JP2007196315A - 形彫放電加工用電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 製造に要するコスト及び時間の低減を図ることが可能な形彫放電加工用電極の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 まず準備工程において、形彫りにより成形される被成形体に施す形状2aが形成されたワックス製の電極型部材2を用意し、その上に湯道型部材4をワックスによって形成する。次に被覆工程において、電極型部材2及び湯道型部材4の表面を、湯道型部材4の一部を除いて耐熱性の被覆部6で覆う。その次にワックス溶融工程において、被覆部6で覆われた電極型部材2及び湯道型部材4を加熱して溶融し、被覆部6から溶融されたワックス(電極型部材及び湯道型部材)を排出する。続いて鋳造工程において、溶融された金属8を湯道6aから被覆部6内に流し入れる。最後に電極取得工程において、金属8の凝固後、被覆部6を除去し、さらに湯道6aにおいて凝固した金属8aを除去して形彫放電加工用電極10を得る。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被成形体に電極の形状を形成するための形彫放電加工用電極の製造方法に関するものである。
従来、この種の形彫放電加工用電極の製造方法として、銅等の金属あるいはグラファイト等の導電性材料に切削加工あるいは放電加工等を施すことにより製造する方法が知られている。
しかし、切削加工あるいは放電加工等を用いて放電加工用の電極を製造する場合、電極の製造にかかるコスト及び時間が非常に大きくなってしまうという問題がある。特に、複雑な形状に加工することが要求される場合、複雑さに応じてコスト及び時間が増大するという問題が生じてしまう。
本発明は、製造に要するコスト及び時間の低減を十分に図ることが可能な形彫放電加工用電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る形彫放電加工用電極の製造方法は、形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極型部材を用意し、当該電極型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、電極型部材及び湯道型部材の表面を、湯道の出入り口に対応する湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、被覆部で覆われた電極型部材及び湯道型部材を加熱してワックスからなる電極型部材及び湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを被覆部から湯道を介して排出するワックス溶融工程と、溶融された金属を湯道から被覆部内に流し入れる鋳造工程と、金属の凝固後被覆部を除去し、さらに湯道において凝固した金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、を備えることを特徴とする。
上記製造方法によれば、ワックス製の電極型部材から金属の形彫放電加工用電極を得るのに、ワックスを溶融して排出し金属と置き換えるだけでよい。したがって、形彫放電加工用電極を得るのに金属を切削する等の加工技術を施さなくてよい。そのため、製造に要するコスト及び時間を十分に低減することが可能となる。特に、形彫により成形される被成形体に施す形状が複雑になった場合には、コスト及び時間の低減効果がより顕著となる。
また、本発明に係る形彫放電加工用電極の製造方法は、形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極形状型部材と放電加工機との接続を担う導電体製のチャッキング部材とを密着させて電極型部材を用意し、電極形状型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、電極型部材及び湯道型部材の表面を、湯道の出入り口に対応する湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、被覆部で覆われた電極型部材及び湯道型部材を加熱してワックス製の電極形状型部材及び湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを被覆部から湯道を介して排出するワックス溶融工程と、溶融された金属を湯道から被覆部内に流し入れる鋳造工程と、金属の凝固後被覆部を除去し、さらに湯道において凝固した金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、を備えることを特徴とする。
上記製造方法によれば、ワックス製の電極形状型部材を有する電極型部材から金属の形彫放電加工用電極を得るのに、ワックスを溶融して排出し金属と置き換えるだけでよい。したがって、形彫放電加工用電極を得るのに金属を切削する等の加工技術を施さなくてよい。そのため、製造に要するコスト及び時間を十分に低減することが可能となる。特に、形彫により成形される被成形体に施す形状が複雑になった場合には、コスト及び時間の低減効果がより顕著となる。また、上記製造方法では電極型部材として、ワックス製の電極形状型部材と導電体製のチャッキング部材とを密着させたものを用いる。そのため、溶融された金属は電極型部材のうち電極形状型部材のみ、即ち最終的に得られる形彫放電加工用電極全体の一部のみを置き換えの対象とするにすぎない。したがって、溶融された金属が凝固する際の影響を抑えることができ、形彫放電加工用電極の変形を抑制することが可能となる。
また、本発明に係る形彫放電加工用電極の製造方法は、形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極形状型部材と電極の土台を担う導電体製のベース部材とを密着させて電極型部材を用意し、前記電極形状型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、前記電極型部材及び前記湯道型部材の表面を、前記湯道の出入り口に対応する前記湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、前記被覆部で覆われた前記電極型部材及び前記湯道型部材を加熱してワックス製の前記電極形状型部材及び前記湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを前記被覆部から前記湯道を介して排出するワックス溶融工程と、溶融された金属を前記湯道から前記被覆部内に流し入れる鋳造工程と、前記金属の凝固後前記被覆部を除去し、さらに前記湯道において凝固した前記金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、を備えることを特徴とする。
上記製造方法によれば、ワックス製の電極形状型部材を有する電極型部材から金属の形彫放電加工用電極を得るのに、ワックスを溶融して排出し金属と置き換えるだけでよい。したがって、形彫放電加工用電極を得るのに金属を切削する等の加工技術を施さなくてよい。そのため、製造に要するコスト及び時間を十分に低減することが可能となる。特に、形彫により成形される被成形体に施す形状が複雑になった場合には、コスト及び時間の低減効果がより顕著となる。また、上記製造方法では電極型部材として、ワックス製の電極形状型部材と導電体製のベース部材とを密着させたものを用いる。そのため、溶融された金属は電極型部材のうち電極形状型部材のみ、即ち最終的に得られる形彫放電加工用電極全体の一部のみを置き換えの対象とするにすぎない。したがって、溶融された金属が凝固する際の影響を抑えることができ、形彫放電加工用電極の変形を抑制することが可能となる。
この場合、導電体の融点は、被覆部に流し入れられる金属の融点より温度が高いことが好ましい。特に、金属は銀を主成分とし、導電体は銅又は鉄鋼材料を主成分とすることが好ましい。このような関係であれば、溶融された金属によって導電体製のチャッキング部材又はベース部材が溶融してしまうことを抑制できる。特に、導電体が銅を主成分とする場合、熱による線膨張率が金属(銀)と近いため好ましい。
ここで、金属は、銀、銅、銀を主成分とする合金、及び銅を主成分とする合金の何れかであることが好ましい。これらの金属材料は形彫放電加工用電極の材料として好適である。
本発明によれば、製造に要するコスト及び時間の低減を図ることが可能な形彫放電加工用電極の製造方法を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る形彫放電加工用電極の製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1〜図3に基づき、第1実施形態に係る形彫放電加工用電極の製造方法について説明する。第1実施形態の製造方法は鋳造技術を用いており、準備工程、被覆工程、ワックス溶融工程、鋳造工程、及び電極取得工程を備える。
図1は、準備工程を示す工程断面図である。まずは、図1(a)に示すように、ワックス製の電極型部材2を用意する。電極型部材2は、電極部2aとチャッキング部2bとからなる。電極部2aは、その一側面上に凹凸の形状Sが形成されている。この形状Sは、形彫により成形される被成形体に施す形状Sに相当する。電極部2aの形状は、放電加工機あるいは被成形体等によって異なり、例えば直方体形状を呈する。チャッキング部2bは、形状Sが形成された電極部2aの側面とは反対側に向かって電極部2aから突出し、放電加工機が把持できるように形成されている。チャッキング部2bは、放電加工機によって放電加工機との接続を担う。
このような電極型部材2は例えば、電極形状として設計された3次元モデリングデータに基づいて、インクジェット法、光造形法などのラピッドプロトタイピング技術によって製造されたワックス原型であってもよい。
こうして用意された電極型部材2の電極部2aの側面上に、図1(b)に示すように、ワックスからなる湯道型部材4を形成する。湯道型部材4が形成された電極部2aの側面は、形状Sが形成された側面とは交差する面である。湯道型部材4は鋳造のための湯道に対応し、先端部の径が大きいラッパ形状を呈する。
図2(a)は被覆工程を、図2(b)はワックス溶融工程を、図2(c)は鋳造工程をそれぞれ示す工程断面図である。図2(a)に示すように、準備工程で用意された電極型部材2及び湯道型部材4の表面を、湯道型部材4の一部(湯道型部材4の先端部の表面であって、ラッパ形状の吹き出し面に相当)を除いて耐熱性の被覆部6で覆う。被覆部6で覆われない湯道型部材4の一部は、鋳造のための湯道の出入り口に対応する。被覆部6は、例えば石膏などからなる。
その後、被覆部6で覆われた電極型部材2及び湯道型部材4を加熱する。電極型部材2及び湯道型部材4はワックスからなるため、加熱により溶融する。被覆部6には、湯道型部材4に基づいて湯道6aが形成される。図2(b)に示すように、こうして形成された湯道6aを介して、溶融されたワックス(電極型部材2及び湯道型部材4)を被覆部6から排出する。
ワックスを排出した後、図2(c)に示すように、溶融された金属8を湯道6aから被覆部6内に流し入れる。金属8は例えば、銀、又は銅、又は銀を主成分とする合金、又は銅を主成分とする合金などである。
図3は、電極取得工程を示す工程断面図である。被覆部6内に流し入れた金属8が凝固した後、図3(a)に示すように被覆部6を除去する。被覆部6の除去後、図3(b)に示すように、被覆部6の湯道6aにおいて凝固した部分8aを除去し、凝固した金属8の残りの部分から形彫放電加工用電極10を得る。この形彫放電加工用電極10に対し、熱処理による時効硬化処理を施してもよい。
第1実施形態に係る形彫放電加工用電極の製造方法では、ワックス溶融工程及び鋳造工程において、ワックスからなる電極型部材2及び湯道型部材4を溶融して排出し金属8と置き換えるだけで、金属の形彫放電加工用電極10を得る。したがって、形彫放電加工用電極10を得るのに金属を切削する等の加工技術を施す必要がない。そのため、製造に要するコスト及び時間を十分に低減することが可能となる。
特に、被成形体に施す形状が複雑になった場合、切削加工あるいは放電加工等の加工技術を用いた製造方法と比べ、コスト及び時間の低減効果がより一層顕著となる。したがって、例えば鉄道模型の部品を加工するための金型を製造する際に用いられる放電加工機の電極の製造に好適である。
また、インクジェット法、光造形法などのラピッドプロトタイピング技術によって電極型部材2を製造し、これを原型として用いることで、電極型部材2の製造に要するコスト及び時間を低減することが可能となる。その結果、形彫放電加工用電極の製造に要するコスト及び時間をより一層低減することが可能となる。
銀、又は銅、又は銀を主成分とする合金、又は銅を主成分とする合金は、形彫放電加工用電極10の金属8として好適である。
特に、銀と銅との合金を被覆部6に流し入れる金属8として用いた場合、凝固した金属8に巣が発生すること、あるいは凝固した金属8の表面が荒れること等が好適に抑制される。
また、電極取得工程において得られた形彫放電加工用電極10に対し、熱処理による時効硬化処理を施した場合には、形彫放電加工用電極10の硬度を高くすることが可能となる。
(第2実施形態)
図4〜図6に基づき、第2実施形態に係る形彫放電加工用電極の製造方法について説明する。第2実施形態では鋳造技術を用いており、準備工程、被覆工程、ワックス溶融工程、鋳造工程、及び電極取得工程を備える。
図4は、準備工程を示す工程断面図である。まずは、図4(a)に示すように、ワックス製の電極形状型部材22を用意する。電極形状型部材22は、周縁が突出している板状を呈し、当該周縁が突出してない側の面上に形彫により成形される被成形体に施す形状Sが形成されている。
このような電極形状型部材22は例えば、電極形状として設計された3次元モデリングデータに基づいて、インクジェット法、光造形法などのラピッドプロトタイピング技術によって製造されたワックス原型であってもよい。
ワックス製の電極形状型部材22とは別に、図4(b)に示すように、導電体製(例えば銅を主成分とする合金)のチャッキング部材24を用意する。チャッキング部材24は、電極の土台の一部を構成するベース部24aと、放電加工機との接続を担うチャッキング部24bとからなる。ベース部24aは、電極形状型部材22の周縁の突出している部分内にその一部が密着して収まることができる形状である。チャッキング部24bは、ベース部24aから突出し、放電加工機が把持できるように形成される。
こうして用意した電極形状型部材22及びチャッキング部材24を、図4(b)に示すように、密着させ一体のものとする。すなわち、電極形状型部材22の周縁の突出している部分内にチャッキング部材24のベース部24aの一部を密着させて収納する。このとき、チャッキング部24bは、形状Sが形成された電極形状型部材22の側面とは反対側に突出する。これにより、電極形状型部材22及びチャッキング部材24を有する電極型部材20を得る。
さらに、図4(c)に示すように、板状電極形状型部材22の周縁の突出している部分の外表面上に、ワックスによって湯道型部材26を形成する。湯道型部材26は鋳造のための湯道に対応し、先端部の径が大きいラッパ形状を呈する。
図5(a)は被覆工程を、図5(b)はワックス溶融工程を、図5(c)は鋳造工程をそれぞれ示す工程断面図である。図5(a)に示すように、準備工程で用意された電極型部材20及び湯道型部材26の表面を、湯道型部材26の一部(湯道型部材26の先端部の表面であって、ラッパ形状の吹き出し面に相当)を除いて耐熱性の被覆部28で覆う。被覆部28で覆われない湯道型部材26の一部は、鋳造のための湯道の出入り口に対応する。被覆部28は、例えば石膏などからなる。
その後、被覆部28で覆われた電極型部材20及び湯道型部材26を加熱する。電極型部材20における電極形状型部材22及び湯道型部材26はワックスからなるため、加熱により溶融する。被覆部28には、湯道型部材26に基づいて湯道28aが形成される。図5(b)に示すように、こうして形成された湯道28aを介して、溶融されたワックス(電極形状型部材22及び湯道型部材26)を被覆部28から排出する。
ワックスを排出した後、図5(c)に示すように、溶融された金属30を湯道28aから被覆部28内に流し入れる。金属30は例えば、銀、又は銅、又は銀を主成分とする合金、又は銅を主成分とする合金などである。
図6は、電極取得工程を示す工程断面図である。被覆部28内に流し入れた金属30が凝固した後、図6(a)に示すように、被覆部28を除去する。被覆部28の除去後、図6(b)に示すように、被覆部28の湯道28aにおいて凝固した部分30aを除去し、凝固した金属30の残りの部分及びチャッキング部材24から形彫放電加工用電極32を得る。この形彫放電加工用電極32に対し、熱処理による時効硬化処理を施してもよい。
第2実施形態に係る形彫放電加工用電極の製造方法では、ワックス溶融工程及び鋳造工程において、ワックスからなる電極型部材22及び湯道型部材26を溶融して排出し金属30と置き換えるだけで、金属の形彫放電加工用電極32を得る。したがって、形彫放電加工用電極32を得るのに金属を切削する等の加工技術を施す必要がない。そのため、製造に要するコスト及び時間を十分に低減することが可能となる。
特に、被成形体に施す形状が複雑になった場合、切削加工あるいは放電加工等の加工技術を用いた製造方法と比べ、コスト及び時間の低減効果がより一層顕著となる。したがって、例えば鉄道模型の部品を加工するための金型を製造する際に用いられる放電加工機の電極の製造に好適である。
また、第2実施形態に係る製造方法では、準備工程において、ワックスからなる電極形状型部材22と導電体からなるチャッキング部材24とを密着させて電極型部材20を用意している。さらに、ワックス溶融工程及び鋳造工程を経て金属30に置き換えられるのは、電極型部材20のうち電極形状型部材22のみであって、チャッキング部材24は置き換えられない。すなわち、溶融された金属30によって得られるのは、形彫放電加工用電極32全体の一部に過ぎない。溶融された金属が凝固する際金属は収縮し、金属の体積が大きいほど収縮による影響(歪み、変形等)は大きい。したがって、チャッキング部材24を用いて溶融された金属30から得られる部分を少なくすることによって、金属が凝固する際の影響を抑えることができ、その結果形彫放電加工用電極32の変形が抑制可能となる。
形彫放電加工用電極32は、その形状を被成形体に施すものであるため、変形が少ないほど好ましい。したがって、本実施形態は形彫放電加工用電極の製造に好適である。
また、インクジェット法、あるいは光造形法などのラピッドプロトタイピング技術によって電極型部材22を製造し、こうして製造された電極形状型部材22を原型として用いることで、電極形状型部材22の製造に要するコスト及び時間を低減することが可能となる。これにより、形彫放電加工用電極の製造に要するコスト及び時間をより一層低減することが可能となる。
被成形体に施す形状を形成する必要のないチャッキング部材24は、用意する際にプロトタイピング技術を用いなくてもよい。そのため、形彫放電加工用電極32全体に相当する形状をプロトタイピング技術によって得る場合に比べ、より一層コストを低減することが可能となる。特に、本実施形態に示すように、チャッキング部材24が電極の土台の一部を構成するベース部24aまでも有する場合、コスト低減の効果が顕著となる。
また、形彫放電加工用電極は放電加工機との接続を実現するため通常チャッキング部材を要し、チャッキング部材は単に放電加工機との接続が実現できればよい。そのため、チャッキング部材24は標準化可能である。チャッキング部材24を標準化した場合、形彫放電加工用電極の設計及び製造の双方においてより顕著なコスト及び時間の低減効果を発揮することができる。
また、金属30が銀を主成分とし、チャッキング部材24を構成する導電体が銅を主成分とする場合、銅の方が銀に比べて融点が高いため、溶融された金属30によってチャッキング部材24が溶融することが抑制され好適である。さらに、金属30が銀を主成分とし、チャッキング部材24を構成する導電体が銅を主成分とする場合、銀と銅とでは熱による線膨張率が近いため、溶融された金属30が凝固する際の収縮と、チャッキング部材24を構成する導電体の収縮とに偏りがなく好適である。
また、電極取得工程において得られた形彫放電加工用電極32に対し、熱処理による時効硬化処理を施した場合には、形彫放電加工用電極32の硬度を高くすることが可能となる。
なお、被覆部28内に流し入れる金属30として、例えば、銀、又は銅、又は銅を主成分とする合金などを用いてもよい。特に、銀と銅との合金を被覆部28に流し入れる金属30として用いる場合、凝固した金属30に巣が発生すること、あるいは凝固した金属30の表面が荒れること等が好適に抑制される。
また、チャッキング部材24を構成する導電体及び被覆部28に流し入れる金属30は、チャッキング部材24を構成する導電体の融点が被覆部28に流し入れる金属30の融点より高い関係であることが好ましく、例えば金属30が銀を主成分とする場合に導電体は鉄鋼材料を主成分とするものであってもよい。このような関係であれば、溶融された金属30によってチャッキング部材24が溶融してしまうことを抑制することが可能となる。
また、電極型部材20及び湯道型部材26を準備する順番はどのような順番であってもよく、例えば電極形状型部材22上に湯道型部材26を形成した後に電極形状型部材22とチャッキング部材24とを密着させて電極型部材20を得てもよい。
また、チャッキング部材24は、ベース部24aを有さず、チャッキング部24bのみから構成されていてもよい。あるいは、チャッキング部材24の代わりに導体製のベース部材を電極形状型部材22と密着させ一体のものとし、電極型部材として用いてもよい。この場合、ベース部材は電極の土台を担い、例えばチャッキング部材24と同様の形状を呈していても、あるいはチャッキング部材24のベース部24aと同様の形状を呈していてもよい。チャッキング部材24の代わりに導体製のベース部材を電極形状型部材22と密着させ一体のものとした場合にも、形彫放電加工用電極32の変形は抑制可能である。あるいは、チャッキング部材24は、ベース部24a及びチャッキング部24b以外を有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、被覆部6、28内に流し入れる金属8、30として、上記の金属以外の金属を用いてもよい。
また、電極型部材2、20を得るのに、プロトタイピング技術を用いなくてもよい。したがって、例えば、電極を再現するための原型を作成し、当該原型を元にゴム型を形成し、該ゴム型に基づきワックスからなる電極型部材2(あるいは電極形状型部材22)を製造してもよい。この場合、電極型部材2、20を複数製造することが容易となり、電極の消耗への対応が容易となる。
また、湯道型部材4、26の形状、位置、及び数は上記実施形態で記載した形状、位置、及び数に限らない。したがって、例えば、湯道型部材4、26は電極型部材2、20の形状Sが形成された側面と同じ面に形成されていてもよく、あるいは湯道型部材4、26の数が2つ以上であってもよい。
第1実施形態に係る製造方法の準備工程を示す工程断面図である。 第1実施形態に係る製造方法の(a)被覆工程、(b)ワックス溶融工程、及び(c)鋳造工程を示す工程断面図である。 第1実施形態に係る製造方法の電極取得工程を示す工程断面図である。 第2実施形態に係る製造方法の準備工程を示す工程断面図である。 第2実施形態に係る製造方法の(a)被覆工程、(b)ワックス溶融工程、及び(c)鋳造工程を示す工程断面図である。 第2実施形態に係る製造方法の電極取得工程を示す工程断面図である。
符号の説明
2、20…電極型部材、2a…電極部、2b…チャッキング部、4、26…湯道型部材、6、28…被覆部、8、30…金属、10、32…形彫放電加工用電極、22…電極形状型部材、24…チャッキング部材、24a…ベース部、24b…チャッキング部

Claims (6)

  1. 形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、
    形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極型部材を用意し、当該電極型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、
    前記電極型部材及び前記湯道型部材の表面を、前記湯道の出入り口に対応する前記湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、
    前記被覆部で覆われた前記電極型部材及び前記湯道型部材を加熱してワックスからなる前記電極型部材及び前記湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを前記被覆部から前記湯道を介して排出するワックス溶融工程と、
    溶融された金属を前記湯道から前記被覆部内に流し入れる鋳造工程と、
    前記金属の凝固後前記被覆部を除去し、さらに前記湯道において凝固した前記金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、
    を備えることを特徴とする形彫放電加工用電極の製造方法。
  2. 形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、
    形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極形状型部材と放電加工機との接続を担う導電体製のチャッキング部材とを密着させて電極型部材を用意し、前記電極形状型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、
    前記電極型部材及び前記湯道型部材の表面を、前記湯道の出入り口に対応する前記湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、
    前記被覆部で覆われた前記電極型部材及び前記湯道型部材を加熱してワックス製の前記電極形状型部材及び前記湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを前記被覆部から前記湯道を介して排出するワックス溶融工程と、
    溶融された金属を前記湯道から前記被覆部内に流し入れる鋳造工程と、
    前記金属の凝固後前記被覆部を除去し、さらに前記湯道において凝固した前記金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、
    を備えることを特徴とする形彫放電加工用電極の製造方法。
  3. 形彫放電加工用電極を鋳造技術により製造する方法であって、
    形彫により成形される被成形体に施す形状が形成されたワックス製の電極形状型部材と電極の土台を担う導電体製のベース部材とを密着させて電極型部材を用意し、前記電極形状型部材上に鋳造のための湯道に対応する湯道型部材をワックスによって形成する準備工程と、
    前記電極型部材及び前記湯道型部材の表面を、前記湯道の出入り口に対応する前記湯道型部材の一部を除いて耐熱性の被覆部で覆う被覆工程と、
    前記被覆部で覆われた前記電極型部材及び前記湯道型部材を加熱してワックス製の前記電極形状型部材及び前記湯道型部材を溶融し、溶融されたワックスを前記被覆部から前記湯道を介して排出するワックス溶融工程と、
    溶融された金属を前記湯道から前記被覆部内に流し入れる鋳造工程と、
    前記金属の凝固後前記被覆部を除去し、さらに前記湯道において凝固した前記金属を除去することによって形彫放電加工用電極を得る電極取得工程と、
    を備えることを特徴とする形彫放電加工用電極の製造方法。
  4. 前記金属は、銀、銅、銀を主成分とする合金、及び銅を主成分とする合金の何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載の形彫放電加工用電極の製造方法。
  5. 前記導電体の融点は、前記被覆部に流し入れられる前記金属の融点より温度が高いことを特徴とする請求項2又は3記載の形彫放電加工用電極の製造方法。
  6. 前記金属は銀を主成分とし、前記導電体は銅又は鉄鋼材料を主成分とすることを特徴とする請求項2又は3記載の形彫放電加工用電極の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103231015A (zh) * 2013-05-10 2013-08-07 宁波合创快速制造技术有限公司 一种快速制作电极的装置和方法
CN106111902A (zh) * 2016-07-05 2016-11-16 青海大学 藏式中型薄壁铜佛像制造方法
CN112427650A (zh) * 2020-11-02 2021-03-02 哈尔滨工业大学 基于放电等离子体的熔丝沉积金属增/减材复合制造方法

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