JP2007200997A - 半田ペースト及び半田付け方法 - Google Patents

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明徳 井下
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和俊 藤田
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Abstract

【課題】電子デバイスと配線基板との半田接着強度を強化する手段を得る。
【解決手段】電子デバイスを配線基板に接続するための半田であって、例えばSn−Ag(3%)−Cu(0.5%)の半田に、スペーサとして球形金属、樹脂製球体、あるいは導通した樹脂製球体の粒径を10μmから50μmとし、半田に対するスペーサの体積含有率を10%から30%としたスペーサを混入させた半田ペーストを構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面実装型(SMD)電子デバイスをプリント配線基板に半田付けする際に半田の厚みを一定にして接着強度のバラツキを防止する半田ペーストと、それを用いた半田付け方法に関するものである。
表面実装型パッケージは小型・低背、自動実装、EMI対策等に優れているため、近年では大半の電子部品に適用され、水晶振動子も例外ではない。最近では、水晶振動子の小型化、低背化への強い要求からパッケージの外形寸法が3.2mm×2.5mm×0.7mmから2.5mm×2.0mm×0.5mmへ、更に2.0mm×1.6mm×0.5mmへと小型化が図られている。
図3は、特許文献1に開示されている従来の表面実装型水晶振動子の構成を示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正面図、同図(c)は底面図である。なお、図3(a)ではパッケージ本体内の様子を示すために、パッケージ本体の上面に接合している金属蓋は省いている。表面実装型水晶振動子(以下、単に「水晶振動子」と称す)30は、パッケージ本体31の凹陥部に形成した内部の電極端子32a、32bに水晶振動素子33を載置し、水晶振動素子33の励振電極34から端部に延在するリード電極34a、34bと内部の電極端子32a、32bとを導電性接着剤35にて導通固定し、パッケージ本体31の上面に形成した接合面(メタライズ部)36と、金属製の蓋37とを気密接合して構成される。
パッケージ本体31は、図3(b)に示すように底部(ベース)セラミック層38に、側壁となるセラミック層39を積層することにより、凹陥部が形成され、該凹陥部に水晶振動素子を収容するように構成されている。そして、パッケージ本体31の外部底面には図3(c)に示すように、四隅に4個の電極端子40a、40b、40c、40dが設けられている。電極端子40a、40cはそれぞれ内部の電極端子32a、32bと導通されている。また、パッケージ本体31の側面四隅には円弧状の切欠部41が形成されており、外部底面から各切欠部41にかけて電極端子40a、40b、40c、40dが形成されている。
パッケージ本体31の側面四隅に切欠部41を形成すると、水晶振動子30を機器側のプリント配線基板に実装するときに、水晶振動子30の外部底面の電極端子40a、40b、40c、40dから切欠部41まで半田フィレットが形成され、半田付けの接着強度が強化される。電極端子40a、40cは水晶振動素子の励振電極に接続されているため、電極端子40a、40c側の切欠部41のメタライズは、底部セラミック層38の切欠部41のみに施すものとする。
上記ではパッケージ本体が2層で構成された例について説明したが、3層のセラミックパッケージ本体、あるいはそれ以上のセラミック層で構成されたセラミックパッケージ本体も用いられている。
水晶振動子とそれを搭載するプリント配線基板との半田付けの接着強度を改善する手段が特許文献2に開示されている。図4はパッケージ本体の底面図であって、底面の四隅に電極端子45a、45b、45c、45dを形成すると共に、長手方向の縁部に沿った位置で、それぞれ電極端子45a、45b、電極端子45c、45dのほぼ中間位置に補助端子46a、46bを設けている。水晶振動子をプリント配線基板に半田付けしたときに、温度変化による半田付け部にかかる応力は、プリント配線基板及びパッケージの材質の熱膨張係数、温度差、半田付け部の寸法の積に比例する。そこで、半田付け部の間隔寸法を小さくすることにより半田付け部にかかる応力が小さくなり、半田付けの強度が強化されることが開示されている。
パッケージ本体が小型化するとプリント配線基板と接続する面積が小さくなり、半田付けの接着強度が弱くなるおそれがある。そこで、特許文献3には、図5に示すように3層積層47、48、49のセラミックパッケージの底部セラミック層47に設けた切欠部47aを、他のそれぞれ2層48、49の切欠部48a、49aより大きくすることにより、プリント基板と切欠部47aとの半田付け面積を広くし、半田付け接着強度が増したと開示されている。
また、特許文献4には、パッケージ本体の底面に設けた外部電極端子の面積を大きくすることにより半田付け強度を強化する方法が開示されている。図6(a)に示すように、パッケージ本体50の底面の両側に端面電極51を有する一対の電極端子52a、52aを形成し、底面の面積に対する一対の電極端子52a、52aの面積を50%以上の占有率とする。また、蓋を金属製としてシーム溶接する場合には、図6(b)に示すように、パッケージ本体50の一方の対角方向の両端部に端面電極51を有す一対の電極端子53aを、他方の対角方向に両端部に一対の接地端子53cを形成する。そして、各一対ずつの電極端子53aと、接地端子53cの合計面積をパッケージ本体50の底面積に対して50%以上の占有率とする。このように、占有率を50%以上とすることにより、セット基板に対する水晶振動子の半田接着強度を高めることができると開示されている。
蓋が絶縁材で樹脂やガラス封止の場合には図6(c)に示すように、短手方向の中央両端に端面電極51を有する一対の端子電極54aを設ける。このようにすれば電極端子54a間の距離を、長手方向の両端に電極端子を設けた場合より、小さくすることができ、水晶振動子とセット基板との熱膨張係数差による歪みを軽減することができると開示されている。また、蓋を金属製としてシーム溶接する場合には、図6(d)に示すように端面電極51を有する一対の電極端子55aを、中央領域とした幅方向の対向する両側に設け、接地端子55cを含む補助端子55bを四隅に設ける例が開示されている。
水晶振動子のプリント配線基板への接着強度の改善ではないが、パッケージ本体内の電極端子に導電性接着剤を塗布し、その上に水晶振動素子を載置して、乾燥させる際に水晶振動素子の先端部が上下方向に振れて、水平に支持できない場合の解決手段が特許文献5に開示されている。図7は圧電振動片(水晶振動素子)60の基部付近61を拡大して示す断面図であり、圧電振動片60の接合構造を示している。図7において、パッケージ本体の第1の基板62に形成する電極部63は、タングステンメタライズ層の上に、ニッケルメッキ層、金メッキ層で形成されている。この電極部63上に、フィラの外形よりも大きなスペーサ64を混入させた導電性接着剤65を塗布し、それに圧電振動片60を載置したうえで、例えば上から加重して硬化することにより、水平を保つことが可能であると開示されている。スペーサ64は導電性、例えば鉄でよく、また非導電性、例えばガラス、樹脂製のビーズ等を使用することができる。スペーサ64の寸法は、は導電性接着剤65に含まれるフィラ(10μm)より大きく、30μmないし50μm程度の外形寸法が適していると開示されている。
また、特許文献6には、インクジェット記録ヘッドの接続構造が開示されており、半田バンプにコア入り半田ボールを使用することにより、コアが圧電素子の電極に接触して、圧電素子とフレキシブル配線基板との間隔が一定になるという効果があると開示されている。コア材としては球形の銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の導通部材を用いるも可能であるとしている。
特開2005−175520公報 特開2003−218259公報 特開2003−218265公報 特開2004−64701公報 特開2004−201211公報 特開2004−262190公報
しかしながら、図3に示す水晶振動子の半田接着強度を改善すべく、図4に示すように補助端子46a、46bを設けても、また、図5に示すように底部セラミック層47に設けた切欠部47aを他の層のそれより大きくしても、パッケージ本体とセット基板との間の半田層の厚さにバラツキがあると、半田接着強度が変動し、最近の接着強度要求を満たさないおそれがある。
また、図6に示すパッケージ本体では底部の電極端子の面積が大きく、水晶振動子の容量比を劣化させるおそれと、半田厚のバラツキによる半田接着強度のバラツキがある。特に、半田層が薄くなると、繰り返される熱衝撃のために、半田層に亀裂が生じるという問題があった。
また、特許文献6に開示されているように、コア材としてCu、あるいはNiの球体の表面にメッキ法によって半田を形成したコア入り半田ボールと、コアなし半田ボールを用いて配線基板と圧電素子を半田付けする方法は、インクジェット記録ヘッド等の精密機器には適しているものの、表面実装型水晶振動子の半田付けには高価過ぎるという問題があった。
本発明は、電子デバイスを配線基板に接続するための半田ペーストであって、半田ペースト材と、該半田ペースト材に混入したスペーサとから構成されている。従って、本発明の半田ペーストを用いて電子デバイスと配線基板との接続を行うようにすれば、半田の厚さをスペーサで決まる一定の厚さにできるので接着強度が大きくなるという利点がある。
また本発明は、材質が鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等の球形金属をスペーサとして半田に混入させた半田ペーストを構成するようにした。本発明の半田ペースを用いて電子デバイスと配線基板との接続を行うようにすれば、半田層の厚みが一定となり、接着強度が改善されるという効果がある。
また本発明は、スペーサが樹脂製球体、または導通する樹脂製球体を混入して半田ペーストを構成するようにした。本発明の半田ペースを用いて電子デバイスと配線基板との接続を行うようにすれば、上記同様、半田層の厚みが一定となり、接着強度が改善されるという効果がある。
また本発明はスペーサとして球形金属、樹脂製球体、あるいは導通した樹脂製球体を用いるときに、その粒径を10μmから50μmの範囲の粒径とした半田ペーストを構成するようにした。本発明の半田ペーストを用いて電子デバイスと配線基板とを接続すれば、所望の厚さの半田層が得られ半田の接着強度が向上するという効果がある。
また本発明はスペーサの体積含有率を10%から30%となるように構成した。本発明の半田ペーストを用いて電子デバイスと配線基板とを接続すれば、半田の接着強度が強化される。
また本発明の半田ペーストは、電子デバイスとして表面実装型水晶振動子、または水晶発振器を配線基板に搭載する際に用いるようにした。これにより、最近の厳しい環境条件、例えばヒートサイクル、振動・衝撃等にも耐用できるという効果がある。
また本発明の半田ペーストを配線基板に塗布し、該半田ペースト上に電子部品を載置したうえで、所定温度で所定時間加熱して前記電子部品を配線基板に半田付けを行うようにすれば、半田層がスペーサの粒径の厚さで一定となり、温度変化による応力が加わった場合にも半田層の間で歪みが緩和されて、亀裂が生ぜず、接着強度が向上するという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る半田ペーストを用いて表面実装型水晶振動子1の外部電極端子2を、セット側のプリント配線基板3のランド4に半田付けしたときの断面図である。外部電極端子2とランド4との間に、球形の金属スペーサ(以下、球形金属スペーサと称する)5が挟まれて、この球形金属スペーサ5の粒径に相当する一定厚の半田6の層が形成される。
本発明では、半田ペースト材と、半田ペースト材に混入した金属スペーサ5とから構成された半田ペーストを用いてランド4上に外部電極端子2をリフロー接続することにより、最終的に半田6と金属スペーサ5とから成る接続構造を実現している。半田ペースト材としては、例えばSn−3Ag−0.5Cu等が挙げられる。
一般的に、プリント配線基板のランドに半田ペーストを塗布したときの半田ペーストの厚みは約150μmで、この半田ペーストに表面実装型電気部品を載置してリフローを通すと、リフローを通した後の半田の厚みは約半分以下の厚さになるとされる。半田ペーストの塗布の仕方や、電子部品を載置する際の圧力の加わり方により、半田ペースト層の厚みがばらつき、リフローを通した後の半田層が大きくばらつく虞がある。また、表面実装型パッケージとプリント配線基板との半田付け強度を増すために、表面実装型パッケージの端面電極にフィレットを形成させる場合、そのフィレットの形状、大きさ等によりリフローを通した後の半田の厚みは変化する。
水晶振動子1とプリント配線基板3との半田付け強度のばらつきを少なくするには、水晶振動子の外部端子2とプリント配線基板3のランド4との間の半田の厚みを常に一定にすればよい。そこで、半田ペーストに一定の粒径の球形金属スペーサを混入させ、この球形金属スペーサ5の粒径によって半田の厚みを制御すればよいことを想致した。このように、半田6の層を所定の厚さに維持することにより、熱衝撃が加わった場合にパッケージとプリント配線基板との熱膨張係数の差によって生じる歪を半田層の中で緩和し、亀裂の発生を抑制することができる。
球形金属スペーサ5の材質としては電気伝導性に優れた、例えば銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の比較的安価な金属が望ましい。なお、本実施の形態では金属スペーサの一例として球形金属スペーサを例に挙げて説明したが、金属スペーサの形状は必ずしも球形である必要はなく、楕円体、立方体であっても良い。
また球形金属スペーサ5の代わりに樹脂ボール、金属膜でコーティングした樹脂ボール、金属フィラを混入させて導通を持たせた樹脂ボール等でも同様の効果がある。
球形金属スペーサあるいは樹脂ボールの粒径としては10μmから50μm程度がよく、半田ペーストに対する球形金属スペーサ、あるいは樹脂ボールの割合は、少なすぎると半田層の厚みが一定とならず、多すぎると接着強度が劣化するので、体積含有率で10%から30%の範囲が望ましい。
以上では水晶振動子とプリント配線基板との半田付けについて説明したが、小型電子デバイスにも適用でき、また、プリント配線基板以外の種々の基板にも適用できる。また、半田の種類は無数にあり、図2の示した合金組成(wt%)と液相温度(℃)はその数例である。(Sn(96.5%)、Ag(3%)、Cu(0.5%))半田は融点が約220度であり、プリント配線基板への電子部品の搭載に多く用いられている。
本発明のスペーサ入り半田ペーストを用いて表面実装型電子デバイスをプリント配線基板に半田付けする場合は、半田ペーストをプリント配線基板に塗布し、半田ペースト上に電子デバイス(電子部品)を載置したうえで、所定温度(例えば220度)で所定時間(例えば60秒)加熱して電子デバイスをプリント配線基板に半田付けすればよい。
図3〜図6に示したようなフットパターンのパッケージを用いた表面実装型電子デバイスに、本発明になる半田ペーストと上記製造法とを適用すれば、プリント基板と表面実装型電子デバイス、例えば表面実装型水晶振動子、表面実装型水晶発振器等との半田接合強度を大幅に改善することができるという効果がある。
本発明に係るスペーサ入り半田ペーストを用いて、プリント配線基板に水晶振動子を半田付けしたものの断面図である。 半田組成と液相温度を示す図である。 従来の水晶振動子の構造を示す概略図である。 従来のパッケージ本体の底面図である。 従来のパッケージ本体の角部拡大斜視図である 従来のパッケージ本体の底面図である。 従来の水晶振動素子基部の導通固定を示す要部拡大断面図である。
符号の説明
1 水晶振動子、2 電極端子、3 プリント配線基板、4 ランド、5 スペーサ、6 半田

Claims (7)

  1. 電子デバイスを配線基板に接続するための半田ペーストであって、
    半田ペースト材と、該半田ペースト材に混入したスペーサとから構成されていることを特徴とする半田ペースト。
  2. 前記スペーサが球形金属であることを特徴とする請求項1に記載の半田ペースト。
  3. 前記スペーサが樹脂製球体、または導通した樹脂製球体であることを特徴とする請求項1に記載の半田ペースト。
  4. 前記スペーサの粒径が10μmから50μmであることを特徴とする請求項1乃至3に記載の半田ペースト。
  5. 前記スペーサの体積含有率を10%から30%としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の半田ペースト。
  6. 前記電子デバイスが表面実装型水晶振動子又は水晶発振器であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の半田ペースト。
  7. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の半田ペーストを配線基板に塗布し、該半田ペースト上に電子部品を載置したうえで、所定温度で所定時間加熱して前記電子部品を配線基板に半田付けする半田付け方法。
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