JP2007201139A - チャックの研磨方法および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の裏面へのパーティクル付着を大幅に低減することができるチャックの製造方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハ等の基板を真空吸着することによって固定保持するチャックを製造するときに、まず樹脂材料のインゴットから切削加工によってチャックの形状出しS1を行う。次に、切削後のチャックの表面を研磨するのであるが、このときに粒径1μm以下の研磨剤を使用して仕上げの表面研磨S2を行う。その後、アルコールや中性洗剤を使用してチャックの表面を洗浄S3した後、チャックの吸着面が非接触となるようにチャックケース中に収容S4する。そして、チャックを収容したチャックケースごと真空密閉S5する。
【選択図】図3
【解決手段】半導体ウェハ等の基板を真空吸着することによって固定保持するチャックを製造するときに、まず樹脂材料のインゴットから切削加工によってチャックの形状出しS1を行う。次に、切削後のチャックの表面を研磨するのであるが、このときに粒径1μm以下の研磨剤を使用して仕上げの表面研磨S2を行う。その後、アルコールや中性洗剤を使用してチャックの表面を洗浄S3した後、チャックの吸着面が非接触となるようにチャックケース中に収容S4する。そして、チャックを収容したチャックケースごと真空密閉S5する。
【選択図】図3
Description
本発明は、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する)を真空吸着することによって固定保持するチャックの研磨方法および製造方法に関する。
半導体や液晶ディスプレイなどの製品は、上記基板に対して洗浄、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、層間絶縁膜の形成、熱処理、ダイシングなどの一連の諸処理を施すことにより製造されている。これらの諸処理のうちには、例えば回転式レジスト塗布やエッジ露光のように、基板を回転させつつ行う処理も多く含まれている。基板を回転させるときには、スピンチャック(以下、単に「チャック」とする)によって基板を確実に固定保持する。基板を保持するチャックとして、例えば特許文献1には、半導体ウエハの裏面を真空吸着するタイプのものが開示されている。このような真空吸着タイプのチャックは、基板の裏面を吸着面に当接させた状態にて、吸着面の一部から真空吸引することによって該基板を固定保持する。
しかしながら、上記真空吸着タイプのチャックは、基板の裏面に多数のパーティクルを付着させてしまうという問題があった。真空吸着タイプのチャックは、樹脂材料を切削加工した後に特に吸着面を研磨することによって製作されるが、製作完了後の吸着面には樹脂に含まれる成分の粒子、加工時の削り粉や研磨材等の種々の異物が埋まった状態となっている。そして、そのような吸着面に基板の裏面が当接して真空吸引によって押圧されると、それら種々の異物がパーティクルとして付着することとなっていたのである。
従来は、パターンを形成しない基板の裏面に多少のパーティクルが付着したとしてもそれ程大きな問題として認識されていなかったが、近年はパターンの微細化の進展に伴って基板裏面にわずかなパーティクルを付着させることさえも極力防止することが強く望まれている。すなわち、近年はパターンの微細化に伴って露光時における焦点深度の精度がシビアなものとなりつつあるが、基板裏面にわずかでもパーティクルの如き異物が付いていると露光時の基板の高さ位置が微妙に狂い、その結果露光機の焦点ずれを生じることがある。このため、真空吸着タイプのチャックによって基板を保持するときにもパーティクルを極力残さないことが強く要望されているのである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の裏面へのパーティクル付着を大幅に低減することができるチャックの製造方法および研磨方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの製造方法であって、樹脂材料から切削加工によってチャックの形状出しを行う切削工程と、粒径1μm以下の研磨材を使用して前記チャックの表面を研磨する研磨工程と、前記チャックの表面を洗浄する洗浄工程と、前記チャックの吸着面が非接触となるように収納容器中に前記チャックを収容する収容工程と、を備える。
また、請求項2の発明は、基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの研磨方法であって、粒径1μm以下の研磨材を使用してチャックの表面を研磨している。
請求項1の発明によれば、粒径1μm以下の研磨材を使用してチャックの表面を研磨しているため、チャック表面を平滑にすることができ、その結果、当該チャックによって吸着保持した基板の裏面へのパーティクル付着を大幅に低減することができる。
また、請求項2の発明によれば、粒径1μm以下の研磨材を使用してチャックの表面を研磨しているため、チャック表面を平滑にすることができ、その結果、当該チャックによって吸着保持した基板の裏面へのパーティクル付着を大幅に低減することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる製造方法によって製作されたチャックの外観を示す斜視図である。また、図2は、チャックの縦断面図である。チャック10は、円板形状のプレート部20の下面側中心部に回転シャフト30を垂設して構成されている。チャック10は、導電性を有する樹脂材料に形成されており、本実施形態ではカーボン粒子を分散して含有するPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)にて形成されている。PEEK材にカーボン粒子を含有させて導電性を確保しているのは、チャック10によって保持される半導体ウェハWが高速回転することによって空気との摩擦により帯電するのを防止するためである。
円板形状のプレート部20の上面周縁部に沿って円環状の当接部21が形成されている。チャック10によって半導体ウェハWを吸着保持するときには、半導体ウェハWの裏面が当接部21に当接することによって、その裏面とプレート部20の上面との間に密閉空間が形成されることとなる。
プレート部20上面の当接部21によって囲まれる内側領域には複数の突起部22が凸設されている。複数の突起部22は、例えばプレート部20の回転中心を中心とする同心円状に配置される。プレート部20上面の底面23を基準とした複数の突起部22の高さと当接部21の高さとは等しくなるようにされている。
また、プレート部20上面の中心部(回転中心部)には、吸引口24が穿設されている。吸引口24は、回転シャフト30の中空部分と連通されている。当該中空部分は、チャック10が例えば回転式塗布処理ユニット(スピンコータ)等の処理ユニットに装着されたときに、真空吸引機構(例えば真空ポンプ)と連通接続されることとなる。半導体ウェハWの裏面をプレート部20の上面に当接(正確には当接部21および突起部22に当接)させた状態にて回転シャフト30の中空部分を真空吸引することにより、半導体ウェハWの裏面とプレート部20上面との間に形成された密閉空間から吸引口24を介して空気が排気され、当該密閉空間が負圧となって半導体ウェハWがプレート部20に真空吸着されることとなる。このときに、複数の突起部22のそれぞれも半導体ウェハWの裏面に当接しているため、真空吸着時に半導体ウェハWの中央部が凹状に撓むことが防止される。このようにして、半導体ウェハWはチャック10に真空吸着されて固定保持される。
次に、チャック10の製造方法について説明する。図3は、チャック10の製造手順を示すフローチャートである。まず、カーボン粒子を分散含有するPEEK材のインゴットから切削加工によって図1,2に示したような形状のチャックを切り出す(ステップS1)。すなわち、チャック10の形状出しは切削加工によって行われる。切削加工のみでは、チャック10の表面にカーボン粒子が露出していたり、加工時の削り屑が付着していたりする。特にチャック10の上面にこれらカーボン粒子や削り屑等の異物が付着していると、半導体ウェハWの裏面へのパーティクル付着の原因となることは既述した通りである。
そこで、チャック10の表面を研磨するのであるが、本実施形態においては、粒径3μmの研磨剤を使用して研磨した後、粒径1μm以下の研磨剤(例えば、粒径0.1μm)を使用して仕上げの表面研磨を行っている(ステップS2)。具体的には、粒径1μm以下のダイヤモンド砥粒を含むダイヤモンドスラリーを使用して仕上げの研磨を行っている。なお、粒径3μmの研磨材を使用した研磨についてもダイヤモンドスラリーによる研磨である。また、本明細書での「粒径」とは、スラリー中に含まれる粒径の分布の中心粒径のことである。
チャック10の研磨に際しては、表面に付着しているカーボン粒子や削り屑等の異物を除去するとともに、当接部21のエッジが丸くなったりしないようにすることが重要である。当接部21のエッジが丸くなるとチャック10の真空吸着機能が損なわれるおそれがあるためである。
チャック10の表面を研磨することによって、切削後に表面に露出していた異物は概ね取り除かれるが、なお研磨材等の微小な異物が付着していることもある。このため、次の工程としてチャック10の表面を洗浄するようにしている(ステップS3)。この洗浄工程では、例えばIPA(イソプロピルアルコール)を使用した脱脂のための洗浄および中性洗剤とスポンジとを使用した表面洗浄が行われる。ステップS3の洗浄によってチャック10の表面の異物はほぼ完全に取り除かれる。
その後、ステップS4に進んでチャック10をチャックケース50に収容し、さらにステップS5に進んでそのチャックケース50ごとビニール(塩化ビニル)袋に入れて真空密閉する。図4は、チャック10を収容したチャックケース50ごと真空密閉する様子を示す図である。
チャックケース50は、ケース本体51とケース蓋52とで構成されている。ケース本体51には、チャック10の回転シャフト30が嵌合する穴部53が形成されている。この穴部53に回転シャフト30を嵌め込んだ状態にてケース蓋52をケース本体51に装着することにより、チャックケース50内にチャック10を収容することができる。なお、ピン55によって穴部53に嵌め込んだチャック10を固定することが可能である。
穴部53に回転シャフト30を嵌め込んだ状態にてケース蓋52をケース本体51に装着しても、チャック10の上面(つまり吸着面)がチャックケース50の部材に接触することはない。すなわち、チャックケース50は、チャック10をその吸着面が非接触となるように収容することができる。このため、ステップS3の洗浄後にチャック10の上面が何かに接触して汚染されることが防止される。
そして、さらに本実施形態では、チャック10を収容したチャックケース50ごとビニール袋60内に真空密閉するようにしている。このため、チャック10の吸着面に外部雰囲気中に漂うパーティクルが付着することが防止され、チャック10を清浄な状態のまま保存することができる。
ところで、本実施形態の研磨工程(ステップS2)においては、粒径1μm以下の研磨剤を使用して仕上げの表面研磨を行っている。図5は、研磨剤の粒径によるパーティクル減少効果を示す図である。同図において、横軸に示すのは、研磨工程にて仕上げの表面研磨に使用する研磨材の粒径である。また、縦軸に示すのは、チャック10によって吸着した半導体ウェハWの裏面に付着していたパーティクルの数である。なお、図5の実線にて示しているのは粒径0.2μm〜0.3μmのパーティクル数であり、点線にて示しているのは粒径0.3μm〜0.5μmのパーティクル数であり、一点鎖線にて示しているのは粒径0.5μm〜1.0μmのパーティクル数である。
図5に示すように、仕上げの表面研磨を行う研磨剤の粒径が細かくなるほどチャック10によって吸着された半導体ウェハWの裏面に付着するパーティクル数も少なくなっており、特に粒径1.0μm以下の研磨剤を使用してチャック10の表面の研磨を行えばウェハ裏面へのパーティクル付着が大幅に低減している。例えば、仕上げの表面研磨を行う研磨剤の粒径が3.0μmの場合には、半導体ウェハWの裏面に0.2μm〜0.3μmの比較的小さなパーティクルが700個以上付着するのに対して、粒径0.1μmの研磨剤を使用して表面研磨を行えば付着するパーティクル数が60個程度にまで減少する。これは、仕上げの表面研磨を行う研磨剤の粒径が細かくなるほど、チャック10の表面もより平滑となって異物が付着しにくい状態になっていることによるものと考えられる。
そして、本実施形態においては、粒径1μm以下の研磨剤を使用して仕上げの表面研磨を行ったチャック10を洗浄した後に、さらに吸着面が非接触となるようにチャックケース50に収容しているため、チャック10の表面を清浄な状態のまま維持することができ、その結果、ウェハ裏面へのパーティクル付着低減効果を確実に得ることができるのである。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、チャック10の形状は図1,2に示したものに限定されず、回転シャフト30を有さない平板形状のプレート部20のみであっても良い。この場合、チャックケース50の形状もチャック10の形状に応じたものとし、チャック10にネジ穴を穿設して収容時にはチャック10をチャックケース50にネジ止めするようにする。
また、本発明に係る方法によって製造されるチャックの保持対象となる基板は半導体ウエハに限定されるものではなく、液晶ガラス基板であっても良い。
10 チャック
20 プレート部
21 当接部
22 突起部
24 吸引口
30 回転シャフト
50 チャックケース
W 半導体ウェハ
20 プレート部
21 当接部
22 突起部
24 吸引口
30 回転シャフト
50 チャックケース
W 半導体ウェハ
Claims (2)
- 基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの製造方法であって、
樹脂材料から切削加工によってチャックの形状出しを行う切削工程と、
粒径1μm以下の研磨材を使用して前記チャックの表面を研磨する研磨工程と、
前記チャックの表面を洗浄する洗浄工程と、
前記チャックの吸着面が非接触となるように収納容器中に前記チャックを収容する収容工程と、
を備えることを特徴とするチャックの製造方法。 - 基板を真空吸着することによって固定保持するチャックの研磨方法であって、
粒径1μm以下の研磨材を使用してチャックの表面を研磨することを特徴とするチャックの研磨方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006017466A JP2007201139A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | チャックの研磨方法および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006017466A JP2007201139A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | チャックの研磨方法および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007201139A true JP2007201139A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38455422
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2006017466A Pending JP2007201139A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | チャックの研磨方法および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007201139A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160029685A (ko) * | 2014-09-05 | 2016-03-15 | 가부시기가이샤 디스코 | 척 테이블 |
-
2006
- 2006-01-26 JP JP2006017466A patent/JP2007201139A/ja active Pending
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KR20160029685A (ko) * | 2014-09-05 | 2016-03-15 | 가부시기가이샤 디스코 | 척 테이블 |
JP2016058433A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 株式会社ディスコ | チャックテーブル |
KR102311569B1 (ko) | 2014-09-05 | 2021-10-08 | 가부시기가이샤 디스코 | 척 테이블 |
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