JP2007202676A - 滅菌装置 - Google Patents

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Yoshikazu Hirano
芳和 平野
Fumito Katsura
史人 桂
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Abstract

【課題】過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器(31)を用いて処理室(2)の滅菌処理を行う滅菌装置(1)において、処理室(2)内の圧力を安定化させて滅菌装置(1)の信頼性を向上させる。
【解決手段】供給側主流路(59)と入口側流路(60)との間に供給側緩和室(46)を設け、さらに排出側主流路(61)と出口側流路(62)との間に排出側緩和室(47)を設ける。この供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とは、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響を緩和させる。従って、処理室(2)内の圧力が自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくくなり、自室で圧力に乱れが生じない限り室圧調節手段(22)が調節する圧力に概ね維持される。
【選択図】図1

Description

本発明は、処理室へ過酸化水素蒸気を供給して該処理室の滅菌処理を行う滅菌装置に関するものである。
従来より、この種の滅菌装置としては、密閉可能な処理室(例えば医薬品製造室)に、該処理室の気体を吸引する真空ポンプが設けられた気体吸引通路と、過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器が設けられた過酸化水素供給通路と、処理空間内に無菌空気を供給する空気供給通路と、処理室内のガスを循環させながら触媒で過酸化水素を分解する気体循環通路とが接続されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1の滅菌装置では、まず真空ポンプを起動して処理室を真空状態にした後、過酸化水素蒸気を処理室内に供給して滅菌処理を行う。次に、空気供給通路から処理室に無菌空気を導入し、過酸化水素を処理室内に分散させる。そして、真空ポンプによる吸引工程、過酸化水素蒸気の供給工程、及び無菌空気の導入工程を数回繰り返して処理室の滅菌が終了すると、処理室から過酸化水素を除去する工程を行う。この工程では、気体循環通路の触媒により過酸化水素を分解しながら処理室の気体を循環させる。こうすることにより、滅菌後の処理室内の過酸化水素蒸気の濃度を下げるようにしている。
特開平10−328276号公報
ところで、過酸化水素蒸気を用いる滅菌装置では、滅菌処理中において処理室外からの菌類の侵入を防止しつつ過酸化水素の処理室外へ漏れを抑制することが必要である。このため、滅菌処理中は、処理室内が外気に対して僅かに陽圧になるように処理室内の圧力を調節しなければならない。また、滅菌処理後においても処理室への菌類の侵入を防止するため、処理室内を陽圧に調節することが必要である。
処理室内の圧力の調節は、処理室へのガスの供給量と排出量とを調節することによって行われる。しかし、この種の滅菌装置を複数の処理室に対して並列に接続して設けた場合、何れかの処理室で室内の圧力に乱れが生じると、他の処理室でもその乱れの影響を受けて室内の圧力が変動するという問題がある。すなわち、処理室内の圧力が自室以外の処理室内の圧力変化の影響を受けて、処理室へ菌類が侵入しやすくなったり、過酸化水素が処理室外へ漏れやすくなったりするおそれがある。
例えば、給気ファンによって処理室へのガスの供給量を調節する場合、ある処理室で局所排気等により室内の圧力が低下すると、直ちに圧力が低下した処理室へのガスの供給量が増加して他の処理室へのガスの供給量が減少する。他の処理室へのガスの供給量が減少しないように給気ファンの風量を増加させようとしても制御が間に合わない。また、排気ファンによって処理室からのガスの排出量を調節する場合は、ある処理室で室内の圧力が低下すると、直ちに圧力の低下した処理室からのガスの排出量が減少して他の処理室からのガスの排出量が増加する。この場合も、他の処理室からのガスの排出量が増加しないように排気ファンの風量を減少させようとしても制御が間に合わない。従って、他の処理室では、ガスの供給量が減少したりガスの排出量が増加したりすることによって室内の圧力が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器を用いて処理室の滅菌処理を行う滅菌装置において、処理室内の圧力を安定化させて滅菌装置の信頼性を向上させることである。
第1の発明は、過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器(31)を用いて互いに並列に接続された複数の処理室(2)の滅菌処理を行う滅菌装置(1)を前提としている。
そして、この滅菌装置(1)は、処理室(2)へのガスの供給量と排出量とを調節することにより該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節手段(22)と、何れかの処理室(2)で室内の圧力に乱れが生じた場合に他の処理室(2)での室内の圧力変動を緩和させる室圧緩和手段(23)とを備えている。
第1の発明では、室圧調節手段(22)が処理室(2)内の圧力を調節しており、何れかの処理室(2)で室内の圧力に乱れが生じた場合に他の処理室(2)での室内の圧力変動を緩和させる室圧緩和手段(23)が設けられている。ここで、圧力の乱れとは、局所排気等によって処理室(2)内の圧力が急に変化することである。すなわち、この第1の発明では、室圧緩和手段(23)が、処理室(2)内での急な圧力変化に起因する他の処理室(2)での圧力変動を緩和している。
第2の発明は、第1の発明において、上記室圧調節手段(22)は、各処理室(2)へ向かうガスが流通する供給側流路(34)の風量を調節する給気ファン(17c,53c)を備え、上記供給側流路(34)は、上記給気ファン(17c,53c)に接続された供給側主流路(59)と、各処理室(2)の入口に接続された入口側流路(60)とを備える一方、上記室圧緩和手段(23)は、上記供給側主流路(59)と上記入口側流路(60)とが接続された供給側緩和室(46)を備えている。
第2の発明では、給気ファン(17c,53c)によって送られるガスが、供給側主流路(59)から供給側緩和室(46)に流入し、該供給側緩和室(46)から入口側流路(60)を経て処理室(2)へ供給される。ここで、何れかの処理室(2)で室内の圧力に乱れが生じると、従来のように供給側緩和室(46)がなく供給側主流路(59)から入口側流路(60)が分岐している場合は、圧力に乱れが生じた処理室(2)へのガスの供給量の変化が、他の処理室(2)へのガスの供給量に直接的に影響を与える。従って、圧力に乱れが生じた処理室(2)へのガスの供給量が変化すると、その変化に対して他の処理室(2)へのガスの供給量は比較的大きく変化し、該他の処理室(2)内の圧力変化も比較的大きくなる。
これに対して、この第2の発明では、圧力に乱れが生じた処理室(2)へのガスの供給量が変化しても、供給側緩和室(46)内の圧力変化が比較的小さいので、他の処理室(2)へのガスの供給量はそれほど変化せず、該他の処理室(2)内の圧力もそれほど変化しない。すなわち、処理室(2)内の急な圧力変化に対して供給側緩和室(46)内の圧力変化は小さいので、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和される。
第3の発明は、第2の発明において、上記供給側緩和室(46)には、上記供給側主流路(59)から流入するガスの流入圧が上記入口側流路(60)へ伝播するのを緩和させる流入圧緩和手段(70)が設けられている。
第3の発明では、供給側緩和室(46)に流入圧緩和手段(70)が設けられている。流入圧緩和手段(70)は、供給側緩和室(46)において供給側主流路(59)から流入するガスの流入圧が入口側流路(60)へ伝播するのを緩和させる。すなわち、供給側主流路(59)からのガスの流入圧が入口側流路(60)を介して処理室(2)へ伝播することが緩和される。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、上記室圧調節手段(22)は、各処理室(2)から流出したガスが流通する排出側流路(33)の風量を調節する排気ファン(55)を備え、上記排出側流路(33)は、上記排気ファン(55)に接続された排出側主流路(61)と、各処理室(2)の出口に接続された出口側流路(62)とを備える一方、上記室圧緩和手段(23)は、上記排出側主流路(61)と上記出口側流路(62)とが接続された排出側緩和室(47)を備えている。
第4の発明では、処理室(2)内のガスが、排気ファン(55)によって出口側流路(62)を経て排出側緩和室(47)へ流入し、該排出側緩和室(47)から排出側流路(33)へ流入する。ここで、何れかの処理室(2)で室内の圧力に乱れが生じると、従来のように排出側緩和室(47)がなく排出側主流路(61)から出口側流路(62)が分岐している場合は、圧力に乱れが生じた処理室(2)からのガスの排出量の変化が、他の処理室(2)からのガスの排出量に直接的に影響を与える。従って、圧力に乱れが生じた処理室(2)からのガスの排出量が変化すると、その変化に対して他の処理室(2)からのガスの排出量は比較的大きく変化し、該他の処理室(2)内の圧力変化も比較的大きくなる。
これに対して、この第4の発明では、圧力に乱れが生じた処理室(2)からのガスの排出量が変化しても、排出側緩和室(47)内の圧力変化が比較的小さいので、他の処理室(2)からのガスの排出量はそれほど変化せず、該他の処理室(2)内の圧力もそれほど変化しない。すなわち、処理室(2)内の急な圧力変化に対して排出側緩和室(47)内の圧力変化は小さいので、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和される。
第5の発明は、第4の発明において、上記室圧調節手段(22)は、上記出口側流路(62)に設けられて、該出口側流路(62)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節バルブ(66)を備える一方、上記室圧緩和手段(23)は、処理室(2)をバイパスして上記供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とを接続するバイパス流路(72)を備えている。
第5の発明では、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とがバイパス流路(72)によって接続され、該供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)との圧力差が概ね一定に保持されている。また、処理室(2)と排出側緩和室(47)とを接続する出口側流路(62)には、室圧調節バルブ(66)が設けられている。この室圧調節バルブ(66)は、処理室(2)からのガスの排出量を調節することで、該処理室(2)内の圧力を調節する。
ここで、バイパス流路(72)がなければ、室圧調節バルブ(66)の調節により処理室(2)からのガスの排出量が変化すると、その変化に対して排出側緩和室(47)内の圧力が比較的大きく変化する。そして、他の処理室(2)からのガスの排出量が変化し、該他の処理室(2)内の圧力が比較的大きく変化してしまう。これに対して、この第5の発明では、バイパス流路(72)があるので、室圧調節バルブ(66)の調節により処理室(2)からのガスの排出量が変化しても、その変化に対して供給側緩和室(46)内と排出側緩和室(47)内の圧力が共に変化する。つまり、個々の緩和室(46,47)内の圧力変化が緩和される。よって、他の処理室(2)からのガスの排出量の変化は緩和され、他の処理室(2)内の圧力変動も緩和される。
第6の発明は、過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器(31)を用いて処理室(2)の滅菌処理を行う滅菌装置(1)を前提としている。
そして、この滅菌装置(1)は、処理室(2)の入口に接続された供給側流路(34)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する給気ファン(17c,53c)と、処理室(2)の出口に接続された排出側流路(33)に設けられて、該排出側流路(33)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節バルブ(66)と、上記室圧調節バルブ(66)と処理室(2)とをバイパスして上記供給側流路(34)と排出側流路(33)とを接続するバイパス流路(72)とを備えている。
第6の発明では、処理室(2)内の圧力を調節するために給気ファン(17c,53c)と室圧調節バルブ(66)とが設けられている。処理室(2)内の圧力を調節するために、給気ファン(17c,53c)は処理室(2)へのガスの供給量を調節し、室圧調節バルブ(66)は処理室(2)からのガスの排出量を調節する。この処理室(2)内の圧力の調節では、給気ファン(17c,53c)の吐出圧力を安定させつつ、室圧調節バルブ(66)を調節する必要がある。そして、この第6の発明では、室圧調節バルブ(66)が調節されて排出側流路(33)の流路抵抗が変化しても、バイパス流路(72)側にもガスが流れるようになっている。従って、室圧調節バルブ(66)の調節の影響はバイパス流路(72)によって緩和され、給気ファン(17c,53c)の吐出圧力は安定しやすくなる。
第7の発明は、第5又は第6の発明において、上記バイパス流路(72)には、開度可変なバルブ機構(73)が設けられている。
第7の発明では、バイパス流路(72)に開度可変なバルブ機構(73)が設けられている。バルブ機構(73)の開度を調節すると、バイパス流路(72)の流路抵抗が変化し、バイパス流路(72)側の風量と処理室(2)側に風量との比率が変化する。
上記第1,第2,第3,第4,第5の各発明では、室圧緩和手段(23)が、処理室(2)内での急な圧力変化に起因する他の処理室(2)での圧力変動を緩和している。つまり、室圧緩和手段(23)が圧力変動を緩和するので、各処理室(2)内の圧力は、自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくくなり、自室で圧力に乱れが生じない限り室圧調節手段(22)が調節する圧力に概ね維持される。従って、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができるので、処理室(2)外からの菌類の侵入や過酸化水素の処理室(2)外への漏れを抑制することができる。その結果、滅菌装置(1)の信頼性を向上させることができる。
上記第2の発明では、供給側主流路(59)と入口側流路(60)との間に供給側緩和室(46)を設けることによって、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和されるようにしている。従って、処理室(2)内の圧力が自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくいので、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
上記第3の発明では、流入圧緩和手段(70)を設けることで、供給側主流路(59)からのガスの流入圧が入口側流路(60)を介して処理室(2)へ伝播することを緩和させている。すなわち、供給側主流路(59)のガスの風量が変化して供給側緩和室(46)におけるガスの流入圧が変化しても、処理室(2)内の圧力はその流入圧の変化の影響を受けにくい。従って、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
上記第4の発明では、排出側主流路(61)と出口側流路(62)との間に排出側緩和室(47)を設けることによって、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和されるようにしている。従って、処理室(2)内の圧力が自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくいので、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
上記第5の発明では、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)との圧力差をバイパス流路(72)によって概ね一定に保持することによって、室圧調節バルブ(66)の調節によって処理室(2)からのガスの排出量が変化しても、排出側緩和室(47)内の圧力変化を緩和させて他の処理室(2)内の圧力変動が緩和されるようにしている。つまり、バイパス流路(72)を設けることで、室圧調節バルブ(66)によって処理室(2)内の圧力を調節する際に、他の処理室(2)内の圧力はその調節の影響を受けにくくなる。従って、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
上記第6の発明では、給気ファン(17c,53c)と室圧調節バルブ(66)とをそれぞれ調節して処理室(2)内の圧力を調節する際に、室圧調節バルブ(66)の調節が給気ファン(17c,53c)の吐出圧力に与える影響をバイパス流路(72)によって緩和させて、給気ファン(17c,53c)の吐出圧力が安定しやすくなるようにしている。給気ファン(17c,53c)の吐出圧力が安定すると、処理室(2)内の圧力のみに基づいて室圧調節バルブ(66)の調節を行うことが可能になる。従って、給気ファン(17c,53c)と室圧調節バルブ(66)とによって処理室(2)内の圧力を調節する際の室圧調節バルブ(66)の調節が容易になって処理室(2)内を速やかに適切な圧力に調節しやすくなるので、処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
上記第7の発明では、バルブ機構(73)によってバイパス流路(72)側の風量と処理室(2)側に風量との比率を調節することができるようにしている。従って、バイパス流路(72)側の風量と処理室(2)側の風量との比率を適正な状態に設定することができるので、滅菌装置(1)の効率を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。
−滅菌装置の構成−
この実施形態1は、過酸化水素蒸気によって医薬品製造室等となる処理室(2)内の滅菌処理を行う滅菌装置に関するものである。この滅菌装置(1)は、処理室(2)内の滅菌処理と該処理室(2)の空調とを実行可能に構成されている。図1に本実施形態の滅菌装置(1)の概略構成図を示す。
この滅菌装置(1)は、供給側流路(34)と排出側流路(33)と滅菌系統側回路(30)と空調系統側回路(10)とを備えている。この滅菌装置(1)は、3室の処理室(2a,2b,2c)に対して設けられている。供給側流路(34)及び排出側流路(33)は、各処理室(2a,2b,2c)に対して並列に接続されている。
供給側流路(34)は、供給側主流路(59)と入口側流路(60a,60b,60c)とを備えている。供給側主流路(59)の一端は、2本に分岐しており、一方が滅菌側空調機(53)に接続され、他方が顕熱空調機(17)に接続されている。滅菌側空調機(53)側の流路には第1供給側バルブ(68)が設けられ、顕熱空調機(17)側の流路には第2供給側バルブ(69)が設けられている。供給側主流路(59)の他端も2本に分岐している。供給側主流路(59)の他端は共に供給側緩和室(46)の入口に接続されている。
供給側緩和室(46)内には、流入圧緩和手段である多孔管(70)が設けられている。多孔管(70)は、供給側緩和室(46)内において該供給側緩和室(46)の入口間に設けられている。つまり、多孔管(70)の両端には、供給側主流路(59)の他端がそれぞれ接続されている。
この実施形態1では、供給側主流路(59)からのガスを多孔管(70)の孔を通過させることで、供給側主流路(59)から流入するガスの流入圧が入口側流路(60)へ伝播することを緩和させている。また、供給側主流路(59)を2本に分岐させて供給側緩和室(46)に接続しているので、これによっても上記流入圧は緩和される。なお、流入圧緩和手段として布を供給側緩和室(46)の入口に設けてもよい。供給側主流路(59)からのガスが布を通過する際に上記流入圧が緩和される。
各入口側流路(60a,60b,60c)は、一端が供給側緩和室(46)に接続され、他端が各処理室(2a,2b,2c)の入口に接続されている。各入口側流路(60a,60b,60c)には、定風量装置(65a,65b,65c)が設けられている。この定風量装置(65a,65b,65c)は、バルブと風速センサとを備える装置であり、入口側流路(60a,60b,60c)の通過風量が一定になるように風速センサの計測値に基づいてバルブの開度が調節されている。また、各処理室(2a,2b,2c)の入口には、フィルタ機構としてHEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)(14)が設けられている。
この実施形態1では、供給側主流路(59)と入口側流路(60a,60b,60c)との間に供給側緩和室(46)が設けられているので、例えば処理室(2a)内の圧力が急に変化して該処理室(2a)へのガスの供給量が変化しても、その変化に対する供給側緩和室(46)内の圧力変化は比較的小さいので、他の処理室(2b,2c)へのガスの供給量はそれほど変化せず、その他の処理室(2b,2c)内の圧力もそれほど変化しない。この供給側緩和室(46)は、処理室(2a,2b,2c)の相互間の圧力変化の影響を緩和させる役割を果たしている。
排出側流路(33)は、排出側主流路(61)と出口側流路(62a,62b,62c)とを備えている。排出側主流路(61)の一端は、排気ファン(55)に接続されている。排出側主流路(61)の他端は、2本に分岐しており、共に排出側緩和室(47)の出口に接続されている。
各出口側流路(62a,62b,62c)は、一端が各処理室(2)の出口に接続され、他端が排出側緩和室(47)に接続されている。各出口側流路(62a,62b,62c)には、処理室(2a,2b,2c)の室内の圧力を調節するための室圧調節バルブ(66a,66b,66c)が設けられている。各処理室(2a,2b,2c)の出口には、HEPAフィルタ(14)が設けられている。
この実施形態1では、排出側主流路(61)と出口側流路(62a,62b,62c)との間に排出側緩和室(47)が設けられているので、例えば処理室(2a)内の圧力が急に変化して該処理室(2a)からのガスの排出量が変化しても、その変化に対する排出側緩和室(47)内の圧力変化は比較的小さいので、他の処理室(2b,2c)からのガスの排出量はそれほど変化せず、その他の処理室(2b,2c)内の圧力もそれほど変化しない。この排出側緩和室(47)は、供給側緩和室(46)と同様に、処理室(2a,2b,2c)の相互間の圧力変化の影響を緩和させる役割を果たしている。
なお、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とは、例えば処理室(2)の天井裏など処理室(2)の天井や壁を構成する部材を利用できる場所に設けるのが好適である。
供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)との間には、処理室(2)をバイパスするバイパス流路(72)が設けられている。バイパス流路(72)には、開度可変なバルブ機構である圧力差調節バルブ(73)が設けられている。
このバイパス流路(72)は供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とを接続しているので、該供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)との圧力差は概ね一定に保持されている。従って、室圧調節バルブ(66a)の調節によって例えば処理室(2a)からのガスの排出量を変化させた場合、その変化に対して供給側緩和室(46)内と排出側緩和室(47)内の圧力が共に変化するので、個々の緩和室(46,47)内の圧力変化が緩和される。よって、排出側緩和室(47)内の圧力変化が緩和されるので、他の処理室(2b,2c)からのガスの排出量の変化が緩和され、他の処理室(2b,2c)内の圧力変動も緩和される。このバイパス流路(72)と供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とは、室圧緩和手段(23)を構成している。
滅菌系統側回路(30)は、主流路(78)と過酸化水素発生流路(77)と過酸化水素分解流路(35)と戻し用流路(37)と排気用流路(54)とを備えている。主流路(78)は、一端が滅菌側空調機(53)に接続され、他端が排気ファン(55)に接続されている。滅菌側空調機(53)は、上流側から順に、空気流入口(53a)、冷却コイル(53b)、電気ヒータ(53e)、給気ファン(53c)、及び空気流出口(53d)を有している。給気ファン(53c)は、空気流出口(53d)を介して供給側主流路(59)に接続されている。
主流路(78)には、上流側から順に過酸化水素分解流路(35)と戻し用流路(37)と過酸化水素発生流路(77)とが接続されている。戻し用流路(37)は、過酸化水素分解流路(35)から分岐している。すなわち、主流路(78)から過酸化水素分解流路(35)へ流入したガスが、戻し用流路(37)を経て主流路(78)へ戻るようになっている。
過酸化水素発生流路(77)は、主流路(78)側とは逆端が大気開放されている。過酸化水素発生流路(77)には、処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給する滅菌ガス発生機(58)が設けられている。主流路(78)側の風量と過酸化水素発生流路(77)側の風量の比率は、10:1程度になるように定められている。
滅菌ガス発生機(58)は、除湿器(57)と過酸化水素蒸気発生器(31)とを備えている。除湿器(57)は、室外から取り込んだ空気を除湿する。過酸化水素蒸気発生器(31)は、過酸化水素の水溶液を霧化等することにより発生させた過酸化水素蒸気を除湿器(57)で除湿された空気に付与する。除湿器(57)で室外空気を除湿するのは、低湿度の空気の方が過酸化水素が蒸発しやすいためである。
過酸化水素分解流路(35)は、主流路(78)側とは逆端が戻し用流路(37)と排気用流路(54)とに分岐している。排気用流路(54)は、過酸化水素分解流路(35)側とは逆端が大気開放されている。過酸化水素分解流路(35)には、Pt触媒により構成された過酸化水素分解器(36)が設けられている。
滅菌系統側回路(30)には、7つの滅菌ガス切換バルブ(45)が設けられている。具体的に、主流路(78)における過酸化水素分解流路(35)との接続部の上流側には、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)が設けられている。過酸化水素分解流路(35)における過酸化水素分解器(36)の上流側には、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)が設けられている。主流路(78)における過酸化水素分解流路(35)との接続部と戻し用流路(37)との接続部との間には、第3滅菌ガス切換バルブ(45c)が設けられている。戻し用流路(37)には、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)が設けられている。過酸化水素発生流路(77)における滅菌ガス発生機(58)の下流側には、第5滅菌ガス切換バルブ(45e)が設けられている。排気用流路(54)には、第6滅菌ガス切換バルブ(45f)が設けられている。
空調系統側回路(10)は、給気流路(11)と排気流路(28)と循環用流路(15)とを備えている。給気流路(11)は、空気の温度調節のみを行う顕熱空調機(17)に接続されている。また、給気流路(11)には、除湿器として構成された外気処理空調機(13)が設けられている。また、排気流路(28)は、主流路(78)における第1滅菌ガス切換バルブ(45a)の上流側に接続されている。給気流路(11)と排気流路(28)との間には、循環用流路(15)が接続されている。
外気処理空調機(13)は、回転する吸着ロータ(13d)を用いて空気を除湿するものである。外気処理空調機(13)は、ケーシング内が隔壁(13a)により第1通路(13b)と第2通路(13c)に分離されており、空気中の水分を吸脱着可能な吸着剤を担持したハニカム状の吸着ロータ(13d)が、上記隔壁(13a)に沿って設けられた回転軸(図示せず)を中心として回転可能に設けられている。
第1通路(13b)には、上流側から順に、外気取り入れ口(13e)、冷却コイル(13f)、吸着ロータ(13d)、給気ファン(13j)、及び給気口(13k)が設けられている。第2通路(13c)には、上流側から順に、外気取り入れ口(13e)、加熱コイル(13m)、吸着ロータ(13d)、及び排気口(13n)が設けられている。なお、第2通路(13c)には、図示しないが排気ファンが設けられている。また、外気取り入れ口(13e)と排気口(13n)とは、それぞれダクトが接続されている。外気取り入れ口(13e)側のダクトには、中性能フィルタ(20)が設けられている。
第1通路(13b)では、冷却コイル(13f)で冷却された外気(第1空気)中の水分が吸着ロータ(13d)に吸着され、該第1空気が除湿される。除湿された第1空気は、給気口(13k)より吹き出される。吸着ロータ(13d)は連続的または断続的に回転しており、水分を吸着した部分がやがて第2通路(13c)内へ移動する。第2通路(13c)では、外気(第2空気)が加熱コイル(13m)で加熱されてから吸着ロータ(13d)を通過することにより、該吸着ロータ(13d)が再生される。吸着ロータ(13d)の再生された部分は、さらに回転して第1通路(13b)側へ移動することにより、再び第1空気を除湿することができるようになる。
上記顕熱空調機(17)は、上流側から順に、空気流入口(17a)、冷却コイル(17b)、電気ヒータ(17e)、給気ファン(17c)、及び空気流出口(17d)を有している。この給気ファン(17c)は、空気流出口(17d)を介して供給側主流路(59)に接続されている。この給気ファン(17c)と滅菌側空調機(53)の給気ファン(53c)と排気ファン(55)と室圧調節バルブ(66a,66b,66c)とは、室圧調節手段(22)を構成している。
顕熱空調機(17)と外気処理空調機(13)と間には、中性能フィルタ(20)が設けられている。また、上記循環用流路(15)は、給気流路(11)における外気処理空調機(13)と中性能フィルタ(20)との間に接続されている。
空調系統側回路(10)には、2つの空調ガス切換バルブ(56)が設けられている。具体的に、排気流路(28)における主流路(78)との接続部と循環用流路(15)との接続部との間には、第1空調ガス切換バルブ(56a)が設けられている。排気流路(28)における循環用流路(15)との接続部の下流側には、第2空調ガス切換バルブ(56b)が設けられている。
−運転制御−
次に、この滅菌装置(1)の運転制御と具体的な運転動作に関して説明する。
滅菌装置(1)は、当該滅菌装置(1)の運転制御と処理室(2)内の圧力の調節とを行うコントローラ(50)を備えている。このコントローラ(50)は、準備運転と、滅菌運転と、希釈運転(第1希釈運転及び第2希釈運転)と、定常運転とを行うように構成されている。処理室(2)内の圧力の調節については後述する。
<準備運転>
準備運転は、処理室(2)の湿度を目標湿度にするための運転である。準備運転では、外気処理空調機(13)によって処理室(2)の湿度を低下させる。準備運転では、処理室(2)の目標湿度が相対湿度で20%以上で30%以下の所定値に設定される。この準備運転の空気の流れを図2に示す。
このとき、第2供給側バルブ(69)と空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b)とは開いた状態に設定する。一方、第1供給側バルブ(68)と滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)とは閉じた状態に設定する。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び排気ファン(55)を運転させると、外気処理空調機(13)で除湿された空気が顕熱空調機(17)を通過して温度調節される。顕熱空調機(17)で温度調節された低湿の空気は、供給側主流路(59)を経て供給側緩和室(46)へ流入する。供給側緩和室(46)へ流入した空気は、入口側流路(60a,60b,60c)から入口側のHEPAフィルタ(14)を通って各処理室(2a,2b,2c)に供給される。
処理室(2a,2b,2c)の空気は、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って出口側流路(62a,62b,62c)から排出側緩和室(47)へ流入する。排出側緩和室(47)へ流入した空気は、排出側主流路(61)を経て排気流路(28)へ流入する。排気流路(28)へ流入した空気は、その一部が循環用流路(15)から給気流路(11)へ戻って顕熱空調機(17)へ送られ、残りが排気流路(28)の出口から排気される。準備運転は、処理室(2)内の室温が25℃、相対湿度が目標湿度になるまで行われる。なお、各処理室(2a,2b,2c)内には、温度と湿度を検出するため、温度センサと湿度センサが設けられている。
<滅菌運転>
準備運転が完了すると、外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)を停止し、バルブ等の設定を切り換えて滅菌運転に移行する。滅菌運転は、滅菌ガス発生機(58)から処理室(2)へ過酸化水素蒸気を供給することによって、処理室(2)内の過酸化水素蒸気の濃度を目標濃度(例えば500ppm)にして、その濃度の状態を所定時間に亘って維持する運転である。滅菌運転では、滅菌ガス発生機(58)の運転制御が、処理室(2)内の過酸化水素蒸気の濃度が目標濃度に到達するまでの調整モードと、所定の濃度範囲(例えば、目標濃度−10%〜目標濃度+10%)を維持するための滅菌モードとに分けられており、各モードにおいて処理室(2)への過酸化水素上記の供給量が調節される。なお、処理室(2)内の過酸化水素蒸気の濃度を検出するため、処理室(2)内には過酸化水素濃度センサが設けられている(図示せず)。この滅菌運転時の空気の流れを図3に示す。
このとき、第2供給側バルブ(69)と空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b)とは閉じた状態に設定する。一方、第1供給側バルブ(68)は開いた状態に設定し、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)は第4滅菌ガス切換バルブ(45d)以外は開いた状態に設定する。
この状態で、滅菌ガス発生機(58)、滅菌側空調機(53)、及び排気ファン(55)を運転させると、室外から取り込まれた空気が滅菌ガス発生機(58)へ送り込まれる。滅菌ガス発生機(58)へ送り込まれた空気は、除湿器(57)で除湿された後に過酸化水素蒸気発生器(31)で過酸化酸素蒸気を付与される。そして、過酸化水素蒸気を含む空気(滅菌ガス)は、主流路(78)の空気と合流し、滅菌側空調機(53)で温度調節される。滅菌側空調機(53)で温度調節された滅菌ガスは、供給側主流路(59)を経て供給側緩和室(46)へ流入する。供給側緩和室(46)へ流入した滅菌ガスは、各入口側流路(60a,60b,60c)から入口側のHEPAフィルタ(14)を通って各処理室(2a,2b,2c)に供給される。上述したように、主流路(78)を流れる風量と過酸化水素発生流路(77)を流れる風量の比率は、約10:1に設定されている。こうすることにより、過酸化水素蒸気を空気中で十分に拡散させ、ひいては処理室(2)内で均一に拡散させる効果を得ることができる。
処理室(2a,2b,2c)内の滅菌ガスは、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って各出口側流路(62a,62b,62c)から排出側緩和室(47)へ流入する。排出側緩和室(47)へ流入した滅菌ガスは、排出側主流路(61)を経て主流路(78)へ流入する。主流路(78)に流入した滅菌ガスは、一部がそのまま主流路(78)を流れて滅菌側空調機(53)を通過した後に各処理室(2a,2b,2c)へ供給され、残りが過酸化水素分解流路(35)へ流入する。過酸化水素分解流路(35)へ流入した滅菌ガスは、過酸化水素分解器(36)で滅菌ガス中の過酸化水素が分解された後に排気用流路(54)の出口から室外へ排出される。
なお、排気用流路(54)から処理室内の滅菌ガスを排出するのは、滅菌ガスの流入に伴う処理室(2)の室内圧力の上昇をコントロールするためである。排気用流路(54)から室外へ排出される空気の量、すなわち過酸化水素分解流路(35)の滅菌ガスの流量は、処理室(2)内に設けられた圧力センサ(5)の計測値に基づいて調節されるが、過酸化水素発生流路(77)の流量に概ね近い値となる。従って、過酸化水素分解器(36)に流入する滅菌ガスの流量は、主流路(78)に比べてかなり小さくなる。ここで、この滅菌装置(1)では、主流路(78)の流量に対応した分解能力を有する過酸化水素分解器(36)が用いられている。このため、滅菌運転において過酸化水素分解器(36)に流入する滅菌ガスは、高濃度ではあるが過酸化水素の量は少ないので、過酸化水素分解器(36)でその滅菌ガスの過酸化水素の濃度を室外へ排出可能なレベルにまで低下させることができる。
<希釈運転>
滅菌運転の完了後、処理室(2)内の過酸化水素の濃度は目標濃度に近い値になっている。この高濃度の状態では、処理室(2)内の滅菌ガスを過酸化水素分解器(36)に通過させて過酸化水素を分解しても、室外へ排出可能なレベルにまで過酸化水素の濃度を低下させることができない。そこで、処理室(2)内の過酸化水素の濃度が所定値(例えば10ppm)以下になるまでは、室外へ排気せずに処理室(2)内の過酸化水素蒸気の濃度を低下させる第1希釈運転を行う。
(第1希釈運転)
第1希釈運転では、滅菌ガス発生機(58)を停止して、滅菌側空調機(53)及び排気ファン(55)を運転させる。この第1希釈運転時の空気の流れを図4に示す。
このとき、滅菌運転と同様に、第2供給側バルブ(69)と空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b)とは閉じた状態に設定する。一方、第1供給側バルブ(68)は開いた状態に設定し、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)は第3滅菌ガス切換バルブ(45c)、第5滅菌ガス切換バルブ(45e)、及び第6滅菌ガス切換バルブ(45f)以外は開いた状態に設定する。
この状態で、滅菌側空調機(53)及び排気ファン(55)を運転させると、処理室(2)と過酸化水素分解器(36)との間で滅菌ガスが循環する際にその滅菌ガス中の過酸化水素が過酸化水素分解器(36)で分解される。第1希釈運転は、過酸化水素濃度センサによる検出値が所定値(10ppm)以下になるまで行われる。
なお、第1希釈運転時に処理室(2)の圧力が低下した場合には、滅菌ガス発生機(58)を停止した状態で第5滅菌ガス切換バルブ(45e)を開いて過酸化水素発生流路(77)から外気を導入して、処理室(2)内を所定圧力に維持する操作を行うことが可能である。
(第2希釈運転)
第2希釈運転は、過酸化水素蒸気の濃度を所定値(10ppm)よりもさらに低い値(1ppm)以下にするための運転である。第2希釈運転では、外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)を運転させてHEPAフィルタ(14)で処理をした無菌空気を処理室(2)へ供給しながら、その処理室(2)内の空気を過酸化水素分解器(36)を通して室外へ排出する。この第2希釈運転時の空気の流れを図5に示す。
このとき、第2供給側バルブ(69)は開いた状態に設定し、空調系統側回路(10)の各バルブ(56a,56b)は閉じた状態に設定する。一方、第1供給側バルブ(68)は閉じた状態に設定し、滅菌系統側回路(30)の各バルブ(45a,45b,45c,45d,45e,45f)は第3滅菌ガス切換バルブ(45c)、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)、及び第5滅菌ガス切換バルブ(45e)以外は開いた状態に設定する。
この状態で、外気処理空調機(13)、顕熱空調機(17)、及び排気ファン(55)を運転させると、外気処理空調機(13)と顕熱空調機(17)で温度と湿度が調節され、入口側のHEPAフィルタ(14)で浄化された無菌空気が各処理室(2a,2b,2c)に供給され、各処理室(2a,2b,2c)内で滅菌ガスと均一に混合する。希釈された滅菌ガスは、出口側のHEPAフィルタ(14)を通って各処理室(2a,2b,2c)から流出する。この滅菌ガスは、排出側主流路(61)等を経て過酸化水素分解流路(35)に流入する。過酸化水素分解流路(35)に流入した滅菌ガスは、その滅菌ガス中の過酸化水素が過酸化水素分解器(36)で分解され、排気用流路(54)の出口から室外へ排出される。
この第2希釈運転では、第1希釈運転とは異なり、過酸化水素分解器(36)を通過した空気を処理室(2)へ戻さないので、第1希釈運転に比べて短時間で処理室(2)内の過酸化水素の濃度を下げることが可能である。
<定常運転>
第2希釈運転が終了すると定常運転に移行する。定常運転は、処理室(2)内の換気及び室圧保持を行うための運転である。定常運転では、外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)により処理した外気を取り入れながらその処理室(2)内の空気を室外へ排出す。この定常運転では、外気処理空調機(13)及び顕熱空調機(17)の制御が処理室(2)の温度と湿度を設定値に維持するために行われる。それ以外は、準備運転と同じであるため説明は省略する。この定常運転時の空気の流れは図2の準備運転と同じである。定常運転を行うことで、処理室(2)の温度と湿度が設定値に維持されるとともに、無菌状態が維持される。
−処理室内の圧力の制御−
この滅菌装置(1)では、処理室(2)内への菌類の侵入と過酸化水素の処理室(2)外へ漏れと抑制するために、コントローラ(50)が処理室(2)内の圧力を調節する。コントローラ(50)は、処理室(2)内の圧力が外気よりも僅かに陽圧になるように(以下、この状態を「微陽圧」という)該処理室(2)内の圧力を調節する。過酸化水素蒸気を用いる滅菌装置では、他の滅菌装置に比べて処理室(2)内の圧力調節を厳密に行うことが要求される。
<運転開始時の室圧の制御>
滅菌装置(1)の運転開始後に処理室(2)内の圧力を微陽圧にするまでの手順について説明する。
滅菌装置(1)の準備運転が開始されると、コントローラ(50)は、まず供給側緩和室(46)内の圧力が一定になるように顕熱空調機(17)の給気ファン(17c)の回転数を調節する。具体的に、供給側緩和室(46)内の圧力は、給気ファン(17c)の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ(図示せず)の検出値に基づいて調節される。コントローラ(50)は、吐出圧力センサの検出値が一定になるように給気ファン(17c)のインバータの出力周波数を制御してその回転数を調節する。
次に、給気ファン(17c)の吐出圧力センサの検出値が一定になると、コントローラ(50)は、処理室(2)内の圧力が所定値(ゲージ圧で5〜10Pa)になるように室圧調節バルブ(66a,66b,66c)の開度を調節する。室圧調節バルブ(66a,66b,66c)の開度は、処理室(2)内の圧力センサ(5)の検出値に基づいて調節される。
次に、圧力センサ(5)の検出値が所定値になると、コントローラ(50)は、排出側緩和室(47)内の圧力が一定になるように排気ファン(55)の回転数を調節する。具体的に、排出側緩和室(47)内の圧力は、排気ファン(55)の吸入圧力センサ(図示せず)の検出値に基づいて調節される。コントローラ(50)は、吸入圧力センサの検出値が一定になるように排気ファン(55)のインバータの出力周波数を制御してその回転数を調節する。上記動作により、処理室(2)内は微陽圧の状態に調節されて維持される。
なお、準備運転の開始時からではなく滅菌運転の開始時から処理室(2)内を微陽圧に調節するようにしてもよい。この場合は、供給側緩和室(46)内の圧力を一定にするために、滅菌側空調機(53)の給気ファン(53c)の回転数を調節する。
<運転中の室圧の制御>
滅菌装置(1)の運転中に例えば処理室(2a)で室内の圧力に乱れが生じた場合に、その処理室(2a)を元の微陽圧の状態に戻すまでの手順について説明する。
まず、コントローラ(50)は、処理室(2a)内の圧力が所定値(ゲージ圧で5〜10Pa)になるように室圧調節バルブ(66a)の開度を調節する。処理室(2a)内の圧力は、処理室(2a)内の圧力センサ(5)の検出値に基づいて調節される。
次に、圧力センサ(5)の検出値が所定値になると、コントローラ(50)は、排出側緩和室(47)内の圧力が一定になるように排気ファン(55)の回転数を調節する。排気ファン(55)の回転数は、吸入圧力センサの検出値が一定になるように調節される。
次に、排気ファン(55)の吸入圧力センサの検出値が一定になると、コントローラ(50)は、供給側緩和室(46)内の圧力が一定になるように給気ファン(17c,53c)の回転数を調節する。準備運転、第2希釈運転、及び定常運転では、コントローラ(50)は顕熱空調機(17)の給気ファン(17c)の回転数を調節する。滅菌運転、第1希釈運転では、コントローラ(50)は滅菌側空調機(53)の給気ファン(53c)の回転数を調節する。上記動作により、圧力に乱れが生じた処理室(2a)内は微陽圧の状態に戻される。なお、この滅菌装置(1)では、処理室(2a)で室内の圧力に乱れが生じても他の処理室(2b,2c)での圧力変化は小さいので、その他の処理室(2b,2c)内の圧力は室圧調節バルブ(66b,66c)等を微調節するだけで元に戻すことが可能である。
また、例えば準備運転から滅菌運転に移行する時や、第1希釈運転から第2希釈運転に移行する時などは、滅菌側空調機(53)の給気ファン(53c)と顕熱空調機(17)の給気ファン(17c)との切り換えが行われる。この実施形態1では、供給側緩和室(46)があるために、このファン(17c,53c)の切り換えに伴う処理室(2)内の圧力変動が緩和される。但し、この切り換えの際に、コントローラ(50)は一方の給気ファン(17c,53c)の回転数を徐々に減少させて他方の給気ファン(17c,53c)の回転数を徐々に増加させた方がよい。これにより、供給側緩和室(46)内の圧力変動が抑制され、処理室(2)内の圧力変動がさらに緩和される。
−実施形態1の効果−
本実施形態1では、供給側主流路(59)と入口側流路(60)との間に供給側緩和室(46)を設け、さらに排出側主流路(61)と出口側流路(62)との間に排出側緩和室(47)を設けることによって、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和されるようにしている。従って、処理室(2)内の圧力が自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくくなり、自室で圧力に乱れが生じない限り室圧調節手段(22)が調節する圧力に概ね維持される。すなわち、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)によれば、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。よって、処理室(2)外からの菌類の侵入や過酸化水素の処理室(2)外への漏れを抑制することができるので、滅菌装置(1)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態1では、供給側主流路(59)からのガスを多孔管(70)の孔を通過させることで、供給側主流路(59)からのガスの流入圧が入口側流路(60)を介して処理室(2)へ伝播することを緩和させている。すなわち、供給側主流路(59)のガスの風量が変化して供給側緩和室(46)におけるガスの流入圧が変化しても、処理室(2)内の圧力はその流入圧の変化の影響を受けにくい。従って、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
また、本実施形態1では、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)との圧力差をバイパス流路(72)によって概ね一定に保持することによって、室圧調節バルブ(66)の調節によって処理室(2)からのガスの排出量が変化しても、排出側緩和室(47)内の圧力変化を緩和させて他の処理室(2)内の圧力変動が緩和されるようにしている。つまり、バイパス流路(72)を設けることで、室圧調節バルブ(66)によって処理室(2)内の圧力を調節する際に、他の処理室(2)内の圧力はその調節の影響を受けにくくなる。従って、各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。
また、本実施形態1では、圧力差調節バルブ(73)によってバイパス流路(72)側の風量と処理室(2)側に風量との比率を調節することができるようにしている。従って、バイパス流路(72)側の風量と処理室(2)側の風量との比率を適正な状態に設定することができるので、滅菌装置(1)の効率を向上させることができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。
−全体の構成−
図6に本実施形態2の滅菌装置(1)の概略構成図を示す。この滅菌装置(1)は、空調系統側回路(10)と滅菌系統側回路(30)とを備えている。
空調系統側回路(10)は、外気の温度と湿度を調節するとともに、処理室(2)に給気流路(11)と還気流路(12)を介して接続された外気処理空調機(13)を備えている。給気流路(11)から処理室(2)への空気の入口と、処理室(2)から還気流路(12)への空気の出口には、HEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)(14)が設けられている。
還気流路(12)と給気流路(11)との間には循環用流路(15)が接続されており、給気流路(11)の一部と還気流路(12)の一部と循環用流路(15)とにより、処理室(2)の空気が循環する空調側循環流路(16)が構成されている。この空調側循環流路(16)には、給気側に空気の温度調節のみを行う顕熱空調機(17)が設けられ、排気側に空気を循環させる循環ファン(18)が設けられている。また、循環用流路(15)と給気流路(11)の合流箇所にはミキシングチャンバ(19)が設けられている。
滅菌系統側回路(30)では、過酸化水素蒸気発生器(31)を備えた滅菌側循環流路(32)が上記処理室(2)に接続されている。過酸化水素蒸気発生器(31)は過酸化水素発生流路(77)に設けられ、過酸化水素発生流路(77)が滅菌側循環流路(32)に対して並列に設けられている。滅菌側循環流路(32)側の風量と過酸化水素発生流路(77)側の風量の比率は、10:1程度になるように定められている。
滅菌側循環流路(32)は、給排気ファン(74)の下流側の供給側流路(34)と、該給排気ファン(74)の上流側の排出側流路(33)から構成されている。滅菌側循環流路(32)には、過酸化水素発生流路(77)の上流側で分岐する過酸化水素分解流路(35)が接続されている。この過酸化水素分解流路(35)には過酸化水素分解器(36)が設けられている。過酸化水素分解流路(35)における過酸化水素分解器(36)の下流側は、供給側流路(34)に合流する戻し用流路(37)と、外気処理空調機(13)の還気流路(12)に合流する還気側連流路(38)とに分岐している。供給側流路(34)は、処理室(2)の入口側のHEPAフィルタ(14)に接続されている。排出側流路(33)は、処理室(2)の出口側のHEPAフィルタ(14)に接続されている。
−詳細な構成−
次に、滅菌装置(1)の構成の詳細について説明する。
<空調系統側回路>
まず、空調系統側回路(10)の構成について説明する。
外気処理空調機(13)は、上記実施形態1のものと同様に、回転する吸着ロータ(13d)を用いて空気を除湿するものである。ケーシング内の第1通路(13b)には、上流側から順に、第1外気取り入れ口(13e)、第1冷却コイル(13f)、吸着ロータ(13d)、第2冷却コイル(13g)、第1加熱コイル(13h)、加湿器(13i)、給気ファン(13j)、及び給気口(13k)が設けられている。第2通路(13c)には、第2外気取り入れ口(13l)、第2加熱コイル(13m)、吸着ロータ(13d)、及び排気口(13n)が設けられている。排気口(13n)は、図示しない排気ファンに接続されている。
外気処理空調機(13)とミキシングチャンバ(19)との間の給気流路(11)には、中性能フィルタ(20)と、第1給気切換ダンパ(21a)とが設けられている。上記顕熱空調機(17)は、給気流路(11)におけるミキシングチャンバ(19)の下流側に設けられている。この顕熱空調機(17)は、上流側から順に、空気流入口(17a)、冷却コイル(17b)、給気ファン(17c)、及び空気流出口(17d)を有している。
給気流路(11)は、各処理室(2a,2b,2c)に対応して3本の給気管(11a,11b,11c)に分岐している。各給気管(11a,11b,11c)には、給気側気密ダンパ(23a,23b,23c)が設けられている。
還気流路(12)は、各処理室(2a,2b,2c)に対応して3本の還気管(12a,12b,12c)に分岐している。各還気管(12a,12b,12c)には、上流側から還気側気密ダンパ(24a,24b,24c)と室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)とが設けられている。
還気流路(12)には、各還気管(12a,12b,12c)の合流箇所の下流側に上記循環ファン(18)が設けられている。また、還気流路(12)における循環ファン(18)と循環用流路(15)との間には還気調節ダンパ(26)が設けられ、該還気流路(12)における循環用流路(15)と外気処理空調機(13)の間には還気切換ダンパ(27)が設けられている。
外気処理空調機(13)の還気流路(12)は、循環ファン(18)と還気調節ダンパ(26)の間で分岐した排気流路(28)が設けられている。この排気流路(28)には、排気調節ダンパ(29)が設けられている。
<滅菌系統側回路>
次に滅菌系統側回路(30)の構成について説明する。
滅菌側循環流路(32)は、上述したように、供給側流路(34)と排出側流路(33)から構成されている。供給側流路(34)は、室圧調節手段(22)である給排気ファン(74)と供給側緩和室(46)とを接続する供給側主流路(59)と、該供給側緩和室(46)と各処理室(2)とを接続する入口側流路(60a,60b,60c)とを備えている。排出側流路(33)は、排出側緩和室(47)と給排気ファン(74)とを接続する排出側主流路(61)と、各処理室(2)と排出側緩和室(47)とを接続する出口側流路(62a,62b,62c)とを備えている。
供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とは、室圧緩和手段(23)を構成している。なお、上記実施形態1と同様に、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とを接続するバイパス流路(72)を室圧緩和手段(23)として設けてもよい。
各入口側流路(60a,60b,60c)には給気側ガスバルブ(42a,42b,42c)が設けられ、出口側流路(62a,62b,62c)には還気側ガスバルブ(43a,43b,43c)が設けられている。供給側主流路(59)には、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)が設けられている。上記過酸化水素蒸気発生器(31)を備えた過酸化水素発生流路(77)は、第1滅菌ガス切換バルブ(45a)と供給側緩和室(46)との間において供給側主流路(59)と並列に接続されている。
給排気ファン(74)と第1滅菌ガス切換バルブ(45a)の間には上記過酸化水素分解流路(35)の一端が接続されている。過酸化水素分解流路(35)の他端は、供給側主流路(59)における過酸化水素発生流路(77)の下流端と供給側緩和室(46)との間に接続する戻し用流路(37)と、還気流路(12)における還気切換ダンパ(27)の下流に接続する還気側連流路(38)とに分岐している。過酸化水素分解流路(35)には、その上流側から順に、第2滅菌ガス切換バルブ(45b)、及び過酸化水素分解器(36)が設けられている。戻し用流路(37)には、第3滅菌ガス切換バルブ(45c)が設けられている。還気側連流路(38)には、第4滅菌ガス切換バルブ(45d)が設けられている。
上記外気処理空調機(13)の給気流路(11)は、中性能フィルタ(20)と第1給気切換ダンパ(21a)の間で上記給気側連流路(39)に分岐している。この給気側連流路(39)は、排出側主流路(61)における排出側緩和室(47)と給排気ファン(74)との間に接続されている。この給気側連流路(39)には、第2給気切換ダンパ(21b)が設けられている。
−実施形態2の効果−
本実施形態2では、供給側主流路(59)と入口側流路(60)との間に供給側緩和室(46)を設け、さらに排出側主流路(61)と出口側流路(62)との間に排出側緩和室(47)を設けることによって、処理室(2)の相互間の圧力変化の影響が緩和されるようにしている。従って、処理室(2)内の圧力が自室以外の処理室(2)内での圧力変化の影響を受けにくくなり、自室で圧力に乱れが生じない限り室圧調節手段(22)が調節する圧力に概ね維持される。すなわち、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とによって各処理室(2)内の圧力を安定化させることができる。よって、処理室(2)外からの菌類の侵入や過酸化水素の処理室(2)外への漏れを抑制することができるので、滅菌装置(1)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態2の変形例−
図7に示す実施形態2の変形例について説明する。この実施形態では、空調系統側回路(10)にも、室圧緩和手段(23)である供給側緩和室(46b)及び排出側緩和室(47b)が設けられている。
具体的に、空調系統側回路(10)の供給側緩和室(46b)は、給気流路(11)が3本の給気管(11a,11b,11c)に分岐する部分に設けられている。各給気管(11a,11b,11c)は入口側流路を構成し、顕熱空調機(17)と供給側緩和室(46b)との間の流路(59b)は、供給側主流路を構成している。
また、空調系統側回路(10)の排出側緩和室(47b)は、還気流路(12)が3本の還気管(12a,12b,12c)に分岐する部分に設けられている。各還気管(12a,12b,12c)は出口側流路を構成し、循環ファン(18)と排出側緩和室(47b)との間の流路(61b)は、排出側主流路を構成している。この循環ファン(18)と顕熱空調機(17)の給気ファン(17c)と室圧制御ダンパ(25a,25b,25c)とは、室圧調節手段(22)を構成している。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とが設けられているが、何れか一方のみでもよい。
上記実施形態では、すべての処理室(2a,2b,2c)を同時に滅菌する運転について説明したが、各処理室(2a,2b,2c)のうち2室を滅菌してもよいし、1室毎に滅菌してもよい。この場合、滅菌を行う処理室(2a,2b,2c)に応じてバルブの開閉をするとよい。また、処理室(2a,2b,2c)は3室に限らず、3室以外の複数室であってもよい。
また、上記実施形態について、滅菌装置(1)を1室の処理室(2)に対して設けてもよい。この場合、図8に示すように、処理室(2)と室圧調節バルブ(66)とをバイパスして供給側流路(34)と排出側流路(33)とを接続するバイパス流路(72)が設けられる。このバイパス流路(72)を設けることで、給気ファン(17c,53c)と室圧調節バルブ(66)とをそれぞれ調節して処理室(2)内の圧力を調節する際に、室圧調節バルブ(66)の調節が給気ファン(17c,53c)の吐出圧力に与える影響を緩和させることができる。従って、給気ファン(17c,53c)の吐出圧力が安定しやすくなるので、処理室(2)内の圧力のみに基づいて室圧調節バルブ(66)の調節を行うことが可能になり、処理室(2)内を速やかに適切な圧力に調節しやすくなる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、処理室へ過酸化水素蒸気を供給して該処理室の滅菌処理を行う滅菌装置について有用である。
本発明の実施形態1に係る滅菌装置の概略構成図である。 図1の滅菌装置における準備運転の空気の流れを示す図である。 図1の滅菌装置における滅菌運転の空気の流れを示す図である。 図1の滅菌装置における第1希釈運転の空気の流れを示す図である。 図1の滅菌装置における第2希釈運転の空気の流れを示す図である。 本発明の実施形態2に係る滅菌装置の概略構成図である。 本発明の実施形態2の変形例に係る滅菌装置の概略構成図である。 その他の実施形態に係る滅菌装置の概略構成図である。
符号の説明
1 滅菌装置
2 処理室
17c 給気ファン(室圧調節手段)
22 室圧調節手段
23 室圧緩和手段
31 過酸化水素蒸気発生器
33 排出側流路
34 供給側流路
53c 給気ファン(室圧調節手段)
46 供給側緩和室(室圧緩和手段)
47 排出側緩和室(室圧緩和手段)
55 排気ファン(室圧調節手段)
59 供給側主流路
60 入口側流路
61 排出側主流路
62 出口側流路
66 室圧調節バルブ(室圧調節手段)
70 多孔管(流入圧緩和手段)
72 バイパス流路(室圧緩和手段)
73 圧力差調節バルブ(バルブ機構)

Claims (7)

  1. 過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器(31)を用いて互いに並列に接続された複数の処理室(2)の滅菌処理を行う滅菌装置であって、
    処理室(2)へのガスの供給量と排出量とを調節することにより該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節手段(22)と、
    何れかの処理室(2)で室内の圧力に乱れが生じた場合に他の処理室(2)での室内の圧力変動を緩和させる室圧緩和手段(23)とを備えていることを特徴とする滅菌装置。
  2. 請求項1において、
    上記室圧調節手段(22)は、各処理室(2)へ向かうガスが流通する供給側流路(34)の風量を調節する給気ファン(17c,53c)を備え、
    上記供給側流路(34)は、上記給気ファン(17c,53c)に接続された供給側主流路(59)と、各処理室(2)の入口に接続された入口側流路(60)とを備える一方、
    上記室圧緩和手段(23)は、上記供給側主流路(59)と上記入口側流路(60)とが接続された供給側緩和室(46)を備えていることを特徴とする滅菌装置。
  3. 請求項2において、
    上記供給側緩和室(46)には、上記供給側主流路(59)から流入するガスの流入圧が上記入口側流路(60)へ伝播するのを緩和させる流入圧緩和手段(70)が設けられていることを特徴とする滅菌装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つにおいて、
    上記室圧調節手段(22)は、各処理室(2)から流出したガスが流通する排出側流路(33)の風量を調節する排気ファン(55)を備え、
    上記排出側流路(33)は、上記排気ファン(55)に接続された排出側主流路(61)と、各処理室(2)の出口に接続された出口側流路(62)とを備える一方、
    上記室圧緩和手段(23)は、上記排出側主流路(61)と上記出口側流路(62)とが接続された排出側緩和室(47)を備えていることを特徴とする滅菌装置。
  5. 請求項4において、
    上記室圧調節手段(22)は、上記出口側流路(62)に設けられて、該出口側流路(62)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節バルブ(66)を備える一方、
    上記室圧緩和手段(23)は、処理室(2)をバイパスして上記供給側緩和室(46)と排出側緩和室(47)とを接続するバイパス流路(72)を備えていることを特徴とする滅菌装置。
  6. 過酸化水素蒸気を発生させる過酸化水素蒸気発生器(31)を用いて処理室(2)の滅菌処理を行う滅菌装置であって、
    処理室(2)の入口に接続された供給側流路(34)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する給気ファン(17c,53c)と、
    処理室(2)の出口に接続された排出側流路(33)に設けられて、該排出側流路(33)の風量を調節することによって該処理室(2)内の圧力を調節する室圧調節バルブ(66)と、
    上記室圧調節バルブ(66)と処理室(2)とをバイパスして上記供給側流路(34)と排出側流路(33)とを接続するバイパス流路(72)とを備えていることを特徴とする滅菌装置。
  7. 請求項5又は6において、
    上記バイパス流路(72)には、開度可変なバルブ機構(73)が設けられていることを特徴とする滅菌装置。
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