JP2007194961A - 携帯端末用アンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化且つ広帯域化が可能であり、インピーダンス整合も容易な携帯端末用アンテナを提供しようとするものである。また、さらに低周波化も可能な携帯端末用アンテナを提供しようとするものである。
【解決手段】携帯端末に内蔵するアンテナは、グラウンド板1とアンテナ素子2とインピーダンス整合用無給電素子3とからなる。グラウンド板1は導体からなるものであり、アンテナ素子2は、グラウンド板の側部近傍に、グラウンド板の板面に垂直な方向で重ならないように配置される。また、インピーダンス整合用無給電素子3は、グラウンド板1の一部とアンテナ素子2の少なくとも給電部20と重なるように、グラウンド板1の板面に垂直な方向に配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は携帯端末用アンテナに関し、特に、アンテナ素子の入力インピーダンスを調整可能で広帯域な携帯端末用アンテナに関する。
携帯電話等の携帯端末に用いられるアンテナには、モノポールアンテナや平板逆Fアンテナ等がある。しかしながら、これらのアンテナは携帯端末の筐体上に誘起される電流が人体の影響により変化するため、使用態様によって著しい利得の低下等の特性劣化が起こっていた。また、近来の携帯端末のデザイン上の観点等から、アンテナは携帯端末に内蔵されるようになってきている。このような特性劣化の原因となる筐体上の電流を減少させ、携帯端末に内蔵できるアンテナとして、平衡給電アンテナが開発された(特許文献1)。これは、折返し型のループアンテナを用いたものである。
また、さらなる小型化を図るために、アンテナ素子を導体板に対して同一平面で水平に配置した携帯端末用平面型折返しダイポールアンテナも提案されている(非特許文献1)
また、携帯端末の高機能化に伴い、日本国内のみならず海外における携帯端末の各帯域(GSM、DCS、PCS、UMTS等)をカバーする広帯域のアンテナの要求も高まっている。さらに、いわゆる1セグメント放送のサービスが導入されるのに伴い、携帯端末に内蔵できるUHF帯のアンテナの要求も高まっており、単に広帯域化するだけではなく、低周波化も望まれている。
このように、携帯端末用アンテナには、小型化且つ広帯域化、さらには低周波化の要求が年々高まっている。
特開2002−43826号公報 佐々木 大介他「携帯端末用平面型折返しダイポールアンテナ」電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、2004年、B−1−83
上記の特許文献1や非特許文献1のような折返しダイポールアンテナにおいて、そのループアンテナの入力インピーダンスは、アンテナの素子幅や素子間隔を変化させたり、インピーダンス整合を行うためにバラン等を用いたりする必要があった。しかしながら、インピーダンス整合を行うためにアンテナ素子の形状を変化させるのには限界があった。また、バランを用いるものでは、その周波数特性の限界から、広帯域化や低周波化を行った場合に使用できるバランが存在しないという問題もあった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、小型化且つ広帯域化が可能であり、インピーダンス整合も容易な携帯端末用アンテナを提供しようとするものである。また、小型化且つ広帯域化が可能であり、さらに低周波化が可能でインピーダンス整合も容易な携帯端末用アンテナも提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による携帯端末用アンテナは、導体からなるグラウンド板と、グラウンド板の側部近傍に、グラウンド板の板面に垂直な方向で重ならないように配置されるアンテナ素子と、グラウンド板の一部とアンテナ素子の少なくとも給電部と重なるように、グラウンド板の板面に垂直な方向に配置される、アンテナ素子の入力インピーダンスを調整するためのインピーダンス整合用無給電素子と、を具備するものである。
ここで、インピーダンス整合用無給電素子は、板状部材又は網状部材からなるのが好ましい。
また、インピーダンス整合用無給電素子は、グラウンド板の幅と同じかそれよりも短く構成されれば良い。
さらに、アンテナ素子の入力インピーダンスは、インピーダンス整合用無給電素子をアンテナ素子の給電部を基準に移動させることで調整されれば良い。
ここで、インピーダンス整合用無給電素子は、グラウンド板の板面方向又はグラウンド板の板面に垂直な方向に移動されれば良い。
さらに、グラウンド板とインピーダンス整合用無給電素子との間に、誘電体を有していても良い。
また、アンテナ素子は、給電部からグラウンド板の幅方向に延びる第1ラインと、グラウンド板の長さ方向に延びる第2ラインと、第1ラインとは反対方向に延びる第3ラインと、グラウンド板の板面に垂直な方向に延びる第4ラインと、第3ラインと反対方向に延びる第5ラインと、第2ラインと反対方向に延びる第6ラインと、第1ラインと反対方向に延びる第7ラインと、を一連に接続して構成されれば良い。
ここで、アンテナ素子について、第3ラインの長さを第1ラインの長さと同じか又は短く構成し、さらに、アンテナ素子の給電部を中心に面対称な形状を有し、一方の第7ラインと他方の第7ラインが、第6ラインと接続される側とは反対側でそれぞれ接続され、ループアンテナが構成されるようにしても良い。
このとき、インピーダンス整合用無給電素子は、アンテナ素子の給電部を中心にグラウンド板の長さ方向に対して対称となるような位置に配置されれば良い。
また、アンテナ素子は両面基板上に形成され、第1乃至第3ラインは両面基板の一方の面上に形成され、第5ライン乃至第7ラインは両面基板の他方の面上に形成され、第4ラインは、両面基板を貫通するビアホールで形成されても良い。
本発明の携帯端末用アンテナには、携帯端末の筐体上に流れる電流を抑制する自己平衡作用を持たせつつ広帯域な周波数特性を有し、さらにアンテナ素子の入力インピーダンス整合も容易であるという利点がある。さらに、広帯域な周波数特性を維持しながら共振周波数を実用域に下げて低周波化を図ることも可能であるという利点もある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の携帯端末用アンテナを説明するための概略図であり、図1(a)は携帯端末用アンテナの全体の斜視図であり、図1(b)は携帯端末用アンテナの側面図である。本発明の携帯用アンテナは、主にグラウンド板1とアンテナ素子2、そしてインピーダンス整合用無給電素子3とからなる。グラウンド板1は、携帯端末の基板に相当する導体から構成されるものである。なお、説明の都合上、本明細書では、図1(a)中、XY平面をグラウンド板の板面方向とし、Z方向がグラウンド板の板面に垂直な方向としている。また、グラウンド板の長手方向をグラウンド板の長さ方向とし、グラウンド板の短辺方向をグラウンド板の幅方向としている。但し、本発明はこれに限定されず、いかなる向きに配置されても良いことは勿論である。
図2に、アンテナ素子2の詳細を示す。図2は、本発明の携帯端末用アンテナのアンテナ素子2を説明するための斜視図である。図示のように、アンテナ素子2は、XY平面と等しい方向にアンテナ素子のループ面が2つ折り返して設けられ、上下のループが重なっているものである。なお、図示例では2つのループを有するアンテナ素子を示したが、本発明はこれに限定されず、さらに折り返して多くのループを構成しても良い。また、アンテナストリップの形状も、直線的である必要はなく、切り欠き部を設けたり波状にしたりすることも可能である。
また、アンテナ素子を折り返して構成することが可能であるため、アンテナ素子2の全長は、中心周波数の波長λと同じ長さにすることが可能である。なお、全長は中心周波数の波長λには限定されず、さらに小型化が必要な場合等には、λ/2やλ/4等の長さにすることも勿論可能である。
本発明の携帯端末用アンテナのアンテナ素子2をより具体的に説明すると、アンテナ素子2は、給電部20からY軸方向に延びる第1ライン21と、X方向に延びる第2ライン22と、第1ライン21とは反対方向に延びる第3ライン23と、Z軸方向に延びる第4ライン24と、第3ライン23と反対方向に延びる第5ライン25と、第2ライン22と反対方向に延びる第6ライン26と、第1ライン21と反対方向に延びる第7ライン27とが一連に接続され、給電部20を中心に面対称に構成されたものである。また、第1ライン21と第7ライン27、第2ライン22と第6ライン26、第3ライン23と第5ライン25が、Z軸方向でそれぞれ重なるように構成されている。但し、本発明ではこれらは重なっている必要はなく、アンテナ素子として機能するものであれば如何なる構成であっても良い。
なお、図示例ではX軸方向のラインの幅のほうがY軸方向のラインの幅に比べて広く構成されているが、本発明はこれに限定されず、逆に狭く構成されても良い。また、給電部20は平衡給電であっても不平衡給電であっても構わない。
このように構成したアンテナ素子を、グラウンド板の側部近傍で、なおかつグラウンド板の板面に垂直な方向で重ならないように配置する。これにより、厚さ方向の大きさの減少が図れるので、携帯端末をより小型化、薄型化することが可能となる。なお、図示例ではグラウンド板の短辺側の側部近傍にアンテナ素子を配置した例を示したが、本発明はこれに限定されず、携帯端末の筐体内でのレイアウトによっては、グラウンド板の長辺側の側部近傍にアンテナ素子を配置するものであっても構わない。また、アンテナ素子は、必ずしもグラウンド板の板面に対して同一平面で水平である必要はない。
また、アンテナ素子2は、導電ラインを折り曲げて構成しても良いし、両面基板上に形成されても良い。両面基板上に構成する場合には、第1ライン21、第2ライン22、第3ライン23を両面基板の裏面側に形成し、第5ライン25、第6ライン26、第7ライン27を両面基板の表面側に形成し、第4ライン24を両面基板を貫通するビアホールで形成すれば良い。
次に、本発明の携帯端末用アンテナの特徴的な部分であるインピーダンス整合用無給電素子3について説明する。図1(b)に示すように、インピーダンス整合用無給電素子3は、グラウンド板1とアンテナ素子2の直下に、グラウンド板1とアンテナ素子2と重なるように配置される。より具体的には、インピーダンス整合用無給電素子3は、アンテナ素子2の給電部と少なくとも重なるように、Z軸方向に配置される。インピーダンス整合用無給電素子3は、導電性物質からなるものであり、グラウンド板1とアンテナ素子2の近傍に配置することで、アンテナ素子2の入力インピーダンスを調整するものである。なお、インピーダンス整合用無給電素子3は、無給電でありグラウンド板1等に接続されないことが必要である。
ここで、図示例のインピーダンス整合用無給電素子3は板状部材であり、より具体的には四辺形の形状を有する板状部材であるが、本発明はこれに限定されず、円形や楕円形、台形等、いかなる形状であっても構わない。また、板状部材についても、面を有する板状の部材に限定されず、網状部材やミアンダ形状のラインからなる部材、スパイラル形状のラインからなる部材等、容量結合が可能な部材であればいかなるものであっても構わない。
また、インピーダンス整合用無給電素子3は、グラウンド板1の幅方向、すなわちY軸方向の長さと同じかそれよりも短いことが好ましい。なお、インピーダンス整合用無給電素子3に関して、図示例ではグラウンド板1の幅と同じものを示したが、本発明はこれに限定されず、グラウンド板の長辺側の側部近傍にアンテナ素子が配置される場合には、インピーダンス整合用無給電素子は、グラウンド板の長さ方向の長さと同じかそれよりも短ければ良い。「幅」や「長さ」という用語は、短辺や長辺のどちらかに限定して解釈されるものではない。さらに、インピーダンス整合用無給電素子3は、X軸方向に対して対称となるように給電部20を中心に均等に配置されることが好ましい。これは、携帯端末用アンテナに自己平衡作用をより強く得るためである。
そして、入力インピーダンスを調整するために、インピーダンス整合用無給電素子3をアンテナ素子2に近づけたり遠ざけたりする。より具体的には、図1(b)に示すように、インピーダンス整合用無給電素子3をX軸方向に移動させる。また、Y軸方向に移動させても良い。このように移動させることにより、入力インピーダンスを例えば50Ωに調整することが可能となる。なお、移動方向に対するインピーダンス整合用無給電素子3の配置は、給電部20を中心に移動方向に対して対称となるように構成すれば良い。即ち、給電部20を中心に置いたまま、インピーダンス整合用無給電素子3を例えばX軸方向に移動させれば良い。なお、本明細書において、インピーダンス整合用無給電素子を移動させるというのは、インピーダンス整合用無給電素子3を伸縮させるという概念も含まれるものである。したがって、例えばインピーダンス整合用無給電素子3をX軸方向に移動させるというのは、インピーダンス整合用無給電素子3の長さを短くしていくことであっても良い。
さらに、グラウンド板1とインピーダンス整合用無給電素子3との間に、必要により誘電体を設けても良い。これにより、少ない移動距離であってもインピーダンス整合のための調整幅を大きくすることも可能である。
なお、このようにインピーダンス整合用無給電素子3を移動させて調整するのは、携帯端末に内蔵した後に調整しても良いし、設計段階等で予め調整しておいた後に携帯端末に内蔵するようにしても良い。
以下により具体的なパラメータを示して本発明の携帯端末用アンテナの特性の解析結果を説明する。なお、以下の説明における各パラメータは、あくまでも一例であって、本発明はこれに限定されず、アンテナ素子の形状や大きさ、他の周辺の状況等に応じて種々変更可能であることは勿論である。また、解析には有限積分法を用いた。本発明の携帯端末用アンテナにおいて、アンテナ素子2を含めたグラウンド板1の大きさは119.35×36.3mmであり、インピーダンス整合用無給電素子3の大きさは40mm×36.3mmとした。また、グラウンド板1、アンテナ素子2、インピーダンス整合用無給電素子3は、それぞれ厚さ0.2mmの銅版で構成した。なお、給電は同軸ケーブルにより行った。
まず、アンテナ素子2の広帯域化を検討するために、インピーダンス整合用無給電素子3を用いない状態で、アンテナ素子2のストリップ幅wを可変した場合のインピーダンス特性を図3に示す。なお、図1(b)、図2に示したw−w,d,b,h,sの他のパラメータを、以下のように設定した。
=w=7mm,w=2mm,d=4.5mm,b=3mm,h=2mm,s=21mm
図3は、wを変化させたときのアンテナ素子2の入力インピーダンス特性であり、図3(a)がアンテナ素子2に平衡給電した場合、図3(b)がアンテナ素子2に不平衡給電した場合のインピーダンス特性図である。同図から、wの幅を広くすることにより、インピーダンスが100Ω以上のところで共振が取れることが分かる。
上記の結果から、w=7mmで、インピーダンス整合用無給電素子3を用いた状態のインピーダンス特性を検討する。このようなアンテナ素子2において、図1(b)、図2に示したw−w,d,b,h,sの各パラメータを、以下のように設定した。
=w=w=7mm,w=2mm,d=4.5mm,b=3mm,h=2mm,s=21mm
上記の条件で、インピーダンス整合用無給電素子3をX軸方向に移動、即ち、wを変化させたときのインピーダンス特性の変化を、図4に示す。図4は、wを変化させたときのアンテナ素子2の入力インピーダンス特性であり、図4(a)がアンテナ素子2に平衡給電した場合、図4(b)がアンテナ素子2に不平衡給電した場合のインピーダンス特性図である。同図から、w4を長くしていく、即ち、インピーダンス整合用無給電素子3をアンテナ素子2により多く重なるようにしていくことにより、入力インピーダンスが下がっていき、50Ωに近づいてくることが分かる。
次に、本発明の携帯端末用アンテナのVSWR特性を図5に示す。図5は、各パラメータを以下のように設定した場合のVSWR特性であり、横軸が周波数、縦軸がVSWRである。
=7mm、w=10mm、w=4mm,w=10mm、w=2mm,d=4.5mm,b=3mm,h=2mm,s=27mm
同図より、中心周波数がf=3680MHzのときのVSWR≦2となる比帯域は、シミュレーション結果では平衡給電の場合が71%、不平衡給電の場合が69%となる。また、不平衡給電における実測値では、71%となった。従来のアンテナでは比帯域は40%を越すような広帯域アンテナを実現することはできなかったが、本発明の携帯端末用アンテナでは、このように非常に広帯域な特性を有するものが実現可能となった。
なお、本発明の携帯端末用アンテナの2.5GHz、3.5GHz、4.5GHzの周波数における電流分布を測定したところ、各周波数共に、給電部付近、インピーダンス整合用無給電素子、そしてアンテナ素子の近傍では電流が流れるが、グラウンド板には殆ど電流が流れなかった。また、平衡給電における筐体電流の減少効果は、不平衡給電においても確認できた。このことから、本発明の携帯端末用アンテナは、筐体に電流が流れないため人体の影響を受け難いアンテナであることが分かる。
次に、本発明の携帯端末用アンテナの放射特性を図6に示す。図6は、図1や図2等におけるYZ平面の放射パターンを示す。図6は、それぞれ図6(a)が2.5GHzのとき、図6(b)が3.5GHzのとき、図6(c)が4.5GHzのときの放射パターンである。なお、同図は絶対利得(dBi)で表示している。図中、−Z方向に放射が強くなっているのは、インピーダンス整合用無給電素子が導波器として動作しているためと考えられる。また、図6から、平衡給電と不平衡給電で同じような特性が得られていることからも、本発明の携帯端末用アンテナが自己平衡作用を有することが分かる。
このように、本発明の携帯端末用アンテナは、小型化且つ広帯域化が可能であり、さらに、インピーダンス整合用無給電素子を用いることで、インピーダンス整合も容易に行うことが可能であることが分かる。これにより、携帯端末を小型化することが可能であるだけでなく、広帯域なアンテナであるため種々の無線機能のアンテナを1つのアンテナで実現できるようにもなり、複数のアンテナを用いるよりもより小型化することが可能となる。
上記の携帯端末用アンテナは、超広帯域なアンテナであるが、例えばTV受信用のアンテナ等、携帯端末用アンテナの用途によっては低周波化が必要となってくる。以下に、低周波化を行った本発明の携帯端末用アンテナの他の実施例を説明する。
図7は、低周波化を行った本発明の携帯端末用アンテナを説明するための斜視図であり、図7(a)が携帯端末用アンテナの全体の斜視図であり、図7(b)がアンテナ素子の詳細斜視図である。図中、図1や図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、詳説は省略する。本実施例と上記の実施例との違いは、アンテナ素子の形状にある。以下、アンテナ素子の構成について、具体的に説明していく。
本実施例のアンテナ素子2’は、図1、図2のアンテナ素子2を給電部のところでX軸方向に切り、Y軸方向に延ばしたような構成である。アンテナ素子2’は、XY平面と等しい方向にアンテナストリップが折り返して設けられているものである。なお、図示例ではストリップを1度折り返したアンテナ素子を示したが、本発明はこれに限定されず、さらに多く折り返しても良い。また、アンテナストリップの形状も、直線的である必要はなく、切り欠き部を設けたり波状にしたりすることも可能である。
本発明の携帯端末用アンテナのアンテナ素子2’をより具体的に説明すると、アンテナ素子2’は、給電部20からY軸方向に延びる第1ライン21と、X方向に延びる第2ライン22と、第1ライン21とは反対方向に延びる第3ライン23と、Z軸方向に延びる第4ライン24と、第3ライン23と反対方向に延びる第5ライン25と、第2ライン22と反対方向に延びる第6ライン26と、第1ライン21と反対方向に延びる第7ライン27とを一連に接続して構成されるものである。また、本実施例のアンテナ素子では、給電部20はアンテナ素子2’の一端側、即ち第1ライン21の第2ライン22とは反対側に接続されるものであり、アンテナ素子の他端側、即ち第7ライン27の第6ライン26とは反対側は、浮いた状態である。また、第1ライン21と第7ライン27、第2ライン22と第6ライン26、第3ライン23と第5ライン25が、Z軸方向でそれぞれ重なるように構成されている。なお、図示例ではX軸方向のラインの幅のほうがY軸方向のラインの幅に比べて広く構成されているが、本発明はこれに限定されず、逆に狭く構成されても良い。
このように構成したアンテナ素子を、グラウンド板の側部近傍に、なおかつグラウンド板の板面に垂直な方向で重ならないように配置することにより、厚さ方向の大きさの減少が図れる。したがって、携帯端末をより小型化、薄型化することが可能となる。なお、図示例ではグラウンド板の短辺側の側部近傍にアンテナ素子を配置した例を示したが、本発明はこれに限定されず、携帯端末の筐体内でのレイアウトによっては、グラウンド板の長辺側の側部近傍にアンテナ素子を配置するものであっても構わない。
また、先の実施例と同様に、アンテナ素子2’は、導電ラインを折り曲げて構成しても良いし、両面基板上に形成されても良い。両面基板上に構成する場合には、第1ライン21、第2ライン22、第3ライン23を両面基板の裏面側に形成し、第5ライン25、第6ライン26、第7ライン27を両面基板の表面側に形成し、第4ライン24を両面基板を貫通するビアホールで形成すれば良い。
本実施例におけるインピーダンス整合用無給電素子3は、基本的には先の実施例と同様である。入力インピーダンスを調整する場合も、インピーダンス整合用無給電素子3をアンテナ素子2’に近づけたり遠ざけたりすれば良い。より具体的には、インピーダンス整合用無給電素子3をY軸方向に移動させれば良い。このように移動させることにより、入力インピーダンスを例えば50Ωに調整することが可能となる。なお、移動方向に対するインピーダンス整合用無給電素子3の配置は、給電部20を中心に移動方向に対して対称となるように構成すれば良い。即ち、給電部20を中心に置いたまま、インピーダンス整合用無給電素子3を例えばY軸方向に移動させれば良い。
また、本実施例では、給電部20がアンテナ素子2’の中心にあるのではなくアンテナ素子2’の端部にあるため、インピーダンス整合用無給電素子3は給電部20を中心に配置する必要は必ずしもない。インピーダンス整合用無給電素子3が給電部20と重なるように配置されれば、これをX軸方向にでもY軸方向にでも移動させて入力インピーダンスを調整することが可能である。なお、本明細書において、インピーダンス整合用無給電素子を移動させるというのは、インピーダンス整合用無給電素子3を伸縮させるという概念も含まれるものである。したがって、例えばインピーダンス整合用無給電素子3をY軸方向に移動させるというのは、インピーダンス整合用無給電素子3の幅を、給電部20を基準に反対側の端部から短くしていくことであっても良い。
以下により具体的なパラメータを示して本発明の他の実施例における携帯端末用アンテナの特性の解析結果を説明する。なお、以下の説明における各パラメータは、あくまでも一例であって、本発明はこれに限定されず、アンテナ素子の形状や大きさ、他の周辺の状況等に応じて種々変更可能であることは勿論である。また、解析には有限積分法を用いた。本発明の他の実施例における携帯端末用アンテナにおいて、アンテナ素子2’を含めたグラウンド板1の大きさは119.35×36.3mmであり、インピーダンス整合用無給電素子3の大きさは40mm×36.3mmとした。また、グラウンド板1、アンテナ素子2’、インピーダンス整合用無給電素子3は、それぞれ厚さ0.2mmの銅版で構成した。なお、給電は同軸ケーブルにより行った。
解析を行うために、図7に示したw−w,d,b,h,sの他のパラメータを、以下のように設定した。
=w=w=7mm,w=15mm,w=3mm,d=4.5mm,b=3mm,h=2mm
このときの本発明の他の実施例における携帯端末用アンテナのVSWR特性を図8に示す。同図より、中心周波数がf=1300MHzのときのVSWR≦2となる比帯域は、シミュレーション結果では47%、実測値では、44%となった。従来のアンテナでは比帯域は40%を越すような広帯域アンテナを実現することはできなかったが、本発明の携帯端末用アンテナでは、このように広帯域な特性を有するものが実現可能である。しかも、中心周波数が1300MHzというように、低周波化も図れている。なお、各パラメータを調整することにより、更なる低周波化も可能である。
このように、本発明の他の実施例における携帯端末用アンテナでは、広帯域特性を維持したまま低周波化が可能であり、また、インピーダンス整合用無給電素子を用いることでインピーダンス整合も容易であるという効果が得られた。
なお、本発明の携帯端末用アンテナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。各パラメータや周波数帯域、中心周波数等もあくまでも単なる例示であり、本発明はこれに限定されるものではないことは当業者であれば容易に理解可能である。
図1は、本発明の携帯端末用アンテナを説明するための概略図であり、図1(a)は携帯端末用アンテナの全体の斜視図であり、図1(b)は携帯端末用アンテナの側面図である。 図2は、本発明の携帯端末用アンテナのアンテナ素子を説明するための斜視図である。 図3は、インピーダンス整合用無給電素子を用いない状態で、アンテナ素子のストリップ幅を可変した場合のインピーダンス特性図である。 図4は、本発明の携帯端末用アンテナのインピーダンス整合用無給電素子を移動させたときのアンテナ素子の入力インピーダンス特性であり、図4(a)がアンテナ素子に平衡給電した場合、図4(b)がアンテナ素子に不平衡給電した場合のインピーダンス特性図である。 図5は、本発明の携帯端末用アンテナのVSWR特性図である。 図6は、本発明の携帯端末用アンテナのYZ平面の放射パターンである。 図7は、低周波化を行った本発明の携帯端末用アンテナを説明するための斜視図であり、図7(a)が携帯端末用アンテナの全体の斜視図であり、図7(b)がアンテナ素子の詳細斜視図である。 図8は、本発明の携帯端末用アンテナの他の実施例におけるVSWR特性図である。
符号の説明
1 グラウンド板
2 アンテナ素子
3 インピーダンス整合用無給電素子
20 給電部
21−27 第1ライン−第7ライン

Claims (10)

  1. 携帯端末に内蔵するアンテナであって、該アンテナは、
    導体からなるグラウンド板と、
    前記グラウンド板の側部近傍に、グラウンド板の板面に垂直な方向で重ならないように配置されるアンテナ素子と、
    前記グラウンド板の一部とアンテナ素子の少なくとも給電部と重なるように、前記グラウンド板の板面に垂直な方向に配置される、アンテナ素子の入力インピーダンスを調整するためのインピーダンス整合用無給電素子と、
    を具備することを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  2. 請求項1に記載のアンテナにおいて、前記インピーダンス整合用無給電素子は、板状部材又は網状部材からなることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のアンテナにおいて、前記インピーダンス整合用無給電素子は、前記グラウンド板の幅と同じかそれよりも短いことを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアンテナにおいて、前記アンテナ素子の入力インピーダンスは、前記インピーダンス整合用無給電素子を前記アンテナ素子の給電部を基準に移動させることで調整されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  5. 請求項4に記載のアンテナにおいて、前記インピーダンス整合用無給電素子は、前記グラウンド板の板面方向又はグラウンド板の板面に垂直な方向に移動されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れかに記載のアンテナであって、さらに、前記グラウンド板とインピーダンス整合用無給電素子との間に、誘電体を有することを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載のアンテナにおいて、前記アンテナ素子は、給電部からグラウンド板の幅方向に延びる第1ラインと、グラウンド板の長さ方向に延びる第2ラインと、第1ラインとは反対方向に延びる第3ラインと、グラウンド板の板面に垂直な方向に延びる第4ラインと、第3ラインと反対方向に延びる第5ラインと、第2ラインと反対方向に延びる第6ラインと、第1ラインと反対方向に延びる第7ラインと、を一連に接続して構成されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  8. 請求項7に記載のアンテナにおいて、前記第3ラインの長さが第1ラインの長さと同じか又は短く、前記アンテナ素子は、さらに、アンテナ素子の給電部を中心に面対称な形状を有し、一方の第7ラインと他方の第7ラインが、第6ラインと接続される側とは反対側でそれぞれ接続され、ループアンテナが構成されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  9. 請求項8に記載のアンテナにおいて、前記インピーダンス整合用無給電素子は、前記アンテナ素子の給電部を中心にグラウンド板の長さ方向に対して対称となるような位置に配置されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
  10. 請求項7乃至請求項9の何れかに記載のアンテナにおいて、前記アンテナ素子は両面基板上に形成され、前記第1乃至第3ラインは両面基板の一方の面上に形成され、第5ライン乃至第7ラインは両面基板の他方の面上に形成され、前記第4ラインは、両面基板を貫通するビアホールで形成されることを特徴とする携帯端末用アンテナ。
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