JP2007197903A - 建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造時間が短縮でき、製造コストを抑えることができ、レールの厚さ寸法の異なる建具にも兼用することができる障子ストッパーを備えた建具を提供すること。
【解決手段】建具は、上下枠11,12および縦枠を四周枠組みして構成された窓枠10と、この窓枠10内部にスライド開閉可能に支持された室内外の障子20A,20Bと、室内側の障子20Aの開方向における上枠11の端部に設けられて、障子20Aに当接可能な障子ストッパー30とを備える。上枠11には、この長手方向に沿いかつ見込み方向に突出した板状の突出片17を設ける。この突出片17における上枠11の端部近傍には、障子ストッパー30を係止する各切欠きを設ける。障子ストッパー30は、ストッパー本体31と、このストッパー本体31から見込み方向に突設されて各切欠きに係止される一対の被係止部32とを有して形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、建具に関する。詳しくは、スライド開閉可能な障子の開移動を規制する障子ストッパーを備えた建具に関する。
従来、引き戸等の建具において、枠体の下枠端部に設けられ、開方向にスライドされる戸に当接し、召合せ框に設けられたクレセントと縦枠とが衝突することを防止するストッパーが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたストッパーは、枠体に係止される楔状の突出部を有して形成されている。また、枠体における下枠には、下レールとこの下レールに平行に配置された板状の立上り部とが形成され、ストッパーの突出部を係止する係止孔(切欠き)が下レールに形成されている。そして、ストッパーの突出部を下レールの係止孔に係止させるとともに、ストッパーの本体を下レールと立上り部との間に密着して嵌合させることで、ストッパーが下枠に固定されるようになっている。
実公昭57−19418号公報
しかしながら、従来のストッパーでは、ストッパーを係止する係止孔がレールに形成されているため、係止孔を形成するための加工に手間や時間がかかり、製造コストが増大するという問題がある。すなわち、レールは、通常、枠体の上枠や下枠から上下に突設して形成されていることが一般的であるため、レールに係止孔を形成する際に、レールの被加工面に直交する方向に刃物(バイト)を移動させなければならない。そうすると、レールに隣設されている他のレールや板状の立上り部等にバイトが干渉するので、加工工数を増やしたり、手作業で加工する必要が生じたりする。また、建具によってレールの厚さ寸法が異なるので、レールに形成された係止孔に係止されるストッパーの突出部の形状をレールの厚さ寸法によって変更する必要があり、ストッパーの部品兼用を考えた場合に不利であった。
本発明の目的は、障子ストッパーを備えた建具において、製造時間が短縮でき、製造コストを抑えることができるともに、障子ストッパーをレールの厚さ寸法の異なる建具にも兼用することができる建具を提供することである。
本発明の建具は、上下枠および縦枠を四周枠組みして構成された枠体と、この枠体内部にスライド開閉可能に支持された障子と、この障子の開方向における前記上下枠の少なくとも一方の枠材に設けられて、当該障子に当接可能な障子ストッパーとを備え、前記障子ストッパーが設けられた枠材には、当該枠材の長手方向に沿いかつ見込み方向に突出した板状の突出片が設けられ、この突出片には、前記障子ストッパーを係止する係止部が設けられ、前記障子ストッパーは、ストッパー本体と、前記係止部に係止される被係止部とを有して形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、突出片に係止部をNC加工機等を用いて形成する際に、突出片が上下枠の少なくとも一方の枠材の見込み方向に突出した板状で形成されているので、NC加工機等の刃物(バイト)を突出片の被加工面に直交する方向、つまり、枠材の見付け方向に沿って移動させればよいため、枠材に設けられたレールや他の部材等にバイトが干渉することはほとんどなく、従来のようにレールに係止孔を形成する場合と比べて、加工性に優れ、短時間で容易に係止部を形成することができる。従って、建具の製造時間を短縮でき、製造コストを抑えることができる。
また、突出片が上下枠の少なくとも一方の枠材の見込み方向に突出した板状で形成されているので、つまり、上下枠から上下方向に突設して形成されているレールとは別に突出片が設けられているので、レールの厚さ寸法の異なる建具において、障子ストッパーの被係止部の形状を変える必要がなく、障子ストッパーを兼用することができる。従って、障子ストッパーの部品にかかるコストを抑えることができ、容易に部品を管理することができる。
さらに、障子ストッパーに被係止部を設け、上下枠の少なくとも一方の枠材に設けた突出片の係止部に被係止部が係止されるようにしたので、障子ストッパーを枠材に確実に固定することができるとともに、レールに孔等を設ける必要がないので、建具の止水性や気密性を確保することができる。
ここで、枠材の見込み方向に突出した突出片は、枠材の見込み方向に水平に突出した突出片であってもよく、枠材の見込み方向に傾斜して突出した突出片であってもよい。また、突出片に設けられた係止部の形状は、孔状であっても切欠き状であってもよい。
本発明の建具では、前記障子ストッパーは、前記上枠に設けられ、前記係止部は、前記突出片を切欠いて形成され、前記被係止部は、前記係止部に対して上方から係止され、この係止部に係止された状態において、下方から押し上げ操作されることで上方に弾性変形して、前記係止部との係止が解除可能に構成され、前記障子ストッパーは、前記被係止部と係止部との係止が解除された状態で前記上枠に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、被係止部を押し上げる操作で、係止部との係止を解除できるので、係止を解除する操作が容易となり、脱着時の操作性を向上させることができる。これに対して、従来の係止孔は、レールに設けられているので、ストッパーの突出部を横向きに押し込まなければならず、脱着の操作性が劣っていた。
また、係止が解除された状態で、障子ストッパーを上枠と着脱可能に構成したので、障子ストッパーの取り付け作業や交換作業を効率よく行うことができる。また、建具の枠体を組み立てた後でも、障子ストッパーを上枠に取り付ける、あるいは取り外すことが容易にできる。
本発明の建具では、前記障子ストッパーは、前記下枠に設けられ、前記係止部は、前記突出片を切欠いて形成され、前記被係止部は、前記係止部に対して下方から係止され、この係止部に係止された状態において、上方から押し下げ操作されることで下方に弾性変形して、前記係止部との係止が解除可能に構成され、前記障子ストッパーは、前記被係止部と係止部との係止が解除された状態で前記下枠に対して着脱可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、被係止部を押し下げる操作で、係止部との係止を解除でき、係止が解除された状態で、障子ストッパーを下枠と着脱可能に構成したので、請求項2の発明と同様の効果が得られる。
本発明の建具では、前記突出片における前記係止部を除く位置には、風止板を取り付けるための切欠きが形成され、前記障子ストッパーは、前記係止部との係止が解除された状態で、前記突出片に沿って前記風止板取付用切欠きの位置までスライドされ、当該風止板取付用切欠きを介して当該枠材から取り外し可能に構成されるとともに、前記切欠きから前記被係止部を挿入し、前記突出片に沿って前記係止部の位置までスライドされ、前記係止部に被係止部が係止されることで取り付け可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、係止部との係止が解除された状態で、障子ストッパーを突出片に沿ってスライド可能に構成し、さらに、突出片における前記係止部を除く位置に、風止板を取り付けるための切欠きを設けて、この風止板取付用切欠きを介して障子ストッパーを枠材に対して着脱可能に構成したので、風止板取付用切欠きを障子ストッパーの着脱用の切欠きとして兼用することができる。さらに、風止板取付用切欠きを障子ストッパー着脱用の着脱部として兼用したことで、風止板取付用切欠きおよび係止部以外に、枠材に孔等を設けなくとも障子ストッパーを着脱かつ係止することができるので、建具の止水性や気密性を維持することができる。
本発明の建具では、前記障子ストッパーのストッパー本体における前記上下枠の長手方向に沿った両端部には、互いに逆向きに第1および第2の当接面が設けられ、前記被係止部は、前記第1および第2の当接面の各々から略等距離に一対で設けられ、これら一対の被係止部は、前記上下枠の長手方向に沿った互いに逆方向から前記係止部に係止されるように設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、ストッパー本体に互いに逆向きに第1および第2の当接面を設け、また、第1および第2の当接面の各々から略等距離に一対の被係止部を設け、上下の枠材の長手方向に沿った互いに逆方向から係止部に係止されるように一対の被係止部を形成したので、左右いずれの縦枠側端部に取り付ける場合でも共通の障子ストッパーを利用することができる。つまり、建具の勝手違いの場合に共通の障子ストッパーを使用することができ、部品点数を削減して部品管理を容易化することができ、製造コストを低減することができる。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明する。
図1〜図3において、引違い窓1は、建物の外壁開口部に設けられ、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13,14を四周枠組みした窓枠(枠体)10と、この窓枠10の内側にスライド開閉可能に支持された室内外一組の障子20と、上枠11に固定された障子ストッパー30とを備えて構成されている。一組の障子20は、室内側の障子20Aおよび室外側の障子20Bから構成されている。
窓枠10における上枠11には、障子20を案内する室内外一対の上レール15が上枠11と一体的に形成され、これら一対の上レール15は、室内側の障子20Aを案内する室内側上レール15Aと、室外側の障子20Bを案内する室外側上レール15Bとで構成されている。
障子20は、上框21、下框22、および左右の縦框23,24を四周框組みした内部に、ガラスパネル25を嵌め込んで構成されている。室内側の障子20Aと、室外側の障子20Bとは、窓枠10の左右略中央位置の召合せ部分26で互いに重なって閉じるようになっている。そして、室内外の障子20A,20Bは、召合せ部分26の室内側の縦框(召合せ框)23Aに設けられたクレセント27と、室外側の召合せ框23Bに設けられたクレセント受け28とにより施錠できるようになっている。
障子ストッパー30は、室内側障子20Aの開方向、つまり室内側障子20Aを開放する際のスライド方向(図1中、左方向)の上枠11端部において、図2に示すように、室内側の上レール15Aと室外側の上レール15Bとの間に取り付けられている。障子ストッパー30は、室内側の障子20Aを開方向にスライドした際に、室内側障子20Aの召合せ框23に当接することで、室内側障子20Aのクレセント27が縦枠13に衝突することを防止できるようになっている。
次に、上枠11の構成について、図4および図5に基づいて詳しく説明する。ここで、図4は、上枠11を見上げて図示したものである。
上枠11の長手方向における中央部には、室外から室内への止水および室内の気密保持のための風止板40が設けられている。
また、上枠11には、室内側の上レール15Aと室外側の上レール15Bとの間に位置するようにして、室内側の突出片16と室外側の突出片17とがそれぞれ上枠11と一体的に形成されている。この一組の突出片16,17は、それぞれ長板状で、上枠11の長手方向に沿って形成されるとともに、室内外それぞれの上レール15A,15Bの基端部から見込み方向に突出して形成されている。つまり室内側の突出片16は、室外側に突出して形成され、室外側の突出片17は、室内側に突出して形成されている。これらの突出片16,17は、風止板40を係止するとともに、障子ストッパー30を上枠11の長手方向にスライド案内可能に構成されている。
室内側の突出片16は、図5に示すように、室内側上レール15Aの基端部よりも室外寄りの位置から室外に向かって水平に突出した形状となっている。また、室外側の突出片17は、室外側上レール15Bの基端部よりも室内寄りの位置から室内に向かって水平に突出した形状となっている。
室内側の突出片16と上枠11の上面部111との間に、後述する障子ストッパー30の一方の被案内部35,36が差し込まれ、また、室外側の突出片17と上面部111との間にも、障子ストッパー30の他方の被案内部34が差し込まれるようになっており、これにより、障子ストッパー30が上枠11の長手方向にスライド可能に支持されるようになっている。
室内側の突出片16における上枠11の長手方向中央部には、図4に示すように、風止板40を取り付けるための切欠きとしての第1の室内側切欠き161と第2の室内側切欠き162とが形成されている。また、これら第1および第2の室内側切欠き161,162に対向する室外側の突出片17には、第1および第2の室外側切欠き171,172が形成されている。
一方、室内側の突出片16における縦枠13側の端部近傍、つまり、障子ストッパー30が配置される位置には、障子ストッパー30の係止部としての第3の室内側切欠き163と第4の室内側切欠き164とが形成されている。また、これら第3および第4の室外側切欠き163,164に対向する室外側の突出片17には、障子ストッパー30の係止部としての第3および第4の室外側切欠き173,174が形成されている。
これらの各切欠き161〜164,171〜174は、平面矩形状に形成されており、NC加工機等の刃物(バイト)を各突出片16,17の下面に下方から上方に向かって、すなわち上面部111に直交する方向(見付け方向)に移動させることで形成可能になっている。ここで、実際の加工においては、上枠11の上面部111を下にして上レール15が上方に突出した状態で切削してもよく、横向きでもよい。
次に、障子ストッパー30の構成について図6,図7(A)〜(C)に基づいて詳しく説明する。
障子ストッパー30は、樹脂製一体成形部材であって、中空箱型状のストッパー本体31と、このストッパー本体31から見込み方向にそれぞれ突設されて第3および第4の室外側切欠き173,174に係止される一対の被係止部32と、各突出片16,17によって上枠11の長手方向に案内される複数の被案内部33〜36とを備えて構成されている。
ストッパー本体31における上枠11の長手方向に沿った両端部には、互いに逆向きに第1および第2の当接面311,312が設けられている。つまり、第1の当接面311は、障子20Aを開方向にスライドさせた際に、召合せ框23Aと当接するようになっている。一方、第2の当接面312は、障子ストッパー30を上枠11に取り付けた状態で縦枠13に接触するようになっている。
また、ストッパー本体31は、室外側の上レール15Bに対向する室外側の第1および第2の側面313,314と、室内側の上レール15Aに対向する室内側の側面315とを有して形成されている。
一対の被係止部32は、室外側の第1側面313の上縁における長手方向両端付近から室外側に突設され、かつ、ストッパー本体31の長手方向中心に向かって斜め下向きに傾斜して形成されている。すなわち、被係止部32の基端部32Aは、ストッパー本体31に接続され、被係止部32の先端部32Bは、基端部32Aからストッパー本体31の長手方向中心側かつ下側になるように形成され、ストッパー本体31との間に隙間が設けられている。また、これらの被係止部32は、第1および第2の当接面311,312の各々から略等距離に設けられ、すなわち、室外側の第1側面313において長手方向に左右対称に配置されている。そして、一対の被係止部32は、上枠11の室外側突出片17における第3および第4の室外側切欠き173,174にそれぞれ係止されるようになっており、このように被係止部32が第3および第4の室外側切欠き173,174に係止されることで、ストッパー本体31は、上枠11の長手方向への移動が規制されている。
一対の被係止部32は、係止された状態でそれぞれの先端部32Bが下方から押し上げ操作されることで、上方に弾性変形するようになっており、これにより、各被係止部32と第3,第4の室外側切欠き173,174との係止が解除可能に構成されている。
障子ストッパー30の第1および第2の被案内部33は、ストッパー本体31における室外側の第1側面313において、各被係止部32の下方から、室外側に突設して形成されている。これらの第1および第2の被案内部33と各被係止部32との間には、室外側の突出片17の厚さ寸法と略同程度の隙間が形成されている。
第3の被案内部34は、室外側の第1側面313において、各被係止部32の略中間位置から、室外側に突設して形成されている。
第4〜第6の被案内部35,36は、ストッパー本体31における室内側の側面315の上縁に並んで形成され、第4および第5の被案内部35が室内側の側面315の長手方向両端付近から室内側に突設して形成され、第6の被案内部36が長手方向中央付近から室内側に突設して形成されている。
また、第3の被案内部34は、室外側突出片17よりも上方に位置し、また、第6の被案内部36は、室内側突出片16よりも上方に位置するようになっており、これらの第3および第6の被案内部34,36が突出片16,17にそれぞれ下方から係止されることで、ストッパー本体31が上枠11から脱落しないように支持されている。
さらに、被係止部32の先端部32Bが室外側の突出片17の第3,第4の室外側切欠き173,174に係止されることで、障子ストッパー30が上枠11の長手方向への移動を規制されている。
次に、障子ストッパー30を上枠11から取り外す手順について、図8(A)〜(C)に基づいて説明する。
まず、図8(A)に示すように、第3および第4の室外側切欠き173,174に各被係止部32が係止された状態において、各被係止部32おける各先端部32Bを下方から押し上げ操作して係止を解除する。
次に、障子ストッパー30を上枠11の長手方向に沿って、障子20A側(上枠中央側)へスライドさせる。この際、図8(B)に示すように、各被係止部32は室外側の突出片17によって上方に押し上げられた状態で保持されている。また、第1および第2の被案内部33は、室外側の突出片17の下面に対して摺設され、第3の被案内部34は、室外側の突出片17の上面に対して摺設されている。さらに、第4および第5の被案内部35は、室内側の突出片16の下面に対して摺設され、第6の被案内部36は、室内側の突出片16の上面に対して摺設されている。このようにして、障子ストッパー30は、上枠11の長手方向に沿ってスライド可能に案内されている。
次に、図8(C)に示すように、障子ストッパー30を上枠11の中央部の第1および第2の室外側切欠き171,172の位置までスライドさせ、第1の室外側切欠き171に一方の被係止部32を挿通させ、第2の室外側切欠き172に他方の被係止部32および第3の被案内部34を挿通させるとともに、第1および第2の室内側切欠き161,162に第4〜第6の被案内部35,36を挿通させることで、障子ストッパー30を下方に移動させることができる。このようにして、障子ストッパー30を上枠11から取り外すことができるようになっている。
また、障子ストッパー30の取り付けにあたっては、前述と逆の手順で行うことができる。つまり、第1および第2の室内側切欠き161,162と第1および第2の室外側切欠き171,172とに、一対の被係止部32、第3〜第6の被案内部34〜36を下方から挿通させ、これらの被係止部32、第3〜第6の被案内部34〜36が各突出片16,17よりも上方になるまで障子ストッパー30を挿入する。
次に、障子ストッパー30を各突出片16,17に沿って上枠11の端部までスライドさせ、各被係止部32を第3および第4の室外側切欠き173,174にそれぞれ係止させる。このようにして、障子ストッパー30を上枠11の端部に取り付けることができるようになっている。
なお、前述の障子ストッパー30の取り付け手順は、メンテナンスの時の手順であり、製造時の組立作業における障子ストッパー30の取り付けにあたっては、上枠11の端部から各突出片16,17に障子ストッパー30を挿入してもよい。
以上のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
(1)突出片17が上枠11の見込み方向に突出した板状に形成されているので、室外側の突出片17に係止部である第3および第4の室外側切欠き173,174を形成する際に、NC加工機等の刃物(バイト)を突出片17に直交して移動させることができ、上枠11に設けられた上レール15A,15Bや他の部材等にバイトが干渉することはほとんどなく、従来のようにレールに係止孔を形成する場合と比べて、加工性に優れ、短時間で容易に切欠き173,174を形成することができる。従って、建具の製造時間を短縮でき、製造コストを抑えることができる。
(2)突出片17が、上レール15とは別に形成されているので、上レール15の厚さ寸法の異なる建具において、障子ストッパー30の被係止部32の形状を変える必要がなく、障子ストッパー30を兼用することができる。従って、障子ストッパー30の部品にかかるコストを抑えることができ、容易に部品を管理することができる。
(3)障子ストッパー30に設けた一対の被係止部32が突出片17の第3および第4の室外側切欠き173,174に係止されるので、障子ストッパー30を上枠11に確実に固定することができるとともに、上レール15A,15Bに孔等を設ける必要がないので、建具の止水性や気密性を確保することができる。
(4)一対の被係止部32を押し上げる操作で、第3および第4の室外側切欠き173,174との係止を解除できるので、係止を解除する操作が容易となり、操作性を向上させることができる。
(5)一対の被係止部32に対する第3および第4の室外側切欠き173,174の係止が解除された状態で、上枠11の中央部までスライドすることで障子ストッパー30を上枠11から取り外すことができるので、障子ストッパー30の取り付け作業や交換作業を効率よく行うことができる。また、建具の窓枠10を組み立てた後でも、障子ストッパー30を上枠11に取り付けることができる。
(6)さらに、上枠11の長手方向中央部に設けた風止板40を取り付けるための第1および第2の室内側切欠き161,162、第1および第2の室外側切欠き171,172を介して障子ストッパー30が着脱可能に構成されているので、これらの切欠き161,162,171,172を障子ストッパー30の着脱用の切欠きとして兼用することができる。これにより切欠き161,162,171,172以外に、上枠11に孔等を設けなくとも障子ストッパー30を着脱できるので、建具の止水性や気密性を確保することができる。
(7)ストッパー本体31における第1および第2の当接面311,312と一対の被係止部32とが左右対称に設けられ、これらの被係止部32が上枠11の長手方向に沿った互いに逆方向から第3および第4の外側切欠き173,174に係止されるように構成されているので、左右いずれの縦枠13,14側端部に取り付ける場合でも共通の障子ストッパー30を利用することができる。つまり、建具の勝手違いの場合に共通の障子ストッパー30を使用することができるので、部品点数を削減することができ、製造コストをさらに低減することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、建具としての引違い窓1に設けられる障子ストッパー30について説明したが、本発明では、建具としては片引き窓であってもよい。例えば、片引き窓に障子ストッパー30を設ける際に、片引き窓が勝手違いの場合にも、共通の障子ストッパー30を使用することができる。さらに、本発明の建具は、三枚建てや四枚建ての引違い窓や引分け窓等であってもよく、窓以外の出入り口であってもよい。
また、前記実施形態では、上枠11に障子ストッパー30を取り付けていたが、本発明では、障子ストッパー30を下枠12に取り付けてもよいし、上枠11と下枠12の両方に取り付けてもよい。
また、前記実施形態では、上枠11の端部に障子ストッパー30を取り付けられていたが、本発明では、障子ストッパー30を上枠11の中間位置に取り付けてもよい。例えば、固定側の障子の幅寸法が可動側の障子の幅寸法よりも大きい片引き戸において、可動側の障子を開方向にスライドさせて可動側障子の戸先框と固定側障子の召合せ框とが重なったときの可動側障子の召合せ框と当接するように障子ストッパーを上枠の中間位置に取り付けてもよい。これによって、可動側障子が不必要に上枠の開方向の端部までスライドすることを規制することができる。
また、前記実施形態では、上枠11に一対の突出片を設けていたが、本発明では、突出片は一対でなくてもよい。
また、前記実施形態では、建具の勝手違いの場合に共通の障子ストッパー30を使用できるように、障子ストッパー30に一対の被係止部32を設けて、この一対の被係止部32を係止する第3および第4の室外側切欠き173,174を上枠11の室外側突出片17に形成していたが、本発明では、建具の勝手違いの場合を考慮しなければ、被係止部および室外側切欠きをそれぞれ1つずつ設ければよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状、材質等を限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質等の限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る建具である引違い窓の正面図である。 前記引違い窓を示す縦断面図である。 前記引違い窓を示す横断面図である。 前記引違い窓における上枠を下方から見た底面図である。 前記上枠を示す縦断面図である。 前記上枠に取り付けられる障子ストッパーを示す斜視図である。 (A)〜(C)は、前記障子ストッパーを示す正面図、側面図、背面図である。 (A)〜(C)は、前記障子ストッパーの着脱手順を示す側面図および底面図である。
符号の説明
1…引違い窓(建具)、10…窓枠(枠体)、11…上枠、12…下枠、13,14…左右の縦枠、16…室内側の突出片、17…室外側の突出片、20…障子、20A…室内側の障子、20B…室外側の障子、30…障子ストッパー、31…ストッパー本体、32…被係止部、161,162…第1および第2の室内側切欠き、171,172…第1および第2の室外側切欠き、173,174…第3および第4の室外側切欠き(係止部)、311,312…第1および第2の当接面。

Claims (5)

  1. 上下枠および縦枠を四周枠組みして構成された枠体と、この枠体内部にスライド開閉可能に支持された障子と、この障子の開方向における前記上下枠の少なくとも一方の枠材に設けられて、当該障子に当接可能な障子ストッパーとを備え、
    前記障子ストッパーが設けられた枠材には、当該枠材の長手方向に沿いかつ見込み方向に突出した板状の突出片が設けられ、
    この突出片には、前記障子ストッパーを係止する係止部が設けられ、
    前記障子ストッパーは、ストッパー本体と、前記係止部に係止される被係止部とを有して形成されている建具。
  2. 前記障子ストッパーは、前記上枠に設けられ、
    前記係止部は、前記突出片を切欠いて形成され、
    前記被係止部は、前記係止部に対して上方から係止され、この係止部に係止された状態において、下方から押し上げ操作されることで上方に弾性変形して、前記係止部との係止が解除可能に構成され、
    前記障子ストッパーは、前記被係止部と係止部との係止が解除された状態で前記上枠に対して着脱可能に構成されている請求項1に記載の建具。
  3. 前記障子ストッパーは、前記下枠に設けられ、
    前記係止部は、前記突出片を切欠いて形成され、
    前記被係止部は、前記係止部に対して下方から係止され、この係止部に係止された状態において、上方から押し下げ操作されることで下方に弾性変形して、前記係止部との係止が解除可能に構成され、
    前記障子ストッパーは、前記被係止部と係止部との係止が解除された状態で前記下枠に対して着脱可能に構成されている請求項1に記載の建具。
  4. 前記突出片における前記係止部を除く位置には、風止板を取り付けるための切欠きが形成され、
    前記障子ストッパーは、前記係止部との係止が解除された状態で、前記突出片に沿って前記風止板取付用切欠きの位置までスライドされ、当該風止板取付用切欠きを介して当該枠材から取り外し可能に構成されるとともに、
    前記切欠きから前記被係止部を挿入し、前記突出片に沿って前記係止部の位置までスライドされ、前記係止部に被係止部が係止されることで取り付け可能に構成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
  5. 前記障子ストッパーのストッパー本体における前記上下枠の長手方向に沿った両端部には、互いに逆向きに第1および第2の当接面が設けられ、
    前記被係止部は、前記第1および第2の当接面の各々から略等距離に一対で設けられ、これら一対の被係止部は、前記上下枠の長手方向に沿った互いに逆方向から前記係止部に係止されるように設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載の建具。
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