JP2007198655A - 空調システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内部に低温液化ガスを通過させることで外部の空気と熱交換を行い、液化ガスを気化させる蒸発器21−1〜3を用い、その熱交換で得られた冷気を空調機13−1〜3で使用する。この際、空調機に連結したダクトの開口を蒸発器の近傍に配置し、その開口に向かって送風する押込ファン26−1〜3を蒸発器を挟んで開口と対向する位置に配置し、開口から吸込んだ気体を空調機へ送り込む吸込ファン24−1〜3をダクト中に配置する。また、空調機に接続されたマトリクス空調ダクト15−1〜6、16−1〜n及び17を設けた。
【選択図】 図1
Description
この種の従来の空調システムとして、例えば特許文献1及び2に記載のものがある。
また、空気搬送による空調システムにおいては、供給元である空調機、搬送ルートのダクト、吹出し口が建設時に固定されているので、吹出し場所が変更された場合、これに適合するように吹出し口を含むダクト系統を変更しなければならない。このため、吹出し場所の変更の都度、設備費や修繕費等のコストが掛かるという問題がある。これは、吹出し場所の変更が大規模で有れば有る程、高額のコストが掛かることになる。
このため、上記のような吹出し場所の変更を行った場合、吹出し場所の要求量に応じた空調機個別の運転制御、例えばインバータによるファンの回転数制御等は行えるものの、吹出し場所の変化に応じて複数の空調機を選択運転したり、複数の空調機に連携して空調負荷を分担させたりする柔軟な省エネルギー制御を行うことができない。このため、空調対象となる全領域の最適な省エネルギー化を図ることができないという問題がある。
この構成によれば、送風制御手段により蒸発器の運転/停止を検出温度に応じて制御することによって、無駄な電力消費を費やすこと無く気化熱の有効活用を図ることができる。この制御は蒸発器が複数台ある場合、より有効となる。
この構成によれば、運転中の蒸発器用の第1及び第2の送風手段のみが運転されるので、無駄な電力消費を費やすこと無く気化熱の有効活用を図ることができる。
また、本発明の請求項4による空調システムは、請求項1から3の何れか1項において、前記蒸発器に温水又は水を掛ける手段を更に備えたことを特徴とする。
この構成によれば、蒸発器に霜が付着しないので、熱交換率が良くなり、また、靄の発生を防止することができる。
この構成によれば、蒸発器から回収した冷気又は循環気を有効に利用して空調対象領域の空調を行うことができるので、空調における省エネルギー化を図ることができる。
この構成によれば、空調が必要な領域の全要求風量が供給できるように複数の空調機を所定の静圧を保ちながら連携運転することができるので、各空調機の動力を下げることができ、合計風量で賄うことにより効率の良い送風を行うことができる。これによって省エネルギー化を図ることができる。
この構成によれば、より適正な係数を得ることが可能となるので、より省エネルギー化を図ることができる。
この構成によれば、蒸発器の気化過程での気化熱の有効活用及び気化効率の向上を図ることができ、気化過程で発生する靄による視界悪化が及ぼす人への危険性を防止することができ、吹出し場所変更に伴うダクト系統変更に掛かるコストを低減することができ、空調対象となる全領域の最適な省エネルギー化を図ることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図である。
図1に示す空調システム10は、工場11の屋内に設けられた第1〜第3の空調機13−1〜13−3と、これら空調機13−1〜13−3の送風口に接続され、工場11の天井にマトリクス状に張り巡らされた空調ダクト15−1〜15−6、16−1〜16−n及び17と、各空調機13−1〜13−3の運転制御を行う空調制御部18とを備える。
(1)冷気の回収。
各蒸発器21−1〜21−3は、図2(a)のフィン部の平面図、(b)のフィン部の側面図に示すように、複数枚の板状のフィン21aが真上から見て星型に組合されて構成されている。更に、各フィン21aの内部は空洞となり互いの空洞が連接されており、図3に第1の蒸発器21−1を代表して示すように、コンクリート製の台座21bの上に固定された各フィン21aに液体窒素(又は液体酸素)を通す配管21cが組み合わされることによって、図示せぬ液体窒素タンクから矢印Y1aで示すように液体窒素が流入され、これが全てのフィン21aの内部を通り矢印Y1bで示すように排出される。
なお、その排出された液体窒素は、例えば図示せぬ貯蔵タンクに回収される等の構成で再利用されるようになっている。
この冷気をダクト23−1へ取り込むために、押込ファン26−1でノズル装置25−1の3つのノズルから矢印Y3で示すように空気を送風し、吸込ファン24−1によってフード22−1から吸込むようになっている。この冷気が吸込まれるまでの流れを矢印Y4で示した。
更に説明すると、その送風は、フィン21aにおいて霜が一番付着し易い液体窒素流入側の反対側で且つフィン21aの下半分位の高さから地面までの範囲に対して行っている。
このように配置された押込ファン26−1と吸込ファン24−1とを、ファン制御部28により運転することによって、ノズル装置25−1から矢印Y3で示すフード22−1方向に送風が行われ、冷気が矢印Y4で示すように送風方向へ移動する。更に、フード22−1の開口付近は吸込ファン24−1で吸込み状態にあるので、その移動した冷気が効率良くフード22−1内に吸込まれ、矢印Y5で示すようにダクト23−1を通って空調機13−1へ送り込まれる。
このように、各蒸発器21−1〜21−3の気化過程での気化熱の有効活用を図ることができる。
また、蒸発器21−1〜21−3から冷気が周囲に霧状の靄として発生しないので、従来のように道路上の視界が遮られ、歩行者や運転者の安全性が損なわれることも無くなる。換言すれば、蒸発器21−1〜21−3の気化過程で発生する靄による視界悪化が及ぼす人への危険性を防止することができる。
蒸発器21−1〜21−3が複数台ある場合は、常時全てが運転されるとは限らず停止中のものも存在する。蒸発器21−1〜21−3が停止中の場合はフィン21aに液体窒素が流入されていないので、そのフィン表面温度を検出すれば運転/停止状態が分かる。
そこで、図1に示すように、温度センサ27−1〜27−3を各蒸発器21−1〜21−3の温度変化が最も顕著に現れる位置、例えば下面側に設置して蒸発器21−1〜21−3の温度を検出し、ファン制御部28へ伝送する。
このように、蒸発器21−1〜21−3が複数台ある場合に、それらの運転/停止を検出温度に応じて制御することによって、無駄な電力消費を費やすこと無く気化熱の有効活用を図ることができる。
また、押込及び吸込ファン26−1〜26−3,24−1〜24−3を、常時又は所定時間間隔で運転させるようにすれば、各フィン21aに霜が慢性的に付着して氷状に固化するのを初期の段階で防止することが可能となる。
このような制御によっても、上記同様に、無駄な電力消費を費やすこと無く気化熱の有効活用を図ることができる。
図2(b)に示すように、温水を流入する配管36と、その流入された温水を複数のノズル38aから流出させる配管38とが接続された流水制御装置37を用いて、各フィン21aに霜が付着した場合、又は霜が付着して氷状に固化した場合、それを融かして除去するようにしてもよい。
このため、各フィン21aの上方に複数のノズル38aを配置し、これらノズル38aから各フィン21aに温水が落下するようにした。
これによって、フィン21aに霜が付着しないので、熱交換率が良くなり、前述のような靄の発生を防止することができる。また、温水を工場設備である炉の廃熱を利用して作れば無駄なエネルギーを費やすことがない。更に、外気温によっては、温水でなくとも常温の水で霜や氷を溶解することが可能となる。
上述のように、冷気を回収して空調機13−1〜13−3へ導入するが、この際、回収冷気の量が足りない場合、所定温度以上とならないように外気又は工場内の循環気を混ぜて必要量とする。このため、外気取り入れアルゴリズムに基づいた演算により外気の取り入れの可否及び取り入れ量を決定し、回収冷気と取り入れた外気を適切に混合する。
これによって、回収冷気を有効に利用して工場11の空調を行うことができるので、空調における省エネルギー化を図ることができる。
図1に示すように、マトリクス空調ダクトは、工場11の作業スペースの天井に各々が水平且つ平行状態に配置された6本の上層ダクト15−1〜15−6と、これら上層ダクト15−1〜15−6の下に当該上層ダクトと平行で且つ直交状態、即ち上下で格子状になるように配置されたn本の中層ダクト16−1〜16−nと、これら中層ダクト16−1〜16−nの下に所定間隔で作業スペース全体に行き渡るように配置された多数の下層ダクト17とを備えて構成されている。
このようにマトリクス空調ダクト構造とすることによって、例えば、工場11の製造ラインの変更等で空調の需要箇所が移動又は変更になった場合、それに応じて吹出し口を有する下層ダクト17を移動、取外し、取付けすればよいので、容易に対応可能となる。
この空調機の連携運転制御は空調制御部18に行い、上記のような吹出し場所の変更を行った場合、吹出し場所の変化に応じて複数の空調機13−1〜13−3を選択運転したり、各空調機13−1〜13−3に連携して空調負荷を分担させたりする柔軟な省エネルギー制御を行うものである。
この空調制御部18による連携運転制御について、次のステップS1〜S10で説明する。
ステップS1において、空調条件が変更されたか否かを判断する。空調条件は、上記のような製造ラインの変更のような空調場所の物理的な変更で変わるが、この他、製造ラインの運転停止や作業時間帯など、空調対象場所において空調が必要か否かの状態(空調要否状態)に応じても変わる。
即ち、空調条件が変更された場合は、ステップS2において、空調条件変更ビットを「1」に変更する。また、後述で説明するステップS5で空調省エネ係数Ejを計算した後はステップS2で空調条件変更ビットを「0」とする。
即ち、マトリクス空調ダクト構造の上層ダクト15−1〜15−6及び中層ダクト16−1〜16−nを座標グリッドと見做し、これら交点から空調機13−1〜13−3の位置を示す座標と、接続ダクト31に設けられたダンパ32の位置を示す座標とを求める。
上層ダクト15−1〜15−6と中層ダクト16−1〜16−nとの交点には、ダンパ32が存在するので、図6に示すように、上層ダクト15−1〜15−6を行方向の直線、中層ダクト16−1〜16−7を列方向の直線で表し、各々の交点をダンパ32の位置を示す座標とする。
例えば製造ラインにおける吹出し口の数は10個などと決まっており、この個数分の風量が各ダンパ32の要求風量となる。1つのダンパDA(i)の要求風量Qiは次式(1)で表される。
Qi=ki×Qi_max …(1)
但し、ki:ダンパ開度係数、Qi_max:最大風量である。
1つのダンパDA(i)の要求風量Qiを計算した後は、Q_total=ΣQiにより空調系でのトータル要求風量Q_totalを計算する。
空調省エネ係数Ejとは、複数の空調機を連携運転する際に極力省エネルギーにて運転するための指標となる係数であり、下式(3)で算出される空調機からダンパまでの距離(空調機ダンパ間距離)Pi,jが小さいほど大きくなり、また、要求風量Qiが大きいほど大きくなるものである。
m:距離重み係数、n:風量重み係数。
Pminは空調系の最小距離であり、Pmin=MIN(Pi,j)。
Qmaxは空調系の最大風量であり、Qmax=MAX(Qi_max)。
a,b:補正係数(通常はa,b共に1に設定されている)。
Pi,jは、空調機ダンパ間距離であり、AH(j)とDA(i)の空調機ダンパ間距離Pi,jは、次式(3)から求められる。
Pi,j=ABS(Xj−xi)+ABS(Yj−yi) …(3)
但し、ABS:絶対値を求める関数である。
次に、ステップS7において、空調エリア決定済みのトータル要求風量Q_totalを供給可能な複数の空調機13−1〜13−3の制御条件を決定する。これは、トータル要求風量Q_totalが供給できるように複数の空調機13−1〜13−3を同時に運転する場合、所定の静圧を保ちながら連携運転するための制御条件である。
風量と動力との関係は3乗の関係にある。動力を下げるためには風量を落した方が良く、風量を落として複数台で送風した方が効率が良い。つまり、ある風量を1台で賄うよりも複数台で賄った方が効率が良い。従来は例えば5台全てを運転してインバータ制御しているが、これを3台運転するようにして効率アップを図るようにするには、どのような制御条件で何台運転すればよいか決定する。
なお、トータル要求風量Q_totalを賄えない場合に、各空調機の静圧を賄えるまで下げてもよい。これでも賄えなければ、上記の通り3台目、4台目、…を使用する。
また、ステップS9において、上記決定された制御条件によって複数の空調機13−1,13−2を実際に運転する。この時のエネルギー消費量を測定する。
また、実際の複数の空調機13−1,13−2の連携運転制御は、上記ステップS1〜S10の処理ループにおいて空調省エネ係数Ejが収束した時点で、このEjを用いてステップS9の実運転を行うようにする。
11 工場
13−1〜13−3 空調機
15−1〜15−6 上層ダクト
16−1〜16−n 中層ダクト
17 下層ダクト
18 空調制御部
19 照明電源
21−1〜21−3 蒸発器
21a フィン
21b 台座
21c,36,38 配管
22−1〜22−3 フード
23−1〜23−3 ダクト
24−1〜24−3 吸込ファン
25−1〜25−3 ノズル装置
26−1〜26−3 押込ファン
27−1〜27−3 温度センサ
28 ファン制御部
31 接続ダクト
32 ダンパ
34 選択バルブ
35 バルブ切替制御部
37 流水制御装置
38a ノズル
Claims (9)
- 内部に低温液化ガスを通過させることで外部の空気と熱交換を行い、前記液化ガスを気化させる蒸発器を用い、その熱交換で得られた冷気を空調機で使用する空調システムであって、
前記空調機に連結したダクトの開口を前記蒸発器の近傍に配置し、前記開口に向かって送風する第1の送風手段を前記蒸発器を挟んで前記開口と対向する位置に配置し、前記開口から吸込んだ気体を前記空調機へ送り込む第2の送風手段を前記ダクトの中に配置したことを特徴とする空調システム。 - 前記蒸発器の温度を検出する温度検出手段と、前記第1及び第2の送風手段を前記温度検出手段での検出温度が所定の温度以下となった場合に運転し、所定の温度を超えた場合に停止する送風制御手段とを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
- 前記蒸発器が複数台設けられ、各蒸発器の運転、停止が選択制御される構成において、前記選択制御の信号に応じて前記第1及び第2の送風手段の運転、停止の制御を行う送風制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の空調システム。
- 前記蒸発器に温水又は水を掛ける手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の空調システム。
- 前記回収された冷気と、前記空調機に導入される外気又は当該空調機と空調領域間の循環気との各々の気体のエンタルピから各々の気体を混合した場合のエンタルピを求め、この求めたエンタルピ値と予め設定したエンタルピ値とを比較して前記冷気と前記外気又は循環気との混合比率を決定し、この混合比率で前記冷気及び前記外気又は循環気が導入されて混合されるように前記空調機のダンパの開閉率を制御する空調制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の空調システム。
- 1乃至は複数の空調機の送風口から単独又は分岐されて延長されるダクトの空気の吹出し口を空調対象領域に設置してその領域の空調を行う空調システムにおいて、
前記空調対象領域に、前記ダクトを上下に交差させて格子状に配設し、その交差部分の上下のダクトを風量調整用のダンパが内蔵された接続ダクトで接続し、下のダクトに複数の開閉自在な開口部を設け、これら開口部に1乃至は複数の吹出し口を有する最下層ダクトを着脱自在に取付けて成るマトリクス空調ダクトを備えたことを特徴とする空調システム。 - 前記マトリクス空調ダクトのうち格子状に固定された上下のダクトの交点を前記ダンパの位置座標と見做すと共に、その交点に前記空調機が位置すれば該当交点を、位置しなければ空調機に最寄の交点を空調機の位置座標と見做し、空調が必要な空調対象領域に位置する各ダンパと、当該ダンパが内蔵されたダクトに繋がる空調機との距離を双方の位置座標から求めると共に各ダンパの要求風量を求め、この求められた距離に反比例すると共に要求風量に比例する係数を空調機毎に求め、この求められた係数が大きいほど順位が高くなるように空調機に優先順位を付け、前記空調が必要な空調対象領域の全要求風量を、互いの静圧を均衡させた際の合計風量で供給可能な複数の空調機を前記優先順位に従って選択し、この選択された複数の空調機を運転する空調制御手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の空調システム。
- 前記空調制御手段は、前記空調が必要な空調対象領域の全要求風量を、互いの静圧を均衡させた際の合計風量で供給可能な複数の空調機の運転制御条件に応じたシミュレーションにより予測した予測エネルギー消費量と、同運転制御条件での運転時の実エネルギー消費量との差を、前記係数に反映させる制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の空調システム。
- 請求項1〜5に記載の空調機に連結したダクト、第1及び第2の送風手段、温度検出手段、送風制御手段、蒸発器に温水又は水を掛ける手段、空調制御手段の各構成要素と、請求項6〜8に記載のマトリクス空調ダクト、空調制御手段の各構成要素とを組み合わせたことを特徴とする。
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