JP2007193307A - 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 - Google Patents

液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】各液晶層間の距離を小さくでき、視差の発生を低減できる液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様にかかる液晶表示装置1は、第1、第2、第3および第4の透明基板11〜14と、第1および第2の透明基板11、12間に挟持され、青色の光を選択反射する第1の液晶層51と、第2および前記第3の基板12、13間に挟持され、緑色の光を選択反射する第2の液晶層52と、第3および前記第4の透明基板13、14間に挟持され、赤色の光を選択反射する第3の液晶層53とを備える。また、第1、第2、第3および第4の透明基板11〜14は、それぞれ対向する面側に透明電極21〜26を備えている。さらに、第2の液晶層52と第3の液晶層53との間には、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層61が設けられている。
【選択図】図1

Description

この発明は、液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に関し、特に複数の液晶層を備えた液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法に関する。
近年、ネマチック液晶にカイラル剤を添加することで室温においてコレステリック相を示すようにした液晶表示装置について、種々の提案がなされている。このような液晶表示装置は、カイラルネマチック液晶の選択反射特性を利用することにより、無給電時においても表示状態を保持することができるため、消費電力の小さい反射型の液晶表示装置として利用されている。
特許文献1には、R(赤)、G(緑)、B(青)の各選択反射波長を有する3つの液晶表示パネルをそれぞれ作製し、これら3つの液晶表示パネルを、液晶表示装置の観察者側から非観察者側にかけて、B(青)、G(緑)、R(赤)の順に貼りあわせたものが開示されている。
特開平11−64895号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、以下に示すような問題があった。すなわち、特許文献1に記載の液晶表示装置においては、別個に作った3つの単層セルを積層することにより3層の液晶多層構造が形成されている。このため、計6枚の基板を用いることとなり、各液晶層間にはそれぞれ2枚の基板が配置される。これにより、各液晶層間の距離が長くなり、視差が発生していた。視差が発生すると、コントラスト比や表示色の彩度が著しく低下する。また、特許文献1に記載の液晶表示装置は、赤色の発色が優れないという問題もある。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、視差の発生を低減し、かつ、発色に優れた液晶表示装置および液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る液晶表示装置は、3枚以上の基板と、前記3枚以上の基板間に設けられた複数の液晶層と、前記3枚以上の基板の前記複数の液晶層のうちのいずれかと対向する面にそれぞれ形成された透明電極と、前記複数の液晶層のうちの所定の液晶層の観察者側に形成され、当該所定の液晶層の色純度を高める着色層とを備えるものである。
これにより、各液晶層間の距離を短くでき、視差の発生を低減することが可能となる。また、着色層を設けることにより、発色に優れた液晶表示装置を提供することができる。
本発明の第2の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記3枚以上の基板は、第1、第2、第3および第4の基板を含み、前記複数の液晶層は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、青色の光を選択反射する第1の液晶層と、前記第2の基板と前記第3の基板との間に挟持され、緑色の光を選択反射する第2の液晶層と、前記第3の基板と前記第4の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第3の液晶層とを含み、前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第3の基板および前記第4の基板の前記第3の液晶層に対向する面にそれぞれ形成され、前記着色層は、前記第2の液晶層と前記第3の液晶層との間に形成され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収するものである。
これにより、第1〜第4の4枚の基板を用いるのみで、B、G、Rの3層構造を実現することができる。このため、隣り合った液晶層同士の間には1枚の基板しか存在せず、各液晶層間の距離を従来よりも短くすることができ、視差の発生を低減することが可能となる。このような構成により、表示品質の高いRGB表示および黒白表示を実現できる。また、赤色の波長を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層を備えているため、赤色の発色に優れたカラー表示を実現することができる。
本発明の第3の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記3枚以上の基板は、第1、第2、第3、第4および第5の基板を含み、前記複数の液晶層は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、青色の光を選択反射する第1の液晶層と、前記第2の基板と前記第3の基板との間に挟持され、緑色の光を選択反射する第2の液晶層と、前記第4の基板と前記第5の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第3の液晶層とを含み、前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第4の基板および前記第5の基板の前記第3の液晶層に対向する面にそれぞれ形成されており、前記第1、第2および第3の基板、前記第1および第2の液晶層を有する第1のパネルと、前記第4および第5の基板、前記第3の液晶層を有する第2パネルとが構成され、前記着色層は、前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間に形成され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収するものである。
これにより、第1〜第5の5枚の基板を用いるのみで、B、G、Rの3層構造を実現することができる。このため、隣り合った第1の液晶層と第2の液晶層との間には1枚の基板しか存在せず、各液晶層間の距離を従来よりも短くすることができ、視差の発生を低減できる。このような構成により、表示品質の高いRGB表示および黒白表示を実現できる。また、赤色の波長を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層を備えているため、赤色の発色に優れたカラー表示を実現することができる。
本発明の第4の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記3枚以上の基板は、第1、第2および第3の基板を含み、前記複数の液晶層は、前記第1の基板と第2の基板との間に挟持され、青色又は緑色の光を選択反射する第1の液晶層と、前記第2の基板と第3の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第2の液晶層とを備え、前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面にそれぞれ形成されており、前記着色層は、前記第1の液晶層と第2の液晶層との間に配設され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層であるものである。
これにより、第1〜第3の3枚の基板を用いるのみで、B又はGとRの2層構造を実現することができる。このため、隣り合った第1の液晶層と第2の液晶層との間には1枚の基板しか存在せず、各液晶層間の距離を従来よりも短くすることができ、視差の発生を低減できる。このような構成により、表示品質の高いR/G表示又はR/B表示および黒白表示を実現できる。また、赤色の波長を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層を備えているため、赤色の発色に優れたカラー表示を実現することができる。
本発明の第5の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記複数の液晶層は、いずれもカイラルネマチック液晶を含むものである。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明の第6の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が460〜500nmの範囲にあり、前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が520〜560nmの範囲にあり、前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が590〜650nmの範囲にあるものである。
このような構成により、表示品質の高いRGB表示および黒白表示を実現できる。
本発明の第7の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記着色層は、前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有するものである。
これにより、赤色の発色に優れた液晶表示装置を実現できる。
本発明の第8の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が430〜540nmの範囲にあり、前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が560〜665nmの範囲にあるものである。
このような構成により、表示品質の高いR/G表示又はR/B表示および黒白表示を実現できる。
本発明の第9の態様に係る液晶表示装置は、上記の液晶表示装置において、前記着色層は、前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有するものである。
これにより、赤色の発色に優れた液晶表示装置を実現できる。
本発明の第10の態様に係る液晶表示装置の製造方法は、透明電極を備えた3枚以上の基板にシール材原料を塗布する工程と、前記3枚以上の基板のいずれかにカイラルネマチック液晶を滴下する工程と、前記3枚以上の基板を減圧雰囲気の下で重ね合わせることにより、前記基板と前記カイラルネマチック液晶とが交互に積層された積層構造を作る工程と、前記積層構造を大気圧雰囲気にさらすことにより、前記基板と前記カイラルネマチック液晶と前記シール材原料とを一体化させる工程と、前記シール材原料を硬化させる工程とを有する。
これにより、基板と液晶層とを交互に積層した多層構造を、短時間で製造することができる。また、各液晶層間の距離を短くでき、視差の発生を低減することが可能となる。
本発明の第11の態様に係る液晶表示装置の製造方法は、上記の製造方法において、前記複数の基板として、第1の基板、第2の基板、第3の基板、第4の基板を用い、前記第1の基板と前記第2の基板との間に青色の光を選択反射する第1の液晶層を形成し、前記第2の基板と前記第3の基板との間に緑色の光を選択反射する第2の液晶層を形成し、前記第3の基板と前記第4の基板との間に赤色の光を選択反射する第3の液晶層を形成し、前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第3の基板および前記第4の基板の前記第3の液晶層に対向する面に透明電極を形成する。
これにより、第1〜第4の4枚の基板を用いるのみで、B、G、Rの3層構造を短時間で製造することができる。このため、隣り合った液晶層同士の間には1枚の基板しか存在せず、各液晶層間の距離を従来よりも短くすることができ、視差の発生を低減することが可能となる。また、表示品質の高いRGB表示および黒白表示を実現できる。
本発明の第12の態様に係る液晶表示装置の製造方法は、上記の製造方法において、前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が590〜650nmの範囲とし、前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が520〜560nmの範囲とし、前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が460〜500nmの範囲とする。
これにより、表示品質の高いRGB表示および黒白表示を実現できる。
本発明の第13の態様に係る液晶表示装置の製造方法は、上記の製造方法において、前記第1の液晶層と前記第2の液晶層との間に、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層をさらに形成する。
このように、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層を設けることにより、赤色の発色に優れた液晶表示装置を製造することができる。
本発明の第14の態様に係る液晶表示装置の製造方法は、上記の製造方法において、前記着色層は、前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有する。
これにより、赤色の発色に優れた液晶表示装置を実現できる。
本発明により、各液晶層間の距離を小さくでき、視差の発生を低減でき、発色に優れた液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
第1の実施の形態
本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示す模式断面図である。図1に示されるように、液晶表示装置1は、対向して配置された第1〜4の透明基板11、12、13および14を備えている。透明基板11〜14は、液晶表示装置1の観察者側(アイポイント100の位置する側)からその反対側(以下、非観察者側という)にかけて順に積層されている。なお、以下においては、各透明基板11〜14における観察者側の面を「前面」、その反対側の面を「背面」と定義する。透明基板11〜14は、例えばガラス、ポリカーボネート、アクリル樹脂等の光透過性に優れた材料からなる板を矩形状に加工して形成される。
図1に示すように、第1の透明基板11の背面には、複数の第1の透明電極21がストライプ状に形成されている。透明電極21は図1の左右方向に沿って配設された長尺の薄膜電極である。各透明電極21は、互いに短絡することなく平行に配設され、図1においては手前の透明電極21のみが図示されている。
また、第2の透明基板12の前面には、第1の透明電極21と直交して第2の透明電極22がストライプ状に配設されている。長尺の第2の透明電極22は、紙面に直交する方向に沿って配設され、図1には各電極の断面が図示されている。
以下同様に、第2の透明基板12の背面には、複数の第3の透明電極23がストライプ状に配設され、第3の透明基板13の前面には複数の第4の透明電極24が第3の透明電極23に直交してストライプ状に配設されている。
一方、第3の透明基板13の背面には、着色層61が設けられ、着色層61の上には、平坦化膜(不図示)が設けられている。この平坦化膜の上には、複数の第5の透明電極25がストライプ状に配設されている。また、第4の透明基板14の前面には、複数の第6の透明電極26が第5の透明電極25に直交してストライプ状に配設されている。透明電極21〜26は、例えば蒸着およびフォトリソグラフィ法を用いて成膜およびパターニングされたITO(Indium Tin Oxide)により形成されている。透明電極21〜26の上には、ポリイミド等からなる配向膜(不図示)が積層されている。さらに、第4の透明基板14の背面には、黒色の光吸収層31が設けられている。
各透明基板11〜14の間隙には、各透明基板11〜14の外周縁に沿って矩形状のシール材41〜43が設けられている。各透明基板11〜14は、シール材41〜43によって互いに接着されている。すなわち、第1の透明基板11と第2の透明基板12とはシール材41により接着され、第2の透明基板12と第3の透明基板13とはシール材42により接着され、第3の透明基板13と第4の透明基板14とはシール材43により接着されている。シール材41〜43の材料としては、エポキシ系またはエポキシアクリル系等の紫外線硬化樹脂(以下、UV樹脂と称する)が用いられる。なお、シール材として、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、または紫外線と熱とを併用して硬化させる樹脂が用いられてもよい。硬化時間が短い点で紫外線硬化樹脂が有利であるが、紫外線による液晶の損傷を考慮すると熱硬化樹脂が好ましい。但し、硬化温度が高過ぎると、シール材41〜43に接する液晶に、シール材の成分が混入することがあるため、室温で硬化する樹脂を使用することがより好ましい。
向かい合った透明基板同士の間には、セルギャップ(透明基板同士の間隔)を調整するための球状スペーサ(不図示)が均一に散布されている。このスペーサは、対向する2枚の透明基板のうちのいずれか一方の内面に、液晶表示装置の製造工程において散布される。スペーサとしては、例えばガラスやシリカといった硬質材料で作られた粒子が用いられることが好ましく、同材料からなるリブ状のスペーサが用いられてもよい。
また、各透明基板11〜14と、各シール材41〜43によって形成された空間内には、第1〜第3の液晶層51〜53がそれぞれ設けられている。すなわち、第1の透明基板11と第2の透明基板12とシール材41とによって形成された空間内には、第1の液晶層51が形成されている。また、第2の透明基板12と第3の透明基板13とシール材42によって形成された空間内には、第2の液晶層52が形成されている。そして、第3の透明基板13と第4の透明基板14とシール材43によって形成された空間内には、第3の液晶層53が形成されている。従って、本実施の形態に係る液晶表示装置1は、3層の液晶層(第1〜第3の液晶層51〜53)からなる多層構造を有している。
ここで、第1〜第3の液晶層51〜53は、それぞれカイラルネマチック液晶を含有している。第1の液晶層51は、ピーク選択反射波長を460〜500nmとする青選択反射のカイラルネマチック液晶を含む。また、第2の液晶層52は、ピーク選択反射波長を520〜560nmとする緑選択反射のカイラルネマチック液晶を含む。そして、第3の液晶層53は、ピーク選択反射波長を590〜650nmとする赤選択反射のカイラルネマチック液晶を含む。なお、本発明では、米国特許第6551670号明細書に開示されているカイラルネマチック液晶を用いることができる。
このように、光の3原色に対応した選択反射をするカイラルネマチック液晶により、液晶層51〜53からなる多層構造を作ることで、RGB表示および黒白表示を実現することができる。RGB表示とは、RED(赤)、GREEN(緑)およびBLUE(青)の3種類の色の強弱を変化させることで色彩、彩度および明度を表現する表示のことをいう。
なお、第1の液晶層51をピーク選択反射波長が520〜560nmの緑選択反射のカイラルネマチック液晶で構成し、第2の液晶層52をピーク選択反射波長が460〜500nmの青選択反射のカイラルネマチック液晶で構成し、第3の液晶層53をピーク選択反射波長が590〜650nmの赤選択反射のカイラルネマチック液晶で構成し、液晶表示装置1を構成してもよい。
ここで、表示の明るさを損なうことなく、きれいな赤表示を可能とするため、第2の液晶層52と第3の液晶層53との間に着色層61が配置されている。具体的には、本実施の形態においては、着色層61は、第3の透明基板13の背面と第5の透明電極25との間に設けられる。なお、着色層61は、第2の液晶層52と第3の液晶層53との間に設けられていればよい。このため、図2に示すように、透明基板13の前面と第4の透明電極24の間に着色層61a(着色層61と同等のもの)を設けるようにしてもよい。
第3の液晶層53に含まれる赤選択反射のカイラルネマチック液晶は、緑や青の選択反射のカイラルネマチック液晶と比較して、反射光の波長が長く、反射半値幅Δλが大きいため、赤を表示したときに色純度がよくない。
ここで、反射光の中心波長をλ、ヘリカルピッチをp、ヘリカル軸に直交する面での液晶の平均屈折率をn_av、反射半値幅をΔλ、液晶の屈折率異方性をΔnとすると、式(1)および式(2)の関係が成立する。
λ=p×n_av・・・式(1)
Δλ=p×Δn・・・式(2)
赤色選択反射のカイラルネマチック液晶は、他の液晶層と同一のネマチック液晶を使用した場合、緑や青の液晶に比較し、式(1)で示されるようにヘリカルピッチを大きく取る必要がある。その場合、反射スペクトルは、式(2)に示されるように青や緑に比較して反射半値幅が大きくなるため、波長の長い赤の反射では、色純度が悪くなる。
この問題を解決するために、着色層61として、第3の液晶53の選択反射波長(主波長)よりも70nm低波長側での透過率が、同選択反射波長(主波長)よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有するものを用いることが好ましい。これは、次の理由による。
白黒の表示品位をある程度確保しつつ、赤の表示色純度を上げるのに際して重要なのは、できるだけ全波長域にわたる反射率を確保しながら、所定の色を発色させるのに不要な波長成分を抑制することである。赤色を発色させるためには、所定の波長より低波長側の波長成分をすべて除去すればよいが、そうすると明るい白表示に必要な反射成分が失われてしまう。
すなわち、明るい白黒表示を実現するためには、長波長側である第3の液晶層53の反射率をできる限り広い帯域にわたって確保することが望ましく、同時に色純度の高い赤を発色するためには、長波長側の反射成分の中から赤発色に致命的なダメージを与える特定の波長領域成分のみを抑制することが重要である。この特定の波長領域成分の抑制の程度としては、完全に除去するのではなく、他の波長領域での反射率と比較して一定レベル以下の反射率となっていればよい。
このような知見に基づいて、特定の波長帯域、すなわち第3の液晶層53の選択反射波長(主波長)より30nm程度低波長のところから、同選択反射波長より70nm程度低波長の範囲での光透過率が鋭く低下し、かつ、それ以外の波長帯域における光透過率が高い着色層61を、液晶層52と液晶層53との間に配置したところ、白の明るさが大幅に損なわれることはなく、かつ、鮮明な赤発色を実現することができた。なお、着色層61は、特開2003−177431号公報の内容に基づいて実現される。
ここで、図3〜図6に、着色層61として用いられるカラーフィルタの一例を示す。図3〜図6において、横軸は光の波長(nm)を表しており、縦軸は透過率(%)を表している。これらの図に示すように、着色層61としては、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収するものを用いることが好ましい。例えば、これらの図に示すカラーフィルタは、いずれも660nmの波長において80%以上の透過率を示し、かつ、420nm〜580nmの間における透過率が極小値(50%未満)を示している。これらのカラーフィルタは、Roscolux社製のフィルタであり、#343(フィルタ透過率33%、フィルタ透過率低下度31%)、#304(フィルタ透過率79%、フィルタ透過率低下度75%)、#04(フィルタ透過率66%、フィルタ透過率低下度82%)、#336(フィルタ透過率48%、フィルタ透過率低下度63%)が例示されている。
第1および第2の透明電極21、22の間と、第3および第4の透明電極23、24の間と、第5および第6の透明電極25、26の間とに、それぞれ選択的に電圧を印加することにより、各透明電極間に設けられた各液晶層51〜53内のカイラルネマチック液晶分子の配列が変化し、第1〜第4の透明基板11〜14の間の光の透過が制御される。なお、各液晶層51〜53中のカイラルネマチック液晶はメモリ性の液晶であるため、各透明電極間に電圧を印加した後に電圧印加を停止したとしても、液晶表示装置1の表示は消えずにそのまま保持される。
上述のとおり、最前面の第1の透明基板11と最背面の第4の透明基板14との間に挟まれた第2の透明基板12および第3の透明基板13には、それぞれ両面に透明電極22〜25が形成されている。従って、各液晶層51〜53の間には1枚の透明基板しか存在しない。このため、各液晶層51〜53間の距離を短くでき、視差の発生を低減することができる。また、液晶表示装置1全体の厚みを、従来よりも薄くすることができることも容易に理解される。
次に、図1に示した液晶表示装置の製造方法について、図7を参照して説明する。図7は、本実施の形態に係る液晶表示装置の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図7に示すように、まず、第1〜第4の透明基板11〜14を、ガラス板等を矩形状に加工することで作製する(ステップST201)。
次に、第1〜第4の透明基板11〜14に、蒸着およびフォトリソグラフィを用いてITOからなる第1〜第6の透明電極21〜26をそれぞれ形成する(ステップST202)。
ただし、第5の透明電極25を形成する前に、第3の透明電極13の背面に着色層61および平坦化膜(不図示)を順次積層して形成する。上述のとおり、着色層61としては、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収するものが用いられる。例えば、図3〜図6に示した特性を有するカラーフィルタを用いることができる。また、第4の透明基板14の背面に、黒色の光吸収層31を印刷する。また、第5の透明電極25と配向膜(不図示)との間に金属酸化膜などの絶縁層を設けると、短絡防止の効果があって好ましい。
次に、各透明電極21〜26が形成された面に、ポリイミド等からなる配向膜(不図示)を形成する(ステップST203)。なお、好ましい配向膜の一例が、特開2003−233077号公報に開示されている。
次に、各透明基板11〜14のうち、互いに対向する透明基板のいずれか一方の透明基板に、球状スペーサ(不図示)を均一に散布する(ステップST204)。また、第2〜第4の透明基板12〜14の各前面に、球状スペーサを散布する代わりに、セルギャップに対応する高さのリブ状スペーサを配設してもよい。
次に、各透明基板11〜14のうち、互いに対向する透明基板のいずれか一方の透明基板の外周縁に沿ってシール材41〜43の原料を塗布する(ステップST205)。例えば第2〜第4の透明基板12〜14の各前面の外周縁に沿って、矩形状に未硬化のシール材原料を塗布する。
次に、各透明基板11〜14の間に、液晶滴下注入工法(ODF:One−Drop−Fill)を用い、各液晶層51〜53を形成する。具体的には、図8に示す真空積層装置を用いて行う。図8は、本実施の形態に用いられる真空積層装置の一態様を示す図である。真空積層装置70は、真空チャンバ71と真空ポンプ等の真空装置75とを備える。真空積層装置70は、真空装置75により真空チャンバ71内の空気を排出して所望の真空度にした状態で液晶の注入を行う。
また、真空積層装置70は、真空チャンバ71内に透明基板を保持するための静電チャック72、73と、計8本のフッ素樹脂製のピン76、77とを備えている。静電チャック72、73は、透明基板に密着してこれを保持する。8本のピン76、77のうち、4本のピン76は、その先端部が同一水平面に位置するように、真空チャンバ71内で鉛直上方に向けて立設されている。ピン76の先端部は、静電チャック72の吸着面よりも下方に設けられている。4本のピン76は、第2の透明基板12の四隅に対応する位置に配置される。また、8本のピン76、77のうち、ピン76以外の4本のピン77は、その先端部がピン76の先端部より下方の同一水平面に位置するように、真空チャンバ71内で鉛直上方に向けて立設されている。4本のピン77は、第3の透明基板13の四隅に対応する位置に配置される。静電チャック73の吸着面は、ピン77の先端部よりも下方に設けられている。
静電チャック72は真空チャンバ71内で固定されているが、静電チャック73は鉛直方向に移動可能であり、サーボモータまたはエアシリンダ等で構成された駆動装置74によって上下動される。
まず、透明基板11〜14のうち、互いに対向する透明基板のいずれか一方の透明基板の内面にカイラルネマチック液晶を滴下する(ステップST206)。例えば、第2の透明基板12の前面に、ピーク選択反射波長が460〜500nmの青選択反射のカイラルネマチック液晶を滴下し、第3の透明基板13の前面に、ピーク選択反射波長が520〜560nmの緑選択反射のカイラルネマチック液晶を滴下し、第4の透明基板14の前面に、ピーク選択反射波長が590〜650nmの赤選択反射のカイラルネマチック液晶を滴下する。
次に、透明基板11〜14を図8に示す真空チャンバ71内に設置し、所定の減圧状態で、各透明基板11〜14のうち互いに対向する透明基板同士をシール材41〜43により貼り合せる(ステップST207)。具体的には、静電チャック72は、第1の透明基板11の前面に密着してこれを保持する。そして、静電チャック73は、第4の透明基板14の背面に密着してこれを保持する。また、第2の透明基板12の四隅近傍の背面は、ピン76の先端部によって支持される。さらに、第3の透明基板13の四隅近傍の背面は、ピン77の先端部によって支持される。
そして、駆動装置74によって静電チャック73を上昇させて、第4の透明基板14を持ち上げ、第4の透明基板14の前面を第3の透明基板13の背面に到達させる。第4の透明基板14の前面には、事前にシール材原料が塗布されるとともに第3の液晶層53となるカイラルネマチック液晶が滴下されている。このため、第4の透明基板14と第3の透明基板13との間に液晶とシール材原料が挟まれた積層構造ができあがる。
その後、さらに静電チャック73を上昇させて、第3の透明基板13および第4の透明基板14の一体構造をさらに持ち上げ、第3の透明基板13の前面を第2の透明基板12の背面に到達させる。第3の透明基板13の前面には、事前にシール材原料が塗布されるとともに第2の液晶層52となるカイラルネマチック液晶が滴下されている。このため、第4の基板14、第3の透明基板13、第2の透明基板12それぞれの間に液晶とシール材原料が挟まれた積層構造ができあがる。
また同様に、駆動装置74によって静電チャック73を上昇させて、第2の透明基板12、第3の透明基板13、第4の透明基板14の一体構造をさらに持ち上げ、第2の透明基板の前面を第1の透明基板11の背面に到達させる。第2の透明基板12の前面には、事前にシール材原料が塗布されるとともに第1の液晶層51となるカイラルネマチック液晶が滴下されている。これにより最終的に、静電チャック72と73との間に、図9に示す第4の基板14、第3の透明基板13、第2の透明基板12、第1の透明基板11のそれぞれの間に液晶とシール材原料が挟まれた積層構造が作製される。
ここで、各透明基板11〜14は、透明電極を基板の周縁部に引き出すことができるように、基板の大きさおよび形状が適宜調整されている。
図10は、透明基板11〜14の一例を示す平面図である。図10(a)は第4の透明基板14を示す図であり、同図(b)は図10(a)に示す第4の透明基板14に第3の透明基板13を重ね合わせた図である。また、同図(c)は図10(b)に示す積層構造上にさらに第2の透明基板12を重ね合わせた図であり、同図(d)は図10(c)に示す積層構造上にさらに第1の透明基板11を重ね合わせた図である。なお、図10においては、各透明基板11〜14を前面側(観察者側)から見た図を示している。
図10(a)に示すように、第4の透明基板14の前面の右辺には、第6の透明電極26から引き出された引き出し電極26aが設けられている。また、同図(b)に示すように、第3の透明基板13の前面の右辺には第4の透明電極24から引き出された引き出し電極24aが設けられている。また、第3の透明基板13の背面の上辺には第5の透明電極25から引き出された引き出し電極25aが設けられている。そして、上述のとおり、第4の透明基板14と第3の透明基板13とを重ね合わせる際、第3の透明基板13は、その四隅がピン77によって支持される。このとき、引き出し電極25aが第4の透明基板14と重ならないように、第3の透明基板13の図10(b)に示す上下方向の長さは、第4の透明基板14よりも長くなっている。すなわち、第3の透明基板13は、図10(b)中の上側および下側において、第4の透明基板14よりも突出して配置される。また、引き出し電極26aが、第3の基板13に覆われないように、第3の透明基板13の図10(b)に示す左右方向の長さは第4の透明基板14よりも短くなっている。
また、同図(c)に示すように、第2の透明基板12の前面の下辺には第2の透明電極22から引き出された引き出し電極22aが設けられている。また、第2の透明基板12の背面の上辺には第3の透明電極23から引き出された引き出し電極23aが設けられている。そして、上述のとおり、第4の透明基板14および第3の透明基板13の積層構造と、第2の基板12とを重ね合わせる際、第2の透明基板11は、その四隅がピン76によって支持される。このとき、引き出し電極23aおよび引き出し電極22aが第3および第4の透明基板13、14と重ならないように、第2の透明基板11の図10(c)に示す上下方向の長さは、第3および第4の透明基板13、14よりも長くなっている。すなわち、第2の透明基板12は、図10(c)中の上側および下側において、第3および第4の透明基板13、14よりも突出して配置される。また、引き出し電極26aおよび引き出し配線24aが、第2の基板12に覆われないように、第2の透明基板12の図10(c)に示す左右方向の長さは第3の透明基板13よりも短くなっている。
また、同図(d)に示すように、第1の透明基板11の背面の左辺には透明電極21から引き出された引き出し電極21aが設けられている。第1の透明基板11は、引き出し電極21aが他の透明基板12、13、14と重ならないように、その大きさおよび形状が調整されている。
その後、真空チャンバ71内にエアを供給することにより、真空チャンバ71内で積層された透明基板11〜14は、大気圧雰囲気にさらされる。その結果、各透明基板間には隙間なく液晶が充填され、透明基板と液晶層とが交互に積層された一体構造ができあがる。その後、真空チャンバ71内または外で紫外線を照射または加熱することでシール材41〜43を硬化させることにより、液晶表示装置1ができあがる(ステップST208)。
なお、ステップST207では、各透明基板11〜14を同時に貼り合せることが好ましいが順次貼り合せてもよい。
また、第1の透明基板11および第4の透明基板14の間に配置される第2および第3の透明基板12、13は、それぞれの4辺のうち、互いに対向する2辺に引っ張り荷重を加えながら保持することが好ましい。これにより、第2および第3の透明基板12、13のたわみを抑制して、各透明基板11〜14を同時に貼り合せることができ、貼り合せ位置のずれを低減できる。
また、各透明基板11〜14を順次貼り合せる場合には、以下の方法を採用することもできる。第3および第4の透明基板13、14の間を真空中でシール材43により貼り合せた後に、シール材43により貼り合された第3および第4の透明基板13、14を大気圧下に取り出す。次に、第3および第4の透明基板13、14の接合体の第3の透明基板13の前面上にカイラルネマチック液晶を滴下後に、第2の透明基板12をシール材42により貼り合せ、シール材42、43により貼り合された第2〜第4の透明基板12〜14を大気圧下に取り出す。そして、第2〜第4の透明基板12〜14の接合体の第2の透明基板12の前面上に所定カイラルネマチック液晶を滴下後に、第1の透明基板11をシール材41により貼り合せ、シール材41〜43により貼り合された第1〜第4の透明基板12〜14を大気圧下に取り出す。
以上の構造および製法を採用することにより、各液晶層51〜53間の距離を小さくでき、視差の発生を低減できる液晶表示装置1を簡単に得ることができる。
特許文献1に記載の技術と比較し、従来6枚必要であった透明基板の枚数を4枚に減らすことができ、各透明基板11〜14間の位置合せが容易になり、各透明基板11〜14をより精度高く簡単に貼り合せることができる。
液晶を溜めた水槽に空セルを漬けてから真空引きすることにより液晶注入する従来方法では、例えば20インチの液晶表示パネルの場合、液晶注入完了までの時間に約20時間以上を要する。また、カイラルネマチック液晶は粘度が非常に高いため、従来方法を用いた場合、液晶の注入にさらに長時間を要するという問題がある。
これに対して、本実施の形態に係る発明は、簡単に、且つ、短時間で、透明基板と液晶層とを交互に積層した構造を作ることができる。
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置の構成について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態に係る液晶表示装置1Aの構成を示す模式断面図である。
図11に示すように、液晶表示装置1Aは、第1〜第3の透明基板11〜13の間に液晶層51、52を設けて構成された第1の液晶表示パネル1aと、第4および第5の透明基板14、15の間に液晶層53を設けて構成された第2の液晶表示パネル1bとを接合樹脂44および着色層61を介して貼り合せたものである。この構成により、特に第1の液晶表示パネル1aの各液晶層間の距離を小さくでき、視差の発生を低減できる。
次に、本実施の形態にかかる液晶表示装置1Aの製造方法について説明する。
図12は、第2の実施の形態に係る液晶表示装置の製造工程の概要を示すフローチャートである。
まず、第1の液晶表示パネル1aと第2の液晶表示パネル1bをそれぞれ作製する(ステップST401)。第1の実施の形態で説明した製造方法に準じて、第1および第2の液晶表示パネル1a、1bをそれぞれ作製することができる。
次に、第1の液晶表示パネル1aの非観察者側または第2の液晶表示パネル1bの観察者側の外周縁に沿って、矩形状に接合樹脂44を塗布する(ステップST402)。ここで、接合樹脂44としては、UV樹脂を用いることが好ましい。なお、UV樹脂のほか、熱硬化樹脂、紫外線と熱を併用して硬化させる樹脂、または室温硬化の樹脂などを用いてもよい。
次に、第4の透明基板14の前面に着色層61を形成する(ステップST403)。そして真空中で、第1および第2の液晶表示パネル1a、1bを接合樹脂44により貼り合せる(ステップST404)。その後、接合樹脂44により貼り合された第1および第2の液晶表示パネル1a、1bを真空中から大気圧中に取り出し、接合樹脂44にUVを照射する等をして硬化させることにより(ステップST405)、液晶表示装置1Aが完成する。
以上においては、パッシブ型の液晶表示装置について例示したが、本発明はこれに限られない。アクティブ型の液晶表示装置等の他の種類の液晶表示装置などにも採用できる。また、透明基板の枚数や液晶層の数は、上記実施の態様の説明で示した透明基板の枚数や液晶層の数に限定されない。
例えば、第1の実施の形態の変形例として、第1〜第3の透明基板11〜13を積層して配置し、2つの液晶層51、52を観察者側から順に各透明基板11〜13の間にそれぞれ設けてもよい。この場合、第1の液晶層中のカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長を430〜540nmの範囲とし、第2の液晶層中のカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長を560〜665nmの範囲になるように構成するとよい。このように構成することにより、2層の液晶層であっても、R/GまたはR/B表示の各色表示や黒白表示を、明るさを失うことなく、表示することができる。第1および第2の液晶層51、52中の各カイラルネマチック液晶に関する上記技術は、特開2003−177431号公報に開示された公知技術に基づくものである。
なお、この場合、第1および第2の液晶層51、52の間に、第2の液晶層52の選択反射波長(主波長)よりも70nm低波長側での透過率が、同選択反射波長(主波長)よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有する着色層を設けるとよい。これにより、きれいな赤表示を実現できる。
また、積層の構成として、カイラルネマチック液晶の選択反射を示す液晶配列におけるヘリカルの向きがお互いに異なる複数の液晶層を積層することで反射率を改善することができる。例えば、BGRの3層に対して、B層を更に2層に分割して右回りのヘリカルを示す青反射のカイラルネマチック液晶(−R)と左回りのヘリカルを示す青反射のカイラルネマチック液晶(−L)を観察者方向に積層する。同様にG層も(−R)/(−L)、R層も(−R)/(−L)の2層として、全体として7枚の基板に6層のカイラルネマチック液晶層を形成した反射率の高い明るい記憶保持型表示体を形成することができる。
同様に、ブルーとアンバーの2層による白黒表示可能な構成においても、それぞれに(−R)/(−L)の2層として全体として5枚基板4層で明るい白黒表示の記憶保持型表示体を形成することができる。更に、積層構成における各反射色のバランスを調整して表示可能な色範囲を拡大する面では、BGR構成において、最下層のR層のみ(−R)/(−L)の2層として反射率を高めて、その上層のBGの反射強度とバランスさせることもできる。
反射色純度を高める面では、最下層のR層だけでなく、G層とB層の間に、G層の色純度を高められる色フィルタを設けても良く、同様に、下層からの反射光を制限しないようにB層上部にB層の色純度を高められるフィルタなどの着色層を設けても良い。各層に設ける着色層は、カイラルネマチック液晶層が選択反射を示さないフォーカルコニック配列時の後方散乱によるコントラストの低下を抑制する効果もある。
本発明に係る液晶表示装置には、例えば以下の用途がある。ビルディング内のテナントの案内板。植物や展示物等の名称および説明を表示したパネル。写真立て。ホワイトボード。レストラン等で料理メニューを表示するパネル。タッチパネルを供えた子供の落書き用ディスプレイ装置。道案内のための地図情報を表示した看板。ゴミの回収日を表示した看板。設計図面や工程図を表示したパネル。診察および治療の経歴や患者の情報等を表示した電子カルテ。
第1の実施の形態に係る液晶表示装置の構成の一例を示す模式断面図である。 第1の実施の形態に係る液晶表示装置の構成の他の例を示す模式断面図である。 第1の実施の形態に係る着色層として用いられるカラーフィルタの一例の特性を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る着色層として用いられるカラーフィルタの他の例の特性を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る着色層として用いられるカラーフィルタの他の例の特性を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る着色層として用いられるカラーフィルタの他の例の特性を示すグラフである。 第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造工程の一例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る液晶表示装置の製造に用いられる真空積層装置の構成を示す模式図である。 第1の実施の形態に係る積相された透明基板の構成を示す斜視図である。 第1の実施の形態に係る透明基板の構成の一例を示す平面図である。 第2の実施の形態に係る液晶表示装置の構成を示す模式断面図である。 本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置の製造工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1、1A 液晶表示装置
1a 第1の液晶表示パネル
1b 第2の液晶表示パネル
11 第1の透明基板
12 第2の透明基板
13 第3の透明基板
14 第4の透明基板
15 第5の透明基板
21 第1の透明電極
22 第2の透明電極
23 第3の透明電極、
24 第4の透明電極
25 第5の透明電極
26 第6の透明電極
21a〜26a 引き出し電極
31 光吸収層
41〜43 シール材
44 接合樹脂
51 第1の液晶層
52 第2の液晶層
53 第3の液晶層
61 着色層
100 アイポイント

Claims (14)

  1. 3枚以上の基板と、
    前記3枚以上の基板間に設けられた複数の液晶層と、
    前記3枚以上の基板の前記複数の液晶層のうちのいずれかと対向する面にそれぞれ形成された透明電極と、
    前記複数の液晶層のうちの所定の液晶層の観察者側に形成され、当該所定の液晶層の色純度を高める着色層と、
    を備える液晶表示装置。
  2. 前記3枚以上の基板は、第1、第2、第3および第4の基板を含み、
    前記複数の液晶層は、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、青色の光を選択反射する第1の液晶層と、
    前記第2の基板と前記第3の基板との間に挟持され、緑色の光を選択反射する第2の液晶層と、
    前記第3の基板と前記第4の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第3の液晶層とを含み、
    前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第3の基板および前記第4の基板の前記第3の液晶層に対向する面にそれぞれ形成され、
    前記着色層は、前記第2の液晶層と前記第3の液晶層との間に形成され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記3枚以上の基板は、第1、第2、第3、第4および第5の基板を含み、
    前記複数の液晶層は、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、青色の光を選択反射する第1の液晶層と、
    前記第2の基板と前記第3の基板との間に挟持され、緑色の光を選択反射する第2の液晶層と、
    前記第4の基板と前記第5の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第3の液晶層とを含み、
    前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第4の基板および前記第5の基板の前記第3の液晶層に対向する面にそれぞれ形成されており、
    前記第1、第2および第3の基板、前記第1および第2の液晶層を有する第1のパネルと、前記第4および第5の基板、前記第3の液晶層を有する第2パネルとが構成され、
    前記着色層は、前記第1のパネルと前記第2のパネルとの間に形成され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する請求項1に記載の液晶表示装置。
  4. 前記3枚以上の基板は、第1、第2および第3の基板を含み、
    前記複数の液晶層は、
    前記第1の基板と第2の基板との間に挟持され、青色又は緑色の光を選択反射する第1の液晶層と、
    前記第2の基板と第3の基板との間に挟持され、赤色の光を選択反射する第2の液晶層とを備え、
    前記透明電極は、前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面にそれぞれ形成されており、
    前記着色層は、前記第1の液晶層と第2の液晶層との間に配設され、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層である請求項1に記載の液晶表示装置。
  5. 前記複数の液晶層は、いずれもカイラルネマチック液晶を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  6. 前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が460〜500nmの範囲にあり、
    前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が520〜560nmの範囲にあり、
    前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が590〜650nmの範囲にある請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
  7. 前記着色層は、前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有する請求項2又は3に記載の液晶表示装置。
  8. 前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が430〜540nmの範囲にあり、
    前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が560〜665nmの範囲にある請求項4に記載の液晶表示装置。
  9. 前記着色層は、前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有する請求項4に記載の液晶表示装置。
  10. 透明電極を備えた3枚以上の基板にシール材原料を塗布する工程と、
    前記3枚以上の基板のいずれかにカイラルネマチック液晶を滴下する工程と、
    前記3枚以上の基板を減圧雰囲気の下で重ね合わせることにより、前記基板と前記カイラルネマチック液晶とが交互に積層された積層構造を作る工程と、
    前記積層構造を大気圧雰囲気にさらすことにより、前記基板と前記カイラルネマチック液晶と前記シール材原料とを一体化させる工程と、
    前記シール材原料を硬化させる工程と
    を有する液晶表示装置の製造方法。
  11. 前記複数の基板として、第1の基板、第2の基板、第3の基板、第4の基板を用い、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に青色の光を選択反射する第1の液晶層を形成し、
    前記第2の基板と前記第3の基板との間に緑色の光を選択反射する第2の液晶層を形成し、
    前記第3の基板と前記第4の基板との間に赤色の光を選択反射する第3の液晶層を形成し、
    前記第1の基板および前記第2の基板の前記第1の液晶層に対向する面、前記第2の基板および前記第3の基板の前記第2の液晶層に対向する面、前記第3の基板および前記第4の基板の前記第3の液晶層に対向する面に透明電極を形成する請求項14に記載の液晶表示装置の製造方法。
  12. 前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が590〜650nmの範囲とし、
    前記第2の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が520〜560nmの範囲とし、
    前記第3の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長が460〜500nmの範囲とする請求項15に記載の液晶表示装置。
  13. 前記第1の液晶層と前記第2の液晶層との間に、赤色の波長の光を透過し、かつ、赤色より短い波長の光を吸収する着色層をさらに形成する請求項15又は16に記載の液晶表示装置の製造方法。
  14. 前記着色層は、前記第1の液晶層に含まれるカイラルネマチック液晶のピーク選択反射波長よりも70nm低波長側での透過率が、前記選択反射波長よりも30nm低波長側での透過率の85%以下である透過率特性を有する請求項17に記載の液晶表示装置の製造方法。
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WO2009122630A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 シャープ株式会社 液晶表示素子及びその駆動方法
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