JP2007192868A - 液晶装置の製造方法及び液晶装置並びに電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】配向膜の表面で撥水処理を均一に行うことができる液晶装置の製造方法及び液晶装置並びに電子機器を提供すること。
【解決手段】無機配向膜15、34を加熱する加熱工程と、加熱された無機配向膜15、34の表面を活性化させる活性化工程と、活性化させた無機配向膜15、34の表面に、アルコール処理を施す撥水処理工程とを備え、前記加熱工程、活性化工程及び撥水処理工程を真空中で連続して行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶装置の製造方法及び液晶装置並びに電子機器に関する。
液晶プロジェクタなどの投射型表示装置の光変調手段として用いられる液晶装置は、一対の基板間の周縁部にシール材が配設され、その中央部に液晶層が封止された構成となっている。そして、この一対の基板の内面側には液晶層に電圧を印加する電極が形成され、これら電極の内面側には非選択電圧印加時において液晶分子の配向を制御する配向膜が形成されている。このような構成によって液晶装置は、非選択電圧印加時と選択電圧印加時との液晶分子の配向変化に基づいて光源光を変調し、画像光を作製している。
ところで、上記配向膜としては、側鎖アルキル基を付加したポリイミドなどからなる高分子膜の表面に、ラビング処理を施したものが一般に用いられている。ラビング処理とは、柔らかい布からなるローラで高分子膜の表面を所定方向に擦ることにより、高分子を所定方向に配向させるものである。その配向性高分子と液晶分子との分子間相互作用により、配向性高分子に沿って液晶分子が配置されるので、非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向させることができるようになっている。また、側鎖アルキル基により、液晶分子にプレチルトを与えることができるようになっている。
しかしながら、このような有機配向膜を備えた液晶装置をプロジェクタの光変調手段として採用した場合、光源から照射される強い光や熱によって配向膜が次第に分解されることがある。そして、長期間の使用後には、液晶分子を所望のプレチルト角に配列することができなくなるなど液晶分子の配向制御機能が低下し、液晶プロジェクタの表示品質が低下してしまう。
そこで、耐光性の向上のため、近年ではSiOx斜方膜(x=1〜2)などの金属酸化物を配向膜の材料としたものも開発されている。
金属酸化物で構成された無機配向膜は、水分を含む雰囲気下において、その表面にヒドロキシル基(例えば、シラノール基:−Si−OH)が形成される。このヒドロキシル基は水和性(水分との親和性)が高いため、無機配向膜の表面に水分が付着しやすくなる。このように無機配向膜の表面に水分が付着すると、配向が変化して配向不良を引き起こしてしまう。そこで、水分の付着を防止するため、無機配向膜の表面を長い直鎖を有する高級アルコールを用いた撥水処理を施して表面を改質する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−134299号公報
しかしながら、上記従来の液晶装置の製造方法においても、撥水処理が無機配向膜の表面で均一に行われることが求められている。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、無機配向膜の表面で撥水処理を均一に行うことができる液晶装置の製造方法及び液晶装置並びに電子機器を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる液晶装置の製造方法は、表面に金属酸化物からなる無機配向膜が形成されて対向配置された一対の基板と、該一対の基板で挟持された液晶層とを備える液晶装置の製造方法において、前記無機配向膜を加熱する加熱工程と、加熱された前記無機配向膜の表面を活性化させる活性化工程と、活性化させた前記無機配向膜の表面に、アルコール処理を施す撥水処理工程とを備え、前記加熱工程、前記活性化工程及び前記撥水処理工程を真空中で連続して行うことを特徴とする。
この発明では、真空中で連続して加熱処理、活性化処理及び撥水処理を施すことで無機配向膜の表面の水分を効果的に除去すると共に、無機配向膜の表面における撥水処理を均一に行うことができるので、液晶層の劣化をより抑制することが可能となる。
すなわち、無機配向膜を真空中で加熱することにより、無機配向膜の表面に付着している水分を効果的に除去する。そして、無機配向膜の表面に結合しているヒドロキシル基を活性化処理において切断した後、アルコール処理を施すことで無機配向膜の表面にヒドロキシル基よりも水和性の低い原子などが結合され、表面にヒドロキシル基が結合されることを防止する。
ここで、加熱処理と活性化処理とを真空中で連続して行うことで、加熱処理において水分が除去された無機配向膜の表面に再び水分が付着することを防止できる。また、活性化処理と撥水処理とを真空中で連続して行うことで、ヒドロキシル基を切断した無機配向膜の表面に再びヒドロキシル基が結合されることを防止できる。これにより、無機配向膜の表面において均一に撥水処理を施すことができる。
さらに、撥水処理工程を真空中で行っているので、無機配向膜をアルコールの引火点よりも高い温度で加熱状態としたままアルコールを導入しても、導入したアルコールの引火を回避できる。これにより、導入するアルコールの濃度を高くして、アルコール処理を効果的に行うことができる。
以上より、無機配向膜の表面に水分が付着、結合しにくくなり、液晶層の劣化をより確実に抑制して液晶装置の長寿命化が図れる。
また、本発明にかかる液晶装置の製造方法は、前記活性化工程で、前記無機配向膜の表面にプラズマを照射することが好ましい。
この発明では、無機配向膜の表面にプラズマを照射してイオン化されたガスを無機配向膜の表面に当てることにより、無機配向膜の表面に結合されているヒドロキシル基を切断して無機配向膜の表面を活性化させると共に、プラズマ照射時の熱により無機配向膜中に存在する水分を除去することができる。
また、本発明にかかる液晶装置の製造方法は、前記活性化工程で、プラズマ照射時の直流バイアス電圧を−100V以上0V未満とすることが好ましい。
この発明では、プラズマ処理時の直流バイアス電圧を−100V以上0V未満とすることで無機配向膜がスパッタによって除去されることを回避する。すなわち、プラズマ処理時に導入されたガスのエネルギーの向上を抑制することで、無機配向膜がスパッタされることなく無機配向膜の表面に結合されているヒドロキシル基を切断して表面を活性化させることができる。また、無機配向膜がスパッタされることを回避することで、無機配向膜による液晶層の配向性が劣化することを防止する。
なお、直流バイアス電圧は−50V以上0V未満であることがより好ましい。このようにすることで、ガスのエネルギーの向上をより抑制して無機配向膜による液晶層の配向制御機能が劣化することをより確実に防止する。
また、本発明にかかる液晶装置の製造方法は、前記活性化工程で、前記無機配向膜の表面に紫外線を照射することとしてもよい。
この発明では、無機配向膜の表面に紫外線を照射することにより、表面に結合されているヒドロキシル基を切断し、上述と同様に無機配向膜の表面を活性化させる。
また、本発明にかかる液晶装置は、上記記載の液晶装置の製造方法により製造されたことを特徴とする。
この発明では、上述した液晶装置の製造方法により製造されているので、無機配向膜の表面に水分が付着、結合しにくくなり、液晶層の劣化をより確実に抑制して液晶装置の長寿命化が図れる。
また、本発明にかかる電子機器は、上記記載の液晶装置を有することを特徴とする。
この発明では、上述と同様に、無機配向膜の表面に水分が付着、結合しにくくなることで液晶層の劣化がより確実に抑制された液晶装置を備えているので、電子機器の長寿命化が図れる。
以下、本発明による液晶装置及び液晶装置の製造方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。ここで、図1は本実施形態における液晶装置を示す平面図、図2は図1におけるA−A矢視断面図、図3は図1の液晶パネルを示す等価回路図である。
本実施形態における液晶装置1は、プロジェクタなどの投射型表示装置のライトバルブとして用いられる液晶装置であって、スイッチング素子に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTと称する)素子を用いたアクティブマトリックス方式の液晶装置である。そして、液晶装置1は、図1及び図2に示すように、液晶パネル2と、液晶パネル2の外面にそれぞれ配置された偏光板(図示略)とを備えている。
液晶パネル2は、図2に示すように、TFTアレイ基板(基板)5と、TFTアレイ基板5と対向配置された対向基板(基板)6と、TFTアレイ基板5及び対向基板6を接着するシール材7と、TFTアレイ基板5及び対向基板6によって形成されたセルギャップ内に封入された液晶層8とを備えている。すなわち、液晶層8は、TFTアレイ基板5及び対向基板6によって挟持されている。そして、図1に示すように、液晶装置1のうち、TFTアレイ基板5と対向基板6とが重なると共にシール材7の内側に形成された後述する周辺遮光膜31によってシール領域の内側が画像表示領域10となっている。なお、図1では、対向基板6の図示を省略している。
TFTアレイ基板5は、図1に示すように、平面視矩形状を有しており、例えば石英やガラス、プラスチックなどの透光性材料によって形成されている。また、TFTアレイ基板5には、一辺端部(図1に示す下辺)において対向基板6より外側に張り出す張出領域が形成されている。
そして、TFTアレイ基板5のうち画像表示領域10と重なる領域には、図2及び図3に示すように、画素電極11やTFT12、複数の走査線13及び信号線14、画素電極11を覆う無機配向膜15が形成されている。
また、TFTアレイ基板5上には、上記一辺に沿って信号線駆動回路21が設けられており、上記一辺と隣接する二辺に沿って走査線駆動回路22、23が設けられている。そして、TFTアレイ基板5の上記張出領域には、信号線駆動回路21及び走査線駆動回路22、23の端子群である端子部24が設けられている。なお、信号線駆動回路21と走査線駆動回路22、23と端子部24とは、配線25により適宜電気的に接続されている。
画素電極11は、例えばITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)などの透光性導電材料によって形成されており、対向基板6に設けられた後述する対向電極33とそれぞれ対向配置されている。そして、画素電極11と、対向基板6に形成されてこの画素電極11に対向配置された上記対向電極33との間で液晶層8を挟持する。
走査線13は、図3に示すように、例えばアルミニウムなどの金属によって構成された配線であって、図3に示すX方向に延在するように形成されている。また、信号線14は、走査線13と同様に、走査線13と交差するように、図3に示すY方向に延在するように形成されている。そして、これら走査線13及び信号線14によって画素領域が形成されている。
TFT12は、例えばn型トランジスタによって構成されており、走査線13と信号線14との交点にそれぞれ設けられている。また、TFTアレイ基板5の上面に非晶質ポリシリコン膜または非晶質ポリシリコン膜を結晶化させたポリシリコン膜を部分的に形成し、これに対して部分的な不純物の導入や活性化を行うことで形成されている。
そして、TFT12のゲートにはそれぞれ走査線13が電気的に接続されており、TFT12のドレインには画素電極11がそれぞれ電気的に接続されている。また、画素電極11に書き込まれた画像信号のリークを防止するため、画素電極11と並列に保持容量27が接続されている。
無機配向膜15は、SiOやSiOなどのシリコン酸化物やAl、ZnO、MgO、ITOなどの金属酸化物などによって構成されており、TFTアレイ基板5側から液晶層8側の表面にかけて金属酸化物の結晶を柱状に成長させ、この柱状構造体が例えばTFTアレイ基板5の法線方向に対して斜方に傾斜するように形成されている。また、無機配向膜15は、厚さが0.02μm以上0.3μm以下(好ましくは、0.02μm以上0.08μm以下)となっている。そして、液晶パネル2の液晶層8の液晶分子が、上記柱状の金属酸化物の結晶に沿って配向するので、この無機配向膜15により非選択電圧印加時の液晶分子を所定方向に配向規制することができる。また、液晶分子にプレチルトを与えることができる。
ここで、この無機配向膜15の形成には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法などのスパッタ法、蒸着法、ゾルゲル法、自己組織化法などを用いることができる。また、無機配向膜15の表面には後述する撥水処理が施されている。
信号線駆動回路21は、複数の信号線14に対して画像信号を供給する構成となっている。ここで、信号線駆動回路21により信号線14に書き込まれる画像信号は、線順次に供給する構成としても、互いに隣接する複数の信号線14同士に対してグループごとに供給する構成としてもよい。
走査線駆動回路22、23は、複数の走査線13に対して所定のタイミングで走査信号をパルス的に線順次で供給する構成となっている。
これら信号線駆動回路21及び走査線駆動回路22、23は、トランジスタやダイオード、キャパシタなどを組み合わせた電子回路によって構成されており、TFT12と同様に、TFTアレイ基板5の上面に部分的に形成された非晶質ポリシリコン膜または非晶質ポリシリコン膜を結晶化させたポリシリコン膜に対して、部分的な不純物の導入や活性化を行うことで形成されている。したがって、TFT12と同じ製造工程で形成することができる。
端子部24には、フレキシブルプリント基板(図示略)が接続されている。そして、このフレキシブルプリント基板を介して外部から各種信号が供給され、液晶装置1が駆動する。
対向基板6は、TFTアレイ基板5と同様に平面視矩形状を有しており、例えばガラスやプラスチックなどの透光性材料によって形成されている。そして、図2に示すように、対向基板6の液晶層8側の下面には、周辺遮光膜31及び表示領域遮光膜32と対向電極33と無機配向膜34とがこの順に積層されている。
周辺遮光膜31は、平面視で矩形の枠形状を有し、シール材7の内周側に沿って設けられており、画像表示領域を規定している。
表示領域遮光膜32は、平面視で格子状またはストライプ状を有しており、周辺遮光膜31の内側の領域である画像表示領域10を覆うように設けられている。
また、対向基板6の4つの角部には、対向基板6とTFTアレイ基板5との間の上下導通端子として機能する上下導通材36が配置されている。この上下導通材36を介して対向基板6とTFTアレイ基板5との電気的な接続が図られている。
対向電極33は、画素電極11と同様にITOなどの透光性導電材料によって形成された平面膜である。
無機配向膜34は、上述した無機配向膜15と同様に、対向基板6側から液晶層8側の表面にかけて金属酸化物の結晶が柱状に成長し、この柱状構造体が例えば対向基板6の法線方向に対して斜方に傾斜するように形成されている。また、無機配向膜34は、厚さが0.02μm以上0.3μm以下(好ましくは、0.02μm以上0.08μm以下)となっている。そして、無機配向膜34の表面にも上述と同様に撥水処理が施されている。
シール材7は、平面視で矩形の枠形状を有しており、TFTアレイ基板5と対向基板6とを接着している。このシール材7は、例えば紫外線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂などからなり、TFTアレイ基板5の所定位置に塗布された後、紫外線照射や加熱などによって硬化処理されたものである。
液晶層8は、例えば1種または複数種のネマティック液晶を混合した液晶からなり、TFTアレイ基板5及び対向基板6のそれぞれに形成された無機配向膜15、34の間で所定の配向状態となっている。ここで、液晶層8としては、正の誘電率異方性を有する液晶を用いたTN(Twisted Nematic)モードが適用可能である。なお、液晶層8として、負の誘電率異方性を有するVAN(Vertical Aligned Nematic)モードを用いてもよい。
上記偏光板はTFTアレイ基板5の外面及び対向基板6の外面にそれぞれ配置されている。この偏光板は、ポリビニルアルコールにヨウ素をドープした材料によって構成され、その吸収軸方向の直線変更を吸収して透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。そして、TFTアレイ基板5の外面に配置された偏光板は、その透過軸が無機配向膜15の配向規制方向とほぼ一致するように配置されている。また、対向基板6の外面に配置された偏光板は、その透過軸が無機配向膜34の配向規制方向とほぼ一致するように配置されている。ここで、例えばプロジェクタのライトバルブ用途において、偏光板は、それぞれサファイアガラスや水晶などの高熱伝導率材料で構成された支持基板上に装着し、TFTアレイ基板5及び対向基板6から離間した位置に配置することが望ましい。
このような構成の液晶装置1は、対向基板6を光源側に向けて配置される。そして、その光源光のうち対向基板6側の上記偏光板の透過軸と一致する直線偏光のみが偏光板を透過して液晶パネル2に入射する。非選択電圧印加時の液晶装置1では、TFTアレイ基板5や対向基板6に対して水平配向された液晶分子が液晶層8の厚さ方向に約90°ねじられた螺旋状に積層配置されている。そのため、液晶パネル2に入射した直線偏光は、約90°旋光されて液晶パネル2から出射する。この直線偏光はTFTアレイ基板5側に配置された上記偏光板の透過軸と一致するため、この偏光板を透過する。したがって、非選択電圧印加時の液晶装置1では白表示が行われる(ノーマリホワイトモード)。
一方、選択電圧印加時の液晶装置1では、液晶分子がTFTアレイ基板5や対向基板6に対して垂直配向されている。そのため、液晶パネル2に入射した直線偏光は、旋光されることなく液晶パネル2から出射する。この直線偏光は、TFTアレイ基板5側に配置された上記偏光板の透過軸と直交するので、この偏光板を透過しない。したがって、選択電圧印加時の液晶装置1では黒表示が行われる。
次に、液晶装置1の製造方法について説明する。本実施形態では、大面積のマザー基板を用いて複数の液晶パネルを一括して形成し、切断することによって個々の液晶パネル2に分離する方法を例に挙げて説明する。
まず、ガラスやプラスチックなどの透光性材料で構成され、TFTアレイ基板5となるTFTアレイ基板5側のマザー基板(以下、TFTアレイマザー基板と称する)上のうち、画像表示領域10となる領域に画素電極11やTFT12、走査線13及び信号線14などを形成する。また、TFTアレイマザー基板上に、信号線駆動回路21、走査線駆動回路22、23、端子部24及び配線25を形成する。
次に、これら画素電極11やTFT12、走査線13及び信号線14が形成されたTFTアレイマザー基板上に、無機配向膜15を形成する。これは、真空中で、画素電極11などが形成されたTFTアレイマザー基板上にSiOを斜方蒸着する。無機配向膜15の形成方法としては、例えば蒸着法やスパッタリング法などの物理気相成長法を用いて行われる。なお、物理気相成長法のほか、化学気相成長法やゾルゲル法により無機配向膜15を形成してもよい。
その後、無機配向膜15の表面に対して撥水処理を施す。この撥水処理については後述する。続いて、TFTアレイマザー基板上うち、画像表示領域10となる領域の周縁部にシール材7を形成しシール材7で囲まれた画像表示領域10に液晶を塗布する。
次に、TFTアレイマザー基板と同様に、透光性材料で構成されて対向基板6となる対向基板6側のマザー基板(以下、対向マザー基板と称する)上のうち、画像表示領域10となる領域に、対向電極33などを形成する。そして、対向電極33などが形成された対向マザー基板上のうち画像表示領域10となる領域に無機配向膜34を形成し、無機配向膜34の表面に対して撥水処理を施す。この無機配向膜34の形成方法及び撥水処理方法は、後述する無機配向膜15に施す撥水処理方法と同様である。
そして、TFTアレイマザー基板と対向マザー基板とを貼り合せる。これは、両マザー基板を接近させ、TFTアレイマザー基板が対向マザー基板上のシール材7に接着させるようにする。そして、対向マザー基板及びTFTアレイマザー基板にスクライブ線を形成し、このスクライブ線に沿って液晶パネル2を切断する。その後、各液晶パネル2の洗浄を行い、上記偏光板をそれぞれ配置する。以上のようにして液晶装置1を製造する。
次に、無機配向膜15、34に施された撥水処理について詳細に説明する。ここで、無機配向膜15と無機配向膜34とで行う撥水処理は同様であるため、無機配向膜15に施す撥水処理について説明する。
本実施形態における撥水処理に用いられる表面処理装置40は、図4に示すように、真空チャンバ41と、真空チャンバ41の内部圧力を制御する排気ポンプ42と、真空チャンバ41内でTFTアレイマザー基板Sを固定するホルダ43と、ホルダ43に固定されたTFTアレイマザー基板Sを加熱するヒータ44と、真空チャンバ41内でプラズマを発生させる高周波電源45と、アルコールの供給源であるアルコール供給ユニット46と、Ar(アルゴン)ガスの供給源であるAr供給ユニット47と、真空チャンバ41内にアルコール及びArガスを供給する材料供給ヘッド48と、真空チャンバ41及び排気ポンプ42の間に配置された材料トラップ49とを備えている。
まず、この表面処理装置40を用いて、加熱工程を行う。これは、ホルダ43に固定されたTFTアレイマザー基板Sを加熱しながら、排気ポンプ42で真空チャンバ41内を真空引きする。ここで、ヒータ44によるTFTアレイマザー基板Sの加熱温度は、例えば200℃となっている。これにより、無機配向膜15の表面に付着している水分が除去される。
次に、活性化工程を行う。これは、Ar供給ユニット47から真空チャンバ41内にArガスを導入しながら高周波電源45により真空チャンバ41内にプラズマを発生させる。ここで、Arガスの流量を例えば10ccmとし、RFパワーを例えば100W、直流成分を例えば−50V以上0V未満としている。これにより、無機配向膜15表面に結合しているヒドロキシル基を切断、除去して活性面を形成すると共に無機配向膜15の内部に存在する水分が除去される。なお、加熱工程と活性化工程との間では、真空チャンバ41を大気開放せずに真空中で連続して行う。このようにすることで、加熱工程で水分が除去された無機配向膜15の表面に再び水分が付着することを防止する。
続いて、撥水処理工程を行う。これは、Arガスの供給を停止し、材料供給ヘッド48からアルコールとしてIPA(イソプロピルアルコール)を無機配向膜15の表面に向けて吹き付ける。これにより、活性化された無機配向膜15の表面にIPAを結合させる。ここで、ヒータ44によるTFTアレイマザー基板Sの加熱温度を例えば150℃としている。これにより、真空チャンバ41内に導入されたIPAが気化する。そして、真空チャンバ41内を真空引きしているので、TFTアレイマザー基板SをIPAの引火点よりも高い温度において加熱状態としたままIPAを導入しても、IPAが引火することを回避できる。また、導入するIPAの濃度を高くすることができる。
このIPAは、ヒドロキシル基よりも水和性が低いので、無機配向膜15の表面に水が付着しにくくなる。なお、活性化工程と撥水処理工程との間では、上述と同様に、真空チャンバ41を大気開放せずに真空中で連続して行う。このようにすることで、活性化工程で活性化された無機配向膜15の表面に、シラノール基が形成されることを防止すると共に、無機配向膜15の表面や内部に水分が吸着することを防止する。
以上のようにして製造された液晶装置1は、図5に示すようなプロジェクタ(電子機器)50の光変調手段(ライトバルブ)として、に用いられる。このプロジェクタ50は、図5に示すように、光源51と、ダイクロイックミラー52、53と、本発明の液晶装置1からなる赤色光用光変調手段54、緑色光用光変調手段55及び青色光用光変調手段56と、導光手段57と、反射ミラー61〜63と、クロスダイクロイックプリズム64と、投射レンズ65とを備えている。そして、プロジェクタ50から出射したカラー画像光は、スクリーン66上に投影される。
光源51は、メタルハライドなどのランプ51aと、ランプ51aの光を反射するリフレクタ51bとを備えている。
ダイクロイックミラー52は、光源51からの白色光に含まれる赤色光を透過させると共に、緑色光と青色光とを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー53は、ダイクロイックミラー52で反射された緑色光及び青色光のうち青色光を透過させると共に緑色光を反射する構成となっている。
赤色光用光変調手段54は、ダイクロイックミラー52を透過した赤色光が入射され、入射した赤色光を所定の画像信号に基づいて変調する構成となっている。また、緑色光用光変調手段55は、ダイクロイックミラー53で反射された緑色光が入射され、入射した緑色光を所定の画像信号に基づいて変調する構成となっている。そして、青色光用光変調手段56は、ダイクロイックミラー53を透過した青色光が入射され、入射した青色光を所定の画像信号に基づいて変調する構成となっている。
導光手段57は、入射レンズ57aとリレーレンズ57bと出射レンズ57cとによって構成されており、青色光の光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。
反射ミラー61は、ダイクロイックミラー52を透過した赤色光を赤色光用光変調手段54に向けて反射する構成となっている。また、反射ミラー62は、ダイクロイックミラー53及び入射レンズ57aを透過した青色光をリレーレンズ57bに向けて反射する構成となっている。また、反射ミラー63は、リレーレンズ57bを出射した青色光を出射レンズ57cに向けて反射する構成となっている。
クロスダイクロイックプリズム64は、4つの直角プリズムを貼り合わせることによって構成されており、その界面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これら誘電体多層膜により3つの色の光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。
投射レンズ65は、クロスダイクロイックプリズム64によって合成されたカラー画像を拡大してスクリーン66上に投影する構成となっている。
このように構成された液晶装置の製造方法及び液晶装置1並びにプロジェクタ50によれば、真空中で連続して加熱処理、活性化処理及び撥水処理を施すことで無機配向膜15、34の表面の水分を効果的に除去すると共に、無機配向膜15、34の表面における撥水処理を均一に行うことができるので、液晶層8の劣化をより抑制することが可能となる。したがって、液晶装置1の長寿命化が図れる。
ここで、加熱工程、活性化工程及び撥水処理工程を真空チャンバ41を大気開放せずに連続して行うので、加熱処理において水分が除去された無機配向膜15、34の表面に再び水分が付着することを防止すると共に、ヒドロキシル基を切断して活性化した無機配向膜の表面に再びヒドロキシル基が結合されることを防止することが可能となる。これにより、無機配向膜15、34の表面において均一に撥水処理が施される。また、撥水処理工程を真空中で行っているので、無機配向膜15、34をIPAの引火点よりも高い温度で加熱状態としたまま真空チャンバ41内にIPAを導入しても、導入したIPAが引火することを回避できる。これにより、導入するアルコールの濃度を高くして無機配向膜15、34の表面に対するアルコール処理を効果的に行える。
また、無機配向膜15、34の表面にプラズマ処理を用いているので、無機配向膜15、34の表面を活性化させると共に、プラズマの熱により無機配向膜15、34中に存在する水分を除去することができる。ここで、プラズマ処理時の直流バイアス電圧を−50V以上0V未満とすることで、無機配向膜15、34がスパッタされることを回避して、無機配向膜15、34による液晶層8の配向制御機能が劣化することを防止する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、無機配向膜の表面にプラズマを照射して表面の活性化処理を行っているが、無機配向膜の表面に結合しているヒドロキシル基を切断、除去することができれば、無機配向膜の表面に紫外線(UV)を照射するなど、他の方法を用いてもよい。
また、プラズマ処理時に真空チャンバ内にArガスを導入しているが、Arガスに限らず、N(窒素)などの不活性ガスや、O(酸素)を導入してもよい。
また、活性化工程においてプラズマ処理時の直流バイアス電圧を−50V以上0V未満としているが、−100V以上0V未満であってもよく、プラズマ照射時に無機配向膜がスパッタされることが回避できればこの範囲に限られない。
そして、アルコール処理時に真空チャンバ内にIPAを導入しているが、IPAに限らず、オクタノールなど他のアルコール類を用いてもよい。ここで、マザー基板の加熱温度を150℃としているが、真空チャンバ内に導入するアルコールに応じて適宜変更してもよい。
また、表面処理装置は、各マザー基板に無機配向膜を形成するスパッタ装置などとインラインで接続された構成としてもよい。これにより、マザー基板上への無機配向膜の形成と無機配向膜の表面の撥水処理とを連続して行うことができる。
また、液晶装置は、スイッチング素子としてTFTを備えているが、薄膜ダイオード(Thin Film Diode)などの二端子型素子をスイッチング素子として備える構成としてもよい。
また、光源からの光を透過させて画像を表示する透過型の液晶装置としているが、反射型の液晶装置としてもよい。
また、赤色光用光変調手段、緑色光用光変調手段及び青色光用光変調手段を備える3板式のプロジェクタとしているが、単板式のプロジェクタとしてもよい。さらに、プロジェクタのような投射型表示装置に限らず、直視型表示装置などに適用してもよい。
また、液晶装置を備える電子機器としては、プロジェクタのほかに、携帯電話機やICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能つきファックス装置やデジタルカメラのファインダ、携帯型TV受像機、DSP(Digital Signal Processor)装置、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、電子掲示板、宣伝広告用ディスプレイなどとしてもよい。
本発明の一実施形態における液晶装置を示す平面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 図1の液晶パネルを示す等価回路図である。 本発明の一実施形態における表面処理装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態におけるプロジェクタを示す概略構成図である。
符号の説明
1 液晶装置、5 TFTアレイ基板(基板)、6 対向基板(基板)、8 液晶層、15、34 無機配向膜、50 プロジェクタ(電子機器)

Claims (6)

  1. 表面に金属酸化物からなる無機配向膜が形成されて対向配置された一対の基板と、該一対の基板で挟持された液晶層とを備える液晶装置の製造方法において、
    前記無機配向膜を加熱する加熱工程と、
    加熱された前記無機配向膜の表面を活性化させる活性化工程と、
    活性化させた前記無機配向膜の表面に、アルコール処理を施す撥水処理工程とを備え、
    前記加熱工程、前記活性化工程及び前記撥水処理工程を真空中で連続して行うことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記活性化工程で、前記無機配向膜の表面にプラズマを照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記活性化工程で、プラズマ照射時の直流バイアス電圧を−100V以上0V未満とすることを特徴とする請求項2に記載の液晶装置の製造方法。
  4. 前記活性化工程で、前記無機配向膜の表面に紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の液晶装置の製造方法により製造されたことを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項5に記載の液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
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