JP2007197262A - 亜硫酸ガス回収方法および亜硫酸ガス回収プラント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の亜硫酸ガス回収方法では、原料ガスを加圧冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化する。ここで、圧力は、0.3〜1.3 MPaの範囲内にあることが好ましい。温度は、−40〜−20 ℃の範囲内にあることが好ましい。また、冷却後、ガス液混合体の気液分離をすることが好ましい。また、気液分離後、気体から硫酸を製造することが好ましい。本発明により、高純度の亜硫酸ガスを回収することができる。
【選択図】図5
Description
なお、発明者は、本発明に関連する技術内容を開示している(例えば、特許文献1参照。)。
また、本発明は、前記亜硫酸ガス回収方法を利用する新規な亜硫酸ガス回収プラントを提供することを目的とする。
冷却・洗浄S3においては、排ガスを洗浄することにより、SO3及び粉塵を除去するとともに、増湿冷却効果により排ガス温度を下げる。
電気集塵機S4においては、湿式電気集塵機により、排ガスに含まれるミスト(液滴)及び粉塵を捕集する。
乾燥排ガスS6は、水分を除去された排ガスである。通常、この位置に送風機が設置されている。
転化器S7においては、Pt系或いはV2O5系の触媒を用いて、SO2ガスをSO3ガスに転化させる。
吸収塔S8においては、排ガス中のSO3を希硫酸と接触させて吸収させる。
濃硫酸S9は、吸収塔にて製造された濃硫酸である。
除外塔S11においては、吸収塔出口の排ガスに残存するSO2/SO3をアルカリ液と接触させて吸収除去する。
大気放出S12においては、無害となった排ガスを排気煙突から大気中に放出させる。
排水S13は、除害塔から排出される排水である。
石灰石S15は、石膏を製造する原料である石灰石である。このほか、消石灰を用いる場合もある。
石膏製造S16においては、廃酸と石灰石とを反応させて石膏を製造する。なお、この石膏製造工程は、希硫酸として回収する方法に置き換えることもできる。
石膏S17においては、遠心分離機等で分離回収して石膏を製造する。
排水S18は、石膏製造工程から排出される排水である。
排水処理S19においては、非鉄精錬所等から発生する排水を排水処理設備により処理する。
放流水S20は、排水処理設備により処理された排水である。
減損排ガスS24は、乾燥排ガスの一部を亜硫酸ガス回収プラントにより分離回収されたときの減損排ガスである。減損排ガスは、冷却・洗浄S3、電気集塵機S4、乾燥塔S5、または転化器S7から選択される1以上の場所に供給することができる。
圧力は1.3〜3 MPaの範囲内にあることが好ましい。圧力が1.3 MPa以上であると、冷却器における冷却の有効性が高まり、その分冷凍機の負荷を下げられ、SO2の液化回収率を上げられるという利点がある。圧力が3 MPa以下であると、圧縮に要する費用が削減できるという利点がある。
温度は20〜40 ℃の範囲内にあることが好ましい。温度が20 ℃以上であると、水(循環使用)或いは外気を冷媒として用いることが可能となるという利点がある。温度が40 ℃以下であると、冷凍機S32の負荷を下げられるという利点がある。
温度は−85〜−50 ℃の範囲内にあることが好ましい。温度が−85 ℃以上であると、CO2の凝固率およびNO2の凝縮率を下げられると言う利点がある。温度が−50 ℃以下であると、SO2の液化回収率を上げられるという利点がある。
気液分離器S34においては、気液混合体の気液分離を行う。
混合液体S35は、SO2、CO2、NO2等からなる混合液体である。
精留塔S36では、蒸留することによりSO2とその他の成分であるCO2、NO2等を分離する。
液化SO2(S37)は、分離された高純度SO2である。
貯蔵タンクS38においては、高純度SO2を貯蔵タンクに貯蔵する。
気化器S39においては、液体の高純度SO2を気化させる。
高純度SO2(S23)は、前記硫酸製造プラントの「高純度SO2(S23)」における高純度SO2である。
減損排ガスS24は、前記硫酸製造プラントの「減損排ガスS24」における減損排ガスである。減損排ガスは、この後の工程で硫酸製造に使用される
図3は、亜硫酸ガス回収装置を模式的に示したものである。導入部1は、硫酸工場の乾燥排ガスを導入するためのフッ素樹脂製の管 (内径6mmφ)である。ポンプ2は、硫酸工場の乾燥排ガスを吸引して冷却管へ送るためのものであり、流量調節機能が付与されている。圧力計3は、冷却管以降の静圧を確認するためのものである。冷却媒体4は、エタノールにドライアイスを砕いて添加したもので、冷却管を冷却するためのものである。冷却管5は、ステンレス製の管(内径3mmφ、長さ5m)であり、乾燥排ガスを冷却し、排ガス中に含有するSO2を液化回収させるためのものである。サンプリングシリンダ6は、ステンレス製の容器(内容積50ml)であり、液化したSO2を捕集・貯蔵するためのものである。排出部7は、SO2の一部が液化回収された減損排ガスを除害装置へ送るためのものである。
亜硫酸ガス回収は、図3の実験装置を用い、硫酸工場の乾燥排ガスをポンプ2で吸引して冷却管5に送り、SO2を液化させた。分析用のサンプルは、サンプリングシリンダ6に集めた。サンプリングのための実験時間は4〜7.5時間である。
SO2=10.6%vol、CO2=0.5%vol、O2=9.3%vol、N2=79.6%vol、H2O<0.1%vol、NOx<5ppm
実験を実施した条件は表1に示す6通りである。
各条件における、静圧は表1に示すとおりである。温度を−65℃にすると、静圧が少し上昇した。回収SO2(CO2が微量混入)の粘度が上昇し、冷却管が閉塞気味になったためと考えられる。
送風機S40においては、送風機により乾燥排ガスを冷凍機に供給する。
気液分離器S43においては、気液混合体の気液分離を行う。具体的には、減損排ガスである気体と高純度SO2である液体とに分ける。
液化SO2(S44)は、分離された高純度SO2である。
貯蔵タンクS45においては、高純度SO2を貯蔵タンクに貯蔵する。
気化器S46においては、液体の高純度SO2を気化させる。
高純度SO2(S23)は、前記硫酸製造プラントの「高純度SO2(S23)」における高純度SO2である。
減損排ガスS24は、前記硫酸製造プラントの「減損排ガスS24」における減損排ガスである。減損排ガスは、この後の工程で硫酸製造に使用される
また、本発明を実施するための最良の形態によれば、原料ガスを冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化するので、新規な亜硫酸ガス回収プラントを提供することができる。
圧力は0.3〜1.3 MPaの範囲内にあることが好ましい。また、圧力は0.4〜0.9 MPaの範囲内にあることがさらに好ましい。
温度は20〜40 ℃の範囲内にあることが好ましい。温度が20 ℃以上であると、水(循環使用)或いは外気を冷媒として利用できるという利点がある。温度が40 ℃以下であると、冷凍機S52の負荷を下げられるという利点がある。
気液分離器S54においては、気液混合体の気液分離を行う。具体的には、減損排ガスである気体と高純度SO2である液体とに分ける。高純度SO2の回収率は18〜68 %の範囲にある。
貯蔵タンクS56においては、高純度SO2を貯蔵タンクに貯蔵する。
気化器S57においては、液体の高純度SO2を気化させる。
高純度SO2(S23)は、前記硫酸製造プラントの「高純度SO2(S23)」における高純度SO2である。
減損排ガスS24は、前記硫酸製造プラントの「減損排ガスS24」における減損排ガスである。減損排ガスは、この後の工程で硫酸製造に使用される
また、本発明を実施するための最良の形態によれば、原料ガスを加圧冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化するので、新規な亜硫酸ガス回収プラントを提供することができる。
Claims (18)
- 原料ガスを冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化する
亜硫酸ガス回収方法。 - 温度は、-65〜-50℃の範囲内にある
請求項1記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 冷却後、ガス液混合体の気液分離をする
請求項1記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 気液分離後、気体から硫酸を製造する
請求項3記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 原料ガスを加圧冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化する
亜硫酸ガス回収方法。 - 圧力は、0.3〜1.3 MPaの範囲内にある
請求項5記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 温度は、−40〜−20 ℃の範囲内にある
請求項5記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 冷却後、ガス液混合体の気液分離をする
請求項5記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 気液分離後、気体から硫酸を製造する
請求項8記載の亜硫酸ガス回収方法。 - 原料ガスを冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化する
亜硫酸ガス回収プラント。 - 温度は、-65〜-50℃の範囲内にある
請求項10記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 冷却後、ガス液混合体の気液分離をする
請求項10記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 気液分離後、気体から硫酸を製造する
請求項12記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 原料ガスを加圧冷却し、亜硫酸ガスの一部を液化する
亜硫酸ガス回収プラント。 - 圧力は、0.3〜1.3 MPaの範囲内にある
請求項14記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 温度は、−40〜−20 ℃の範囲内にある
請求項14記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 冷却後、ガス液混合体の気液分離をする
請求項14記載の亜硫酸ガス回収プラント。 - 気液分離後、気体から硫酸を製造する
請求項17記載の亜硫酸ガス回収プラント。
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