JP2007200375A - 光記録媒体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録層の厚み方向に広がる領域に複数のデータを記録することで三次元的に記録し記録層を厚くしても未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低く抑える、すなわちノイズを低減することができる光記録媒体を提供する。
【解決手段】厚みが200μm以上であり、色素1、2を含み、データを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体において、色素1、2が吸収しない波長λaにおける記録する前の記録層の吸光度が0.030以下である。
【選択図】図1
【解決手段】厚みが200μm以上であり、色素1、2を含み、データを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体において、色素1、2が吸収しない波長λaにおける記録する前の記録層の吸光度が0.030以下である。
【選択図】図1
Description
本発明は、データを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体及びその製造方法に関する。
現在使用又は検討されている高容量光記録媒体としては、デジタルバーサタイルディスク(DVD:Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu−Ray Disk)、ハイディフィニションDVD(HD DVD:High Definition DVD)等が挙げられる。しかし、これらの媒体の容量としては、最高でも100GB程度と考えられており、これ以上の容量を有する高容量光記録媒体として、ホログラフィックメモリや多層光メモリに代表される、データを三次元的に記録する(体積記録を行う)光記録媒体が検討されている。
ホログラフィックメモリや多層光メモリなどの体積記録をする光記録媒体は、記録層の面内方向だけでなく、記録層の三次元方向にわたり記録が行われることから、大容量化が可能である。ホログラフィックメモリでは、各種多重方法により、面内の同じ場所に何度も多重記録がなされる。多層光メモリでは、面内の同じ場所で多層の記録層それぞれに記録用のビットが形成される。
体積記録をする光記録媒体では、記録層が厚くなるに伴い入射した光が記録層を進む行程が長くなり、記録層の材料的なゆらぎなどにより、入射した光が散乱されることがある。ホログラフィックメモリにおいて、この散乱を低減することが課題となっているが(例えば、非特許文献1参照)、具体的にどの領域の散乱がどうS/Nやビットエラーレート(BER)に影響しているかは、まだよくわかっていない。
第6回光波シンセシス研究会 講演予稿集 P-22 (2003)
第6回光波シンセシス研究会 講演予稿集 P-22 (2003)
体積記録をする光記録媒体においては、未記録媒体の透過像のビットエラーレート低減、すなわちノイズの低減が重要である。未記録媒体の透過像のビットエラーレートと未記録媒体の散乱には相関があり、媒体の散乱の増加が未記録媒体の透過像のビットエラーレートを上昇させていることがわかった。
そこで、本発明は、三次元的に記録し記録層を厚くしてもビットエラーレートを低く抑えることができる光記録媒体を提供することを課題とする。
また、本発明は、三次元的に記録し記録層を厚くしてもビットエラーレートを低く抑えることができる光記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の光記録媒体は、厚みが200μm以上であり少なくとも1種類の色素を含み、データを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体において、前記色素が吸収をもたない長波長側の可視光の波長における記録する前の記録層の吸光度が0.030以下にすることを特徴とする。色素が光を吸収しない波長で吸光度を測定しているので、この波長で測定される吸光度は、光の吸収によるものではなく、光の散乱によるものである。さらに、この吸光度が未記録媒体の透過像のビットエラーレートと相関関係を有する、吸光度が0.030以下になることではじめて目的とする低ビットエラーレートを実現する光記録媒体を得ることができる。
また、本発明の光記録媒体の製造方法としては、データを三次元的に記録する記録層を構成する素材を溶解した溶液を生成し、この溶液をろ過し、ろ過された前記溶液を乾燥させて粉砕し、固化させて厚みが200μm以上の記録層を形成することを特徴とする。
本発明によれば、三次元的に記録し記録層を厚くしても未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低く抑えることができる光記録媒体を提供できる。
また、本発明によれば、三次元的に記録し記録層を厚くしても未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低く抑えることができる光記録媒体の製造方法を提供できる。
次に、本発明の実施の形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態においては、記録層の厚み方向に体積記録をする光記録媒体について説明し、具体的には、ホログラフィ(干渉)を用いて光情報を記録するホログラフィックメモリについて説明する。なお、本発明は、多層光メモリにも適用することができる。
本発明の実施の形態に係るホログラフィックメモリは、記録層を有している。また、必要に応じて、記録層の上下に光透過性基板を設けてもよい。
記録層には、周知のとおり、参照光と記録光とが記録層に照射されることによってデータである光情報が干渉縞として記録される。また同じ場所に異なる干渉縞を多数形成(多重記録)することにより、高容量化できる。多重方式としては、シフト多重方式や、角度多重方式、波長多重方式、位相コード多重方式、ポリトピック(Polytopic)多重方式、これらの組み合わせによる多重方式を用いることができる。例えば、角度多重方式であれば、多重記録しようとする各光情報の記録光ごとに、参照光の入射角度が変更される。具体的には、記録光および所定の入射角度に設定された参照光が記録層の記録箇所に照射されることによって記録層に干渉縞が形成される。
記録層に干渉縞が記録されると、記録層内において、干渉縞の明暗に沿って記録層の素材が変化したり、物質の移動が起こったりして、屈折率差や透過率差が生じることにより記録がなされる。現在、検討されている記録層の素材としては、フォトポリマ材料、屈折率変調用色素型材料、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料などが挙げられる。
フォトポリマ材料は、高回折効率が得られること、低ノイズであること、記録後に完全に定着すれば保存安定性が良好であることから、注目を集めており素材開発が進められている。典型的なフォトポリマ材料は、バインダ、重合性モノマ、増感色素、重合開始剤などを含有している。
バインダとモノマは屈折率の異なるものを使用する。記録時には記録層内に干渉縞の明部と暗部が形成される。干渉縞の明部においては、増感色素が励起し電子を放出し、放出された電子が重合開始剤に移動し、重合開始剤がラジカルもしくは酸を発生し、ラジカルもしくは酸がモノマに移動し、モノマの重合反応が行われる。この結果、干渉縞の明部では、隣接する暗部からも重合するモノマが集められ、モノマがリッチになり、干渉縞の暗部では、モノマが抜けるのに対応して、バインダがリッチになる。これらのモノマリッチとバインダリッチ部分の屈折率差で、干渉縞を記録している。
次に、例えば角度多重方式であれば、参照光の入射角度が変更されるとともに、この参照光が他の光情報を持つ記録光と干渉し、記録された記録箇所と同じ箇所に干渉縞が形成されることによって他の光情報が重ねて記録される。以下、同様に多重記録することにより記録層の1つの記録箇所に複数の光情報が記録されていく。
そして、1つの記録箇所への所定の光情報の多重記録が終了すると、記録層の他の記録箇所へ移動する。他の記録箇所と前述の記録箇所とは、一部が重なっていても、重なっていなくても良い。位置決めされた記録光および参照光は、複数の光情報を他の記録箇所に多重記録していく。
そして、記録層に対する所定の光情報の記録が終了すると、光情報の記録に使用されなかった重合性モノマは、レーザや白色光源で全面露光されて定着され、あるいは熱処理で定着される。
記録層に記録された光情報としてのホログラムは、周知のとおり、再生光が各記録箇所に照射されることによって生成する回折光として読み出される。例えば角度多重した媒体においては、各記録箇所に多重記録された複数の光情報のそれぞれは、各光情報が記録されたときの参照光の入射角度に設定された再生光が照射されることによって読み出される。
記録層は、光が照射されることによって光情報が記録される層であって、厚みが200μm以上、好ましくは0.2〜2.5mm、より好ましくは0.5〜2.5mmである。厚みを200μm以上にすることにより、ホログラフィックメモリの製品化の際に要求される多重記録の回数を満足することができる。また、2.5mm以下にすることにより、材料を削減でき、製品化の際にコストを削減することができる。
重合性モノマとしては、重合性基があれば特に限定はなく、例えば、ラジカル重合性モノマ、カチオン重合性モノマ、これらのモノマを併用したものが挙げられ、具体的には、エポキシ基、エチレン性不飽和基等の重合性基を含む化合物が挙げられる。重合性モノマは、これらの重合性基を分子内に1つ以上含んでいればよく、分子内に2つ以上の重合性基を含む重合性モノマは、それらの重合性基が異なるものでもよいし、同じものでもよい。
図1に示すように、増感色素1としては、記録光(参照光)の記録波長λbに吸収を有するものであれば特に制限はない。しかし反応は増感色素の密度(すなわち反応物質間の距離)に比例するため、記録波長λbにおける増感色素1の光吸収係数εが低いものを使用し、増感色素添加量を増感させることが好ましい。記録層の吸光度の測定を測定波長λaで行う。測定波長λaは、増感色素1が吸収しない長波長側の可視光の波長に設定する。そして、測定波長λaにおける記録する前の記録層の吸光度は、0.030以下とする。なお、この吸光度の値は、記録層の膜厚で補正していない。記録層に対して入射光の光量に対する透過光の光量の比に基づいている。したがって、記録層の膜厚が200μm以上であっても吸光度は0.030以下になっている。また、記録波長λbが532〜633nmであれば、測定波長λaは増感色素が吸収しない長波長側の可視光の波長750〜800nm、例えば780nmに設定すればよい。また、次世代に進み、記録波長λbが400〜450nmのような短波長側にシフトし増感色素の吸収スペクトルも短波長側にシフトすれば、測定波長λaも短波長側にシフトさせ、増感色素が吸収しない長波長側の可視光の波長500〜800nm、例えば650、780nmに設定すればよい。
増感色素の具体例としては、シアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、アゾメチン系、インドアニリン系、キサンテン系、クマリン系、ポリメチン系、ジアリルエテン系、フルギドフルオラン系、アントラキノン系、スチリル系等の公知の有機色素が挙げられる。また、これら以外にも増感色素としては、錯体色素が用いられても良い。
重合開始剤としては、ラジカル発生剤、酸発生剤等が挙げられる。
バインダとしては、例えば、塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、エチルセルロース、アセチルセルロース、ポリカーボネート等が挙げられる。なお、バインダの屈折率は、重合性モノマの重合物(ポリマ)の屈折率との差が大きなものが好ましい。ただし、屈折率の差が大きすぎるような組み合わせでは、バインダと重合性モノマとの相溶性が低下し、その結果として光の散乱が大きくなる場合があるため、適当な屈折率のバインダが求められる。
また、記録層は、必要に応じて、増感剤、光学的増白剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、連鎖移動剤、可塑剤、着色剤等のこの種の光記録媒体の記録層の形成に常用されるものを含んでいてもよい。
現在、検討されている記録層の素材の、フォトポリマ材料以外の素材としては、屈折率変調用色素型材料が挙げられる。屈折率変調用色素型材料は、干渉縞の明部において、屈折率変調用色素の発色反応または消色反応を起こし、干渉縞の暗部に対して、屈折率差や透過率差などの物性値の差を生じさせる。屈折率変調用色素型材料は、バインダ、増感色素、屈折率変調用色素と酸発生剤を有している。フォトポリマと同様に、干渉縞が生成されると、干渉縞の明部において、増感色素が励起し、電子が放出される。放出された電子は酸発生剤に移動し、酸発生剤より酸が発生する。この酸により屈折率変調用色素が消色反応により消色し、屈折率が変化する。あるいは、屈折率変調用色素が発色反応により発色し、屈折率が変化する。発色反応の場合は、屈折率変調用色素を特に色素前駆体と呼ぶ場合がある。また酸発生以外の機構で、発色や消色反応を起こさせてもよい。
図1に示すように、記録層は、増感色素1と屈折率変調用色素2を含んでいる。増感色素1としては、記録光(参照光)の記録波長λbに吸収を有するものであれば特に制限はない。しかし反応は増感色素の密度に比例するため、記録波長λbにおける増感色素1の光吸収係数εが低いものを使用し、増感色素添加量を増感させることが好ましい。増感色素1には、フォトポリマ材料に含まれる増感色素1と同じものを用いることができる。
図1に示すように、増感色素1としては、記録光(参照光)の記録波長λbに吸収を有するものであれば特に制限はない。しかし反応は増感色素の密度に比例するため、記録波長λbにおける増感色素1の光吸収係数εが低いものを使用し、増感色素添加量を増感させることが好ましい。記録層の吸光度の測定を測定波長λaで行う。測定波長λaは、増感色素1が吸収しない長波長側の可視光の波長に設定する。そして、測定波長λaにおける記録する前の記録層の吸光度は、0.030以下とする。なお、この吸光度の値は、記録層の膜厚で補正していない。記録層に対して入射光の光量に対する透過光の光量の比に基づいている。したがって、記録層の膜厚が200μm以上であっても吸光度は0.030以下になっている。また、記録波長λbが532〜633nmであれば、測定波長λaは増感色素が吸収しない長波長側の可視光の波長750〜800nm、例えば780nmに設定すればよい。また、次世代に進み、記録波長λbが400〜450nmのような短波長側にシフトし増感色素の吸収スペクトルも短波長側にシフトすれば、測定波長λaも短波長側にシフトさせ、増感色素が吸収しない長波長側の可視光の波長500〜800nm、例えば650、780nmに設定すればよい。
また、現在、検討されている記録層の素材としては、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料などが挙げられる。
ハロゲン化銀は、感度が高く、比較的解像度も高いが、湿式処理が必要でかつ煩雑であり、また、散乱が大きく、耐光性が劣るという問題を有する。そのため、メモリ用途としては、改善する余地が大きい。
重クロム酸ゼラチンは、回折効率が高く、低ノイズという特色を有するが、感度が低く、また、記録保存性が良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。
フォトリフラクティブ材料は、書き換え可能という特色を有するが、記録時に高電圧印加が必要で、記録保持性が良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。
フォトクロミック材料も、書き換え可能という特色を有するが、感度が極めて低く、記録保持性も良好でないため、メモリ用途としては、改善する余地がある。
そこで、ハロゲン化銀、重クロム酸ゼラチン、フォトリフラクティブ材料、フォトクロミック材料、フォトポリマ材料や屈折率変調用色素型材料など記録層の材料を組み合わせてもよい。例えば、発色反応あるいは消色反応を起こす屈折率変調用色素型材料と重合反応を起こすフォトポリマ材料を組み合わせることにより、屈折率変調用色素型材料に対しても定着を行うことが可能になり、容易に屈折率差を獲得できるので、記録層の素材としての適性を相乗的に獲得することができる。また、フォトリフラクティブ材料とフォトポリマ材料を組み合わせても、同様に、フォトリフラクティブ材料に対しても定着を行うことが可能になり、容易に屈折率差を獲得できるので、記録層の素材としての適性を相乗的に獲得することができる。なお、記録層は、記録方式に応じて熱重合性樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)で形成されたものであってもよい。
また、光記録媒体は、記録層を保持し保護するために、記録層の上下に光透過性基板を備えていてもよい。光透過性基板の厚みは、0.05〜1.2mm程度であればよい。光透過性基板の材料としては、例えば、ガラス等の無機物や、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アモルファスポリオレフィン等の樹脂が挙げられる。中でも、ガラス、ポリカーボネート、およびトリアセチルセルロースは、複屈折が小さいので好ましい。なお、光透過性基板は、同一の材料で形成されていても、あるいは異なる材料で形成されていてもよい。また、光透過性基板の表面には、反射防止コーティングや、酸素透過防止コーティング、水分透過防止コーティング、UVカットコーティング等が必要に応じて施されていてもよい。
本発明の実施の形態に係るホログラフィックメモリは、素材を溶解した溶液を生成する工程と、次にこの溶液をろ過する工程と、ろ過された前記溶液を乾燥させて固形物を生成する工程と、この固形物を粉砕したフレークを生成する工程と、このフレークを成型して厚みが200μm以上の記録層を形成する工程とを含む製造方法によって得ることができる。フレークを成型する方法としては、温度、圧力もしくは両方をかけてプレスを行ったり、材料をガラス状もしくは液体状に溶融して型に流しいれたりする成型方法が挙げられる。
ろ過に関しては、フィルタの径を変えることにより、散乱度合いを変えることができる。また、ろ過だけでなく、分散を強化(分散時間の増加、回転数の増加、分散メディアの充填率増加等)することによっても、散乱を低減できる。一方媒体においても、散乱防止剤として界面活性剤を添加したり、バインダや色素に相溶性を向上させるような基を導入したりすることにより、不揮発性オイルを添加したりすることにより、散乱を低減できる。これらの手法は、単独でもちいてもよいが、複数組み合わせて使用することで、より大きな効果が期待できる。
実施の形態に係るホログラフィックメモリによれば、未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低下させることができる。具体的には、ビットエラーレートを10−2未満にすることができる。未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低減させることで、ノイズの低い媒体を実現できる。しかし、ホログラフィックメモリにおいて、未記録媒体の透過像のビットエラーレートと相関する散乱の評価方法は提案されていなかった。
そこで、未記録媒体の透過像のビットエラーレートと相関する散乱の評価方法を確立した。散乱として、ビットエラーレートに影響を及ぼしている光の波長は、記録波長λbと同程度の大きさの波長であると考えられる。そこで、直接的には、記録波長λbの光を記録層に照射し、散乱する光を計測すればよいが、記録波長λbの光は増感色素1と屈折率変調用色素2によって吸収されてしまうので、散乱する光を正確に評価することができない。実施の形態では、増感色素1と屈折率変調用色素2によって吸収されない波長を測定波長λaとして選択している。測定波長λaの光を記録層に入射すると、色素による吸収がないので、反射光と透過光を入射光から引いた分が散乱光であると考えられる。これらのことからλaにおける吸光度が大きいほど散乱が多くなるという相関関係があると考えられる。このように、測定波長λaの吸光度を測定することにより、散乱の大きさを定量的に評価することができる。
次に、この散乱の評価方法を用いて、散乱の大きさと相関関係がある測定波長λaの吸光度と、未記録媒体の透過像のビットエラーレートとの関係を明らかにしている。複数のサンプルについて、吸光度と未記録媒体の透過像のビットエラーレートを測定することにより、測定波長λaの吸光度を0.030以下に設定すれば、未記録媒体の透過像のビットエラーレートを10−2以下にすることができることがわかった。
実施の形態によれば、記録層を厚くしても未記録媒体の透過像のビットエラーレートを低くできるホログラフィックメモリを提供できる。そして、複数のサンプルについて、吸光度と未記録媒体の透過像のビットエラーレートを測定する過程で、未記録媒体の透過像のビットエラーレートを0.030以下に下げる記録層の製造方法を確立している。また、実施の形態では、ホログラフィ(干渉)を用いて光情報を記録する光記録媒体について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、多層光メモリであってもよい。
次に、本発明の光記録媒体を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<光記録媒体の製造>
実施例では、屈折率変調用色素型材料を用いて光記録媒体を製造した。まず、溶液の調製を行った。記録層を作製するために、表1に示すバインダ、酸で消色する色素、酸発生剤、増感色素、ならびに溶剤としての塩化メチレンおよびアセトニトリルの各素材を表1に示す質量比となるように秤量した。秤量は赤色灯下で行った。なお、各素材間の相溶性を向上させ、よく分散させるために、散乱防止剤を添加してもよい。散乱防止剤としては、端末にOH基とアルキル基を持つ界面活性剤であればよい。
実施例では、屈折率変調用色素型材料を用いて光記録媒体を製造した。まず、溶液の調製を行った。記録層を作製するために、表1に示すバインダ、酸で消色する色素、酸発生剤、増感色素、ならびに溶剤としての塩化メチレンおよびアセトニトリルの各素材を表1に示す質量比となるように秤量した。秤量は赤色灯下で行った。なお、各素材間の相溶性を向上させ、よく分散させるために、散乱防止剤を添加してもよい。散乱防止剤としては、端末にOH基とアルキル基を持つ界面活性剤であればよい。
なお、表1中のPMMAは、PMMA−EA:ポリメチルメタクリレートとエチルアクリレートの共重合体(Aldrich社製、Mw:101000)である。色素Aは、化学式(a)で示される解離型色素である。
酸発生剤Aは、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロりん酸(CasNo.58109−40−3) である。色素Bは、化学式(b)で示されるシアニン色素である。
そして、赤色灯下ですべての素材を褐色ナス型フラスコに投入して混合し、スターラで3時間攪拌し、溶液を得た。この溶液を4分割し、1つを実施例1のサンプルA用の記録層の製造に用い、他の2つを実施例2のサンプルB、サンプルC用の記録層の製造に用い、最後の1つを比較例1のサンプルD用の記録層の製造に用いた。
次に、溶液のろ過を行った。実施例1用の溶液は、約500nmの径のフィルタを使用してろ過した。実施例2、実施例3用の溶液は、約100nmの径のフィルタを使用してろ過した。比較例1用の溶液は、ろ過を行わなかった。実施例1、実施例2、実施例3と比較例1とは全製造工程において、このろ過の有無のみが異なっている。
次に、記録層を成形した。実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の溶液を、それぞれ40℃で24時間放置し乾燥させた。この時点で、実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の溶液のそれぞれの、残留溶剤の溶液に対する重量比率を5重量%以下に低減させた。この低減により、実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の溶液の粘性が高まり、200μm以上の厚膜の形成が容易になる。そして、この溶剤が多少残った状態で、40℃で真空乾燥を行い、実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の溶液を固化させ固形物を生成する。実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の固形物をそれぞれフレーク状に小さく粉砕する。この粉砕した固形物を光透過性基板となるガラス基板上にのせ、さらに、記録層の厚みとなる厚みを有し、所望の記録層の形状と同じ形状の開口を有するスペーサもガラス基板上にのせる。実施例1、実施例2と比較例1ではこのスペーサの厚みを250μmとした。実施例3では、スペーサの厚みを500μmにした。そして、ガラス基板上の固形物を120℃に加熱し加圧するプレスを3分間行った。このプレスにより個々のフレーク状の固形物は融合し一体化し、ガラス基板上に記録層が成型され完成する。記録層の膜厚を変更するには、スペーサの厚みを所望の厚みに変更し、厚みに応じてフレークの量を増減させればよい。以上で、実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の光記録媒体が完成する。
なお、記録層の成形では、光透過性基板10の上に、例えば300μmのクリアランス(ギャップ長)のコータを用いて実施例1用の溶液と比較例1用の溶液をそれぞれ塗布してもよい。これらの溶液を乾燥させ、重ねて塗布することにより、さらに厚い記録層を形成することができる。
<記録層の厚みの測定>
実施例1、実施例2、実施例3用と比較例1用の光記録媒体の記録層の厚みを測定した。記録層の厚みの測定には、SONY社製DIGITAL MICROMETERが使用された。そして、記録層の厚みは、測定された光記録媒体の全体の厚みから、あらかじめ測定しておいたガラス基板の厚みを差し引くことによって算出した。記録層の厚みを表2に示す。実施例1、実施例2と比較例1ともに記録層の厚みは250μmで同じであった。実施例3は、500μmであった。
実施例1、実施例2、実施例3用と比較例1用の光記録媒体の記録層の厚みを測定した。記録層の厚みの測定には、SONY社製DIGITAL MICROMETERが使用された。そして、記録層の厚みは、測定された光記録媒体の全体の厚みから、あらかじめ測定しておいたガラス基板の厚みを差し引くことによって算出した。記録層の厚みを表2に示す。実施例1、実施例2と比較例1ともに記録層の厚みは250μmで同じであった。実施例3は、500μmであった。
<光記録媒体の吸光度の測定>
実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の光記録媒体の波長780nmでの吸光度をそれぞれ測定した。ガラス基板に挟まれたサンプルの吸光度から、ガラス基板2枚分の吸光度を差し引き、これを記録層の吸光度とした。測定した吸光度を表2に示す。実施例1では、0.027であり、実施例2では、0.014であり、実施例3では、0.028であり、比較例1では、0.04であった。比較例1よりも実施例1、実施例2の方が吸光度が小さく、実施例1、実施例2と比較例1の記録層の厚みは等しいので、記録層の材質的に、比較例1よりも実施例1と実施例2の方が散乱が小さくなっていると考えられる。これは、ろ過によって散乱の原因が除かれたためと推察される。また、実施例1よりも実施例2の方が散乱が小さくなっていると考えられる。これは、ろ過に用いたフィルタの径を500nmから100nmに小さくしたことにより、実施例1では除去されなかった散乱の原因が、実施例2では除かれたためと推察される。
実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の光記録媒体の波長780nmでの吸光度をそれぞれ測定した。ガラス基板に挟まれたサンプルの吸光度から、ガラス基板2枚分の吸光度を差し引き、これを記録層の吸光度とした。測定した吸光度を表2に示す。実施例1では、0.027であり、実施例2では、0.014であり、実施例3では、0.028であり、比較例1では、0.04であった。比較例1よりも実施例1、実施例2の方が吸光度が小さく、実施例1、実施例2と比較例1の記録層の厚みは等しいので、記録層の材質的に、比較例1よりも実施例1と実施例2の方が散乱が小さくなっていると考えられる。これは、ろ過によって散乱の原因が除かれたためと推察される。また、実施例1よりも実施例2の方が散乱が小さくなっていると考えられる。これは、ろ過に用いたフィルタの径を500nmから100nmに小さくしたことにより、実施例1では除去されなかった散乱の原因が、実施例2では除かれたためと推察される。
<光記録媒体の未記録サンプルの透過像のビットエラーレートの測定>
実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の未記録サンプルの透過像のビットエラーレートをそれぞれ測定した。実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の光記録媒体それぞれに対して、波長532nmのレーザを用いて、スペイシャルライトモジュレータ(SLM:Spatial light modulator)で作成したデータをそれぞれの光記録媒体に透過させ、チャージカップルドデバイス(CCD)で読み取った。作成したデータに一致するデータが読み取られたか否かにより未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを算出した。算出した未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを表2に示す。実施例1では、6.2×10−4であり、実施例2では、4.0×10−4であり、実施例3では7.8×10-4であり、比較例1では、3.0×10−2であった。比較例1よりも実施例1と実施例2の方が、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートが小さかった。この傾向は、吸光度の測定結果の比較例1よりも実施例1と実施例2の方が散乱が小さくなっている傾向に対応するものであった。このことにより、吸光度の測定により可能になった散乱が、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを上昇させる原因であったと考えられた。そして、ろ過によって、散乱の原因が除去でき、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを小さくできることがわかった。また、ろ過に用いたフィルタの径を500nmから100nmに小さくしたことにより、実施例1では除去されなかった散乱の原因が、実施例2では除かれ、未記録媒体の透過像のビットエラーレートをさらに小さくできることがわかった。また、実施例3から、厚みが増加しても吸光度が0.030以下であれば、未記録サンプルの透過像において、良好なビットエラーレートが得られることがわかった。
実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の未記録サンプルの透過像のビットエラーレートをそれぞれ測定した。実施例1、実施例2、実施例3と比較例1用の光記録媒体それぞれに対して、波長532nmのレーザを用いて、スペイシャルライトモジュレータ(SLM:Spatial light modulator)で作成したデータをそれぞれの光記録媒体に透過させ、チャージカップルドデバイス(CCD)で読み取った。作成したデータに一致するデータが読み取られたか否かにより未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを算出した。算出した未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを表2に示す。実施例1では、6.2×10−4であり、実施例2では、4.0×10−4であり、実施例3では7.8×10-4であり、比較例1では、3.0×10−2であった。比較例1よりも実施例1と実施例2の方が、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートが小さかった。この傾向は、吸光度の測定結果の比較例1よりも実施例1と実施例2の方が散乱が小さくなっている傾向に対応するものであった。このことにより、吸光度の測定により可能になった散乱が、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを上昇させる原因であったと考えられた。そして、ろ過によって、散乱の原因が除去でき、未記録サンプルの透過像のビットエラーレートを小さくできることがわかった。また、ろ過に用いたフィルタの径を500nmから100nmに小さくしたことにより、実施例1では除去されなかった散乱の原因が、実施例2では除かれ、未記録媒体の透過像のビットエラーレートをさらに小さくできることがわかった。また、実施例3から、厚みが増加しても吸光度が0.030以下であれば、未記録サンプルの透過像において、良好なビットエラーレートが得られることがわかった。
1 増感色素の吸光度スペクトル
2 屈折率変調用色素の吸光度スペクトル
3 測定スペクトル
λa 吸光度測定波長
λb 記録波長
2 屈折率変調用色素の吸光度スペクトル
3 測定スペクトル
λa 吸光度測定波長
λb 記録波長
Claims (5)
- 厚みが200μm以上であり、少なくとも1種類の色素を含み、データを三次元的に記録する記録層を有する光記録媒体において、
前記色素が吸収をもたない波長における、記録する前の前記記録層の吸光度が0.030以下であることを特徴とする光記録媒体。 - 前記波長が780nmであることを特徴とする請求項1に記載の光記録媒体。
- 前記色素が増感色素と屈折率変調用色素を含み、前記屈折率変調用色素は記録において発色反応または消色反応をすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光記録媒体。
- 前記記録層がバインダと重合性モノマをさらに含み、前記重合性モノマは記録時もしくは定着時において重合反応をすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光記録媒体。
- 厚み方向に複数のデータを記録する記録層を構成する素材を溶剤に溶解した溶液を生成し、
前記溶液をろ過し、
ろ過された前記溶液を乾燥させて固形物を生成し、
前記固形物を粉砕したフレークを生成し、
前記フレークを成型して厚みが200μm以上の記録層を形成することを特徴とする光記録媒体の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006014236A JP2007200375A (ja) | 2006-01-23 | 2006-01-23 | 光記録媒体及びその製造方法 |
| US11/656,526 US20070172627A1 (en) | 2006-01-23 | 2007-01-23 | Optical recording medium and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2006014236A JP2007200375A (ja) | 2006-01-23 | 2006-01-23 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2007200375A true JP2007200375A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38285871
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2006014236A Pending JP2007200375A (ja) | 2006-01-23 | 2006-01-23 | 光記録媒体及びその製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US20070172627A1 (ja) |
| JP (1) | JP2007200375A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2004310999A (ja) * | 2003-03-24 | 2004-11-04 | Fuji Xerox Co Ltd | 光記録媒体と光記録媒体の製造方法 |
| JP2006085762A (ja) * | 2004-09-14 | 2006-03-30 | Fuji Photo Film Co Ltd | 光記録媒体 |
-
2006
- 2006-01-23 JP JP2006014236A patent/JP2007200375A/ja active Pending
-
2007
- 2007-01-23 US US11/656,526 patent/US20070172627A1/en not_active Abandoned
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US20070172627A1 (en) | 2007-07-26 |
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