JP2010229372A - インク組成物、及び、インクジェット記録方法 - Google Patents

インク組成物、及び、インクジェット記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インク組成物中の含水率を減少させることを可能とし、吐出安定性、保存安定性、硬化性に優れ、かつ硬化して得られる画像の画質に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物、(B)光酸発生剤、及び(C)着色剤を含むことを特徴とするインク組成物、並びに前記インクを用いたインクジェト記録方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用として好適に用いられるインク組成物、及び、インクジェット記録方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。中でもインクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、かつ、必要とされる画像部のみにインク組成物を吐出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インク組成物を効率よく使用でき、ランニングコストが安い。さらに、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
近年、紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインク組成物(放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物)を、インクジェットにより描画した後、紫外線などの放射線を照射して、インク組成物を硬化する、無溶剤型のインクジェット記録方式が注目されている。一般に、水を希釈剤として含む水性インク組成物や有機溶剤を希釈剤として含む溶剤型インク組成物と比較して、放射線硬化型インク組成物によるインクジェット記録方式は、ガラス、金属、プラスチック基材といった非吸収性基材への描画が可能であり、基材の適応範囲が広い、描画画像の耐擦過性や耐溶剤性に優れる、感度が高い、生産性に優れる、揮発性の溶剤を含まないので臭気等の人体への影響や環境への負荷が小さい、といったメリットを有する。
活性放射線硬化型インクの硬化メカニズムとしては、カチオン重合型とラジカル重合型とに大別されるが、カチオン重合型は、ラジカル重合型と比較して、硬化時の体積収縮が小さく、基材への密着性が高い、ラジカル重合型のような酸素による重合阻害がないので、硬化速度が高く、残存するモノマーも少なくなるため、硬化後の印刷物の耐擦過性や耐溶剤性により優れるといったメリットを有しており、実用化に向けた取り組みが活発に行われている。
カチオン重合型の活性放射線硬化型インク組成物は、一般に、カチオン重合性モノマー(例えば、ビニルエーテル化合物、オキシラン化合物、オキセタン化合物等)、活性放射線の作用により酸を発生する化合物(光酸発生剤又は光カチオン重合開始剤ともいう。)及び着色剤を主成分とする。
このような、カチオン重合型の活性放射線硬化型インク組成物として、例えば、特許文献1には、特定の構造を有するオキセタン化合物を含有する活性エネルギー線硬化組成物が開示されている。
また、特許文献2には、(A)オキセタン化合物、オキシラン化合物、及びビニルエーテル化合物よりなる群から選択された少なくとも1種の単官能カチオン重合性モノマーを含有するインク組成物であり、前記単官能カチオン重合性モノマーの前記インク組成物全体に占める割合が30重量%以上である前記インク組成物を支持体上にインクジェット方式により吐出して画像を形成する工程、(B)得られた画像に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化させて、前記支持体上に硬化した画像を有する印刷物を得る工程、並びに、(C)前記印刷物を成形加工する工程を含むことを特徴とする成形印刷物の製造方法が開示されている。
特開2005−171122号公報 特開2008−75045号公報
活性放射線硬化型インクジェット方式は、比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性の無い被記録媒体への記録が出来る点で、近年注目されつつある。しかしながら、カチオン重合性化合物を用いたインクは分子レベルの水分(湿度)の影響を受けやすいといった課題がある。
特許文献1には、低照度の光源でも環境湿度に影響を受けずに硬化することが開示されているが、高湿度下における長期保存したインクの保存安定性についての開示はなく、また、特許文献2には、環状モノマー比、単官能モノマー比、多官能モノマー比の規定することで成型加工に適した十分な膜強度及び高い柔軟性を有する印刷物ができることが開示されているが、硬化性に大きな影響を与える湿度に対する根本的な解決にはなっておらず未だ課題として残っている。
本発明の目的は、インク組成物中の含水率を減少させることを可能とし、吐出安定性、保存安定性、硬化性に優れ、かつ硬化して得られる画像の画質に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することである。
上記課題は、下記の<1>及び<9>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<8>とともに以下に記載する。
<1>(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物、(B)光酸発生剤、及び、(C)着色剤を含むことを特徴とするインク組成物、
<2>前記(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物を1重量%以上30重量%以下含有する上記<1>に記載のインク組成物、
<3>前記エポキシ基又はオキセタニル基が下記式(1)〜式(4)で表される基である上記<1>又は<2>に記載のインク組成物、
Figure 2010229372
(式中R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Aは単結合又は二価の連結基を表す。)
<4>前記式(1)〜式(4)で表される基が、下記式(5)〜式(8)で表される基である上記<3>に記載のインク組成物、
Figure 2010229372
(式中R2はメチル基又はエチル基を表す。)
<5>前記(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物が下記式(9)又は式(10)で表される化合物である上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のインク組成物、
Figure 2010229372
Figure 2010229372
(式中R3及びR4はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同じでも、異なっていてもよく、o及びpはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、Xは式(5)〜式(8)で表される基を表し、R2はメチル基又はエチル基を表し、Yは水素原子又はアダマンチル基を表し、少なくとも1つはアダマンチル基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。)
<6>前記式(9)又は式(10)で表される化合物が下記式(11)又は式(12)である上記<5>に記載のインク組成物、
Figure 2010229372
Figure 2010229372
(式中Xは式(5)〜式(8)で表される基を表し、R2はメチル基又はエチル基を表し、Yは水素原子又はアダマンチル基を表し、少なくとも1つはアダマンチル基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、o及びpはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。)
<7>さらに(D)アミン化合物を含む、上記<1>〜<6>のいずれか1つに記載のインク組成物、
<8>前記アミン化合物がヒンダードアミン化合物である上記<7>に記載のインク組成物、
<9>(1)被記録媒体上に、上記<1>〜<8>のいずれか1つに記載のインク組成物を吐出する工程、及び、(2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
本発明によれば、インク組成物中の含水率を減少させることを可能とし、吐出安定性、保存安定性、硬化性に優れ、かつ硬化して得られる画像の画質に優れるインク組成物、並びに、前記インク組成物を用いたインクジェット記録方法を提供することができた。
(1)インク組成物
本発明のインク組成物(以下、単に「インク」ともいう。)は、(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物、(B)光酸発生剤、及び、(C)着色剤を含むことを特徴とする。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インク組成物として好適に使用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインク組成物は、放射線により硬化可能なインク組成物であり、また、油性のインク組成物である。
本発明でいう「放射線」とは、その照射によりインク組成物中において開始種を発生させ得るエネルギーを付与することができる活性放射線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものであるが、中でも、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から紫外線及び電子線が好ましく、特に紫外線が好ましい。したがって、本発明のインク組成物としては、放射線として、紫外線を照射することにより硬化可能なインク組成物が好ましい。
(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物
本発明のインク組成物は、(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物(以下、「化合物(AD)」ともいう。)を含有する。
化合物(AD)は、エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを含有していればよく、芳香環にエポキシ基又はオキセタニル基及びアダマンタン構造が結合していることが好ましい。化合物(AD)中のエポキシ基又はオキセタニル基の数は1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、さらに1又は2が好ましい。
化合物(AD)が有するエポキシ基及びオキセタニル基はエポキシ基及びオキセタニル基そのもの、及びエポキシ基及びオキセタニル基を含む基であればよく、下記式(1)〜下記式(4)で表される基であることが好ましく、式(1)、式(2)又は式(3)であることがより好ましい。
Figure 2010229372
式中R1は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又はエチル基がより好ましい。Aは単結合又は二価の連結基を表す。
二価の連結基としては、−O−、−CO−、−COO−、−CONR7−、−NR7−、−NR7CO−、−NR7COO−、−NR7CONR8−であることが好ましく、−O−であることがより好ましい。
7、R8は水素原子、又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
また、エポキシ基又はオキセタニル基は芳香環と結合することが好ましく、その基の数は1〜3が好ましく、さらに1又は2がより好ましい。
さらに、前記式(1)〜式(4)は下記式(5)〜式(8)であることが好ましく、式(5)、式(6)又は式(7)がより好ましい。式(5)、式(6)及び式(7)中のR2はメチル基又はエチル基であることが好ましい。
Figure 2010229372
化合物(AD)中のアダマンタン構造の数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。化合物(AD)が有するアダマンタン構造は下記式(13)で表される構造から1以上の水素原子を除いた構造であり、アダマンタン構造は芳香環と結合していることが好ましく、芳香環のみと結合していることがより好ましい。また、芳香環が結合するアダマンタン構造の位置は橋頭位であっても、メチレン鎖位であってよいが、橋頭位であることが好ましい。アダマンタン構造と結合する芳香環の数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
Figure 2010229372
化合物(AD)中の芳香環の数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。化合物(AD)が有する芳香環はベンゼン環、ナフタレン環が好ましく、ベンゼン環であることがより好ましい。また、芳香環に結合するアダマンタン構造の数は1〜4が好ましく、1又は2がより好ましい。
化合物(AD)は、下記式(9)及び下記式(10)であることが好ましい。R3及びR4はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同じでも、異なっていてもよく、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。o、pはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、1又は2が好ましい。Xは前記式(5)〜式(8)で表される基を表し、前記式(5)、式(6)又は式(7)であることがより好ましい。Yは水素原子又はアダマンチル基を表し、少なくとも1つはアダマンチル基である。n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、1又は2が好ましい。
Figure 2010229372
前記式(9)及び式(10)は合成の容易さ等からそれぞれ下記式(11)及び式(12)であることが好ましい。X及びYは前記式(9)及び式(10)のX及びYと同義であり、好ましい範囲も同様である。R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表すが、水素原子、メチル基又はエチル基が好ましい。o、pはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、1又は2が好ましい。n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表すが、1又は2が好ましい。さらに、nは1、mは2がより好ましい。
Figure 2010229372
化合物(AD)の合成方法としては、特に制限はなく公知の方法を組み合わせて合成することができる。例えば、前記式(3)、式(7)を有する化合物は特開2007−191431号公報に記載された合成法に準じて合成することができる。
また、前記式(2)、式(6)を有する化合物は、下記式(14)〜(17)の合成法によって合成できる。
Figure 2010229372
Figure 2010229372
3−シクロヘキセン−1−カルボン酸 メチル(化合物A:東京化成工業(株)製)1.00gに−30℃下、ジエチルエーテル中、2Mの水素化アルミニウムリチウム/テトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)を4ml滴下し、中和することで化合物Bを収率75%で得られた。
さらに化合物B 0.50gに対し、トシルクロライド0.98g加え、室温で反応させることで化合物Cが収率93%で得られた。
その後、化合物Cと、特開2007−191431号公報に記載の化合物Dのセシウム塩を反応させることにより化合物Eを収率63%で得られた。
さらに生成した化合物Eに対し等モル量の過酸化水素水を反応させることで、CYE化合物を収率70%で得られた。
さらに、前記式(4)、式(8)を有する化合物は、下記式(18)〜(19)の合成法によって合成できる。
Figure 2010229372
2−ヒドロキシメチルオキセタン(化合物F:東京化成工業(株)製)0.50gに対し、トシルクロライド1.08g加え、室温で反応させることで化合物Gが収率90%で得られた。
その後、化合物Gと、特開2007−191431号公報に記載の化合物Dのセシウム塩を反応させることにより目的としている化合物Hが収率67%で得られた。
本発明の(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物の含有量は、インク組成物の全重量に対し、2〜50重量%であることが好ましく、2〜40重量%であることがさらに好ましく、2〜30重量%であることが特に好ましい。
次に、化合物(AD)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010229372
Figure 2010229372
Figure 2010229372
Figure 2010229372
(その他のカチオン重合性化合物)
本発明の(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物はその他の公知のカチオン重合性化合物とともに用いることができる。
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物としては、オキセタン環(「エポキシ環」ともいう。)を有する化合物(「オキシラン化合物」又は「エポキシ化合物」ともいう。)、オキセタン環を有する化合物(「オキセタン化合物」ともいう。)、ビニルエーテル化合物等の公知のカチオン重合化合物を特に制限はなく用いることができる。
本発明に用いることができるカチオン重合性化合物としては、後述するカチオン重合開始剤から発生するカチオン重合開始種により重合反応を開始し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性モノマーとして知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性モノマーとしては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、同2001−40068号、同2001−55507号、同2001−310938号、同2001−310937号、同2001−220526号などの各公報に記載されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。また、カチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では400nm以上の可視光波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も、例えば特開平6−43633号、特開平8−324137号の各公報等に公開されている。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、脂肪族エポキシドなどが挙げられ、芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、並びにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン環又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
本発明に用いることのできる単官能及び多官能のエポキシ化合物を詳しく例示する。
単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,13−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物の中でも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
以下に、単官能ビニルエーテルと多官能ビニルエーテルを詳しく例示する。
単官能ビニルエーテルとしては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明に使用できるオキセタン化合物は、少なくとも1つのオキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526号、同2001−310937号、同2003−341217号の各公報に記載されているような公知のオキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に用いることができるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインク組成物の被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
分子内に1〜2個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(1)〜(3)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2010229372
a1は、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基又はチエニル基を表す。分子内に2つのRa1が存在する場合、それらは同じであっても異なるものであってもよい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、フルオロアルキル基としては、これらアルキル基の水素のいずれかがフッ素原子で置換されたものが好ましく挙げられる。
a2は、水素原子、炭素数1〜6個のアルキル基、炭素数2〜6個のアルケニル基、芳香環を有する基、炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、アルケニル基としては、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等が挙げられ、芳香環を有する基としては、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。アルキルカルボニル基としては、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等が、アルキコキシカルボニル基としては、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が、N−アルキルカルバモイル基としては、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等が挙げられる。また、Ra2は置換基を有していてもよく、置換基としては、1〜6のアルキル基、フッ素原子が挙げられる。
a3は、線状又は分枝状アルキレン基、線状又は分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、線状又は分枝状不飽和炭化水素基、カルボニル基又はカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基、又は、以下に示す基を表す。アルキレン基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられ、ポリ(アルキレンオキシ)基としては、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等が挙げられる。不飽和炭化水素基としては、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等が挙げられる。
Figure 2010229372
a3が上記多価基である場合、Ra4は、水素原子、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルキルカルボキシル基、カルボキシル基、又はカルバモイル基を表す。
a5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、又は、C(CH32を表す。
a6は、炭素数1〜4個のアルキル基、又は、アリール基を表し、nは0〜2,000の整数である。Ra7は炭素数1〜4個のアルキル基、アリール基、又は、下記構造を有する1価の基を表す。下記式中、Ra8は炭素数1〜4個のアルキル基、又はアリール基であり、mは0〜100の整数である。
Figure 2010229372
式(1)で表される化合物として、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(OXT−101:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン(OXT−212:東亞合成(株)製)、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン(OXT−211:東亞合成(株)製)が挙げられる。式(2)で表される化合物としては、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン(OXT−121:東亞合成(株)製)が挙げられる。また、式(3)で表される化合物としては、ビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル(OXT−221:東亞合成(株)製)が挙げられる。
分子内に3〜4個のオキセタン環を有する化合物としては、下記式(4)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010229372
式(4)において、Ra1は、前記式(1)におけるのと同義である。また、多価連結基であるRa9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基又は下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3又は4である。
Figure 2010229372
上記Aにおいて、Ra10はメチル基、エチル基又はプロピル基を表す。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
また、本発明に好適に用いることのできるオキセタン化合物の別の態様として、側鎖にオキセタン環を有する下記式(5)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2010229372
式(5)において、Ra1及びRa8は前記式におけるのと同義である。Ra11はメチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基又はトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
このようなオキセタン環を有する化合物については、前記特開2003−341217号公報の段落0021〜0084に詳細に記載され、ここに記載の化合物は本発明にも好適に用いることができる。
特開2004−91556号公報に記載されたオキセタン化合物も本発明に使用することができる。特開2004−91556号公報の段落0022〜0058に詳細に記載されている。
(B)光酸発生剤
本発明のインク組成物は、(B)光酸発生剤を含有する。
本発明に用いることのできる好ましい光酸発生剤(以下、「カチオン重合開始剤」ともいう。)としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適なカチオン重合開始剤の例を以下に挙げる。
本発明に用いることのできる光酸発生剤は、活性放射線の照射により酸を発生する化合物であることが好ましい。
本発明に用いることができる光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームなどの照射により酸を発生する化合物を適宜選択して使用することができる。
このような光酸発生剤としては、活性放射線の照射により分解して酸を発生する、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩化合物、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネート等のスルホネート化合物などを挙げることができる。
これらの中でも、光酸発生剤としてオニウム塩を使用することが好ましい。
また、本発明に用いることができる活性放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re 27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Tech,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、同第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromolecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Tech,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1986)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein et al,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al,Macormolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0,290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、
M.TUNOOKA et al,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner et al,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et al,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachi et al,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0,199,672号、同84515号、同044,115号、同第618,564号、同0,101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappas et al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。たとえば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
本発明に用いることができる好ましい光酸発生剤として、下記式(b1)、(b2)、又は、(b3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010229372
式(b1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
-は、非求核性アニオンを表し、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF4 -、PF6 -、SbF6 -や以下に示す基などが好ましく挙げられる。また、炭素原子を有する有機アニオンであることが好ましい。
Figure 2010229372
好ましい有機アニオンとしては、下式に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2010229372
Rc1は、有機基を表す。
Rc1における有機基として炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はこれらの複数が、単結合、−O−、−CO2−、−S−、−SO3−、−SO2N(Rd1)−などの連結基で連結された基を挙げることができる。
Rd1は、水素原子、アルキル基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5は、各々独立に、有機基を表す。
Rc3、Rc4、Rc5の有機基として、好ましくはRc1における好ましい有機基と同じものを挙げることができ、最も好ましくは炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。
Rc3とRc4が結合して環を形成していてもよい。
Rc3とRc4が結合して形成される基としてはアルキレン基、アリーレン基が挙げられる。好ましくは炭素数2〜4のパーフルオロアルキレン基である。
Rc1、Rc3〜Rc5の有機基として、最も好ましくは1位がフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたアルキル基、フッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたフェニル基である。フッ素原子又はフルオロアルキル基を有することにより、光照射によって発生した酸の酸性度が上がり、感度が向上する。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(b1−1)、(b1−2)、(b1−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、式(b1)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b1)で表される化合物のR201〜R203のうち少なくともひとつが、式(b1)で表される他の化合物におけるR201〜R203の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
さらに好ましい(b1)成分として、以下に説明する化合物(b1−1)、(b1−2)、及び(b1−3)を挙げることができる。
化合物(b1−1)は、上記式(b1)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、すなわち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基、シクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基などのアリール基、インドール残基、ピロール残基などのヘテロアリール基が好ましく、さらに好ましくはフェニル基、インドール残基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基としては、炭素数1〜15の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているシクロアルキル基としては、炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては、炭素数1〜12の直鎖又は分岐状アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうち、いずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(b1−2)について説明する。
化合物(b1−2)は、式(b1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、より好ましくは直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖、分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができ、直鎖、分岐2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
201〜R203としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができ、環状2−オキソアルキル基がより好ましい。
201〜R203の直鎖、分岐、環状2−オキソアルキル基としては、好ましくは、上記のアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
201〜R203としてのアルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によってさらに置換されていてもよい。
化合物(b1−3)とは、以下の式(b1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルホニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2010229372
式(b1−3)において、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成してもよい。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)におけるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数1〜20個、より好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cのシクロアルキル基として、好ましくは、炭素数3〜8個のシクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖状若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐、環状アルコキシ基であり、さらに好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、溶剤溶解性がより向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制されるので好ましい。
x及びRyとしてのアルキル基、シクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基、シクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyは、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基、シクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x、Ryは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基、シクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、さらに好ましくは8個以上のアルキル基、シクロアルキル基である。
式(b2)、(b3)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。X-は、非求核性アニオンを表し、式(b1)におけるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
204〜R207としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。R204〜R207としてのシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
また、R204とR205、R206とR207が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R204とR205、R206とR207が結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
尚、式(b2)又は(b3)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b2)で表される化合物のR204又はR205が、式(b2)で表される他の化合物におけるR204又はR205と直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
光酸発生剤として、さらに、下記式(b4)、(b5)、(b6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010229372
式(b4)〜(b6)中、Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はシアノ基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar3及びAr4、R206〜R208並びにAは置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
尚、式(b4)〜(b6)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、式(b6)で表される化合物のR206〜R208のうち少なくともひとつが、式(b6)で表される他の化合物におけるR206〜R208の少なくともひとつと直接、又は、連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
前記光酸発生剤の中でも好ましいものとしては、式(b1)〜(b3)で表される化合物を挙げることができる。
本発明に用いることのできる光酸発生剤の好ましい化合物例〔(b−1)〜(b−96)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010229372
Figure 2010229372
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また、特開2002−122994号公報の段落0029〜0030に記載のオキサゾール誘導体、s−トリアジン誘導体なども好適に用いられる。
特開2002−122994号公報の段落0037〜0063に例示されるオニウム塩化合物、スルホネート系化合物も本発明に好適に使用することができる。
光酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物中の光酸発生剤の含有量は、インク組成物の0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましい。上記範囲であると、インク組成物を十分硬化させることができ、また、硬化度の均一性に優れる。
また、本発明において、インク組成物に後述する増感剤を用いる場合、重合開始剤の総使用量は、増感剤に対して、重合開始剤:増感剤の重量比で、200:1〜1:200であることが好ましく、50:1〜1:50であることがより好ましく、20:1〜1:5であることがさらに好ましい。
(C)着色剤
本発明のインク組成物は、(C)着色剤を含有する。
本発明に用いることができる着色剤としては、特に制限はなく、顔料、油溶性染料、水溶性染料、分散染料等の公知の着色剤から任意に選択して使用することができる。この中でも、着色剤としては、耐候性に優れ、色再現性に富む点から、顔料、及び/又は、油溶性染料であることが好ましく、顔料であることがより好ましい。
本発明のインク組成物に好適に使用し得る着色剤は、活性放射線による硬化反応の感度を低下させないという観点からは、硬化反応である重合反応において重合禁止剤として機能しない化合物を選択することが好ましい。
<顔料>
顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の有機顔料及び無機顔料などが挙げられ、また、染料で染色した樹脂粒子、市販の顔料分散体や表面処理された顔料(例えば、顔料を分散媒として水、液状有機化合物や不溶性の樹脂等に分散させたもの、及び、樹脂や顔料誘導体等で顔料表面を処理したもの等)も挙げられる。なお、前記顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年、朝倉書店発行)、橋本勲著「有機顔料ハンドブック」(2006年、カラーオフィス発行)、W. Herbst, K. Hunger編「Industrial Organic Pigments」(1992年、Wiley−VHC発行)、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載のものが挙げられる。
前記有機顔料及び無機顔料としては、例えば、黄色顔料、赤色顔料、マゼンタ顔料、青色顔料、シアン顔料、緑色顔料、橙色顔料、紫色顔料、褐色顔料、黒色顔料、白色顔料等が挙げられる。
前記黄色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、10、65、73、74、75、97、98、111、116、130、167、205等のモノアゾ顔料、61、62、100、168、169、183、191、206、209、212等のモノアゾレーキ顔料、12、13、14、16、17、55、63、77、81、83、106、124、126、127、152、155、170、172、174、176、214、219等のジスアゾ顔料、24、99、108、193、199等のアントラキノン顔料、60等のモノアゾピラゾロン顔料、93、95、128、166等の縮合アゾ顔料、109、110、139、173、185等のイソインドリン顔料、120、151、154、175、180、181、194等のベンズイミダゾロン顔料、117、129、150、153等のアゾメチン金属錯体顔料、138等のキノフタロン顔料、213等のキノキサリン顔料が好ましい。
前記赤色又はマゼンタ顔料としては、C.I.ピグメントレッド 193等のモノアゾレーキ顔料、38等のジスアゾ顔料、2、5、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、22、23、31、32、112、114、146、147、150、170、184、187、188、210、213、238、245、253、256、258、266、268、269等のナフトールAS顔料、3、4、6等のβ−ナフトール顔料、49、53、68等β−ナフトールレーキ顔料、237、239、247等のナフトールASレーキ顔料、41等のピラゾロン顔料、48、52、57、58、63、64:1、200等のBONAレーキ顔料、81:1、169、172等のキサンテンレーキ顔料、88、181、279等のチオインジゴ顔料、123、149、178、179、190、224等のペリレン顔料、144、166、214、220、221、242、262等の縮合アゾ顔料、168、177、182、226、263等のアントラキノン顔料、83等のアントラキノンレーキ顔料、171、175、176、185、208等のベンズイミダゾロン顔料、122、202(C.I.ピグメントバイオレット 19との混合物を含む)、207、209等のキナクリドン顔料、254、255、264、270、272等のジケトピロロピロール顔料、257、271等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記青色又はシアン顔料としては、C.I.ピグメントブルー 25、26等のナフトールAS顔料、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17:1、75、79等のフタロシアニン顔料、1、24:1、56、61、62等の染付けレーキ顔料、60等のアントラキノン系顔料、63等のインジゴ顔料、80等のジオキサジン顔料が好ましい。
前記緑色顔料としては、C.I.ピグメントグリーン 1、4等の染付けレーキ顔料、7、36等のフタロシアニン顔料、8等のアゾメチン金属錯体顔料が好ましい。
前記橙色顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ 1等のモノアゾ顔料、2、3、5等のβ−ナフトール顔料、4、24、38、74等のナフトールAS顔料、13、34等のピラゾロン顔料、36、60、62、64、72等のベンズイミダゾロン顔料、15、16等のジスアゾ顔料、17、46等のβ−ナフトールレーキ顔料、19等のナフタレンスルホン酸レーキ顔料、43等のペリノン顔料、48、49等のキナクリドン顔料、51等のアントラキノン系顔料、61等のイソインドリノン顔料、66等のイソインドリン系顔料、68等のアゾメチン金属錯体顔料、71、73、81等のジケトピロロピロール顔料が好ましい。
前記褐色顔料としては、C.I.ピグメントブラウン 5等のBONAレーキ顔料、23、41、42等の縮合アゾ顔料、25、32等のベンズイミダゾロン顔料が好ましい。
前記紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット 1、2、3、27等の染付けレーキ顔料、13、17、25、50等のナフトールAS顔料、5:1等のアントラキノンレーキ顔料、19等のキナクリドン顔料、23、37等のジオキサジン顔料、29等のペリレン顔料、32等のベンズイミダゾロン顔料、38等のチオインジゴ顔料が好ましい。
前記黒色顔料としては、C.I.ピグメントブラック 1等のインダジン顔料、7であるカーボンブラック、10であるグラファイト、11であるマグネタイト、20等のアントラキノン顔料、31、32等のペリレン顔料が好ましい。
前記白色顔料としては、C.I.ピグメントホワイト 4である酸化亜鉛、6である酸化チタン、7である硫化亜鉛、12である酸化ジルコニウム(ジルコニウムホワイト)、18である炭酸カルシウム、19である酸化アルミニウム・酸化ケイ素(カオリンクレー)、21又は22である硫酸バリウム、23である水酸化アルミニウム(アルミナホワイト)、27である酸化ケイ素、28であるケイ酸カルシウムが好ましい。
白色顔料に使用される無機粒子は単体でもよいし、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン等の酸化物や有機金属化合物、有機化合物との複合粒子であってもよい。
中でも前記酸化チタンは、他の白色顔料と比べて比重が小さい、屈折率が大きい、隠蔽力や着色力が大きい、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れていることから、好適に使用される。なお、前記酸化チタンに加えて他の白色顔料(上述した白色顔料以外のものであってもよい。)を併用してもよい。
酸化チタンは、特に限定されず、白色顔料として使用されている公知の酸化チタンから適宜選択して使用することができる。ルチル型二酸化チタン及びアナターゼ型二酸化チタンのいずれも使用することができるが、触媒活性能が低く、経時安定性に優れる点から、ルチル型二酸化チタンが好ましく使用される。
酸化チタンは上市されており、例えば、Tipaque CR60−2、Tipaque A−220(いずれも、石原産業(株)製)や、KRONOS1001、1014、1071、1074、1075、1077、1078、1080、1171、2044、2047、2056、2063、2080、2081、2084、2087、2160、2190、2211、2220、2222、2225、2230、2233、2257、2300、2310、2450、2500、3000、3025(いずれも、KRONOS社製)等が例示できる。
また、酸化チタンは、必要に応じて表面処理を行ってもよい。具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。
顔料粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜0.5μm、より好ましくは0.01〜0.45μm、さらに好ましくは0.015〜0.4μmとなるよう、顔料、分散剤、媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。平均粒径が上記の範囲であると、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インク組成物の保存安定性、透明性及び硬化速度を維持することができる。
<油溶性染料>
以下に、本発明に用いることができる油溶性染料について説明する。
本発明に用いることができる油溶性染料とは、水に実質的に不溶な染料を意味する。具体的には、25℃での水への溶解度(水100gに溶解できる染料の質量)が1g以下であり、好ましくは0.5g以下、より好ましくは0.1g以下であるものを指す。したがって、油溶性染料とは、いわゆる水に不溶性の顔料や油溶性色素を意味し、これらの中でも油溶性色素が好ましい。
本発明に用いることができる油溶性染料のうち、イエロー染料としては、任意のものを使用することができる。
例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料;等が挙げられ、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。
本発明に用いることができる油溶性染料のうち、マゼンタ染料としては、任意のものを使用することができる。
例えば、カップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料;例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系染料等を挙げることができる。
本発明に用いることができる油溶性染料のうち、シアン染料としては、任意のものを使用することができる。
例えば、インドアニリン染料、インドフェノール染料あるいはカップリング成分としてピロロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリール又はヘテリルアゾ染料;インジゴ・チオインジゴ染料等を挙げることができる。
前記の各染料は、クロモフォア(発色性の原子団)の一部が解離して初めてイエロー、マゼンタ、シアンの各色を呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、第四級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
以下に限定されるものではないが、好ましい油溶性染料の具体例としては、例えば、C.I.ソルベント・ブラック 3,7,27,29及び34;C.I.ソルベント・イエロー 14,16,19,29,30,56,82,93及び162;C.I.ソルベント・レッド 1,3,8,18,24,27,43,49,51,72,73,109,122,132及び218;C.I.ソルベント・バイオレット 3;C.I.ソルベント・ブルー 2,11,25,35,38,67及び70;C.I.ソルベント・グリーン 3及び7;並びにC.I.ソルベント・オレンジ 2等が挙げられる。
これらの中で特に好ましいものは、Nubian Black PC−0850、Oil Black HBB 、Oil Yellow 129、Oil Yellow 105、Oil Pink 312、Oil Red 5B、Oil Scarlet 308、Vali Fast Blue 2606、Oil Blue BOS(オリエント化学(株)製)、Aizen Spilon Blue GNH(保土ヶ谷化学(株)製)、NeopenYellow 075、Neopen Mazenta SE1378、Neopen Blue 808、Neopen Blue FF4012、Neopen Cyan FF4238(BASF社製)等である。
<分散染料>
また、本発明においては、水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で、分散染料を用いることもできる。分散染料は一般に水溶性の染料も包含するが、本発明においては水非混和性有機溶媒に溶解する範囲で用いることが好ましい。
分散染料の好ましい具体例としては、C.I.ディスパースイエロー 5,42,54,64,79,82,83,93,99、100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ 13,29,31:1,33,49,54,55,66,73,118,119及び163;C.I.ディスパーズレッド 54,60,72,73,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,152,153,154,159,164,167:1,177,181,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット 33;C.I.ディスパーズブルー 56,60,73,87,113,128,143,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,365及び368;並びにC.I.ディスパーズグリーン 6:1及び9等が挙げられる。
本発明に用いることができる着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、着色剤の含有量は、着色剤の物性(比重、着色力や色味等)、インク組成物を何色組み合わせて印刷物を作製するかといった条件により適宜選択することができるが、隠蔽力や着色力の点から、インク組成物全体の重量に対して、0.1〜30重量%であることが好ましく、0.5〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることが特に好ましい。
本発明において、着色剤は、インク組成物の調製に際して、各成分とともに直接添加により配合してもよいが、予め汎用の有機溶剤(メチルエチルケトン、トルエン、ブタノール、酢酸ブチル等)あるいは本発明に使用するカチオン重合性化合物のような液体の媒体に添加し、分散させて顔料分散物(「ミルベース」ともいう。)を作製した後、配合することもできる。媒体が硬化画像に残留する場合の耐溶剤性の劣化並びに残留するVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)の問題を避けるためにも、着色剤は、カチオン重合性化合物中に予め分散して配合することが好ましい。また、配合時の作業性を考慮すると、使用する媒体は、最も低粘度のカチオン重合性化合物を選択することがより好ましい。
本発明のインク組成物において、着色剤として顔料を使用することが好ましく、使用する場合には、インク組成物中に安定に顔料を分散させるため、分散剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる分散剤としては、高分子分散剤が好ましい。なお、本発明における「高分子分散剤」とは、重量平均分子量が1,000以上の分散剤を意味する。
高分子分散剤の主鎖骨格は、特に制限はないが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられ、インク組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、高分子分散剤の構造に関しても特に制限はないが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられ、同様に保存安定性の点で、ブロック構造又はくし型構造が好ましい。
高分子分散剤としては、ビックケミー社より市販されている湿潤分散剤DISPERBYKシリーズの101、102、103、106、108、109、110、111、112、116、130、140、142、145、161、162、163、164、166、167、168、170、171、174、180、182、183、184、185、2000、2001、2020、2050、2070、2096、2150、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より市販されているEFKAシリーズの4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4340、4400、4401、4402、4403、4406、4800、5010、5044、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、5244、ルーブリゾール社より市販されているSolsperseシリーズの3000、11200、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000SC、24000GR、26000、28000、31845、32000、32500、32550、32600、33000、34750、35100、35200、36000、36600、37500、38500、39000、53095、54000、55000、56000、71000、楠本化成(株)より市販されているDISPARLONシリーズの1210、1220、1831、1850、1860、2100、2150、2200、7004、KS−260、KS−273N、KS−860、KS−873N、PW−36、DN−900、DA−234、DA−325、DA−375、DA−550、DA−1200、DA−1401、DA−7301、味の素(株)より市販されているアジスパーシリーズのPB−711、PB−821、PB−822、PN−411、PA−111、エアープロダクツ社より市販されているサーフィノールシリーズの104A、104C、104E、104H、104S、104BC、104DPM、104PA、104PG−50、420、440、DF110D、DF110L、DF37、DF58、DF75、DF210、CT111、CT121、CT131、CT136、GA、TG、TGE、日信化学工業(株)より市販されているオルフィンシリーズのSTG、E1004、サンノプコ(株)製SNスパースシリーズの70、2120、2190、ADEKA社より市販されているアデカコール及びアデカトールシリーズ、三洋化成工業(株)より市販されているサンノニックシリーズ、ナロアクティーCLシリーズ、エマルミンシリーズ、ニューポールPEシリーズ、イオネットMシリーズ、イオネットDシリーズ、イオネットSシリーズ、イオネットTシリーズ、サンセパラー100が挙げられる。
これらの高分子分散剤の中でも、保存安定性と硬化速度のバランスの点で、高分子分散剤の酸価とアミン価との差の絶対値が、0mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、0mgKOH/g以上60mgKOH/g以下であることがより好ましく、0mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
なお、酸価とは、高分子分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることができる。
アミン価とは、高分子分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。複数の分散剤を用いる場合はその重量平均として表すことができる。
インク組成物中の分散剤の好ましい添加量は、インク組成物中における顔料の重量をP、インク組成物中における高分子分散剤の重量をDとした場合、その重量比(D/P)が、0.01≦D/P≦2.0であることが好ましく、0.03≦D/P≦1.5であることがより好ましく、0.05≦D/P≦0.6であることがさらに好ましい。上記範囲であると、顔料の凝集・沈降、インク粘度上昇が生じず、保存安定性に優れるインク組成物が得られ、インク粘度が低粘度で吐出安定性にも優れるインク組成物が得られる。
さらに、分散時には、分散剤に加えて、一般にシナジストと呼ばれる分散助剤(例えば、ルーブリゾール社より市販されているSolsperseシリーズの5000、12000、22000、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社より市販されているEFKA6745等)や、各種界面活性剤、消泡剤を添加して、顔料の分散性、濡れ性を向上させることも好ましい。
本発明において、着色剤に顔料を使用する場合には、顔料と分散剤とを混合した後、カチオン重合性化合物に添加して分散する、又は、カチオン重合性化合物と分散剤とを混合した後、顔料を添加して分散することが好ましい。分散には、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ソルトミル、アトライター、ロールミル、アジテーター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各分散装置を用いることができる。中でもビーズミル分散装置は、分散性に優れるので好ましい。
ビーズミル分散を行う際に使用するビーズは、好ましくは0.01〜3.0mm、より好ましくは0.05〜1.5mm、さらに好ましくは0.1〜1.0mmの平均径を有するものを用いることにより、安定性に優れた顔料分散物を得ることができる。
(D)アミン化合物
本発明においては、前記の(A)〜(C)の必須成分に加えて、前述したカチオン重合開始剤の暗反応で発生する酸を捕捉し、インク組成物の暗重合による増粘を防止して保存安定性を向上させる目的で、また、漏れ光によってカチオン重合開始剤から発生する酸を補捉して、インク組成物のノズルプレート上での不要な硬化を防止して吐出安定性を向上させる目的で、アミン化合物を使用することが好ましい。
本発明に用いることができるアミン化合物としては、従来公知のアミン化合物であれば特に制限なく使用することができる。
また、アミン化合物は、分子内に1個のアミン部位を有する化合物であっても、分子内に2個以上のアミン部位を有する化合物であってもよく、また、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。
本発明に用いることができるアミン化合物は、安全性の観点から、標準大気圧において沸点が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることがさらに好ましい。
アミン化合物の分子量は、100〜1,000の範囲であることが好ましく、150〜800の範囲であることがより好ましく、200〜600の範囲であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いることができるアミン化合物は、一級、二級及び三級のアミン化合物のいずれでもよいが、重合性化合物との副反応や変色反応の抑制の観点から、三級のアミン化合物を使用することが好ましい。また、脂肪族アミン化合物であっても芳香族アミン化合物であってもよいが、酸の捕捉能の観点から、脂肪族アミン化合物であることが好ましい。
したがって、本発明において好適に使用できるアミン化合物は、標準大気圧下で180℃以上の沸点を有し、分子量が200〜600の範囲にある脂肪族の三級アミン化合物である。
本発明に用いることができるアミン化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、3−(ジ−n−ブチルアミノ)プロピルアミン、3−アミノ−1−フェニルブタン、N−t−ブチルピロリジン、2,6−ジメチルピペリジン、デカヒドロキノリン、デカヒドロイソキノリン、トロピン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン、1−(2−ピリジル)ピペラジン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ピロリジノピリジン、クミルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−メチルチオプロピルアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、N,N−ジ−n−プロピルアニリン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン、N−ベンジル−2−メチル−1,3−プロパンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリフェニル−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン、トリス(3−アミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルアニリン、1−エチルピロール、2,5−ジメチルピロール、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、2,6−ジクロロピリジン、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシピリジン、2,6−ピリジンジカルボン酸ジエチル、2,4,6−トリメチルピリジン、4−ビニルピリジン、3−アセチルピリジン、2−ベンゾイルピリジン、ニコチン酸メチル、2,2’−ビピリジル、2,2’:6’,2’’−ターピリジン、キノリン、イソキノリン、8−キノリノール、アクリジン、5−アミノインドール、カルバゾール、フェナントリジン、9(10H)−アクリドン、1,6−ナフチリジン、1,8−ナフチリジン、1,10−フェナントロリン、キナクリドン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン等が例示できる。
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本発明に用いることができるアミン化合物としては、ヒンダードアミン化合物が特に好ましく例示でき、分子内に求核部位を持たないヒンダードアミン化合物が最も好ましく例示できる。
分子内に求核部位を持たないヒンダードアミン化合物(以下、「特定構造を有するヒンダードアミン化合物」ともいう。)は、立体障害の大きい塩基性窒素原子を除き、他の求核性部位を持たないことを特徴とする。ここで他の求核性部位とは、エステル基、エーテル基、水酸基、アミノ基、チオール基、チオカルボニル基、チオエステル基等の非共有電子対による求核性をもつ官能基を意味する。これら求核性部位は、カチオン重合反応時の生長カチオン末端と反応し、生長反応を阻害すると考えられ、感度低下を引き起こし易い。特定構造を有するヒンダードアミン化合物を使用することで、カチオン重合の生長反応を阻害することなく、暗反応により微量に発生する酸をトラップすることができるため、高感度を維持しながら、安定性を改善することができる。
市販されている光安定剤のHALS(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)やサノール(三共(株)製)は、分子内に求核性部位であるエステル構造を持つため、本発明における特定構造を有するヒンダードアミン化合物には含まれない。
特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、カチオン重合反応時の生長カチオン末端との反応による生長反応の阻害を抑制するために、塩基性窒素原子の周りに立体的に嵩高い置換基を有する。この立体的に嵩高い置換基による立体反発により、塩基性窒素原子と生長カチオン末端との反応が抑制され、高感度を維持しながら、安定性を改善することができる。
本発明における特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、暗反応よって発生する微量の酸をトラップするため、安定性を改善することができる。また、通常露光により硬化する際には、塩基性窒素原子の周りの立体的に嵩高い置換基による立体反発により、塩基性窒素原子と生長カチオン末端との反応を抑制し、カチオン重合反応の進行を阻害することがなく、高感度を維持することができると考えられる。
特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、分子内に塩基性窒素原子以外の求核部位を持たないものであり、好ましくは炭素原子、水素原子及び窒素原子のみからなる化合物である。該特定構造を有するヒンダードアミン化合物は、下記式I〜VIIのいずれかにより表される化合物であることがより好ましい。
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1は、炭素数3から8の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、又は炭素数7から20のアラルキル基を表し、R2は炭素数1から4の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、又は炭素数6から12のアリール基を表す。R3は、水素原子、炭素数1から20の直鎖アルキル基、炭素数3から6の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、炭素数6から12のアリール基、炭素数7から20のアラルキル基、又は炭素数2から20のアルケニル基を表す。ここで1分子中に複数存在するR1及びR2は、同じでも互いに異なっていてもよく、それぞれが互いに結合して環構造を形成してもよい。Zは炭化水素からなる二価の有機基を表す。n及びmは1から3の整数を表す。
1で表される炭素数3から8の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、2−メチル−1−エチルプロピル基又は2−メチル−2−エチルプロピル基などが挙げられ、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基がより好ましい。
1で表される炭素数3から10の環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、などが挙げられ、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、がより好ましい。
1で表される炭素数7から20のアラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、β−メチルフェネチル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−ジメチルフェネチル基、4−メチルフェネチル基、4−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、2−メチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−エチルベンジル基、4−イソプロピルベンジル基、4−tert−ブチルベンジル基、2−tert−ブチルベンジル基、4−tert−ペンチルベンジル基、4−シクロヘキシルベンジル基、4−n−オクチルベンジル基、4−tert−オクチルベンジル基、4−アリルベンジル基、4−ベンジルベンジル基、4−フェネチルベンジル基、4−フェニルベンジル基、4−(4’−メチルフェニル)ベンジル基、2−フルフリル基、ジフェニルメチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基などの置換又は未置換のアラルキル基、等が挙げられ、ベンジル基、α−メチルベンジル基、α−エチルベンジル基、フェネチル基、α−メチルフェネチル基、がより好ましい。
2で表される炭素数1から4の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基が挙げられる。
2で表される炭素数3から6の分岐アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1−エチル−2−メチル−プロピル基、1−メチル−1−エチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、2−メチル−1−エチルプロピル基又は2−メチル−2−エチルプロピル基などが挙げられ、イソプロピル基、イソブチル基、tertブチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、ネオペンチル基がより好ましい。
2で表される炭素数6から12のアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
3で表される炭素数1から20の直鎖アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、等が挙げられ、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基がより好ましい。
3で表される炭素数2から20の直鎖アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチルアリル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチルアリル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられ、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、がより好ましい。
3で表される炭素数3から6の分岐アルキル基、炭素数3から10の環状アルキル基、炭素数6から12のアリール基、及び炭素数7から20のアラルキル基は、それぞれR1又はR2で表されるものとして上述した置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
炭化水素からなる二価の有機基としては、炭素数1から30の二価の有機基を示す。この場合の二価の有機基には、脂肪族基及び芳香族基が包含される。また、脂肪族基には、鎖状又は環状の飽和若しくは不飽和の二価脂肪族炭化水素基が包含され、その炭素数は1〜30、好ましくは2〜22である。不飽和脂肪族基には、二重結合や三重結合を持ったものが包含される。二価の芳香族基には、1つのベンゼン環を有する単環芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)から誘導される二価炭化水素基及び2つ以上、通常2〜4個のベンゼン環を有する多環芳香族炭化水素(ナフタレン、ビフェニル、ターフェニル等)から誘導される二価炭化水素基が包含される。
上述した各基は、置換基を導入可能な場合には、炭化水素からなる置換基を有してもよい。
以下に、本発明に好適に用いる特定構造を有するヒンダードアミン化合物として、具体的には以下の化合物〔(A−1)〜(A−50)〕が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
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上述した化合物(又は式I〜VII)の中でも、インクジェット吐出性と硬化速度の観点から、式IV、VI又はVIIで表される化合物がより好ましく、式VI又はVIIで表される化合物がさらに好ましく、A−26が特に好ましい。
また、他のヒンダードアミン化合物としては、以下に示す化合物が例示できる。
ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(Ciba Speciality Chemicals社より”Tinuvin 765”の名で、また三共(株)より”サノール LS−765”の名で販売されている)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(Ciba Speciality Chemicals社”Tinuvin 770”の名で、また三共(株)より”サノール LS−770”の名で販売されている)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート(三共(株)より”サノール LS−744”の名で販売されている)、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−82”の名で販売されている)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−87”の名で販売されている)、1−〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(三共(株)より”サノール LS−2626”の名で販売されている)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−n−ブチル−2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート(Ciba Speciality Chemicals社より”Tinuvin 144”の名で販売されている)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)4−メトキシベンジリデンマロネート(Clariant社より”Sanduvor PR−31”の名で販売されている)、
2”,2”,6”,6”−テトラメチルシクロドデカンスピロ−2’−オキサゾリジン−5’−スピロ−4”−ピペラジン−4’−オン(また、1−オキサ−3,8−ジアザ−2−ウンデカメチレノ−4−オキソ−7,7,9,9−テトラメチルスピロ[4.5]デカンの名称が与えられることもある;Hoechst社より”Hostavin N 20”の名で販売されている)、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン(三共(株)より”サノールLS−440”の名で販売されている)、
テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(旭電化工業(株)より”アデカスタブLA−52”の名で販売されている)、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−57”の名で販売されている)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−62”の名で販売されている)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール及び1−トリデカノールとの混合エステル化物(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−67”の名で販売されている)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−63”の名で販売されている)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール及び3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンとの混合エステル化物(旭電化工業(株)より”アデカスタブ LA−68”の名で販売されている)、
ジメチルサクシネートと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物(また、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル)−1−ピペリジノエタノール/スクシン酸コポリマーの名称が与えられることもある;Ciba Speciality Chemicals社より”Tinuvin 622”の名で販売されている)、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2−ジブロモエタンとの重縮合物(また、ポリ〔N,N’−ジ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミノ−N’−エチレン〕の名称が与えられることもある;Montefluos社より”Spinuvex A−36”の名で販売されている)ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕(Ciba Speciality Chemicals社より”Chimassorb 944”の名で販売されている)、ポリ〔(6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕(American Cyanamid社より”Cyasorb UV 3346”の名で販売されている)など。
アミン化合物は、1種のみ添加してもよく、2種以上を併用してもよい。
アミン化合物(好ましくは特定構造を有するヒンダードアミン化合物)の添加量は、インク組成物の全量に対し、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.3〜8重量%であることがより好ましく、0.5〜6重量%であることがさらに好ましい。上記範囲であると、硬化速度が良好で、保存安定性や吐出安定性にも優れるインク組成物を得ることができる。
(その他の成分)
<紫外線吸収剤>
本発明においては、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる、蛍光増白剤などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の全重量に対し、0.5〜15重量%であることが好ましい。
<酸化防止剤>
インク組成物の安定性向上のため、本発明のインク組成物には、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号明細書、同309401号明細書、同第309402号明細書、同第310551号明細書、同第310552号明細書、同第459416号明細書、ドイツ公開特許第3435443号明細書、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物中に0.1〜8重量%であることが好ましい。
<褪色防止剤>
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
前記有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などが挙げられる。
前記金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物中に0.1〜8重量%であることが好ましい。
<導電性塩類>
本発明のインク組成物には、射出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。
<溶剤>
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量は組成物全体に対し、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、使用しないことがさらに好ましい。
<高分子化合物>
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。
また、これらは1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体が好ましい。
さらに、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
<界面活性剤>
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、シリコーンオイル等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
インク組成物中の界面活性剤の含有量は、インクジェットヘッドの吐出に適した表面張力に適合させるように適宜調整されるが、0〜6重量%が好ましく、0〜4重量%がより好ましく、0〜2重量%がさらに好ましい。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤー(粘着付与剤)などを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
<増感剤>
インク組成物には、光酸発生剤の酸発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、必要に応じ、増感剤を添加してもよい。
増感剤としては、光酸発生剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものであれば、特に制限はない。
好ましくは、アントラセン、9,10−ジアルコキシアントラセン、ピレン、ペリレンなどの芳香族多縮環化合物、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、ミヒラーケトンなどの芳香族ケトン化合物、フェノチアジン、N−アリールオキサゾリジノンなどのヘテロ環化合物が挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、光酸発生剤1モルに対し、0.01〜1モル%であることが好ましく、0.1〜0.5モル%であることがより好ましい。
より好ましい増感剤の例としては、下記式(IX)〜(XIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010229372
式(IX)中、A1は硫黄原子又はNR50を表し、R50はアルキル基又はアリール基を表し、L2は隣接するA1及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R51、R52はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R51、R52は互いに結合して、色素の酸性核を形成してもよい。Wは酸素原子又は硫黄原子を表す。
Figure 2010229372
式(X)中、Ar1及びAr2はそれぞれ独立にアリール基を表し、−L3−による結合を介して連結している。ここでL3は−O−又は−S−を表す。また、Wは式(IX)に示したものと同義である。
Figure 2010229372
式(XI)中、A2は硫黄原子又はNR59を表し、L4は隣接するA2及び炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R53、R54、R55、R56、R57及びR58はそれぞれ独立に一価の非金属原子団の基を表し、R59はアルキル基又はアリール基を表す。
Figure 2010229372
式(XII)中、A3、A4はそれぞれ独立に−S−、−NR62−又は−NR63−を表し、R62、R63はそれぞれ独立に置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基を表し、L5、L6はそれぞれ独立に、隣接するA3、A4及び隣接炭素原子と共同して色素の塩基性核を形成する非金属原子団を表し、R60、R61はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団であるか又は互いに結合して脂肪族性又は芳香族性の環を形成することができる。
Figure 2010229372
式(XIII)中、R66は置換基を有してもよい芳香族環又はヘテロ環を表し、A5は酸素原子、硫黄原子又は=NR67を表す。R64、R65及びR67はそれぞれ独立に水素原子又は一価の非金属原子団を表し、R67とR64、及びR65とR67はそれぞれ互いに脂肪族性又は芳香族性の環を形成するため結合することができる。
式(IX)〜(XIII)で表される化合物の好ましい具体例としては、以下に示す(E−1)〜(E−20)が挙げられる。
Figure 2010229372
Figure 2010229372
本発明のインク組成物中における増感剤の含有量は、使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体の重量に対し、0.05〜4重量%であることが好ましい。
〔インク物性〕
本発明のインク組成物は、吐出性を考慮し、25℃における粘度が40mPa・s以下であることが好ましく、5〜40mPa・sであることがより好ましく、7〜30mPa・sであることがさらに好ましい。また、吐出温度(好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃)における粘度が、3〜15mPa・sであることが好ましく、3〜13mPa・sであることがより好ましい。本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク組成物の浸透を回避し、未硬化モノマーの低減が可能となる。さらにインク組成物の液滴着弾時におけるインク組成物の滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の25℃における表面張力は、20〜35mN/mであることが好ましく、23〜33mN/mであることがより好ましい。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では、35mN/m以下が好ましい。
(2)インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及び印刷物
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をインクジェット記録用として被記録媒体(支持体、記録材料等)上に吐出し、被記録媒体上に吐出されたインク組成物に活性放射線を照射し、インクを硬化して画像を形成する方法である。
より具体的には、本発明のインクジェット記録方法は、(a1)被記録媒体上に、本発明のインク組成物を吐出する工程、及び、(b1)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする。
本発明のインクジェット記録方法は、上記工程を含むことにより、被記録媒体上において硬化したインク組成物により画像が形成される。
また、本発明の印刷物は、本発明のインクジェット記録方法によって記録された印刷物である。
本発明のインクジェット記録方法には、以下に詳述するインクジェット記録装置を用いることができる。
〔インクジェット記録装置〕
本発明のインクジェット記録方法に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、いずれも、本発明のインクジェット記録方法の(a1)工程における被記録媒体へのインク組成物の吐出を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、インク供給系、温度センサー、活性放射線源を含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明のインク組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、さらに好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上述したように、本発明のインク組成物のように放射線硬化型インクは、吐出されるインクを一定温度にすることが望ましいことから、インクジェット記録装置には、インク組成物温度の安定化手段を備えることが好ましい。一定温度にする部位はインクタンク(中間タンクがある場合は中間タンク)からノズル射出面までの配管系、部材の全てが対象となる。すなわち、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までは、断熱及び加温を行うことができる。
温度コントロールの方法としては、特に制約はないが、例えば、温度センサーを各配管部位に複数設け、インク流量、環境温度に応じた加熱制御をすることが好ましい。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近に設けることができる。また、加熱するヘッドユニットは、装置本体を外気からの温度の影響を受けないよう、熱的に遮断若しくは断熱されていることが好ましい。加熱に要するプリンター立上げ時間を短縮するため、あるいは熱エネルギーのロスを低減するために、他部位との断熱を行うとともに、加熱ユニット全体の熱容量を小さくすることが好ましい。
前記インクジェット記録装置を用いて、インク組成物の吐出はインク組成物を、好ましくは25〜80℃、より好ましくは25〜50℃に加熱して、インク組成物の粘度を、好ましくは3〜15mPa・s、より好ましくは3〜13mPa・sに下げた後に行うことが好ましい。特に、本発明のインク組成物として、25℃におけるインク粘度が50mPa・s以下であるものを用いると、良好に吐出が行えるので好ましい。この方法を用いることにより、高い吐出安定性を実現することができる。
本発明のインク組成物のような活性放射線硬化型インクジェット記録用インク組成物は、概して通常インクジェット記録用インク組成物で使用される水性インク組成物より粘度が高いため、吐出時の温度変動による粘度変動が大きい。インク組成物の粘度変動は、液滴サイズの変化及び液滴吐出速度の変化に対して大きな影響を与え、ひいては画質劣化を引き起こす。したがって、吐出時のインク組成物の温度はできるだけ一定に保つことが必要である。よって、本発明において、インク組成物の温度の制御幅は、好ましくは設定温度の±5℃、より好ましくは設定温度の±2℃、さらに好ましくは設定温度±1℃とすることが適当である。
次に、(b1)吐出されたインク組成物に放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程について説明する。
被記録媒体上に吐出されたインク組成物は、放射線を照射することによって硬化する。これは、本発明のインク組成物に含まれるカチオン重合開始剤が放射線の照射により分解して、カチオンを発生し、そのカチオンによってカチオン重合性化合物の重合反応が、生起、促進されるためである。このとき、インク組成物においてカチオン重合開始剤ととも増感剤が存在すると、系中の増感剤が放射線を吸収して励起状態となり、カチオン重合開始剤と接触することによってカチオン重合開始剤の分解を促進させ、より高感度の硬化反応を達成させることができる。
ここで、使用される活性放射線は、α線、γ線、電子線、X線、紫外線、可視光又は赤外光などが使用され得る。活性放射線のピーク波長は、増感剤の吸収特性にもよるが、例えば、200〜600nmであることが好ましく、300〜450nmであることがより好ましく、350〜420nmであることがさらに好ましい。
また、本発明のインク組成物は、低出力の活性放射線であっても十分な感度を有するものである。したがって、露光面照度が、好ましくは10〜4,000mW/cm2、より好ましくは20〜2,500mW/cm2で硬化させることが適当である。
活性放射線源としては、水銀ランプやガス・固体レーザー等が主に利用されており、紫外線光硬化型インクジェット記録用インク組成物の硬化に使用される光源としては、水銀ランプ、メタルハライドランプが広く知られている。しかしながら、現在環境保護の観点から水銀フリー化が強く望まれており、GaN系半導体紫外発光デバイスへの置き換えは産業的、環境的にも非常に有用である。さらに、LED(UV−LED),LD(UV−LD)は小型、高寿命、高効率、低コストであり、光硬化型インクジェット用光源として期待されている。
また、発光ダイオード(LED)及びレーザーダイオード(LD)を活性放射線源として用いることが可能である。特に、紫外線源を要する場合、紫外LED及び紫外LDを使用することができる。例えば、日亜化学(株)は、主放出スペクトルが365nmと420nmとの間の波長を有する紫色LEDを上市している。さらに一層短い波長が必要とされる場合、米国特許番号第6,084,250号明細書は、300nmと370nmとの間に中心付けされた活性放射線を放出し得るLEDを開示している。また、他の紫外LEDも、入手可能であり、異なる紫外線帯域の放射を照射することができる。本発明で特に好ましい活性放射線源はUV−LEDであり、特に好ましくは350〜420nmにピーク波長を有するUV−LEDである。
なお、LEDの被記録媒体上での最高照度は、10〜2,000mW/cm2であることが好ましく、20〜1,000mW/cm2であることがより好ましく、50〜800mW/cm2であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物は、このような活性放射線に、好ましくは0.01〜120秒、より好ましくは0.1〜90秒照射されることが適当である。
活性放射線の照射条件並びに基本的な照射方法は、特開昭60−132767号公報に開示されている。具体的には、インク組成物の吐出装置を含むヘッドユニットの両側に光源を設け、いわゆるシャトル方式でヘッドユニットと光源を走査することによって行われる。活性放射線の照射は、インク組成物の着弾後、一定時間(好ましくは0.01〜0.5秒、より好ましくは0.01〜0.3秒、さらに好ましくは0.01〜0.15秒)をおいて行われることになる。このようにインク組成物の着弾から照射までの時間を極短時間に制御することにより、被記録媒体に着弾したインク組成物が硬化前に滲むことを防止するこが可能となる。また、多孔質な被記録媒体に対しても光源の届かない深部までインク組成物が浸透する前に露光することができるため、未反応モノマーの残留を抑えることができるので好ましい。
さらに、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させてもよい。国際公開第99/54415号パンフレットでは、照射方法として、光ファイバーを用いた方法やコリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されており、このような硬化方法もまた、本発明のインクジェット記録方法に適用することができる。
上述したようなインクジェット記録方法を採用することにより、表面の濡れ性が異なる様々な被記録媒体に対しても、着弾したインク組成物のドット径を一定に保つことができ、画質が向上する。
本発明のインク組成物は、複数の色のインク組成物を組み合わせてインクセットとして使用することもできる。例えば、シアン色のインク組成物、マゼンタ色のインク組成物、イエロー色のインク組成物として使用することが例示できる。
また、ブラック色、ホワイト色のインク組成物とともにインクセットとして使用することもできるし、ライトマゼンタ、ライトシアン等のインク組成物とともにインクセットとして使用することもできる。カラー画像を得るためには、明度の低い色から順に重ねていくことが好ましい。明度の低いインクから順に重ねることにより、下部のインクまで照射線が到達しやすくなり、良好な硬化感度、残留モノマーの低減、密着性の向上が期待できる。また、照射は、全色を吐出してまとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
このようにして、本発明のインク組成物は、活性放射線の照射により高感度で硬化することで、被記録媒体表面に画像を形成することができる。
本発明のインクジェット記録方法には、本発明のインク組成物を含むインクセットを好適に使用することができる。吐出する各着色インク組成物の順番は、特に限定されるわけではないが、明度の低い着色インク組成物から被記録媒体に付与することが好ましく、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックを使用する場合には、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。さらに、本発明はこれに限定されず、ライトシアン、ライトマゼンタ色のインク組成物とシアン、マゼンタ、ブラック、ホワイト、イエローの濃色インク組成物の計7色が少なくとも含まれるインクセットをとして使用することもでき、その場合には、ホワイト→ライトシアン→ライトマゼンタ→イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順で被記録媒体上に付与することが好ましい。
本発明において、被記録媒体としては、特に限定されず、支持体や記録材料として公知の被記録媒体を使用することができる。
例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ若しくは蒸着された紙、又は、プラスチックフィルム等が挙げられる。また、本発明における被記録媒体として、非吸収性被記録媒体が好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
本実施例で使用した化合物を以下に記載する。
(顔料)
C顔料(シアン顔料):IRGALITTE BLUE GLVO (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASYA MAGENTA RT−355D (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G (クラリアント社製)
K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250 (チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
W顔料(ホワイト顔料):アルミナ処理酸化チタン
(分散剤)
BYK168(BYK Chemie社製)
(オキセタン化合物)
OXT−221(東亞合成(株)製)
化合物A
Figure 2010229372
(オキシラン化合物)
Cylacure UVR6105(Dow Chemical社製、220〜250cP)
セロキサイド3000(CEL3000、ダイセル化学工業(株)製)
Figure 2010229372
(ビニルエーテル化合物)
トリエチレングリコールジビニルエーテル(DVE−3)
Figure 2010229372
(重合開始剤)
Esacure1064(Lamberti社製、下記2つの化合物の混合物)
Figure 2010229372
(界面活性剤)
BYK307(BYK Chemie社製)
(重合禁止剤)
化合物B−1
Figure 2010229372
化合物B−2
N,N−ジエチルアミノエタノール
(増感剤)
DBA(9,10−ジブトキシアンスラセン、川崎化成工業(株)製)
(シアンミルベースAの調製)
C顔料(シアン顔料):IRGALITE BLUE GLVO(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 300重量部
セロキサイド3000 500重量部
BYK168 200重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースAを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(マゼンタミルベースBの調製)
M顔料(マゼンタ顔料):CINQUASIA MAGENTA RT−355D(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースAを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(イエローミルベースCの調製)
Y顔料(イエロー顔料):NOVOPERM YELLOW H2G(クラリアント社製) 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースAを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(ブラックミルベースDの調製)
K顔料(ブラック顔料):SPECIAL BLACK 250(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 300重量部
セロキサイド3000 300重量部
BYK168 400重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースAを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(ホワイトミルベースEの調製)
W顔料(ホワイト顔料):アルミナ処理酸化チタン 600重量部
セロキサイド3000 360重量部
ソルスパース36000(Avicia社製) 40重量部
以下の成分を撹拌し、シアンミルベースAを得た。尚、顔料ミルベースの調製は分散機モーターミルM50(アイガー社製)に入れて、直径0.65mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sで8時間分散を行った。
(インクの調製)
ミルベースA〜E、各重合性化合物、重合開始剤、添加剤をそれぞれ表1(本発明)及び表2(比較例)に示す処方で混合し、高速撹拌することでインク組成物を得た。なお、各成分の処方量(数値)の単位は重量部であり、合計100重量部となる。
<インクジェット画像記録>
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に40℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、1〜10plのマルチサイズドットを4,800×4,800dpiの解像度で射出できるよう駆動した。着弾後はUV光を露光面照度700mW/cm2に集光し、被記録媒体上にインク組成物が着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度及び射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。紫外線ランプには、HAN250NLハイキュア水銀ランプ((株)ジーエス・ユアサ コーポレーション製)を使用した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。被記録媒体として、エステルフィルムE5000(膜厚125μm、東洋紡績(株)製)を用いた。
<インクジェット画像の評価>
次いで、各形成した画像について、下記に記載の方法に準じて、画質、吐出安定性、保存安定性、硬化性の評価を行った。
(画質)
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が4μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、ミクロとマクロとでの評価で表した。ミクロの評価は、電子顕微鏡観察による画像面の凹凸の有無により評価した。マクロの評価は、人の目による画質の精細加減の度合いにより評価した。
以上から、画質の評価は下記の基準で評価した。
5・・・凹凸無く、滑らかな画面であり、精細な画像
4・・・凹凸は少しあるが、精細な画像
3・・・凹凸があるが、精細さは維持している画像
2・・・凹凸があり、かつ精細さに欠ける画像
1・・・凹凸が多くあり、かつ精細さに欠ける画像
<インク評価>
表1及び表2に記載された処方のインク組成物を下記の方法にしたがって評価した。評価結果は表1及び表2に記した。
(吸水増加率)
作製したインク組成物を90%RH、30℃で4日保存した後、各インク組成物の水分量をCA−100水分計(三菱化学アナリテック(株)製)を用いて測定し、保存後/保存前のインク組成物の水分量増加分(吸水増加率)を表した。
水分量増加量が変化せず0%に近いほうが、保存安定性が良好であり、6.0%以上であると、保存安定性が悪化する場合があり好ましくない。
(粘度)
各インク組成物を作製した直後の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業(株)、RE−80L)を用いて測定。
(粘度増加率)
作製したインク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、各インク組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業(株)、RE−80L)を用いて測定し、インク組成物の粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で表した。
粘度が変化せず1.0に近いほうが、保存安定性が良好であり、1.5以上であると、射出時に目詰まりを起こす場合があり好ましくない。
保存安定性は以下の基準で評価した。
5・・・保存後/保存前の粘度比が1.00以上で1.10未満
4・・・保存後/保存前の粘度比が1.10以上で1.20未満
3・・・保存後/保存前の粘度比が1.20以上で1.30未満
2・・・保存後/保存前の粘度比が1.40以上で1.50未満
1・・・保存後/保存前の粘度比が1.50以上
(硬化性)
前記インクジェット記録方法に従い、平均膜厚が12μmのベタ画像の描画を行い、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm2)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。
また、硬化感度は以下の基準で評価した。
5・・・150mJ/cm2未満
4・・・150mJ/cm2以上300mJ/cm2未満
3・・・300mJ/cm2以上600mJ/cm2未満
2・・・600mJ/cm2以上900mJ/cm2未満
1・・・900mJ/cm2以上
Figure 2010229372
Figure 2010229372

Claims (9)

  1. (A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物、
    (B)光酸発生剤、及び、
    (C)着色剤を含むことを特徴とする
    インク組成物。
  2. 前記(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物を1重量%以上30重量%以下含有する請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記エポキシ基又はオキセタニル基が下記式(1)〜式(4)で表される基である請求項1又は2に記載のインク組成物。
    Figure 2010229372
    (式中R1は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Aは単結合又は二価の連結基を表す。)
  4. 前記式(1)〜式(4)で表される基が、下記式(5)〜式(8)で表される基である請求項3に記載のインク組成物。
    Figure 2010229372
    (式中R2はメチル基又はエチル基を表す。)
  5. 前記(A)エポキシ基又はオキセタニル基とアダマンタン構造と芳香環とを有する化合物が下記式(9)又は式(10)で表される化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインク組成物。
    Figure 2010229372
    Figure 2010229372
    (式中R3及びR4はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、互いに同じでも、異なっていてもよく、o及びpはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、Xは式(5)〜式(8)で表される基を表し、R2はメチル基又はエチル基を表し、Yは水素原子又はアダマンチル基を表し、少なくとも1つはアダマンチル基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。)
  6. 前記式(9)又は式(10)で表される化合物が下記式(11)又は式(12)である請求項5に記載のインク組成物。
    Figure 2010229372
    Figure 2010229372
    (式中Xは式(5)〜式(8)で表される基を表し、R2はメチル基又はエチル基を表し、Yは水素原子又はアダマンチル基を表し、少なくとも1つはアダマンチル基であり、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、R5及びR6は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、o及びpはそれぞれ独立に1〜3の整数を表し、n及びmはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。)
  7. さらに(D)アミン化合物を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記アミン化合物がヒンダードアミン化合物である請求項7に記載のインク組成物。
  9. (1)被記録媒体上に、請求項1〜8のいずれか1項に記載のインク組成物を吐出する工程、及び、
    (2)吐出されたインク組成物に活性放射線を照射して、前記インク組成物を硬化する工程、を含むことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
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JPWO2015156267A1 (ja) * 2014-04-10 2017-04-13 コニカミノルタ株式会社 活性光線硬化型インクジェット白色インクおよび画像形成方法

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