JP2007205208A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関バルブを開閉駆動するリフタ摺動部に油圧制御手段を組み込んでバルブタイミングを可変とし内燃機関の小型化を図ることができる内燃機関の動弁装置を供する。
【解決手段】動弁カム27の回転に従って摺動するリフタ摺動部30が機関バルブ21に作用してバルブスプリング25に抗して開弁する内燃機関の動弁装置において、リフタ摺動部30は、動弁カム27の回転に従って弁開閉方向に往復動するカム従動リフタ31と、カム従動リフタ31に弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合する制御バルブ33と、機関バルブ21のバルブステムの端部に取り付けられてリフタガイド4Aに摺接し制御バルブ33と弁開閉方向に相対移動自在に嵌合し同制御バルブ33との間で油圧室Pcを形成するスリーブリフタ40とを備え、スリーブリフタ40に対する制御バルブ33の相対移動位置により油圧室Pcの油出入りが制御される内燃機関の動弁装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関において油圧式の可変バルブタイミング機構を備える動弁装置に関する。
内燃機関の動弁装置は、通常燃焼室に開口する吸気および排気のポートを開閉する機関バルブがバルブスプリングにより閉弁方向に付勢されており、クランク軸に連動する動弁カムの回転に従って摺動するリフタによりバルブスプリングに抗して機関バルブを作動して弁の開閉を行う。
かかる動弁装置において、機関バルブを開閉駆動する往復動部分に油圧を介在させて、油圧を調整することで、バルブの開閉タイミングおよびバルブリフト量を可変とする油圧式の可変バルブタイミング機構が、既に提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
特許第2832624号公報 特開2003−328712号公報
特許文献1に開示されたものは、機関バルブのバルブステム上方に位置するカムの回転に従動するカム従動ピストンとバルブステムと一体に摺動する弁駆動ピストンとの間に油圧室を設け、この油圧室から延出する油通路が油圧開放弁を介して蓄圧室に連通している。
機関バルブの開弁作動途中に油圧開放弁を開弁したときに油圧室の油圧が蓄圧室に逃がされるものであり、この油圧開放弁の油圧開放時期を制御することにより機関バルブのリフト量およびバルブタイミングを制御している。
特許文献2に開示されたものは、カムの回転に従って摺動する第1プランジャと、アジャスタカムの回動によりアジャスタスプリングを介して摺動する第2プランジャと、バルブスプリングにより閉弁方向に付勢されるバルブステムが、共通の油圧室に向かって摺動自在に挿入された構造のものであり、アジャスタカムによるアジャスタスプリングの荷重を調整することで、カムにより第1プランジャが押圧されたときの油圧室の油圧を第2プランジャの摺動部に逃がす割合を変えることができ、よって機関バルブに作用する油圧が調整されてバルブリフト量およびバルブタイミングが制御される。
先の特許文献1における油圧開放弁および蓄圧室等を備える油圧制御回路は、全てが機関バルブ等の摺動部を支持する固定側に構成されていて、同回路を設けるための大きなスペースが必要とされて、内燃機関が大型化する。
また、カム従動ピストンと弁駆動ピストンが摺接するピストンガイド壁により油圧室が形成されるので、両ピストンの摺接部からの油漏れによりバルブタイミングおよびバルブリフト量の精度の良い制御が困難である。
特許文献2についても、第1プランジャとバルブステムの間の油圧室から側方に大きく張り出して第2プランジャとアジャスタスプリングおよびアジャスタカム等の油圧調整機構が設けられており、同油圧調整機構の大きなスペースが必要とされて、内燃機関が大型化する。
さらに、第1プランジャとバルブステムが摺接するガイド壁により油圧室が形成されるので、第1プランジャとバルブステムの摺接部からの油漏れによりバルブタイミングおよびバルブリフト量の精度の良い制御が困難である。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、機関バルブを開閉駆動するリフタ摺動部に油圧制御手段を組み込んでバルブタイミングを可変とし内燃機関の小型化を図ることができる内燃機関の動弁装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、動弁カムの回転に従って摺動するリフタ摺動部が機関バルブに作用してバルブスプリングに抗して開弁する内燃機関の動弁装置において、前記リフタ摺動部は、前記動弁カムの回転に従って弁開閉方向に往復動するカム従動リフタと、前記カム従動リフタに弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合する制御バルブと、前記機関バルブのバルブステムの端部に取り付けられてリフタガイドに摺接し前記制御バルブと弁開閉方向に相対移動自在に嵌合し同制御バルブとの間で油圧室を形成するスリーブリフタとを備え、前記スリーブリフタに対する前記制御バルブの相対移動位置により前記油圧室の油出入りが制御される内燃機関の動弁装置とした。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の動弁装置において、前記スリーブリフタが有底の内筒と前記リフタガイドに摺接する有底の外筒からなり、前記内筒に前記制御バルブが嵌入して前記油圧室が形成され、前記内筒と前記外筒との間にばね力で抑制されながら容積が可変な蓄圧室が形成され、前記内筒の周壁に前記蓄圧室と連通する連通孔が穿設され、前記スリーブリフタに対する前記制御バルブの相対移動位置により前記連通孔の開口が開閉制御されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の内燃機関の動弁装置において、前記制御バルブは、前記カム従動リフタの回動により弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合され、アクチュエータにより前記カム従動リフタが回動されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関の動弁装置において、前記アクチュエータは、モータにより往復移動されるラックに前記カム従動リフタに形成されたピニオン歯が噛合して構成されるものであることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の内燃機関の動弁装置において、前記制御バルブは、前記カム従動リフタにねじ機構により係合していることを特徴とする。
請求項1記載の内燃機関の動弁装置によれば、リフタ摺動部に設けられる制御バルブとスリーブリフタにより油圧室が形成されるとともに、カム従動リフタに弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合する制御バルブのスリーブリフタに対する相対移動位置により同油圧室の油出入りが制御されることで、バルブタイミングおよびバルブリフト量の制御がなされる構成であるので、リフタ摺動部に油圧制御手段がコンパクトに組み込まれて内燃機関の小型化が図れる。
また、油圧室が制御バルブとスリーブリフタのみにより形成され、リフタガイドを油圧室の壁面としていないので、スリーブリフタの摺接により油圧室から油漏れが生じることはなく、バルブタイミングおよびバルブリフト量を精度良く制御することができる。
請求項2記載の内燃機関の動弁装置によれば、スリーブリフタの内筒に制御バルブが嵌入して油圧室が形成され、スリーブリフタの内筒と外筒との間にばね力で抑制されながら容積が可変な蓄圧室が形成されるので、リフタ摺動部に蓄圧室を含む油圧制御機構の殆どが組み込まれてコンパクト化され内燃機関の小型化に益々寄与することができる。
請求項3記載の内燃機関の動弁装置によれば、カム従動リフタの回動により弁開閉方向の相対位置を変更可能に制御バルブが係合されるので、カム従動リフタを回動する簡単な入力によりバルブ開閉制御を行うことができ、入力するアクチュエータも簡単で小型のものが利用でき、そのためシリンダヘッド部を小型化するとともに、バルブ挟み角への影響が少なく燃焼室をコンパクトにして内燃機関の性能向上を図ることができる。
請求項4記載の内燃機関の動弁装置によれば、モータにより往復移動されるラックに前記カム従動リフタに形成されたピニオン歯が噛合してアクチュエータが構成されるので、カム従動リフタに沿って棒状のラックを敷設すればよく、コンパクト化が図れ、シリンダヘッド部を益々小型化することができる。
請求項5記載の内燃機関の動弁装置によれば、制御バルブがカム従動リフタにねじ機構により係合しているので、リフタ摺動部を簡単な構造でコンパクト化することができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関1は、直列4気筒のDOHC4ストローク内燃機関であり、その側断面図を図1に示す。
シリンダブロック2が、上側クランクケースを兼ねるとともに変速機ケースも構成しており、このシリンダブロック2に下側から下側クランクケース3が接合されてクランク室と変速室を構成している。
シリンダブロック2の斜め上方に傾いて延びるシリンダ部2Aの上にシリンダヘッド4およびシリンダヘッドカバー5が重ね合わされて一体に結合され、下側クランクケース3の下側にオイルパン6が取り付けられる。
シリンダブロック2と下側クランクケース3の互いの合わせ面にクランク軸7が挟まれて回転自在に軸支されており、クランク軸7のクランクウエブ間のクランクピン7aとシリンダ部2Aのシリンダボアに往復摺動自在に嵌合されたピストン8のピストンピン8aとをコネクティングロッド9が連結している。
ピストン8の頂面と対向するシリンダヘッド4の天井面との間に燃焼室10が形成されており、燃焼室10からは斜めに傾いたシリンダヘッド4の上側側面に向けて2本の吸気ポート11が延出し、下側側面に向けて2本の排気ポート12が延出している。
各吸気ポート11の外側開口にはスロットルボディ13が結合され、その上流側に吸気管(図示せず)が連結される。
各排気ポート12の外側開口には、排気管(図示せず)が連結される。
吸気ポート11の燃焼室10に開いた開口を吸気バルブ21が開閉し、排気ポート12の燃焼室10に開いた開口を排気バルブ81が開閉する。
吸気バルブ21の上方に吸気側動弁装置20が設けられ、排気バルブ81の上方に排気側動弁装置80が設けられている。
吸気バルブ21は、そのバルブステム21sがバルブガイド22に摺動自在にガイドされ、バルブステム21sの上端に嵌着されたアッパリテーナ23と途中にシリンダヘッド4に固定されたロワリテーナ24との間にバルブスプリング25が縮設されて介装されている。
アッパリテーナ23の上側でバルブステム21sの上端にバルブステム21sと同軸に、可変バルブタイミング機構を備えたリフタ摺動部30が連結されており、同リフタ摺動部30はシリンダヘッド4のリフタガイド部4Aにガイドされて軸方向(弁開閉方向)に摺動自在に嵌合されている。
このリフタ摺動部30の上方に吸気カムシャフト26がクランク軸と平行に軸支されており、同吸気カムシャフト26に形成された吸気カム27の回転がリフタ摺動部30を摺動させる。
一方、排気側動弁装置80は、排気バルブ81のバルブステム81sがバルブガイド82に摺動自在にガイドされ、バルブステム81sの上端に嵌着されたアッパリテーナ83と途中にシリンダヘッド4に固定されたロワリテーナ84との間にバルブスプリング85が縮設されて介装されている。
そして、シリンダヘッド4のリフタガイド部4Bにガイドされて軸方向(弁開閉方向)に摺動自在に嵌合される有底円筒状のリフタ86が、このバルブステム81sの上部をアッパリテーナ83とともに上方から覆っており、このリフタ86は、可変バルブタイミング機構を備えていない一般的なリフタである。
このリフタ86の上方に排気カムシャフト87がクランク軸と平行に軸支されており、同排気カムシャフト87に形成された排気カム88の回転がリフタ86とともに排気バルブ81を摺動させる。
したがって、排気バルブ81についてはバルブタイミングの変更は行われない。
吸気側動弁装置20のリフタ摺動部30における可変バルブタイミング機構の構造について図2ないし図6に基づき説明する。
リフタ摺動部30の最上部には、吸気カムシャフト26に形成された吸気カム27に接して弁開閉方向に往復動するカム従動リフタ31が配設されている。
カム従動リフタ31は、円筒部31Aの上端開口を円筒部31Aの外径より径の大きい円板状の上壁31Bが塞いだ形状をしており、円筒部31Aの外周面より周方向に扇形に展開したピニオンギヤ31pが突出形成されている。
また、円筒部31Aの内周には、螺旋状に螺旋溝31sが2箇所に形成されている。
このカム従動リフタ31の円筒部31Aの内径より僅かに小さい外径の概ね円筒状をした制御バルブ33の上半部が、カム従動リフタ31の円筒部31Aに互いに摺動自在に嵌入される。
概ね円筒状をした制御バルブ33は、下端の大径の開口から順次内径を小さくした内空間34が中央高さ位置まで形成されて円筒状をしており、その外周の円周面33rの下端がテーパして円周面33rからテーパ面33tにかけて図6に示すような菱形の切欠き35が周方向に複数形成されている。
菱形の切欠き35は、テーパ面33tより上の円周面33rには頂点を上にした2等辺三角形状に刻設されている。
そして、制御バルブ33の外周面の中央高さ位置にはフランジ33aが突出しており、同フランジ33aの外周縁は周方向にスプライン突起33vが形成されている。
制御バルブ33のフランジ33aより上側の外周面には、前記カム従動リフタ31の内周面の2本の螺旋溝31s,31sに対応し、かつそれより長尺に形成された2本の螺旋溝33s,33sが形成されている。
前記内空間34の小径部のテーパ面頂部から上方にさらに小径の油路33c延出し、油路33cの上部と突起33aより下側の外周面とを油路33dが連通している。
また、制御バルブ33の下端近傍には、径方向に貫通孔33eが穿孔されている。
カム従動リフタ31の円筒部31Aに制御バルブ33の上半部を挿入し、対向する螺旋溝31sと螺旋溝33sの空洞に円筒部31Aの図示されない開口からボール32を複数挿入して蓋をしてボールねじ機構を構成してカム従動リフタ31に制御バルブ33を係合する。
したがって、カム従動リフタ31が制御バルブ33に対して相対的に回動すると、制御バルブ33はカム従動リフタ31に対して弁開閉方向の相対位置関係を変更することができる。
そして、制御バルブ33の内空間34に規制ボール36が挿入され、上端の小径部のテーパ面に当接して油路33cを塞ぎ、背後からスプリング37の上端を当て、下端をリテーナ38で受けながらスプリング37を縮めたところで、ピン39を貫通孔33eに貫通させて開口に架設し、スプリング37の下端のリテーナ38を保持することで、常時規制ボール36を油路33cの開口を塞ぐように付勢する。
すなわち、スプリング37により内空間34側から油路33cの開口を塞ぐように付勢された規制ボール36により一方向弁が構成されており、油路33cから内空間34へのオイルの補給は可能であるが、内空間34から油路33cへのオイルの流れは禁止される。
他方、吸気バルブ21のバルブステム21sの上端はアッパリテーナ23の中空部に挿入されてコレット23aを介してアッパリテーナ23が固着され、バルブステム21sの上端面はアッパリテーナ23の中央において上方に露出しており、このバルブステム21sの上端面およびアッパリテーナ23の上面にスリーブリフタ40の下面が対向している。
スリーブリフタ40は、共通の底壁40Cを備えた内筒40Aと外筒40Bからなり、外筒40Bの外径はリフタガイド部4Aの内径より僅かに小さく、この外筒40Bがリフタガイド部4Aに摺接してスリーブリフタ40はリフタガイド部4Aにガイドされて往復摺動する。
内筒40Aは、外筒40Bの半分強の長さで、内径が前記制御バルブ33の外径に略等しい。
スリーブリフタ40の底壁40Cの下面中央に円形の突起40dが突出しており、この突起40dがアッパリテーナ23の中空部に挿入されて、その下面がバルブステム21sの上端面に当接して支持される。
また、スリーブリフタ40の外筒40Bの外周面の一部に軸方向(弁開閉方向)に指向した突条40eが突設されており、この突条40eに対応してリフタガイド部4Aの内周面に軸方向に指向した溝条4sが形成されている。
したがって、スリーブリフタ40がリフタガイド部4Aに上方から挿入される際に、突条40eを溝条4sに嵌合させるようにすることで、スリーブリフタ40は周方向の回動は規制された状態でリフタガイド部4Aにより弁開閉方向に摺動自在にガイドされる。
なお、リフタガイド部4Aの上端縁近傍の所定箇所に油補給孔4rが穿孔されている。
スリーブリフタ40の外筒40Bの内周面には軸方向に指向したセレーション40sが上方開口から中間高さ位置まで形成されており、その途中の所定高さに周方向に小溝条40fが形成されている。
そして、外筒40Bの中間高さ位置に前記リフタガイド部4Aの油補給孔4rに対応する油補給孔40rが形成され、その若干下方の高さ位置にはエア抜き孔40hが周方向に複数形成されている。
また、内筒40Aの下側の所定高さ位置には、前記制御バルブ33の下端部の複数の切欠き35に対応して連通孔41が周方向に複数形成されている。
連通孔41は円孔であり、内筒40Aを斜めに貫通している。
図6は、制御バルブ33の下端の一部で切欠き35が形成された部分を図示しているが、同時に図5に示す状態における連通孔41の油圧室Pc側の開口41aを2点鎖線で示している。
図6に示すように、連通孔41の油圧室Pc側の開口41aは、円孔を斜めに切断した楕円形状をしており、上下が先細になっている。
以上のようなスリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間に、円環状をした環状蓋部材45が嵌挿される。
環状蓋部材45は、外径がスリーブリフタ40の外筒40Bの内径に略等しい円筒部45Aと同円筒部45Aの上端縁から中心方向に延出した中空円板部45Bとからなり、中空円板部45Bの内径はスリーブリフタ40の内筒40Aの外径に略等しい。
この環状蓋部材45が、スリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間に嵌挿されると、スリーブリフタ40の底壁40Cと環状蓋部材45の中空円板部45Bとの間に環状の蓄圧室Acを構成することができる。
環状蓋部材45は、スリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間で弁開閉方向に摺動自在であり、スリーブリフタ40の底壁40Cに接したとき、内筒40Aの連通孔41は中空円板部45Bより下にあって蓄圧室Acと連通しているが、外筒40Bのエア抜き孔40hは中空円板部45Bより上方にある(図2、図5参照)。
スリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間に嵌挿された環状蓋部材45の中空円板部45B上に、複数のスプリング48が嵌挿されて、さらにその上から支持スリーブ50が嵌挿される。
支持スリーブ50は、円筒部50Aと同円筒部50Aの下端縁から中心方向に延出した中空円板部50Bとからなり、円筒部50Aの下半部は外径がスリーブリフタ40の外筒40Bの内径に略等しく、その外周面には外筒40Bのセレーション40sと嵌合するセレーション50sが形成され、円筒部50Aの上半部は下半部から段部50dを経て外径が縮径されている。
円筒部50Aの内周面にはスプライン溝50vが軸方向に指向して形成されており、前記制御バルブ33のフランジ33aの外周縁のスプライン突起33vが嵌合できるようになっており、円筒部50Aの内径はカム従動リフタ31の円筒部31Aの外径に略等しい。
支持スリーブ50の中空円板部50Bは、その内径がスリーブリフタ40の内筒40Aの外径に略等しい。
円筒部50Aの下半部の所定箇所には前記スリーブリフタ40の外筒40Bの油補給孔40rに対応する油補給孔50rが穿孔されている。
スリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間に環状蓋部材45とスプリング48を嵌挿した後に、上記支持スリーブ50が、スリーブリフタ40の外筒40Bの内周面のセレーション40sに円筒部50Aの外周面のセレーション50sを噛み合わせて嵌挿される。
そして、スプリング48を圧縮しながら支持スリーブ50を押し込んで、支持スリーブ50の円筒部50Aの段部50dの上に外筒40Bの内周面に形成された小溝条40fが現れたところで、この小溝条40fに止めリング52を嵌合させることで、支持スリーブ50がその段部50dに止めリング52に当たって抜けが防止され、スプリング48のばね力でスリーブリフタ40に対する相対位置が略固定されてスプリング48の一端を支持する(図2参照)。
逆に略固定される支持スリーブ50により上端を支持されたスプリング48により環状蓋部材45が下方へ付勢されている。
このように、スリーブリフタ40の内筒40Aと外筒40Bとの間に環状蓋部材45、スプリング48、支持スリーブ50を嵌合したところへ、前記カム従動リフタ31に制御バルブ33を組み込んだものを嵌挿する。
この組み込みに際しては、制御バルブ33の下半円筒部をスリーブリフタ40の内筒40Aに嵌入すると同時に、フランジ33aのスプライン突起33vを支持スリーブ50の内周面のスプライン溝50vに嵌合し、カム従動リフタ31の円筒部31Aは支持スリーブ50の内側に嵌挿される。
ここで、制御バルブ33の下半円筒部がスリーブリフタ40の内筒40Aに嵌入することで、内筒40A内において制御バルブ33とスリーブリフタ40との間に油圧室Pcが形成される。
この内筒40A内の油圧室Pcは、制御バルブ33が連通孔41を閉塞しない限り、連通孔41を介して蓄圧室Acと連通している。
以上のようにしてリフタ摺動部30が組付けられると、最上部のカム従動リフタ31の上壁31Bの上面に吸気カム27がそのカム面を摺接させる(図2参照)。
そして、カム従動リフタ31の扇形に展開したピニオンギヤ31pを、図1に示すようにスロットルボディ13側のシリンダヘッド4の側壁に向けて突出させており、クランク軸7と平行に指向したラック軸60のラック歯60aが同ピニオンギヤ31pに噛合している(図3参照)。
ラック歯60aとピニオンギヤ31pの歯筋は、吸気カム27の回転でカム従動リフタ31が往復動する弁開閉方向に指向しており、ラック歯60aはカム従動リフタ31の往復距離分の幅を有している。
したがって、吸気カム27の回転でカム従動リフタ31が往復動しても常にラック歯60aが同ピニオンギヤ31pの噛合いは維持される。
ラック軸60は、図1に示すように、シリンダヘッド4の側壁内面に形成された保持部4hにクランク軸方向に摺動自在に保持されている。
そして、1気筒に設けられる2本の吸気バルブ21,21の2個の同じ構造のリフタ摺動部30、さらには直列に並んだ4気筒のそれぞれの同じ構造のリフタ摺動部30に、1本のラック軸60が共通に使用される。
このラック軸60は、図3に示すように背後に形成されたギヤ60bがサーボモータ61の駆動軸に設けられた駆動ギヤ62に噛合して、サーボモータ61の駆動でクランク軸方向に往復動し、このラック軸60の往復動がラック歯60aとピニオンギヤ31pの噛合を介してカム従動リフタ31を正逆転回動させる。
リフタ摺動部30において、シリンダヘッド4のリフタガイド部4Aに嵌挿されるスリーブリフタ40は、突条40eをリフタガイド部4Aの溝条4sに嵌合して周方向の回動は規制された状態で弁開閉方向に摺動自在にガイドされ、このスリーブリフタ40に対してセレーション嵌合した支持スリーブ50も周方向の回動が規制され、この回動が規制された支持スリーブ50にスプライン嵌合する制御バルブ33もまた周方向の回動が規制され、かつ支持スリーブ50およびスリーブリフタ40に対して弁開閉方向に相対位置を変更することができる。
したがって、前記したように、カム従動リフタ31と制御バルブ33はボールねじ機構により係合しているので、サーボモータ61によりラック軸60を介してカム従動リフタ31を回動すると、制御バルブ33は回動せずにカム従動リフタ31に対して弁開閉方向の相対位置関係を変更することができる。
このカム従動リフタ31に対する制御バルブ33の弁開閉方向の移動は、同時にスリーブリフタ40に対する制御バルブ33の弁開閉方向の相対位置を変更させる。
図7は、カム従動リフタ31に対して制御バルブ33が最も閉弁方向(上方)に位置した場合の吸気バルブ21の動きの様子を示しており、図9は、カム従動リフタ31に対して制御バルブ33が最も開弁方向(下方)に位置した場合の吸気バルブ21の動きの様子を示しており、図8は、カム従動リフタ31に対して制御バルブ33が前者(図7)と後者(図9)の中間に位置した場合の吸気バルブ21の動きの様子を示している。
このうち、吸気バルブ21が吸気ポート11の開口を閉じた状態を示す図7(1)、図8(1)、図9(1)を順次比較していみると分かるように、制御バルブ33が開弁方向(下方)に順次移動しており、制御バルブ33の下端縁と連通孔41との距離が、図7(1)では大きかったものが、図8(1)では小さくなり、図9(1)では制御バルブ33の下端部が連通孔41の蓄圧室Ac側の開口を閉じている。
そこで、まず、カム従動リフタ31に対して制御バルブ33が最も閉弁方向(上方)に位置した図7に示す場合について吸気バルブ21の動きを考察してみる。
図7(1)において、吸気カム27のベース円にカム従動リフタ31が接して最も閉弁方向(上方)に位置する制御バルブ33とカム従動リフタ31がともに最上位置にあって油圧室Pcが最大容積を占めている。
吸気カム27が約45度回転した図7(2)では、カム従動リフタ31が下方に押されて、制御バルブ33も下降するが、油圧室Pcのオイルが連通孔41を通って蓄圧室Acの方に流れ、スプリング48に抗して環状蓋部材45を上昇させて蓄圧室Acの容積を膨張させる。
このように油圧室Pcのオイルを蓄圧室Acに逃がして油圧室Pcの容積が縮小するので、制御バルブ33の下降によってもスリーブリフタ40は下降せずそのままの状態が維持され、よって吸気バルブ21も閉弁状態が維持されている。
なお、吸気バルブ21を閉弁方向に付勢するバルブスプリング25のばね力は、環状蓋部材45を下方に付勢するスプリング48のばね力よりも十分大きい。
そして、さらに吸気カム27が回転すると、制御バルブ33が油圧室Pcのオイルを蓄圧室Acに逃がして下降し、連通孔41の油圧室Pc側開口を閉塞する。
連通孔41が閉塞されて油圧室Pcが密閉されると、制御バルブ33の下降は密閉された油圧室Pcのオイルを介してスリーブリフタ40を下降させ、スリーブリフタ40の下降は吸気バルブ21をバルブスプリング25に抗して開弁方向に下降させ、図7(3)に示すように吸気バルブ21は吸気ポート11の開口を開く。
このように、カム従動リフタ31に対して制御バルブ33が最も閉弁方向(上方)に位置している場合は、吸気バルブ21が開弁するタイミングが遅くなるとともに、バルブリフト量も小さい。
蓄圧室Acの容積をさらに大きくしたり、吸気カム27の変位量を小さくすれば、バルブリフト量を0にして、バルブを休止させることもできる。
逆に、吸気バルブ21が閉弁するときは、吸気カム27の押圧が徐々に除かれ、バルブスプリング25の付勢力で吸気バルブ21が閉弁方向に上昇して吸気ポート11の開口を閉じ、完全に閉弁すると、スリーブリフタ40を残して制御バルブ33が上昇して連通孔41を開通させ、以後はスプリング48のばね力で環状蓋部材45を下降させて蓄圧室Acのオイルを連通孔41を通して油圧室Pcに戻し、油圧室Pcの容積を膨張させて制御バルブ33をカム従動リフタ31とともに上昇させてカム従動リフタ31の吸気カム27のカム面への接触を保つようにする。
したがって、吸気バルブ21が閉弁するタイミングは早い。
このような図7に示す状態からサーボモータ61の駆動によりラック軸60を移動してカム従動リフタ31を回動し、制御バルブ33を開弁方向に下降させると、図8に示す状態になる。
図8(1)は図7(1)と吸気カム27の角度位置が同じであるが、制御バルブ33は下降して連通孔41に近い位置にある。
したがって、吸気カム27がさらに回転すると、制御バルブ33は下降して油圧室Pcのオイルが連通孔41を通って蓄圧室Acに移動して油圧室Pcが縮小するが、吸気カム27が図8(1)の角度位置から約45度回転する途中で、制御バルブ33が連通孔41を閉塞して油圧室Pcを密閉することになり、吸気カム27が図8(1)の角度位置から約45度回転した図8(2)に示す状態では、既に吸気バルブ21は開弁している。
その後は、吸気カム27のカム面に従って吸気バルブ21は従動する。
したがって、図8に示す場合は、図7に示す場合に比べて、吸気バルブ21の開弁タイミングが早くなり、閉弁タイミングは遅くなるとともに、バルブリフト量も大きくなる(図10参照)。
図8に示す状態から、さらにサーボモータ61の駆動によりラック軸60を移動してカム従動リフタ31を回動し、制御バルブ33を開弁方向に下降させると、図9に示す状態になる。
図9(1)は図7(1),図8(1)と吸気カム27の角度位置が同じであるが、制御バルブ33はより下降して連通孔41を閉塞した状態にある。
すなわち、カム従動リフタ31が吸気カム27のベース円に接している状態で、既に制御バルブ33は連通孔41を閉塞して油圧室Pcは密閉されているので、吸気カム27の1回転全てに亘ってカム面に従って吸気バルブ21は従動する。
したがって、吸気バルブ21の開弁タイミングが最も早くなり、閉弁タイミングは最も遅くなるとともに、バルブリフト量は最大となる(図10参照)。
図10は、カム回転角度に対するバルブ変位量を、図7,図8,図9に示す各状態について示している。
図7,図8,図9の順に、開弁タイミングが早くなり、閉弁タイミングが遅くなり、バルブリフト量は大きくなる。
本吸気側動弁装置20は、サーボモータ61を駆動制御することで、図7に示す状態から図9に示す状態までの間で、無段階にバルブタイミングおよびバルブリフト量を変更することができる。
図6に示すように、制御バルブ33の下端の円周面33rからテーパ面33tにかけて菱形の切欠き35が複数形成され、切欠き35に対応する連通孔41の断面形状は、楕円形状をして中央から下方に行くほど先細になっている。
そこで、制御バルブ33の下降により連通孔41の油圧室Pc側開口41aを閉じるときと、制御バルブ33の上昇により連通孔41の開口41aを開くときの様子を図11(1),(2)の説明図に基づき説明する。
図11(1),(2)は、図6と同じく制御バルブ33の切欠き35のある部分と、同時に連通孔41の油圧室Pc側の開口41aを2点鎖線で示し、ある2つの状態における制御バルブ33と連通孔41の開口41aとの相対位置関係が図示されている。
そして、連通孔41の楕円形状の開口41aのうち制御バルブ33により塞がれる閉塞部分Sを格子ハッチを施して示している。
いま、制御バルブ33が下降して連通孔41の逆三角形の開口41aを閉じようとしているとすると、図11(1)に示す状態では、逆三角形の開口41aのうち制御バルブ33の円周面33rとテーパ面33tの境界線Lより上側が塞がれており、境界線Lより上側でも切欠き35の一部が開放されている。
これより制御バルブ33が下降すると、開口41aが中央から下方に行くほど先細になっているので、開口41aの閉塞部分S以外の開放面積が徐々に小さくなり、図11(2)に示すように開口41aの下端が境界線Lに達すると、切欠き35の境界線Lより上側の三角形部分のみが開放状態となり、この開放部分は徐々に小さくなって、最終的に連通孔41の開口41aが完全に閉塞される。
このように、制御バルブ33の下降により連通孔41の開口41aは、閉塞直前から緩慢に閉じられていくので、油圧室Pcの油圧も徐々に上昇し、図10に示すように吸気バルブ21も通常のカム動弁機構よりも滑らかに開弁を始めることができる。
逆に、制御バルブ33が上昇して連通孔41の開口41aを開こうとするときも、逆の過程をたどることになるので、連通孔41の開口41aは閉塞部分S以外の開放面積が徐々に大きくくなっていくので、吸気バルブ21も極めて滑らかに閉弁を始めることができる。
よって、バルブ開閉時のバルブ着座等の衝撃を緩和することができる。
なお、油圧室Pcおよび蓄圧室Acへのオイルの補給については、リフタガイド部4Aに形成された油補給孔4rに連結される油圧通路(図示せず)から油補給孔4r,スリーブリフタ40の油補給孔40r,支持スリーブ50の油補給孔50rを通って支持スリーブ50内で制御バルブ33の外側の空間に供給されたオイルが、制御バルブ33内に穿孔された油路33d,33cを通って規制ボール36の一方向弁を開いて油圧室Pcに補給される。
以上のように、本吸気側動弁装置20は、リフタ摺動部30に油圧室Pcとともに同油圧室Pcの油出入りを制御するが油圧制御手段、さらには油出入り先の蓄圧室Acもコンパクトに組み込まれているので、リフタ摺動部30の外部には特別の機構は必要とされず内燃機関の小型化が図れる。
油圧室Pcがスリーブリフタ40の内筒40Aと制御バルブ33のみにより形成され、リフタガイド4Aを油圧室Pcの壁面としていないので、スリーブリフタ40の摺接により油圧室Pcから油漏れが生じることはなく、バルブタイミングおよびバルブリフト量を精度良く制御することができる。
制御バルブ33は、カム従動リフタ31にボールねじ機構により係合しているので、カム従動リフタ31を回動させる簡単な方法で、バルブタイミング制御を行うことができ、本実施の形態では、簡単なラック・ピニオン機構を用い、ラック軸60をサーボモータ61により移動させることでカム従動リフタ31を回動させている。
したがって、簡単で小型のラック・ピニオン機構をリフタ摺動部30に沿って配設できるので、シリンダヘッド部を小型化することができる。
なお、カム従動リフタ31と制御バルブ33はボールねじ機構により係合したが、台形ねじなどのねじ機構により係合してもよい。
本ラック・ピニオン機構は、吸気バルブ21と排気バルブ81との間ではなく、外側に配置されているが、このラック・ピニオン機構は大きくスペースをとらないので、該ラック・ピニオン機構によりバルブ挟み角に影響を与えることは殆どない。
また、このラック・ピニオン機構を吸気バルブ21と排気バルブ81との間に設けたとしても、バルブ挟み角への影響は少なく、よって燃焼室をコンパクトにして内燃機関の性能向上を図ることができる。
以上の実施の形態に係る吸気側動弁装置20は、DOHC内燃機関1に適用し、2本のカムシャフト26,87のカムが直接吸気バルブ21のリフタ摺動部30および排気バルブ81に作用するものであったが、ロッカアームを介在させる方式であってもリフタ摺動部30は、略そのまま適用可能である。
また、SOHC内燃機関にも適用でき、その例を図12に示す。
1本のカムシャフト100に吸気カム101と排気カム102が形成されていて、吸気ロッカアームシャフト103に軸支された吸気ロッカアーム105を介して吸気バルブ21が作動し、排気ロッカアームシャフト104に軸支された排気ロッカアーム106を介して排気バルブ81が作動する。
なお、以上の構造以外は、前記実施の形態の動弁装置と殆ど同じであり、同じ部材は同じ符号を用いる。
吸気側動弁装置のリフタ摺動部110は、カム従動リフタ111が形状を異にする以外は前記実施の形態と同じである。
カム従動リフタ111は、有底円筒状をなし、吸気ロッカアーム103の邪魔にならないように上壁111Bにはフランジを備えていない。
吸気ロッカアーム105の端部に螺合されタペット調整されたねじ107の先端が、カム従動リフタ111の上壁111Bの上面中央に接して押圧するようになっている。
円筒部111Aには扇形に展開したピニオンギヤ111pが突出形成され、ラック軸60のラック歯と噛合っていて、ラック軸60の移動によりカム従動リフタ111が回動し、ボールねじ機構により制御バルブ33がスリーブリフタ40に対して弁開閉方向に移動して油圧室Pcの油出入りが制御され、バルブタイミングおよびバルブリフト量の制御がなされる。
このように、本発明の動弁装置は、SOHC内燃機関にも内燃機関の小型化を図りながら簡単に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る直列4気筒のDOHC4ストローク内燃機関の側断面図である。 吸気動弁装置の断面図である。 バルブタイミング制御の入力に係るラック・ピニオン機構を示す図である。 リフタ摺動部の分解断面図である。 同要部拡大図である。 制御バルブの下端の要部正面図である。 バルブリフト量を最も小さくした状態における吸気動弁装置の動きを経時的に示した説明図である。 バルブリフト量を中間程度とした状態における吸気動弁装置の動きを経時的に示した説明図である。 バルブリフト量を最も大きくした状態における吸気動弁装置の動きを経時的に示した説明図である。 バルブリフト量の各状態におけるカム回転角度に対するバルブ変位量を示す図である。 制御バルブの下端の要部と連通孔の開口との関係を示した説明図である。 別の実施の形態に係る動弁装置の断面図である。
符号の説明
Ac…蓄圧室、Pc…油圧室、
20…吸気側動弁装置、21…吸気バルブ、27…吸気カム、
30…リフタ摺動部、31…カム従動リフタ、33…制御バルブ、35…切欠き、40…スリーブリフタ、40A…内筒、40B…外筒、41…連通孔、45…環状蓋部材、48…スプリング、50…支持スリーブ、60…ラック軸、61…サーボモータ。


Claims (5)

  1. 動弁カムの回転に従って摺動するリフタ摺動部が機関バルブに作用してバルブスプリングに抗して開弁する内燃機関の動弁装置において、
    前記リフタ摺動部は、
    前記動弁カムの回転に従って弁開閉方向に往復動するカム従動リフタと、
    前記カム従動リフタに弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合する制御バルブと、
    前記機関バルブのバルブステムの端部に取り付けられてリフタガイドに摺接し前記制御バルブと弁開閉方向に相対移動自在に嵌合し同制御バルブとの間で油圧室を形成するスリーブリフタとを備え、
    前記スリーブリフタに対する前記制御バルブの相対移動位置により前記油圧室の油出入りが制御されることを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 前記スリーブリフタが有底の内筒と前記リフタガイドに摺接する有底の外筒からなり、
    前記内筒に前記制御バルブが嵌入して前記油圧室が形成され、
    前記内筒と前記外筒との間にばね力で抑制されながら容積が可変な蓄圧室が形成され、 前記内筒の周壁に前記蓄圧室と連通する連通孔が穿設され、
    前記スリーブリフタに対する前記制御バルブの相対移動位置により前記連通孔の開口が開閉制御されることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記制御バルブは、前記カム従動リフタの回動により弁開閉方向の相対位置を変更可能に係合され、
    アクチュエータにより前記カム従動リフタが回動されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の動弁装置。
  4. 前記アクチュエータは、モータにより往復移動されるラックに前記カム従動リフタに形成されたピニオン歯が噛合して構成されるものであることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の動弁装置。
  5. 前記制御バルブは、前記カム従動リフタにねじ機構により係合していることを特徴とする請求項3または請求項4記載の内燃機関の動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108691598A (zh) * 2017-04-11 2018-10-23 福特环球技术公司 包括具有气门弹簧的配气机构的内燃发动机和用于安装此类气门弹簧的方法

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