JP2007204043A - 車両用運転操作補助装置およびその装置を備える車両 - Google Patents

車両用運転操作補助装置およびその装置を備える車両 Download PDF

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Abstract

【課題】先行車が検出されなくなった場合に運転者に違和感を与えないような車両用運転操作補助装置を提供する。
【解決手段】自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段10,20と、障害物検出手段10,20からの信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段50と、リスクポテンシャル算出手段50からの信号に基づいて、予め設定した変化パターンに従い、車両操作機器に発生させる操作反力を決定する操作反力決定手段50と、操作反力決定手段50からの信号に基づいて、車両操作機器に操作反力を発生させる操作反力発生手段50とを有する。さらに、障害物検出手段10,20によって検出されていた障害物が対象外となった場合に、変化パターンを補正する操作反力補正手段50を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者の操作を補助する車両用運転操作補助装置に関する。
従来の車両用運転操作補助装置は、先行車と自車両との車間距離に基づき、アクセルペダルの操作反力を変更している(例えば特許文献1)。この装置は、車間距離の減少に伴いアクセルペダルの反力を増加させることによって、運転者の注意を喚起する。
本願発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平10−166890号公報 特開平10−166889号公報
しかしながら、上述したような車両用運転操作補助装置は、反力制御の対象としている先行車が隣接車線に移動したり、自車両が車線変更を行って先行車が検出されなくなった場合に、アクセルペダル反力が急に変化して運転者に違和感を与えてしまうという問題があった。
本発明による車両用運転操作補助装置は、自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、障害物検出手段からの信号に基づいて、自車両の障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、リスクポテンシャル算出手段からの信号に基づいて、予め設定した変化パターンに従い、車両操作機器に発生させる操作反力を決定する操作反力決定手段と、操作反力決定手段からの信号に基づいて、車両操作機器に操作反力を発生させる操作反力発生手段と、障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となった場合に、変化パターンを補正する操作反力補正手段とを備える。
本発明によれば、自車両周囲の障害物が対象外となると、リスクポテンシャルに応じて車両機器に発生する操作反力の変化パターンを補正するので、障害物が急に存在しなくなった場合でも操作反力の変動を抑制することができる。
《第1の実施の形態》
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置について、図面を用いて説明する。図1は、第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転操作補助装置1を搭載する車両の構成図である。
まず、車両用運転操作補助装置1の構成を説明する。レーザレーダ10は、車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられ、水平方向に赤外光パルスを走査する。レーザレーダ10は、前方にある反射物(通常、前方車の後端)で反射された赤外光パルスの反射波を計測し、反射波の到達時間より、前方障害物までの縦方向距離と横方向距離を検出する。検出した縦方方向距離及び横方向距離はコントローラ50へ出力される。レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域は、自車正面に対して±6[deg]程度であり、この範囲内に存在する前方物体が検出される。
車速センサ20は、車輪の回転数や変速機の出力側の回転数を計測することにより自車両の車速を検出する。検出した自車速はコントローラ50へ出力される。
操舵角センサ30は、ステアリングホイール110、またはステアリングホイール110と一体で回転するステアリングシャフト(不図示)の回転変位から操舵角度を検出する。操舵角センサ30は、例えば、ギヤ機構等の増幅器とロータリーエンコーダあるいはポテンショメータ等の角度検出機構からなり、ステアリングホイール110の回転変位をギヤ機構で増幅した後、角度検出機構により操舵角検出信号として検出する。検出した操舵角検出信号はコントローラ50へ出力される。
コントローラ50は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成されており、CPUのソフトウェア形態により、図3に示すように障害物認識部51,リスクポテンシャル算出部52,運転操作反力決定部53,検知可能領域算出部54,障害物状態推定部55および運転操作反力補正部56を構成している。
コントローラ50は、車速センサ20から入力される自車速と、操舵角センサ30から入力される操舵角とから道路形状を推定する。また、レーザレーダ10から入力される縦方向距離、横方向距離、および推定した道路形状から自車前方の障害物状況を検出する。コントローラ50は、検出した障害物状況に基づいて障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。さらに、コントローラ50は、障害物に対するリスクポテンシャルから、以下のようにリスクポテンシャルに応じた制御を行う。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置1は、アクセルペダルを操作する際に発生する反力を制御することによって、運転者の運転操作を適切にアシストする。そこで、コントローラ50は、算出したリスクポテンシャルに基づいて車両前後方向の反力制御量を算出する。コントローラ50は、算出した前後方向の反力制御量をアクセルペダル反力制御装置60へと出力する。
アクセルペダル反力制御装置60は、コントローラ50から出力される反力制御量に応じて、アクセルペダル62のリンク機構に組み込まれたサーボモータ61で発生させるトルクを制御する。サーボモータ61は、アクセルペダル操作反力制御装置60からの指令値に応じて発生させるトルクおよび回転角を制御し、運転者がアクセルペダル62を操作する際に発生する操作反力を任意に制御することができる。
図3に示すコントローラ50の障害物認識部51は、レーザレーダ10からの信号を読み込み、前方障害物の位置、移動速度および移動方向を算出する。リスクポテンシャル算出部52は、障害物認識部51からの信号に基づいて、前方障害物に対する自車両のリスクポテンシャルを算出する。運転操作反力決定部53は、リスクポテンシャル算出部52で算出されたリスクポテンシャルから前後方向の反力制御量を算出する。
検知可能領域算出部54は、車速センサ20から入力される自車速と、操舵角センサ30から入力される操舵角とから、レーザレーダ10による自車線内の検知可能領域を算出する。障害物状態推定部55は、障害物認識部51によって算出された前方障害物の位置、移動速度および移動方向と、検知可能領域算出部54によって算出された自車線内の検知可能領域とから、障害物が自車線内の検知可能領域をどのように移動しているかを推定する。
運転操作反力補正部56は、障害物状態推定部55で推定された障害物の動きに基づいて、障害物が対象外となったときの状態に応じて、運転操作反力決定部53で算出された反力制御量を補正する。ここで、障害物が自車線あるいはレーダの検知可能領域から離脱し、アクセルペダル反力制御を行う対象の障害物でなくなった状態を対象外とする。
次に本発明の実施の形態による車両用運転操作補助装置1の動作を詳細に説明する。図4は、本発明の実施の形態によるコントローラ50における運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、本処理内容は、一定間隔、例えば50[msec]毎に連続的に行われる。
まず、ステップS100で走行状態を読み込む。ここで、走行状態は、自車前方の障害物状況を含む自車両の走行状況に関する情報である。そこで、レーザレーダ10により検出される前方障害物、例えば自車両前方を走行する車両までの縦方向距離および横方向距離と、車速センサ20によって検出される自車両の走行車速、操舵角センサ30によって検出される操舵角を読み込む。
ステップS200では、ステップS100で読み込み、認識した走行状態データに基づいて、前方障害物の状況を認識する。ここでは、前回の処理周期以前に検出され、コントローラ50のメモリに記憶されている自車両に対する前方障害物の相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS100で得られた現在の走行状態データとにより、現在の前方障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識する。ここでは、前方障害物の自車両に対する縦方向距離、横方向距離、縦方向相対速度および横方向相対速度を認識する。そして、自車両の走行に対して障害物が、自車両の前方にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。なお、自車両の前後方向を縦方向とし、自車両の左右方向を横方向とする。
ステップS300では、前方障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出する。前方障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出するために、まず、認識された前方障害物に対する余裕時間(TTC:Time To Collision)を算出する。ここで、前方障害物に対する余裕時間TTCは、以下の(式1)で求められる。
TTC=y/Vr (式1)
ここで、y:自車両から前方障害物までの相対距離、Vr:自車両に対する前方障害物の相対速度をそれぞれ示す。余裕時間TTCは、前方障害物に対する現在の自車両の接近度合を示す物理量であり、現在の走行状況が継続した場合、つまり相対車速Vrが一定の場合に、何秒後に自車両と障害物が接触するかを示す値である。
算出した余裕時間TTCを用いて、前方障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出する。前方障害物に対するリスクポテンシャルRPは以下の(式2)で求められる。
RP=1/TTC (式2)
(式2)に示すように、リスクポテンシャルRPは余裕時間TTCの逆数を用いて、余裕時間TTCの関数として表される。リスクポテンシャルRPが大きいほど前方障害物への接近度合が大きいことを示している。なお、このリスクポテンシャルRPは、前方走行車に対するリスクポテンシャルであり、自車両前後方向のリスクポテンシャルを示している。
ステップS400では、ステップS300で算出した前後方向リスクポテンシャルRPから、前後方向制御指令値、すなわちアクセルペダル反力制御装置60へ出力する反力制御指令値FAを算出する。前後方向リスクポテンシャルRPが大きいほど、アクセルペダル62を戻す方向へ制御反力を発生させる。
図5に、前後方向リスクポテンシャルRPと、アクセルペダル反力制御指令値FAとの関係を示す。図5に示すように、前後方向リスク度RPが所定値RPmaxよりも小さい場合、前後方向リスクポテンシャルRPが大きいほど、大きなアクセルペダル反力を発生させるようにアクセルペダル反力制御指令値FAを算出する。前後方向リスクポテンシャルRPが所定値RPmaxより大きい場合には、最大のアクセルペダル反力を発生させるように、アクセルペダル反力制御指令値FAを最大値FAmaxに固定する。
ステップ500では、レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域(例えば自車正面に対して±6[deg])から、自車線内の検知可能領域を算出する。自車線内の検知可能領域は、例えば自車両の走行する道路形状に応じて、以下のように算出する。なお、以下の計算においては、レーザレーザ10は自車両前方中央に取り付けられており、自車両は自車線内の中央を走行していると仮定する。
図6に、直線路を走行する自車両と、レーザレーダ10の検知可能領域との関係を示す。また、図7に、曲線路を走行する自車両と、レーザレーダ10の検知可能領域との関係を示す。図6および図7において、自車両前面の中心位置を原点として、車両前後方向をy軸、車両左右方向をx軸とする座標系を設定する。なお、車両前方向を+y方向、車両右方向を+x方向とする。レーザレーダ10のスキャニング幅を2θ、レーザレーダ10の車両前後方向の最長検知距離をymax、車線幅を2Dとする。
《直線路の場合》
まず、図6を用いて、自車両が直線路を走行する場合のレーザレーダ10の検知可能領域の算出方法について説明する。
レーダスキャン範囲の右側境界は、(式3)のように表せる。
y=x/tanθ (式3)
よって、自車線右端とレーダスキャン範囲の右側境界との交点(x1,y1)は、(式4)(式5)のように表される。
x1=D (式4)
y1=D/tanθ (式5)
同様に、レーダスキャン範囲の左側境界は、(式6)のように表せる。
y=−x/tanθ (式6)
これにより、自車線左端とレーダスキャン範囲の左側境界との交点(x2,y2)は、(式7)(式8)のように表される。
x2=−D (式7)
y2=D/tanθ (式8)
これらから、直線路の場合の自車線内の検知可能領域を、以下のように設定する。
(1)ymax≧y≧y1(=y2)のとき、すなわち障害物と自車両との距離yがy1あるいはy2以上の場合
D≧x≧−D (式9)
(2)y1(=y2)>y(>0)のとき、すなわち障害物と自車両との距離yがy1あるいはy2よりも小さい場合
y・tanθ≧x≧−y・tanθ (式10)
《曲線路の場合》
つぎに、図7を用いて、自車両が曲線路を走行する場合のレーザレーダ10の検知可能領域の算出方法について説明する。ここでは、左カーブを例として説明する。
車線の曲率半径Rは、車速センサ20からの自車速V、操舵角センサ30から入力される操舵角STR、及びステアリングギヤ比STR_GR、ホイールベースl、およびスタビリティファクタAを用いて、(式11)により求まる。ここで、ステアリングギヤ比STR_GRはステアリングギヤの減速比、ホイールベースlは前後の車軸の中心館の長さ、スタビリティファクタAは車両のステア特性を示す値である。これらはコントローラ50のメモリに記憶されている。
R=(1+A・V)・l・STR_GR/STR (式11)
曲率半径Rのカーブ路の自車線右端は、(式12)のように表される。
y=√{(R+D)−(x+R)} (式12)
レーダスキャン範囲の右側境界と自車線右端との交点(x1,y1)は、上述した(式3)と、(式12)とを連立して演算することにより、(式13)(式14)のように表される。
Figure 2007204043
Figure 2007204043
同様に、レーダスキャン範囲の左側境界と自車線右端との交点(x2,y2)は、(式6)と、(式12)とを連立して演算することにより、以下の(式15)(式16)のように表される。
Figure 2007204043
Figure 2007204043
これらから、曲線路の場合の自車線内の検知可能領域を以下のように設定する。は、
(1)y2≧y≧y1、かつymax≧yのとき、すなわち障害物と自車両との距離yがy1以上かつy2以下、かつレーザレーダ10の最長検知距離ymax以下の場合
√{(R+D)−y}−R≧x≧−y・tanθ (式17)
(2)y1>y(>0)のとき、すなわち障害物と自車両との距離yがy1よりも小さい場合
y・tanθ≧x≧−y・tanθ (式18)
なお、右カーブの場合も左カーブの場合と同様にして、自車線内の検知可能領域を算出できる。
なお、ここでは車速Vと操舵角STRとから道路形状を推定しているが、これに限らず、例えば前方風景を撮影したカメラ画像を画像処理して白線を認識したり、ナビゲーションシステムから得られた道路情報を元に道路形状を推定することもできる。
ステップS500で検知可能領域を算出した後、図4のステップS600に進む。
ステップS600では、ステップS200で認識された現在の障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS500で算出された自車線内の検知可能領域とから、障害物が自車線内の検知可能領域をどのように移動しているかを推定する。ステップS600で行う処理を、図8のフローチャートを用いて説明する。
ステップS601では、レーザレーダ10により前方障害物を検知しているか否かを判断する。ステップS601が肯定判定されると、ステップS602へ進む。
ステップS602では、前方障害物が遠方に移動中か否かを判定する。ステップS602が肯定判定されると、ステップS603に進み、障害物状態フラグflgSTATEに1をセットする。ステップS602が否定判定されると、ステップS604に進む。
ステップS604では、前方障害物が隣接車線に移動中か否かを判定する。ステップS604が肯定判定されると、ステップS605に進み、障害物状態フラグflgSTATEに2をセットして終了する。ステップS604が否定判定されると、ステップS606に進む。
ステップS606では、前方障害物が自車線内検知可能領域内から検知可能領域外に移動中か否かを判定する。ステップS606が肯定判定されると、ステップS607に進み、障害物状態フラグflgSTATEに3をセットして終了する。ステップS606が否定判定されると、ステップS608に進み、障害物状態フラグflgSTATEに4をセットして終了する。
ステップS601が否定判定されて前方障害物を検知していない場合は、ステップS609に進む。ステップS609では、前回周期で算出したアクセルペダル反力制御指令補正値FAout(S700で算出する)が0か否かを判定する。アクセルペダル反力制御指令補正値FAoutについては後述する。ステップS609が肯定判定されると、ステップS610に進み、障害物状態フラグflgSTATEを0にクリアして終了する。一方、ステップS609が否定判定され、反力指令補正値FAoutが0でない場合は、前回周期でセットした障害物状態フラグflgSTATEをそのまま使用する。
上述したステップS602、ステップS604、およびステップS606における、前方障害物がそれぞれ遠方、隣接車線、自車線内検知可能領域外に移動中であるか否かの判定は、所定時間T0(例えばT0=1[sec])後の障害物の位置に基づいて行うことができる。これらの判定方法を、道路形状別に図9および図10を用いて説明する。図9は自車線が直線路である場合を示し、図10は自車線が曲線路である場合を示していす。ここで、前方障害物の位置を(x(0)、y(0))、相対速度を(dx、dy)とする。
《直線路の場合》
まず、図9を用いて直線路の場合に障害物がどの方向へ移動しているかを判定する方法を説明する。
所定時間T0後の、前方障害物の位置(x(T0)、y(T0))は、(式19)(式20)のように表される。
x(T0)=x(0)+T0・dx (式19)
y(T0)=y(0)+T0・dy (式20)
(a)遠方へ移動中(flgSTATE=1)
dy>0 (式21)
y(T0)≧ymax (式22)
前方障害物の走行状態が(式21)および(式22)を満たす場合、すなわち前方障害物の車速が自車速よりも大きく、所定時間T0後の縦方向相対距離y(T0)がレーザレーダ10の最大検知距離ymaxよりも大きい場合、前方障害物は遠方に移動中であると判断することができる。
(b)隣接車線へ移動中(flgSTATE=2)
前方障害物の移動経路は、以下の(式23)で示される。
y=dy/dx・{x−x(0)}+y(0) (式23)
(式23)によって算出される前方障害物の移動経路を用いて、前方障害物が自車線から隣接車線へ移動しているか否かを判断する。
・dx>0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両右方向へ移動している場合
y1<dy/dx・{x1−x(0)}+y(0) (式24)
x(T0)≧x1 (式25)
前方障害物の走行状態が(式24)および(式25)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy1より大きく、所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がx1以上の場合、前方障害物は右車線に移動中であると判断することができる。
・dx<0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両左方向に移動している場合
y2<dy/dx・{x2−x(0)}+y(0) (式26)
x(T0)≦x2 (式27)
前方障害物の走行状態が(式26)および(式27)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy2より大きく、所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がx2以下の場合、前方障害物は左車線に移動中であると判断することができる。
(c)自車線内検知可能領域外に移動中(flgSTATE=3)
上述した(式23)により算出される前方障害物の移動経路を用いて前方障害物が自車線内検知可能領域から検知可能領域外へ移動しているか否かを判断する。
・dx>0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両右方向に移動している場合
y1>dy/dx・{x1−x(0)}+y(0) (式28)
x(T0)≧y(T0)・tanθ (式29)
前方障害物の走行状態が(式28)および(式29)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy1より小さく、所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がレーザレーダ10の右側境界より外側の場合、前方障害物は自車線内右側の検知可能領域外に移動中であると判断することができる。
・dx<0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両左方向に移動している場合
y2>dy/dx・{x2−x(0)}+y(0) (式30)
x(T0)≦−y(T0)・tanθ (式31)
前方障害物の走行状態が(式30)および(式31)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy2より小さく、所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がレーザレーダ10の左側境界より外側の場合、前方障害物は自車線内左側の検知可能領域外に移動中であると判断することができる。
《曲線路の場合》
つぎに、図10を用いて左カーブの曲線路の場合に障害物がどの方向へ移動しているかを判定する方法を説明する。
所定時間T0後の前方障害物の位置(x(T0)、y(T0))は、上述した(式19)(式20)のように表される。また、前方障害物の移動経路は、上述した(式23)により算出される。
(d)遠方へ移動中(flgSTATE=1)
dy>0 (式32)
y(T0)≧ymax (式33)
前方障害物の走行状態が(式32)および(式33)を満たす場合、すなわち前方障害物の車速が自車速よりも大きく、所定時間T0後の縦方向相対距離y(T0)がレーザレーダ10の最大検知距離ymaxよりも大きい場合、前方障害物は遠方に移動中であると判断することができる。
(e)隣接車線へ移動中(flgSTATE=2)
・dx>0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両右方向に移動している場合
y1<dy/dx・{x1−x(0)}+y(0) (式34)
y(T0)≧√{(R+D)−(x(T0)+R)} (式35)
前方障害物の走行状態が(式34)および(式35)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy1より大きく、所定時間T0後の縦方向相対距離y(t0)がカーブ路の自車線右端より外側の場合、前方障害物は右側車線に移動中であると判断することができる。
・dx<0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両左方向に移動している場合
y2<dy/dx・{x2−x(0)}+y(0) (式36)
y(T0)≧√{(R+D)−(x(T0)+R)} (式37)
前方障害物の走行状態が(式36)および(式37)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy2より大きく、所定時間T0後の縦方向相対距離y(T0)がカーブ路の自車線右端より外側の場合、前方障害物は右側車線に移動中であると判断することができる。
(f)自車線内右側検知可能領域外に移動中(flgSTATE=3)
・dx>0のとき、すなわち前方障害物が相対的に車両右方向に移動している場合
y1>dy/dx・{x1−x(0)}+y(0) (式38)
x(T0)≧y(T0)・tanθ (式39)
前方障害物の走行状態が(式38)および(式39)を満たす場合、すなわち前方障害物との縦方向相対距離がy1より小さく、所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がレーザレーダ10の右側境界より外側の場合、前方障害物は自車線内右側の検知可能領域外に移動中であると判断することができる。
(g)自車線内左側検知可能領域外に移動中(flgSTATE=3)
x(T0)≦−y(T0)・tanθ (式40)
y(T0)≦√{(R+D)−(x(T0)+R)} (式41)
前方障害物の走行状態が(式40)および(式41)を満たす場合、すなわち所定時間T0後の横方向相対距離x(T0)がレーザレーダ10の左側境界より外側で、所定時間T0後の縦方向相対距離y(T0)がカーブ路の自車線右端より内側の場合、前方障害物は自車線内左側の検知可能領域外に移動中であると判断することができる。
ステップS600において障害物状態を推定し、障害物状態フラグflgSTATEを設定した後、ステップS700へ進む。
ステップS700では、ステップS600で推定した障害物の動きに基づいて、ステップS400で算出した反力制御指令値FAを補正する。すなわち、障害物が検知可能領域外へ移行して対象外となったときの状態に応じて反力指令値変化率ΔFAを設定し、反力指令補正値FAoutを算出する。反力指令補正値FAoutの補正について、図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ステップS701では、レーザレーダ10により検出された前方障害物の位置(x(0)、y(0))と、(式9)および(式10)により設定される自車線内の検知可能領域とから、障害物が自車線内に存在するか否かを判定する。ステップS701が肯定判定されると、ステップS702へ進む。ステップS702で、ロスト経過時間カウンタCnt_lostを0にクリアし、上述したステップS400で算出した反力制御指令値FAを反力指令補正値FAoutとして設定して終了する。ロスト経過時間カウンタCnt_lostは、前方障害物が検出されなった時点からの経過時間(ロスト経過時間)を示す。ステップS701が否定判定されると、対象外となった時点での障害物の状態に応じた反力指令補正値FAoutを算出するために、ステップS703に進む。
ステップS703では、図8のフローチャートに従って設定した障害物状態フラグflgSTATEが1か否かを判断する。ステップS703が肯定判定されると、前方障害物が遠方に移動して対象外になったと判断し、ステップS704へ進む。ステップS704では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA1(例えば10[kgf/s])をセットする。ステップS703が否定判定されると、ステップS705に進む。
ステップS705では、障害物状態フラグflgSTATEが2か否かを判定する。ステップS705が肯定判定されると、前方障害物が隣接車線に移動して対象外になったと判断し、ステップS706へ進む。ステップS706では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA2(例えば10[kgf/s])をセットする。ステップS705が否定判定されると、ステップS707に進む。
ステップS707では、障害物状態フラグflgSTATEが3か否かを判定する。ステップS707が肯定判定されると、前方障害物が自車線内検知可能領域外に移動したと判断し、ステップS708に進む。ステップS708では、ロスト経過時間カウンタCnt_lostが所定時間T3(例えば1[sec])よりも小さいか否かを判定する。所定時間T3は、前方障害物が自車線内検知可能領域外へ移動した後、隣接車線に移動するまでの所要時間として、予め適切な値を設定しておく。なお、所定時間T3は、障害物が非検出となったときの位置および相対速度から、自車線外に離脱するまでの時間を算出し、これを所定時間T3として設定することもできる。
ステップS708が肯定判定され、ロスト経過時間が所定時間T3よりも短い場合は、ステップS709へ進む。ステップS709では、反力減少の開始タイミングを所定時間T3だけ遅延させるように、反力制御指令値変化率ΔFAに0をセットする。一方、ロスト経過時間が所定時間T3以上となった場合は、ステップS710へ進む。ステップS710では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA3(例えば5[kgf/s])をセットする。このように、前方障害物が自車線内検知可能領域外に移動した場合は、ロスト経過時間を計測して前方障害物が完全に隣接車線へ移動したか否かを推定し、障害物が自車線からいなくなったと判断してから反力制御指令値の補正を行う。
ステップS707が否定判定されると、自車線内の障害物が道路の勾配等により突然非検知になったと判断し、ステップS711へ進む。ステップS711では、ロスト経過時間カウンタCnt_lostが所定時間T4(例えば2[sec])よりも小さいか否かを判定する。ステップS711が肯定判定されると、ステップS712へ進み、反力減少の開始タイミングを所定時間T4だけ遅延させるように、反力制御指令値変化率ΔFAに0をセットする。ステップS711が否定判定されると、ステップS713へ進み、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA4(例えば3[kgf/s])をセットする。このように、自車線内の障害物が突然検出されなくなった場合は、所定時間T4経過するまで反力制御指令値の補正は行わない。
上述したように反力制御指令値変化率ΔFAを設定した後、ステップS714へ進む。ステップS714では、前回周期で設定した反力指令補正値FAoutが反力制御指令値変化率ΔFAよりも大きいか否かを判断する。ステップS714が肯定判定されると、ステップS715に進む。ステップS715では、ロスト経過時間カウンタCnt_lostを1だけ加算する。さらに、前回周期で設定した反力指令補正値FAoutから反力制御指令値変化率ΔFAを減じた値を、新たな反力指令補正値FAoutとして設定する。
一方、ステップS714が否定判定されると、ステップS716へ進む。ステップS716では、前回の反力指令補正値FAoutは既に反力制御指令値変化率ΔFAよりも小さくなっているため、反力指令補正値FAoutに0をセットする。
ステップS700で反力指令補正値FAoutを設定した後、ステップS800へ進む。ステップS800では、ステップS700で算出した反力指令補正値FAoutをアクセルペダル反力制御装置60へ出力し、今回の処理を終了する。
このように、上述した第1の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)レーザレーダ10によって検出されていた障害物が検知可能領域外、あるいは自車線外に離脱して対象外となった場合に、アクセルペダル62に発生させる操作反力の変化パターンを補正する。これにより、例えば前方車両との車間距離に応じてペダル反力FAが増加している状態で前方車両が存在しなくなった場合に、ペダル反力FAの変化を抑制し、運転者の違和感を低減することができる。
(2)障害物が対象外となった場合に、ペダル反力FAを所定時間遅延させてから低下するので、ペダル反力FAの変化を抑制し、運転者の違和感を低減することができる。
(3)障害物が対象外となった場合に、ペダル反力FAを徐々に低下するので、ペダル反力FAの変化を抑制し、運転者の違和感を低減することができる。
(4)障害物認識部51によって障害物がどのように移動しているかといった走行状況を認識し、障害物状態推定部55によって障害物が対象外となった場合の障害物状態を推定する。操作反力補正部56は、障害物状態の推定結果に基づいて、ペダル反力FAの変化パターンを補正するので、運転者の感覚に合ったペダル反力制御を行うことができる。
(5)障害物状態推定部55は、検知可能領域算出部54で算出した、レーザレーダ10によって検知可能な自車線内の検知可能領域と、障害物認識部51からの信号とに基づいて、障害物が対象外となった場合の障害物状態を推定する。これにより、障害物の状態をより正確に推定して、運転者の感覚に合ったペダル反力制御を行うことができる。
(6)障害物状態推定部55は、障害物が対象外となった場合の障害物状態を、(a)検知可能領域内で非検知になった(flgSTATE=4)、(b)検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した(flgSTATE=2)、(c)検知可能領域の遠方に離脱した(flgSTATE=1)、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した(flgSTATE=3)、のいずれかと推定する。障害物が、(a)検知可能領域内で非検知になった場合は、第1の減少パターンで、(b)検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合は、第2の減少パターンで、(c)検知可能領域の遠方に離脱した場合は、第3の減少パターンで、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した場合は、第4の減少パターンでペダル反力を低下させる。これにより、障害物が対象外となったときの障害物状態に応じて、運転者の感覚にあった反力制御を行うことができる。
(7)(a)検知可能領域内で非検知になったと判断された場合は、自車線前方に障害物が存在するにもかかわらずレーザレーダ10の一時的な性能低下や勾配等により障害物が非検知になった可能性があるので所定時間T4だけ遅延させた後、ペダル反力FAをゆっくした速度(第1の速度)ΔFA4で徐々に低下させる。このように所定の遅延時間T4を設けることにより、もし自車線内に障害物がいた場合でも、運転者は余裕を持ってシステムの状況を判断し、適切な操作を行うことができる。また、自車線内に障害物がいない場合でも、運転者の違和感を低減することができる。
(8)(b)検知可能領域の右方向あるいは左方向の隣接車線に離脱したと判断された場合は、運転者は障害物に対するリスクポテンシャルRPを小さく感じる傾向にあるので、ペダル反力FAを速やかな速度(第2の速度)ΔFA2で徐々に低下させる。これにより、障害物が対象外になった場合でも、運転者の感覚にあった反力制御を行うことができる。
(9)(c)検知可能領域の遠方に離脱したと判断された場合は、運転者は障害物に対するリスクポテンシャルRPを小さく感じる傾向にあるので、ペダル反力FAを速やかな速度(第3の速度)ΔFA1で徐々に低下させる。これにより、障害物が対象外になった場合でも、運転者の感覚にあった反力制御を行うことができる。
(10)(d)自車線内の検知可能領域外に離脱したと判断された場合は、例えば障害物が自車線外に離脱するまでの推定時間として設定された所定時間T3だけ遅延した後、ペダル反力FAをゆっくりした速度(第4の速度)ΔFA3で徐々に低下させる。障害物が対象外となってから隣接車線に離脱したと推定されるまでの時間を所定時間T3として設定するので、ペダル反力FAの減少開始が必要以上に遅延されることがなく、運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。また、もし障害物が隣接車線に離脱していない場合でも、運転者は余裕を持ってシステムの状況を判断し、適切な操作を行うことができる。ここで、ΔFA1≧ΔFA2≧ΔFA3≧ΔFA4を満たすように反力制御指令値変化率ΔFAを設定するので、障害物が対象外になった場合でも、運転者の感覚にあった反力制御を行うことができる。
なお、上述した第1の実施の形態においては、所定時間T4を所定値としているが、前方障害物が非検知となったときのペダル反力FAの大きさに応じて、所定時間T4の大きさを変更することもできる。例えば、非検知となったときのペダル反力FAが小さいほど遅延時間T4を短くすることにより、ペダル反力の減少開始タイミングが必要以上に遅延されることがなく、運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。
《第2の実施の形態》
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。図12は、第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の構成を示すシステム図であり、図13は、車両用運転操作補助装置2を搭載する車両の構成図である。図12および図13において、図1および図2に示した第1の実施の形態と同様な機能を有する箇所には同一の符号を付している。ここでは、第1の実施の形態との相違点を主に説明する。
第2の実施の形態においては、前方障害物が対象外となったときの自車両の運転者の意図に応じて、操作反力の減少パターンを変更する。
車線認識カメラ40は、フロントウィンドウ上部に取り付けられた小型のCCDカメラ、またはCMOSカメラ等であり、前方道路の状況を画像として検出し、コントローラ50Aへと出力する。車線認識カメラ40は、自車両前方の数m〜数10m先の路面を撮影し、撮影した画像に基づいて自車両と走行中の車線区分線(白線)との相対的な位置関係を検出する。
具体的には、車線認識カメラ40は、CCD素子で撮像した画像に画像処理を施して道路上の白線を検出し、また、道路形状と車両挙動を表す複数のパラメータ(以後、道路パラメータ)を検出する。さらに、車線認識カメラ40は、道路パラメータを用いて白線の形状を数学的に表現した白線モデルと、白線の検出結果とが一致するように、道路パラメータを時間と共に更新していくことによって、道路白線を検出して道路形状及び車両挙動を推定する機能をもっている。ここで、道路パラメータは、車線中心線(自車線の中央)に対する自車の重心点横変位yc、車線中心線に対する自車のヨー角φr、車両のピッチ角η、車線認識カメラ40の路面からの高さh、道路曲率(曲率半径の逆数)ρ、車線幅2D等である。
さらに、車線認識カメラ40は、検出した白線と路面との境界点数や白線と路面との境界点の連続性などに基づいて、白線が実線であるか破線であるかの判別を行い、この判別結果に基づいて、現在自車両が走行している車線が走行車線であるか追い越し車線であるかを判断する。車線認識カメラ40は、自車両が走行している車線の種別を判断した走行車線判断信号、および推定した道路パラメータをコントローラ50Aへ出力する。
図14はコントローラ50Aの内部構成を示すブロック図である。コントローラ50Aは、CPUのソフトウェア形態により、障害物認識部51A、リスクポテンシャル算出部52A、運転操作反力決定部53A、検知可能領域算出部54A、障害物状態推定部55A、運転操作反力補正部56A、走行位置認識部57Aおよびドライバー意図推定部58Aを構成する。なお、障害物認識部51A、リスクポテンシャル算出部52A、運転操作反力決定部53A、検知可能領域算出部54Aおよび障害物状態推定部55Aにおける処理は、上述した第1の実施の形態と同様である。
走行位置認識部57Aは、車線認識カメラ40から入力される道路パラメータおよび走行車線判断信号に基づいて、自車両が所定時間後に到達すると予測される走行中の車線中央からの横変位を算出し、自車両が車線内をどのように移動しているかを推定する。
ドライバー意図推定部58Aは、障害物状態推定部55Aによって推定された障害物の移動状態と、走行位置認識部57Aによって算出された自車両の移動状態と、車線認識カメラ40から入力される走行車線判断信号とに基づいて、運転者の意図を推定する。具体的には、レーザーレーダー10が前方障害物を検出しなくなった(ロストした)、または前方障害物がレーザレーダ10の検知領域外へ移動した原因が、自車両の運転者の意図によるものか、前方障害物である先行車両の挙動によるものなのかを推定し、これにより運転者の意図を推定する。
運転操作反力補正部56Aは、障害物状態推定部55Aで推定された障害物の動きと、ドライバー意図推定部58Aで推定された運転者の意図とに基づいて、障害物が対象外となったときの状態に応じて、運転操作反力決定部53Aで算出した反力制御量を補正する。
次に第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置2の動作を図15を用いて説明する。図15は、第2の実施の形態によるコントローラ50Aにおける運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、本処理内容は、一定間隔、例えば50msec毎に連続的に行われる。
まず、ステップS1100で走行状態を読み込む。ここで、走行状態は、自車前方の障害物状況を含む自車両の走行状況に関する情報である。そこで、レーザレーダ10、車速センサ20および操舵角センサ30による検出信号を読み込む。また、車線認識カメラ40によって検出される、車線中心線に対する自車両の横変位yc、車線中心線に対するヨー角φr、道路曲率(曲率半径Rの逆数)ρ、及び走行車線判断信号を読み込む。
ステップS1200では、第1の実施の形態における図4のステップS200と同様に、ステップS1100で読み込み、認識した走行状態データに基づいて、前方障害物の状況を認識する。ここでは、現在の障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度を認識し、自車両の走行に対して障害物が、自車両の前方にどのように配置され、相対的にどのように移動しているかを認識する。
ステップS1250では、ステップS1100で読み込んだ道路パラメータおよび走行車線判断信号から、所定時間後の自車両の走行位置を算出する。具体的には、自車両の横変位yc、ヨー角φr、道路曲率ρ等に基づいて自車両が所定時間後に到達すると予測される、車線中央からの横変位ysを算出する。なお、所定時間後の横変位ysは、現在自車両が走行している車線の中央からの横変位、あるいは自車両が車線変更を行っている場合は、車線変更前の車線の車線中央からの横変位である。所定時間T後の車両の横変位ysは、車体の向きが車両の進行方向を向いていると仮定した場合、自車速V、自車両のヨー角φrおよび自車両の現在の横変位ycを用いて、以下の(式42)で求められる。
ys=yc+V・T・φr (式42)
(式42)に示すように、所定時間後の横変位ysは、自車両が速度Vで所定時間Tだけ走行した距離L=V・Tにおける、車線中央からの横変位である。そこで、この横変位ysを前方注視点横変位とする。また、距離Lを前方注視点距離とする。
なお、前方注視点横変位ysは、現在の横変位ycの微分値dyc/dtを用いて、以下の(式43)により算出することもできる。
ys=yc+Tdyc/dt (式43)
また、自車両が曲線路を走行している場合は、横変位の予測値のずれを補正するように、(式44)を用いて前方注視点横変位ysを算出することもできる。
ys=yc+V・T・φr−(V・T)/2・ρ (式44)
ステップS1300では、障害物に対するリスクポテンシャルRPを算出し、つづくステップS1400では、算出したリスクポテンシャルRPに応じた反力制御指令値FAを算出する。これらの処理は、上述した図4のフローチャートのステップS300およびステップS400での処理と同様であるので省略する。
ステップS1500では、レーザレーダ10によりスキャンされる前方の領域(例えば自車正面に対して±6[deg])から、自車線内の検知可能領域を算出する。図16に、自車両が直線路を走行している場合の検知可能領域を示し、図17に、自車両が曲線路を走行している場合の検知可能領域を示す。自車線内の検知可能領域は、上述した図4のフローチャートのステップS500での処理と同様にして算出することもできるが、自車両が曲線路を走行している場合は、例えば以下のように算出することもできる。
図16および図17に示すように、自車両前面の中心位置を原点として、車両前後方向をy軸、車両左右方向をx軸とする座標系を設定する。なお、車両前方向を+y方向、車両右方向を+x方向とする。レーザレーダのスキャニング幅を2θ、レーザレーダ10の最長検知距離をymax、車線幅を2Dとする。
《曲線路の場合》
レーダスキャン範囲の境界は、(式45)で表される。
x=±y・tanθ (式45)
・曲率半径|R|の右カーブの場合(図17参照)
簡単な幾何学的な関係から、走行車線の左右の境界は、(式11)により算出される曲率半径Rを用いて、以下の(式46)(式47)で表される。
走行車線左境界x=|R|−√{(|R|+D)−y} (式46)
走行車線右境界x=|R|−√{(|R|−D)−y} (式47)
ただし、y≦|R|−D
図17に示すように、レーダスキャン範囲と走行車線の左右の境界に挟まれた領域が検知可能領域であり、曲率半径|R|の右カーブの場合、検知可能領域は、以下の(式48)で示される。
−y・tanθ≦x≦y・tanθ かつ、
|R|−√{(|R|+D)−y}≦x≦|R|−√{(|R|−D)−y} (式48)
ただし、0<y≦ymax≦|R|−D
・曲率半径|R|の左カーブの場合
走行車線の左右の境界は、以下の(式49)(式50)で表される。
走行車線左境界x=−|R|+√{(|R|−D)−y} (式49)
走行車線右境界x=−|R|+√{(|R|+D)−y} (式50)
ただし、y≦|R|−D
これより、曲率半径|R|の左カーブの場合、検知可能領域は以下の(式51)で示される。
−y・tanθ≦x≦y・tanθ かつ、
−|R|+√{(|R|−D)−y}≦x≦−|R|+√{(|R|+D)−y} (式51)
ただし、0<y≦ymax≦|R|−D
ここでは、車速と操舵角とから自車両の旋回半径を求めて進行方向を推定しているが、これに限らず、例えば、ヨーレートセンサーや横加速度センサーを用いて自車両の進行方向を検出することもできる。また、前方風景を撮影したカメラ画像を画像処理して白線を認識したり、ナビゲーションシステムから得られた道路情報を元に道路形状を推定してもよい。
ステップS1500でレーザレーダ10の検知可能領域を算出した後、ステップS1600へ進む。
ステップS1600では、ステップS1200で認識した現在の障害物の自車両に対する相対位置やその移動方向・移動速度と、ステップS1500で算出した自車線内の検知可能領域とから、障害物が自車線内の検知可能領域をどのように移動しているかを推定する。ステップS1600で行う処理を、図18のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1601では、レーザレーダ10により前方障害物を検知しているか否かを判定する。ステップS1601が肯定判定されると、ステップS1602へ進む。ステップS1602では、前方障害物が遠方に移動中か否かを判定する。ステップS1602が肯定判定されると、ステップS1603へ進み、障害物状態フラグflgSTATEに10をセットする。ステップS1602が否定判定されると、ステップS1604へ進む。
ステップS1604では、前方障害物が右側の隣接車線に移動中か否かを判定する。ステップS1604が肯定判定されると、ステップS1605に進み、障害物状態フラグflgSTATEに20をセットする。ステップS1604が否定判定されると、ステップS1606へ進む。
ステップS1606では、前方障害物が左側の隣接車線に移動中か否かを判定する。ステップS1606が肯定判定されると、ステップS1607に進み、障害物状態フラグflgSTATEに30をセットする。ステップS1606が否定判定されると、ステップS1608に進む。
ステップS1608では、前方障害物が自車線内検知可能領域外に移動中か否かを判定する。ステップS1608が肯定判定されると、ステップS1609に進み、障害物状態フラグflgSTATEに40をセットする。ステップS1608が否定判定されると、ステップS1610に進み、障害物状態フラグflgSTATEに50をセットする。
ステップS1601で前方障害物を検知していないと判定されると、ステップS1611に進む。ステップS1611では、前回周期で算出したアクセルペダル反力制御指令補正値FAoutが0か否かを判定する。ステップS1611が肯定判定されると、ステップS1612に進み、障害物状態フラグflgSTATEを0にクリアする。一方、ステップS1611が否定判定され、反力指令補正値FAoutが0でない場合は、前回周期でセットした障害物状態フラグflgSTATEをそのまま使用する。
上述したステップS1602、ステップS1604、ステップS1606およびステップS1608における、前方障害物がそれぞれ遠方、隣接車線、自車線内検知可能領域外に移動中であるか否かの判定は、所定時間T0(例えばT0=1[sec])後の障害物の位置に基づいて行うことができる。この判定は、上述した第1の実施の形態と同様にして行うこともできるが、以下のようにして判定することもできる。これらの判定方法を、道路形状別に図16および図17を用いて説明する。ここで、前方障害物の位置を(x(0)、y(0))、相対速度を(dx、dy)とする。
《直線路の場合》
まず、図16を用いて直線路の場合に障害物がどの方向へ移動しているかを判定する方法を説明する。
所定時間T0後の、前方障害物の位置(x(T0)、y(T0))は、(式52)のように表される。
Figure 2007204043
である。
(h)遠方に移動中(flgSTATE=10)
−y・tanθ≦x(0)≦y・tanθ、かつ、−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθを満たす十分大きいT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式53)を満たす場合、前方障害物が遠方に移動中であると判断することができる。
y(T0)≧ymax (式53)
(i)右側の隣接車線へ移動中(flgSTATE=20)
−D≦x(0)≦D≦x(T0)、かつ、0<y(0)、y(T0)≦ymaxを満たす十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式54)を満たす場合、前方障害物が右方向へ移動中であると判断することができる。
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθ (式54)
(j)左側の隣接車線へ移動中(flgSTATE=30)
x(T0)≦−D≦x(0)≦D、かつ、0<y(0)、y(T0)≦ymaxを満たす十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式55)を満たす場合、前方障害物が左方向へ移動中であると判断することができる。
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθ (式55)
(k)自車線内検知可能領域外に移動中(flgSTATE=40)
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθでない十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式56)を満たす場合、前方障害物が自車線内検知可能領域外へ移動中であると判断することができる。
−D≦x(T0)≦D (式56)
《曲線路の場合》
つぎに、図17を用いて曲線路の場合に障害物がどの方向へ移動しているかを判定する方法を説明する。ここでは、右カーブを例として説明する。
(l)遠方へ移動中(flgSTATE=10)
−y・tanθ≦x(0)≦y・tanθ、かつ、−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθを満たす十分大きいT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式57)を満たす場合、前方障害物が遠方へ移動中であると判断することができる。
y(T0)≧ymax (式57)
(m)隣接車線に移動中
・右側の隣接車線に移動中(flgSTATE=20)
|R|−√{(|R|+D)−y}≦x(0)≦|R|−√{(|R|−D)−y}≦x(T0)、かつ、0<y(0)、y(T0)≦ymax を満たす十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式58)を満たす場合、前方障害物は右方向へ移動中であると判断することができる。
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθ (式58)
・左側の隣接車線に移動中(flgSTATE=30)
x(T0)≦|R|−√{(|R|+D)−y}≦x(0)≦|R|−√{(|R|−D)−y}、かつ、0<y(0)、y(T0)≦ymaxを満たす十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式59)を満たす場合、前方障害物は左車線へ移動中であると判断することができる。
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθ (式59)
(n)自車線内検知可能領域外に移動中(flgSTATE=40)
−y・tanθ≦x(T0)≦y・tanθでない十分小さなT0を繰り返し計算で求め、前方障害物の走行状態が以下の(式60)を満たす場合、前方障害物は自車線内検知可能領域外に移動中であると判断することができる。
|R|−√{(|R|+D)−y}≦x(T0)≦|R|−√{(|R|−D)−y} (式60)
なお、左カーブの場合でも同様にして障害物状態を算出することができる。
このようにステップS1600で障害物状態を推定した後、ステップS1650へ進む。
ステップS1650では、ステップS1100で読み込んだ道路パラメータおよびステップS1600で推定した障害物状態に基づいて、ドライバー意図判別処理を行う。運転者の意図をどのように推定するかについて、図19のフローチャートを用いて詳細に説明する。
ステップS1651では、車線認識カメラ40から入力された走行車線判断信号に基づき、追い越し車線と走行車線のうち、現在、自車両が走行車線を走行しているか否かを判定する。ステップS1651が肯定判定されると、ステップS1652へ進む。
ステップS1652では、自車両が走行車線から追い越し車線へ車線変更中であるか否か判定する。ここで行う車線変更中か否かの判定方法については、後述する。ステップS1652が否定判定され、自車両が車線変更することなく走行車線を走行している場合は、ステップS1660へ進む。ステップS1660では、ドライバー意図判別処理A1(図21を用いて後述)を行い、自車両の運転者の運転操作意図を推定する。ステップS1652が肯定判定され、自車両が走行車線から追い越し車線へ移動している場合は、ステップS1670へ進み、ドライバー意図判別処理A2(図22を用いて後述)を行う。
一方、ステップS1651が否定判定され、自車両が走行車線を走行中でない場合は、ステップS1655へ進む。ステップS1655では、自車両が追い越し車線から走行車線へ車線変更中であるか否か判定する。ステップS1655が否定判定され、自車両が車線変更することなく追い越し車線を走行している場合は、ステップS1680へ進む。ステップS1680では、ドライバー意図判別処理B1(図23を用いて後述)を行う。ステップS1655が肯定判定され、自車両が追い越し車線から走行車線へ移動している場合は、ステップS1690へ進み、ドライバー意図判別処理B2(図24を用いて後述)を行う。
ここで、ステップS1652およびステップS1655における、自車両の車線変更判定処理の詳細について、図20(a)〜(d)を用いて説明する。図20(a)〜(d)は、自車両が走行車線から追い越し車線へと車線変更を行っていく様子を時間経過順に示している。
図20(a)(b)は自車両が走行車線内を走行している様子を示している。図20(a)において、自車両は走行車線内を直進している。このときの自車両の横変位ycは、車線幅2Dおよび自車両の幅2Wを用いて、yc<D−Wである。また、上述した(式42)を用いて算出される所定時間T後の横変位、すなわち前方注視点横変位ysは、ys<D−Wである。図20(b)では、自車両は直進はしていないが、自車線に対するヨー角φrはまだ十分に小さく、車線変更には至っていない。このときの自車両の横変位ycは、yc<D−Wである。また、前方注視点横変位ysは、ys<Dである。
したがって、自車両の現在の横変位ycおよび前方注視点横変位ysが以下の(式61)を満たす場合、自車両は車線変更を行っておらず、走行車線を走行していると判断する。
ys<D、かつ、yc<D−W (式61)
このように、自車両が車線区分線(白線)をまたがない状態、かつ、前方注視点横変位ysが走行車線内に存在している場合に、自車両がまだ車線変更の動作に移っていないと判断することができる。したがって、自車両の走行状態が(式61)を満たす場合に、ステップS1652が否定判定される。
図20(c)は、自車両が走行車線から追い越し車線へ車線変更を行っている最中で、自車両が白線をまたいでいる様子を示している。自車両の現在の横変位ycおよび前方注視点横変位ysが以下の(式62)を満たす場合、自車両が走行車線から追い越し車線へ車線変更中であると判断する。
D−W≦yc≦D+W、かつ、ys≧D (式62)
図20(d)は、自車両が追い越し車線への車線変更を完了した状態を示している。自車両の現在の横変位ycおよび前方注視点横変位ysが以下の(式63)を満たす場合、走行車線から追い越し車線への車線変更が完了したと判断する。
yc>D+W、かつ、ys>D+W (式63)
したがって、自車両の現在の横変位ycおよび前方注視点横変位ysが以下の(式64)を満たす場合、自車両が走行車線から追い越し車線へ車線変更中であると判断し、ステップS1652が肯定判定される。
yc≧D−W、かつ、ys≧D (式64)
なお、追い越し車線から走行車線への車線変更も同様にして判断することができる。
つぎに、ステップS1660、S1670,S1680およびS1690におけるドライバー意図判別処理を説明する。ここでは、ステップS1600で判定した前方障害物の状態と、ステップS1652,S1655で判定した自車両の走行状態とに応じて運転者の意図を判別する。まず、ステップS1660でのドライバー意図判別処理A1について、図21を用いて説明する。なお、処理A1は、自車両が走行車線での走行を維持している場合の処理である。
ステップS1661で、ステップS1600で設定した障害物状態フラグflgSTATE=10であるか否かを判定する。ステップS1661が肯定判定された場合は、例えば図25に示すように、自車両が走行車線での走行を維持しているときに先行車がさらに前方へと遠ざかっていく状態である。そこで、ステップS1662へ進み、運転者の意図を示す意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。ステップS1661が否定判定されると、ステップS1663へ進む。
ステップS1663では、障害物状態フラグflgSTATE=20であるか否かを判定する。ステップS1663が肯定判定された場合は、例えば図26に示すように、自車両が走行車線での走行を維持しているときに先行車が追い越し車線へと車線変更を行った状態である。そこで、ステップS1664へ進み、意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。ステップS1663が否定判定されると、ステップS1665へ進む。
ステップS1665では、障害物状態フラグflgSTATE=30であるか否かを判定する。ステップS1665が肯定判定された場合は、例えば図27に示すように、自車両が走行車線での走行を維持しているときに先行車が左分岐に進入していく状態である。そこで、ステップS1666へ進み、意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。ステップS1665が否定判定されると、ステップS1667へ進む。
ステップS1667以降の処理では、障害物判定フラグflgSTATEの値にかかわらず意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。
このように、自車両が車線変更を行わずに走行車線を走行している場合は、運転者は走行車線での走行を維持し、定常的に走行しようとしていると推定し、前方障害物の状態にかかわらず意図判断フラグflgAIMを0にセットする。
つぎに、ステップS1670でのドライバー意図判別処理A2について、図22を用いて説明する。なお、処理A2は、自車両が走行車線から追い越し車線へ車線変更している場合の処理である。
ステップS1671で、障害物判断フラグflgSTATE=10であるか否か、すなわち、前方障害物が遠方に移動中か否かを判定する。ステップS1671が肯定判定された場合、運転者の追い越し車線への車線変更と同時に前方障害物が遠ざかっていく状態なので、運転者の意図としては先行車両に着いて行こうとしているものと推定する。そこで、ステップS1672へ進み、意図判断フラグflagAIMに20(追走)をセットする。ステップS1671が否定判定されると、ステップS1673へ進む。
ステップS1673で、障害物判断フラグflgSTATE=20であるか否か、すなわち、前方障害物が右側車線に移動中か否かを判定する。ステップS1673が肯定判定された場合、自車両が追い越し車線へ移動中に、前方の障害物がさらに右方向へ移動して非検出となっている。これは、先行車が右分岐を行った場合、あるいはレーザーレーダー10の誤検知等の可能性がある。そこで、運転者の意図としては、現状維持と推定し、ステップS1674へ進んで意図判断フラグflagAIMに0(巡航)をセットする。ステップS1673が否定判定されると、ステップS1675に移行する。
ステップS1675では、障害物判断フラグflgSTATE=30であるか否か、すなわち、前方障害物が左側車線に移動中か否かを判定する。ステップS1675が肯定判定された場合、例えば図28に示すように、先行車両は走行車線を維持している状態で、自車両だけが追い越し車線へ移動している状態と考えられる。そこで、運転者には追い越しの意図があると推定し、ステップS1676へ移行して意図判断フラグflagAIMに1(追い越し)をセットする。ステップS1675が否定判定されると、ステップS1677へ進む。
ステップS1677以降の処理では、障害物判定フラグflgSTATEの値にかかわらず意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。
つぎに、ステップS1680でのドライバー意図判別処理B1について、図23を用いて説明する。なお、処理B1は、自車両が追い越し車線での走行を維持している場合の処理である。
ステップS1681では、障害物判断フラグflgSTATE=10であるか否か、すなわち、前方障害物が遠方に移動中か否かを判定する。ステップS1681が肯定判定された場合、例えば図29に示すように、自車両の前方を走行中の車両がさらに前方へと遠ざかっていくような状況であるが、運転者は追い越し車線を維持しようとしている状態である。そこで、運転者の意図としては先行車両に着いて行こうとしていると推定し、ステップS1682へ移行して意図判断フラグflagAIMに2(追走)をセットする。ステップS1681が否定判定されると、ステップS1683に移行する。
ステップS1683では、障害物判断フラグflgSTATE=20であるか否か、すなわち、前方障害物が右方向に移動中か否かを判定する。ステップS1683が肯定判定された場合、自車両が追い越し車線を走行中に、前方の障害物がさらに右方向へ移動して非検出となるという状況である。これは、先行車が右分岐に進入している、あるいはレーザーレーダ10の誤検知等の可能性がある。そこで、運転者の意図としては、現状維持と推定し、ステップS1684へ移行して意図判断フラグflagAIMに0(巡航)をセットする。ステップS1683が否定判定されると、ステップS1685へ進む。
ステップS1685では、障害物判断フラグflgSTATE=30であるか否か、すなわち、前方障害物が左方向に移動中か否かを判定する。ステップS1685が肯定判定された場合、例えば図30に示すように、先行車両が追い越し車線から走行車線へ移動している状態である。自車両はそのまま追い越し車線での走行を維持した状態であるから、運転者には追い越しの意図があると推定し、ステップS1686へ移行して意図判断フラグflagAIMに1(追い越し)をセットする。ステップS1685が否定判定されると、ステップS1687へ進む。
ステップS1687以降の処理では、障害物判定フラグflgSTATEの値にかかわらず意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。
つぎに、ステップS1690でのドライバー意図判別処理B2について、図24を用いて説明する。なお、処理B2は、自車両が追い越し車線から走行車線への車線変更を行っている場合の処理である。
ステップS1691では、障害物判断フラグflgSTATE=10であるか否か、すなわち、前方障害物が遠方に移動中か否かを判定する。ステップS1691が肯定判定された場合、自車両の前方を走行中の車両がさらに前方へと遠ざかっていくような状況であるが運転者は追い越しを止めて、走行車線へ戻ろうとしている状態である。そこで、運転者の意図としては現状維持と判断し、ステップS1692へ移行して意図判断フラグflagAIMに0(巡航)をセットする。ステップS1691が否定判定されると、ステップS1693に移行する。
ステップS1693では、障害物判断フラグflgSTATE=20であるか否か、すなわち、前方障害物が右方向に移動中か否かを判定する。ステップS1693が肯定判定された場合、例えば図31に示すように、自車両が、追い越し車線を走行中の車両を走行車線から追い越すような状況になりつつあると推定する。そこで、現在の走行状況を運転者に知らせ、積極的な加速を抑制するために、ステップS1694へ移行して意図判断フラグflagAIMに3(非加速)をセットする。ステップS1693が否定判定されると、ステップS1695へ進む。
ステップS1695以降の処理では、障害物判定フラグflgSTATEの値にかかわらず意図判断フラグflgAIMを0(巡航)にセットする。
上述したようにステップS1650でのドライバー意図判別処理を行った後、ステップS1700へと進む。
ステップS1700では、ステップS1600で推定した障害物の動きと、ステップS1650で推定したドライバー意図とに基づいて、障害物が対象外となったときの状態に応じて、ステップS1400で算出した反力制御指令値FAを補正し、反力指令補正値FAoutを算出する。ステップS1700における反力指令補正値FAout算出の処理を、図32のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1701では、レーザレーダ10により検出された前方障害物の位置(x(0)、y(0))と自車線内の検知可能領域とから、障害物が自車線内の検知可能領域に存在するか否かを判定する。ステップS1701が肯定判定されると、ステップS1702へ進む。ステップS1702では、前方障害物が検出されなくなった(ロストした)時点からの経過時間を示すロスト経過時間カウンタCnt_lostを0にクリアする。また、ステップS1400で算出した反力制御指令値FAを反力指令補正値FAoutに設定する。
ステップS1701が否定判定されると、ステップS1703に進み、障害物状態フラグflgSTATEが10または20または30のいずれかであるか否かを判定する。ステップS1703が肯定判定され、前方障害物が遠方、右車線あるいは左車線に移動したために対象外となった場合は、ステップS1720へ進む。ステップS1720では、図33のフローチャートに示すように、運転操作反力補正処理Aを行う。
ステップS1720での運転操作反力補正処理Aにおいて、まず、ステップS1721では、意図判断フラグflgAIMが1か否かを判定する。ステップS1721が肯定判定され、運転者の意図が追い越しである場合には、ステップS1722へ進む。ステップS1722では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA5 (例えば10[kgf/s])をセットする。ステップS1721が否定判定されると、ステップS1723へ移行する。
ステップS1723では、意図判断フラグflgAIMが2か否かを判定する。ステップS1723が肯定判定され、運転者の意図が先行車両に着いて行こうとしている場合は、ステップS1724へ進む。ステップS1724では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA6 (例えば8[kgf/s])をセットする。ステップS1723が否定判定されると、ステップS1725に移行する。
ステップS1725では、意図判断フラグflgAIMが3か否かを判定する。ステップS1725が肯定判定され、自車両が、追い越し車線を走行中の車両を走行車線から追い越すような状況である場合は、ステップS1726へ進む。ステップS1726では、現在の走行状況を運転者に知らせて積極的な加速を抑制するため、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA7 (例えば4[kgf/s])をセットする。ステップS1725が否定判定されると、ステップS1727に移行し、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA8(例えば8[kgf/s])をセットする。
なお、ステップS1722,S1724,S1726,S1728で設定した反力制御指令値変化率ΔFA5〜ΔFA8は、ΔFA5≧ΔFA6≧ΔFA8≧ΔFA7の関係を満たすように、予め適切な値を設定しておく。
一方、図32のフローチャートにおいてステップS1703が否定判定され、前方障害物が自車線内検知可能領域外に移動して非検出となった、または前方障害物が道路の勾配等により非検出となった、またはもともと前方障害物が存在しない場合は、ステップS1740へ進む。ステップS1740では、図34のフローチャートに示すように、運転操作反力補正処理Bを行う。
ステップS1740での運転操作反力補正処理Bにおいて、まず、ステップS1741では、障害物状態フラグflgSTATEが40か否かを判定する。ステップS1741が肯定判定され、前方障害物が自車線内検知可能領域外に移動した場合は、ステップS1742へ移行する。ステップS1742では、ロスト経過時間カウンタCnt_lostが所定時間T3(例えば1[sec])よりも小さいか否かを判定する。ここで、所定時間T3は、上述した第1の実施の形態の運転操作反力補正処理(図11のS708)で用いた値と同じである。
ステップS1742が肯定判定されると、ステップS1743へ進み、反力減少の開始タイミングを所定時間T3だけ遅延させるように、反力制御指令値変化率ΔFAに0をセットする。ステップS1742が否定判定されると、自車線内検知可能領域外の障害物が隣接車線に完全に移動したと推定し、ステップS1744に進む。ステップS1744では、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA3 (例えば5[kgf/s])をセットする。
ステップS1741が否定判定されると、ステップS1745へ進む。ステップS1745では、ロスト経過時間カウンタCnt_lostが所定時間T4(例えば2[sec])よりも小さいか否かを判定する。ステップS1745が肯定判定されると、ステップS1746へ進み、反力減少の開始タイミングを所定時間T4だけ遅延させるように、反力制御指令値変化率ΔFAに0をセットする。ステップS1745が否定判定されると、ステップS1747へ進み、反力制御指令値変化率ΔFAにΔFA4 (例えば3[kgf/s])をセットする。なお、反力制御指令値ΔFA3,ΔFA4は、上述した第1の実施の形態の運転操作反力補正処理(図11のS710,S713)で用いた値と同じである。ただし、ΔFA5≧ΔFA6≧ΔFA3≧ΔFA4である。
ステップS1720での運転操作反力補正処理A、またはステップS1740での運転操作反力補正処理Bにおいて、反力制御指令値変化率ΔFAを設定したのち、ステップS1704へ移行する。
ステップS1704では、前回設定した反力指令補正値FAoutが、ステップS1720あるいはS1740で設定した反力制御指令値変化率ΔFAよりも大きいか否かを判定する。ステップS1704が肯定判定されると、ステップS1705に進み、ロスト経過時間カウンタCnt_lostを1だけ加算する。さらに、前回の反力指令補正値FAoutから反力制御指令値変化率ΔFAを減じた値を、新たな反力指令補正値FAoutに設定する。ステップS1704が否定判定されると、ステップS1706へ進む。ステップS1706では、反力指令補正値FAoutを0に設定する。
このようにステップS1700で反力指令補正値FAoutを算出した後、ステップS1800へ進む。
ステップS1800では、ステップS1700で算出した反力指令補正値FAoutをアクセルペダル反力制御装置60へ出力し、今回の処理を終了する。
図35に、運転者の意図に応じた操作反力FAの変化を模式的に示す。図35の横軸は時間tを示し、時間tlにおいて前方障害物が自車線あるいは検知可能領域から離脱し、反力制御の対象外となったとする。
運転者意図が追い越し(flgAIM=1)である場合は、追い越し操作を容易に行えるように、反力制御指令値変化率ΔFA5で操作反力FAを速やかに減少させていく。運転者意図が追走(flgAIM=2)あるいは巡航(flgAIM=0)である場合は、前方障害物が対象外となった時間tlで操作反力FAが急に変化しないように、反力制御指令値変化率ΔFA6,ΔFA8で操作反力FAを徐々に減少させていく。また、運転者意図が非加速(flgAIM=3)である場合は、反力制御指令値変化率ΔFA7で、操作反力FAをゆっくりと減少させて運転者の加速操作を抑制する。
このように、以上説明した第2の実施の形態においては、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)障害物が対象外となった場合に、ドライバー意図推定部58Aによって推定された運転者の意図を加味してペダル反力の変化パターンを補正する。これにより、前方車両との車間距離に応じてペダル反力FAが増加している状態で前方車両が存在しなくなる場合に、ペダル反力の変化を効果的に補正し、運転者の違和感をより一層低減させることができる。
(2)ドライバー意図推定部58Aは、車線認識カメラ40によって検出した道路状況と、走行位置認識部57Aによって検出した自車両の走行位置とに基づいて運転者の意図を推定するので、運転者の意図を正確に推定することができる。
(3)ドライバー意図推定部58Aは、自車両が一定車線内を走行中か、車線を変更中であるかを推定し、この推定結果と、レーザレーダ10からの信号とに基づいて、障害物が対象外となった場合の運転者の意図を推定する。これにより、障害物が対象外となった原因が、障害物の挙動によるものか、運転者の意図によるものかといった観点から、運転者の意図をより正確に推定することができる。
(4)操作反力補正部56Aは、障害物が、(a)検知可能領域内で非検知になった場合は、第5の減少パターンで、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した場合(flgSTATE=40)は、第6の減少パターンで、(b)検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合(flgSTATE=20,30)、あるいは(c)検知可能領域の遠方に離脱した場合(flgSTATE=10)は、運転者意図に応じた減少パターンでアクセルペダル反力FAを低下させる。これにより、障害物が対象外となったときの障害物状態と運転者意図とを考慮するため、運転者の違和感を効果的に低減したペダル反力制御を行うことができる。前方障害物が検知可能領域の遠方、あるいは左右方向へ離脱したことが検出された場合には,障害物に対するリスクポテンシャルは小さいと考えられる。そこで、ペダル反力FAの減少パターンを運転者意図に基づいて設定することにより、運転者の意図にあった反力制御を行うことができる。
(5)(a)検知可能領域内で非検知になったと判断された場合は、自車線前方に障害物が存在するにもかかわらず、レーザレーダ10の一時的な性能低下や勾配等により非検知になった可能性がある。そこでで所定時間T4だけ遅延させた後、ゆっくりした速度(第5の速度)ΔFA4で徐々にペダル反力FAを低下させる。(d)自車線内の検知可能領域外に離脱したと判断された場合は、例えば障害物が自車線外に離脱するまでの推定時間として設定した所定時間T3だけ遅延させた後、ΔFA4よりも速い速度(第6の速度)ΔFA3で、徐々にペダル反力FAを低下させる。遅延時間T3,T4を設けることにより障害物が対象外になった場合でも、運転者は余裕を持ってシステムの状況を判断し、適切な操作を行うことができる。また、障害物が自車線外に離脱したと推定される時間を所定時間T3と設定すれば、ペダル反力FAの減少開始タイミングが必要以上に遅延されることがなく、運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。
(6)ドライバー意図推定部58Aは、障害物が、(b)検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合、あるいは(c)検知可能領域の遠方に離脱した場合の運転者の意図を、(A)現在の走行状態を維持する巡航、(B)障害物の追い越し、(C)障害物についていく追走、(D)非加速、のいずれかと推定する。操作反力補正部56Aは、運転者の意図が、(A)巡航の場合は、第7の減少パターンで、(B)追い越しの場合は、第8の減少パターンで、(C)追走の場合は、第9の減少パターンで、(D)非加速の場合は、第10の減少パターンでアクセルペダル反力FAを低下させる。これにより、精度よく推定した運転者の意図に応じて、効果的なペダル反力制御を行うことができる。
(7)運転者の意図が(A)巡航の場合は、運転者に追い越しや追走の意図がなく現在の走行状態を維持しようとする意図があると判断する。そこで、急にペダル反力を減少せず、安定した巡航走行を維持し易いようにペダル反力FAをΔFA8(第7の速度)で徐々に低下する。(B)追い越しの場合は、運転者に積極的に加速する意図があると判断する。そこで、ペダル反力を素早く低下させ、運転者の操作を確実に車両挙動に反映させるように、ペダル反力FAをΔFA8よりも速い速度(第8の速度)ΔFA5で徐々に低下する。(C)追走の場合は、ペダル反力FAをΔFA8よりも速い速度(第9の速度)ΔFA6で徐々に低下する。(D)非加速の場合は、自車両が追い越し車線から走行車線へ移動した状態で、追い越し車線を走行中の車両を走行車線側から追い越すような、好ましくない状況になりつつあると判断する。そこで、運転者による加速操作を抑制して追い越し行為を抑制するため、ペダル反力FAをゆっくりした速度(第10の速度)ΔFA7で徐々に低下する。ここで、ΔFA5≧ΔFA6≧ΔFA8≧ΔFA7を満たすように反力制御指令値変化率ΔFAを設定するので、運転者の意図にあった効果的な反力制御を行うことができる。また、ΔFA5≧ΔFA6≧ΔFA3≧ΔFA4を満たすように反力制御指令値変化率ΔFAを設定することにより、運転者の意図にあった効果的な反力制御を行うことができる。
なお、上述した第1および第2の実施の形態では、反力制御指令値FAを所定の減少パターン(反力制御指令値変化率ΔFA)で減少させているが、例えばステップ状に減少させたり、曲線的に減少させることもできる。また、減少パターン(反力制御指令値変化率ΔFA)を、例えば反力制御指令値FAが所定値、例えば0となるまでの時間に応じて決定することもできる。つまり、障害物が対象外となってから所定時間後にペダル反力FAが所定値以下になるように、反力制御指令値変化率ΔFAを設定する。障害物が対象外となったときの反力制御指令値FAd、反力制御指令値FAが所定時間Td後に0になるとすると、反力制御指令値変化率ΔFAは、以下の(式64)で算出することができる。
ΔFA=FAd/Td (式65)
このように障害物が対象外となったときのペダル反力の大きさに応じて、操作反力を低下させる際の減少パターンを変更するので、例えば、前方車両との車間距離に応じてペダル反力が増加している状態で前方車両が存在しなくなった場合に、速やかにペダルの反力を低下させることができ、運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。障害物が対象外となってから所定時間後にペダル反力が所定値以下になるように減少パターンを変更するので、障害物が対象外となったときのペダル反力の大きさにかかわらず、ペダル反力が所定値に低下するまでの時間が等しくなり、より運転者の感覚に合った反力制御を行うことができる。
なお、上述した実施の形態においては、前方障害物に対するリスクポテンシャルRPに応じてアクセルペダル反力制御を行ったが、これには限らず、ブレーキペダル反力制御を行うこともできる。また、リスクポテンシャルRPの算出方法は上述した実施の形態には限定されず、例えば車間距離を自車速あるいは先行車速で除した車間時間THWの関数を用いたり、余裕時間TTCの関数と車間時間THWの関数とを組み合わせてリスクポテンシャルRPを算出することもできる。リスクポテンシャルRPに対するアクセルペダル反力制御指令値FAの特性も、図5には限定されない。
上述した実施の形態において、レーザレーダ10による検知可能領域の算出方法および障害物状態の判断方法について数式を用いて説明したが、障害物が自車線外あるいは検知可能領域外へと離脱して対象外となるときの状態を精度よく推定することができれば、上述した方法には限定されない。
さらに、障害物状態を、遠方への離脱、右側あるいは左側車線への離脱、自車線内検知可能領域外への離脱のいずれかとして推定し、運転者の意図を、巡航、追走、追い越しおよび非加速のいずれかとして推定した。しかし、これには限定されず、他の障害物状態や運転者意図を設定し、それらに応じてペダル反力の減少パターンを設定することもできる。
上記実施の形態においては、障害物検出手段としてレーザレーダ10、車速センサ20および操舵角センサ30を用い、操作反力発生手段として、アクセルペダル反力制御装置60を用い、道路状況認識手段として車線認識カメラ40を用いた。ただし、これらには限定されず、例えば障害物検出手段としてレーザレーダ10の代わりに別方式のミリ波レーダ等や、CCDあるいはCMOSカメラを用いることもできる。
本発明の第1の実施の形態による車両用運転操作補助装置のシステム図。 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 コントローラの内部構成を示すブロック図。 第1の実施の形態のコントローラにおける運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 前後方向リスクポテンシャルに対するアクセル制御反力指令値の特性を示すマップ。 直線路における検知可能領域の算出方法を説明する図。 曲線路における検知可能領域の算出方法を説明する図。 障害物状態推定処理で行う処理の処理手順を示すフローチャート。 直線路における障害物状態の推定方法を説明する図。 曲線路における障害物状態の推定方法を説明する図。 運転操作反力補正処理で行う処理の処理手順を示すフローチャート。 第2の実施の形態による車両用運転操作補助装置の構成を示すシステム図。 図1に示す車両用運転操作補助装置を搭載した車両の構成図。 コントローラの内部構成を示すブロック図。 第2の実施の形態のコントローラにおける運転操作補助制御処理の処理手順を示すフローチャート。 直線路における検知可能領域の算出方法及び障害物状態の推定方法を説明する図。 曲線路における検知可能領域の算出方法及び障害物状態の推定方法を説明する図。 障害物状態推定処理で行う処理の処理手順を示すフローチャート。 ドライバー意図推定処理で行う処理の処理手順を示すフローチャート。 (a)〜(d) ドライバー意図の推定方法を説明する図。 ドライバー意図判別処理A1における処理手順を示すフローチャート。 ドライバー意図判別処理A2における処理手順を示すフローチャート。 ドライバー意図判別処理B1における処理手順を示すフローチャート。 ドライバー意図判別処理B2における処理手順を示すフローチャート。 運転意図が巡航の場合の走行状態を示す図。 運転意図が巡航の場合の走行状態を示す図。 運転意図が巡航の場合の走行状態を示す図。 運転意図が追い越しの場合の走行状態を示す図。 運転意図が追走の場合の走行状態を示す図。 運転意図が追い越しの場合の走行状態を示す図。 運転意図が非加速の場合の走行状態を示す図。 運転操作反力補正処理における処理手順を示すフローチャート。 運転操作反力補正処理Aにおける処理手順を示すフローチャート。 運転操作反力補正処理Bにおける処理手順を示すフローチャート。 障害物が対象外となってからの操作反力の変化を模式的に示す図。
符号の説明
10:レーザレーダ
20:車速センサ
30:操舵角センサ
40:車速センサ
50,50A:コントローラ
60:アクセルペダル反力制御装置
70:サーボモータ

Claims (25)

  1. 自車両周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
    前記障害物検出手段からの信号に基づいて、前記自車両の前記障害物に対するリスクポテンシャルを算出するリスクポテンシャル算出手段と、
    前記リスクポテンシャル算出手段からの信号に基づいて、予め設定した変化パターンに従い、車両操作機器に発生させる操作反力を決定する操作反力決定手段と、
    前記操作反力決定手段からの信号に基づいて、前記車両操作機器に操作反力を発生させる操作反力発生手段と、
    前記障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となった場合に、前記変化パターンを補正する操作反力補正手段とを有することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となった場合に、前記車両操作機器の操作反力を所定時間遅延させてから低下させるように前記変化パターンを補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  3. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となった場合に、前記車両操作機器の操作反力を徐々に低下させるように前記変化パターンを補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となったときの前記車両操作機器の操作反力の大きさに応じて、前記操作反力を低下させる際の減少パターンを変更することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  5. 請求項4に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が対象外となってから所定時間後に前記操作反力が所定値以下になるように、前記変化パターンを設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  6. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物検出手段からの信号に基づいて、前記障害物の走行状況を認識する障害物認識手段と、
    前記障害物認識手段からの信号に基づいて、前記障害物が対象外となった場合の障害物状態を推定する障害物状態推定手段とをさらに有し、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が対象外となった場合に、前記変化パターンを、前記障害物状態推定手段からの信号に基づいて補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  7. 請求項6に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物検出手段によって検知可能な自車線内の検知可能領域を算出する検知可能領域算出手段をさらに備え、
    前記障害物状態推定手段は、前記障害物認識手段からの信号と、前記検知可能領域算出手段によって算出された検知可能領域とに基づいて、前記障害物が対象外となった場合の前記障害物状態を推定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  8. 請求項7に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物状態推定手段は、前記障害物が対象外となった場合の障害物状態を、(a)前記検知可能領域内で非検知になった、(b)前記検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した、(c)前記検知可能領域の遠方に離脱した、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した、のいずれかと推定し、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が、(a)前記検知可能領域内で非検知になった場合、第1の減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させ、(b)前記検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合、第2の減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させ、(c)前記検知可能領域の遠方に離脱した場合、第3の減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させ、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した場合、第4の減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  9. 請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第1の減少パターンは、前記障害物が対象外となってから所定時間遅延させた後に、前記操作反力を第1の速度で徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  10. 請求項9に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記第1の減少パターンにおける前記所定時間を、前記障害物が対象外となったときの前記車両操作機器の操作反力に応じて設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  11. 請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第2の減少パターンは、前記第1の減少パターンによる速度よりも速い第2の速度で、前記操作反力を徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  12. 請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第3の減少パターンは、前記第1の減少パターンによる速度よりも速い第3の速度で、前記操作反力を徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  13. 請求項8に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第4の減少パターンは、前記障害物が対象外となってから所定時間遅延させた後に、前記第1の減少パターンによる速度よりも速く、前記第2および第3の減少パターンによる速度よりも遅い第4の速度で、前記操作反力を徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  14. 請求項13に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物認識手段からの信号に基づいて、前記障害物が対象外となってから隣接車線に離脱したと推定されるまでの時間を、前記第4の減少パターンによる前記所定時間とすることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  15. 請求項1に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記自車両を運転する運転者の意図を推定する意図推定手段をさらに有し、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が対象外となった場合に、前記意図推定手段によって推定された運転者の意図に応じて、前記変化パターンを補正することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  16. 請求項15に記載の車両用運転操作補助装置において、
    自車両前方の道路状況を認識する道路状況認識手段と、
    前記道路状況認識手段による認識状況に基づいて、前記自車両の走行位置を検出する走行位置認識手段とをさらに有し、
    前記意図推定手段は、前記走行位置認識手段からの信号に基づいて、運転者の意図を推定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  17. 請求項16に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記意図推定手段は、前記走行位置認識手段からの信号に基づいて、前記自車両が車線内を走行中であるか、車線を変更中であるかを推定し、この推定結果と、前記障害物検出手段からの信号とに基づいて、前記障害物が対象外となった場合の運転者の意図を推定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  18. 請求項17に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記障害物検出手段からの信号に基づいて、前記障害物の走行状況を認識する障害物認識手段と、
    前記障害物検出手段によって検知可能な自車線内の検知可能領域を算出する検知可能領域算出手段と、
    前記障害物認識手段からの信号と、前記検知可能領域算出手段によって算出された検知可能領域とに基づいて、前記障害物が対象外となった場合の障害物状態を、(a)前記検知可能領域内で非検知になった、(b)前記検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した、(c)前記検知可能領域の遠方に離脱した、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した、のいずれかと推定する障害物状態推定手段とをさらに有し、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が、(a)前記検知可能領域内で非検知になった場合、第5の減少パターンで前記車両操作機器の操作反力を低下させ、(d)自車線内の検知可能領域外に離脱した場合、第6の減少パターンで前記車両操作機器の操作反力を低下させ、(b)前記検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合、あるいは(c)前記検知可能領域の遠方に離脱した場合、前記意図推定手段によって推定された運転者意図に応じた減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  19. 請求項18に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第5の減少パターンは、前記障害物が対象外となってから所定時間遅延させた後に、前記操作反力を第5の速度で徐々に低下し、
    前記第6の減少パターンは、前記障害物が対象外となってから所定時間遅延させた後に、前記第5の速度よりも速い第6の速度で、前記操作反力を徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  20. 請求項18に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記意図推定手段は、前記障害物状態推定手段からの信号と、前記走行位置認識手段による推定結果とに基づいて、前記障害物が、(b)前記検知可能領域の右方車線、あるいは左方車線に離脱した場合、あるいは(c)前記検知可能領域の遠方に離脱した場合の運転者の意図を、(A)現在の走行状態を維持する巡航、(B)前記障害物の追い越し、(C)前記障害物についていく追走、(D)非加速、のいずれかと推定し、
    前記操作反力補正手段は、前記運転者の意図が、(A)巡航の場合、第7の減少パターンで前記車両操作機器の操作反力を低下させ、(B)追い越しの場合、第8の減少パターンで前記車両操作機器の操作反力を低下させ、(C)追走の場合、第9の減少パターンで前記車両操作機器の操作反力を低下させ、(D)非加速の場合、第10の減少パターンで前記車両機器の操作反力を低下させることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  21. 請求項20に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記第7の減少パターンは、前記障害物が対象外となった場合に、第7の速度で前記操作反力を徐々に低下し、
    前記第8の減少パターンは、前記障害物が対象外となった場合に、前記第7の速度よりも速い第8の速度で前記操作反力を徐々に低下し、
    前記第9の減少パターンは、前記障害物が対象外となった場合に、前記第7の速度よりも速く、前記第8の速度よりも遅い第9の速度でで前記操作反力を徐々に低下し、
    前記第10の減少パターンは、前記障害物が対象外となった場合に、前記第7の速度よりも遅い第10の速度で前記操作反力を徐々に低下することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  22. 請求項15に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物検出手段によって検出されていた障害物が対象外となったときの前記車両操作機器の操作反力の大きさに応じて、前記操作反力を低下させる際の減少パターンを変更することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  23. 請求項22に記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記操作反力補正手段は、前記障害物が対象外となってから所定時間後に前記操作反力が所定値以下になるように、前記減少パターンを設定することを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  24. 請求項1から請求項23のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置において、
    前記車両操作機器は、アクセルペダルであることを特徴とする車両用運転操作補助装置。
  25. 請求項1から請求項24のいずれかに記載の車両用運転操作補助装置を備えたことを特徴とする車両。
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