JP2007200018A - 工作機械及び工作機械におけるデータ変換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子カムデータの作成時に使用するデータベースを、機械の動作特性に合わせて最適値となるように自動作成することができて、サイクルタイムの短縮を図ることができる工作機械を提供する。
【解決手段】NCプログラムを電子カムデータに変換するようにした工作機械20において、NCプログラムで指定される複数の指令に対応した動作を各々実行して指令ごとの動作時間を測定する。測定された動作時間をもとに時間データをデータベースに書き込む。データベースに書き込まれた変換用動作時間をもとにして、電子カムデータが作成される。
【選択図】図1
【解決手段】NCプログラムを電子カムデータに変換するようにした工作機械20において、NCプログラムで指定される複数の指令に対応した動作を各々実行して指令ごとの動作時間を測定する。測定された動作時間をもとに時間データをデータベースに書き込む。データベースに書き込まれた変換用動作時間をもとにして、電子カムデータが作成される。
【選択図】図1
Description
この発明は、NC(numerical control)プログラムを電子カムデータに変換して、その電子カムデータにより各機構部の動作を制御するようにした工作機械及び工作機械におけるデータ変換方法に関するものである。
従来、この種の工作機械においては、NCプログラムの解析を行うことにより、MコードやSコードの完了チェックが行われることなく、工作機械が動作されるようにした電子カムのデータを作成するようにしたものがある。この電子カムデータ作成過程においては、NCプログラムの各指令により機械上で実行される加工時間等の動作時間を計算に入れる必要があり、従って、その計算に使用するデータのデータベースが必要とされる。
ところで、電子カムの作成とは無関係ではあるが、加工時間の算出を行うようにした工作機械としては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成のものが従来から提案されている。
実開平5−63749号公報
特開2003−175439号公報
前記従来の特許文献1及び2の工作機械における加工時間の算出は、加工計画の信頼性を高めたりするために、工作機械による加工時間の推定算出を実行するとともに、その算出精度を向上させることを目的としてなされるようになってはいる。しかしながら、これらの従来の工作機械は、電子カム機能を備えていないため、当然ながら、加工時間の算出結果を電子カム制御を備えた工作機械に反映させるものではない。一方、電子カムよって制御される従来の工作機械は、あらかじめ工作機械メーカーが作成した各機種ごとに共通のデータベースを内部に有し、そのデータベースに記憶されたMコードやSコード等の指令に対する動作時間を使用してNCプログラムから変換された電子カムデータによって制御されるものであった。このため、このデータベースを用いて作成された電子カムデータは、それが搭載される多数の工作機械のうちで、最も動作速度の遅い機械の速度にあわせて作成されるものになり、動作速度が遅くない多数の工作機械においては、サイクルタイムにおいて無駄時間が発生するという問題があった。これに対処するために、工作機械ごとに工作機械製作時にデータを測定してデータベースを作成することも考えられるが、このような場合は、工作機械製作時の処理が煩雑になり、しかも、この工作機械ごとのデータベースには同工作機械の経年変化による動作遅れ分をあらかじめ見込んでその遅れ分を確保しておく必要があるので、サイクルタイムの無駄時間削減には限界があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、電子カムデータの作成時に使用するデータベースを、機械の動作特性に合わせて最適値となるように自動作成することができて、サイクルタイムの短縮を図ることができるとともに、工作機械ごとのデータベースを容易に作成することができる工作機械及び工作機械におけるデータ変換方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、工作機械に係る請求項1に記載の発明においては、NCプログラムを電子カムデータに変換するデータ変換手段を設けた工作機械において、複数のNC指令に対応した動作を各々実行させて指令ごとの動作時間を測定する測定手段と、この測定手段により測定された動作時間をもとにした時間データを電子カムデータ変換用の動作時間としてデータベースに書き込む書込手段とを備え、前記データ変換手段は、前記データベースに書き込まれた動作時間のデータをもとにして電子カムデータによる動作を設定することを特徴とする。
従って、NCプログラムから電子カムデータを変換作成する際に使用するデータベースを、個々の工作機械ごとに作成することができる。このため、個々の工作機械の動作特性に合わせて好適な電子カムデータを自動作成することが可能となる。よって、工作機械の特性等に応じて、サイクルタイムの短縮化を図ることができる。また、工作機械ごとに手作業でデータベースを作成するものではないため、工作機械製作時の処理が煩雑になるようなことはなく、従って、工作機械の経年変化による動作遅れを見込むというようなこととも無縁であるため、サイクルタイムの無駄時間削減を有効に行うことができる。
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の発明において、前記測定手段は、前記複数のNC指令に対応した動作を各々複数回実行させることを特徴とする。
従って、より正確な動作時間データの取得が可能となる。
従って、より正確な動作時間データの取得が可能となる。
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の発明において、前記書込手段は、測定された複数の動作時間のうちで最長の動作時間をもとにした動作時間のデータをデータベースに書込むことを特徴とする。
従って、短い動作時間に基づくデータベースが作成されることがなく、このため、動作が終了する前に他の動作が開始されるような不都合を未然に防止できる。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の工作機械において、前記書込手段は、最長の動作時間に余裕時間を加算した時間データをデータベースに書込むことを特徴とする。
請求項4に記載の発明においては、請求項3に記載の工作機械において、前記書込手段は、最長の動作時間に余裕時間を加算した時間データをデータベースに書込むことを特徴とする。
従って、電子カムデータに基づく工作機械の動作においてある程度の余裕を持たせることができるため、工具衝突等の不測の事態を回避できる。
請求項5に記載の発明においては、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記書込手段は、測定された動作時間に基づく近似式の係数を時間データとしてデータベースに書込むことを特徴とする。
請求項5に記載の発明においては、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の発明において、前記書込手段は、測定された動作時間に基づく近似式の係数を時間データとしてデータベースに書込むことを特徴とする。
従って、測定された動作時間に関するデータの量が少なくなり、必要とする記憶部のエリアを小さくすることができるとともに、高速処理が可能となる。
工作機械におけるデータ変換方法に係る請求項6に記載の発明においては、NCプログラムを電子カムデータに変換するようにした工作機械において、複数のNC指令に対応した動作を各々実行させて指令ごとの動作時間を測定し、この測定された動作時間をもとにした時間データを電子カムデータ変換用の動作時間としてデータベースに書き込み、前記データベースに書き込まれた動作時間のデータをもとにして電子カムデータによる動作を設定することを特徴とする。従って、請求項1と同様な作用を得ることができる。
工作機械におけるデータ変換方法に係る請求項6に記載の発明においては、NCプログラムを電子カムデータに変換するようにした工作機械において、複数のNC指令に対応した動作を各々実行させて指令ごとの動作時間を測定し、この測定された動作時間をもとにした時間データを電子カムデータ変換用の動作時間としてデータベースに書き込み、前記データベースに書き込まれた動作時間のデータをもとにして電子カムデータによる動作を設定することを特徴とする。従って、請求項1と同様な作用を得ることができる。
以上のように、この発明によれば、電子カムデータの作成時に使用するデータベースを、機械ごとの動作特性に合わせて最適値となるように自動作成することができて、サイクルタイムの短縮を図ることができるとともに、工作機械ごとのデータベースを容易に作成することができるという効果を発揮する。
(第1実施形態)
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の工作機械20は、制御ユニット部27を備え、この制御ユニット部27は、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCという)55を備えている。この制御ユニット部27により、主軸回転用モータ22、工具移動用モータ23、被加工物移動用モータ24、背面主軸台移動用モータ25、背面主軸回転用モータ26の駆動がそれぞれ制御される。
以下に、この発明の第1実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の工作機械20は、制御ユニット部27を備え、この制御ユニット部27は、パーソナルコンピュータ(以下、単にPCという)55を備えている。この制御ユニット部27により、主軸回転用モータ22、工具移動用モータ23、被加工物移動用モータ24、背面主軸台移動用モータ25、背面主軸回転用モータ26の駆動がそれぞれ制御される。
前記主軸回転用モータ22は、駆動回路28及び主軸回転制御回路29を介して制御ユニット部27に接続され、被加工物を着脱可能に保持する主軸(図2に示すA1)を回転駆動させる。また、主軸回転用モータ22には、そのモータ22の回転を検出するためのパルスエンコーダ30が設けられている。このパルスエンコーダ30は、主軸回転用モータ22の回転に同期して回転検出信号を発生して、制御ユニット部27及び速度信号生成回路31に対して出力する。速度信号生成回路31は、パルスエンコーダ30から出力される回転検出信号を主軸回転用モータ22の回転速度に相当する主軸回転速度信号に変換して、主軸回転制御回路29に出力する。
前記主軸回転制御回路29は、後述する制御ユニット部27のクロック信号発生回路47から出力されるクロック信号を基準にして、主軸上の被加工物の回転を所望の回転速度となるように制御するためのものである。すなわち、この主軸回転制御回路29は、制御ユニット部27から出力される主軸回転速度指令信号と、速度信号生成回路31から出力される主軸回転速度信号とを比較して、その差に応じた制御信号を前記クロック信号に基づいて生成する。そして、主軸回転制御回路29にて生成された制御信号は、駆動回路28に出力される。
前記駆動回路28は、主軸回転制御回路29から出力された制御信号に基づいて、主軸回転用モータ22の回転速度、すなわち主軸の回転速度が後述する主軸回転速度指令値と一致するように、主軸回転用モータ22への供給電力を制御する。そして、これらの駆動回路28、主軸回転制御回路29、及び速度信号生成回路31によって、主軸回転用モータ22の回転速度に対するフィードバック制御系が構成されている。
前記工具移動用モータ23は、駆動回路32及び工具送り制御回路33を介して制御ユニット部27に接続され、被加工物を加工するための工具(旋削加工用バイト等であって、図2に示すTS1等)を、例えば主軸回転用モータ22、すなわち主軸の回転中心軸に対して直交する方向(図2にX1,X3,Y1,Y3で示すX軸方向、Y軸方向)、または主軸と平行な方向(図2にZ3で示すZ軸方向)等に移動させる。また、工具移動用モータ23には、そのモータ23の回転を検出するためのパルスエンコーダ34が設けられている。このパルスエンコーダ34は、工具移動用モータ23の所定回転角度ごとに回転検出信号を発生して、工具送り制御回路33に出力する。
前記工具送り制御回路33は、パルスエンコーダ34から出力される回転検出信号に基づいて、実際の工具の移動位置を認識するとともに、認識した実際の工具の移動位置と後述する制御ユニット部27から出力される工具位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて工具駆動信号を生成する。そして、工具送り制御回路33にて生成された工具駆動信号は、駆動回路32に出力される。駆動回路32は、工具送り制御回路33から出力された工具駆動信号に基づいて、工具移動用モータ23への供給電力を制御する。そして、この駆動回路32及び工具送り制御回路33によって、工具の移動位置に対するフィードバック制御系が構成されている。
前記被加工物移動用モータ24は、駆動回路35及び被加工物送り制御回路36を介して制御ユニット部27に接続され、被加工物を、例えば主軸回転用モータ22の回転中心軸、すなわち主軸の回転中心軸に対して平行な方向(図2にZ1で示すZ軸方向)に移動させる。また、被加工物移動用モータ24には、そのモータ24の回転を検出するためのパルスエンコーダ37が設けられている。このパルスエンコーダ37は、被加工物移動用モータ24の所定回転角度ごとに回転検出信号を発生して、被加工物送り制御回路36に出力する。
前記被加工物送り制御回路36は、パルスエンコーダ37から出力される回転検出信号に基づいて、実際の被加工物の移動位置を認識するとともに、認識した実際の被加工物の移動位置と制御ユニット部27から出力される被加工物位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて被加工物駆動信号を生成する。そして、被加工物送り制御回路36にて生成された被加工物駆動信号は、駆動回路35に出力される。駆動回路35は、被加工物送り制御回路36から出力された被加工物駆動信号に基づいて、被加工物移動用モータ24への供給電力を制御する。そして、この駆動回路35及び被加工物送り制御回路36によって、被加工物の移動位置に対するフィードバック制御系が構成されている。
前記背面主軸台移動用モータ25は、駆動回路38及び背面主軸台送り制御回路39を介して制御ユニット部27に接続され、背面主軸(図2に示すA2)及び背面主軸回転用モータ26等を支持する背面主軸台を、例えば主軸回転用モータ22の回転中心軸、すなわち背面主軸の回転中心軸に対して平行な方向(図2にZ2で示すZ軸方向)、または、これと直交する方向(図2にX2で示すX軸方向)に移動させる。また、背面主軸台移動用モータ25には、そのモータ25の回転を検出するためのパルスエンコーダ40が設けられている。このパルスエンコーダ40は、背面主軸台移動用モータ25の所定回転角度ごとに回転位置信号を発生して、背面主軸台送り制御回路39に出力する。
前記背面主軸台送り制御回路39は、パルスエンコーダ40から出力される回転位置信号に基づいて、実際の背面主軸台の移動位置を認識するとともに、認識した実際の背面主軸台の移動位置と制御ユニット部27から出力される背面主軸台位置指令信号とを比較して、この比較結果に基づいて背面主軸台駆動信号を生成する。そして、背面主軸台送り制御回路39にて生成された背面主軸台駆動信号は、駆動回路38に出力される。駆動回路38は、背面主軸台送り制御回路39から出力された駆動信号に基づいて、背面主軸台移動用モータ25への供給電力を制御する。そして、この駆動回路38及び背面主軸台送り制御回路39によって、背面主軸台の移動位置のフィードバック制御系が構成されている。
前記背面主軸回転用モータ26は、駆動回路41及び背面主軸回転制御回路42を介して制御ユニット部27に接続され、被加工物を着脱可能に保持する前記背面主軸(図2に示すA2)を回転駆動させる。また、背面主軸回転用モータ26には、そのモータ26の回転を検出するためのパルスエンコーダ43が設けられている。このパルスエンコーダ43は、背面主軸回転用モータ26の回転、すなわち背面主軸の回転に同期して回転検出信号を発生して、制御ユニット部27及び速度信号生成回路44に出力する。速度信号生成回路44は、パルスエンコーダ43から出力される回転検出信号を背面主軸回転用モータ26の回転速度に相当する背面主軸回転速度信号に変換して、背面主軸回転制御回路42に出力する。
前記背面主軸回転制御回路42は、後述するクロック信号発生回路47から発生するクロック信号を基準にして、所望の回転速度となるように背面主軸回転用モータ26の回転、すなわち被加工物を保持する背面主軸の回転を制御するためのものである。すなわち、この背面主軸回転制御回路42は、制御ユニット部27から出力される背面主軸回転速度指令信号と、速度信号生成回路44から出力される背面主軸回転速度信号とを比較して、その差に応じた制御信号を前記クロック信号に基づいて生成する。そして、背面主軸回転制御回路42にて生成された制御信号は、駆動回路41に対して出力される。
前記駆動回路41は、背面主軸回転制御回路42から出力された制御信号に基づいて、背面主軸回転用モータ26の回転速度が後述する背面主軸回転速度指令値となるように、背面主軸回転用モータ26への供給電力を制御する。そして、これらの駆動回路41、背面主軸回転制御回路42、及び速度信号生成回路44によって、背面主軸回転用モータ26(背面主軸)の回転速度のフィードバック制御系が構成されている。
一方、前記制御ユニット部27は、中央演算ユニット45、パルス信号発生回路46a、46b、クロック信号発生回路47、分割タイミング信号発生回路48、NC部用RAM(ランダムアクセスメモリ)49、電子カムデータ作成ボタン50、データベース作成ボタン51、ROM(リードオンリメモリ)52及び機械固有情報記憶部53を備えている。
前記中央演算ユニット45は、制御ユニット部27全体の信号処理等を司る演算部であって、周知のマルチプロセッシング処理、すなわち多重処理を行う。ここで、多重処理とは、複数のプログラムを記憶しておき、これらのプログラムを短い時間で切り換えながら実行させて、見かけ上、複数のプログラムが同時処理されているようにするものを指す。この場合、時分割処理するものや、各々のプログラムに優先順位を付しておいて、その優先順位が高い順に処理を切り換えながらタスク処理が実行される。
前記各パルス信号発生回路46a,46bは、パルスエンコーダ30,43に接続されるとともに、中央演算ユニット45にも接続されている。そして、各パルス信号発生回路46a,46bは、パルスエンコーダ30,43から出力された回転検出信号をインターフェース等を介して入力し、その回転検出信号に基づいて所定回転角度ごとにパルス信号を発生して、中央演算ユニット45に出力する。この実施形態において、パルス信号発生回路46a,46bは、主軸回転用モータ22あるいは、背面主軸回転用モータ26が一回転する間に、主軸回転用モータ22、背面主軸回転用モータ26に同期して、等間隔で所定個数のパルス信号を出力するようになっている。
前記クロック信号発生回路47は、中央演算ユニット45から出力される所定の指令信号を受けて、所定の周期、例えば0.25ミリ秒周期のクロック信号を生成し、分割タイミング信号発生回路48に出力する。分割タイミング信号発生回路48は、クロック信号発生回路47から出力されたクロック信号の発生回数をカウントし、そのカウントの結果に基づいて例えば1ミリ秒経過するごとに分割タイミング信号を生成して中央演算ユニット45に出力する。従って、分割タイミング信号発生回路48は、1ミリ秒周期の分割タイミング信号を後述する割込みタイミング信号として中央演算ユニット45に出力することになる。なお、クロック信号及び分割タイミング信号の周期は上述した数値に限られることなく、中央演算ユニット45の処理能力、パルスエンコーダ30,34,37,40,43の分解能、各モータ22〜26の性能等を考慮して適宜設定可能である。
前記NC部用RAM49は、中央演算ユニット45における各種演算の結果を読み出し可能に一時的に記憶するように構成されている。このNC部用RAM49は、工作機械20に実際の加工動作を行わせるためのNCプログラム(機械稼動用の動作プログラム)を含む各種のデータを格納している。すなわち、NC部用RAM49の一部には、NCプログラムが記憶される加工手順記憶部49aと、電子カムデータテーブル記憶部49bとが設けられている。
前記電子カムデータテーブル記憶部49bに記憶されるデータテーブルは、いわゆる電子カム制御を行うためのものである。この電子カム制御とは、主軸等の基準軸に取り付けられたパルスエンコーダが出力するパルス信号による時々刻々の回転位置データと、基準軸の単位回転位置ごとに対応してそれぞれ設定された移動軸の指令位置データとから、時々刻々の移動軸の移動指令データを生成する。そして、この移動指令データと回転位置データとから基準軸の回転速度に同期する移動軸の指令速度データを生成して、その指令速度データと前記移動指令データに基づいて、工具の位置を制御するようにしている。なお、基準軸として、クロック信号の出力を用いて仮想的な基準軸を作成することも可能である。
次に、加工用プログラムにより、実際に動作される機構部を、図1及び図2に基づいて説明する。なお、加工用プログラムとは、ワーク加工用に作成されたNCプログラムや、このNCプログラムをもとに変換作成された電子カムデータを示す。
まず、第1系統に関する加工用プログラムにより、第1系統の機構部における前記主軸回転用モータ22、工具移動用モータ23及び被加工物移動用モータ24が制御される。これによって、主軸台61上の主軸A1は、図2に矢印で示すように主軸台61とともにZ1軸方向に移動制御されるとともに、C1回転方向に回転制御される。一方、刃物台62上の工具TS1は、刃物台62とともに同図に矢印で示すようにX1軸及びY1軸方向に移動制御される。
すなわち、第1系統では、主軸台61の移動制御、主軸A1の回転制御、工具TS1を支持する刃物台62の各矢印方向の移動制御が行われる。一方、工具TS1は、刃物台62に設置されていて、バイト等の非可動のもの、あるいはドリル等の回転可能なものを取り付け可能としている。この場合、ドリル等の回転可能なものを使う場合には、第1系統に関する加工用プログラムにより、回転が制御される。
また、第2系統に関する加工用プログラムにより、第2系統の機構部の前記背面主軸台移動用モータ25、背面主軸回転用モータ26及び工具TS2の回転が制御される。これによって、背面主軸A2は、背面主軸台63とともに図2に矢印で示すようにX2軸方向及びZ2軸方向に移動制御されるとともに、C2回転方向に回転制御される。一方、工具TS2は、固定刃物台64に設置されていて、前記工具TS1と同様に、バイト等の非可動のもの、あるいはドリル等の回転可能なものを取り付け可能としている。この場合、ドリル等の回転可能なものを使う場合には、第2系統に関する加工用プログラムにより、回転が制御される。
さらに、第3系統に関する加工用プログラムにより、前記工具移動用モータ23が制御される。これによって、第3系統の工具TS3は、刃物台65とともに図2に矢印で示すようにX3,Y3,Z3軸方向に移動制御される。すなわち、第3系統の機構部では、この工具TS3を支持する刃物台65が移動制御されるとともに、刃物台65に保持される工具TS3がドリル等の回転工具の場合は、その工具の回転が制御される。
なお、この実施形態では、前記のように、工具TS1が第1系統に、工具TS2が第2系統に、工具TS3が第3系統に割り付けられているが、工具TS1あるいは工具TS3は、いずれの系統で制御しても良く、この工具の系統割り当ては必要に応じて適宜に変更することができる。同様に主軸A1及び背面主軸A2についても、系統割り当ては、必要に応じて任意に変更することができる。
前記NC部用RAM49の電子カムデータテーブル記憶部49bは、識別番号が付与された複数の電子カムデータテーブルを記憶している。各々の電子カムデータテーブルは、主軸回転用モータ22(主軸)の所定の累積回転数ごとに対応して設定された被加工物の位置データ、及び工具の位置データを記憶しておくためのものである。それぞれの電子カムデータテーブルは、前記加工手順記憶部49aにより呼び出されて、各系統の機構部の動作を制御する。なお、前述した所定の累積回転数は、大きな記憶容量を必要とするが、主軸回転用モータ22の所定回転角度ごと(累積回転角度ごと)に対応して記憶させてもよい。
図1に示す前記電子カムデータ作成ボタン50及びデータベース作成ボタン51は、図示しない操作パネル等に設けられている。電子カムデータ作成ボタン50は、加工用NCプログラムに基づいて、工作機械を動作させるための機械稼動用の電子カムデータを変換作成する際に、後述する電子カムデータを作成するソフトウェア起動用として操作される。データベース作成ボタン51は、電子カムデータの変換作成に使用される後述のデータベースを作成する際に、後述する電子カム変換用のデータベースを作成するソフトウェア起動用として操作される。
前記ROM52は、各種処理プログラムを記憶する記憶部である。このROM52には、例えばねじ切り加工を行う際の、所定時間間隔ごと(例えば1ミリ秒ごと)における被加工物の移動位置及び工具の移動位置を確定するための演算プログラムや、孔加工や切削加工等を行う際の、主軸回転用モータ22の所定回転角度ごとにおける被加工物、工具、及び孔加工用工具の移動位置を確定するための演算プログラム等が記憶されている。
そして、中央演算ユニット45は、ROM52内に記憶されたプログラムに基づいて、パルス信号発生回路46a,46bから出力されたパルス信号の発生回数をカウントし、そのカウント結果に基づいて、主軸回転用モータ22(主軸)の累積回転数あるいは累積回転角を算出する。また、前記機械固有情報記憶部53には、個々の工作機械特有の各種の特性,言い換えれば自身の工作機械の組立誤差等の特性を示すデータが格納されている。
前記PC55は、中央演算ユニット85とPC部用RAM82とを備え、中央演算ユニット85は、PC55全体の動作を制御する。前記PC部用RAM82には、電子カムデータ作成ソフトウェア記憶部82aと、データベース作成ソフトウェア記憶部82bと、データベース記憶部82cと、電子カムデータ記憶テーブル82dと、NCプログラム記憶部82eとが設けられている。
前記電子カムデータ作成ソフトウェア記憶部82aには、電子カムデータを作成するためのソフトウェアが記憶されている。データベース作成ソフトウェア記憶部82bには、電子カム変換用のデータベースを作成するためのソフトウェアが記憶されている。データベース記憶部82cには、作成されたデータベースが書き込まれる。電子カムデータ記憶テーブル82dには、電子カムデータ作成ソフトウェアの実行により加工用NCプログラムが電子カムデータ化された際に、その電子カムデータが格納される。NCプログラム記憶部82eには、電子カムデータ作成元である加工用NCプログラムが格納される。なお、NCプログラム記憶部82eに記憶される加工用NCプログラムは、工作機械の図示しない操作パネルから直接入力されたり、プログラム作成ツール(図示しない)により作成されて、通信機能等を介してNCプログラム記憶部82eに転送されたりする。
そして、この実施形態においては、中央演算ユニット85及びPC部用RAM82を含むPC55により、前記電子カムデータ作成ボタン50の操作時に、電子カムデータ作成ソフトウェアに基づいて、加工用NCプログラムを電子カムデータに変換するためのデータ変換手段が構成されている。
また、PC55により、加工用NCプログラムあるいは後述する動作時間測定用NCプログラム等のNCプログラムで指定される複数の指令に対応した動作を各々実行して指令ごとの動作時間を測定する測定手段が構成されている。さらに、PC55により、指令ごとに測定された動作時間をもとに変換用動作時間を計算して、データベース記憶部82cのデータベースに書き込むための書込手段が構成されている。そして、PC55は、前記データベースに書き込まれた変換用動作時間をもとにして、加工用NCプログラムを電子カムデータに変換し、前記電子カムデータ記憶テーブル82dに記憶させ、さらに、電子カムデータテーブル記憶部49bに転送して、電子カムデータによる工作機械の動作を設定するようになっている。
以上のように構成された工作機械20において、加工用NCプログラムを電子カムデータとして変換作成するには、図3に示すように、ステップS(以下、単にSという)11において、PC部用RAM82のNCプログラム記憶部82eに記憶された加工用NCプログラムが読み出されて、S12においてその加工用NCプログラムの内容が解析される。そして、その解析に基づき、S13において、電子カムデータ変換用のデータベースを用いて工作機械20ごとに固有の電子カムデータが作成されて、この電子カムデータにより、被加工物に対する所要の加工が実行される。
そこで、図3の電子カムデータの変換作成に先だって作成される電子カムデータ変換用のデータベースを作成するための動作について説明する。
すなわち、工作機械20の操作パネル上のデータベース作成ボタン51を操作することにより、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに格納された電子カムデータ変換用のデータベースを作成するためのデータベース作成用プログラムが起動される。そこで、以下に、前記データベース作成用プログラムの動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、PC55の中央演算ユニット85の制御のもとに進行する。
すなわち、工作機械20の操作パネル上のデータベース作成ボタン51を操作することにより、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに格納された電子カムデータ変換用のデータベースを作成するためのデータベース作成用プログラムが起動される。そこで、以下に、前記データベース作成用プログラムの動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、PC55の中央演算ユニット85の制御のもとに進行する。
さて、図4のS101においては、データベース作成プログラムにより未だ測定していないNC指令が存在するか否かが判断されるとともに、測定していない測定対象の所定のNC指令が存在するか否かが判別され、所定のNC指令が存在する場合には次段のS102に移行され、存在しない場合には後述のS107に移行される。ここで、測定対象の所定のNC指令は、例えば、主軸の割り出しや、Mコードで指令されるアクチュエータの動作等が挙げられる。
S102においては、前記NC指令に基づいて中央演算ユニット85から時間測定開始の指令が出力される。これに基づき、S103においては、NC指令に従って工作機械20の主軸,主軸以外の動作軸,補助機能部等が実際に動作される。これとともに、データベース作成プログラムに備えられた時間測定機能が動作されて、時間測定が開始される。なお、NC指令に基づく工作機械20の実際の動作は、可動部やその周辺が被加工物や工具との衝突等によって損傷しないように、被加工物や工具を搭載することなく実行されるのが好ましい。
そして、S104において、S103で指令したNC指令の動作終了に応じて前記時間測定機能によりNC指令の動作開始から終了までの実際の動作時間が取得される。そして、S105においては、取得した時間のデータがPC部用RAM82の所定記憶領域(図示しない)に一時的に保存される。
次に、S106においては、NC指令の動作時間の測定が規定回数行われたか否かが判別され、規定回数行われていない場合にはS102に再び移行され、規定回数行われた場合にはS101に移行される。以上に述べた動作時間の測定は、C軸角度割り出し動作に要する時間や、主軸の停止状態から最高回転数までの加速に要する時間等を測定するものであるが、その測定が複数回実行される。つまり、同一条件による時間測定が複数回実行されることになる。しかも、データベース作成プログラムには、動作条件を所定量変更した類似の動作を指令するデータが記述されており、このため、例えば、回転速度,割り出し角度等を所定量変更した類似の動作も実行される。従って、割り出し軸の割り出し角度等を変化させて、角度の小さい場合や大きい場合の動作時間の測定、あるいは、主軸であれば回転数を変化させて低速、中速、高速の回転領域での動作時間の測定等、モータの特性や動作部の慣性等を考慮して異なった条件で前記の測定動作が規定回数行われる。
一方、データベース作成プログラムの各NC指令について動作時間の測定が規定回数終了して、しかも、S101において測定するNC指令が存在しないとされた場合には、処理がS101からS107に移行される。そして、そのS107において、規定回数の同一NC指令の動作における測定結果のうちで、最大の値もの,すなわち最長の動作時間が有効な測定値として図示しない記憶領域に一時的に記憶される。次のS108においては、外部環境(例えば外気温度による潤滑油の粘性変化)や経時的要因等に起因して動作時間に変化が生じることを配慮し、S107で得られた最大の測定値に余裕時間(例えば、動作時間の10%)が加算される。
次いで、S109においては、前記S108で得られた余裕時間を加えた動作時間の測定値に基づいてデータベースが作成され、図1に示すPC部用RAM82のデータベース記憶部82cに記憶される。そして、このデータベース記憶部82cに記憶されたデータベースが前記図3のS13における電子カムデータの作成に用いられる。
ところで、動作時間の測定において、例えば、被加工物のチャック開閉等の補助機能動作時間のように、NC指令と動作時間が固定的な関係となるようなデータの場合、言い換えれば1つの種類の動作においてその動作時間が1種類のみの場合には、S109において動作時間が余裕時間を付加してそのままデータベースに登録される。
これに対し、NC指令による動作と、動作時間との間に固定関係が存在しない場合、例えば、C軸角度割り出しのように、ユーザーが任意で移動量を指定する指令の場合は、S109において、取得した動作時間及び余裕時間の合計のデータから近似式が作成されて、その近似式と近似式に用いられる係数とがデータベースに登録される。すなわち、近似式及び係数をデータベースに登録する場合には、取得したデータからデータベース作成のための演算が行われる。例えば、軸動作の時間計算には近似式としてあらかじめ一次方程式(y=ax+b)がデータベース作成ソフトウェア記憶部82bに用意されており、取得したデータからその近似式を表す項の係数(a,b)の演算が行われる。この場合、近似式は動作を正確に再現できるようにするため、動作部の慣性等の特性を考慮して複数の動作区間(例えば、動作ストローク区間を複数に分割した分割区間)ごとにそれぞれ演算により作成される。そして、演算終了後に、近似式と係数のデータがデータベースに登録される。従って、この場合には、記憶するデータが近似式と係数のデータのみでよいため、データ量が少なくなり、取得したデータをそのままデータベースに登録する場合と比較して、データベースの記憶領域を小さくすることができるとともに、電子カムデータ作成時の処理時間を短縮することができる。
以上のように、この実施形態によれば、電子カムデータの作成時に使用するデータベースを、工作機械ごとに、工作機械の動作特性に合わせて最適値のものとなるように自動作成して、PC部用RAM82のデータベース記憶部82cに登録することができる。よって、電子カムデータ作成ボタン50の操作により、電子カムデータ作成ソフトウェア記憶部82aのソフトウェアに基づいて電子カムデータを作成する場合、データベース記憶部82cに登録されたデータベースを用いて、この工作機械に固有で、最適な電子カムデータを作成することができて、加工に際してサイクルタイムの短縮を図ることができる。
また、工作機械ごとに手作業でデータベースを作成する場合とは異なり、工作機械製作時の処理が煩雑になることを避けることができる。さらに、工作機械製作時に作成したデータベースでは工作機械の経年変化による動作遅れを見込む必要があるが、この実施形態においては、データベース作成ボタン51を操作するのみで、そのときの工作機械の状態を反映したデータベースが自動的に作成されるため、サイクルタイムがむやみに長くなるのを避けることができる。
さらに、前記S102からS106を巡るルーチンにおいて、同一の指令による動作を複数回実行させて、S107において測定された複数の動作時間のうちで最長の動作時間が取得されるため、動作時間のデータを確実に採取できるばかりでなく、不適格な短い動作時間に基づくデータベースが作成されることを防止できる。このため、電子カムデータに基づく工作機械20の加工動作等に際して、ひとつの動作終了する前に他の動作が開始されて、工具衝突等が生じるような不都合を未然に防止できる。
加えて、S108において、最長の動作時間に余裕時間を加算した時間データをデータベースに書込むようになっているため、電子カムデータに基づく工作機械の動作においてある程度の余裕を持たせることができて、前述と同様に、工具衝突等の不測の事態を未然に回避できる。
(第2実施形態)
次に、この発明の第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。
この第2実施形態では、前記第1実施形態とは異なり、図4のS109において、近似式を用いることなく、取得したすべての動作時間データに余裕時間を付加して、その動作時間データをそのままデータベースに登録される。このようにすれば、動作時間データが近似式ではなく、動作時間を直接表すデータであるため、電子カムデータ作成時における動作時間の計算に際して正確な時間データを算出することができる。
次に、この発明の第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。
この第2実施形態では、前記第1実施形態とは異なり、図4のS109において、近似式を用いることなく、取得したすべての動作時間データに余裕時間を付加して、その動作時間データをそのままデータベースに登録される。このようにすれば、動作時間データが近似式ではなく、動作時間を直接表すデータであるため、電子カムデータ作成時における動作時間の計算に際して正確な時間データを算出することができる。
(第3実施形態)
次に、この発明の第3実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。
この第3実施形態においては、電子カムデータ変換用のデータベースの作成時に、1台または複数台の工作機械を基準機として、NC指令に従う動作時間を測定し、そのデータで近似式を作成するとともに、機械ごとに基準機の近似式に対する補正値を算出して、データベースとするものである。
次に、この発明の第3実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。
この第3実施形態においては、電子カムデータ変換用のデータベースの作成時に、1台または複数台の工作機械を基準機として、NC指令に従う動作時間を測定し、そのデータで近似式を作成するとともに、機械ごとに基準機の近似式に対する補正値を算出して、データベースとするものである。
すなわち、1台または複数台の基準機において、図4に示す測定用プログラムを動作させて、動作時間測定を複数回行い、その測定データの平均値から近似式を作成して、それを基準となる近似式とする。そして、この近似式を工作機械製作時にデータベース記憶部82cに記憶させる。また、各々の機械ではデータベース作成ボタン51の操作により基準機と同じ条件で測定を行い、図5に示すように、基準機の近似式と測定値とを比較して、差となる補正値を算出する。そして、この補正値のデータをデータベースに登録し、電子カムデータ作成ボタン50の操作により、近似式に補正値を加えた計算式を用いて動作時間を算出し、NCプログラムを電子カムデータに変換する。
この場合には、予め近似式を作成して補正値を求めるものであるため、より正確な近似式を簡単に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。この第4実施形態においては、NCプログラム記憶部82eに加工用NCプログラムとは別に動作時間測定用NCプログラムが記憶されている。この動作時間測定用のNCプログラムは、例えば、工作機械の出荷時にあらかじめ搭載される。そして、データベース作成ボタン51の操作により、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに格納されたアプリケーションソフトが、前記動作時間測定用NCプログラムを読み出し、動作時間測定用NCプログラムが自身で時間測定動作を行い、その測定結果をデータベース記憶部82cにデータベースとして書き込む。この場合、前記時間測定は前記動作時間測定用NCプログラムで実施し、データベースの書き込みや近似式の計算等は前記アプリケーションソフトが実行する。なお、動作時間測定用NCプログラムは、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに記憶させておいてもよい。
(第4実施形態)
次に、この発明の第4実施形態を、第1実施形態と異なる部分について説明する。この第4実施形態においては、NCプログラム記憶部82eに加工用NCプログラムとは別に動作時間測定用NCプログラムが記憶されている。この動作時間測定用のNCプログラムは、例えば、工作機械の出荷時にあらかじめ搭載される。そして、データベース作成ボタン51の操作により、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに格納されたアプリケーションソフトが、前記動作時間測定用NCプログラムを読み出し、動作時間測定用NCプログラムが自身で時間測定動作を行い、その測定結果をデータベース記憶部82cにデータベースとして書き込む。この場合、前記時間測定は前記動作時間測定用NCプログラムで実施し、データベースの書き込みや近似式の計算等は前記アプリケーションソフトが実行する。なお、動作時間測定用NCプログラムは、データベース作成ソフトウェア記憶部82bに記憶させておいてもよい。
すなわち、この第4実施形態では、図6に示すように、S201において、NCプログラム記憶部82eから動作時間測定用NCプログラムが読み出され、S202において、NC指令に従って工作機械の主軸,主軸以外の動作軸,補助機能部等が実際に動作される。ここで、この動作時間測定用NCプログラムには、複数の所定の各動作指令の前後に、それぞれ動作時間の測定開始指令と、測定終了指令とが記述されている。これによって、工作機械の複数回の所定の動作が開始されると同時に、動作時間測定用NCプログラムの時間測定機能が動作されて、時間測定が行われる。そして、所定の動作の終了にともない、動作時間の測定が終了され、S203において、前記動作時間測定用NCプログラムの時間測定機能から出力されたデータに基づいて、動作開始から終了までの実際の動作時間が算出される。
そして、動作時間測定用NCプログラムの各NC指令に従う動作時間の測定が規定回数終了した場合には、同S203において、同一種類の動作に対する規定回数の測定結果のうちで、最大のもの、つまり最長の動作時間が有効な測定値として設定される。次のS204においては、外部環境(例えば外気温度による潤滑油の粘性変化)や経時的要因等に起因して動作時間に変化が生じることを配慮し、S203で得られた測定値に余裕時間(例えば、動作時間の10%)が加算される。
そして、S205においては、前記S204で得られた動作時間データに基づいてデータベースが作成され、データベース記憶部82cにデータベースとして記憶され、このデータベース記憶部82cに記憶されたデータベースが電子カムデータの作成に利用される。
以上のように、この第4実施形態においては、動作時間測定用NCプログラムにより動作時間を測定して電子カム変換用データのデータベースの作成を実行することができる。
(変更例)
なお、この発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。
(変更例)
なお、この発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 測定された動作時間データの特性あるいは傾向に応じて、近似式として一次式、二次式、三次式あるいは最小二乗法等、適切なものを用いること。
・ 実際の加工において、その動作時間を測定し、その測定結果に応じて電子カムデータ用のデータベースを逐次更新すること。
・ 実際の加工において、その動作時間を測定し、その測定結果に応じて電子カムデータ用のデータベースを逐次更新すること。
20…工作機械、22…主軸回転用モータ、23…工具移動用モータ、24…被加工物移動用モータ、25…背面主軸台移動用モータ、26…背面主軸回転用モータ、27…データ変換手段,測定手段,書込手段及び制御手段を構成する制御ユニット部、45…中央演算ユニット、49…NC部用RAM、50…電子カムデータ作成ボタン、51…データベース作成ボタン、52…ROM、54…RAM、55…データ変換手段,書込手段及び測定手段を構成するパーソナルコンピュータ(PC)、A1…主軸、A2…背面主軸、TS1,TS2,TS3…工具。
Claims (6)
- NCプログラムを電子カムデータに変換するデータ変換手段を設けた工作機械において、
複数のNC指令に対応した動作を各々実行させて指令ごとの動作時間を測定する測定手段と、
この測定手段により測定された動作時間をもとにした時間データを電子カムデータ変換用の動作時間としてデータベースに書き込む書込手段とを備え、
前記データ変換手段は、前記データベースに書き込まれた動作時間のデータをもとにして電子カムデータによる動作を設定することを特徴とする工作機械。 - 前記測定手段は、前記複数のNC指令に対応した動作を各々複数回実行させることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
- 前記書込手段は、測定された複数の動作時間のうちで最長の動作時間をもとにした動作時間のデータをデータベースに書込むことを特徴とする請求項2に記載の工作機械。
- 前記書込手段は、最長の動作時間に余裕時間を加算した時間データをデータベースに書込むことを特徴とする請求項3に記載の工作機械。
- 前記書込手段は、測定された動作時間に基づく近似式の係数を時間データとしてデータベースに書込むことを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の工作機械。
- NCプログラムを電子カムデータに変換するようにした工作機械において、
複数のNC指令に対応した動作を各々実行させて指令ごとの動作時間を測定し、
この測定された動作時間をもとにした時間データを電子カムデータ変換用の動作時間としてデータベースに書き込み、
前記データベースに書き込まれた動作時間のデータをもとにして電子カムデータによる動作を設定することを特徴とする工作機械におけるデータ変換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006017778A JP2007200018A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 工作機械及び工作機械におけるデータ変換方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014222378A (ja) * | 2013-05-13 | 2014-11-27 | 三菱電機株式会社 | 制御装置支援装置及び制御装置支援方法 |
JP2021081848A (ja) * | 2019-11-15 | 2021-05-27 | ファナック株式会社 | 制御装置、及び制御システム |
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2006
- 2006-01-26 JP JP2006017778A patent/JP2007200018A/ja active Pending
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