JP2007203459A - ハイポイドギヤのラッピング加工方法および装置 - Google Patents

ハイポイドギヤのラッピング加工方法および装置 Download PDF

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    • B23F19/00Finishing gear teeth by other tools than those used for manufacturing gear teeth
    • B23F19/02Lapping gear teeth
    • B23F19/025Lapping bevel gears by making use of a correspondingly shaped counterpart

Abstract

【課題】歯溝の振れやピッチ誤差等の噛み合い伝達誤差要因を除去して、ハイポイドギヤを用いた製品の使用時の唸り音の発生を防止するとともに、ラッピング加工を短時間で済ませ得るようにすることにある。
【解決手段】ハイポイドギヤのピニオン1をピニオン駆動用モータ11で回転させるとともに、前記ピニオン1に噛合させたハイポイドギヤのリングギヤ2をリングギヤ駆動用モータ12で回転させ、その回転の間に、前記ピニオン1と前記リングギヤ2との回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオン1と前記リングギヤ2との相対的な駆動力を調節することで前記リングギヤ2に回転負荷をかけつつ前記ピニオン駆動用モータ11で前記ピニオン1を回転させるとともに、前記ピニオン1と前記リングギヤ2との相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に複数回往復移動させながら、その歯当たり位置の歯面上での位置に応じて前記回転負荷を変化させて仕上げラッピング加工を行うことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

この発明は、ハイポイドギヤの歯面をラッピング加工する方法およびそのための装置に関するものである。
ハイポイドギヤは、図5(a)に矢印E+,E−,P+,P−で示すようにピニオン1とリングギヤ2との相対位置を変えることより、図5(c)に示すように歯当たり位置が変化するという性質を有する。なお、図5(b)に矢印G+,G−で示すようにピニオン1とリングギヤ2との相対位置を変えることより、バックラッシュ量が変化する。またハイポイドギヤは、互いに噛合して回転する時に歯面同士の滑りを生ずるという性質を有する。
ハイポイドギヤの歯面のラッピング加工方法としては従来、ハイポイドギヤのこれらの性質を利用し、ピニオンとリングギヤとを噛合させて回転負荷をかけながら回転させるとともに、その回転中にピニオンとリングギヤとの相対位置を変えることで、図5(d)に示すように、歯当たり位置をリングギヤの歯筋方向に往復移動させること(これを「オシレーション」と呼ぶ)を繰り返しながら、それらの歯車の歯面に砥粒を含むラッピングコンパウンドを供給して歯面を研磨する方法が知られている。
また近年、カムおよびリンク機構を用いてピニオンとリングギヤとの相対位置を変えることでオシレーションを行うとともに、そのオシレーションのサイクル毎に回転負荷(トルク)を変化させて加工時間の短縮化を図るラッピング加工方法が提案されており(特開平7-276138号公報参照)、さらには、直交3軸のNC(数値制御)スライド機構を利用してピニオンとリングギヤとの相対位置を変えることで、特に多く研磨したい所へ歯当たり位置を移動させるラッピング加工方法も提案されている(エリコン(Oerlikon)社発行の、エリコン・スピロマット(Spiromat)L20 型CNCラッピング盤技術資料参照)。
しかしながら、上記従来のラッピング加工方法にあっては、ピニオンとリングギヤとの一方に歯溝の振れやピッチ誤差等の歯車精度不良がある場合に、これを矯正する効果がなく、それゆえ歯当たりも均一にならず、場合によってはラッピングによってかえって歯溝の振れが拡大するという問題があった。また、オシレーションサイクル(往復移動サイクル)毎にトルクを変化させたり歯当たり位置を変化させたりしているのでラッピング加工に時間がかかりすぎるという問題があった。
この発明は、上記課題を有利に解決したハイポイドギヤのラッピング加工方法およびそのための装置を提供することを目的とするものであり、この発明のハイポイドギヤのラッピング加工方法は、ハイポイドギヤのピニオンをピニオン駆動用モータで回転させるとともに、前記ピニオンに噛合させたハイポイドギヤのリングギヤをリングギヤ駆動用モータで回転させ、その回転の間に、前記ピニオンと前記リングギヤとの回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対的な駆動力を調節することで前記リングギヤに回転負荷をかけつつ前記ピニオン駆動用モータで前記ピニオンを回転させるとともに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に複数回往復移動させながら、その歯当たり位置の歯面上での位置に応じて前記回転負荷を変化させて仕上げラッピング加工を行うことを特徴としている。
かかるラッピング加工方法によれば、歯当たり位置の往復移動の間、通過回数が歯面中央部よりも少なくなる歯面の歯筋方向端部に歯当たり位置が移動した時に回転負荷を増加させることで、歯面の中央部に歯当たり位置が位置する良好な歯当たり状態を仕上げラッピング加工において少ない往復回数で効率的に得ることができ、また、ラッピング加工前のピニオンとリングギヤとの歯当たり位置が歯面の中央部からずれている場合でも、その加工前の歯当たり位置よりも歯筋方向端部よりにラッピング加工中の歯当たり位置が移動した時に回転負荷を増加させることで、ラッピング加工後の歯当たり位置を歯面の中央部にもってゆくことができることから、ラッピング加工装置へのピニオンとリングギヤとの装着の際に歯当たり位置が歯面の中央部から多少ずれていてもそのまま加工を行うことができるので、ラッピング加工装置へのピニオンとリングギヤとの装着を容易に行うことができる。
そしてこの発明のハイポイドギヤのラッピング加工装置は、ハイポイドギヤのピニオンを回転させるピニオン駆動用モータと、前記ピニオンに噛合させたハイポイドギヤのリングギヤを回転させるリングギヤ駆動用モータと、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に移動させる歯当たり位置移動手段と、前記ピニオンと前記リングギヤとの回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対的な駆動力を調節することで前記リングギヤに回転負荷をかけつつ前記ピニオン駆動用モータを制御して前記ピニオンを回転させるとともに、前記歯当たり位置の歯面上での位置に応じて前記回転負荷を変化させるモータ制御手段と、を具えてなる。
かかる装置にあっては、ピニオン駆動用モータがハイポイドギヤのピニオンを回転させ、またリングギヤ駆動用モータがハイポイドギヤのリングギヤを回転させ、その回転の間に、歯当たり位置移動手段が、ピニオンとリングギヤとの相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に往復移動させ、そして、モーター制御手段が、ピニオンとリングギヤとの回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対的な駆動力を調節することでリングギヤに回転負荷をかけつつピニオン駆動用モータを制御してピニオンを回転させるとともに、歯当たり位置の歯面上での位置に応じてその回転負荷を変化させる。
従って、かかる装置によれば、この発明のラッピング加工方法を実施し得て、その方法の上述した作用効果をもたらすことができる。
以下に、この発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明のハイポイドギヤのラッピング加工方法の一実施例の実施に用いる、この発明のハイポイドギヤのラッピング加工装置の一実施例としてのCNCラッピング盤を示す斜視図であり、このCNCラッピング盤は、所定の固定位置にて垂直に配置されるとともに回転自在に支持されてハイポイドギヤのピニオン1を保持するピニオン保持軸3と、水平に配置されるとともに回転自在に支持されてハイポイドギヤのリングギヤ2を保持するリングギヤ保持軸4と、リングギヤ保持軸4をその軸線と直交する水平方向へE軸サーボモータ5の作動に基づき平行移動させるE軸移動機構6と、リングギヤ保持軸4を垂直方向へP軸サーボモータ7の作動に基づき平行移動させるP軸移動機構8と、リングギヤ保持軸4をその軸線方向へG軸サーボモータ9の作動に基づき進退移動させるG軸移動機構10と、通常のスピンドルモータからなりピニオン保持軸3を回転駆動するピニオン駆動用スピンドルモータ11と、リングギヤ保持軸4を回転駆動するリングギヤ駆動用サーボモータ(例えばACサーボモータ)12と、ピニオン保持軸3の回転位相およびリングギヤ保持軸4の回転位相をそれぞれ検出する図示しない二個のロータリエンコーダと、上記各サーボモータ5,7,9,12およびスピンドルモータ11の作動を制御する図示しないCNC(コンピュータ数値制御)コントローラと、互いに噛合するピニオン1とリングギヤ2との歯面に砥粒を含むラッピングコンパウンドを供給する図示しないラッピングコンパウンド供給装置とを具えている。
ここで、上記CNCコントローラは、モータ制御手段に相当し、そして上記E軸移動機構6とP軸移動機構8とは、図5(a)に示すE軸方向およびP軸方向にリングギヤ2を移動させるので歯当たり位置移動手段に相当する。なお、上記G軸移動機構10は、図5(a)に示すG軸方向にリングギヤ2を移動させてピニオン1とリングギヤ2との噛合時のバックラッシュを一定に保つ役割を果たすものである。
上記実施例の方法では、かかるCNCラッピング盤を用いて、先ず、歯面の偏心成分やピッチ誤差等の歯車精度不良の除去の目的で粗ラッピング加工を実施する。この粗ラッピング加工においては、最初に、ピニオン保持軸3に対してリングギヤ保持軸4をピニオン1とリングギヤ2とのギヤ比に応じて同期させて回転させる同期制御は行わずに、ピニオン駆動用スピンドルモータ11とリングギヤ駆動用サーボモータ12とをそれぞれ独立して作動させ、その際にピニオン駆動用スピンドルモータ11とリングギヤ駆動用サーボモータ12との作動を制御する(例えばピニオン駆動用スピンドルモータ11の出力トルクを増加させたり、あるいはリングギヤ駆動用サーボモータ12の出力トルクを減らしたりする)ことで、互いに噛合して回転しているピニオン1とリングギヤ2との相対的な駆動力を調節してリングギヤ2に軽い回転負荷を加えておき、それらの歯車の回転中における上記二個のロータリエンコーダの出力信号から、図2に示すように、リングギヤ2の歯1回転分の回転伝達誤差(進み遅れ)の大きさひいてはリングギヤ2の位相追い込み角度θを検知する。
そして上記粗ラッピング加工においては、次に、ピニオン1とリングギヤ2とを噛合させた状態で、上記二個のロータリエンコーダの出力信号を用いて、ピニオン保持軸3に対してリングギヤ保持軸4をピニオン1とリングギヤ2とのギヤ比に応じて同期させて回転させる同期制御をリングギヤ駆動用サーボモータ12に対して行いながら、上記回転伝達誤差(進み遅れ)を除去できるまで、すなわち上記位相追い込み角度θ分の回転位相差を持ってピニオン1とリングギヤ2とが同期回転するようになるまで、ピニオン保持軸3に対するリングギヤ保持軸4の回転位相をずらして切り込み(回転負荷)をかけつつラッピングコンパウンド供給装置でそれらの歯面にラッピングコンパウンドを供給してラッピング加工を行い、ピニオン1とリングギヤ2とが上記位相追い込み角度θ分の回転位相差を持って同期回転するようになったら、歯間の研磨のばらつきをなくすためにピニオン1がリングギヤ2の歯数に等しい回数だけ回転するまでラッピング加工を続けてからラッピング加工を終了する。
また、上記ラッピング加工においては、上記ピニオン1とリングギヤ2との噛合回転中、上記E軸移動機構6とP軸移動機構8との作動を制御して、狙いの歯当たり位置付近、すなわち通常は歯面の歯筋方向中央部のみについて、歯当たり位置の歯筋方向往復移動(オシレーション)を一往複だけ行う。このE軸移動機構6とP軸移動機構8との制御によって歯当たり位置を移動させるに際しては、図3に示すように、例えばリングギヤ2が基準位置(E軸上のリングギヤ2の位置=0,P軸上のリングギヤ2の位置=0)の時の歯当たり位置がA点にあった場合に、E軸上のリングギヤ2の位置を+方向へ変化させる(E+)とともにP軸上のリングギヤ2の位置を−方向へ変化させる(P−)と、歯当たり位置は上記A点からヒール位置(B点とC点との間)へ向かって移動し、またE軸上のリングギヤ2の位置を−方向へ変化させる(E−)とともにP軸上のリングギヤ2の位置を+方向へ変化させる(P+)と、歯当たり位置は上記A点からトー位置(D点とE点との間)へ向かって移動する。
なお、上記ラッピング加工に先立つ回転伝達誤差検知の際に、図4に示すように、リングギヤ2が基準位置(E軸上のリングギヤ2の位置=0,P軸上のリングギヤ2の位置=0)の時の実際の歯当たり位置が狙いとしている歯筋方向中央部のA0の位置から大きくずれて例えばA1の位置にあり、その歯当たり位置を中央部のA0の位置に移動させるのにE軸上のリングギヤ2の位置を−0.004 、P軸上のリングギヤ2の位置を+0.004 とする必要がある場合には、上記粗ラッピング加工において逆にE軸上のリングギヤ2の位置を+0.004 、P軸上のリングギヤ2の位置を−0.004 にセットして、歯当たり位置をA0の位置と逆方向のA2の位置とし、その歯当たり位置A2付近のみについて歯当たり位置のオシレーションを一往複だけ行う。これにより歯当たり位置A2付近を粗ラッピング加工して、歯当たり位置を狙いとしているA0の位置に修正することができる。
しかる後、この実施例の方法では仕上げラッピング加工を行う。この仕上げラッピング加工においては、ピニオン1とリングギヤ2とを噛合させた状態で、ピニオン保持軸3に対してリングギヤ保持軸4を同期回転させる上記リングギヤ駆動用サーボモータ12の制御を解除して、ピニオン駆動用スピンドルモータ11に対する制御で、上記ピニオン1およびリングギヤ2の回転速度等の回転に関する制御を行うとともに、リングギヤ駆動用サーボモータ12に対する制御で、リングギヤ2のトルク(回転負荷)に関する制御を行い、その制御下でのピニオン1とリングギヤ2との噛合回転中、E軸移動機構6とP軸移動機構8との作動を上述したように制御することにより、リングギヤ2の歯当たり位置を図3に示すように歯面の歯筋方向の中央位置(A点)からヒール位置(B点とC点との間)へ移動させ、次いで中央位置(A点)へ戻し、その後トー位置(D点とE点との間)へ移動させ、そして再び中央位置(A点)へ戻す(これを1サイクルとする)という往復移動(オシレーション)を、複数サイクル繰り返す。
ところで、一般に、ハイポイドギヤの歯当たり検査で推奨される歯当たり長さは、歯面の歯筋方向長さの40パーセントである。それゆえ、例えば図3に示す点B,D間がその40パーセントであるとすると、歯面のB点とC点との間であるヒール位置と、D点とE点との間であるトー位置とは、B点とD点との間である中央部よりも多く研磨して逃がすことが好ましい。それゆえこの実施例の方法では、上記仕上げラッピング加工において、上記ヒール位置とトー位置とを歯当たり位置が通過する際にラッピングトルク(回転負荷)を増加させるように、E軸移動機構6とP軸移動機構8との作動の制御に関連させてリングギヤ駆動用サーボモータ12の制御を行う。
なお、上記A点〜E点の各々に歯当たり位置が位置する時のE軸上およびP軸上でのリングギヤ2の位置は、この実施例では、当該CNCラッピング盤上でラッピングコンパウンドをかけずにそれらE軸上およびP軸上でのリングギヤ2の位置を上記CNCコントローラに入力して、歯当たり位置を確認しながらそのCNCコントローラにティーチングするが、通常の歯当たりテスターにて歯当たりチェック(VHチェック)を行って決定しても良い。
かかる実施例のラッピング加工方法および装置によれば、検出したピニオン1とリングギヤ2との各々の回転位相に基づき、ピニオン1とリングギヤ2との回転をそれらのギヤ比に応じて同期させながら、その同期回転状態下で回転位相をずらすことでリングギヤ2に回転負荷をかけ、さらにピニオン1とリングギヤ2との相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に1回だけ往復移動させて粗ラッピング加工を行うことから、ピニオン1とリングギヤ2との一方に歯溝の振れやピッチ誤差等の歯車精度不良がある場合でもその歯車精度不良を矯正しながら粗ラッピング加工を行い得るので、偏心成分(歯溝の振れ)やピッチ誤差等の噛み合い伝達誤差要因を除去し得て、ハイポイドギヤを用いた製品の使用時の唸り音の発生を防止することができ、しかもその粗ラッピング加工の間に歯当たり位置の歯筋方向への往復移動を1回だけ行わせるので、粗ラッピング加工ひいてはラッピング加工全体を短時間で済ませることができる。
さらにこの実施例のラッピング加工方法によれば、粗ラッピング加工に先立って、ピニオン1とリングギヤ2との回転を同期させる制御を行わずに、ピニオン1とリングギヤ2との相対的な駆動力を調節することでリングギヤ2に軽い回転負荷をかけつつピニオン駆動用モータ11でピニオン1を回転させ、検出したピニオン1とリングギヤ2との各々の回転位相に基づいてピニオン1とリングギヤ2との間の回転位相差(位相追い込み角度θ)をリングギヤ2の歯の1回転分につき検出し、その後、非同期制御時に検出した回転位相差θ分の回転位相差が常時生ずるまで同期制御による粗ラッピング加工を行うので、必要最小限の加工時間で歯車精度不良を確実に矯正することができる。
さらにこの実施例のラッピング加工方法によれば、歯当たり位置の往復移動の間、通過回数が歯面中央部よりも少なくなる歯面の歯筋方向端部(トー部およびヒール部)に歯当たり位置が移動した時に回転負荷を増加させるので、歯面の中央部に歯当たり位置が位置する良好な歯当たり状態を仕上げラッピング加工において少ない往復回数で効率的に得ることができ、また、ラッピング加工前のピニオン1とリングギヤ2との歯当たり位置が歯面の中央部からずれている場合に、その加工前の歯当たり位置よりも端部よりにラッピング加工中の歯当たり位置が移動した時に回転負荷を増加させることでラッピング加工後の歯当たり位置を歯面の中央部にもってゆくので、ラッピング盤へのピニオン1とリングギヤ2との装着の際に歯当たり位置が歯面の中央部から多少ずれていてもそのまま加工を行うことができ、それゆえラッピング盤へのピニオン1とリングギヤ2との装着を容易に行うことができる。
そしてこの実施例のラッピング盤によれば、上記実施例のラッピング加工方法を実施し得て、その実施例の方法の作用効果をもたらすことができる。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、ピニオン保持軸3を回転駆動するモータとリングギヤ保持軸4を回転駆動するモータとを共にサーボモータとしても良く、またピニオン保持軸3を回転駆動するモータとリングギヤ保持軸4を回転駆動するモータとを共に通常のスピンドルモータとした場合でも、上述したと同様のラッピング加工を行うことができる。さらに、上記実施例ではモータの制御によって回転負荷を加えているが、別途電磁ブレーキ等のブレーキを設けてリングギヤ2に回転負荷を加えるようにしても良い。そして、歯当たり位置の調整も、上記実施例では粗ラッピング加工によって行っているが、仕上げラッピング加工におけるオシレーション中に歯当たり位置が加工前の歯当たり位置よりも端部よりに移動した時に回転負荷を増加させることでも実現することができる。
この発明のハイポイドギヤのラッピング加工方法の一実施例の実施に用いる、この発明のハイポイドギヤのラッピング加工装置の一実施例としてのCNCラッピング盤を示す斜視図である。 上記実施例のラッピング加工方法において検知する1ピッチ分の回転伝達誤差を示す説明図である。 上記実施例のラッピング加工方法において行う歯当たり位置のオシレーションを示す説明図である。 上記実施例のラッピング加工方法において行う歯当たり位置の修正方法を示す説明図である。 ハイポイドギヤのピニオンとリングギヤとの相対位置の変化に伴う歯当たり位置の移動状態を示す説明図である。
符号の説明
1 ピニオン
2 リングギヤ
3 ピニオン保持軸
4 リングギヤ保持軸
5 E軸サーボモータ
6 E軸移動機構
7 P軸サーボモータ
8 P軸移動機構
9 G軸サーボモータ
10 G軸移動機構
11 ピニオン駆動用スピンドルモータ
12 リングギヤ駆動用サーボモータ

Claims (2)

  1. ハイポイドギヤのピニオンをピニオン駆動用モータで回転させるとともに、前記ピニオンに噛合させたハイポイドギヤのリングギヤをリングギヤ駆動用モータで回転させ、
    その回転の間に、前記ピニオンと前記リングギヤとの回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対的な駆動力を調節することで前記リングギヤに回転負荷をかけつつ前記ピニオン駆動用モータで前記ピニオンを回転させるとともに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に複数回往復移動させながら、その歯当たり位置の歯面上での位置に応じて前記回転負荷を変化させて仕上げラッピング加工を行うことを特徴とする、ハイポイドギヤのラッピング加工方法。
  2. ハイポイドギヤのピニオンを回転させるピニオン駆動用モータ(11)と、
    前記ピニオンに噛合させたハイポイドギヤのリングギヤを回転させるリングギヤ駆動用モータ(12)と、
    前記ピニオンと前記リングギヤとの相対位置を変えることで歯当たり位置を歯筋方向に移動させる歯当たり位置移動手段(6,8)と、
    前記ピニオンと前記リングギヤとの回転を同期させる制御を行わずに、前記ピニオンと前記リングギヤとの相対的な駆動力を調節することで前記リングギヤに回転負荷をかけつつ前記ピニオン駆動用モータを制御して前記ピニオンを回転させるとともに、前記歯当たり位置の歯面上での位置に応じて前記回転負荷を変化させるモータ制御手段と、
    を具えてなる、ハイポイドギヤのラッピング加工装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021074801A (ja) * 2019-11-06 2021-05-20 マツダ株式会社 等高歯ハイポイドギヤのホーニング加工方法及びホーニング加工装置

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