JP2007203805A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】コア成型法により製造される空気入りタイヤのビード部耐久性を維持することを前提に、軽量化を図る。
【解決手段】空気入りタイヤは、一対のビード部1と、両ビード部間にわたってトロイド状に延び、コード4をゴム被覆してなるカーカス5とを具える。カーカスコード4は、所定の周方向ピッチで両ビード部間を連続的に往復し、タイヤ径方向内端にループ部6を形成する。ループ部6内には、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の環状コード7が配設される。
【選択図】図1

Description

この発明は、一対のビード部と、両ビード部間にわたってトロイド状に延び、コードをゴム被覆してなるカーカスとを具える空気入りタイヤに関するものであり、特にかかるタイヤのビード部の耐久性の向上と軽量化の双方を高いレベルで両立させる
一般的な空気入りタイヤにあっては、タイヤの負荷転動にカーカスの引き抜けを防止するために、十分な周方向剛性を有するビードコアの周りに、タイヤ幅方向内側から外側に向かってカーカスプライを折り返し、カーカスプライの端部を、リムラインのタイヤ径方向外側にあるゴム部材中に埋込むことで、ビードコアにカーカスプライを強固に固定している。このような従来技術にあっては、カーカスプライの端部が、ビード部のリムへの接触域よりもタイヤ径方向外側に位置することになり、その端部が位置するビード部若しくはサイドウォール部は、リムによって強固に保持され、ビードコア、ビードフィラ等によって強固に補強されるビード部の半径方向内端部分とは異なり、タイヤの負荷転動に際して、リムフランジ面よりもタイヤ径方向外側に位置する部分がタイヤ幅方向外側に向かって倒れ込み変形を繰り返す。この結果、特にカーカスプライの端部に応力が集中しやすく、ここからセパレーションを生じ、カーカスプライの折返し部に沿って進行するおそれがあった。
その一方で、近年、タイヤ成型工程での作業工数の低減及び作業時間の短縮とともに、タイヤ構成部材の製造装置を不要にして製造ユニットの小型化を図るため、シート状のカーカスプライを作ることなく、ビードコア間に連続コードを直接掛け渡してトロイド状のカーカスを形成することが提案されている(例えば特許文献1及び2を参照。)。
また、インナーライナー、ビードフィラ、サイドゴムおよびトレッドゴム等のタイヤ構成部材を個別に準備することなく、剛体コア又は成型ドラム等の成型台上に、リボン状のゴムストリップをオーバーラップさせながららせん巻回して貼り付け、所定のグリーンタイヤを形成し、このグリーンタイヤを加硫成型することによって所定の製品タイヤを製造する方法、いわゆるコア成型法が提案されている(例えば特許文献3参照。)。
かかるコア成型法により製造されたタイヤは、従来のようにビードコアの周りにカーカスプライを折り返すことが工程上困難である。そこで、まず成型台上のビード部を形成すべき位置に第1のビードコアを配置し、この上にカーカスプライを貼り付け、さらに第2のビードコアを載置することによって、第1ビードコアと第2ビードコアでカーカスプライ端部を挟持する構造、いわゆる挟み込みビード構造を構成することが多い。かかる挟み込みビード構造では、主として、ビードコアからカーカスプライプライに略直交する方向に作用する直角方向圧着力が、カーカスプライのビード部への固定に寄与している。しかし、特に重荷重用タイヤにおいて、直角方向圧着力だけではカーカスプライを係止する力が不十分であり、空気圧の充填下でのタイヤの負荷転動距離の増加につれて、カーカスプライの、ビードコア間からの引き抜けを有効に抑制することができず、十分なビード部耐久性を確保することが困難となる場合がある。
そこで、挟み込みビード構造のカーカスプライ係止力を高めるため種々の提案がなされている。例えば、特許文献4には、挟み込みビード構造を有する空気入りタイヤにおいて、ショアA硬度が70以上の硬質ゴムの層を介してビードコアの間に挟み込んでカーカスプライを固定することが記載されている。また、特許文献5には、かかるタイヤにおいて、カーカスプライを挟み込んだビードコアを、大きい弾性係数をもつゴム配合物で覆うことが記載されている。さらに、特許文献6には、かかるタイヤにおいて、タイヤ径方向及び幅方向に延びる側面を有する1対のビードコアをタイヤ幅方向の内外に配置し、これらビードコアのタイヤ径方向に延びる側面間でカーカスプライを挟持し、カーカスプライの端部をビードコアから突出させ、ビードコアのタイヤ幅方向に延びる側面に沿ってカーカスプライを折り曲げることが記載されている。
特開平6−39945号公報 特開平7−172104号公報 特開2000−289122号公報 特開平6−171306号公報 特表2004−501013号公報 特開2000−71722号公報
しかし、特許文献1及び2に記載された発明は、カーカスプライがビードコア全体を巻き込むため、内側と外側のカーカスプライの強力に差が生じるという問題があった。また、特許文献4及び5に記載された構造を有する空気入りタイヤでは、カーカスプライの係止力が、従来の挟み込みビード構造を有するタイヤに比べれば向上しているものの、カーカスプライをビードコアの周りに折り返した構造を有する従来製法のタイヤに比べると、依然として不足しているという問題があり、特許文献6に記載された構造を有する空気入りタイヤでは、カーカスプライの係止力は従来製法のタイヤと同等レベルにあるものの、タイヤ幅方向断面内におけるカーカスプライの通り道である、いわゆるカーカスラインの自由度が低く、軽量化が困難であるという問題があった。また、これらの空気入りタイヤでは、プライ端部から亀裂が発生し、これがカーカスプライに沿って進展し、故障発生の要因となる場合もあった。
したがって、この発明は、従来技術が抱えるこのような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、コア成型法により製造される空気入りタイヤのビード部耐久性を維持することを前提に、軽量化を図ることにある。
前記の目的を達成するため、この発明は、一対のビード部と、両ビード部間にわたってトロイド状に延び、コードをゴム被覆してなるカーカスとを具える空気入りタイヤにおいて、前記カーカスコードは、所定の周方向ピッチで両ビード部間を連続的に往復し、タイヤ径方向内端にループ部を形成しており、前記ループ部内に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の環状コードを配設してなることを特徴とする空気入りタイヤである。これによれば、タイヤ内に充填した内圧及びタイヤの負荷転動時のトレッド部の変形に起因してカーカスに張力が加わった際にも、カーカスコードが周方向コードに係留されていることからカーカスのビードコアからの引き抜けを有効に抑制できる上、カーカスラインへの制約が少なく、ビード部のケース厚さを容易に薄くすることができる。
一実施態様において、カーカスは1本の連続するカーカスコードで構成されることが好ましい。
また、他の実施態様において、この発明に従う空気入りタイヤは、各ビード部内に一対のビードコアをさらに具え、このビードコアは、カーカスがそれらビードコア間を通って内方にループ部を突出するよう配置されることが好ましい。
このように一対のビードコアを具える場合には、ループ部は一対のビードコアの内方に5mmを超えて突出すること、カーカスコードの直径の2倍と環状コードの直径の和が一対のビードコアの間隙よりも大きいこと、平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を、カーカスと少なくとも一方のビードコアとの間に配設すること、平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を、少なくとも一方のビードコアとタイヤ表皮との間に配設すること、がそれぞれ好ましい。
この発明によれば、コア成型法により製造される空気入りタイヤにおいて、ビード部耐久性を維持することを前提に軽量化を図ることが可能となる。
次に、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明に従う代表的な空気入りタイヤ(以下「タイヤ」という。)の右半部を一部破断して示す断面斜視図であり、図2は、図1に示すタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、図3は、図1に示すタイヤのカーカスコード及び環状コードを展開して示す概略平面図である。
図1に示すタイヤは、一対のビード部1(図1及び2には一方のビード部1のみを示す。)と、慣例に従い、両サイドウォール部2及びトレッド部3を通り両ビード部間にわたってトロイド状に延び、カーカスコード4をゴム被覆してなるカーカス5とを具える。
そして、この発明の構成上の主な特徴は、カーカスコード4は、所定の周方向ピッチで両ビード部間を連続的に往復し、タイヤ径方向内端にループ部6を形成しており、このループ部6内に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本(図1及び2では1本)の環状コード7を配設することにある。
カーカスコード4には、タイヤ内に充填した空気やタイヤ負荷転動時のトレッド部の変形に起因して、タイヤ径方向外側に向かって作用する張力(引き抜け力)Tが加わる。従来のビード構造を有するタイヤにおいては、十分な周方向剛性を有するビードコアとリムとの間にカーカスを挟むことによって生じるリムへの圧着力に比例して増大するせん断抗力と、カーカスを屈曲させてビードコアの周囲に巻きつけることにより生じる捩り剛性とによってカーカスをビードコアに係留している。したがって、この従来構造では、大きな張力の加わるタイヤに対しては大きなビードコアを必要とする上、カーカスラインの自由度が低いことから軽量化を実現することが困難である。
一方、コア製法で主流となりつつある挟み込みビード構造を有するタイヤにおいては、カーカスラインの自由度が高く軽量化は比較的容易であるものの、主としてビードコアからカーカスプライに略直交する方向に作用する直角方向圧着力によりカーカスをビード部に係留しているため長期間かつ重荷重での使用環境においてはその耐久性が問題となる。
これに対し、この発明に従うタイヤでは、図3に示すように、カーカスコード4を、両ビード部間を連続的に往復させてループ部6を形成し、このループ部6内に環状コード7を配設しており、実質的にカーカスコード4の端部が存在しない、いわゆるエンドレス構造であるため、大きな張力が加わってもカーカスがビードコアから引き抜けるおそれがない。しかも、環状コード7は十分な周方向剛性を有しているので、これに巻きつけられたカーカスコード4に張力Tが作用しても、その位置を保とうとする。また、環状コード7は、従来のビードコアと同様に、これとリムとの間にカーカスを挟むことによってせん断抗力も発生させている。これらの作用が相まって、この発明に従うタイヤでは、カーカスコード4が環状コード7に確実に係留され、優れたビード部耐久性を発揮するのである。さらに、環状コードは従来のビードコアに比べて断面積が小さくカーカスラインの自由度が高いことから、ビード部でのタイヤケースの厚さを薄くすることができる結果、従来の折り返しプライを有するタイヤに比べて、タイヤの質量が低減できるのである。
これらの効果を高める観点からは、カーカスコード4を環状コード7に極力近づけて配置する、すなわちループ部6内の空間に占める環状コード7の割合を大きくすることが好ましい。より具体的には、ループ部6内の空間に内接する円又は楕円の円周長が、環状コード7の断面である円の全てに外接する円又は楕円の円周長の1.0〜1.5倍の範囲内にあることが好ましい。
カーカスコード4としては、従来のカーカスプライを構成するコードと同様に、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有機繊維コード、及びスチール等の金属コードと用いることができる。また、環状コード7としては、従来のビードワイヤと同様に、スチールコードを用いることができるが、これに限定されない。
カーカス4を円周方向に複数の区域に区分し、それぞれの区域に対して1本のカーカスコードを用いる、すなわち区分された区域の数に応じた本数のカーカスコードを用いることもできるが、製造効率を高める観点からは、1本の連続するカーカスコードを全周にわたって往復させてカーカスを構成することが好ましい。
また、重荷重用タイヤのように、カーカスに特に大きな張力が作用する場合には、各ビード部内に一対のビードコアをさらに具えた挟み込みビード構造と併用することもできる。挟み込みビード構造とすることで、カーカスプライには直角方向圧着力も加わるため、より一層カーカスの係留効果を高めることができる。図4は、このような挟み込みビード構造を併用したタイヤのビード部の一例のタイヤ幅方向断面図である。図示の実施態様のように、一対のビードコア8a、8bを、カーカス5を挟み込むように対向させ、カーカス5がこれらビードコア8a、8bの間を通り、ループ部6がビードコア8a、8bの内方、すなわちビードトウ側に突出するように配置することが好ましい。これによれば、カーカス5に張力Tが作用し、ループ部6がタイヤ径方向外側に引張られた際に、ループ部6がビードコア8a、8bに当接して、周方向剛性の高いこれらビードコア8a、8bに係留されるので、さらにカーカスの係留効果が高まり、ビード部耐久性を向上させることができる。このビードコア8a、8bは、従来のビードコアと同様の構成とすることができ、例えば、1本のゴム被覆したビードワイヤを螺旋状に連続巻回した、いわゆるシングルワインド構造とすることができる。
また、ループ部6は、ビードコア8a、8bの内方に5mmを超えて突出する、すなわちビードコア8a、8bの内端9とループ部6の先端部10との間をタイヤのビードベースに沿って測定した距離dが5mmよりも大きいことが好ましい。これは、距離dが5mm以下の場合には、ループ部6が小さくなりすぎ環状コード7をループ部6内に配置することが困難となったり、ループ部6におけるカーカスコード4の屈曲度が過大となりコードが破断したりするおそれが生じるからである。
カーカスコード4が環状コード7に密着した状態でのループ部6の最大断面幅は、カーカスコード4の直径の2倍と環状コードの直径の和に等しくなる。この和がビードコア8a、8bの間隙sよりも大きければ、カーカス5が径方向外側に引張られたとしても、ループ部6が確実にビードコア8a、8bに当接し係留されるので、ビード部耐久性が一層向上する。
挟み込みビード構造を有するタイヤでは、カーカスコード4と、ビードコア8a、8bのビードワイヤとは、互いに交差する向きに延び、互いに点接触をしているため、フレッティング摩耗を起こしやすい。かかるフレッティング摩耗を抑制する観点からは、図5に示すように、カーカス5と、ビードコア8a及び8bのうちの少なくも一方(図5では両方)との間に、平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層11a、11bを配設することが好ましい。かかる補強層11a、11bは、カーカスコード4とビードワイヤとが直接に点接触することを防げ、フレッティング摩耗を有効に防止することができ、これによって、ビード部の耐久性がさらに向上する。補強層7をコードとゴムで構成するのは、ゴムのみで構成した補強層は耐久性の点で不利だからである。より好ましくは有機繊維コードを用いる。金属コードとゴムで構成した補強層は質量の点で不利である上、補強層を構成する金属コードとプライコードとの間でフレッティング摩耗が生ずるおそれがあるが、有機繊維コードを用いることでこれらの問題点を解消することができるからである。
また、補強層11a、11bを構成するコードは、タイヤ周方向に対し交差する方向に延在することが好ましい。コードをかかる配置とすることにより、カーカスコード4と補強層11a、11bを構成するコードのなす角及びビードコア8a、8bのビードワイヤと補強層11a、11bを構成するコードのなす角のそれぞれが比較的小さくなるので、カーカスコード4と補強層11a、11bを構成するコード、ビードコア8a、8bのビードワイヤと補強層11a、11bを構成するコードのそれぞれが点接触となることを防止できる。かかるコード配置は、特にカーカス5がラジアルカーカスである場合に有利である。また、このような補強層11a、11bにおいては、それらを構成するコードとタイヤ周方向とのなす角が30°〜70°の範囲内にあることが、フレッティング抑制の観点から好ましい。補強層11a、11bを構成するコードの材料としては、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等を用いることができるが、これらに限定されない。
補強層11a、11bは、ビード部1、ビードコア8a、8bの形状等を考慮して、少なくともカーカスコード4のフレッティング摩耗が生じやすい部分に配設すればよいが、図5に示すように、補強層11a、11bがそれに隣接するビードコア8a、8bよりも幅広で、ビードコア8a、8bの両幅端部を越えて延びることが好ましい。このように、ビードコア8a、8bの全体を覆うように補強層11a、11bを配設することで、より一層有効にフレッティングを防止できるからである。また、ビードコア11a、11bの両端部での剛性段差に起因するセパレーションも防止できるからである。
また、図6に示すように、平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層12を、少なくとも一方のビードコアとタイヤ表皮との間に、図6では一方のビードコア8aとタイヤ外面側表皮との間に配置することもできる。かかる補強層12は、カーカス5に加わる張力Tを分散して負担するので、カーカス5の引き抜けが一層有効に防止されるからである。したがって、補強層12を構成するコードは、その延在方向と張力Tの作用する方向とのなす角が小さいほど好ましい。補強層12の配設位置は図示の態様に限定されず、図示は省略するが、ビードコア8bとタイヤ内面側表皮の間としてもよく、また補強層12を2層とし、ビードコア8aとタイヤ外面側表皮との間、及びビードコア8bとタイヤ内面側表皮との間に各1層を配設してもよい。
補強層の厚みは、軽量化と張力分散又は圧着力発生を両立する観点から、1.0〜2.5mmの範囲とすることが好ましい。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したにすぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、環状コードが1本の場合を例にとって説明を行ったが、カーカスに加わることが予想される張力に応じて、図7及び8に示すように、環状コードを2本以上とすることもできる。
次に、この発明に従う空気入りタイヤを試作し性能評価を行ったので、以下に説明する。
実施例のタイヤは、タイヤサイズが11R22.5のトラック及びバス用15°テーパーラジアルタイヤであり、図4に示すようなビード部構造を有している。カーカスコードが1本の連続する直径1.3mmのスチールコードであり、環状ワイヤが直径1.1mmのスチールコードであり、ループ部がビードコアの内方に5mm突出しており、ビードコアの間隙が2mmである。
比較のため、タイヤサイズが実施例のタイヤと同じであり、実施例のタイヤと同じプライコードでカーカスプライを構成しているものの、カーカスプライの全ての端部が六角形のビードコアの周りをタイヤ幅方向内側から外側に折り返されて巻き付けられた従来例のタイヤについても併せて試作した。
前記各供試タイヤを、サイズ8.25×22.5のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧700kPa(相対圧)を適用し、走行速度60km/h、タイヤ負荷荷重29.4kNの条件下でドラム試験機上を10万km走行させたが、いずれのタイヤも故障することなく完走した。
図9は、実施例及び従来例の各タイヤのビード部のケース形状を示している。図9から明らかなように、実施例のタイヤは従来例のタイヤに比べてビード部におけるケース厚さが減少している。また、実施例及び従来例の各タイヤの質量を測定したところ、従来例のタイヤに比べて、実施例のタイヤは3%軽かった。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、コア成型法により製造される空気入りタイヤのビード部耐久性を維持することを前提に、軽量化を図ることが可能となった。
この発明に従う代表的な空気入りタイヤの右半部の一部破断断面斜視図であり 図1に示すタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 図1に示すタイヤのカーカスコード及び環状コードを展開して示す概略平面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 この発明に従う他の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図である。 従来例及び実施例の各タイヤのビード部のケース形状を示す輪郭図である。
符号の説明
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 カーカスコード
5 カーカス
6 ループ部
7 環状コード
8a、8b ビードコア
9 ビードコアの内端
10 ループ部の先端部
11a、11b、12 補強層

Claims (7)

  1. 一対のビード部と、両ビード部間にわたってトロイド状に延び、コードをゴム被覆してなるカーカスとを具える空気入りタイヤにおいて、
    前記カーカスコードは、所定の周方向ピッチで両ビード部間を連続的に往復し、タイヤ径方向内端にループ部を形成しており、
    前記ループ部内に、タイヤ周方向に沿って延びる少なくとも1本の環状コードを配設してなることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記カーカスは1本の連続するカーカスコードで構成される、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 各ビード部内に一対のビードコアをさらに具え、該ビードコアは、前記カーカスがそれらビードコア間を通って内方に前記ループ部を突出するよう配置される、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ループ部は前記一対のビードコアの内方に5mmを超えて突出する、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスコードの直径の2倍と環状コードの直径の和が前記一対のビードコアの間隙よりも大きい、請求項3又は4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を、前記カーカスと少なくとも一方のビードコアとの間に配設してなる、請求項3〜5のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 平行配列された複数本のコードをゴム被覆してなる補強層を、少なくとも一方のビードコアとタイヤ表皮との間に配設してなる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。

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