JP2007190491A - 窒素含有排水の処理方法および処理装置 - Google Patents

窒素含有排水の処理方法および処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ANAMMOX微生物による脱窒処理水中に残留する硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を更に高度に除去して、高水質の処理水を得る。
【解決手段】窒素含有排水を、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物であるANAMMOX微生物の作用により脱窒処理した後、水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により、ANAMMOX反応で副生する硝酸性窒素や、残留する亜硝酸性窒素を脱窒処理する。得られる処理水のpHが6.0〜8.7になるようにpH調整することにより、脱窒効率を高める。
【選択図】図2

Description

本発明は窒素含有排水の処理方法および処理装置に係り、特に、窒素含有排水中の窒素を、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理した後、水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する方法および装置に関する。
排水中に含まれるアンモニア性窒素は河川、湖沼及び海洋などにおける富栄養化の原因物質の一つであり、排水処理工程で効率的に除去する必要がある。一般に、排水中のアンモニア性窒素は、アンモニア性窒素をアンモニア酸化細菌により亜硝酸性窒素に酸化し、更にこの亜硝酸性窒素を亜硝酸酸化細菌により硝酸性窒素に酸化する硝化工程と、これらの亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素を従属栄養性細菌である脱窒菌により、有機物を電子供与体として利用して窒素ガスにまで分解する脱窒工程との2段階の生物反応を経て窒素ガスにまで分解される。
しかし、このような従来の硝化脱窒法では、脱窒工程において電子供与体としてメタノールなどの有機物を多量に必要とし、また硝化工程では多量の酸素が必要であるため、ランニングコストが高いという欠点がある。
これに対して、近年、アンモニア性窒素を電子供与体とし、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物(自己栄養細菌)を利用し、アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素とを反応させて脱窒する方法が提案された。この方法であれば、有機物の添加は不要であるため、従属栄養性の脱窒菌を利用する方法と比べて、コストを低減することができる。また、独立栄養性の微生物は収率が低く、汚泥の発生量が従属栄養性微生物と比較すると著しく少ないので、余剰汚泥の発生量を抑えることができる。更に、従来の硝化脱窒法で観察されるNOの発生がなく、環境に対する負荷を低減できるといった特長もある。
この独立栄養性脱窒微生物(以下「ANAMMOX微生物」と称す場合がある。)を利用する生物脱窒プロセスは、Strous, M, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, p.589-596 (1998)に報告されており、以下のような反応でアンモニア性窒素とその約1.3倍量の亜硝酸性窒素が反応して窒素ガスに分解されると考えられている。この生物脱窒反応は、一般的にANAMMOX反応と呼ばれている。
Figure 2007190491
しかし、ANAMMOX反応では窒素の大部分が窒素ガスにまで変換される一方で、原水中のアンモニア性窒素1モルに対して0.26モルの硝酸性窒素が副生する。この硝酸性窒素は、独立栄養性細菌の菌体合成の際の反応生成物と考えられているが、この硝酸性窒素の副生により、原水中の窒素濃度が高い場合は、処理水中の硝酸性窒素濃度が排水基準値を超えてしまうこととなる。また、アンモニア性窒素に対して反応当量よりも過剰量の亜硝酸性窒素が原水中に含まれる場合は、処理水中に亜硝酸性窒素が残留してしまう。
特開2002−361285号公報には、ANAMMOX微生物による脱窒処理後、残留する硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を、従属栄養性脱窒微生物により脱窒処理する方法が記載されている。しかし、従属栄養性脱窒微生物による脱窒処理には、メタノール、エタノール、酢酸などの有機物を水素供与体として添加する必要があり、このような処理を組み合わせることは、有機物の添加が不要なANAMMOX反応を利用することの利点が損なわれる。また、後段に従属栄養型脱窒槽を設けるために、装置構成が複雑になるという欠点もある。
なお、電子供与体として有機物の替わりに水素ガスを用い、独立栄養性脱窒微生物により脱窒処理を行う方法が、例えば特開昭57−201594号公報等に提案されており、この方法であれば、有機物を添加することなく脱窒処理を行うことができる。また、この方法において、水素ガスの利用効率を高めて処理コストを低減するべく、水素ガスをガス透過性膜を介して被処理水中に供給し、膜の被処理水側表面に付着、増殖させた独立栄養性脱窒微生物により効率的な脱窒処理を行う方法が特許第2901323号公報に提案されている。
しかし、この方法では、水素ガスの溶解工程を必要とし、このために処理速度が遅く、また水素ガスの溶解のために圧縮機を用いるため電気代が高いという点、また高価な水素ガスを多量に用いるためコストが高く、危険度も高いという点が大きな欠点として挙げられる。
なお、従来において、ANAMMOX反応と、水素ガスを電子供与体とする独立栄養性脱窒微生物による脱窒処理とを組み合わせる提案はなく、更には、その場合において、装置構成の簡素化、脱窒処理効率の向上についての検討はなされていない。
特開2002−361285号公報 特開昭57−201594号公報 特許第2901323号公報 Strous, M, et al., Appl. Microbiol. Biotechnol., 50, p.589-596 (1998)
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ANAMMOX微生物による脱窒処理水中に残留する硝酸性窒素や亜硝酸性窒素を更に高度に除去して、高水質の処理水を得る窒素含有排水の処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、ANAMMOX微生物を利用した脱窒処理における処理効率を格段に高める窒素含有排水の処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、このANAMMOX微生物による脱窒処理水の脱窒処理を行うことによる装置構成の複雑化を解消し、簡易な装置及び操作により効率的な脱窒処理を行う窒素含有排水の処理方法および処理装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の窒素含有排水の処理方法は、窒素を含有する排水を生物学的脱窒処理する窒素含有排水の処理方法において、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第一の独立栄養型脱窒工程と、水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第二の独立栄養型脱窒工程とを有することを特徴とする。
請求項2の窒素含有排水の処理方法は、請求項1において、前記第二の独立栄養型脱窒工程は、被処理水と水素ガスとを、膜を介して接触させる水素ガス供給工程を含むことを特徴とする。
請求項3の窒素含有排水の処理方法は、請求項2において、前記膜の被処理水側表面に微生物を付着、増殖せしめることにより該膜の被処理水側で微生物反応を行うことを特徴とする。
請求項4の窒素含有排水の処理方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第二の独立栄養型脱窒工程またはその前段に、該第二の独立栄養型脱窒工程の処理水のpHが6.0〜8.7になるようにpH調整するpH調整工程を有することを特徴とする。
本発明(請求項5)の窒素含有排水の処理装置は、窒素を含有する排水を生物学的脱窒処理する窒素含有排水の処理装置において、アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第一の独立栄養型脱窒手段と、水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第二の独立栄養型脱窒手段とを有することを特徴とする。
請求項6の窒素含有排水の処理装置は、請求項5において、前記第二の独立栄養型脱窒手段は、被処理水と水素ガスとを、膜を介して接触させる水素ガス供給手段を含むことを特徴とする。
請求項7の窒素含有排水の処理装置は、請求項6において、前記膜の被処理水側表面に微生物を付着、増殖せしめることにより該膜の被処理水側で微生物反応を行うことを特徴とする。
請求項8の窒素含有排水の処理装置は、請求項5ないし7のいずれか1項において、前記第二の独立栄養型脱窒手段またはその前段に、該第二の独立栄養型脱窒手段の処理水のpHが6.0〜8.7になるようにpH調整するpH調整手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、ANAMMOX微生物による脱窒処理で得られた処理水(以下「ANAMMOX処理水」と称す場合がある。)を、更に、水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物(以下「水素酸化微生物」と称す場合がある。)で脱窒処理することにより、有機物を添加することなく、ANAMMOX反応で副生する硝酸性窒素や、残留する亜硝酸性窒素を高度に除去して高水質の処理水を得ることができる。
即ち、前述の如く、ANAMMOX微生物による脱窒処理では、ANAMMOX処理水に硝酸性窒素や亜硝酸性窒素が残存してしまうという欠点が挙げられる。
硝酸性窒素の生物脱窒手段としては、メタノール、エタノール、酢酸などの有機物を還元剤(電子供与体)として添加して従属栄養性脱窒微生物により生物的に脱窒処理する方法があるが、この方法では、これら有機物を炭素源とする微生物群が増殖して余剰汚泥が発生するという欠点がある上に、ANAMMOX反応による脱窒処理と組み合わせた場合、反応槽内の菌叢を大幅に変化させる;脱窒処理水中の残留有機物が脱窒処理の阻害要因となる;などの恐れがある。これに対して、水素ガスを電子供与体とする脱窒処理であれば、水素ガスを利用する水素酸化微生物が主体となるので、余剰汚泥の発生や処理水の汚染を大幅に抑制できるが、処理速度が遅い;電気代が高い;高価な水素ガスを多量に用いるためコストが高く、危険度も高い;という欠点がある。
これらの問題点を解消するために、本発明では、ANAMMOX微生物による第一の脱窒処理の後処理として水素酸化微生物による第二の脱窒処理を設け、第一の脱窒処理によるANAMMOX処理水に含まれる硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を、第二の脱窒処理により全て窒素ガスとして排出させることにより、窒素濃度の極めて低い処理水を得る。
また、従来のように水素酸化微生物による脱窒処理を単独で行うと前述のように処理速度、コスト、安全面の問題が大きかったが、本発明では第一の脱窒処理において窒素濃度を大きく低減したANAMMOX処理水に対して、水素酸化微生物による第二の脱窒処理を適用するため、この第二の脱窒処理で処理に要する水素ガス、電力は従来よりはるかに低減され、水素酸化微生物による脱窒処理の問題は大きく改善される。
しかも、水素酸化微生物による脱窒処理は、ANAMMOX微生物による脱窒処理系内での脱窒処理として好適に使用することができるため、ANAMMOX反応系内に容易に組み込むことにより、装置構成の簡易化を図ることもできる。
本発明において、水素酸化微生物による脱窒処理に当たり、ANAMMOX処理水と水素ガスとを、膜を介して接触させ、水素ガスを膜を透過させてANAMMOX処理水中に供給することにより、効率的に水素ガスを供給することができる(請求項2,6)。この際、膜の被処理水側に水素酸化微生物を付着、増殖させておくことにより、被処理水側の膜面で効率的な脱窒処理を行える(請求項3,7)。
また、水素酸化微生物による脱窒処理は、その処理水のpHが6.0〜8.7となるような条件で行うことにより、処理効率を高めることができることから、水素酸化微生物による脱窒処理工程又はその前段で、処理水のpHが6.0〜8.7となるようにpH調整することが好ましい(請求項4,8)。
以下に図面を参照して本発明の窒素含有排水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1,2は、それぞれ本発明の窒素含有排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。図1,2において同一機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図1において、ANAMMOX反応槽1内の底部に、水を槽内に分散させて導入するための分散部材2が設けられ、上部に気固液分離部材3が設けられている。
反応槽1内の下部にANAMMOXグラニュール汚泥床が形成され、気固液分離部材3は、この汚泥床の界面よりも上位に配置されている。
この気固液分離部材3は、筒軸心方向を上下方向とした筒体3aと、該筒体3aの下方に配置されたテーパ部材3bとからなる。筒体3aは、円筒形、角筒形、楕円筒形等のいずれでもよいが、円筒形であることが好ましい。テーパ部材3bは、下方から上昇してきたガスが短絡的に筒体3a内に流入することを防止するためのものである。
テーパ部材3bは、上面に堆積しようとした汚泥が側方に向って滑落するようにその上面が外周に向って下り勾配となる陣笠状の錘形とされている。このテーパ部材3bは、平面視において筒体3aよりも外方にまで張り出す大きさを有している。筒体3aの下端とテーパ部材3bとの間には、水を筒体3a内に流入させるように所定の間隙があいている。テーパ部材3bは、筒体3aに対し棒状部材等を介して連結支持されている。
後述の処理水取出用の配管15は、筒体3a内から水を取り出すように筒体3a又はそれよりも内方にまで延設されている。
反応槽1内を上昇してきた気体は、テーパ部材3b外周と槽1の内周との間を通って上昇し、さらに筒体3aと槽1の内周との間を上昇し、水面に達し、大気中に離脱する。
反応槽1内を上昇してきた汚泥の一部は、テーパ部材3bに当って落下する。一部の汚泥は、テーパ部材3bと筒体3aとの間を通って筒体3a内に入るが、この筒体3a内には気泡は全く殆ど流入せず、水は穏やかに上昇するので、汚泥は該筒体3a内で沈降し、テーパ部材3bの上面を滑落し、テーパ部材3bの外周縁から反応槽1の下方へ沈降していく。
このようにして、気体及び汚泥が分離された水が配管15へ取り出される。
テーパ部材3bの下側に、膜エレメント10が浸漬配置されている。この膜エレメント10の反応槽側の膜面に配管14よりガス透過性膜を透過して水素ガスが供給される。
反応槽1には、槽内の処理水排出領域のpHを測定するpH計4と、このpH計4の測定結果に基いて膜エレメント10の下部に酸を添加する酸添加手段5が設けられている。
このANAMMOX反応槽1から配管15によって取り出された水は処理水槽20に導入される。この処理水槽20内は、下端が水槽底部から離隔した仕切板21により、原水室22と処理水室23とに区画されている。原水は、原水導入配管11を介して原水室22の上方から導入され、原水室22の下部から配管12を介して前記分散部材2へ供給される。
前記配管15からの処理水は処理室23へ導入され、水面付近の集水部材24及び配管16を経て系外へ取り出される。
この図1の処理装置による原水処理手順は次の通りである。
原水(アンモニア性窒素と亜硝酸性窒素を含む亜硝酸型硝化処理水)は、配管11より処理水槽20の原水室22、配管12を経てANAMMOX反応槽1の下部の分散部材2から反応槽1内に供給され、ANAMMOX反応槽1内を上昇する間にANAMMOX微生物により脱窒処理される。即ち、原水中のアンモニア性窒素と亜硝酸性窒素との反応でこれらが除去され、硝酸性窒素が生成する。ANAMMOX処理水は、配管13からの酸でpH調整され、更に配管14から供給される水素ガスの存在下、膜エレメント10の膜面に付着、増殖した水素酸化微生物により、ANAMMOX反応で副生した硝酸性窒素と残留する亜硝酸性窒素が脱窒処理される。
脱窒処理水は筒体3a内に流入し、配管15から処理水槽20の処理水室23を経て配管16より系外へ排出される。
図2の窒素含有排水の処理装置では、脱窒反応槽1Aの下部に原水導入配管11が接続されている。この反応槽1A内の下部に、筒軸心方向を上下方向とした筒体7を設置している。この筒体7の下端と反応槽1Aの底面との間には、水通過を許容するスペースがあいている。
この筒体7の内側領域の下方に散気管6が設置され、空気供給管6aを介して空気が供給されるよう構成されている。
反応槽1A内にANAMMOX汚泥床が形成される。筒体7はこの汚泥床内に埋設する高さとなっている。
反応槽1A内の上部に気固液分離部材3Aが設置されている。この気固液分離部材3Aは、筒軸心方向を上下方向とした筒体3aと、該筒体3aの下部に連なり、外方に向って下り勾配となるテーパ部材3cとからなる。筒体3aは、円筒形、角筒形、楕円筒形などのいずれでもよい。
テーパ部材3cの外周縁は反応槽1Aの内の汚泥床の界面よりも上位に位置している。
テーパ部材3cの外周縁は反応槽1Aの内周面から離隔しており、該テーパ部材3cの外周縁と反応槽1Aの内周面との間に水の通過を許容するスペースがあいている。
このスペース付近に酸を添加するように酸供給用の配管13及び酸添加手段5が設けられている。
筒体3a、テーパ部材3c及び反応槽1Aの内周面を囲まれた環状室30に膜エレメント10が設置されている。この実施の形態では、筒体3aの外周囲に周方向に間隔をおいて複数個(例えば3〜10個)の膜エレメント10が設置されている。膜エレメント10の反応槽1A側の膜面に向って水素ガスを供給するように水素ガス供給用配管14が設けられている。
環状室30内から処理水を取り出すように処理水取出用配管16が設けられている。この配管16にpH計4が設置され、このpH計4で検出されるpHが所定範囲となるように酸添加手段5が制御される。
この図2の窒素含有排水の処理装置の作動を次に説明する。
反応槽1A内に配管11から導入された原水(アンモニア性窒素含有排水)は、散気管6からの曝気により、筒体7内を上昇する間に亜硝酸型硝化を受けた後、筒体7の外に流出し、ANAMMOX微生物により脱窒処理される。気泡、水及び汚泥の混合物が筒体7から上方に出た後、気泡の大部分は反応槽1A内を上昇し、筒体3a内を通って水面に達し、大気中に離脱する。混合物中の汚泥の大部分はテーパ部材3cに達することなく反応槽1A内で沈降する。一部の汚泥は処理水と共に環状室30内に入るが、該環状室30内で沈降し、テーパ部材3cの外周縁から滑落して反応槽1Aの下部に戻る。
環状室30B内に入った水は、膜エレメント10の膜面付近で水素酸化微生物による脱窒処理され、この脱窒処理水が配管16より系外へ排出される。
このような窒素含有排水の処理装置において、配管16で取り出される脱窒処理水のpHが6.0〜8.7となるように酸添加手段5を制御することにより、水素酸化微生物による還元を確実に窒素ガスまで進行させ、効率的な処理を行える。なお、水素酸化微生物による還元で硝酸性窒素が亜硝酸性窒素を経て窒素に還元されることにより処理水のpHが上昇するため、このpH調整には、硫酸、塩酸等の酸が用いられる。
なお、図1,2は、本発明の窒素含有排水の処理装置の実施の形態の一例を示すものであり、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されるものではないが、図1,2に示すように、既存のANAMMOX反応槽に水素ガスを供給する膜エレメントを浸漬配置することにより、新たな反応槽を設けることなく本発明を実施することができ、好ましい。
この場合、膜エレメントは、生物汚泥と処理水とがほぼ完全に分離される領域に設けることが望ましく、従って、図1に示す装置のように、亜硝酸型硝化を行わないANAMMOX反応槽に膜エレメントを設ける場合には、反応槽上部の生物汚泥と処理水とがほぼ完全に分離される水位に膜エレメントを浸漬すれば良い。図2に示す装置のように、亜硝酸型硝化を行うANAMMOX反応槽に膜エレメントを浸漬する場合には、曝気により生物汚泥が対流しているため、生物汚泥の分離板により生物汚泥が分離された処理水の滞留領域に設けることが好ましい。
本発明において、水素ガス供給手段として水槽内に浸漬配置される膜エレメントのガス透過性膜としては、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜、ナノ濾過(NF)膜、その他の膜が挙げられ、その型式としては、中空糸膜、平膜等の各種のものを採用することができる。水素ガスの供給圧力は、被処理水の脱窒対象窒素量に応じて適宜決定される。
本発明において、処理対象となる排水は窒素を含有するものであり、例えば次のようなものが挙げられる。
(1) アンモニア性窒素を含む水を亜硝酸型硝化により、アンモニア性窒素の一部を亜硝酸性窒素に変換した亜硝酸型硝化処理水
(2) アンモニア性窒素を含む水と、亜硝酸性窒素を含む水(アンモニア性窒素を含む水に含まれる亜硝酸性窒素の殆どすべてを亜硝酸性窒素に変換した亜硝酸型硝化処理水)との混合水
上記アンモニア性窒素を含む水は、有機物及び有機性窒素を含むものであっても良いが、これらは脱窒処理前に予めアンモニア性窒素になる程度まで分解しておくことが好ましい。原水は無機物を含んでいても良い。一般的には、下水、し尿、嫌気性消化脱離液等のアンモニア性窒素、有機性窒素及び有機物を含む排水が処理対象となる場合が多いが、この場合、これらを好気性又は嫌気性処理して有機物を分解し、有機性窒素をアンモニア性窒素に分解した後、必要に応じて亜硝酸型硝化を行った後、本発明による脱窒処理に供することが好ましい。
本発明において、独立栄養性微生物は従属栄養的にも生育することができる任意化学独立栄養菌であっても構わないし、有機物を利用できない絶対化学独立栄養菌であっても構わない。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
図1に示す装置により、下記水質の亜硝酸型硝化処理水を原水として微生物処理を行った。
(原水水質)
NH−N:250mg/L
NO−N:330mg/L
NO−N:0mg/L
pH:7.0
ANAMMOX反応槽1の容積は25L、処理水槽20の容積は5Lであり、反応槽1には親水性中空糸膜エレメント((株)クラレ製「8258A」、膜表面積12m)10を浸漬し、水素ガスを0.10MPaの供給圧で供給した。
原水の通水量は7.3L/hrとし、ANAMMOX反応槽1と処理水槽20との循環水量は7.3L/hrとした。また、処理水のpHが表1に示す値となるように、反応槽1にpH調整のための酸を添加した。
得られた処理水の水質を調べ、結果を表1に示した。
比較例1
実施例1において、膜エレメントに水素ガスを供給しない他は同様に処理を行い、得られた処理水の水質を調べ、結果を表1に示した。
Figure 2007190491
表1より明らかなように、ANAMMOX微生物による脱窒処理と水素酸化微生物による脱窒処理とを組み合わせることにより、ANAMMOX反応で副生する硝酸性窒素や残留する亜硝酸性窒素を高度に除去して高水質の処理水を得ることができることが分かる。
本発明の窒素含有排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。 本発明の窒素含有排水の処理装置の別の実施の形態を示す系統図である。
符号の説明
1 ANAMMOX反応槽
1A 脱窒反応槽
10 膜エレメント
20 処理水槽

Claims (8)

  1. 窒素を含有する排水を生物学的脱窒処理する窒素含有排水の処理方法において、
    アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第一の独立栄養型脱窒工程と、
    水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第二の独立栄養型脱窒工程と
    を有することを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
  2. 請求項1において、前記第二の独立栄養型脱窒工程は、被処理水と水素ガスとを、膜を介して接触させる水素ガス供給工程を含むことを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
  3. 請求項2において、前記膜の被処理水側表面に微生物を付着、増殖せしめることにより該膜の被処理水側で微生物反応を行うことを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記第二の独立栄養型脱窒工程またはその前段に、該第二の独立栄養型脱窒工程の処理水のpHが6.0〜8.7になるようにpH調整するpH調整工程を有することを特徴とする窒素含有排水の処理方法。
  5. 窒素を含有する排水を生物学的脱窒処理する窒素含有排水の処理装置において、
    アンモニア性窒素を電子供与体、亜硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第一の独立栄養型脱窒手段と、
    水素ガスを電子供与体、亜硝酸性窒素および/または硝酸性窒素を電子受容体とする独立栄養性脱窒微生物の作用により脱窒処理する第二の独立栄養型脱窒手段と
    を有することを特徴とする窒素含有排水の処理装置。
  6. 請求項5において、前記第二の独立栄養型脱窒手段は、被処理水と水素ガスとを、膜を介して接触させる水素ガス供給手段を含むことを特徴とする窒素含有排水の処理装置。
  7. 請求項6において、前記膜の被処理水側表面に微生物を付着、増殖せしめることにより該膜の被処理水側で微生物反応を行うことを特徴とする窒素含有排水の処理装置。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、前記第二の独立栄養型脱窒手段またはその前段に、該第二の独立栄養型脱窒手段の処理水のpHが6.0〜8.7になるようにpH調整するpH調整手段を有することを特徴とする窒素含有排水の処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104045158A (zh) * 2014-06-26 2014-09-17 清华大学 一种强化污水全程自养脱氮反应器及方法
JP2016055230A (ja) * 2014-09-08 2016-04-21 株式会社日立製作所 排水処理装置及び排水処理方法

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