JP2007191565A - インク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化性及び安定性に優れ、各種基材に印字した場合の密着性、柔軟性、カールに優れたインク組成物、並びにそのようなインク組成物を用いたインクジェット記録方法及びその記録物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物を含有するインク組成物。
Figure 2007191565

(式中、R1はエポキシ基の1位及び2位の炭素と結合してシクロアルカンを形成するアルキレン基であり、他の繰り返し単位または末端官能基と結合する結合手を有する。R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数が1以上5以下のアルキル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、インク組成物及びそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
近年、地域広告や、大型ポスターのような部数の限られた印刷物の製造には、版を利用しないインクジェットプリンタによる印刷が利用されるようになってきた。インクジェットプリント用のインクとしては、一般的に水性インク、溶剤系インク、紫外線硬化型インクが用いられている。水性のインクジェット用インクは、普通紙に印字した場合に耐水性が劣り、滲みが生じやすく、さらに、プラスチックなど非吸水性の被記録媒体に印字した場合には、インク液滴の付着が悪いために画像形成不良が発生しやすく、また、溶剤の乾燥が極めて遅いために印字直後には記録物を重ねずに乾燥させる必要がある等の欠点があった。
一方、溶剤系インクでは、プラスチックなどの非吸水性の被記録媒体への印字適性はあるが、溶剤を乾燥させる必要があるため、乾燥に時間がかかるだけでなく、有機溶剤を揮発させるため、廃棄設備や、溶剤回収機構を設けなければならないという欠点があった。
非吸水性の被記録媒体に対する記録に適するものとして、被記録媒体との接着性に優れた多官能モノマーを用いた紫外線硬化性インクが開発されたが、水分散型のインクのために乾燥が遅く、フルカラーの画像を形成するには不十分であった。乾燥性を解決するために、インクの溶剤として揮発性の有機溶剤を用いる方法が行われてきたが、急速に乾燥させるためにはメチルエチルケトン及びエタノールなど高度に引火性があり、さらに揮発性の高い溶剤を用いる必要があった。
これらの問題点を解決するために、インク溶媒の揮発ではなく放射線によって硬化し固着するインクジェット用インクが開発されている。例えば、特許文献1〜3には、重合性基を有するモノマーと油溶性染料とを含むインクが開示されている。また、特許文献4には、光重合可能な化合物と光重合開始剤とを含む光重合性組成物が開示されている。しかし、これらのインクはラジカル重合系であるため、酸素により重合が阻害を受け、空気中では硬化不良が発生しやすく、改善が望まれていた。
そのため、酸素により重合の阻害を受けないカチオン重合を用いたインクが開示されている。例えば、特許文献5、6には、オキシラン、オキセタンを有する活性エネルギー線硬化型組成物が開示されているが、硬化性が十分ではなく、可とう性や密着性も不十分であった。また、特許文献6には、脂環式オキシランを用いた活性光線硬化型組成物が開示されているが、硬化性は比較的良好であるが、可とう性や密着性は不十分であり、また粘度の比較的高いため、改良が望まれていた。
特開2003−221528号公報 特開2003−221532号公報 特開2003−221530号公報 特開2001−222105号公報 特開2000−169552号公報 特開2005−194453号公報
本発明が解決しようとする課題は、硬化性及び安定性に優れ、各種基材に印字した場合の密着性、柔軟性、カールに優れたインク組成物を提供することである。またそのようなインク組成物を用いたインクジェット記録方法及びその記録物を提供することである。
本発明の課題は、下記の手段によって解決された。
[1]下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物を含有することを特徴とするインク組成物。
Figure 2007191565
(式中、R1はエポキシ基の1位及び2位の炭素と結合してシクロアルカンを形成するアルキレン基であり、他の繰り返し単位または末端官能基と結合する結合手を有する。R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数が1以上5以下のアルキル基を表す。)
[2]前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物がポリ(1,3−シクロヘキサジエン)のエポキシ変性物であることを特徴とする[1]項に記載のインク組成物。
[3]光カチオン重合開始剤およびカチオン重合性化合物を含有し、前記重合物をインク組成物中の2質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする[1]又は[2]項に記載のインク組成物。
[4]前記カチオン重合性化合物として、単官能のオキシラン化合物または単官能のオキセタン化合物を合わせて45質量%以上95質量%以下含有することを特徴とする[3]項に記載のインク組成物。
[5]インクジェット用であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のインク組成物。
[6][1]〜[5]のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出するインクジェット記録によって被記録媒体に画像を記録する画像記録工程と、前記画像記録工程において前記被記録媒体に記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
[7]前記活性エネルギー線の光源として発光ダイオードを用いることを特徴とする[6]項に記載のインクジェット記録方法。
[8][1]〜[5]のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて記録した記録物。
本発明のインク組成物では、反応性の高い多官能オキシラン化合物を用いるため、硬化性が特に優れたインクを得ることができる。一般的な多官能のオキシラン化合物は、重合部位を複数導入する際に、エーテル結合やエステル結合を介して複数個のオキシラン環を導入するため分子量が大きくなりやすく、粘度の上昇を招きやすい。また、エーテル結合やエステル結合を分子内に有する場合、硬化性を低下することがある。本発明に用いられる一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物は、感度の高いオキシラン骨格である脂環式オキシランを繰り返しユニットに有する重合物であり、脂環式オキシランが連結基を介せずに結合しているために、官能基数を増やした場合の分子量の増加を小さくでき、他の多官能オキシランを用いた場合に比べ、低粘度のインクを得ることができるという特徴がある。また、各種基材への接着性や柔軟性にすぐれており、記録物のカールも小さく、フィルムに印字した記録物に曲げ変形を与えても割れを生じない。インクの安定性も良好なので、目詰まりが少なく被記録媒体への密着性にも優れ、良好な文字又は画像を被記録媒体に記録することができる。
本発明によれば、硬化性、接着性、柔軟性、安定性が優れたインク組成物を提供することができる。またそのようなインク組成物を用いたインクジェット記録方法及び記録物を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物を含有することを特徴とする。また、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物に加えて、カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤(光酸発生剤)、着色剤の他、安定化剤などの添加剤を含むことができる。この場合、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物とカチオン重合性化合物の総量は、インクの総量に対して70質量%以上99質量%以下が好ましく、75質量%以上98質量%以下がより好ましく、80質量%以上95質量%以下が最も好ましい。前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物の含有量は任意に設定できるが、粘度や硬化性の観点から、インク組成物の総量の5質量%以上50質量%以下が好ましい。中でも前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物の一分子中におけるオキシラン基(エポキシ基)の平均の数(ホモポリマーの場合は数平均の重合度、共重合体の場合は数平均分子量と組成比より算出したオキシラン環の重合物1分子中のオキシラン数)をnとして表した場合、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物の含有量は、インク組成物の総量の2質量%以上200/n質量%以下であることがより好ましく、2質量%以上150/n質量%以下であることが最も好ましい。
[一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物]
本発明で用いられる重合物は下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する。
Figure 2007191565
ここで、前記一般式(I)で表される繰り返し単位はR1、R2、R3とエポキシ基からなる脂環式オキシランであり、本発明で用いられる前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物は、前記一般式(I)の構造を繰り返し単位に有していれば、ホモポリマーでも共重合体でも問題なく使用できる。
前記一般式(I)中、R1はエポキシ基の1位及び2位の炭素と結合してシクロアルカンを形成するアルキレン基であり、他の繰り返し単位または末端官能基と結合する結合手を有する。アルキレン基の炭素数は3〜10が好ましく、4〜6がより好ましい。アルキレン基は置換基を有していてもよく、好ましい置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリール基が挙げられる。
2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数が1以上5以下の直鎖又は分岐のアルキル基を表す。R2、R3は水素原子、メチル基、エチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物の末端基としては、カチオン重合を著しく阻害しない官能基であれば任意に設定できる。末端基の分子量が300以上大きくなると、粘度を増大させる可能性があるため好ましくないが、該重合物のインク組成物中の割合が10質量%以下の場合は粘度への影響が比較的少ないため、問題なく使用できる。末端基としては、水素原子、アルキル基、1位が1個または2個のアリール基で置換されたアルキル基、ポリスチレン及びその誘導体、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリブタジエン及びその誘導体、ポリイソプレン及びその誘導体などが挙げられ、中でも水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、1位が1個または2個のアリール基で置換された炭素数6〜20のアルキル基が好ましく用いられる。
前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物は、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を2種類以上有する所謂共重合体でも良い。さらに、前記一般式(I)で表される繰り返し単位以外の重合単位を含む共重合体でも良いが、前記一般式(I)で表される繰り返し単位と末端基のみで構成された重合体であることが好ましい。共重合の様式の限定はなく、本発明にはランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれの場合も使用できる。
重合物中のそれぞれの繰り返し単位の平均数は任意に設定できるが、粘度の観点から重合物の繰り返し単位の合計数は2〜50であることが好ましく2〜20であることがより好ましい。前記一般式(I)で表される繰り返し単位の数は2〜50が好ましく、2〜20がより好ましい。
本発明の化合物は、環状ジエン化合物を重合後、繰り返しユニットに残存する二重結合をオキシラン化することで合成できる。合成法は例えば、「ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス」,パートA,2003年,第41巻,第1号,84−93ページに示されている。環状ジエンの重合法については、アニオン重合法、ラジカル重合法どちらでも合成可能であるが、本発明では重合度を20以下にする必要があることや、分子量、分子量分布の制御が容易であるという観点から、アニオン重合法を用いた方が好ましい。
本発明で用いられる前記一般式(I)で表される繰り返し単位の構造例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007191565
本発明で用いられる前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の具体例中、(6は異性体との共重合体を表し、重合度a、b、e、f、g、h、m及びnは同一でも異なってもよい。(7)はポリスチレンとのブロック共重合体を表し、(8)は(6)の化合物の部分エポキシ化体を表す。
Figure 2007191565
本発明で用いられる前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物は、単独で用いるだけでなく複数用いても、他のカチオン重合性化合物と併用してもよい。
[カチオン重合性化合物]
前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物と併用可能な他のカチオン重合性化合物としては、一般に知られているカチオン重合性基を有する化合物であれば、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず使用することができる。カチオン重合性化合物としては、例えば、以下に例示する化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、公知のカチオン重合性化合物であれば問題なく使用することができる。また、カチオン重合性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種または複数を混合して用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、公知のカチオン重合性化合物を用いることができ、スチレン誘導体、ビニルエーテルの他に、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、ラクタム、ラクトンなどが用いられる。中でも、オキシラン、オキセタン、ビニルエーテルまたはスチレン誘導体が好ましく用いられ、特にオキシラン、オキセタンが好ましい。
また、オキシラン環含有化合物(オキシラン化合物、即ちエポキシ化合物)及びオキセタン環含有化合物(オキセタン化合物)は、一種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。硬化速度と硬化度を向上させる観点から、それぞれ少なくとも1種のオキセタン化合物とオキシラン化合物とを併用することが好ましい。この場合、オキシラン化合物とオキセタン化合物の比率はそれぞれ10:90〜70:30が好ましく用いられる。この間に設定すると硬化性と硬化速度のバランスの良いインク組成物が得られる。
インクを安定に吐出する観点から、本発明で用いられるカチオン重合性化合物としては、粘度の低いものが好ましく、単官能のカチオン重合性化合物を含むことが好ましい。単官能のカチオン重合性化合物としては、オキシラン、オキセタン、ビニルエーテルが好ましく用いられ、中でもオキシランまたはオキセタンの片方または両方を混合して用いるのが好ましい。単官能のカチオン重合性化合物は粘度を低下させる観点から、インク組成物の総量の45質量%以上95質量%以下の割合で用いることが好ましく、60質量%以上95質量%以下が最も好ましい。
(オキシラン化合物)
オキシラン化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのオキシラン化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
またオキシラン化合物のうち官能基数が少ないものは、上述したように溶解性及び粘度の調整作用も同時に兼ね備えることができるため、好ましい。
本発明で用いられる単官能エポキシドの例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
多官能エポキシドの例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
(オキセタン化合物)
本発明におけるオキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載されるような、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましく、上述したように、なかでもインク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個または2個有する化合物を使用することが好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2007191565
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。
a3は、線状または分枝状アルキレン基、線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状または分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2007191565
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF3)2、又は、C(CH3)2を表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基を表し、nは0〜2000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2007191565
3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記一般式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007191565
一般式(4)において、Ra1は、前記一般式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2007191565
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に使用しうるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記一般式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2007191565
一般式(5)において、Ra1およびRa8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明で用いられるオキセタン化合物には、単官能オキセタンの例としては、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また多官能オキセタンとしては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
(ビニルエーテル)
また本発明では更に硬化度を付与するためにビニルエーテル基を有する化合物を含有させてもよい。この場合、ビニルエーテル基を有する化合物は、硬化物の表面物性やインク組成物の溶解性の調整の観点からインク組成物中に1質量%〜20質量%の範囲で存在することができる。
本発明で用いられる単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
(スチレン誘導体)
スチレン誘導体としては、公知の化合物が用いられるが、ビニル基上の電子密度を向上させる観点から芳香環のp位およびo位の少なくとも一方が電子供与性官能基で置換されているスチレン誘導体が好ましく用いられる。ここで電子供与性官能基とは、Hammett則の置換基定数σ値が負となるものをいい、このような官能基としては、アミノ基、水酸基、アルコキシ基、アルキル基、などが挙げられる。中でも、重合中に活性末端と反応しにくいことから、アルコキシ基、アルキル基、ジメチルアミノ基が好ましく用いられる。
単官能のスチレン化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,6−メチルスチレン、2−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2−エチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、2−n−ブチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2−t−ブチルスチレン、4−ブテニルスチレン、4−オクテニルスチレン等の2−アルキルスチレン類および4−アルキルスチレン類、4−メトキシスチレン、2−メトキシスチレン、4−t−ブチルスチレンなどの2−アルコキシスチレン、または4−アルコキシスチレン類、4−アセトキシスチレン、4−ジメチルアミノスチレン、4−ジメチルアミノメチルスチレン、4−グリシジルメチルスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2,4−ジアルキルスチレン、2,4,6−トリアルキルスチレン、2,4−ジアルコキシスチレン、2,4,6−トリアルコキシスチレン等が挙げられる。
多官能スチレンとしては、ジビニルベンゼン、ビス(4−ビニルフェニル)メタン、ビス(4−ビニルフェニル)エタン、ビス(4−ビニルフェニル)ブタン、ビス(4−ビニルフェニル)ヘキサン、ビス(4−ビニルフェニル)ヘプタン、ビス(4−ビニルフェニル)オクタン、ビス(4−ビニルフェノキシ)ヘキサン、ビス(4−ビニルベンジル)ジエチレングリコール、エチレングリコールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、プロピレングリコールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、1,6−ヘキサンジオールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、1,8−オクタンジオールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、オリゴエチレングリコールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、ポリエチレングリコール(4−ビニルフェニルエーテル)、オリゴプロピレングリコールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、ポリプロピレングリコールビス(4−ビニルフェニル)エーテル、グリセリントリス(4−ビニルフェニル)エーテル等が挙げられる。
[光カチオン重合開始剤]
本発明のインク組成物には、放射線の照射により酸を発生する光カチオン重合開始剤(適宜、光酸発生剤とも称する)を含有する。本発明に用いうる光カチオン重合開始剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光カチオン重合開始剤としては、放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
また、その他の本発明に用いられる光カチオン重合開始剤としては、たとえばS.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al.,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al.,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al.,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello et al.,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.,J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al.,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al.,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello et al.,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al.,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al.,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al.,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis et al.,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al.,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al.,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al.,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein et al.,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al.,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al.,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al.,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al.,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al.,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al.,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al.,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M.TUNOOKA et al.,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner et al.,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et al.,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi et al.,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al.,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al.,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al.,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al.,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光カチオン重合開始剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al.,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に使用しうる光カチオン重合開始剤として好ましい化合物として、下記式(b1)、(b2)、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007191565
式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、好ましくはスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -や以下に示す基などが挙げられ、好ましくはBF4 -、PF6 -、SbF6 -である。
Figure 2007191565
好ましい有機アニオンとしては下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2007191565
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、またはこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフロロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフロロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子またはフロロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子またはフロロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
なお、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基、などのヘテロアリール基が好ましく、更に好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2007191565
式(b1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
x及びRyとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。X-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
使用してもよい活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として、更に、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2007191565
式(b4)〜(b6)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
前記光酸発生剤のなかでも好ましくものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いうる光カチオン重合開始剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
また、特開2002−122994号公報、段落番号〔0029〕乃至〔0030〕に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報、段落番号〔0037〕乃至〔0063〕に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用しうる。
光カチオン重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の(b)光酸発生剤の含有量は、インク組成物の全固形分換算で、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
[増感色素]
本発明のインク組成物は増感色素を含有することができる。増感色素としては、以下に列挙する化合物類に属しており、且つ350nm〜450nmの波長領域に吸収波長を有するものが挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン等)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル等)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン等)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン等)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー等)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン等)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン等)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム等)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等)などが挙げられる。
本発明における増感色素としては、下記式(vi)〜(xiv)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 2007191565
式(vi)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表す。L1は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R51及びR52は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51及びR52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
式(vii)中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立にアリール基を表し、L2による結合を介して連結している。L2は−O−又は−S−を表す。Wは式(vi)に示したものと同義である。
式(viii)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。L3は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R53、R54、R55、R56、R57及びR58は、それぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表す。
式(ix)中、A3及びA4は、それぞれ独立に、−S−、−NR62-、又は−NR63-を表し、R62及びR63は、それぞれ独立に、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表す。L4及びL5は、それぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表す。R60及びR61は、それぞれ独立に、水素原子又は一価の非金属原子団を表す。R60とR61は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
式(x)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表す。A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67-を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子または一価の非金属原子団を表す。R67とR64、及びR65とR67は、それぞれ互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
Figure 2007191565
式(xi)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2007191565
式(xii)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2007191565
式(xiii)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は−NR67−を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
Figure 2007191565
式(xiv)中、R68、及び、R69それぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表す。R70、及び、R71は、それぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表しnは0−4の整数を表す。nが2以上のときR70、R71はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(vi)〜(xiv)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(C−1)〜(C−26)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの増感色素はスルホニウム塩、ヨードニウム塩、ピリジニウム塩の光カチオン重合開始剤と組み合わせて好ましく用いられる。
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
Figure 2007191565
本発明のインク組成物における増感色素の含有量は、インクの着色性の観点から、インク組成物の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、更に好ましくは0.5〜10質量%の範囲である。
増感色素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、増感色素と重合開始剤とのインク組成物中における含有比としては、重合開始剤の分解率向上と照射した光の透過性の観点から、質量比で、重合開始剤/増感色素との値が、100〜0.01であることが好ましく、50〜0.02がより好ましく、10〜0.1が更に好ましい。
[重合禁止剤]
本発明においては、光カチオン重合開始剤による重合を効果的に進行させるために、カチオン性重合以外の重合の進行を禁止する重合禁止剤を併用することが好ましい。
適当な重合禁止剤としてはフェノール系水酸基含有化合物およびキノン類、N−オキシド化合物類、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、ピロリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、及びカチオン染料類からなる群より選択される化合物である。好ましい重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、レゾルシノール、カテコール、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびその誘導体、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシドおよびその誘導体等、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル フリーラジカル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット及びビクトリアピュアブルーBOH等が挙げられる。重合禁止剤の添加量は、組成物の全固形分の質量に対して約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
[着色剤]
本発明のインク組成物には、可視画像を形成させるために着色剤を好ましく添加することができる。
ここで用いることのできる着色剤には、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。染料としては、重合性化合物に溶解し得る染料であれば、水溶性染料及び油溶性染料のいずれも使用できる。本発明において、画像または文字を形成するためには、本発明のインク組成物は、顔料又は油溶性染料を着色剤として含むものとすることが好ましい。
これらの着色剤はインク組成物中、0.5〜20質量%添加されることが好ましく、1〜15質量%がより好ましく、5〜15質量%が更に好ましい。
本発明に好ましく使用される顔料について述べる。
(顔料)
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger、「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
赤あるいはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青あるいはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆるシルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆるジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆるチタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆるチタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、Zeneca社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。このような観点から、分散媒としては、カチオン重合性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
顔料の平均粒径は0.02〜0.4μmにするのが好ましい。
顔料粒子の平均粒径は、0.08〜0.5μmであることが好ましく、最大粒径は10μm以下、好ましくは3μm以下となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
(染料)
次に、本発明における着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落[0023]〜[0089]に記載されている染料などが挙げられる。
イエロー染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物を有するアゾメチン染料、例えば、ベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料、例えば、ナフトキノン染料、アントラキノン染料等のキノン系染料などがあり、これ以外の染料としては、キノフタロン染料、ニトロ、ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げられる。イエロー染料としては、特開2004−250483号公報の記載の一般式(Y−I)で表される構造の化合物が好ましい。
特に好ましいイエロー染料は、特開2004−250483号公報の段落番号[0034]に記載されている一般式(Y−II)〜(Y−IV)で表される染料であり、具体例として特開2004−250483号公報の段落番号[0060]〜[0071]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(Y−I)の油溶性染料はイエローのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
マゼンタ染料としては、例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、ピラゾロトリアゾール類、閉環型活性メチレン化合物類(例えば、ジメドン、バルビツール酸、4−ヒドロキシクマリン誘導体)、電子過剰ヘテロ環(例えば、ピロール、イミダゾール、チオヘン、チアゾール誘導体)、を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、例えば、カップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料、例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのキノン系染料、例えばジオキサジン染料などのような縮合多環系染料等を挙げることができる。
マゼンタ染料としては、特開2002−114930号公報に記載の一般式(3)、(4)で表される構造の化合物が好ましく、具体例としては、特開2002−114930号公報の段落[0054]〜[0073]に記載の化合物が挙げられる。
特に好ましいマゼンタ染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0084]〜[0122]に記載されている一般式(M−1)〜(M−2)で表されるアゾ染料であり、具体例として特開2002−121414号公報の段落番号[0123]〜[0132]に記載の化合物が挙げられる。尚、該公報記載の一般式(3)、(4)、(M−1)〜(M−2)の油溶性染料はマゼンタのみでなく、ブラックインク、レッドインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
シアン染料としては、例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料、シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料、ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピロロピリミジン−オン、ピロロトリアジン−オン誘導体を有するアリール若しくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。
シアン染料としては、特開2001−181547号公報に記載の式(I)〜(IV)で表される染料、特開2002−121414号公報の段落番号[0063]〜[0078]に記載されている一般式(IV−1)〜(IV−4)で表される染料が好ましいものとして挙げられ、具体例として特開2001−181547号公報の段落番号[0052]〜[0066]、特開2002−121414号公報の段落番号[0079]〜[0081]に記載の化合物が挙げられる。特に好ましいシアン染料は、特開2002−121414号公報の段落番号[0133]〜[0196]に記載されている一般式(C−I)、(C−II)で表されるフタロシアニン染料であり、更に一般式(C−II)で表されるフタロシアニン染料が好ましい。この具体例としては、特開2002−121414号公報の段落番号[0198]〜[0201]に記載の化合物が挙げられる。尚、前記式(I)〜(IV)、(IV−1)〜(IV−4)、(C−I)、(C−II)の油溶性染料はシアンのみでなく、ブラックインクやグリーンインクなどのいかなる色のインクに用いても良い。
前記各染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンは、アルカリ金属やアンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機カチオンであってもよく、更にそれらの部分構造を有するカチオンポリマーであってもよい。
本発明に用いる染料は、油溶性のものが好ましい。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解する色素の質量)が1g以下であるものを意味し、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下である。従って、所謂、水に不溶性の油溶性染料が好ましく用いられる。
[その他の成分]
以下に、本発明のインク組成物に、必要に応じて含有可能な種々の添加剤について述べる。
〔紫外線吸収剤〕
得られる画像の耐候性向上、退色防止、ノズル固化防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成分の0.01〜5質量%である。5質量%を超える両の紫外線吸収剤を添加すると、硬化不良の問題が生じるため、好ましくない。
〔酸化防止剤〕
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜1質量%程度である。
〔褪色防止剤〕
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許文献に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜5質量%程度である。
〔導電性塩類〕
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜1.0質量%程度である。
〔溶剤〕
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
インク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。高分子化合物としては、スチレン系重合体、アクリル系重合体、環状エーテル重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、スチレン系モノマー、アクリル系のモノマー、環状エーテルの共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「環状エーテル基含有モノマー」、「ビニルエーテル基含有モノマー」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.01〜10.0質量%程度である。
〔界面活性剤〕
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜5.0質量%程度である。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、実機で吐出する際にインク温度を30〜90℃の範囲でほぼ一定温度に保持し、そのときの粘度が2〜20mPa.sとなるようにすることが好ましく、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25℃でのインク粘度は、2〜100mPa・s、好ましくは2〜50mPa・sである。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
[インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置]
このようにして調整された本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして好適に用いられる。本発明のインク組成物を用いてインクジェット記録する場合には、本発明のインク組成物を吐出するインクジェット記録によって被記録媒体に画像を記録する画像記録工程と、前記画像記録工程において前記被記録媒体に記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程とを含む。画像硬化工程において活性エネルギー線を利用し、画像記録工程で被記録媒体に画像記録した後、記録された画像に活性エネルギー線を照射することによって、画像化に寄与する重合性化合物の重合硬化が進行し、良好に硬化され堅牢性の高い画像を形成することができる。
本発明のインク組成物を用いて得られた記録物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インクによる画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
次に、本発明に好適に採用され得るインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法においては、前記インクジェット記録用インクを用いて記録を行うが、その際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。上記インクを用いてプリントするシステムとして、特開2002−11860号公報に示すような形態が一例としてあげられるが、これに限定されるものではなく、他の形態であってもよい。
インクジェット記録方法においては、上記インク組成物を40〜80℃に加熱して、インク組成物の粘度を7〜30mPa・sに下げた後、射出することが好ましく、この方法を用いることにより高い射出安定性を実現することができる。一般に、放射線硬化型インク組成物では、概して水性インクより粘度が高いため、印字時の温度変動による粘度変動幅が大きい。このインク組成物の粘度変動は、そのまま液滴サイズ、液滴射出速度に対して大きな影響を与え、これにより画質劣化を引き起こすため、印字時のインク組成物温度はできるだけ一定に保つことが必要である。インク組成物温度の制御幅は設定温度±5℃とすることが好ましく、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが一つの特徴であり、一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク組成物流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断もしくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンタ立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
次に放射線の照射条件について述べる。基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。WO99/54415号では、照射方法として、光ファイバを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明においては、これらの照射方法を用いることが可能である。照射する活性エネルギー線としては、一般的に用いられる水銀灯、メタルハライドランプ等を用いてもよいし、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ、蛍光灯等の光源を用いてもよい。また熱陰極管、冷陰極管、電子線、X線等、インクの重合反応が進行する光源、電磁波等を用いることが出来る。本発明では、発光ダイオードを光源として用いることが好ましい。
メタルハライドランプを用いる場合、ランプは10〜1000W/cm2のものを使用し、メディア面で1mW/cm2〜100W/cm2の照度であることが好ましい。また露光エネルギーは、0.1mJ/cm2〜100J/cm2であることが好ましい。発光ダイオードを用いる場合、発光波長の最大値は250nm〜400nmであることが好ましく、発光ダイオードは1mW/cm2〜1000W/cm2であることが好ましく、メディア面で0.1mW/cm2〜100W/cm2の照度であることが好ましい。また、露光エネルギーは、0.1mJ/cm2〜10J/cm2であることが好ましい。
また、高圧放電を用いる水銀灯、メタルハライドランプ等では放電にともない、オゾンが発生するため、排気手段を有することが好ましい。排気手段は、インク吐出時に発生するインクミストの回収を兼ねるべく配置してあることが好適である。
ラジカル重合により硬化させる場合、酸素により重合が阻害されるため、酸素濃度の低い状態、すなわち窒素等のガス雰囲気下で露光させることにより低エネルギーで硬化させることができる。
これら、硬化させるための光等のエネルギーがインク吐出ノズルに照射されると、ノズル面表面に付着したインクミスト等が固化し、インク吐出の妨げとなる可能性があるため、ノズルへの照射を最小限にとどめるため、遮光等の措置を施すことが好ましい。具体的には、ノズルプレートへの照射を防止する隔壁を設ける、あるいは迷光を低減するべくメディアへの入射角を限定するための手段を設ける等が好適である。
また本発明では、インク組成物を一定温度に加温するとともに、着弾から照射までの時間を0.01〜0.5秒とすることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.3秒、更に好ましくは0.01〜0.15秒後に放射線を照射することにある。このように着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、着弾インクが硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができる為、未反応モノマーの残留を抑えられ、その結果として臭気を低減することができる。上記説明したインクジェット記録方法と本発明のインク組成物とを併せて用いることにより、大きな相乗効果をもたらすことになる。特に、25℃におけるインク粘度が35〜500mPa・sのインク組成物を用いると大きな効果を得ることが出来る。このような記録方法を取ることで、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインクのドット径を一定に保つことが出来、画質が向上する。なお、カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクを重ねると、下部のインクまで照射線が到達しにくく、硬化感度の阻害、残留モノマーの増加および臭気の発生、密着性の劣化が生じやすい。また、照射は、全色を射出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
本発明に用いられるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、市販のインクジェット記録装置が使用できる。即ち、本発明においては、市販のインクジェット記録装置を用いて被記録媒体へ記録することができる。
(インク保持手段)
インクを保持する手段としては、公知のインクカートリッジに充填することが好ましく、特開平5−16377号公報に開示されるように変形可能な容器に収納し、タンクとなすことも可能である。また特開平5−16382号公報に開示されるように、サブタンクを有するとインクをヘッドへの供給が更に安定する。また特開平8−174860号公報に開示されるように、インク供給室の圧力が低下した場合に、弁の移動によりインクを供給する形態のカートリッジを用いることも可能である。これらのインク保持手段でヘッド内のメニスカスを適切にたもつための負圧付与方法としては、インク保持手段の高さすなわち水頭圧による方法、またインク流路中にもうけたフィルタの毛細管力による方法、また、ポンプ等により圧力を制御する方法、また、特開昭50−74341号公報に開示されるようにインクをインク吸収体に保持し、この毛細管力により負圧を付与する方法等が適切である。
(インク供給路)
インクをこれらインク保持手段からヘッドに供給する方法として、ヘッドユニットに直接保持手段を連結する方法でもよいし、チューブ等の流路により連結する方法でもよい。これらインク保持手段および流路は、インクに対して良好な濡れ性を持つような素材であること、もしくは表面処理が施されていることが好ましい。
インクを打滴する方法としては、特開平5−104725号公報に開示されるように、連続的にインク滴を吐出させ、画像に応じて滴を偏向してメディアに着弾させるか、させないかを選択制御する方法であってもよいし、所謂オンデマンド方式を呼ばれる、画像として必要な部分にのみインク滴を吐出させる方式であってもよい。オンデマンド方式は、特開平5−16349号公報に開示されるように、圧電素子等を用いて構造体の変形によりインク圧を発生させ、吐出させる方式であってもよいし、特開平1−234255号公報に開示されるように、熱エネルギーによる気化にともなう膨張により発生する圧力で吐出する方式であってもよい。また特開2001−277466号公報に開示されるように、電界によりメディアへの吐出を制御する方式であってもよい。
ノズルはたとえば特開平5−31908号公報に記載されるような形態が適用可能である。なお、このとき複数色のインクを吐出させるため、ノズルは特開2002−316420号公報に記載されるように、複数列に構成されることにより、高速にカラー画像を形成することが可能となり、さらに複数のノズル列を有するヘッドユニットを複数配置することにより更に高速化が可能である。
さらにノズルを特開昭63−160849号公報に記載されるように画像の幅と同等以上の幅分配置し、所謂ラインヘッドとなし、これらのノズルからの打滴と同時にメディアを移動させることにより、高速に画像を形成することが可能となる。またノズルの表面は、特開平5−116327号公報に開示されるような表面処理を施すことにより、ノズル表面へのインク滴の飛沫の付着、およびインク滴の付着を防ぐことが可能となる。このような処理を施しても、なお汚れが付着する場合があり、このため、特開平6−71904号公報に開示されるように、ブレードにより清掃を行うことが好ましい。また、ノズルから各色のインクが均等に吐出されるとは限らず、特定のインクは長時間吐出されない場合もありうる。このようなときに、メニスカスを安定に保つために、特開平11−157102号公報に開示されるように、画像領域外で適宜インクを吐出させ、ヘッドに新しいインクを補給することにより、インク物性を適性値に維持することが好ましい。また、このような処置を施してもなお気泡がヘッド内に侵入もしくはヘッド内で発生することがある。このような場合は、特開平11−334092号公報に記載されるように、ヘッド外より強制的にインクを吸引することにより、物性の変化したインクを廃棄するとともに、気泡もヘッド外に排出することができる。更に長時間打滴しない場合は特開平11−138830号公報に開示されるように、キャップでノズル表面を覆うことによりノズル表面を保護することができる。これらの措置を講じてもなお吐出しない場合がありうる。ノズルの一部が吐出しない状態で画像をプリントすると、画像にムラが発生する等の問題が発生する。このようなことを避けるため、特開2000−343686号公報に開示されるように、吐出しないことを検出して処置をとることが有効である。
インクを吐出するにあたっては、粘度を一定に維持するためにインク温度を所定精度で一定に保持することが好ましい。このためにはインク温度検出手段と、インク加熱手段、および検出されたインク温度に応じて加熱を制御する制御手段を有することが好ましい。さらにあるいは、インク温度に応じてインクを吐出させる手段への印加エネルギーを制御する手段を有することも好適である。ヘッドユニットを特開平6−115099号公報に記載されるように機械的に移動させ、これと同期してメディアを直交方向に間欠的に移動させることにより重畳打滴を行うと、メディアの間欠的な移動の精度不良にともなうムラを見えにくくする効果があり、高画質を実現することが可能となる。このとき、ヘッドの移動速度、メディアの移動量、ノズル数の関係を適宜設定することにより、画質と記録速度の関係を好ましい関係に設定することが可能となる。また、逆にヘッドを固定し、メディアを機械的に所定方向に往復移動するとともに、それと直交方向に間欠移動させることにより、同様の効果を得ることが可能である。
(システムパラメータ)
画像を形成するうえで、メディア上でのインク着弾径は10〜500μmの間にあることが好適であり、このためには吐出時のインク滴の直径は5〜250μmであることが好ましく、このときのノズル径は15〜100μmであることが好ましい。画像を形成するためには1インチあたりの画素数が50〜2400dpiであることが好ましく、そのためには、ヘッドのノズル密度は10〜2400dpiであることが好ましい。ここで、ヘッドのノズル密度は低くとも、メディアの搬送方向に対して傾ける、あるいは複数のヘッドユニットを相対的にずらして配置することにより、ノズル間隔の大きいヘッドで高密度の着弾を実現することが可能である。また上記のようにヘッドもしくはメディアの往復移動により、低ノズルピッチでヘッドが移動するごとにメディアを所定量搬送させ、インク滴を異なる位置に着弾させることにより、高密度の画像記録を実現することができる。
メディアへのインク打滴量としては、良好な階調を表現するためには0.05〜25g/m2の間で任意量に制御できることが好適であり、これを実現するためにヘッドからの吐出インク滴の大きさ、およびまたは数量を制御することが好ましい。
ヘッドとメディアの間隔に関しては、広すぎるとヘッドもしくはメディアの移動に伴う空気の流れでインク滴の飛翔が乱れ、着弾位置精度が低下する。逆に間隔が狭いと、メディアの凹凸、搬送機構に起因する振動等によりヘッドとメディアが接触する危険性があり、0.5〜2mm程度に維持されることが好ましい。
(インクセット)
インクは単色であってもよいし、シアン、マゼンタ、イエローのカラーであってもよいし、さらにブラックを加えた4色、あるいはさらに特色と呼ばれるこれら以外の特定色のインクを用いてもよい。色材は、染料であってもよいし、顔料であってもよい。これらのインクの打滴順は、明度の低い順に着弾するように打滴させてもよいし、明度の高い順に着弾させてもよいし、画像記録品質上好適な順に打滴させることが好ましい。記録するべき画像信号は、たとえば特開平6−210905号公報に記載されるように、良好な色再現を得るべく信号処理を施すことが好ましい。
(被記録媒体)
本発明のインク組成物は、公知の被記録媒体に好適に印字等の記録を行うことができる。
本発明のインク組成物を適用しうる被記録媒体としては、特に制限はなく、通常の普通紙、非コート紙、コート紙、インクジェット専用紙、電子写真共用紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料あるいは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(二軸延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリ塩化ビニル)フィルム、PE(ポリエチレン)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類、布帛、陶磁器等も被記録媒体として使用可能である。被記録材に関しては、特開2001−181549号公報、特開2001−279141号公報の段落番号(0228)〜(0246)に記載されているものも用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また実施例中の%は、特に断らない限り、質量基準である。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
重合性化合物、重合開始剤および着色剤を表1中の数量部(質量部)で攪拌混合し顔料インクを得た。
表1中の化合物はそれぞれ以下のとおりである。
*1:前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物。化−1、化−2又は化−3で表される化合物は、それぞれ下記化合物の共重合体である。「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー」,2003年,第41巻,第1号,84−93ページに記載されている方法で合成した。
Figure 2007191565
*2:単官能カチオン重合性化合物。3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(OXT−211、商品名、東亞合成社製)
*3:2官能カチオン重合性化合物。ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221、商品名、東亞合成社製)
*4:2官能カチオン重合性化合物。3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021A、商品名、ダイセルユーシービー社製)
*5:光カチオン重合開始剤。例示化合物(b−39)。トリス(4-クロロフェニル)スルホニウム ヘキサフルオロホスフェイト
*6:増感色素:9,10−ジブトキシアントラセン(川崎化成工業社製)
*7:着色剤(顔料分散物)。ピグメントイエロー12を10g、高分子分散剤(Avecia社製、商品名、Solsprseシリーズ)5g、下記表1に記載の割合でカチオン重合性化合物および化−1〜3を混合した溶液200gを、顔料粒子の粒径が0.1〜0.2μmの範囲となるように、公知の分散装置を用いて分散させ、次いで、加熱フィルタろ過した。
得られたインクをピエゾ方式のヘッドを用いて打滴を行った。ヘッドは25.4mmあたり150のノズル密度で、直径30μmのノズルを318ノズル個有しており、これを2個ノズル列方向にノズル間隔の1/2ずらして固定することにより、メディア上にはノズル配列方向に25.4mmあたり300滴打滴される。ヘッドおよびインクは、ヘッド内に温水を循環させることにより吐出部分近辺が50±0.5℃となるように制御した。
ヘッドからのインク吐出は、ヘッドに付与されるピエゾ駆動信号により制御され、一滴あたり6〜42plの吐出が可能である。本実施例では、ヘッドの下1mmの位置でメディアを搬送しながらヘッドより打滴した。搬送速度は50〜200mm/sの範囲で設定可能である。またピエゾ駆動周波数は最大4.6kHzまでが可能であって、これらの設定により打滴量を制御することができる。本実施例では、搬送速度90mm/s、駆動周波数4.3kHzとすることにより、インク吐出量を制御し、最大23g/m2までの打滴を行った。
メディアを打滴した後、露光部に搬送し、紫外発光ダイオード(UV−LED)により露光した。本実施例ではUV−LEDは日亜化学製NCCU033(商品名)を用いた。本LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、メディア表面で0.3W/cm2のパワーが得られる。打滴後露光されるまでの時間、および露光時間はメディアの搬送速度およびヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.5秒後に露光した。
メディアとの距離および搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01〜15J/cm2の間で調整することができる。なお、これら露光パワー、露光エネルギーの測定にはウシオ電機製スペクトロラディオメータURS−40D(商品名)を用い、波長220nm〜400nmの間を積分した値をもちいた。
(インク粘度)
調整したインクの25℃における粘度を東機産業製粘度計RE−80(商品名)を用いて測定した。粘度が15mPa.s以下のものをA、35mPa.s以下のものをB、35mPa.sを超えるものをCとして評価した。
(吐出安定性)
上記方法で、A4サイズにベタ印字をした場合に、最後までかすれがなく印字できたものをA、わずかに吐出ムラが生じたものをBとし、著しく吐出ムラが生じたものをCとして評価した。
(硬化性)
印字面をタックフリーテストにて評価した。べたつきが無く硬化するまでの照射光量が0.1J/cm2以下のものをA、0.1J/cm2を超え0.50J/cm2以下のものをB、0.50J/cm2を超えるものをCとして評価した。
(密着性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(150μm厚)上にベタ印字した硬化皮膜に、碁盤目状にカッターで切れ目をいれた後、その表面に粘着テープを貼り付け、ついで、粘着テープを剥離した際の基材上の硬化皮膜の残存状態を目視観察した。剥離が見られない場合をA、一部剥離が見られた場合をB、著しく剥離がみられた場合をC、硬化が不十分で評価できないものをDとして評価した。
(インク安定性)
調整したインク1gを直径5mlの試験管に入れ、室温で2週間静置したが、いずれも沈降はみられなかった。
(可とう性)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(150μm厚)上に10μm厚にベタ印字した硬化皮膜を未塗面が合わさる用に180度折り曲げた場合の折り曲げ部に剥がれや割れがまったく生じないものをA、剥がれは生じないが、割れが見られるものをB、割れと剥がれが生じたものをC、硬化が不十分で評価できないものをDとして評価した。
(カール)
10cm正方のポリ塩化ビニルフィルム(50μm厚)の中央に8cm正方、10μm厚のパターンをベタ印刷し、室温で2時間乾燥後にサンプルのカールを測定した。サンプルを水平な台に静置した際の、四隅の水平面からの高さの和が2cm未満のものをA、2cm以上5cm未満のものをB、5cm以上のものをCとして評価した。尚、硬化が不十分なものはDと評価した。
Figure 2007191565
表1に示されるように、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物を含む本発明のインク組成物を用いた場合には、いずれもインク粘度が低く、吐出安定性、硬化性、密着性、可とう性に関して、すべて良好な評価を得ることができた。これにより、本発明のインク組成物を用いることによって、インクの安定性に優れ、良好な画像を形成でき、硬化性や被記録媒体との密着性に優れたインクジェット記録用インク及びインクジェット記録方法を提供できることがわかった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物を含有することを特徴とするインク組成物。
    Figure 2007191565
    (式中、R1はエポキシ基の1位及び2位の炭素と結合してシクロアルカンを形成するアルキレン基であり、他の繰り返し単位または末端官能基と結合する結合手を有する。R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または炭素数が1以上5以下のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(I)で表される繰り返し単位を有する重合物がポリ(1,3−シクロヘキサジエン)のエポキシ変性物であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
  3. 光カチオン重合開始剤およびカチオン重合性化合物を含有し、前記重合物をインク組成物中の2質量%以上50質量%以下含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 前記カチオン重合性化合物として、単官能のオキシラン化合物または単官能のオキセタン化合物を合わせて45質量%以上95質量%以下含有することを特徴とする請求項3に記載のインク組成物。
  5. インクジェット用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出するインクジェット記録によって被記録媒体に画像を記録する画像記録工程と、前記画像記録工程において前記被記録媒体に記録された画像に活性エネルギー線を照射して硬化させる画像硬化工程と、を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 前記活性エネルギー線の光源として発光ダイオードを用いることを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録方法。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のインク組成物を用いて記録した記録物。
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