JP2007200607A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な高圧大電流用のダイオードが少なく、電力損失が小さい放電灯点灯装置の提供。
【解決手段】直流電圧によるコンデンサC3の充電電圧が所定値以上のときに、スイッチング素子SW1が導通して、コンデンサC3及び変圧器T2の一次巻線による共振回路が形成され、その振動電圧で二次側回路に発生した電圧が、放電灯Lを点灯させる放電灯点灯装置。二次側回路は、コンデンサC6、ダイオードD4が直列接続され、二次巻線の一方向電流により充電される充電回路と、ダイオードD5、コンデンサC5が直列接続され、二次巻線の他方向電流により充電される他の充電回路とを備え、ダイオードD4,D5及び放電灯Lは、前記直流電圧が印加されるように直列に順接続され、コンデンサC6,C5及び放電灯Lは、前記直流電圧が印加されるように直列接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は,主に小型プロジェクタに用いられるHID(High Intensity Discharge)ランプ等の放電灯を点灯する為の放電灯点灯装置の改良に関するものである。
小型プロジェクタに用いられる放電灯を点灯する為の放電灯点灯装置としては、従来、特許文献1に記載されたものが知られている。この放電灯点灯装置では、数十kVのパルス状電圧を得る為に、トランス及びスイッチ回路等からなる昇圧回路の2段構成になっており、回路構成が大規模である。また、数十kVの高圧に耐える絶縁対策及び絶縁距離を必要としている他、トランスには直流電流が流れるので、巻線を太くする必要があり、大型化するという問題がある。
このような問題を回避するものとしては、特許文献2に開示された放電灯点灯回路が有る。この放電灯点灯回路は、図5に示すように、商用交流電源電圧を数百Vの直流電圧に昇圧整流し、放電灯Lのランプ電流を規定値に制限する安定器Baの出力側の正側端子及び負側端子間に、抵抗R1及びコンデンサC3が直列接続されている。抵抗R1を通じて充電されたコンデンサC3の両端子間電圧が所定電圧以上のときに、サイダックSW1(シリコン双方向電圧トリガ型スイッチ)がオンになって、コンデンサC3及びトランスT1の一次巻線による共振回路が形成される。
この共振回路による接地電位を基準とする減衰振動電圧で、トランスT1の二次巻線に直列接続されたコンデンサC1及びダイオードD1を備える充電回路が充電される。ダイオードD1は、アノードに安定器Baの数百Vの出力電圧が印加されており、この出力電圧とコンデンサC1の充電電圧との加算電圧が、放電灯Lの放電始動電圧に達すると、放電灯Lが放電し始め点灯する。放電灯Lが点灯している間は、放電灯Lの両端電圧は数十Vに低下するので、抵抗R1及びコンデンサC3の直列回路への印加電圧も数十Vに低下し、サイダックSW1がオンになることはない。
この放電灯点灯回路では、トランスの二次側にコンデンサC1を備えているので、高圧を保持することができ、放電灯Lにパルス状電圧ではなく、持続電圧を印加することができる。
ここで、放電灯Lを点灯する為には、一定のエネルギーが必要であり、この一定のエネルギーを電圧とその持続時間との積と考えることができる。この放電灯点灯回路では、印加電圧を持続できるので、印加電圧を2kV程度にまで下げることができる。その為、トランスが1段の構成で良く、部品点数を削減することが可能であり、また、必要な高圧用のダイオードも1個である。
しかし、この放電灯点灯回路では、トランスT1の二次巻線に発生する交流電流の一方向分のみで、充電回路を充電しており、交流電流の他方向分が無駄になっている。その為、放電灯点灯回路の出力電圧は、図6の出力波形に示すように、両方向電流で充電可能な場合に比べて1/2程度であるという問題がある。
このような問題を解決するものとしては、特許文献3に開示された点灯回路が有る。この点灯回路は、図7に示すように、トランスT1の一次側の構成は、安定器Baも含めて、特許文献2に開示された放電灯点灯回路(図5)と同様である。
この点灯回路では、トランスT1の二次巻線に直列接続されたコンデンサC4及びダイオードD2を備える充電回路と、トランスT1の二次巻線に直列接続されたコンデンサC2及びダイオードD3を備える他の充電回路とが、互いに異なる方向の電流により充電される。つまり、トランスT1の二次巻線の黒丸側がプラスのときは、D3→C2→T1の経路でコンデンサC2が充電され、二次巻線の黒丸側がマイナスのときは、C4→D2→T1の経路でコンデンサC4が充電される。
ダイオードD2,D3は、安定器Baの出力側の正側端子及び放電灯L間に、抵抗R2と共に、直列に順接続され、コンデンサC4,C2は、安定器Baの出力側の正側端子及び放電灯L間に、抵抗R2と共に、直列に接続されている。また、安定器Baの出力側の正側端子及び放電灯L間に、逆流防止用のダイオードD1が接続されている。
このような点灯回路では、安定器Baの数百Vの出力電圧と、コンデンサC4の充電電圧と、コンデンサC2の充電電圧との加算電圧が、放電灯Lに印加される。この加算電圧は例えば2kVの値となり、かつコンデンサによって保持される。この電圧と時間の積からなるエネルギーによって放電灯Lの内部に封入されているガスが絶縁破壊を起こし、放電し始め点灯する。
この点灯回路が、トランスの二次側にコンデンサC2,C4を備えているので、放電灯Lに持続電圧を印加できることは、特許文献2に開示された放電灯点灯回路(図5)と同様である。
この点灯回路では、トランスT1の二次巻線に発生する交流電流の両方向分で充電回路を充電しているので、無駄が無く、放電灯点灯回路の出力電圧は、図2の出力波形に示すように、図6に示す場合の2倍程度であり、両方向電流で充電可能な電圧に達している。
特開2005−203198号公報 特開2002−231473号公報 特開2004−303468号公報
上述した特許文献2に開示された点灯回路では、高圧大電流用のダイオードが1個で済むが、放電灯L始動時に得られる電圧は約1kVしかない。つまり、例えば2kVの電圧が必要であれば、特許文献3に開示された点灯回路のトランスと比較して、巻線を倍以上にするなどの対応が必要となる。
上述した特許文献3に開示された点灯回路では、1kVの出力が可能なトランスにて2kVの電圧を取り出すことが可能ではあるが、高圧大電流用のダイオードD1,D2,D3が3個必要であり、また、放電灯L点灯時に,ダイオードD1,D2,D3を経由して大電流が流れ、これによる電力損失が大きいという問題がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであり、必要な高圧大電流用のダイオードが少なく、電力損失が小さく、かつ効率よく高圧を発生することが可能な放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
本発明に係る放電灯点灯装置は、直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加され、該第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、前記第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成され、該共振回路による振動電圧で前記変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、前記二次側回路は、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、前記変圧器の二次巻線の一方向電流により充電される充電回路と、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、前記二次巻線の他方向電流により充電される他の充電回路とを備え、前記第1ダイオード、第2ダイオード及び前記放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列に順接続され、前記第2コンデンサ、第3コンデンサ及び前記放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列接続されていることを特徴とする。
この放電灯点灯装置では、直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加される。第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成される。共振回路による振動電圧で変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる。二次側回路は、充電回路が、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、変圧器の二次巻線の一方向電流により充電され、他の充電回路が、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、二次巻線の他方向電流により充電される。その一方、第1ダイオード、第2ダイオード及び放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列に順接続され、第2コンデンサ、第3コンデンサ及び放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列接続されている。
本発明に係る放電灯点灯装置は、直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加され、該第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、前記第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成され、該共振回路による振動電圧で前記変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、前記二次側回路は、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、前記変圧器の二次巻線の一方向電流により充電される充電回路と、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、前記二次巻線の他方向電流により充電される他の充電回路と、アノードに前記直流電圧が印加される第3ダイオードとを備え、前記第1ダイオード及び第2ダイオードは、前記第3ダイオードのカソード及び共通固定電位間に直列に逆接続され、前記第2コンデンサ及び第3コンデンサは、前記カソード及び前記共通固定電位間に直列接続され、前記放電灯は、前記カソード及び前記共通固定電位間に接続されていることを特徴とする。
この放電灯点灯装置では、直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加される。第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成される。共振回路による振動電圧で変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる。二次側回路は、充電回路が、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、変圧器の二次巻線の一方向電流により充電され、他の充電回路が、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、二次巻線の他方向電流により充電される。第3ダイオードがアノードに前記直流電圧が印加される。その一方、第1ダイオード及び第2ダイオードは、第3ダイオードのカソード及び共通固定電位間に直列に逆接続され、第2コンデンサ及び第3コンデンサは、第3ダイオードのカソード及び共通固定電位間に直列接続され、放電灯は、第3ダイオードのカソード及び共通固定電位間に接続されている。
本発明に係る放電灯点灯装置によれば、必要な高圧大電流用のダイオードを2個に削減でき、電力損失が小さい放電灯点灯装置を実現することができる。また、低電圧(数kV)で放電灯を点灯することが可能であり、部品点数の削減、及び絶縁距離を短くすることが可能となり、高圧を発生させるトランスのエネルギーを効率良く使用することができるので、トランスの小型化が可能となる。
本発明に係る放電灯点灯装置によれば、必要な高圧大電流用のダイオードを1個に削減でき、電力損失が小さい放電灯点灯装置を実現することができる。また、低電圧(数kV)で放電灯を点灯することが可能であり、部品点数の削減、及び絶縁距離を短くすることが可能となり、高圧を発生させるトランスのエネルギーを効率良く使用することができるので、トランスの小型化が可能となる。
以下に、本発明をその実施の形態を示す図面に基づき説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態1の構成を示すブロック図である。この放電灯点灯回路は、商用交流電源電圧を数百Vの直流電圧Viに昇圧整流し、放電灯Lのランプ電流を規定値に制限する安定器Baの、出力側の正側端子及び負側端子間に、抵抗R1及びコンデンサC3が直列接続されている。抵抗R1を通じて充電されたコンデンサC3の両端子間電圧(充電電圧)が所定電圧以上のときに、サイダックSW1(シリコン双方向電圧トリガ型スイッチ、スイッチング素子)がオンになって、コンデンサC3及びトランスT2の一次巻線による共振回路が形成される。
この共振回路による接地電位を基準とする減衰振動電圧で、トランスT2の二次巻線に発生する二次電流により、トランスT2の二次巻線に直列接続されたコンデンサC6及びダイオードD4を備える充電回路が充電される。また、トランスT2の二次巻線に発生する二次電流により、トランスT2の二次巻線に直列接続されたダイオードD5及びコンデンサC5を備える他の充電回路が充電される。その一方で、大電流高圧用のダイオードD4,D5は、安定器Baの出力側の正側端子及び放電灯Lの陽極端子間に、直列に順接続されている。また、コンデンサC6,C5は、コンデンサC5及び放電灯Lの互いの陽極端子が接続されるように、安定器Baの出力側の正側端子及び放電灯Lの陽極端子間に直列接続されている。放電灯Lの陰極端子は、安定器Baの出力側の負側端子(接地端子)に接続されている。
以下に、このような構成の放電灯点灯装置の動作を説明する。
図示しない電源スイッチがオンになると、安定器Baが商用交流電源電圧を数百Vの直流電圧Viに昇圧整流して出力する。この直流電圧Viで、コンデンサC3が抵抗R1を通じて充電され、コンデンサC3の両端子間電圧が所定電圧以上になると、サイダックSW1がオンになる。
サイダックSW1がオンになると、コンデンサC3及びトランスT2の一次巻線による共振回路が形成され、コンデンサC3及び一次巻線の時定数に基づき、接地電位を基準とする減衰振動電圧が発生する。
トランスT2の一次巻線に減衰振動電圧が発生すると、トランスT2の二次巻線に巻線比に応じて昇圧された減衰振動電圧が発生し、それによる交流電流が二次巻線に流れる。
トランスT2の二次巻線に発生した減衰振動電圧が、図1に示す二次巻線の黒丸側がプラスであるとき、二次電流は、コンデンサC6→ダイオードD4→二次巻線の経路Aで流れ、コンデンサC6が充電される。トランスT2の二次巻線に発生した減衰振動電圧が、二次巻線の黒丸側がマイナスであるとき、二次電流は、ダイオードD5→コンデンサC5→二次巻線の経路Bで流れ、コンデンサC5が充電される。
トランスT2の二次巻線に発生した減衰振動電圧が振動を繰り返す都度、コンデンサC6,C5は充電されて行き、安定器Baの出力電圧Vi、コンデンサC6の充電電圧、及びコンデンサC5の充電電圧の加算電圧は、図2の出力波形に示すように昇圧されて行く。この加算電圧と時間の積からなるエネルギーによって、放電灯Lに封入されているガスが絶縁破壊を起こし、放電灯Lが点灯を開始する。
放電灯Lが点灯している間は、経路C、つまり安定器→D4→D5→放電灯L→安定器の経路でランプ電流が流れる。点灯を開始した放電灯Lの両端電圧は数十Vに低下し、安定器Baの出力電圧Viも同様に低下するので、抵抗R1及びコンデンサC3の直列回路への印加電圧も数十Vに低下し、サイダックSW1がオンになることはない。従って、上記の加算電圧が昇圧されることもない。
点灯開始した放電灯Lは、およそ1分から2分で定常状態に落ち着く。このとき、放電灯Lに流れる電流(つまり経路Cに流れる電流)は、例えば定格200Wの放電灯Lの両端電圧が80Vであれば、電流は2.5Aとなる。本実施の形態1の放電灯点灯装置では、1kVを発生するトランスの巻線比で2kVの電圧を発生しながら、およそ1kVの耐圧を持ち、かつ2.5Aの電流を流すことができるダイオードが2個で済む。
(実施の形態2)
図3は、本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態2の構成を示すブロック図である。この放電灯点灯回路は、商用交流電源電圧を数百Vの直流電圧に昇圧整流し、放電灯Lのランプ電流を規定値に制限する安定器Baの、出力側の正側端子及び負側端子間に、抵抗R1及びコンデンサC3が直列接続されている。抵抗R1を通じて充電されたコンデンサC3の両端子間電圧(充電電圧)が所定電圧以上のときに、サイダックSW1がオンになって、コンデンサC3及びトランスT3の一次巻線による共振回路が形成される。
この共振回路による接地電位を基準とする減衰振動電圧で、トランスT3の二次巻線に発生する二次電流により、トランスT3の二次巻線に直列接続されたダイオードD6及びコンデンサC7を備える充電回路が充電され。また、トランスT3の二次巻線に発生する二次電流により、トランスT3の二次巻線に直列接続されたコンデンサC8及びダイオードD7を備える他の充電回路が充電される。
また、逆流防止の為の大電流高圧用のダイオードD1のアノードが安定器Baの出力側の正側端子に接続されている。
その一方で、コンデンサC7,C8は、コンデンサC7の陽極及びダイオードD1のカソードが接続されるように、ダイオードD1のカソード及び安定器Baの出力側の負側端子(接地端子)間に直列接続されている。また、ダイオードD6,D7は、ダイオードD1のカソード及び安定器Baの出力側の負側端子間に直列に逆接続されている。放電灯Lは、ダイオードD1のカソード及び安定器Baの出力側の負側端子間に接続されている。
以下に、このような構成の放電灯点灯装置の動作を説明する。
図示しない電源スイッチがオンになると、安定器Baが商用交流電源電圧を数百Vの直流電圧Viに昇圧整流して出力する。この直流電圧Viで、コンデンサC3が抵抗R1を通じて充電され、コンデンサC3の両端子間電圧が所定電圧以上になると、サイダックSW1がオンになる。
サイダックSW1がオンになると、コンデンサC3及びトランスT3の一次巻線による共振回路が形成され、コンデンサC3及び一次巻線の時定数に基づき、接地電位を基準とする減衰振動電圧が発生する。
トランスT3の一次巻線に減衰振動電圧が発生すると、トランスT3の二次巻線に巻線比に応じて昇圧された減衰振動電圧が発生し、それによる交流電流が二次巻線に流れる。
トランスT3の二次巻線に発生した減衰振動電圧が、図3に示す二次巻線の黒丸側がプラスであるとき、二次電流は、コンデンサC8→ダイオードD6→二次巻線の経路Eで流れ、コンデンサC8が充電される。トランスT3の二次巻線に発生した減衰振動電圧が、二次巻線の黒丸側がマイナスであるとき、二次電流は、ダイオードD6→コンデンサC7→二次巻線の経路Fで流れ、コンデンサC7が充電される。
トランスT3の二次巻線に発生した減衰振動電圧が振動を繰り返す都度、コンデンサC8,C7は充電されて行き、コンデンサC8の充電電圧及びコンデンサC7の充電電圧の加算電圧は、図4の出力波形に示すように昇圧されて行く。この加算電圧と時間の積からなるエネルギーによって、放電灯Lに封入されているガスが絶縁破壊を起こし、放電灯Lが点灯を開始する。
放電灯Lが点灯している間は、経路Gで電流が流れる。つまり、安定器→D1→放電灯L→安定器の経路である。放電灯Lの両端電圧は数十Vに低下し、安定器Baの出力電圧Viも同様に低下するので、抵抗R1及びコンデンサC3の直列回路への印加電圧も数十Vに低下し、サイダックSW1がオンになることはない。従って、上記の加算電圧が昇圧されることもない。
点灯開始した放電灯Lは、数分で定常状態に落ち着く。このとき、放電灯Lに流れる電流(つまり経路Cに流れる電流)は、例えば定格180Wの放電灯Lの両端電圧が60Vであれば、電流は3Aとなる。本実施の形態2の放電灯点灯装置では、1kVを発生するトランスの巻線比で2kVの電圧を発生しながら、およそ2kVの耐圧を持ち、かつ3Aの電流を流すことができるダイオードが1個で済む。ダイオードD6、D7は、各々1kVの耐圧は必要ではあるが、サイダックSW1がオフのとき、つまりランプが安定して点灯している状態では、電流が流れることはなく、安価で小型のものが使用可能であり、またロスが発生しない。
本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。 本発明に係る放電灯点灯装置の出力電圧の例を示す波形図である。 本発明に係る放電灯点灯装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。 本発明に係る放電灯点灯装置の出力電圧の例を示す波形図である。 従来の放電灯点灯装置の構成例を示すブロック図である。 従来の放電灯点灯装置の出力電圧の例を示す波形図である。 従来の放電灯点灯装置の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
A,B,C,E,F,G 経路
Ba 安定器
C3,C5.C6,C7,C8 コンデンサ
D1,D4,D5 (大電流高圧用の)ダイオード
D6,D7 ダイオード
L 放電灯
R1 抵抗
SW1 サイダック(スイッチング素子)
T2,T3 トランス(変圧器)

Claims (2)

  1. 直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加され、該第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、前記第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成され、該共振回路による振動電圧で前記変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、
    前記二次側回路は、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、前記変圧器の二次巻線の一方向電流により充電される充電回路と、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、前記二次巻線の他方向電流により充電される他の充電回路とを備え、前記第1ダイオード、第2ダイオード及び前記放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列に順接続され、前記第2コンデンサ、第3コンデンサ及び前記放電灯は、前記直流電圧が印加されるように直列接続されていることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 直列接続された第1抵抗及び第1コンデンサに直流電圧が印加され、該第1抵抗を通じて充電された第1コンデンサの両端子間電圧が所定電圧以上のときに、スイッチング素子が導通して、前記第1コンデンサ及び変圧器の一次巻線による共振回路が形成され、該共振回路による振動電圧で前記変圧器の二次側回路に発生した電圧が、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置において、
    前記二次側回路は、第2コンデンサ及び第1ダイオードが直列接続され、前記変圧器の二次巻線の一方向電流により充電される充電回路と、第2ダイオード及び第3コンデンサが直列接続され、前記二次巻線の他方向電流により充電される他の充電回路と、アノードに前記直流電圧が印加される第3ダイオードとを備え、前記第1ダイオード及び第2ダイオードは、前記第3ダイオードのカソード及び共通固定電位間に直列に逆接続され、前記第2コンデンサ及び第3コンデンサは、前記カソード及び前記共通固定電位間に直列接続され、前記放電灯は、前記カソード及び前記共通固定電位間に接続されていることを特徴とする放電灯点灯装置。
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