JP2007095399A - 燃料電池及びこれを搭載した電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】
フラッディング現象が無く、長時間に渡って安定的に発電できる燃料電池を提供することにある。
【解決手段】
上記課題を解決するため、種々検討を行った。その結果、吸湿速乾性の多孔質材料を液体の燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する一対の膜電極接合体と、前記膜電極接合体のカソード側には、前記膜電極接合体を覆い、空隙を有するカソード端板が形成され、前記空隙が形成されている領域を覆うように吸湿速乾性の多孔質材料を形成することにより、前記課題を解決できる。
【選択図】図1
フラッディング現象が無く、長時間に渡って安定的に発電できる燃料電池を提供することにある。
【解決手段】
上記課題を解決するため、種々検討を行った。その結果、吸湿速乾性の多孔質材料を液体の燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する一対の膜電極接合体と、前記膜電極接合体のカソード側には、前記膜電極接合体を覆い、空隙を有するカソード端板が形成され、前記空隙が形成されている領域を覆うように吸湿速乾性の多孔質材料を形成することにより、前記課題を解決できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、アノード,電解質膜,カソード,拡散層から構成され、アノードで燃料が酸化され、カソードで酸素が還元される燃料電池電源に係わり、特に燃料としてメタノール,ジメチルエーテルやエチレングリコール等の液体燃料を用いた小型の携帯用電源とこれを用いた携帯用電気機器または電子機器に関するものである。
最近の電子技術の進歩によって、携帯用電話器,ブックタイプパーソナルコンピュータ,オーデイオ・ビジュアル機器、或いはモバイル用情報端末機器などが小型化され、携帯用電子機器として急速な普及が進んでいる。従来こうした携帯用電子機器は二次電池によって駆動するシステムであり、シール鉛バッテリーからNi/Cd電池,Ni/水素電池、更にはLiイオン電池へと新型二次電池の出現,小型化/軽量化及び高エネルギー密度化技術によって発展してきた。いずれの二次電池においてもエネルギー密度を高めるための電池活物質開発や高容量電池構造の開発が行われ、より一充電での使用時間の長い電源を実現する努力が払われている。
しかしながら、二次電池は一定量の電力使用後には充電することが必須であり、充電設備と比較的長い充電時間が必要となるために携帯用電子機器の長時間連続駆動には多くの問題が残されている。今後、携帯用電子機器は増加する情報量とその高速化に対応してより高出力密度で高エネルギー密度の電源、即ち連続使用時間の長い電源を必要とする方向に向かっており、充電を必要としない小型発電機(マイクロ発電機)の必要性が高まっている。
こうした要請に対応するものとして燃料電池電源が考えられる。燃料電池は燃料の持つ化学エネルギーを電気化学的に直接電気エネルギーに変換するもので、通常のエンジン発電機などの内燃機関を用いた発電機のような動力部を必要としないため、小型発電デバイスとしての実現性は高い。また、燃料電池は燃料のみを交換、或いは補充すれば連続して発電でき、二次電池の場合に見られるような充電のために一時的に携帯用電子機器の動作を停止するということが不要となる。
そこで、メタノール,エタノール,プロパノール,ジメチルエーテルやエチレングリコール等の液体燃料を用いた燃料電池が小型で長時間作動が可能な小型装置用の電源として期待が高まりつつある(特許文献1)。
液体燃料を用いた燃料電池電源の一例として標準的なメタノール燃料電池(DMFC)電源を取り上げてDMFC電源を説明する。固体高分子電解質膜の両面にアノード触媒層及びカソード触媒層が一体化接合した電解質膜/電極接合体(MEA;Membrane
Electrode Assembly)の両側にそれぞれアノード拡散層,カソード拡散層が密着されている。アノード触媒層に供給されたメタノール水溶液が(1)式に従って反応して炭酸ガスCO2とプロトンH+と電子e- に解離する。
Electrode Assembly)の両側にそれぞれアノード拡散層,カソード拡散層が密着されている。アノード触媒層に供給されたメタノール水溶液が(1)式に従って反応して炭酸ガスCO2とプロトンH+と電子e- に解離する。
CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
生成されたプロトンは固体高分子電解質膜中をアノードからカソード側に移動し、カソード触媒層上で空気中から拡散してきた酸素ガスO2 とカソード触媒層上の電子e- と
(2)式に従って反応して水H2O を生成する。
生成されたプロトンは固体高分子電解質膜中をアノードからカソード側に移動し、カソード触媒層上で空気中から拡散してきた酸素ガスO2 とカソード触媒層上の電子e- と
(2)式に従って反応して水H2O を生成する。
6H++3/2O2+6e- → 3H2O …(2)
従って発電に伴う全化学反応は(3)式に示すようにメタノールが酸素によって酸化されて炭酸ガスと水を生成し、化学反応式は形式上メタノールの火炎燃焼と同じになる。
従って発電に伴う全化学反応は(3)式に示すようにメタノールが酸素によって酸化されて炭酸ガスと水を生成し、化学反応式は形式上メタノールの火炎燃焼と同じになる。
CH3OH+3/2O2 → CO2+3H2O …(3)
メタノール水溶液を燃料とする燃料電池では上述の電気化学反応でメタノールの有する化学エネルギーが直接電気エネルギーに変換される形で発電される。
メタノール水溶液を燃料とする燃料電池では上述の電気化学反応でメタノールの有する化学エネルギーが直接電気エネルギーに変換される形で発電される。
一方、電解質膜にメタノール水溶液が接するとメタノールが電解質膜中を透過し、カソードで酸化され、H2O とCO2 を生成するメタノールクロスオーバー現象も生じる。
CH3OH+3/2O2 → CO2+3H2O …(4)
また、式(1)で生じたプロトンが固体高分子電解質膜中をアノードからカソード側に移動する際同伴水を伴う。
また、式(1)で生じたプロトンが固体高分子電解質膜中をアノードからカソード側に移動する際同伴水を伴う。
前記のようにメタノール水溶液等の液体を燃料とする燃料電池は発電に伴い、カソード側にH2O が生成し、酸素のカソード触媒上への拡散が阻害され、式(2)の反応が阻害され、発電能力が低下する、所謂、フラッディング現象が起きる問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、フラッディング現象が無く、長時間に渡って安定的に発電できる燃料電池を提供できる。
上記課題を解決するため、種々検討を行った。その結果、吸湿速乾性の多孔質材料を液体の燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する一対の膜電極接合体と、前記膜電極接合体のカソード側には、前記膜電極接合体を覆い、空隙を有するカソード端板が形成され、前記空隙が形成されている領域を覆うように吸湿速乾性の多孔質材料を形成することにより、前記課題を解決できる。
本発明によれば、燃料電池の発電によるフラッディング現象を防ぎ、長時間に渡って安定的に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態の燃料電池は、メタノールを燃料とするいわゆる直接型メタノール燃料電池である。
図1は、本発明を実施した場合の実施形態にかかる分解図である。図2は、図1の分解図のアノード端板からカソード端板を密着させた燃料電池全体の斜視図である。図3は、図2のカソード端板を除いた図である。図1の本実施形態では、燃料電池の基幹部品となる膜電極接合体(以下、MEA)を2枚並べて構成される。MEAは、メタノールを酸化するアノード極と、酸素を還元するカソード極との間に形成される固体高分子電解質膜からなる。MEAは、作製が容易なこと、面圧を均一に長時間にわたって保持することから略正方形が好ましい。セル数は多いほど直列に接続した場合の発電電圧が高くなり、携帯電話等の電子機器の動作電圧迄DC−DCコンバータを用いて昇圧する際のロスは小さくなり好ましい。一方、セル数が少ないほど、電極部分の実装密度が増え、発電量が増加すると共に、各セルをつなぐ端子の接触抵抗が減少するので好ましい。この両者の兼ね合いからセル数は2〜6が好ましい。携帯電話に内蔵し、縦横比はほぼ2:1に近く、略正方形のMEAを採用する場合、2セルとすると携帯電話の筐体と一致し、スペースを有効に使用できる。多孔質体の両面にセルを設置する場合は4セルが好ましい。
MEAの両面には、MEAの縁に沿ってガスケットが設置される。ガスケットは、MEAの縁から燃料が漏れるのを防ぎ、また、アノード集電板とカソード集電板がそれぞれアノードとカソード極にできるだけ一定の面圧で均一に接触するために役立っている。カソード集電板とアノード集電板には、それぞれ空気と燃料とが通過するスリットが形成されている。
本実施例の場合、アノード極に供給される燃料は、メタノールであり、メタノール水溶液として存在している。メタノール水溶液は燃料注入口から燃料輸送材に供給され、燃料供給材を経てアノード極に供給される。
ここで、燃料輸送材と燃料供給材とは共に多孔質材料であるが、燃料供給材は燃料輸送材に比べ細孔径が小さい。毛管力は細孔径が小さいほうが強く、液体を強く引っ張ることができ、燃料を強く吸い上げることができる。また、細孔径が大きいほうが、燃料を輸送する速度が速く、より短時間で、多孔質材料全体に液体を行き渡らせることができる。両多孔質材料の細孔径の比が2〜100であることが好ましい。更に、好ましくは3〜50である。本実施例の場合、細孔径の小さな燃料供給材と細孔径の大きな燃料輸送材とを組み合わせることにより、燃料を多孔質材料全体に速やかに含浸させると共に、アノード極近傍では、燃料供給材の多孔質体中の燃料がアノード極で反応して消費されると、負圧になり、消費された分だけ、燃料輸送材から燃料供給材に燃料が毛管力により供給される。消費された燃料分だけアノード極に供給されるため、電解質膜に達する燃料のメタノール濃度は、燃料輸送材の多孔質体中のメタノール濃度より低く、電解質膜を通過するメタノールのクロスオーバー量が少なくなり、出力が高くなる。
携帯電話のような携帯機器に本実施例の燃料電池を装備することを想定した場合、燃料電池は決まった一定の方向に固定されるわけではなく、360度全ての方向に回転又は移動する。そしてそのような状況下においても、燃料は確実にアノード極に供給されなければならない。
そこで、毛管力により液体が吸い上げられる高さ(吸い上げ高さ)を検討するに、吸い上げ高さ(h)は、次式で表される。
h=2γcosθ/r
ここで、γはメタノール水溶液の表面張力、θはメタノール水溶液と燃料輸送材との接触角、rは燃料輸送材の細孔径である。
ここで、γはメタノール水溶液の表面張力、θはメタノール水溶液と燃料輸送材との接触角、rは燃料輸送材の細孔径である。
燃料輸送材の材料と、メタノール水溶液の濃度が決定されれば、表面張力と接触角の値も決定される。したがって、吸い上げ高さは細孔径により決定されるといってよい。
そして、燃料輸送材を設計する際にその最大長さが、吸い上げ高さよりも大きいと、最大長さを縦にした場合に、燃料が上方まで十分に供給されず、安定した燃料電池の発電ができない。燃料輸送材の最大長さはその細孔径によって決まる最大長さよりも小さい値でなければならない。
燃料輸送材としては毛細管作用を示し、その細孔径が燃料供給材より小さければ特に制限は無い。そのようなものとして例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリ塩化ビニール,アクリル,芳香族ポリアミド,芳香族ポリアラミド,ポリスルホン,ポリエーテルスルホン,ポリエーテルケトン,ポリフェニレンサルフィッド,ポリアミドイミド,ポリウレタン,ポリスチレン,ポリエステル,エポキシ,フェノール,シリコーン等の有機連通気泡多孔体,連通気泡多孔質セラミックス,焼結法,メッキ法,発泡法,加圧鋳造法によって製造される金属連通気泡多孔体等がある。これらの連通気泡多孔体のうち、弾性率が30kN/cm2 以上の高剛性の連通気泡多孔体がMEAに圧力を加え、保持するのに好ましい。
本実施例の場合には、燃料輸送材は焼結金属多孔体であり、メタノール水溶液の濃度は30wt%であるため、接触角は45°、表面張力は、56dyn・cm である。この場合の吸い上げ高さと細孔径との関係をグラフ化したものを図4に示す。
本実施例の場合、燃料輸送材の最大長さは16cmであるため、燃料輸送材の細孔径は
60μm以下である必要があり、平均細孔経58μmを使用している。燃料供給材は平均細孔粒径9μmのポリウレタン多孔体を用いている。燃料輸送材として焼結金属多孔体を用いる場合、燃料供給材は絶縁材料でなければならない。
60μm以下である必要があり、平均細孔経58μmを使用している。燃料供給材は平均細孔粒径9μmのポリウレタン多孔体を用いている。燃料輸送材として焼結金属多孔体を用いる場合、燃料供給材は絶縁材料でなければならない。
また、燃料輸送材の最大長さが、アノード極の最大長さよりも小さいとアノード極全体に燃料を十分供給することができず、発電を安定に行うことができないため、燃料輸送材の最大長さは、アノード極の最大長さ以上でなければならない。
ここで、アノード極の最大長さはアノード極が1つの場合には、その対角線でよいが、アノード極が2枚以上の場合には、2枚のアノード極を含めた最大長さである必要がある。
カソード端板には、大気中から空気を取り入れる複数のスリットが設けられている。スリットの形状には特に制限はないが、カソード端板の長手方向に対し略垂直方向にスリットの長手方向が一致したほうが、カソード端板の曲げに対する強度が強い。カソード端板と合わせて燃料電池筐体を構成するアノード端板は、カソード端板と張り合わされ、端部に設けられた13個のねじ穴にねじを通して接合される。ねじがカソード端板とアノード端板とを締め付けることにより、これらの端板にはさまれたカソード集電板とアノード集電板とは、MEAに押し付けられ接触している。カソード端板の空隙が密集している領域は、カソード端板の縁の面に比べ凹んでいる。
カソード極で生成された水は、水蒸気となって空気中に拡散するが、外気の温度や湿度などの環境によってはカソード端板の表面に凝集し、カソード極への酸素の拡散を妨げ、発電出力が低下する、いわゆる、フラッディング現象が起き、燃料電池の出力は不安定になる。そこで、領域の凹みの深さと同程度の厚さを持ち、凝集水が生じた場合には凝集水を回収、保持する吸湿速乾性材料を領域の凹みに合わせて設置することにより、凝集水によるフラッディング現象を解決できる。本実施例の場合、カソード端板のスリット形状に合わせて打ち抜いた吸水速乾性材料をカソード端板の凹部に押し付け、フラッディング現象を解決した。カソード端板のスリット形状に同期させて吸水速乾性材料を打ち抜いたり、切れ込みを入れることによりカソード電極への酸素の供給を十分に行うことが出来る。スリットの代わりに開孔率30〜50%程度の円形に打ち抜いても良い。更に、打ち抜いたり、切れ込みを入れる代わりに、密度の低い吸湿速乾材料を使用しても良い。この吸水速乾性材料は、凝集水を回収し、毛管力により保持するのみならず、外気に蒸発させる機能も併せ持つ。外気が乾き、それにつれ電解質膜が乾き始めると、吸水速乾性材料から保持した水を放出し、湿度を一定にする。すなわち、電解質膜に乾湿による収縮膨潤のダメージを小さくすると共に、電解質膜が常に濡れており、燃料を供給すると直ちに安定的に高出力が得ることができる。
そのような吸水速乾性材料として、具体的には、二重構造(導水層/拡散層),多層構造(吸水層/中間層/拡散層)の材料や、多孔質構造、あるいは、中空構造の繊維の織布,不織布が用いられる。また、多孔質構造と中空構造とを併せ持つ多孔質構造の中空繊維を用いると水分が蒸発しやすく、繊維がすばやく乾く。この場合、水分は多孔質の細孔から中空部分に侵入し、蒸発はその逆の経路をたどる。また、中空構造の表側に撥水加工、裏側には、吸水加工をする2重構造としても良い。さらに具体的には、ルミエース(ユニチカ),アクアステルス(カネボウ合繊),ウエルキー(帝人),ベンロフト(東洋紡),スペースマスター(クラレ),ウォーターマジック(クラレ),テクノファイン(旭化成),テクノスター(旭化成),エーゲ(三菱レイヨン),トライアクター(東洋紡),セオーα(東レ),クスクス(東洋紡),コラックス、スイフト(三菱レイヨン),ソフィスタ(クラレ),コルティコ(帝人),キラット(カネボウ合繊),高次複重層構造糸(東洋紡),スピンエア(クラボウ,クラレ),ポリエステル/キュプラ複合糸(旭化成)が挙げられる。本実施例においては、ルミエース(ユニチカ)を用いた。
カソード端板の凹みは、反対側からの面から見れば出っ張りになっており、アノード集電板と接合したときに、この出っ張りによりカソード集電板をより強くカソード電極に押し付けることができる。その結果、カソード集電板とカソード極との接触面における接触抵抗が下がり、燃料電池の出力は向上する。アノード端板には、絶縁材と吸上げ材とを収納する凹みが設けられており(図1に図示)、この凹みはメタノール水溶液を保持する燃料タンクの役目も果たす。
燃料であるメタノール水溶液を燃料タンクに供給するために、燃料注入口が、カソード端板に形成されている。燃料注入口には図示しないが、燃料が漏れるのを防ぐためにフタが取り付けられる。燃料タンクは、MEAが2枚分の縦長さよりもやや長く設計されている。そのあまり部分には吸上げ材が設置されており、燃料の受け皿部(図3に図示)として燃料注入口から供給された燃料を受け取り、速やかに燃料タンク全体に充填させるのに役立つ。カソード集電板とアノード集電板は、四角形ではなく、その一部に出力端子が形成されている。
図2は、図1の分解図のアノード端板からカソード端板を密着させた燃料電池全体の斜視図である。側面には集電板の出力端子が形成されている。出力端子は、一つのMEAに対し、アノード集電板とカソード集電板の出力端子がそれぞれ燃料電池筐体の側面に形成されているとMEAごとに運転中の不具合を検査できるので都合がよい。図5は、図2のカソード端板を除いた図である。受け皿部が形成されているアノード端板の角が取れているのは燃料電池の小型軽量化のためである。図4は、アノード端板の斜視図である。中央の凹みが2重になっているが、深い凹みには絶縁材と吸上げ材が収納され、浅い凹みにはアノード端板側から順にアノード集電板,ガスケット,MEA,ガスケット,カソード集電板が収納されるためである。
図6は、本実施形態の燃料電池を携帯電話に取り付けたものである。携帯電話に取り付けた場合、受け皿部は、ユーザが携帯電話の画面を使用する際に上になるように取り付けるのが好ましい。受け皿部から供給された燃料は吸上げ材により燃料タンク全体に充填されるが、受け皿部が上にあれば、重力をも利用して速やかに燃料を燃料タンクに充填できるからである。また、DC/DCコンバータは燃料電池の下部に置くことが好ましい。通常液晶画面の下に操作ボタンがあり、その裏側に制御部があるため、燃料電池の下部は、この制御部に近いからである。40wt%濃度の燃料を供給することにより、燃料電池を5時間安定的に発電することが出来た。
図7は本実施形態の燃料電池を取り付けたノートPCである。液晶表示パネルの裏側に燃料電池を3つ配置している。
本願発明の燃料電池はPDA等の携帯機器にも適している。
以上説明したように吸湿速乾性の多孔質材料を液体の燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する一対の膜電極接合体と、前記膜電極接合体のカソード側には、前記膜電極接合体を覆い、空隙を有するカソード端板が形成され、前記空隙が形成されている領域を覆うように吸湿速乾性の多孔質材料を形成することにより、燃料電池による発電をフラッディング現象が無く、長時間に渡って安定的に行うことができる。
1…カソード端板、2…カソード集電体、3,5…ガスケット、4…MEA(膜/電極接合体)、6…アノード集電体、7…燃料供給多孔質体、8…燃料輸送多孔質体、9…アノード端板、10…燃料供給口、11…出力端子、12…受け皿部、13…DC/DCコンバータ、14…燃料電池、15…表示部、16…キーボード。
Claims (3)
- 液体の燃料を酸化するアノードと、酸素を還元するカソードと、前記アノードとカソードとの間に形成される固体高分子電解質膜とを有する一対の膜電極接合体と、前記膜電極接合体のカソード側には、前記膜電極接合体を覆い、空隙を有するカソード端板が形成され、前記空隙が形成されている領域を覆うように吸湿速乾性の多孔質材料を形成することを特徴とする燃料電池。
- 前記空隙が形成されている領域には、多孔質材料を配置するくぼみが形成されていることを特徴とする燃料電池。
- 請求項1ないし請求項2の燃料電池を搭載した電子機器。
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