形状によって保液量、吸水性、乾燥速度などを調整することができるため優れた材料である。
また、ウイッキング構造体は、ポリエステル、ポリプロピレンなどの比較的疎水性の優れたマルチフィラメントを乾湿、速乾布の全て、或いは一部に用いることが好ましい。
繊維は、総繊度が200〜500デシテックスであることが好ましい。200デシテックス未満では、吸液速度が遅くなり、逆に500デシテックスを超えると乾燥速度が遅くなる。ウイッキング構造体は仮撚り糸、或いは捲縮糸を用いて構成することもできる。
ウイッキング構造体は、蒸散側の糸の太さが、吸水側の糸の太さに比べて1.01〜1.5倍大きいことが好ましい。1.01倍より小さいと、両面とも殆ど同じ太さとなり、蒸散が行われにくい。1.5倍より大きくしても、蒸散の効果が頭打ちとなり、意味がなくなる。また、布帛を安定的に製造するのが難しくなる。
吸水側はメッシュ構造にし、開口率を20〜80%とすることが好ましい。メッシュ構造であると、適度に水と接触して吸い上げることができる。20%未満であると、水を一気に吸い上げすぎて蒸散が間に合わなくなる。80%より大きいと、ウイッキング構造体が電極に接する面積が小さくなり、吸水量が少なくて凝縮水を蒸散する機能を発揮できない。開口率の算出方法としては、表面積を算出する場合と同様に、メッシュ側の表面をマイクロスコープで観察し、四角形、六角形、八角形などの空隙部を開口部として開口率=開口部の面積÷単位面積から求めることが望ましい。
ウイッキング構造体の他方の面、即ち、吸収した凝縮液を移動、拡散させることにより乾燥させる側の層は、プレーンな構造を持っていることが好ましい。こうすることによって、凝縮液を吸収する面側では速やかに吸液が起こり、対向する側の面はプレーンな組織(例えば、天竺状)で吸収された液体が、メッシュ状組織層から速やかにプレーンな組織に移動し、拡散して速やかな蒸散が生じる。
ウイッキング構造体は、乾燥率が50%以上、吸水性が100mm以上であることが好ましい。ウイッキング構造体は、その特性として、乾燥率が50%/20分以上であることが好ましい。また、吸水性の目安となる重力場中での吸い上げ高さは、電源が如何なる姿勢をとっていても十分に吸液できる能力を持っていれば良く、概ね100mm以上の能力を持っていることが好ましい。
本発明が対象とする燃料電池には、例えばメタノールを燃料とする燃料電池がある。メタノール燃料電池は、以下に記載の電気化学反応により、メタノールの持っている化学エネルギーが直接電気エネルギーに変換される形で発電される。アノード側では、供給されたメタノール水溶液が(1)式にしたがって反応して炭酸ガスと水素イオンと電子に解離する。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
生成された水素イオンは電解質膜中をアノードからカソード側に移動し、カソード電極上で、空気中から拡散してきた酸素ガスと電極上の電子と(2)式にしたがって反応して水を生成する。
6H+3/2O+6e → 3HO …(2)
従って、発電に伴う全化学反応は、(3)式に示すようにメタノールが酸素によって酸化されて炭酸ガスと水とを生成し、化学反応式はメタノールの火炎燃焼と同じになる。
CHOH+3/2O → CO+2HO …(3)
単位電池の開路電圧は概ね1.2Vであり、燃料が電解質膜を浸透する影響で実質的には0.85〜1.0Vであり、特に限定されるものではないが実用的な負荷運転の下での電圧は0.2〜0.6V程度の領域が選ばれる。従って、実際に電源として用いる場合には、負荷機器の要求にしたがって所定の電圧が得られるように、単位電池を直列接続して用いられる。単位電池の出力電流密度は電極触媒,電極構造、その他の影響で変化するが、実効的に単位電池の発電部面積を選択して所定の電流が得られるように設計される。また、適宜、並列に接続することで電池容量を調整することが可能である。
本発明のウイッキング構造体は、水蒸気等の凝縮性ガスが燃料電池内或いは電池電源搭載機器内で凝縮することによる障害を排除するとともに、電源外或いは搭載機器外への液漏れを排除するためのものであり、多孔質構造体である。この多孔質構造体は、燃料電池壁或いは燃料電池電源搭載機器内壁に設置される。そして、燃料電池電源の負荷が急激に増加したとき、或いは、温度、湿度等、燃料電池の環境が変化したときに、電池内或いは電池電源搭載機器内で凝縮した液体を速やかに吸い取って、多孔質体内で液を分散して、液面積を増大させ、蒸散速度を高める。本発明のウイッキング構造体を燃料電池の内部に備えることによって、カソードで生成した水が電極触媒或いはガス拡散層の細孔に侵入して細孔を閉塞させるのを防止できる。また、燃料電池を搭載した電子機器内に備えることによって、燃料電池の外部へ排出された液体により、電子機器部品が腐食され、劣化するのを防止でき、更に、電子機器の使用者に不快感を与えるのを防止できる。
本発明のウイッキング構造体は、燃料電池のカソード端板及びアノード端板に貼付又は添付して用いることができ、また、燃料電池を搭載する容器の壁面に添付或いは貼付して用いることができる。
図1に、本発明のウイッキング構造体が装備される電源システムの構成を示す。図1の電源システムは、燃料電池1、燃料カートリッジタンク2、出力端子3及び排ガス口から構成されている。図1では、排ガス口は図示せず、そこから排出された排ガス4aを示した。燃料カートリッジタンク2は、高圧液化ガス、高圧ガス又はバネなどの圧力によって燃料を送り出す方式のものであり、燃料を図2に示した燃料室に供給するとともに、燃料室内を液体燃料で大気圧よりも高い圧力に維持するシステムになっている。
発電に伴って、燃料室の燃料が消費されると、燃料カートリッジタンク2から燃料が補給される。電池出力は直流/直流変換器5を介して負荷機器に供給される。燃料電池1、燃料カートリッジタンク2の燃料残量、直流/直流変換器5などの運転時及び停止時の状況にかかわる信号を得て、直流/直流変換器5が制御される。本実施例の電源システムは、以上の構成部品と、必要に応じて警告信号を出力するように設定された制御器6をもって構成される。
図2に燃料電池の部品構成を示す。燃料電池1は、燃料カートリッジホルダー17を備えた燃料室12の片方の面に、アノード端板13a、ガスケット14、ガス拡散層付きのMEA(膜/電極接合体)11、ガスケット14、カソード端板13cが順次に積層されている。また、燃料室12の他方の面に、アノード端板13a、ガスケット14、ガス拡散層付きのMEA11、ガスケット14、カソード端板13cが順次に積層されている。この積層体を面内の加圧力が略均一になるようにネジで一体化、固定して構成される。
図3に積層、固定された燃料室の両面に発電部を有する燃料電池1の斜視図を示す。燃料電池1は、燃料室12の両面に複数の単位電池が直列接続され、両面の直列単位電池群はさらに接続端子16で直列接続され、出力端子3から電力を取り出す構造になっている。図3において、燃料は、燃料カートリッジタンク2から高圧液化ガス、高圧ガス又はバネなどによって加圧供給され、アノードで生成した炭酸ガスは、図示しない排ガスモジュールを介して排ガス口4から排出される。なお、排ガスモジュールは、気液分離機能を持ち、排ガスを捕集する機能を持っている。一方、酸化剤である空気は図示しない空気拡散スリットからの拡散で供給され、カソードで生成した水はこのスリットを通して拡散、排気される。電池を一体化するための締め付け方法は、本実施例で開示したネジ15による締め付けに限定されることはなく、電池を筐体内に挿入して筐体からの圧縮力によって締め付ける方法或いは、その他の方法でもよい。
電解質膜に、水素イオン導電性材料を用いると、大気中の炭酸ガスの影響を受けることなく安定な燃料電池を実現できる。このような材料としては、ポリパーフルオロスチレンスルフォン酸、パーフルオロカーボン系スルフォン酸などに代表されるスルフォン酸化したフッ素系ポリマーがある。また、ポリスチレンスルフォン酸、スルフォン酸化ポリエーテルスルフォン類、スルフォン酸化ポリエーテルエーテルケトン類などの炭化水素系ポリマーをスルフォン化した材料がある。また、炭化水素系ポリマーをアルキルスルフォン酸化した材料がある。これらの材料を電解質膜に用いれば、一般に燃料電池を80℃以下の温度で作動することができる。また、タングステン酸化物水和物、ジルコニウム酸化物水和物、スズ酸化物水和物などの水素イオン導電性無機物を耐熱性樹脂若しくはスルフォン酸化樹脂にミクロ分散した複合電解質膜等を用いることによって、より高温域まで作動する燃料電池とすることもできる。特にスルフォン酸化されたポリエーテルスルフォン類、ポリエーテルエーテルスルフォン類或いは水素イオン導電性無機物を用いた複合電解質類は、ポリパーフルオロカーボンスルフォン酸類に比較して燃料のメタノール透過性の低い電解質膜として好ましい。いずれにしても水素イオン伝導性が高く、メタノール透過性の低い電解質膜を用いると、燃料の発電利用率が高くなるため、コンパクト化及び長時間発電をより高いレベルで達成することができる。
以下に実施例および比較例を示して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例で採用した評価方法は以下のとおりである。
乾燥性の評価方法:20℃、65%RHの環境下で、試験片のメッシュ構造面側に蒸留水を0.3ml滴下して、20分間あたりの重量変化により乾燥率を算出。
吸水性の評価方法:JISL−1907B法にしたがって測定。数字が大きい程、吸水が良好である。
表1に、実施例及び比較例により得られた基布を、燃料電池セルに搭載して評価した結果を示した。本発明によるものは、比較例に比べて優れていることが実証された。
22ゲージの丸編機により、33デシテックス/フィラメントのポリエステル繊維(モノフィラメント)を用いて、片面がメッシュ構造で、片面が天竺構造を有し、厚みが0.5mm、面積比が70%、メッシュ側の開孔率が30%の二層構造の編物を編み立てした。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、30ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け70g/mの製品を得た。
22ゲージの丸編機により、片面がメッシュ構造で、片面が天竺構造を有し、メッシュ構造側が26デシテックス/フィラメントのポリエステル繊維(モノフィラメント)で、天竺構造側が33デシテックス/フィラメントのポリエステル繊維(モノフィラメント)からなり、厚みが0.5mm、表面積比が70%、メッシュ側の開孔率が30%の二層構造の編物を編み立てした。この編物の糸の太さ比は1:1.27である。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、30ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け60g/mの製品を得た。
22ゲージの丸編機により、片面がメッシュ構造で、片面が天竺構造を有し、メッシュ構造側が150デシテックス/48フィラメントの丸断面ポリエステルのマルチフィラメントで、天竺構造側が167デシテックス/48フィラメントの丸断面ポリエステルのマルチフィラメントからなり、厚みが1.1mm、表面積比が70%、メッシュ側の開孔率が30%の二層構造の編物を得た。この編物の糸の太さ比は1:1.11である。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、38ウェル/インチ、49コース/インチ、目付け310g/mの製品を得た。
22ゲージの丸編機により、片面がメッシュ構造で、片面が天竺構造を有し、メッシュ構造側が150デシテックス/48フィラメントのポリエステルのマルチフィラメントで、天竺構造側が167デシテックス/48フィラメントのポリエステルのマルチフィラメントで形成され、厚みが0.8mm、表面積比が70%、メッシュ側の開孔率が30%の二層構造の編物を得た。この編物の糸の太さ比は1:1.11である。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、33ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け250g/mの製品を得た。
22ゲージの丸編機により、片面がメッシュ構造で、片面が天竺構造を有し、メッシュ構造側が150デシテックス/48フィラメントの中空糸ポリエステル(クラレ社製 中空糸)のマルチフィラメントで、天竺構造側が167デシテックス/48フィラメントのレギュラーポリエステルで形成され、厚みが0.8mm、表面積比が70%、開孔率30%の二層構造の編物を得た。この編物の糸の太さ比は1:1.11である。得られた編物を常法に従い、減量、セットして、33ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け220g/mの製品を得た。
[比較例1]
22ゲージの丸編機により、150デシテックス/48フィラメントのポリエステルのマルチフィラメントで、両面が同じ天竺構造を有し、厚みが1.2mmの二層構造の編物を作製した。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、38ウェル/インチ、49コース/インチ、目付け260g/mの製品を得た。
[比較例2]
22ゲージのダブルラッセル編機により、一方面に167デシテックス/35フィラメント、連結糸に33デシテックス/フィラメント、他方面に167デシテックス/35フィラメントで、開孔率40%の両面メッシュの、厚さ3mmのダブルラッセル編物を作製した。得られた編物を常法に従い、精練、セットして、33ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け250g/mの製品を得た。
[比較例3]
22ゲージのダブルラッセル編機により、一方面にPET異型糸(東レ社品)167デシテックス/35フィラメント、連結糸に33デシテックス/フィラメント、他方面に167デシテックス/35フィラメントで、開孔率40%の両面メッシュの、厚さ3mmのダブルラッセル編物を作製した。得られた編物を常法に従い、減量、セットして、33ウェル/インチ、45コース/インチ、目付け220g/m、厚み0.8mmの製品を得た。
Figure 2007207597
本発明のウイッキング構造体が装備される燃料電池電源システムの一実施例を示した概略図。 本発明のウイッキング構造体が装備される燃料電池の構成の一例を示した鳥瞰図。 本発明のウイッキング構造体が装備されるカートリッジホルダー付燃料電池電源の斜視図。
符号の説明
1…燃料電池、2…燃料カートリッジタンク、3…出力端子、4…排ガス口、4a…排ガス、5…直流/直流変換器、6…制御器、11…ガス拡散層付きのMEA、12…燃料室、13a…アノード端板、13c…カソード端板、14…ガスケット、15…ネジ、16…接続端子、17…燃料カートリッジホルダー。

Claims (15)

  1. 固体高分子電解質膜と電極が一体化された膜/電極接合体を有し液体燃料が使用される燃料電池の内部或いは外部に備えられるウイッキング構造体であって、繊維により布状に形成され、液体を吸収する吸液面と、前記吸液面にて吸収された液体を蒸散させる放湿面を有することを特徴とする燃料電池用ウイッキング構造体。
  2. 固体高分子電解質膜と電極が一体化された膜/電極接合体を有し液体燃料が使用される燃料電池の内部或いは外部に備えられるウイッキング構造体であって、繊維により布状に形成され、繊維の表面積が布の一方の面と他方の面で異なり、表面積が小さい面で吸収された液体が、表面積が大きい他方の面に移行して放湿されるように構成されていることを特徴とする燃料電池用ウイッキング構造体。
  3. 固体高分子電解質膜と電極が一体化された膜/電極接合体を有し液体燃料が使用される燃料電池の内部或いは外部に備えられるウイッキング構造体であって、太さが異なる少なくとも二種類の繊維により多層に形成され、糸の太さが一方の面と他方の面で異なり、細い糸で形成された面で吸収された液体が太い糸で形成された他方の面に移動して放湿されるように構成されていることを特徴とする燃料電池用ウイッキング構造体。
  4. 固体高分子電解質膜と電極が一体化された膜/電極接合体を有し液体燃料が使用される燃料電池の内部或いは外部に備えられるウイッキング構造体であって、繊維により布状に形成され、布の一方の面は他方の面に比べて空隙が多く、空隙の多い一方の面で吸収された液体が空隙の少ない他方の面に拡散して放湿されるように構成されていることを特徴とする燃料電池用ウイッキング構造体。
  5. 液体を吸収する面に比べて、吸収された液体を蒸散させる面の繊維の表面積が大きいことを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  6. 布帛からなり、吸液性を有する面が放湿性を有する面よりも細い糸で形成されていることを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  7. 液体を吸収する面の糸がマルチフィラメント糸からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  8. 放湿性を有する面の糸の太さが、吸液性を有する面の糸の太さに比べて1.01〜1.5倍大きいことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  9. 厚みが1mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  10. 吸液性を有する面が、中空糸あるいは異形断面糸により形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  11. 疎水性繊維によって形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  12. 吸液性を有する面がメッシュ構造であり、その開口率が20〜80%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  13. 乾燥率が50%以上、吸水性が100mm以上であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  14. 編物であることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
  15. 吸液性を有する面がメッシュ構造であり、他方の面が天竺構造であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の燃料電池用ウイッキング構造体。
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